JPH11135353A - コイルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

コイルの製造方法及び製造装置

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JPH11135353A
JPH11135353A JP9316341A JP31634197A JPH11135353A JP H11135353 A JPH11135353 A JP H11135353A JP 9316341 A JP9316341 A JP 9316341A JP 31634197 A JP31634197 A JP 31634197A JP H11135353 A JPH11135353 A JP H11135353A
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JP
Japan
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coil
winding
coil conductor
humidifying
conductor
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JP9316341A
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English (en)
Inventor
Masumi Shiraishi
真澄 白石
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Aichi Electric Co Ltd
Original Assignee
Aichi Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角形コイルを巻装する場合、絶縁紙をその重
合幅を短くしてコイル導体に巻付けた前記絶縁紙を湿潤
させて、巻回中に巻径が変化する角形コイルの円滑な巻
装を可能とした。 【解決手段】 駆動手段によって回転する巻取枠52
と、線材1aに絶縁紙2aを巻付けて前記巻取枠52に
巻装されて角形のコイル5を形成するためのコイル導体
3aと、前記コイル導体3aを巻回したドラム13と角
形コイル5を巻装する巻取枠52との間に設置されてコ
イル導体3aの巻装時、これを湿潤させるコイル導体3
aの加湿・案内装置16とを備えて構成したことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変圧器やリアクトル
等角形のコイル等を製造するのに最適なコイルの製造方
法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、変圧器やリアクトル等に使用す
る角形コイルの巻回に際しては、円形コイルを巻回する
場合と異なり、巻取枠が矩形状に形成されている関係
上、巻取枠の1回転中に巻径が大きく変化することにな
る。例えば、図11に示すように、銅,アルミニウム等
の導電材からなる平角状の線材1に絶縁紙2を、その重
合部を比較的密に巻付けて形成したコイル導体3を図7
に示すように、角形の巻取枠4に巻回して矩形状をなす
角形のコイル5を製造する場合、前記角形のコイル5は
そのコーナー部(曲成部)において巻径が最大となり、
逆にフラット部(平坦部)では最小となる。
【0003】ところが、これまでの角形コイル5の巻回
装置15においては、前記のように、巻取枠4の1回転
中に巻径が変化するにもかかわらず、コイル導体3には
常に一定の張力(テンション)を加えた状態でコイル5
の巻回作業を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記角形コイル5の巻
回において、使用するコイル導体3が、例えば図11で
示すように、平角状の線材1に絶縁紙2をその重合部の
幅を比較的密(図11に示す絶縁紙2の巻幅の間隔tを
短くする)に巻付けて形成し、このコイル導体3を一定
のテンションで矩形状の巻取枠4に角形状に巻回した場
合、コイル導体3が巻取枠4の巻径の相違によって緊張
したり、弛みが生じたとしても、線材1に巻付けた絶縁
紙2はその重合幅の間隔が大きく(長く)、即ち、密に
して線材1に巻付けてあるため、前記の如く巻径が変化
した状態でコイル導体3を巻回しても破損することは全
くないものの、コイル導体3には絶縁紙2が重合幅を大
きくして密に巻付けてあるので、コーナー部での巻回が
巻取枠4に沿って小さな曲率により曲成させて巻回する
ことが難しく、コイル5のコーナー部における巻径を大
きくさせるおそれがあった。
【0005】コイル5のコーナー部における径を小さく
する場合は、コーナー部の巻回の都度、ハンマー等を用
いてコイル導体3を叩きながら巻取枠4の角部となじま
せながら巻回することも考えられるが、コイル導体3は
通常線材1を図11のように、上下,左右に2本づつ、
計4本束ねた状態で巻回している関係上、コイル導体3
自体が下側の線材1と上側の線材1との巻径が異なるこ
とと相まって、絶縁紙2を破損し絶縁性能を著しく低下
させることがあった。又、コイル導体3には絶縁紙2が
その重合幅の間隔を長くして密に巻付けることにより巻
幅の間隔tが短くなっているので、コイル導体3自体は
絶縁紙2を密に巻付けることにより肉厚となることを避
けることができず、しかも、絶縁紙2が密に巻付けられ
ているので、コイル導体3はその製造原価が必要以上に
高くなり、角形コイル5の製造コストを必然に高くし、
角形コイル5を使用する変圧器等の製造原価を低減させ
ることが困難であった。
【0006】一方、図10で示すように、線材1aに巻
回する絶縁紙2aの重合幅を比較的粗くして絶縁紙2a
の巻幅の間隔t1 を長くして形成したコイル導体3aを
使用する場合、少なくともコイル導体3a自体は、図1
1に示すコイル導体3に比べ絶縁紙2aの重合幅を少な
く(短く)して、即ち、粗くして巻付けることにより絶
縁紙2aの巻付工程が簡易化でき、コイル導体3aを安
価に製造できるので、これにより、角形のコイル5を低
コストで製造できるという利点がある反面、絶縁紙2a
の重合幅が極端に短くなっているため、このコイル導体
3aを巻取枠4のコーナー部において曲成しながら巻く
と、絶縁紙2aが簡単に破損して絶縁性能が低下し、こ
の結果、変圧器等の電気機器が絶縁不良によってその運
転中に短絡事故等を誘発するという大きな問題があっ
た。
【0007】この発明は、前記の種々な問題点に鑑み、
角形のコイルの巻回に際しては、コイル導体の絶縁紙を
事前に加湿して絶縁紙を線材になじませることにより、
絶縁紙の破損を解消してコイル導体の巻回を可能とした
コイルの製造方法及び製造装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、駆動手段に
よって回転する巻取枠と、線材に絶縁紙を巻付けて前記
巻取り枠に巻装されて角形のコイルを形成するためのコ
イル導体と、前記コイル導体を巻回したドラムと角形コ
イルを巻装する巻取枠との間に設置されてコイル導体の
巻装時これを事前に湿潤させるコイル導体の加湿・案内
装置とを備えてコイル製造手段を構成したことを特徴と
する。
【0009】この発明において、前記コイル製造手段の
加湿・案内装置は、中空枠体の両端側に所定の間隔を空
けて取付けられてドラムから巻戻しされたコイル導体を
供送案内する一対の案内ローラと、給水源と接続する導
水管及びこの導水管の外周にローラ固定管を介して配設
したローラ刷子とを備えて前記一対の案内ローラとの間
にコイル導体を挟持した状態で回転自在に配設した加湿
ローラとからなり、前記案内ローラの一方から供送され
たコイル導体を加湿ローラにて湿潤し、これを他方の案
内ローラから巻取枠に供送可能に構成したことを特徴と
する。
【0010】この発明において、前記一対の案内ローラ
と加湿ローラとを具備した加湿・案内装置は、コイル導
体を巻回したドラムを載架するドラム載架装置の前記コ
イル導体の巻戻し位置に近接して揺動可能に取付けるよ
うにしたことを特徴とする。
【0011】この発明において、前記加湿・案内装置に
具備した加湿ローラは、シリンダ等の昇降手段にてコイ
ル導体を挟持できる範囲で昇降可能に構成したことを特
徴とする。
【0012】この発明においては、変圧器,リアクトル
等に使用する角形のコイルの巻回に際しては、平角状の
線材に絶縁紙を比較的粗く(重合幅を少なく)重合させ
て巻付けたコイル導体を、その供送途中において加湿ロ
ーラにより絶縁紙を湿潤させた状態で巻回するように構
成したので、コイルの角部巻回時コイル導体は所要の角
度に曲成して巻回される関係上、線材に巻付けた絶縁紙
の重合部の間隔が短くなっていると、線材が曲成する角
度に絶縁紙が追従できず、線材の曲成部に巻付けられて
いる絶縁紙の局部に曲成作用が働いて絶縁紙を局部的に
裂傷するが、前記絶縁紙を水,アルコール等の水分に湿
潤させることにより、絶縁紙の損傷が解消し、角形コイ
ルの製造が、円滑に、かつ、経済的に行うことが可能と
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1ないし図9によって説明する。図1はこの発明の実施
例で使用するコイル巻取装置11の全体構成を概略的に
示す構成図で、このコイル巻取装置11は、例えば、図
10に示すコイル導体3aを巻回した複数のドラム13
を回転可能に、かつ、取外し自在に載架するドラム載架
装置14と、各ドラム13から巻戻しされたコイル導体
3aの絶縁紙2aを個々に水やアルコール等の水分によ
り加湿しながら、コイル導体3aを巻回装置15側に供
送案内する加湿・案内装置16と、前記加湿された複数
のコイル導体12を一本のコイル導体の如く収束して巻
回装置15に円滑に案内する導体収束案内装置17と、
前記複数本に収束され、かつ、加湿されたコイル巻回導
体17aを例えば、角形のコイル5に巻回する前記巻回
装置15とによって概略構成されている。
【0014】次に、コイル巻取装置11を構成する前記
各機構部の構造について説明する。最初に、本発明のコ
イル巻取装置11で角形のコイル5を巻回する場合、コ
イル導体としては、図10で示す線材1aに絶縁紙2a
を粗く、即ち、重合幅を少なく(短く)して巻付けたコ
イル導体3aを使用するもので、これはコイル5の巻回
作業の円滑化とコストダウンを図るに他ならないもので
ある。
【0015】つづいて、ドラム載架装置14は図1で示
すように、アングル鋼等の骨材を例えば、箱状等に枠組
して形成したドラム取付枠体18からなり、コイル導体
3aを巻装したドラム13を回転自在に、かつ、取外し
できるように構成されているとともに、図示はしないが
各ドラム13にはコイル導体3aの不必要な巻戻しや空
転等を防ぐ、即ち、コイル導体3aがテンションを加え
られた状態で巻戻しを可能とする制動装置が付設されて
いる。そして、本例ではドラム13が図1のように、例
えば、4個並置しても各ドラム13からコイル導体3a
の巻戻しが円滑に行えるように構成されている。
【0016】加湿・案内装置16は各ドラム13のコイ
ル導体3aの巻戻し位置に隣接して、ドラム取付枠体1
8の例えば、縦梁18aに取付けられている。この加湿
・案内装置16は図3,4で示すように、その入口a側
と出口b側とにはコイル導体3aを供送する案内ローラ
19,20が、そして、これら一対の案内ローラ19,
20間には、コイル導体3aを挟持して絶縁紙2aを加
湿させる一対の加湿ローラ21,21aを具備して構成
されている。
【0017】前記コイル導体3aを供送する案内ローラ
19,20は、図5,6で示すように、横長な中空枠体
22に軸受23,23aを介して回転自在に取付けられ
ており、各々の案内ローラ19,20は、図5,6に示
すように、上下方向に一対のローラをコイル導体3aが
挿通できる空間を空けて配置することにより、中空枠体
22に回転自在に取付けられている。
【0018】一方、前記案内ローラ19,20間に具備
される加湿ローラ21,21aは、図9で示すように、
中空状の導水管24と、この導水管24の長さ方向の端
末に回転自在に挿入した軸受25,25aと、前記軸受
25,25aに止着(螺着)されて含水物質、例えばス
ポンジ状のローラ刷子26を微少な間隙を有して装着し
たローラ固定管27とによって構成されており、導水管
24に通水された水は、それぞれ導水管24,ローラ固
定管27に穿孔した第1〜第3の通水口c,d,eを通
ってローラ刷子26に通水され、このローラ刷子26を
所定の含水量で湿潤する。
【0019】前記加湿ローラ21,21aを案内ローラ
19,20を取付けた中空枠体22に取付ける場合は、
最初に図3で示すように、加湿ローラ21,21aの軸
受25,25aから突出する導水管24の両端部に、導
水管24の各端末を通水可能とした状態で前記中空枠体
22の側壁16a,16aに穿設した案内溝16bに昇
降可能に係合する固定板28,28aを装着する。
【0020】つづいて、前記固定板28,28aを装着
した加湿ローラ21,21aは、図3,4で示すよう
に、加湿ローラ21側はその上部に、もう一方の加湿ロ
ーラ21a側ではその下部にそれぞれ横長な支持板2
9,29aを、その端部を側壁16a,16aの案内溝
16b,16bに挿入し、これら各支持板29,29a
を前記固定板28,28aと固定する。この後、前記支
持板29,29aには、中空枠体22の上,下部に取付
けたシリンダ30の駆動部(ピストン)を連接し、前記
シリンダ30の駆動により、加湿ローラ21,21a
を、支持板29,29aと固定板28,28aを介して
昇降させ、加湿ローラ21,21a間を必要に応じて開
閉させる。
【0021】前記加湿ローラ21,21aの各導水管2
4の一方に止着した固定板28,28aには、図3,9
に示すように、それぞれ導水管24と連通する通水路3
1,31aが形成されており、例えば、図3の下側に位
置する加湿ローラ21aの固定板28aには通水路31
aと連通する給水栓32が取付けられており、他方、図
3の上側に位置する加湿ローラ21側の固定板28に
は、通水路31と連通する排水栓33が取付けられてい
る。又、各導水管24の前記給・排水栓32,33を有
しない他方端は、導水管24同士が連結パイプ等の連通
管34を介して連通可能に連結されている。そして、前
記給・排水栓32,33には、それぞれ図8に示すよう
に給・排水管32a,33aが接続されており、給水管
32aは図示しない給水源に、排水管33aは図示しな
い排水溝にそれぞれ接続されている。
【0022】更に、加湿ローラ21aの下側には、支持
板29a上において図3,4に示すように、加湿ローラ
21aのローラ刷子26から滴下する雫を一時的に貯留
するドレンパン35が設置されており、このドレンパン
35に流下したドレンは、排水栓36から図示しない排
水管を介して外部に排水される。又、加湿ローラ21,
21aのローラ刷子26,26を湿潤させる場合、給水
管32a,給水栓32から通水された水は、通水路31
aから下側の加湿ローラ21aの導水管24に通水さ
れ、その一部は通水口c,d,eからローラ刷子26側
に流出してこれを湿潤させ、残りはそのまま連通管34
から上側の加湿ローラ21の導水管24に流入し、前記
同様に通水口c,d,eを通って上側の加湿ローラ21
のローラ刷子26側に流出してこれを湿潤させるととも
に、残水はそのまま導水管24,通水路31を通って排
水栓33,排水管33aから外部に排水される。
【0023】そして、前記加湿ローラ21,21aは、
コイル導体3aを図8に示すように、供送案内している
ときは、シリンダ30が駆動してローラ刷子26,26
によりコイル導体3aを挟持させ、かつ、加湿ローラ2
1,21a自体には通水が行われ、図10に示すコイル
導体3aの絶縁紙2aを湿潤させる。なお、コイル導体
3aの供送が停止しているときは、シリンダ30により
支持板29,29aを原位置に復帰させて加湿ローラ2
1,21a間を開放してコイル導体3aの挟持を解くと
ともに、加湿ローラ21,21aへの通水を一旦中止
し、コイル導体3aの絶縁紙2aが必要以上に湿潤する
のを防ぐようにしている。これらの操作は、角形のコイ
ル5を巻回する作業者が行うか、あるいは、コイル5を
自動巻回する場合の如く、加湿ローラ21,21aの自
動昇降(開閉)と、給水の自動供給及び自動停止を行わ
せるコントローラをコイル巻取装置11に具備させて行
うかについては、任意に選択すればよい。
【0024】なお、図3,4に示す37は、コイル導体
3a等を伝って案内ローラ20側に付着したり飛散した
水が滴下したとき、これを受水して回収するためのドレ
ンパンを示すもので、このドレンパン37は中空枠体2
2の底板22a上に設置されている。38はドレンパン
37の排水栓である。
【0025】次に、前記コイル導体3aの加湿・案内装
置16をドラム取付枠体18に取付ける場合について説
明する。図3において、40は軸受体41を内蔵して加
湿・案内装置16を揺動自在に支持する支持装置で、例
えば、図2,3で示すように、ほぼ中空角筒状に形成し
た矩形枠体42に、その底部側(図3の左側)に設けた
係載部gを利用して前記軸受体41(ボールベアリン
グ)を収納係載する。
【0026】つづいて、前記矩形枠体42の頭部側(図
3の右側)の開口部から図5,6で示すように、支軸4
3を挿着し、この支軸43は図3で示すように、中空枠
体22の一側壁16aに軸受体41との間でカラーhを
介して締付ねじ44により締着すると、前記中空枠体2
2(加湿・案内装置16)は、支軸43を支点として支
持装置40に片持支持された状態で、図2の時計、反時
計方向に揺動可能に設置することができる。
【0027】加湿・案内装置16を取付けた支持装置4
0をドラム取付枠体18に設置する場合について説明す
る。先づ、最初に支持装置40に加湿・案内装置16を
取付けたら、前記支持装置40の矩形枠体42に蓋体4
5を被着する。この場合は、図2,5に示すように、矩
形枠体42の係載部g側から矩形枠体42の隅角部を利
用して穿孔した取付孔に、あらかじめ支持装置40を中
空枠体22に連結する前に取付ボルト46を通してお
く。そして、前記支持装置40を中空枠体22に連結し
た後、矩形枠体42から突出する取付ボルト46を蓋体
45に通してナットを締着することにより、矩形枠体4
2の開口部(図3の右側)を蓋体45にて閉鎖する。
【0028】前記蓋体45の背面には図2,6に示すよ
うに、平面形状を鉤形に形成した取付座47が縦方向に
沿って取付ねじ48により止着されており、この取付座
47を図6で示すように、ドラム取付枠体18の縦梁1
8aと相対応させた状態で、取付座47の後部(背部)
から固定ボルト49を螺合し、この固定ボルト49の先
端を縦梁18aの平坦面に当接してナット50により固
定すると、加湿・案内装置16は図2,3で示すよう
に、縦梁18aに滑落することなく係止保持される。
【0029】この結果、前記加湿・案内装置16の中空
枠体22は、図3,6で示すように、中空枠体22の一
側壁16a(図3の右側)にねじ止めした支軸43を支
点として、ドラム取付枠体18の縦梁18aに取付けた
支持装置40に、軸受体41を介して一点支持された状
態で回動自在に支承することができる。
【0030】次に図1に示す51は、複数のドラム13
から巻戻された所定本数のコイル導体3a(本例では4
本)を図10で示すように、一本化(4本のコイル導体
3aを1本のように収束)するための筒体を示し、角形
のコイル5を巻回するコイル巻回導体17aを形成する
ための導体収束案内装置17を構成する。
【0031】つづいて、図1に示す角形のコイル5を巻
回する装置15について説明する。図1において、52
はコイル5の原型となる巻取枠、53は巻取枠52を着
脱自在に取付けるための巻軸であり、プーリ54,タイ
ミングベルト55を介して電動機56と駆動連結されて
いる。57はコイル押えローラを示し、ソレノイド等の
押付け手段58にて、コイル巻回時は常時コイル5を押
圧付勢している。なお、図1,2に示す59は加湿され
たコイル導体3aを支持するために、加湿・案内装置1
6に付設した導体支持ローラである。
【0032】次に、前記コイル巻取装置11を用いて角
形のコイル5を巻回する場合について説明する。角形コ
イル5の巻回に当っては、最初に、巻軸53にコイル5
を巻回するための巻取枠52を取付ける。このあと、図
1において、ドラム載架装置14のドラム取付枠体18
に取付けた各ドラム13からコイル導体3aを巻戻し、
それぞれ対応する加湿・案内装置16に導入する。
【0033】前記コイル導体3aを加湿・案内装置16
に導入する場合は、例えば、図4に示すように、コイル
導体3aを案内ローラ19,19間に通した後、一対の
加湿ローラ21,21aをシリンダ30,30により図
示しないスイッチを操作して上下方向に移動させ、その
隙間に図8に示すように、コイル導体3aを下側の加湿
ローラ21aに乗載したら、再びシリンダ30,30を
起動し、加湿ローラ21,21aを互いに相対する方向
に移動させて、コイル導体3aを図3のようにローラ刷
子26,26間に挟持させる。
【0034】この状態で、加湿・案内装置16の導水管
24,24に図示しないスイッチを投入して開閉弁を開
き、水又はアルコール等線材1a,絶縁紙2aに悪影響
を与えない液体を通水する。加湿ローラ21,21aの
導水管24,24に通水された液体、例えば、水は図9
に示す導水管24,24の通水口cからローラ固定管2
7,ローラ固定管27の各通水口d,eからスポンジ状
のローラ刷子26に浸透する。即ち、ローラ刷子26に
含水(湿潤)させる。
【0035】前記ローラ刷子26,26が含水したら加
湿ローラ21,21aから図8に示すように、コイル導
体3aを引出す。この引き出し作業は、コイル5の巻回
作業者か、あるいは、コイル5を自動巻きする場合はコ
イル導体3aをセットする作業者が行う。前記加湿ロー
ラ21,21a間から引出されるコイル導体3aはもう
一方の案内ローラ20,20の間を通って加湿・案内装
置16から導出する。
【0036】加湿・案内装置16から引出されたコイル
導体3aは、その表面を被覆する絶縁紙2aが水あるい
はアルコール等の水分により湿潤されて導出される。前
記絶縁紙2aが湿潤された各コイル導体3aは、導体収
束案内装置17により収束されコイル巻回導体17aと
して1本化し、そのまま巻取枠52に導き、巻軸53を
回転させてコイル巻回導体17aを巻回することによ
り、角形コイル5の巻装を開始する。
【0037】コイル巻回導体17aを巻取枠52に1タ
ーン分巻回したら、巻取枠52を停止して一旦コイル巻
回導体17aの巻回を中断する。この中断は次層のコイ
ルを巻回する前に、既に巻回した前層のコイル巻回表面
に図示しない絶縁紙を巻回して層間絶縁層を形成するた
めである。この場合、即ち、コイル5の巻回が中断され
ているので、加湿ローラ21,21aへの通水も停止さ
れている。又、加湿ローラ21,21a自体はシリンダ
30,30を起動させて、上下方向に移動し、コイル導
体3aの絶縁紙2aが必要以上に湿潤するのを防いでい
る。これらの作業はすべてコイル巻回作業者が行うか、
あるいは、図示しないコントローラからの指令によりシ
リンダ30や給水栓32を自動操作して行えばよい。
【0038】又、コイル導体3aの絶縁紙2aを湿潤し
ているときに生ずる水滴は、図3に示すように、加湿ロ
ーラ21aを伝ってその下側に設置したドレンパン35
に滴下し貯留される。更に、案内ローラ20側から滴下
する水滴についても、その下側に設けたドレンパン37
にて貯留する。
【0039】前記のように、コイル導体3aを用いて角
形のコイル5を巻回する際、コイル導体3aの絶縁紙2
aは水とかアルコール等の水分に湿潤されて巻取枠52
に巻回されるため、絶縁紙2aは線材1aと良好になじ
み、巻取枠52の角部において線材1aが所定の曲率で
曲成させても、絶縁紙2aは水分による湿潤効果によ
り、線材1aと協調して曲成することができるので、角
形のコイル5の巻回に際してコイル5のコーナー部にお
いて、絶縁紙2aが線材1aの曲率に同調できず、曲成
作用により裂傷して損傷するという問題を確実に回避し
て角形のコイル5を巻装することができる。
【0040】このように、コイル導体3aはその供送途
中において、線材1aに巻付けた絶縁紙2aを良好に湿
潤させることが可能となり、これにより、コイル導体3
a自体を導体収束案内装置17によって複数本を束ね1
本化して巻回しても、絶縁紙2a自体が湿潤作用により
線材1aとなじませて裂傷することなく曲成させること
ができるので、角形コイル5の巻回作業が円滑に行える
ことはもとより、線材1aに巻付ける絶縁紙2aの重合
幅を極端に粗くしても巻線作業には何等の支障も生じ
ず、しかも、絶縁紙2aの重合度を粗くしたコイル導体
3aの使用が可能となることにより、角形コイル5自体
を安価に製造できる利点がある。
【0041】この発明においては、コイル導体3aに巻
付けた絶縁紙2aを湿潤する場合、加湿ローラ21,2
1aを使用した例について説明したが、これに限定する
ことなく、例えば、コイル導体3a自体(図10に示す
絶縁紙2aの巻付重合度を粗くしたもの)を、水槽に貯
留した水やアルコールの中を通して湿潤させたり、ある
いは、コイル導体3aを巻いたドラム13を湿度の高い
部屋の中に配置し、その部屋から絶縁紙2aを湿潤した
コイル導体3aを引出して巻回するようにしても本発明
は成立するものである。
【0042】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、コイル
導体の巻回に際してあらかじめ線材に重合幅の間隔を少
なく(短く)して巻付けた絶縁紙を所要の含水率で湿潤
させて角形コイルを巻回するようにしたので、絶縁紙は
水分による湿潤効果によって線材と良好になじみ、線材
が曲成しても、線材の曲成によって破損することもなく
追随して曲成させることが可能となり、この結果、絶縁
紙の重合部分を粗く(少なく)巻回したコイル導体を使
用しても、角形コイルを円滑・良好に巻装でき、この種
コイルの製造コストを著しく低下することができる。
【0043】又、コイル導体の絶縁紙を湿潤させる加湿
・案内装置は、コイル導体を巻回したドラムと角形コイ
ルの巻回装置との間に設置し、かつ、コイル導体の供送
途中でローラ等の部材を用いて湿潤させるという簡単な
構成で、コイル導体の絶縁紙を湿潤することが可能とな
り、この結果、コイル製造装置を格別大型化したり、構
成を複雑化することなく製造でき至便である。その上、
角形コイルを巻回するコイル導体は、絶縁紙を湿潤させ
ても、コイル巻回後加熱乾燥処理を行うため、角形コイ
ルの絶縁特性が低下するということは全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル製造装置を示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明装置の要部を示す側面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】加湿・案内装置の要部を示す縦断面図である。
【図5】図2のB−B線における断面図である。
【図6】加湿・案内装置の取付状況を示す要部横断面図
である。
【図7】コイル導体の巻回状態を示す巻回装置の要部を
示す斜視図である。
【図8】加湿ローラの斜視図である。
【図9】加湿ローラの縦断面図である。
【図10】コイル導体の第1実施例を示す斜視図であ
る。
【図11】コイル導体の第2実施例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
3a コイル導体 14 ドラム載架装置 15 巻回装置 16 加湿・案内装置 19,20 案内ローラ 21,21a 加湿ローラ 24 導水管 26 ローラ刷子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻取枠の回転中に巻径が変化するコイル
    巻取装置の巻取枠に、コイル導体に巻付けた絶縁紙をあ
    らかじめ湿潤させた状態で、前記コイル導体を巻回して
    コイルの製造を可能としたコイルの製造方法。
  2. 【請求項2】 駆動手段によって回転する巻取枠と、線
    材に絶縁紙を巻付けて前記巻取枠に巻装されて角形のコ
    イルを形成するためのコイル導体と、前記コイル導体を
    巻回したドラムと角形コイルを巻装する巻取枠との間に
    設置されてコイル導体の巻装時これを湿潤させるコイル
    導体の加湿・案内装置とを備えて構成したことを特徴と
    するコイルの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記加湿・案内装置は、中空枠体の両端
    側に所定の間隔を空けて取付けられてドラムから巻戻し
    されたコイル導体を供送案内する一対の案内ローラと、
    給水源と接続する導水管及びこの導水管の外周にローラ
    固定管を介して配設したローラ刷子とを備えて前記一対
    の案内ローラとの間にコイル導体を挟持した状態で回転
    自在に配設した加湿ローラとによって、構成したことを
    特徴とする請求項2記載のコイルの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記一対の案内ローラと加湿ローラとを
    具備した加湿・案内装置は、コイル導体を巻回したドラ
    ムを載架するドラム載架装置の前記コイル導体の巻戻し
    位置に近接して揺動可能に取付けるようにしたことを特
    徴とする請求項2記載のコイルの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記加湿・案内装置に具備した加湿ロー
    ラは、シリンダ等の昇降手段にてコイル導体を挟持でき
    る範囲で昇降可能に構成したことを特徴とする請求項2
    記載のコイルの製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102290929A (zh) * 2011-08-26 2011-12-21 深圳市双环全新机电股份有限公司 一种自动对线圈喷酒精及压扁的设备
CN110626831A (zh) * 2019-09-25 2019-12-31 邵东智能制造技术研究院有限公司 绝缘纸加湿流水线设备

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