JPH11134912A - 保護膜 - Google Patents

保護膜

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JPH11134912A
JPH11134912A JP9316145A JP31614597A JPH11134912A JP H11134912 A JPH11134912 A JP H11134912A JP 9316145 A JP9316145 A JP 9316145A JP 31614597 A JP31614597 A JP 31614597A JP H11134912 A JPH11134912 A JP H11134912A
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JP
Japan
Prior art keywords
film
protective film
sio
test
halogen lamp
Prior art date
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Pending
Application number
JP9316145A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromasa Okitsu
洋正 興津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Techno Glass Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐熱・耐水性に優れかつ安価な保
護膜を提供することを目的とする。 【解決手段】 反射体に被着されている光学的多層膜上
に被着される保護膜であって、SiO2 及びAl2 3
を必須成分として含有し、その合量が95質量%以上含
有しているものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射体、例えば高
出力ハロゲン電球の反射体に被覆された光学的多層膜
(以下、多層膜と称す)の耐久性を向上させる保護膜に
関する。
【0002】
【従来技術】従来、ハロゲン電球用などの反射体におい
ては、その中央に装着された高出力ランプからの可視光
を反射面で効果的に反射させ、かつ熱線を透過させるた
め、反射面に高屈折率蒸着材料と低屈折率蒸着材料とを
交互に積層させてなる多層膜、例えば、硫化亜鉛−弗化
マグネシウム(ZnS−MgF2 )多層膜又は酸化チタ
ン−二酸化珪素(TiO2 −SiO2 )多層膜が被着さ
れている。
【0003】ところが、ハロゲン電球はランプ点灯の際
に高熱を発するため、上記多層膜はその耐久性を低下さ
せてしまう。このため、多層膜の上層に保護膜となるS
iO2 膜を真空蒸着し、さらに加熱処理し膜密度を密に
し多層膜の耐久性の低下を防いでいた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この対
応は、低出力ハロゲン電球、例えば12V・50W程度
のものに対して効果的であるが、高出力ハロゲン電球、
例えば100V・360Wのものに対してはあまり効果
が見られなかった。これは、多層膜及び保護膜を加熱処
理によって膜密度を密にしても、保護膜のSiO2 の分
子間の隙間から膜内部への水分の侵入を防ぐことができ
ず、膜内に水分が残存したままハロゲン電球からの高熱
によって、多層膜が熱せられ多層膜中のZnSの昇華が
起こり白曇りを生じさせていた。
【0005】したがって、本発明は上記事情を考慮し、
耐熱・耐水性に優れかつ安価な保護膜を提供することを
目的とする。
【0006】なお、本明細書で用いる“%”表示は、質
量%を表すものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、請求項1に記載された発明は、光学的多
層膜上に被着される保護膜であって、Al2 3 及びS
iO2 を必須成分とし、その合量が95%以上含有して
いるものとした。
【0008】これにより、Al2 3 がファンデルワー
ルス力によって、SiO2 の分子間の隙間に入り込み、
保護膜の膜密度を緻密にさせることができる。また、A
23 及びSiO2 の合量が95%未満となり、不純
物の混入量が5%を越えてしまうと、多層膜物質と保護
膜との熱膨張差が広がりすぎ、内部応力のバランスが崩
れ保護膜の耐熱性が低下してしまう。
【0009】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載された保護膜において、SiO2 及びAl2 3
必須成分以外に、Fe2 3 、Na2 O、K2 O、Ca
O、MgO,TiO2 のいずれかを1以上含むものとし
た。
【0010】このように必須成分以外に混入する物質も
酸化物とすることにより、ランプ点灯の際の高熱に対し
ても膜物質の組成が変化せず保護膜の耐熱性が低下しな
い。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)この実施の形態は、図1に示すように
ガラス基板1の一面に回転放物面からなる凹面2が形成
され、この凹面2に真空蒸着により被覆された多層膜4
の上層にAl2 3 及びSiO2 が主成分として含まれ
ている保護膜5を被覆したものである。
【0012】(実施の形態2)この実施の形態は、図1
に示すようにガラス基板1の凹面2に真空蒸着により被
覆された多層膜4の上層に、ムライトからなる保護膜5
を被覆したものである。
【0013】
【実施例】
(実施例1)この実施例は上記実施の形態1に対応する
ものであり、図1を参照して本発明の実施例を説明す
る。図1において、1はガラス基板、例えばハロゲン電
球用反射体のガラス基板1であり、一面を回転放物面か
らなる凹面2で形成されている。この凹面2の中央には
ハロゲン電球3が装着されており、さらに凹面2上には
多層膜4が被着され、この多層膜4の上層にはAl2
3 及びSiO2 からなる保護膜5が被覆され反射体6が
形成される。反射体6に被着されている多層膜4により
ハロゲン電球3から出射される可視光が反射され、熱線
が反射体6を透過する。
【0014】多層膜4は、真空蒸着を用いて以下に示す
条件で凹面2上にZnS−MgF2の交互層を21層被
覆したものである。また、保護膜5も多層膜4と同様な
条件で多層膜4の上層にAl2 3 とSiO2 との混合
物を被覆したものである。 (1)膜構成・・・((HL)5 H)/λ1 ・((L
H)5 ・2L´)/λ2 H:ZnS L:MgF2 L´:保護膜5 λ1 :680nm λ2 :530nm (2)到達真空度・・・6.5×10-3Pa (3)コート真空度・・3.9×10-3Pa (4)導入ガス・・・・Arガス (5)基板温度・・・・100〜300℃ なお、第22層目の保護膜5は、以下の表1に示す質量
比のAl2 3 とSiO2 との混合物を電子銃により被
覆した。
【0015】さらに、多層膜4及び保護膜5の蒸着完了
後、多層膜4及び保護膜5を蒸着した反射体6に加熱処
理を施す。すなわち、反射体6を電気炉中で350℃以
上に加熱を行ない、多層膜4及び保護膜5を硬化する。
この加熱処理は、光源であるハロゲン電球3の点灯の際
の熱負荷が通常350℃以上であり、350℃未満で硬
化された多層膜4及び保護膜5は上記熱負荷に耐えるこ
とができないためである。
【0016】次に、本発明の保護膜5が被着されている
多層膜4の耐久性について、保護膜5を構成するAl2
3 とSiO2 との質量比を変化させ、点灯テスト、熱
衝撃テスト、煮沸テスト、および引張テストを行なった
結果のテストデータも表1に示す。なお、実験例1は従
来の保護膜に相当する。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示すテストの試験方法を以下に示
す。 (1)点灯テスト…反射体6に100V・360Wのハ
ロゲン電球3を装着して、10分間点灯−10分間消灯
を点灯時間累計500時間経過後の膜剥れ、膜クラッ
ク、表面白濁、干渉むらについて評価。 (2)熱衝撃テスト…反射体6を600℃の中性雰囲気
の電気炉中で5分間放置した後、大気中に放置冷却し、
膜剥れ、膜クラック、表面白濁、干渉むらについて評価
した。 (3)煮沸テスト…反射体6を100℃の市水中に10
分間浸漬後、膜剥れ、膜クラック、表面白濁、干渉むら
について評価した。 (4)引張りテスト…保護膜5に幅1/2インチ、長さ
10mmの#600のスコッチテープ(商品名)を貼着
し急激に引剥がした後、膜剥れについて評価した。これ
らのテストの評価は、以下の評価記号で示した。 ○…変化なし X…膜剥れ Y…膜クラック Z…表面白濁又は干渉むら弱 ZZ…表面白濁又は干渉むら中 ZZZ…表面白濁又は干渉むら強
【0019】表1の結果から、 点灯テストについて…実験例4ないし9のように、保
護膜5中のAl2 3の含有量が30%〜100%のも
のは、膜に変化は見られず良好であった。しかし、実験
例1ないし3のように、保護膜5中のAl2 3 の含有
量が0〜20%と少量であると、膜表面に白濁が生じて
しまう。この原因は、SiO2 の分子間の隙間に入り込
むAl2 3 の量が少なく十分にこの隙間を埋めること
ができず、保護膜5の膜密度を緻密にすることができな
くなり、膜表面から膜内部へ水分が侵入し、その水分と
ハロゲン電球3との熱によりZnSの昇華が起こり白曇
りが生じていたからである。
【0020】熱衝撃テストについて…実験例1ないし
8のように、保護膜5中のAl2 3 の含有量が0%〜
95%のものは、膜に変化は見られず良好であった。し
かし、実験例9のように、保護膜5がAl2 3 のみで
形成されているものは、膜クラックが生じてしまう。こ
の原因は、保護膜5中のAl2 3 の含有量が95%を
越えてしまうと、多層膜4のZnSと保護膜5との間の
熱膨張の差が大きくなりすぎ内部応力のバランスが崩れ
たことによる。
【0021】煮沸テストについて…実験例4ないし9
のように、保護膜5中のAl2 3の含有量が30%〜
100%のものは、膜に変化は見られず良好であった。
しかし、実験例1ないし3のように、保護膜5中のAl
2 3 の含有量が0〜20%と少量であると、多層膜4
に膜剥がれが生じていた。この原因は、点灯テストと同
様に保護膜5の膜密度を緻密にすることができなくな
り、膜表面から膜内部への水分が侵入するためである。
【0022】引っ張りテストについて…全ての実験例
及び比較例で変化は見られず良好であった。
【0023】これらのテストの結果により、多層膜4の
保護膜5に適しているものは、実験例4ないし8に記載
されたAl2 3 とSiO2 との混合比のものである。
すなわち、Al2 3 :SiO2 は30:70〜95:
5の範囲で混合されることが好ましい。
【0024】しかし、この実験例のサンプルを作成する
際に、保護膜5中のAl2 3 の含有量が90%を越え
たものでは、保護膜5をバランスよく成膜することが困
難であった。したがって、Al2 3 とSiO2 との混
合物を電子銃などの手段によって蒸着するときには、保
護膜5中のAl2 3 の含有量が30%〜90%の範囲
が望ましい。なお、Al2 3 とSiO2 とを別々に2
元蒸着するときには、保護膜5中のAl2 3 の含有量
は30%〜95%の範囲で良好な保護膜5を成膜するこ
とができる。
【0025】(実施例2)この実施例は上記実施例1の
Al2 3 とSiO2 との混合物の保護膜5に他の酸化
物が混入した場合の例である。Al2 3 とSiO2
の混合物の割合は7:3のものとし、他の酸化物として
はFe2 3 、Na2 O、CaOなどを用いた。(以
下、これらの酸化物を不純物という)そして、不純物の
混入割合を変化させ上記実施例1と同様なテストを行っ
た。その結果を表2に示す。
【0026】
【0027】表2の結果から 点灯テストについて…実験例10ないし14のよう
に、保護膜5中の不純物の合量が9%以下のものは、被
覆した膜に変化は見られず良好であった。
【0028】熱衝撃テストについて…実験例12ない
し14のように、保護膜5中の不純物の合量が5%以下
のものは、被覆した膜に変化は見られず良好であった。
しかし、実験例10ないし12のように、不純物の合量
が5%以上となってしまうと膜クラックが生じてしま
う。これは保護膜5中に混入した不純物を含む保護膜の
熱膨張と、多層膜4の最上層(本実施例の場合はZn
S)の熱膨張との差が大きくなりすぎ内部応力のバラン
スが崩れたためである。
【0029】煮沸テストについて…実験例10ないし
14のように、保護膜5中の不純物の合量が9%以下の
ものは、被覆した膜に変化は見られず良好であった。
【0030】引張りテストについて…実験例10ない
し14のように、保護膜5中の不純物の合量が9%以下
のものは、被覆した膜に変化は見られず良好であった。
【0031】これらのテスト結果により、多層膜4の保
護膜5として適しているものに許容される不純物の量は
5%未満である。また、表には示さないがAl2 3
SiO2 との混合比を上記実施例1の好ましい範囲内で
変化させたときについて実験を行ったところ、混合比に
より多少の差はあるものの不純物の量が5%未満であれ
ば良好な保護膜5が得られた。
【0032】なお、この実施例2で示した不純物の範囲
は、混入するする不純物が酸化物の場合であり、酸化物
以外であるとランプの熱により不純物が酸化反応を起こ
してしまうため上記した範囲よりも狭い範囲でなければ
保護膜5の耐久性を低下させる恐れがある。
【0033】(実施例3)この実施例は上記実施の形態
2に対応するものであり、真空蒸着法を用いて上記実施
例1の保護膜5のみをムライトに置き換えたものであ
る。したがって、蒸着条件については上記した条件と同
じである。
【0034】この実施例に用いたムライトは、SiO2
≧22%とAl2 3 ≧77%を主成分として含有
されており、その他不純物としてFe2 3 ≦0.
1、Na2 O ≦0.3%、K2 O ≦0.01%、C
aO ≦0.01%、MgO≦0.01%などが含まれ
たものである。このムライトを保護膜5として、上記実
施例1と同様な耐久性の試験を行ったところ、点灯テス
ト、熱衝撃テスト、煮沸テスト、引張りテストで膜剥れ
膜クラックなどの膜の変化はみられなかった。したがっ
て、天然に存在しているムライトを多層膜4の保護膜5
として使用できることが確認できたので、保護膜5をよ
り安価なものとすることができる。
【0035】
【発明の効果】SiO2 及びAl2 3 を必須成分と
し、その合量を95%以上とした保護膜とすることによ
り、保護膜の膜密度及び耐熱性を向上させることができ
る。また、混入する不純物を酸化物としたので、ランプ
点灯の際の高熱に対しても膜物質の組成が変化せず保護
膜の耐熱性を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射体用保護膜を適用したハロゲン
電球の一部切欠断面図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…凹面 3…ハロゲン電球 4…多
層膜 5…保護膜 6…反射体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的多層膜上に被着される保護膜であ
    って、Al2 3 及びSiO2 を必須成分とし、その合
    量が95質量%以上含有していることを特徴とする保護
    膜。
  2. 【請求項2】 Al2 3 及びSiO2 の必須成分以外
    に、Fe2 3 、Na2 O、K2 O、CaO、MgO,
    TiO2 のいずれかを1以上含むことを特徴とする請求
    項1記載の保護膜。
JP9316145A 1997-10-31 1997-10-31 保護膜 Pending JPH11134912A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006030486A1 (ja) * 2004-09-14 2006-03-23 Phoenix Electric Co., Ltd. 金属凹面反射鏡とこれを用いた光源体およびその光源装置並びにその点灯回路

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006030486A1 (ja) * 2004-09-14 2006-03-23 Phoenix Electric Co., Ltd. 金属凹面反射鏡とこれを用いた光源体およびその光源装置並びにその点灯回路

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