JPH1113462A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

排気ガス浄化装置

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JPH1113462A
JPH1113462A JP9177829A JP17782997A JPH1113462A JP H1113462 A JPH1113462 A JP H1113462A JP 9177829 A JP9177829 A JP 9177829A JP 17782997 A JP17782997 A JP 17782997A JP H1113462 A JPH1113462 A JP H1113462A
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exhaust gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス、特にエンジン始動直後の低温時に
おけるHCを効果的に浄化することができ、簡易且つ低
コストな排気ガス浄化装置を提供する。 【解決手段】 エンジン始動直後の低温時おける排気ガ
ス組成をリーン化制御できる装置であって、排気系の上
流に配置された窒素酸化物吸収触媒と、下流に配置され
た炭化水素吸着触媒とを備える。窒素酸化物吸収触媒
は、リーン域の一定温度を境にして窒素酸化物を吸収・
放出し、炭化水素吸着触媒も一定温度を境にして炭化水
素を吸着・放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関からエンジン始動直後の低温時に排出される排気ガス
中の炭化水素(以下、「HC」と称す。)、一酸化炭素
(以下、「CO」と称す。)及び窒素酸化物(以下、
「NOx」と称す。)のうち、特に、HCを効率良く浄
化することができる排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、排気ガス浄化用触媒は、高温
下での耐久性が十分でなく触媒が劣化して浄化能が著し
く低下するため、エンジン始動直後の低温時に排出され
る排気ガス中の炭化水素(以下、「コールドHC」と称
す。)の低減を目的に、吸着材を用いてHCを一時的に
貯蔵し、三元触媒が活性化した後に脱離させ、浄化する
方法が検討されている。
【0003】例えば、特開平6−74019号公報、特
開平7−144119号公報、特開平6−142457
号公報、特開平5−59942号公報及び特開平7−1
02957号公報等には、かかるHC吸着材を用いた発
明が開示されている。
【0004】即ち、特開平6−74019号公報には、
排気流路にバイパス流路を設け、エンジン始動直後のコ
ールド時に排出されるHCをバイパス流路に配置したH
C吸着材に一旦吸着させ、その後流路を切り換え、下流
の三元触媒が活性化した後、排気ガスの一部をHC吸着
触媒に通じ、脱離したHCを後段の三元触媒で徐々に浄
化する方法が提案されている。また、特開平7−144
119号公報には、コールド時に、前段の三元触媒に熱
を奪わせて中段のHC吸着材の吸着効率を向上し、前段
の三元触が媒活性化した後に、タンデム配置した中段の
HC吸着材を介して後段の三元触媒に反応熱を伝熱し易
くし、後段の三元触媒で浄化する方法が提案されてい
る。
【0005】更に、特開平6−142457号公報に
は、低温域で吸着したHCが脱離する際に、脱離HCを
含む排気ガスを熱交換器で予熱し、三元触媒で浄化する
方法が提案されている。一方、特開平5−59942号
公報には、触媒配置とバルブによる排気ガスの流路を切
り換えることによって、HC吸着材の昇温を緩慢にする
方法が提案されている。また、特開平7−102957
号公報には、後段の酸化・三元触媒の浄化性能を向上さ
せるため、前段の三元触媒と中段のHC吸着材との間に
空気を供給し、後段の酸化・三元触媒の活性化を促進す
る方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されているHC吸着材を用いた浄化方法では、
HC吸着材の耐久性が不十分なため、耐久後にはコール
ドHC吸着能が低下し、しかも後段の三元触媒が活性化
する前にHCが離脱してエミッションを悪化させてしま
うという課題があった。これに対し、HC吸着材の吸着
能の向上や脱離遅延化を図るため、高温ガスのバイパス
法や三元触媒暖機のための熱交換器が使用されている
が、システム構成が煩雑化して十分な効果が得られず、
しかもコストが著しく増大するため、簡易でコールドH
C吸着能と脱離抑制能が高い浄化方法が望まれている。
【0007】また特に、上述の如き従来法では、脱離H
Cの浄化を目的として初期から耐久後まで高い浄化性能
を維持するため、貴金属を多量に含む三元触媒を使用し
たり、早期活性化を図るため空気を導入したりしている
が、かかる方法もコスト高であり、このため、使用する
貴金属量が少なくても高い性能が得られる浄化方法が望
まれているものの、貴金属量を低減すると耐久性が不十
分になり、耐久後は低温域での触媒活性や浄化性能が悪
化するという課題があった。
【0008】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、排気ガス、特にエンジン始動直後の低温時における
HCを効果的に浄化することができ、簡易且つ低コスト
な排気ガス浄化装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、エンジン始動直後から
一定の間の空燃比が14.6以上になるようにリーン化
制御し、その後の温度上昇に伴う脱離HCを浄化するに
当たり、排気系にNOx吸収触媒とHC吸着触媒の少な
くとも各1個を直列に配置したところ、上記課題が解決
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の排気ガス浄化装置は、エン
ジン始動直後から低温時における排気ガス組成をリーン
化制御できる排気ガス浄化装置であって、排気系の上流
に配置された窒素酸化物吸収触媒と、その下流に配置さ
れた炭化水素吸着触媒とを備え、上記窒素酸化物吸収触
媒は、空燃比A/F=14.6以上、該触媒層温度40
0℃以下で排気ガス中の窒素酸化物を吸収し、且つこれ
を超える触媒層温度で、吸収した窒素酸化物を放出し、
上記炭化水素吸着触媒は、エンジン始動直後の低温から
該触媒層温度300℃以下で排気ガス中の炭化水素を吸
着し、且つこれを超える触媒層温度で、吸着した炭化水
素を放出することを特徴とする。
【0011】また、本発明の排気ガス浄化装置の好適例
は、上記窒素酸化物吸収触媒に炭化水素吸着材を含有さ
せ、上記炭化水素吸着触媒との間で、エンジン始動直後
の低温から触媒層温度300℃以下で吸着した炭化水素
の脱離開始時間に差を設けたことを特徴とする。
【0012】更に、本発明の排気ガス浄化装置の他の好
適例は、上記窒素酸化物吸収触媒が、次式 (La1-XX1-aBOb (式中のAは、バリウム及び/又はカリウム、Bは、コ
バルト、鉄、ニッケル及びマンガンから成る群より選ば
れた少なくとも1種の成分、Xは、0<X<1、aは、
0<a<0.2、bは、0<b≦4であって、上記組成
式を満足するのに必要な酸素原子数を示す。)で表され
る複合酸化物を第1触媒成分層として含有することを特
徴とする。
【0013】更にまた、、本発明の排気ガス浄化装置の
他の好適例は、上記炭化水素吸着触媒の下流側に、三元
触媒を配置して成ることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の排気ガス浄化装置においては、エンジ
ン始動直後からHC触媒層温度300℃以下の低温域で
吸着したコールドHCが、HC触媒層の温度上昇に伴っ
て脱離する際に、エンジン始動直後から一定時間、好ま
しくは300秒間を空燃比14.6以上になるようにリ
ーン化制御した。従って、HC吸着触媒が三元触媒成分
を含有する場合には、該三元触媒のλ点をリッチ側から
ストイキ近傍に設定することができ、脱離HCの浄化性
能を向上することができる。
【0015】また、本発明の排気ガス浄化装置において
は、排気系におけるHC触媒の上流に、空燃比A/F=
14.6以上、触媒層温度400℃以下の領域で、排気
ガス中のNOxを吸収するNOx吸収触媒を配置したの
で、上述のリーン化制御の間に排出されるNOxを低減
することができ、NOxエミッションの悪化を抑制する
ことができる。
【0016】更に、上述のNOx吸収触媒とHC吸着触
媒の少なくとも各1個のハニカム状モノリス触媒を排気
系に直列に配置したので、排気系上流のNOx吸収触媒
がNOxを放出する温度域と、その下流のHC吸着触媒
がHCを脱離する温度域とを重ね合わせることができ、
これによって、上流のNOx吸収触媒が温度上昇に伴い
放出するNOxを下流のHC吸着触媒がHCを脱離する
際に供給し、酸化性ガスたるNOxガスと還元性ガスた
るHCとの酸化還元反応を介して浄化を行うことがで
き、特にリッチ側でのHCの浄化性能を向上することが
できる。
【0017】更にまた、上流側に配置したNOx吸収触
媒にHC吸着材を含有させることも可能であり、これに
よって、下流側のHC吸着触媒がエンジン始動直後から
触媒層温度300℃以下の温度域で吸着するコールドH
C量を低減でき、しかも、上流と下流とにHC吸着触媒
成分を直列に配置したことによって、吸着HC種とHC
脱離開始時間とに差異を設けることができ、下流のHC
吸着触媒が三元触媒成分を含有する場合には、そのHC
浄化効率を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排気ガス浄化装置
について詳細に説明する。上述の如く、本発明の排気ガ
ス浄化装置は、エンジン始動直後から一定時間の低温
時、代表的には、始動直後から300秒間の低温時を空
燃比A/F=14.6以上にリーン化制御できる装置で
あって、排気系の上流に配置したNOx吸収触媒と、そ
の下流に配置したHC吸着触媒とを備える。
【0019】ここで、上記リーン制御は、2次空気供給
手段やその他の空燃比制御手段により行うことができ
る。また、上述の両触媒は、モノリス担体に触媒成分を
担持して構成するのが好ましい。
【0020】次に、NOx吸収触媒は、上記低温リーン
域、具体的には、触媒層温度約400℃以下のリーン域
でNOXを吸収できる機能を有し、且つ約400℃以上
でNOXを放出する機能を有する。かかる機能を有する
NOX吸収材としては、次式 (La1-xx1-aBOb (式中のAは、バリウム及び/又はカリウム、Bは、コ
バルト、鉄、ニッケル及びマンガンから成る群より選ば
れた少なくとも1種の成分、Xは、0<X<1、aは、
0<a<0.2、bは、0<b≦4であって、上記組成
式を満足するのに必要な酸素原子数を示す。)で表され
る複合酸化物を好ましく用いることができる。
【0021】上記複合酸化物は、モノリス担体1リット
ル当たり5〜150gの範囲で担持することが好まし
い。5g未満では、充分なNOx吸収量が得られないこ
とがあり、150gを超えて担持しても、改良効果が飽
和するので有効ではない。
【0022】また、かかるNOX吸収触媒は、NOX吸収
能を向上するためにも、3元触媒成分その他の成分を含
有することができ、具体的には、白金、パラジウム及び
ロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金
属を含み、且つアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希
土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の成分
を、モノリス担体1リットル当たり0.1〜0.4モル
の範囲で含むことができる。
【0023】更に、上記NOX吸収触媒では、NOX吸収
速度と吸収量を更に向上するために、上記複合酸化物を
含有する第1触媒成分層を形成し、この上部に、パラジ
ウム、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンから成る
群より選ばれた1種の成分を金属換算で1〜40モル
%、セリウムを60〜98モル%含むセリウム酸化物、
更に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を、モ
ノリス担体1リットル当たり5g〜50gの割合で含有
する第2触媒成分層を形成することができる。この場
合、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量
が5g未満では、充分なNOx吸収量が得られないこと
があり、50gを超えても改良効果は飽和するので有効
ではない。
【0024】更にまた、NOx吸収触媒は、NOxの吸収
能を向上し、且つ下流側に配置したHC吸着触媒のHC
吸着量を低減してHC浄化能を向上させるために、上述
の第1触媒成分層及び/又は第2触媒成分層の上部に、
ZSM5を主成分とする結晶性アルミノシリケートを含
有する第3触媒成分層を配置することができる。かかる
ZSM5を主成分とする結晶性アルミノシリケートは、
モノリス担体1リットル当たり5〜100gの範囲で含
有させることができる。5g未満では、充分なNOx
収量が得られず、100gを超えて使用しても改良効果
が飽和するので有効ではない。
【0025】次に、上記HC吸着触媒は、上記低温リー
ン域、具体的には、触媒層温度約300℃以下のリーン
域でHCを吸着できる機能を有し、且つ約300℃以上
でHCを放出する機能を有する。かかる機能を有するH
C吸着材としては、耐熱性とHC吸着に適した細孔径と
細孔分布を有するβ−ゼオライトを好ましく使用するこ
とができ、かかるβ−ゼオライトは、モノリス担体1リ
ットル当たり10〜250gの範囲で担持するのが好ま
しい。5g未満では、充分なHC吸着能が得られないこ
とがあり、250gを超えて使用しても改良効果は飽和
するので有効ではない。
【0026】また、かかるHC触媒は、β−ゼオライト
を主成分とするHC吸着材以外にも三元触媒成分その他
の成分を含有することができ、例えば、HC浄化能に優
れたパラジウム、白金及びロジウム等の貴金属と、この
貴金属のHC吸着被毒を緩和するアルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属を含有させることにより、コールド
HC吸着能と脱離HC浄化能とを併有することができ
る。
【0027】更に、HC吸着触媒は、上述のNOX吸収
触媒と同様に層状構造を採ることが可能であり、この場
合、耐熱性と吸着能に優れるβ−ゼオライトを主成分と
するHC吸着材層を第1触媒成分層とすればよい。そし
て、かかるHC触媒は、脱離HC浄化性能を向上させる
ために、この第1触媒層の上部に、パラジウム、白金及
びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の成
分を含有する第2触媒成分層を配置した多層構造の一体
型触媒とすることができ、この場合、吸着能と脱離HC
浄化能とを両立させるため、第2触媒成分層との重量比
率を、第1触媒成分層/第2触媒成分層=0.9〜2.
0の範囲に調整することが好ましい。
【0028】また、上記パラジウム、白金及びロジウム
の総使用量は、モノリス担体1リットル当たり1〜20
gとすることが好ましい。1g未満では、充分な脱離H
C浄化能が得られないことがあり、20gを超えて使用
しても改良効果が飽和するので有効ではない。また、第
1触媒成分層/第2触媒成分層の比率が0.9未満で
は、充分なHC吸着能が得られないことがあり、逆に、
2.0を超えると、吸着能改良効果が飽和し有効ではな
い。
【0029】更に、HC吸着触媒では、β−ゼオライト
を主成分としたHC吸着材の高温下における構造安定性
(耐熱性)、コールドHCの吸着能や温度上昇時のHC
脱離抑制能を向上させるため、白金、パラジウム、リ
ン、ホウ素、マグネシウム及びカルシウムから成る群よ
り選ばれた1種の元素を含有させることができる。かか
る元素の含有量は、HC吸着材に対して、0.1〜10
重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では、
充分な改良効果が得られないことがあり、10重量%を
超えると、ゼオライトの細孔が閉塞してHC吸着能が低
下することがあり、好ましくない。
【0030】また、HC吸着触媒においては、脱離HC
の浄化を担うパラジウムがリッチ雰囲気下で還元劣化す
るのを抑制するため、第2触媒成分層に、ジルコニウ
ム、ネオジウム及びランタンから成る群より選ばれた1
種を金属換算で1〜40モル%、セリウムを60〜98
モル%含むセリウム酸化物を含有させることができる。
これにより、酸素吸蔵能の高いセリウム酸化物が、リッ
チ雰囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放出
し易くなるため、パラジウムの酸化状態を排気ガスの浄
化に適したものとし、パラジウムの触媒能の低下を抑制
できる。かかるセリウム酸化物の使用量は、触媒1リッ
トル当たり5〜100gが好ましく、5g未満では、充
分な貴金属の分散性が得られないことがあり、100g
を超えて使用しても改良効果は飽和して有効ではない。
【0031】更に、HC吸着触媒は、脱離HCの浄化性
能の向上と耐被毒性の向上を担う白金やロジウムがリッ
チ雰囲気下で還元劣化するのを抑制するため、第2触媒
成分層に、酸素吸蔵能に優れたセリウム、ネオジウム及
びランタンから成る群より選ばれた1種を金属換算で1
〜30モル%、ジルコニウムを70〜98モル%含むジ
ルコニウム酸化物、活性アルミナを含有することができ
る。
【0032】上述の白金やロジウムが担持される基材と
しては、白金やロジウムの耐久性を向上させるため、ジ
ルコニウム酸化物が好適に用いられる。特に、酸素吸蔵
能の高いセリウム含有ジルコニウム酸化物は、リッチ雰
囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放出し易
くなるため、白金やロジウムの酸化状態を排気ガスの浄
化に適したものとし、白金やロジウムの触媒能の低下を
抑制でき、好適である。
【0033】かかるジルコニウム酸化物のセリウム含有
量は、0.01モル%〜30モル%であることが好まし
い。セリウム含有量が0.01モル%未満では、ZrO
2のみの場合と変わらず、上述した元素のZrO2のセリ
ウムの酸素吸蔵能による改良効果が発現せず、また、セ
リウム含有量が30モル%を超えると、この効果が飽和
し又は逆にBET比表面積や熱安定性が低下することが
あるため好ましくない。ジルコニウム酸化物の使用量
は、担体1リットル当たり5〜100gであることが好
ましい。5g未満では、充分な貴金属の分散性が得られ
ないことがあり、100gを超えると、改良効果が飽和
して有効ではないためである。
【0034】更に、HC吸着触媒は、第2触媒成分層に
含まれるパラジウムのシンタリング抑制とHC吸着被毒
を緩和するため、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類
金属を含有することができる。かかる元素の含有量は担
体1リットル中1〜40gであることが好ましい。1g
未満では、HC類の貴金属に対する吸着被毒の緩和やパ
ラジウムのシンタリングを抑制できないことがあり、一
方、40gを超えると、有為な増量効果が得られず逆に
性能を低下させることがあるため好ましくない。
【0035】以上、本発明の排気ガス装置について詳細
に説明してきたが、本発明の排気ガス浄化装置では、上
述のようなNOX吸収触媒、HC吸着触媒とは別体で三
元触媒を配置することができ、かかる三元触媒をHC吸
着触媒の排気系下流に配置することにより、脱離HCの
浄化を行うことも可能である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1)セリウム3モル%(CeO2に換算して
8.7重量%)と、ジルコニウム3モル%(ZrO2
換算して6.3重量%)と、ランタン2モル%(La2
3に換算して5.5重量%)とを含有するアルミナ粉
末に、硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で12
時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担持
アルミナ粉末(粉末A)を得た。この粉末AのPd濃度
は8重量%であった。
【0037】ランタン1モル%(La23に換算して2
重量%)と、ジルコニウム32モル%(ZrO2に換算
して25重量%)とを含むセリウム酸化物粉末に硝酸パ
ラジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した
後、400℃で1時間焼成して、Pd担持セリウム酸化
物(La0.01Zr0.32Ce0.67Ox)粉末
(粉末B)を得た。この粉末BのPd濃度は3.0重要
%であった。
【0038】La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.
5Obを500g、上記の粉末Aを235g、粉末Bを
157g、活性アルミナを8g、硝酸水溶液2000g
を磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得
た。このスラリー液をコージェライト質モノリス担体
(1.0L、400セル)に付着させ、空気流にてセル
内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃
で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量
90g/L−担体の触媒を得た。パラジウム担持量は6
6.7g/cf(2.35g/L)であった(触媒
A)。
【0039】Nd1モル%Ca10モル%Zr80モル
%のジルコニウム酸化物粉末に硝酸ロジウム水溶液を含
浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時
間焼成して、Rh担持Nd0.01Ca0.1Zr0.
8Ox粉末(粉末C)を得た。この粉末CのRh濃度は
2.0重量%であった。
【0040】上記の粉末Aを636g、粉末Bを188
g、粉末Cを235g、活性アルミナを11g、硝酸水
溶液1500gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕し
てスラリーを得た。このスラリー液を触媒Aに付着さ
せ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾
燥した後、400℃で1時間焼成した。この作業を2度
行い、コート層重量107g/L−担体の触媒(総コー
ト量197g/L)を得た。パラジウム担持量は160
g/cf(5.65g/L)(総パラジウム担持量は2
26.7g/cf(8.00g/L))、ロジウム担持
量13.3g/cf(0.47g/L)であった(触媒
B)。次いで、上記触媒Bに酢酸バリウム溶液を付着さ
せた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして30g
/Lを含有させた(触媒C)。
【0041】(実施例2)H型β−ゼオライト800
g、シリカゾル200gと純水1000gを磁性ボール
ミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラ
リー液をコージェライト質モノリス担体(1.3L、4
00セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラ
リーを除去乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層
重量150g/L−担体の触媒を得た(触媒D)。
【0042】上記の粉末Aを583g、粉末Bを173
g、活性アルミナを4g、硝酸水溶液1000gを磁性
ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。こ
のスラリー液を上記触媒Dに付着させ、空気流にてセル
内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃
で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量
76g/L(総重量226g/L−担体)の触媒Eを得
た。触媒Eのパラジウム担持量は146.7g/cf
(5.18g/L)であった。
【0043】次いで、上記粉末Cを235g、La1モ
ル%Ce20モル%Zr79モル%のジルコニウム酸化
物粉末(粉末D)を100g、活性アルミナを105
g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、
混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を触媒E
に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り
除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成した。この作
業を2度行い、コート層重量44g/L−担体の触媒F
(総コート量270g/L)を得た。ロジウム担持量
は、13.3g/cf(0.47g/L)であった。次
いで、上記触媒Fに酢酸バリウム溶液を付着させた後、
400℃で1時間焼成し、BaOとして10g/Lを含
有させた(触媒G)。
【0044】(実施例3)H型ZSM5を400g、シ
リカゾル100gと純水1000gを磁性ボールミルに
投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液
を触媒Bに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリ
ーを取り除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成し、
コート層重量50g/L−担体の触媒を得た(触媒
H)。次いで、上記触媒Hに酢酸バリウム溶液を付着さ
せた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして30g
/Lを含有させた(触媒I)。
【0045】(実施例4)H型ZSM5、400gの代
わりに、β−ゼオライト400gを用いた以外は、実施
例1と同様の操作を繰り返し、触媒Jを得た。
【0046】(実施例5)BaOとして50g/Lを含
有させた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触
媒Kを得た。
【0047】(実施例6)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5O2.75の含有量を100g/Lと
した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒L
を得た。
【0048】(実施例7)H型ZSM5の含有量を75
g/Lとした以外は、実施例1と同様にして触媒Mをえ
た。
【0049】(実施例8)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの含有量を100g/L、BaO
の含有量を50g/Lとした以外は、実施例1と同様に
して触媒Nを得た。
【0050】(実施例9)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの含有量を75g/L、BaOの
含有量を50g/L、H型ZSM5の含有量を75g/
Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触
媒Oを得た。
【0051】(実施例10)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.
7Fe0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Pを得た。
【0052】(実施例11)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.
7Ni0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Qを得た。
【0053】(実施例12)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.
7Ni0.1Fe0.1Mn0.3Co0.5Obを用
いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒R
を得た。
【0054】(実施例13)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.
7Fe0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Sを得た。
【0055】(実施例14)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.
7Ni0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Tを得た。
【0056】(実施例15)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.
7Ni0.1Fe0.1Mn0.3Co0.5Obを用
いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒U
を得た。
【0057】(比較例1)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obを用いない以外は、実施例1と同
様の操作を繰り返し、触媒AAを得た。
【0058】(比較例2)La0.5Ba0.5Mn
0.5Co0.5Obの含有量を200g/Lとした以
外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒BBを得
た。
【0059】(比較例3)BaOの含有量を100g/
Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触
媒CCを得た。
【0060】(比較例4)H型ZSM5の含有量を15
0g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、触媒DDを得た。
【0061】(比較例5)BaOの含有量を70g/
L、H型ZSM5の含有量を150g/Lとした以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒EEを得
た。
【0062】上記実施例1〜15及び比較例1〜5で得
られた排気ガス浄化用触媒の仕様を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】(試験例)上記実施例1〜15及び比較例
1〜5で得られた排気ガス浄化用触媒を、以下の耐久条
件により耐久を行った。
【0065】 (耐久条件) エンジン排気量 3000CC 燃料 無鉛ガソリン 触媒入口ガス温度 700℃ 耐久時間 100時間 入口ガス組成 CO 0.5±0.1% O2 0.5±0.1% HC 約1100ppm NO 1300ppm CO2 15% A/F変動 5500回(周期65秒/回) 周期: A/F=14.6 55秒 燃料カット 5秒 リ ッチ スバイク 5秒(C0=2%)
【0066】上記条件で耐久した実施例1〜15及び比
較例1〜5の触媒を用い、図1のシステムで実施例16
〜30及び比較例6〜10の組み合せで評価した結果を
表2に示した。 (車両評価) エンジン排気量 日産自動車株式会社製 V型6気筒3.3L 燃料 無鉛ガソリン 評価モード LA4−CH(Abag) リーン制御時間 0〜250秒 リーン化率 O2センサーのP分設定値、0%<P≦10% 各実施例、比較例について上記評価条件で測定した評価
結果(エミッション値)を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、エンジン始動直後から一定の間の空燃比をリーン化
制御し、NOX吸収触媒とHC吸着触媒の少なくとも各
1個を排気系に対して直列に配置することとしたため、
排気ガス、特にエンジン始動直後の低温時におけるHC
を効果的に浄化することができ、簡易且つ低コストな排
気ガス浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒評価システムの一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/94 B01J 21/16 A B01J 21/16 23/10 A 23/10 23/58 A 23/63 29/06 A 23/58 29/068 A 23/889 29/076 A 29/06 29/40 A 29/068 29/44 A 29/076 29/48 A 29/40 F01N 3/08 A 29/44 3/10 A 29/48 B01D 53/36 104A F01N 3/08 B01J 23/56 301A 3/10 23/84 311A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン始動直後から低温時における排
    気ガス組成をリーン化制御できる排気ガス浄化装置であ
    って、 排気系の上流に配置された窒素酸化物吸収触媒と、その
    下流に配置された炭化水素吸着触媒とを備え、 上記窒素酸化物吸収触媒は、空燃比A/F=14.6以
    上、該触媒層温度400℃以下で排気ガス中の窒素酸化
    物を吸収し、且つこれを超える触媒層温度で、吸収した
    窒素酸化物を放出し、 上記炭化水素吸着触媒は、エンジン始動直後の低温から
    該触媒層温度300℃以下で排気ガス中の炭化水素を吸
    着し、且つこれを超える触媒層温度で、吸着した炭化水
    素を放出することを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記窒素酸化物吸収触媒に炭化水素吸着
    材を含有させ、上記炭化水素吸着触媒との間で、エンジ
    ン始動直後の低温から触媒層温度300℃以下で吸着し
    た炭化水素の脱離開始時間に差を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記窒素酸化物吸収触媒が、白金、パラ
    ジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも
    1種の貴金属を含有し、且つアルカリ金属、アルカリ土
    類金属及び希土類金属から成る群より選ばれた少なくと
    も1種の金属をモノリス担体1リットル当たり0.1〜
    0.4モル担持して成り、 上記炭化水素吸着触媒が、β−ゼオライトを主成分とす
    る炭化水素吸着材と、白金、パラジウム及びロジウムか
    ら成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属と、アル
    カリ金属及び/又はアルカリ土類金属とをモノリス担体
    に担持して成ることを特徴とする請求項1又は2記載の
    排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 上記窒素酸化物吸収触媒が、次式 (La1-XX1-aBOb (式中のAは、バリウム及び/又はカリウム、Bは、コ
    バルト、鉄、ニッケル及びマンガンから成る群より選ば
    れた少なくとも1種の成分、Xは、0<X<1、aは、
    0<a<0.2、bは、0<b≦4であって、上記組成
    式を満足するのに必要な酸素原子数を示す。)で表され
    る複合酸化物を第1触媒成分層として含有することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気
    ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 パラジウム、ジルコニウム、ネオジウム
    及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種の
    元素を金属換算で1〜40モル%と、セリウムを60〜
    98モル%含むセリウム酸化物と、モノリス担体1リッ
    トル当たり5〜50gのアルカリ金属及び/又はアルカ
    リ土類金属とを含有する第2触媒成分層を、上記第1触
    媒成分層の上部に配置して成ることを特徴とする請求項
    4記載の排気ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記第1触媒成分層及び/又は第2触媒
    成分層の上部に、ZSM5を主成分とする結晶性アルミ
    ノシリケートを含有する第3触媒成分層を配置して成る
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の排気ガス浄化装
    置。
  7. 【請求項7】 上記炭化水素吸着触媒が、β−ゼオライ
    トを主成分とする炭化水素吸着材を第1触媒成分層とし
    て含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    つの項に記載の排気ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】 上記炭化水素吸着触媒が、炭化水素吸着
    触媒における第1触媒成分層の上部に、白金、パラジウ
    ム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種
    の貴金属を含有する第2触媒成分層を配置して成り、こ
    の第1触媒成分層と第2触媒成分層との重量比が、第1
    触媒成分層/第2触媒成分層=0.9〜2.0であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の排気ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】 上記炭素水素吸着材が、白金、パラジウ
    ム、リン、ホウ素、マグネシウム及びカルシウムから成
    る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有すること
    を特徴とする請求項7又は8記載の排気ガス浄化装置。
  10. 【請求項10】 炭化水素吸着触媒における第2触媒成
    分層が、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンから成
    る群より選ばれた少なくとも1種の元素を金属換算で1
    〜40モル%と、セリウムを60〜98モル%含むセリ
    ウム酸化物とを含有することを特徴とする請求項8又は
    9記載の排気ガス浄化装置。
  11. 【請求項11】 炭化水素吸着触媒における第2成分層
    が、セリウム、ネオジウム及びランタンからなる群より
    選ばれた少なくとも1種の元素を金属換算で1〜30モ
    ル%と、ジルコニウムを70〜98モル%含むジルコニ
    ウム酸化物と、活性アルミナとを含有することを特徴と
    する請求項8〜10のいずれか1つの項に記載の排気ガ
    ス浄化装置。
  12. 【請求項12】 炭化水素吸着触媒における第2触媒成
    分層が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含
    有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つ
    の項に記載の排気ガス浄化装置。
  13. 【請求項13】 上記炭化水素吸着触媒の下流側に、三
    元触媒を配置して成ることを特徴とする請求項1〜12
    のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化装置。
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