JPH111342A - プラズマディスプレイ装置用前面ガラス基板 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置用前面ガラス基板

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JPH111342A
JPH111342A JP10073500A JP7350098A JPH111342A JP H111342 A JPH111342 A JP H111342A JP 10073500 A JP10073500 A JP 10073500A JP 7350098 A JP7350098 A JP 7350098A JP H111342 A JPH111342 A JP H111342A
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JP
Japan
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glass
plasma display
glass substrate
front glass
ppm
Prior art date
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Pending
Application number
JP10073500A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Nagakane
知浩 永金
Hideki Yamaoka
秀樹 山岡
Yoshiharu Miwa
義治 三和
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH111342A publication Critical patent/JPH111342A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイ装置の内部から光が放
出された際、前面ガラス基板の内表面で散乱した光が、
隣接する画素に混入する量を低減し、ハレーションを抑
えることが可能なプラズマディスプレイ装置用前面ガラ
ス基板を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 SiO2 −Al23 −RO−R2 O系
基本ガラスに対し、CoOを20〜500ppm、Ni
Oを150〜2000ppm含有せしめたガラスから形
成されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ装置の一種であるプラズマディスプレイ装置
の前面ガラス基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、プラズマディスプレイ装置には、
DC型とAC型の2種類が存在する。
【0003】図1は、DC型プラズマディスプレイ装置
を示す部分断面図である。DC型プラズマディスプレイ
装置10は、映像が映し出される前面ガラス基板11
と、この前面ガラス基板11と一定の間隔をおいて対向
して設けられた背面ガラス基板12を備えている。
【0004】前面ガラス基板11は内側面にカソード
(陰極)13が形成され、一方、背面ガラス基板12の
内側面にはアノード(陽極)14と補助アノード15が
形成されており、絶縁体16を介して蛍光体17を備え
たリブ18が立設されている。そして前面ガラス基板1
1と背面ガラス基板12で囲まれた内部には、希ガス1
9が封入されている。なお、20は抵抗を示し、21は
アノード母線を示している。
【0005】また図2は、AC型プラズマディスプレイ
装置を示す部分断面図である。このAC型プラズマディ
スプレイ装置22も、映像が映し出される前面ガラス基
板23と、この前面ガラス基板23と一定の間隔をおい
て対向して設けられた背面ガラス基板24を備えてい
る。
【0006】前面ガラス基板23は内側面に表示電極2
5を備え、この表示電極25は誘電体層26によって埋
設され、この誘電体層26の表面にはMgO膜27が形
成されている。また背面ガラス基板24の内側面にはア
ドレス電極28が形成されている。前面ガラス基板23
の内側面のMgO膜27と、背面ガラス基板24の内側
面との間には、背面ガラス基板24から立設したリブ2
9が形成されている。このリブ29は表面に蛍光体30
を備えている。前面ガラス基板23と背面ガラス基板2
4で囲まれた内部には、希ガス31が封入されている。
【0007】一般に上記の前面ガラス基板11、23及
び背面ガラス基板12、24の厚みは、2.6〜3.0
mm程度であり、ソーダライムガラスや歪点が570℃
以上の高歪点ガラスから形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】プラズマディスプレイ
装置を起動させると、電極間に放電が起こり、希ガスか
ら紫外線が放出され、この紫外線によって蛍光体が発光
することになる。この光は主に上記した前面ガラス基板
を透過する。この時、赤、緑、青の各蛍光体の発光の波
長域は赤:620nm、緑:550nm、青:460n
mである。一部は前面ガラス基板の内表面で散乱し、こ
のガラス基板の内外表面で反射を繰り返すことによっ
て、隔壁を越えて隣接する画素に混入し、映像がぼやけ
るという現象が発生する。このような現象は一般にハレ
ーションと呼ばれるが、特に前面ガラス基板の内表面に
誘電体層が形成されるAC型プラズマディスプレイ装置
において、光が散乱しやすく、ハレーションが多く発生
する。
【0009】本発明の目的は、ハレーションを抑えるこ
とが可能なプラズマディスプレイ装置の前面ガラス基板
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマディス
プレイ装置用前面ガラス基板は、CoOを20〜500
ppm、及びNiOを10〜2000ppm含有するS
iO2 −Al23 −RO−R2 O系ガラスからなるこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】一般にガラス中にCoO、NiO、Fe2
3 、Cr23 等の着色剤を含有させると、光の吸収性
が向上することが知られているが、従来からプラズマデ
ィスプレイ装置の前面ガラス基板材料として用いられて
いるソーダライムガラスや高歪点ガラスには本質的に着
色成分は含まれていない。また不純物として着色成分が
混入することもあり得るが、この場合は極めて微量であ
るため、前面ガラス基板の内表面で散乱する光を十分に
吸収することは不可能である。
【0012】これに対して本発明の前面ガラス基板は、
CoOとNiOを併用し、且つその含有量を厳密に調整
したガラスから形成される。CoOは可視領域である4
40〜660nmの波長域で光線吸収能を有しており、
その吸収能の大きさは長波長側ほど大きく、短波長側ほ
ど小さい。またNiOも可視領域で光線吸収能を有して
おり、その吸収能の大きさは短波長側ほど大きく、長波
長側ほど小さい。よってCoOとNiOの含有量を調整
することによって可視領域において所望の光線吸収能を
得ることができる。
【0013】本発明においては、ハレーションの抑制に
必要な光線吸収性能を得るために、ガラス中にCoOを
20〜500ppm、及びNiOを10〜2000pp
m含有する。CoO及びNiOの含有量をこのように規
定することにより、前面ガラス基板の内表面で散乱した
光が前面ガラス基板の内外表面で反射を繰り返す間に徐
々にガラス中に吸収され、隣接する画素に混入する光の
量が少なくなり、ハレーションを抑制することができ
る。なおCoOとNiOによってガラスが着色されるた
め、ハレーションの抑制に加え、コントラストの向上も
期待できる。
【0014】ところでカラープラズマディスプレイ装置
の場合、青色蛍光体の発光効率が他の蛍光体に比べて低
いという短所がある。このため基板ガラスの可視波長域
の透過率を一様に低下させると、青色蛍光体から発する
光も他の蛍光体から発する光と同様に吸収されるため、
画像の輝度が低下するという好ましくない結果を生じる
ことがあり、青の蛍光体の発光色に対応する波長の光の
透過率を赤や緑のそれより高くすることが要求される場
合がある。この場合、NiOの含有量の上限を150p
pm以下に制限することによって、青の蛍光体の発光色
に対応する波長の光の吸収を少なくし、赤や緑の波長の
光よりも高い透過率を得ることができる。
【0015】CoOとNiOの含有量を上記のように限
定した理由を次に述べる。CoOが20ppm未満では
可視領域における光線吸収能が小さくなりすぎ、一方、
500ppmより多いと光線の吸収が大きくなりすぎて
蛍光体から発せられた光が吸収され、輝度が著しく低下
するため好ましくない。またNiOが10ppm未満で
は可視領域における光線吸収能が小さくなりすぎ、一
方、150ppmを超えると青色の光線の吸収が大きく
なって輝度が低下しやすくなり、2000ppmを超え
ると光線の吸収が大きくなりすぎて輝度が著しく低下す
る。CoO及びNiOの含有量の最も好適な範囲はそれ
ぞれ20〜200ppm、及び60〜140ppmであ
る。
【0016】また本発明における前面ガラス基板は、ガ
ラスの特性を損なわない範囲でCoOやNiO以外の着
色成分を少量含有していても差し支えなく、例えば基礎
ガラスに対し、Fe23 を10000ppm以下、C
23 を500ppm以下含有させることが可能であ
る。
【0017】本発明において、CoO及びNiOが含有
されるSiO2 −Al23 −RO−R2 O系の基礎ガ
ラスには、建築窓ガラスとして用いられているソーダラ
イムガラスを用いても良いが、重量百分率で、SiO2
50〜70%、Al230.5〜15%、MgO+
CaO+SrO+BaO 10〜27%、Li2 O+N
2 O+K2 O 7〜15%、ZrO2 0〜9%、T
iO2 0〜5%、As23 0〜1%、Sb23
0〜1%の組成を有する高歪点ガラスを用いることが
望ましい。
【0018】即ち、ソーダライムガラスは、プラズマデ
ィスプレイ装置に用いられる絶縁ペーストや封着ガラス
の熱膨張係数に整合する熱膨張係数(約89×10-7
℃)を有するため、これを基板として用いても反りは発
生しないが、電極や絶縁ペーストを焼き付ける際の高温
処理時に熱収縮しやすく、また体積抵抗率が低いため、
電極材料の電気抵抗値が変化しやすいという欠点を有し
ている。しかしながら上記のような組成を有する高歪点
ガラスは、75〜95×10-7/℃の熱膨張係数を有
し、570℃以上の温度で熱処理しても熱収縮が小さ
く、しかもソーダライムガラスに比べて体積抵抗率が高
いためである。
【0019】高歪点ガラスの組成を上記のように限定し
た理由は、以下の通りである。
【0020】SiO2 は、ガラスのネットワークフォー
マーであるが、50%より少ないと、ガラスの歪点が低
くなるため、熱収縮しやすくなり、70%より多いと、
熱膨張係数が小さくなりすぎるため好ましくない。
【0021】Al23 は、ガラスの歪点を高めるため
の成分であるが、0.5%より少ないと、上記効果が得
られず、15%より多いと、熱膨張係数が小さくなりす
ぎる。
【0022】ROで表示したMgO、CaO、SrO及
びBaOは、いずれもガラスを溶融しやすくすると共に
熱膨張係数を制御するための成分であるが、これらの合
量が10%より少ないと、熱膨張係数が小さくなりやす
く、27%より多いと、ガラスが失透しやすく、成形が
困難となる。すなわちガラスが失透しやすいと、失透物
の発生を抑えるため溶融温度を高くする必要があるが、
溶融温度を高くすると、成形時のガラスが軟らかくな
る。その結果、ガラス板の表面にうねりが発生したり、
寸法精度が低下しやすくなり、高い表面精度や寸法精度
が要求されるプラズマディスプレイ装置の基板として使
用することが困難となる。
【0023】R2 Oで表示したLi2 O、Na2 O及び
2 Oは、いずれも熱膨張係数を制御するための成分で
あるが、これらの合量が7%より少ないと、熱膨張係数
が小さくなりやすく、15%より多いと、歪点が低くな
りやすくなる。
【0024】ZrO2 は、ガラスの化学的耐久性を向上
させる効果を有するが、9%より多くなると、熱膨張係
数が小さくなりすぎると共に、ガラスの溶融時に失透物
が生成しやすく成形が困難となる。
【0025】TiO2 は、ガラスの紫外線による着色を
防止する成分である。すなわちプラズマディスプレイ装
置の場合、放電時に紫外線が発生するが、前面ガラス基
板が紫外線によって着色すると、長期間使用している間
に徐々に表示画面が見づらくなるが、TiO2 を含有さ
せることによってこの種の着色を防止できる。しかしな
がらTiO2 が5%より多くなると、ガラスが失透しや
すく、成形が困難となるため好ましくない。
【0026】As23 とSb23 は、いずれも清澄
剤として使用する成分であるが、各成分が1%より多く
なると、ガラスが失透しやすくなり、成形が困難となる
ため好ましくない。
【0027】
【実施例】以下、本発明のプラズマディスプレイ装置用
前面ガラス基板を実施例及び比較例に基づいて詳細に説
明する。
【0028】表1及び表2は、実施例のガラス基板(試
料No.1〜10)と、比較例のガラス基板(試料N
o.11、12)を示すものである。なお試料No.1
2は一般の建築窓用ソーダライムガラスである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】各試料は次のようにして調製した。
【0032】まず表中のガラス組成となるように原料を
調合し、これを白金坩堝に入れた後、電気炉中で145
0〜1550℃の温度で4時間溶融してから、この溶融
ガラスをカーボン板上に流し出して板状に成形し、これ
を両面研磨した後、得られた板ガラスを200mm角の
大きさに切断加工することによって試料を作製した。
【0033】こうして得られた各試料について、歪点、
液相温度、熱膨張係数、体積抵抗率及び可視光透過率を
測定し、表に示した。
【0034】表から明らかなように、実施例であるN
o.1〜10の試料は、歪点が571〜582℃、液相
温度が1015〜1050℃、熱膨張係数が81〜88
×10-7/℃、150℃における体積抵抗率が11.4
〜12.8Ω・cmであり、ソーダライムガラスからな
る試料No.12に比べて歪点、液相温度及び体積抵抗
率が高かった。またNo.7〜10の試料は、波長46
0nm(青)における可視光透過率が77〜81%、波
長550nm(緑)における透過率が76〜79%、波
長620nm(赤)における透過率が73〜75%であ
り、各試料とも波長460nmにおける可視光透過率が
波長620nm及び波長550nmにおけるそれより高
かった。
【0035】なお、表中の歪点はASTM C336−
71の方法に基づいて測定し、液相温度は白金ボートに
297〜500μmの粒径を有するガラス粉末を入れ、
温度勾配炉に48時間保持した後の失透観察によって求
めたものである。熱膨張係数はディラトメーターによっ
て30〜380℃における平均熱膨張係数を測定したも
のである。体積抵抗率はASTM C657−78に基
づいて150℃における値を測定したものである。可視
光透過率はガラス基板から小片を切り出し、研磨剤とし
て酸化セリウムを用いて鏡面研磨することによって、
2.8mmの厚みにした後、460nm(青色)、55
0nm(緑色)、620nm(赤色)の各波長における
透過率を分光光度計で測定したものである。
【0036】次に、所定の大きさに切断加工した各試料
を、プラズマディスプレイ装置の前面ガラス基板及び背
面ガラス基板用として2枚ずつ用意した。次いで各ガラ
ス基板上に電極を焼き付け、誘電体層、隔壁及び蛍光体
を形成した。続いてこれらのガラス基板を低融点封着ガ
ラスでシールした後、その内部にキセノンと主放電ガス
のネオンとの混合ガスを封入し気密封止することによっ
てAC型プラズマディスプレイ装置を作製した。
【0037】こうして作製されたAC型プラズマディス
プレイ装置を起動させたところ、試料No.1〜10の
前面ガラス基板を用いた装置は、いずれも鮮明な映像が
映し出され、ハレーションは全く認められず、しかも試
料No.7〜10のガラス基板を用いた装置は輝度も高
かった。一方、試料No.11及び12の前面ガラス基
板を用いた装置は、部分的に若干ぼやけた映像が映し出
され、ハレーションが起こることが確認された。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の前面ガラス基板を
用いれば、その内表面で散乱する光を吸収するため、ハ
レーションを低減することが可能であり、これを用いた
プラズマディスプレイ装置は鮮明な映像が得られる。ま
たNiOの含有量を150ppm以下に制限すれば、よ
り高輝度のプラズマディスプレイ装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】DC型プラズマディスプレイ装置を示す部分断
面図である。
【図2】AC型プラズマディスプレイ装置を示す部分断
面図である。
【符号の説明】
10 DC型プラズマディスプレイ装置 11、23 前面ガラス基板 12、24 背面ガラス基板 13 カソード 14 アノード 17、30 蛍光体 22 AC型プラズマディスプレイ装置 25 表示装置 28 アドレス電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CoOを20〜500ppm、及びNi
    Oを10〜2000ppm含有するSiO2 −Al2
    3 −RO−R2 O系ガラスからなることを特徴とするプ
    ラズマディスプレイ装置用前面ガラス基板。
  2. 【請求項2】 NiOの含有量が10〜150ppmで
    あることを特徴とする請求項1のプラズマディスプレイ
    装置用前面ガラス基板。
JP10073500A 1997-04-15 1998-03-06 プラズマディスプレイ装置用前面ガラス基板 Pending JPH111342A (ja)

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JP11434697 1997-04-15
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004002062A (ja) * 2002-05-29 2004-01-08 Nippon Electric Glass Co Ltd フラットパネルディスプレイ装置用ガラス基板
US7576490B2 (en) 2006-03-20 2009-08-18 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel
JP5234213B1 (ja) * 2012-09-14 2013-07-10 旭硝子株式会社 化学強化用ガラス及びその製造方法、並びに化学強化ガラス及びその製造方法

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