JPH11132292A - ポリウレタン製歯付ベルト - Google Patents
ポリウレタン製歯付ベルトInfo
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- JPH11132292A JPH11132292A JP31582197A JP31582197A JPH11132292A JP H11132292 A JPH11132292 A JP H11132292A JP 31582197 A JP31582197 A JP 31582197A JP 31582197 A JP31582197 A JP 31582197A JP H11132292 A JPH11132292 A JP H11132292A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリウレタン製歯付ベルトにおいて、紫外線
にさらされた状況下において使用または保管しても変色
が極めて少なく抑えられ、外観的に経時変化が少なく、
プーリとのかみ合い時において発音を抑える事務所等の
静粛な環境下で使用されるポリウレタン製歯付ベルトを
提供する。 【解決手段】 内側に一定ピッチで歯部5と溝部6を交
互に形成し、ピッチライン位置に抗張体3を埋設せし
め、ポリウレタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫
外線吸収剤とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒン
ダードフェノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安
定剤を添加したポリウレタン製歯付ベルト1において、
滑剤としてラードを添加したポリウレタン製歯付ベルト
とする。
にさらされた状況下において使用または保管しても変色
が極めて少なく抑えられ、外観的に経時変化が少なく、
プーリとのかみ合い時において発音を抑える事務所等の
静粛な環境下で使用されるポリウレタン製歯付ベルトを
提供する。 【解決手段】 内側に一定ピッチで歯部5と溝部6を交
互に形成し、ピッチライン位置に抗張体3を埋設せし
め、ポリウレタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫
外線吸収剤とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒン
ダードフェノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安
定剤を添加したポリウレタン製歯付ベルト1において、
滑剤としてラードを添加したポリウレタン製歯付ベルト
とする。
Description
【発明の属する技術分野】本発明はポリウレタン製歯付
ベルトに係り、詳しくはポリウレタン製歯付ベルトの耐
光性を改善し、音の発生を防ぐものに係る。
ベルトに係り、詳しくはポリウレタン製歯付ベルトの耐
光性を改善し、音の発生を防ぐものに係る。
【0002】
【従来の技術】従来より歯付ベルトの素材としては、ゴ
ムやポリウレタンが使用されてきた。ゴムは外観性に劣
るという問題があった。それに対してポリウレタン製の
ベルトはゴムに比べて外観性に優れ、ゴムベルトのとき
のゴム落ちのような周囲に摩耗屑を落としてしまうとい
う欠点がないという理由で、その範囲は広範囲に渡って
いる。
ムやポリウレタンが使用されてきた。ゴムは外観性に劣
るという問題があった。それに対してポリウレタン製の
ベルトはゴムに比べて外観性に優れ、ゴムベルトのとき
のゴム落ちのような周囲に摩耗屑を落としてしまうとい
う欠点がないという理由で、その範囲は広範囲に渡って
いる。
【0003】ところが、ポリウレタンの欠点として紫外
線による変色が挙げられる。ポリウレタンは紫外線に長
期に渡ってさらされると変色してしまい、外観的な質が
落ちてしまう。そのためにポリウレタン製の歯付ベルト
は、屋外は勿論屋内において保管した場合も、窓からの
採光および蛍光燈などの照明中の紫外線によって変色し
てしまい、使用しているあいだに変色してしまうという
ことがあったり、ベルトとして製造したあとに長期間保
管することができないという問題があった。 そこで、
ポリウレタンにベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤と
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を添加することに
より耐光性を向上させたウレタンベルトが提案されてい
た。
線による変色が挙げられる。ポリウレタンは紫外線に長
期に渡ってさらされると変色してしまい、外観的な質が
落ちてしまう。そのためにポリウレタン製の歯付ベルト
は、屋外は勿論屋内において保管した場合も、窓からの
採光および蛍光燈などの照明中の紫外線によって変色し
てしまい、使用しているあいだに変色してしまうという
ことがあったり、ベルトとして製造したあとに長期間保
管することができないという問題があった。 そこで、
ポリウレタンにベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤と
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を添加することに
より耐光性を向上させたウレタンベルトが提案されてい
た。
【0004】ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒ
ンダードフェノール系の酸化防止剤を添加したポリウレ
タンを用いたポリウレタン製歯付ベルトは紫外線にさら
されたときの変色が若干少なくなったものの、まだ充分
といえるものではなく、更なる改良が望まれていた。
ンダードフェノール系の酸化防止剤を添加したポリウレ
タンを用いたポリウレタン製歯付ベルトは紫外線にさら
されたときの変色が若干少なくなったものの、まだ充分
といえるものではなく、更なる改良が望まれていた。
【0005】そこで、ポリウレタンにベンゾトリアゾー
ル系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線安定
剤とヒンダードフェノール系の酸化防止剤を添加するこ
とによって、紫外線吸収剤と紫外線安定剤の相乗効果が
大きく、紫外線による変色を大きく抑えることができ、
ベルトの外観の経時変化を極力少なくすることができ
た。(特公平8−16504) さらに、ポリウレタン製歯付ベルトにおいては、例えば
静粛さを要求される事務所等の場所で、プリンターのキ
ャリッジベルトに使用された場合やファクシミリの用紙
送りに使用された場合、プーリとのかみ合い状況下で
「ピチピチ」という音、あるいは「ギシギシ」という音
が発生した場合、問題となることがあった。
ル系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線安定
剤とヒンダードフェノール系の酸化防止剤を添加するこ
とによって、紫外線吸収剤と紫外線安定剤の相乗効果が
大きく、紫外線による変色を大きく抑えることができ、
ベルトの外観の経時変化を極力少なくすることができ
た。(特公平8−16504) さらに、ポリウレタン製歯付ベルトにおいては、例えば
静粛さを要求される事務所等の場所で、プリンターのキ
ャリッジベルトに使用された場合やファクシミリの用紙
送りに使用された場合、プーリとのかみ合い状況下で
「ピチピチ」という音、あるいは「ギシギシ」という音
が発生した場合、問題となることがあった。
【0006】ここで本発明の目的とするところはポリウ
レタン製の歯付ベルトにおいて、紫外線にさらされた状
況下において使用または保管しても変色が極めて少なく
抑えられ、外観的に経時変化の少なく、プーリとのかみ
合い時において発音を抑えるポリウレタン製歯付ベルト
を提供するところにある。
レタン製の歯付ベルトにおいて、紫外線にさらされた状
況下において使用または保管しても変色が極めて少なく
抑えられ、外観的に経時変化の少なく、プーリとのかみ
合い時において発音を抑えるポリウレタン製歯付ベルト
を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために請求項1としては内側に一定ピッチ
で歯部と溝部を交互に形成し、ピッチライン位置に抗張
体を埋設せしめたポリウレタン製歯付ベルトにおいて、
ポリウレタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒンダー
ドフェノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安定
剤、そして滑剤を添加した組成物を用いたことを特徴と
するポリウレタン製歯付ベルトにある。請求項1記載の
ポリウレタン製歯付ベルトを使用すれば、紫外線吸収剤
と紫外線安定剤の相乗効果が大きく、紫外線による変色
を大きく抑えることができ、ベルトの外観の経時変化を
極力少なくすることができる。さらに、ポリウレタンに
滑剤を添加することによってベルトとプーリとのかみ合
い時において発音を抑えることができる。
的を達成するために請求項1としては内側に一定ピッチ
で歯部と溝部を交互に形成し、ピッチライン位置に抗張
体を埋設せしめたポリウレタン製歯付ベルトにおいて、
ポリウレタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒンダー
ドフェノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安定
剤、そして滑剤を添加した組成物を用いたことを特徴と
するポリウレタン製歯付ベルトにある。請求項1記載の
ポリウレタン製歯付ベルトを使用すれば、紫外線吸収剤
と紫外線安定剤の相乗効果が大きく、紫外線による変色
を大きく抑えることができ、ベルトの外観の経時変化を
極力少なくすることができる。さらに、ポリウレタンに
滑剤を添加することによってベルトとプーリとのかみ合
い時において発音を抑えることができる。
【0008】請求項2記載の発明によると滑剤がラード
である請求項1記載のポリウレタン製歯付ベルトにあ
る。滑剤としてラードを使用することにより、ベルト表
面にラードが析出することによってベルト表面の摩擦係
数が下がり、ベルトがプーリ及びプーリのフランジと干
渉した場合でも音の発生を抑えることができる。
である請求項1記載のポリウレタン製歯付ベルトにあ
る。滑剤としてラードを使用することにより、ベルト表
面にラードが析出することによってベルト表面の摩擦係
数が下がり、ベルトがプーリ及びプーリのフランジと干
渉した場合でも音の発生を抑えることができる。
【0009】請求項3記載の発明によると、ポリウレタ
ン100重量部に対して滑剤を0.5〜10重量部添加
する請求項1又は2に記載のポリウレタン製歯付ベルト
にある。滑剤量を制限することによってポリウレタン弾
性体の物性を低下させることなしに、十分音の発生を抑
えることができる。
ン100重量部に対して滑剤を0.5〜10重量部添加
する請求項1又は2に記載のポリウレタン製歯付ベルト
にある。滑剤量を制限することによってポリウレタン弾
性体の物性を低下させることなしに、十分音の発生を抑
えることができる。
【0010】請求項4記載の発明によると、内側に一定
ピッチで歯部と溝部を交互に形成し、ピッチライン位置
に抗張体を埋設せしめ、ポリウレタン弾性体にはベンゾ
トリアゾール系の紫外線吸収剤を0.08〜1.6重量
部、ヒンダードアミン系紫外線安定剤を0.08〜1.
6重量部、及びヒンダードフェノール系の酸化防止剤を
0.04〜0.8重量部ブレンドした耐光安定剤を添加
したポリウレタン製歯付ベルトにおいて、ポリウレタン
100重量部に対して0.5〜10重量部のラードを添
加することによって、ポリウレタン弾性体の物性の低下
を防ぎ、変色防止の効果も十分に得られ、さらには音の
発生をより一層抑えることができる。
ピッチで歯部と溝部を交互に形成し、ピッチライン位置
に抗張体を埋設せしめ、ポリウレタン弾性体にはベンゾ
トリアゾール系の紫外線吸収剤を0.08〜1.6重量
部、ヒンダードアミン系紫外線安定剤を0.08〜1.
6重量部、及びヒンダードフェノール系の酸化防止剤を
0.04〜0.8重量部ブレンドした耐光安定剤を添加
したポリウレタン製歯付ベルトにおいて、ポリウレタン
100重量部に対して0.5〜10重量部のラードを添
加することによって、ポリウレタン弾性体の物性の低下
を防ぎ、変色防止の効果も十分に得られ、さらには音の
発生をより一層抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しつつ説明する。図1は本発明のポリウレタン製歯付ベ
ルトであり、(a)は一部破断斜視図、(b)は断面図
であり、ベルト長手方向に一定ピッチで歯部5と溝部6
を交互に有し、ベルトピッチライン上にガラス繊維、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維等からなる心線3を埋設
した構成からなっている。図2は、本発明の実施の形態
の他例を示すものであり、前記心線3とベルト溝部表面
との間に心線を保護する厚み0.1〜1.0mmの保護
層4が心線3に隣接して設けられている。
しつつ説明する。図1は本発明のポリウレタン製歯付ベ
ルトであり、(a)は一部破断斜視図、(b)は断面図
であり、ベルト長手方向に一定ピッチで歯部5と溝部6
を交互に有し、ベルトピッチライン上にガラス繊維、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維等からなる心線3を埋設
した構成からなっている。図2は、本発明の実施の形態
の他例を示すものであり、前記心線3とベルト溝部表面
との間に心線を保護する厚み0.1〜1.0mmの保護
層4が心線3に隣接して設けられている。
【0012】ここで、ベルト本体を構成するポリウレタ
ン弾性体はイソシアネートとして、TDIおよびMDI
等が、ポリオールとしてはPTMG、アジペート系等で
構成されている。
ン弾性体はイソシアネートとして、TDIおよびMDI
等が、ポリオールとしてはPTMG、アジペート系等で
構成されている。
【0013】また、このポリウレタン弾性体は耐光安定
性を改善した組成物であり、耐光安定剤がポリウレタン
100重量部に対して0.2〜4.0重量部の割合で添
加されている。そして、本発明で使用される耐光安定剤
は、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダード
アミン系の紫外線安定剤および、ヒンダードフェノール
系の酸化防止剤の三つの成分からなり、ベンゾトリアゾ
ール系の紫外線吸収剤としては例えばメチル−3−〔3
−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポ
リエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。またヒ
ンダードアミン系の紫外線安定剤としては例えばビス
(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケートが挙げられる。更にヒンダードフェノー
ル系の酸化防止剤としては例えばトリエチレングリコー
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。
性を改善した組成物であり、耐光安定剤がポリウレタン
100重量部に対して0.2〜4.0重量部の割合で添
加されている。そして、本発明で使用される耐光安定剤
は、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダード
アミン系の紫外線安定剤および、ヒンダードフェノール
系の酸化防止剤の三つの成分からなり、ベンゾトリアゾ
ール系の紫外線吸収剤としては例えばメチル−3−〔3
−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポ
リエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。またヒ
ンダードアミン系の紫外線安定剤としては例えばビス
(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケートが挙げられる。更にヒンダードフェノー
ル系の酸化防止剤としては例えばトリエチレングリコー
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。
【0014】また、三つの成分の夫々の添加量はポリウ
レタン100重量部に対してベンゾトリアゾール系に紫
外線吸収剤が0.08〜1.6重量部であり、ヒンダー
ドアミン系の紫外線安定剤が0.08〜1.6重量部で
あり、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤が0.04
〜0.8重量部の範囲内であることが好ましい。これら
の添加量のうちベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の
添加量が0.08重量部未満であると変色に対する効果
がなくなり、1.6重量部を越えるとウレタンの物性が
低下する。
レタン100重量部に対してベンゾトリアゾール系に紫
外線吸収剤が0.08〜1.6重量部であり、ヒンダー
ドアミン系の紫外線安定剤が0.08〜1.6重量部で
あり、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤が0.04
〜0.8重量部の範囲内であることが好ましい。これら
の添加量のうちベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の
添加量が0.08重量部未満であると変色に対する効果
がなくなり、1.6重量部を越えるとウレタンの物性が
低下する。
【0015】またヒンダードアミン系の紫外線安定剤の
添加量が0.08重量部未満であると変色に対する効果
がなくなり、1.6重量部を越えるとウレタンの物性が
低下するので好ましくない。更にヒンダードフェノール
系の酸化防止剤の添加量が0.04重量部未満であると
日光暴露後、ウレタンの物性の維持ができないという問
題があり、0.8重量部を越えるとやはりウレタンの物
性が低下するので好ましくない。
添加量が0.08重量部未満であると変色に対する効果
がなくなり、1.6重量部を越えるとウレタンの物性が
低下するので好ましくない。更にヒンダードフェノール
系の酸化防止剤の添加量が0.04重量部未満であると
日光暴露後、ウレタンの物性の維持ができないという問
題があり、0.8重量部を越えるとやはりウレタンの物
性が低下するので好ましくない。
【0016】さらにこのポリウレタン弾性体は滑剤を添
加した組成物であり、滑剤の種類としては油脂(高級脂
肪酸のトリグリセリド)、二硫化モリブデン、木蝋等が
挙げられる。さらに油脂として動物性固体脂としてラー
ド(豚脂)や牛脂があり、植物性固体脂としてヤシ油が
ある。ここで、二硫化モリブデンは比重が大きいために
歯部内に二硫化モリブデンを充填させるには製法が限ら
れ、さらに木蝋はコストが高く作業性も良くないという
問題がある。
加した組成物であり、滑剤の種類としては油脂(高級脂
肪酸のトリグリセリド)、二硫化モリブデン、木蝋等が
挙げられる。さらに油脂として動物性固体脂としてラー
ド(豚脂)や牛脂があり、植物性固体脂としてヤシ油が
ある。ここで、二硫化モリブデンは比重が大きいために
歯部内に二硫化モリブデンを充填させるには製法が限ら
れ、さらに木蝋はコストが高く作業性も良くないという
問題がある。
【0017】上記のことから、ここでは油脂がベルト表
面に滲み出しベルト表面の摩擦係数を下げるために好ま
しい。特にラード(飽和脂肪酸を多く含むトリグリセリ
ド)は分子量が800程度であり、ウレタンの軟質のセ
グメント中を適度な速度で通過し、ポリウレタン表面に
析出することより、持続性のある滑剤として好ましい。
ここで、分子量が500より小さければ早期に滑剤が消
費され、また分子量が2000より大きくなれば、滑剤
が軟質のセグメント中をゆっくりとした速度で移動する
ので、滑剤の効果が早期に出現せず早期に音が発生する
問題がある。さらに、配合コスト、作業性の面から考慮
してもラード(飽和脂肪酸を多く含むトリグリセリド)
が最も好ましい。
面に滲み出しベルト表面の摩擦係数を下げるために好ま
しい。特にラード(飽和脂肪酸を多く含むトリグリセリ
ド)は分子量が800程度であり、ウレタンの軟質のセ
グメント中を適度な速度で通過し、ポリウレタン表面に
析出することより、持続性のある滑剤として好ましい。
ここで、分子量が500より小さければ早期に滑剤が消
費され、また分子量が2000より大きくなれば、滑剤
が軟質のセグメント中をゆっくりとした速度で移動する
ので、滑剤の効果が早期に出現せず早期に音が発生する
問題がある。さらに、配合コスト、作業性の面から考慮
してもラード(飽和脂肪酸を多く含むトリグリセリド)
が最も好ましい。
【0018】滑剤をウレタンプレポリマーに添加する方
法としては、例えばラードの場合は融点が30〜38°
Cであり、それ以上の温度をラードにかけ液体状にした
上で、ウレタンプレポリマーに添加し攪拌した後さらに
硬化剤を混合し攪拌するとすぐに注型を行い一定時間所
定の温度で架橋後脱型してベルトスリーブとし、その
後、所定幅にカットしてポリウレタン製歯付ベルトを得
る。
法としては、例えばラードの場合は融点が30〜38°
Cであり、それ以上の温度をラードにかけ液体状にした
上で、ウレタンプレポリマーに添加し攪拌した後さらに
硬化剤を混合し攪拌するとすぐに注型を行い一定時間所
定の温度で架橋後脱型してベルトスリーブとし、その
後、所定幅にカットしてポリウレタン製歯付ベルトを得
る。
【0019】上記の成形方法としては特に限定されず、
通常の注型法、あるいは内型と外型を所定の回転数で回
転させ、上記混合液を注型後、遠心力にて内型と外型の
間のキャビティ内に液体を充填して所定の温度で架橋を
行う、遠心成形法であっても良い。
通常の注型法、あるいは内型と外型を所定の回転数で回
転させ、上記混合液を注型後、遠心力にて内型と外型の
間のキャビティ内に液体を充填して所定の温度で架橋を
行う、遠心成形法であっても良い。
【0020】そして、滑剤の添加量としては、ポリウレ
タン100重量部に対して0.5〜10重量部滑剤を添
加するのが好ましい。ここで、滑剤の添加量が0.5重
量部未満であると滑剤の効果が少なく、発音を抑制する
ことができにくく、また滑剤の添加量が10重量部を越
えるとポリウレタン弾性体の物性が低下し、歯付ベルト
としての寿命が短くなる。
タン100重量部に対して0.5〜10重量部滑剤を添
加するのが好ましい。ここで、滑剤の添加量が0.5重
量部未満であると滑剤の効果が少なく、発音を抑制する
ことができにくく、また滑剤の添加量が10重量部を越
えるとポリウレタン弾性体の物性が低下し、歯付ベルト
としての寿命が短くなる。
【0021】
【実施例】実施例1としてポリエーテル系ウレタンプレ
ポリマー100重量部に硬化剤として3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンと耐光安定剤
としてポリウレタン100重量部にベンゾトリアゾール
系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線安定剤
とヒンダードフェノール系の酸化防止剤のブレンド比が
2:2:1の割合で混ぜたものを耐光安定剤として2重
量部添加しさらに滑剤としてラードを10重量部添加し
たものからなるS3Mタイプの歯付ベルトを用いた。実
施例2として実施例1のプレポリマー100重量部に実
施例1の硬化剤と耐光安定剤としてポリウレタン100
重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダ
ードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系
の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜた
ものを耐光安定剤として0.2重量部添加しさらにラー
ドを0.5重量部添加した。
ポリマー100重量部に硬化剤として3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンと耐光安定剤
としてポリウレタン100重量部にベンゾトリアゾール
系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線安定剤
とヒンダードフェノール系の酸化防止剤のブレンド比が
2:2:1の割合で混ぜたものを耐光安定剤として2重
量部添加しさらに滑剤としてラードを10重量部添加し
たものからなるS3Mタイプの歯付ベルトを用いた。実
施例2として実施例1のプレポリマー100重量部に実
施例1の硬化剤と耐光安定剤としてポリウレタン100
重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダ
ードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系
の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜた
ものを耐光安定剤として0.2重量部添加しさらにラー
ドを0.5重量部添加した。
【0022】比較例1としては耐光安定剤及び滑剤を添
加していないポリウレタンのみからなるS3Mタイプの
歯付ベルトを用いた。比較例2としてポリウレタン10
0重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒン
ダードフェノール系の酸化防止剤をブレンド比が1:1
で混ぜたものを耐光安定剤として2重量部添加したもの
からなるS3Mタイプの自転車用歯付ベルトを用いた。
この時、滑剤としてラードをポリウレタン100に対し
て10重量部添加した。比較例3としてポリウレタン1
00重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒ
ンダードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノー
ル系の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混
ぜたものを耐光安定剤として0.1重量部添加したもの
からなるS3Mタイプの歯付ベルトを用いた。この時滑
剤としてラードをポリウレタン100に対して10重量
部添加した。比較例4としてポリウレタン100重量部
に実施例の硬化剤と耐光安定剤としてポリウレタン10
0重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒン
ダードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール
系の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜ
たものを耐光安定剤として2重量部添加したものを用い
た。この時滑剤は添加しなかった。
加していないポリウレタンのみからなるS3Mタイプの
歯付ベルトを用いた。比較例2としてポリウレタン10
0重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒン
ダードフェノール系の酸化防止剤をブレンド比が1:1
で混ぜたものを耐光安定剤として2重量部添加したもの
からなるS3Mタイプの自転車用歯付ベルトを用いた。
この時、滑剤としてラードをポリウレタン100に対し
て10重量部添加した。比較例3としてポリウレタン1
00重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒ
ンダードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノー
ル系の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混
ぜたものを耐光安定剤として0.1重量部添加したもの
からなるS3Mタイプの歯付ベルトを用いた。この時滑
剤としてラードをポリウレタン100に対して10重量
部添加した。比較例4としてポリウレタン100重量部
に実施例の硬化剤と耐光安定剤としてポリウレタン10
0重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒン
ダードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール
系の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜ
たものを耐光安定剤として2重量部添加したものを用い
た。この時滑剤は添加しなかった。
【0023】以上の実施例1及び2と、比較例1〜3の
ベルトで、加速変色テスト(サンシャインテスト)を行
った。加速変色テスト(サンシャインテスト)はサンシ
ャインカーボンウェザーメーターを使用し、温度条件は
63±3°Cとした。変色判定方法は、ハンター色差式
を使用し測定値は、L、a、b、ΔL、Δa、Δb、Δ
E(H)で基準値としてサンシャインテスト前のサンプ
ルのL、a、bを用い、色差ΔE(H)を 色差ΔE(H)=〔(ΔL)2 +(Δa)2 +(Δb)
2 〕1/2 の式で算出しサンシャイン時間に対する色差ΔE(H)
の値をグラフにした。その結果を図3に示す。
ベルトで、加速変色テスト(サンシャインテスト)を行
った。加速変色テスト(サンシャインテスト)はサンシ
ャインカーボンウェザーメーターを使用し、温度条件は
63±3°Cとした。変色判定方法は、ハンター色差式
を使用し測定値は、L、a、b、ΔL、Δa、Δb、Δ
E(H)で基準値としてサンシャインテスト前のサンプ
ルのL、a、bを用い、色差ΔE(H)を 色差ΔE(H)=〔(ΔL)2 +(Δa)2 +(Δb)
2 〕1/2 の式で算出しサンシャイン時間に対する色差ΔE(H)
の値をグラフにした。その結果を図3に示す。
【0024】何も添加しなかった比較例1は、耐光安定
剤を2重量部添加した実施例1よりも12倍以上の速度
で変色を起こしている。更に、変色の収束点で、変色程
度が比較例1は実施例1と比べて倍になっている。ま
た、比較例2及び比較例3と比べても実施例1、実施例
2はかなり変色の度合いは小さくなっている。よって、
変色を十分に防止するには耐光安定剤をポリウレタン1
00重量部に対して0.2重量部は添加する必要があ
り、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダード
アミン系の紫外線安定剤および、ヒンダードフェノール
系の酸化防止剤の三つの成分からなり、ベンゾトリアゾ
ール系の紫外線吸収剤の三成分を添加することが必須で
ある。
剤を2重量部添加した実施例1よりも12倍以上の速度
で変色を起こしている。更に、変色の収束点で、変色程
度が比較例1は実施例1と比べて倍になっている。ま
た、比較例2及び比較例3と比べても実施例1、実施例
2はかなり変色の度合いは小さくなっている。よって、
変色を十分に防止するには耐光安定剤をポリウレタン1
00重量部に対して0.2重量部は添加する必要があ
り、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダード
アミン系の紫外線安定剤および、ヒンダードフェノール
系の酸化防止剤の三つの成分からなり、ベンゾトリアゾ
ール系の紫外線吸収剤の三成分を添加することが必須で
ある。
【0025】次に、図4のような騒音測定試験機にて発
音試験を行った。モータとしては、実際にファクシミリ
の紙送りに使用されるハイブリッド型ステッピングモー
タを使用して音圧の評価を行った。図4において歯付ベ
ルト1を駆動プーリ8と従動プーリ9との間に懸架し、
さらに軸間距離調整用ハンドル12とLMガイド14を
用いて歯付ベルト1に張力を与え、従動側プーリ9に1
kg・cmのトルクが掛かるようにした。そして、パル
ス発振器を670p.p.s.の発振数に設定し、PM
ドライバーを作動させステッピングモータ15を回転さ
せた。そして、図4(b)のように駆動プーリ8からの
距離を20mm離して普通騒音計にて発音の測定を行っ
た。このとき駆動プーリ8の歯数は17歯、従動プーリ
の歯数は46歯であった。そしてその結果を表1に示
す。
音試験を行った。モータとしては、実際にファクシミリ
の紙送りに使用されるハイブリッド型ステッピングモー
タを使用して音圧の評価を行った。図4において歯付ベ
ルト1を駆動プーリ8と従動プーリ9との間に懸架し、
さらに軸間距離調整用ハンドル12とLMガイド14を
用いて歯付ベルト1に張力を与え、従動側プーリ9に1
kg・cmのトルクが掛かるようにした。そして、パル
ス発振器を670p.p.s.の発振数に設定し、PM
ドライバーを作動させステッピングモータ15を回転さ
せた。そして、図4(b)のように駆動プーリ8からの
距離を20mm離して普通騒音計にて発音の測定を行っ
た。このとき駆動プーリ8の歯数は17歯、従動プーリ
の歯数は46歯であった。そしてその結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】表1よりも明らかなように、ラードをポリ
ウレタン100重量部に対して10重量部添加した実施
例1のベルトは、比較例1及び比較例4に比べると7d
B程音圧が下がっており、比較例と比べて十分静粛にな
ると考えられる。ラードをポリウレタン100重量部に
対して0.5重量部添加した実施例2のベルトは、比較
例1及び比較例4に比べて音圧は低くなっているが、実
施例1と比べると、比較例1及び比較例4に近づいてお
り、これよりラードの添加量を少なくするとほぼラード
を添加しない状態と変わらなくなることがわかる。
ウレタン100重量部に対して10重量部添加した実施
例1のベルトは、比較例1及び比較例4に比べると7d
B程音圧が下がっており、比較例と比べて十分静粛にな
ると考えられる。ラードをポリウレタン100重量部に
対して0.5重量部添加した実施例2のベルトは、比較
例1及び比較例4に比べて音圧は低くなっているが、実
施例1と比べると、比較例1及び比較例4に近づいてお
り、これよりラードの添加量を少なくするとほぼラード
を添加しない状態と変わらなくなることがわかる。
【0028】前述の実施例1の歯付ベルトと同じ配合で
あるポリウレタン100重量部にベンゾトリアゾール系
の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線安定剤と
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤のブレンド比が
2:2:1の割合で混ぜたものを耐光安定剤として2重
量部添加し、滑剤としてラードを0.5重量部混ぜたポ
リウレタン組成物を用い、シートを作成したものを実施
例3とし、実施例4としてポリウレタン100重量部に
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミ
ン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系の酸化防
止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜたものを耐
光安定剤として3重量部添加し、滑剤としてラードを1
0重量部添加したものを用い、実施例3と同様に作製し
たシートを用意し、比較例5としてポリウレタン100
重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダ
ードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系
の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜた
ものを耐光安定剤として5重量部添加したものを用い、
さらに滑剤としてラードを10重量部添加したものを用
いた。また、比較例6としてポリウレタン100重量部
にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードア
ミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系の酸化
防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜたものを
耐光安定剤として3重量部添加し、さらに滑剤としてラ
ードを15重量部添加したものを用いた。
あるポリウレタン100重量部にベンゾトリアゾール系
の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線安定剤と
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤のブレンド比が
2:2:1の割合で混ぜたものを耐光安定剤として2重
量部添加し、滑剤としてラードを0.5重量部混ぜたポ
リウレタン組成物を用い、シートを作成したものを実施
例3とし、実施例4としてポリウレタン100重量部に
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミ
ン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系の酸化防
止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜたものを耐
光安定剤として3重量部添加し、滑剤としてラードを1
0重量部添加したものを用い、実施例3と同様に作製し
たシートを用意し、比較例5としてポリウレタン100
重量部にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダ
ードアミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系
の酸化防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜた
ものを耐光安定剤として5重量部添加したものを用い、
さらに滑剤としてラードを10重量部添加したものを用
いた。また、比較例6としてポリウレタン100重量部
にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードア
ミン系の紫外線安定剤とヒンダードフェノール系の酸化
防止剤のブレンド比が2:2:1の割合で混ぜたものを
耐光安定剤として3重量部添加し、さらに滑剤としてラ
ードを15重量部添加したものを用いた。
【0029】これらの実施例3と実施例4と比較例5の
シートを使って静的物性の評価を行った。シート作製条
件は次の通りである。 原料温度:60°C キュアー条件:110°C×3hrs+60°C×24
hrs
シートを使って静的物性の評価を行った。シート作製条
件は次の通りである。 原料温度:60°C キュアー条件:110°C×3hrs+60°C×24
hrs
【0030】
【表2】
【0031】表1からわかるように、耐光安定剤の添加
量がポリウレタン100重量部に対し2.0重量部であ
り、ラードの添加量が同じく10重量部である実施例3
と耐光安定剤の添加量が3.0重量部であり、ラードの
添加量が10重量部である実施例4に比べて、ラードの
添加量は同じく10重量部であるが、耐光安定剤の量が
5.0重量部である比較例5は物性が低下しており、耐
光安定剤はポリウレタン100重量部に対して4.0重
量部以内であることが必要となる。さらに、耐光安定剤
の量が3.0重量部の添加であってもラードを15重量
部添加した比較例6も又物性が低下しており、ラードは
ポリウレタン100重量部に対して10重量部以内であ
ることが必要となる。
量がポリウレタン100重量部に対し2.0重量部であ
り、ラードの添加量が同じく10重量部である実施例3
と耐光安定剤の添加量が3.0重量部であり、ラードの
添加量が10重量部である実施例4に比べて、ラードの
添加量は同じく10重量部であるが、耐光安定剤の量が
5.0重量部である比較例5は物性が低下しており、耐
光安定剤はポリウレタン100重量部に対して4.0重
量部以内であることが必要となる。さらに、耐光安定剤
の量が3.0重量部の添加であってもラードを15重量
部添加した比較例6も又物性が低下しており、ラードは
ポリウレタン100重量部に対して10重量部以内であ
ることが必要となる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によると、内側に一定ピッチで歯部と溝部を交互に形
成し、ピッチライン位置に抗張体を埋設せしめ、ポリウ
レタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤
とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒンダードフェ
ノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安定剤を添加
したポリウレタン製歯付ベルトにおいて、滑剤を添加し
たことより、紫外線吸収剤と紫外線安定剤の相乗効果が
大きく、紫外線による変色を大きく抑えることができ、
ベルトの外観の経時変化を極力少なくすることができ、
さらにポリウレタンに滑剤を添加することによってベル
トとプーリとのかみ合い時において発音を抑える効果が
ある。
明によると、内側に一定ピッチで歯部と溝部を交互に形
成し、ピッチライン位置に抗張体を埋設せしめ、ポリウ
レタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤
とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒンダードフェ
ノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安定剤を添加
したポリウレタン製歯付ベルトにおいて、滑剤を添加し
たことより、紫外線吸収剤と紫外線安定剤の相乗効果が
大きく、紫外線による変色を大きく抑えることができ、
ベルトの外観の経時変化を極力少なくすることができ、
さらにポリウレタンに滑剤を添加することによってベル
トとプーリとのかみ合い時において発音を抑える効果が
ある。
【0033】請求項2記載の発明によると、滑剤がラー
ドであるあることにより、ベルト表面にラードが析出す
ることによってベルト表面の摩擦係数が下がり、ベルト
がプーリ及びプーリのフランジと干渉した場合でも音の
発生を抑える効果がある。
ドであるあることにより、ベルト表面にラードが析出す
ることによってベルト表面の摩擦係数が下がり、ベルト
がプーリ及びプーリのフランジと干渉した場合でも音の
発生を抑える効果がある。
【0034】請求項3記載の発明によると、ポリウレタ
ン100重量部に対して滑剤を0.5〜10重量部添加
するポリウレタン製歯付ベルトを使用することによっ
て、滑剤を適量使用することとなりポリウレタン弾性体
の物性を低下させることなしに、十分音の発生を抑える
ことができる効果がある。
ン100重量部に対して滑剤を0.5〜10重量部添加
するポリウレタン製歯付ベルトを使用することによっ
て、滑剤を適量使用することとなりポリウレタン弾性体
の物性を低下させることなしに、十分音の発生を抑える
ことができる効果がある。
【0035】請求項4記載の発明によると、各成分の量
を限定した耐光安定剤を使用し、さらにはポリウレタン
100重量部に対して0.5〜10重量部のラードを添
加することによって、ポリウレタン弾性体の物性の低下
を防ぎ、変色防止の効果も十分に得られ、さらには音の
発生をより一層抑えることができる効果がある。
を限定した耐光安定剤を使用し、さらにはポリウレタン
100重量部に対して0.5〜10重量部のラードを添
加することによって、ポリウレタン弾性体の物性の低下
を防ぎ、変色防止の効果も十分に得られ、さらには音の
発生をより一層抑えることができる効果がある。
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)は一部破断斜視図、(b)は一部の断面図であ
る。
(a)は一部破断斜視図、(b)は一部の断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す一部の断面図
である。
である。
【図3】サンシャイン時間に対し色差(ΔE)をプロッ
トしたグラフである。
トしたグラフである。
【図4】ファクシミリの実機モータを用いた発音試験機
の概略図である。
の概略図である。
1 ポリウレタン製歯付ベルト 2 背面部 3 心線 4 帆布 5 歯部 6 歯底部 7 発音試験機 8 駆動プーリ 9 従動プーリ 10 PMドライバー 11 パルス発振器 12 軸間距離調整用ハンドル 13 普通騒音計 14 LMガイド 15 ハイブリッド型ステッピングモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:3495 5:17 5:13 5:10)
Claims (4)
- 【請求項1】 内側に一定ピッチで歯部と溝部を交互に
形成し、ピッチライン位置に抗張体を埋設せしめポリウ
レタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤
とヒンダードアミン系紫外線安定剤及びヒンダードフェ
ノール系の酸化防止剤をブレンドした耐光安定剤を添加
したポリウレタン製歯付ベルトにおいて、滑剤を添加し
たことを特徴とするポリウレタン製歯付ベルト。 - 【請求項2】 滑剤がラードであることを特徴とする請
求項1記載のポリウレタン製歯付ベルト。 - 【請求項3】 ポリウレタン100重量部に対して滑剤
を0.5〜10重量部添加する請求項1又は2に記載の
ポリウレタン製歯付ベルト。 - 【請求項4】 内側に一定ピッチで歯部と溝部を交互に
形成し、ピッチライン位置に抗張体を埋設せしめ、ポリ
ウレタン弾性体にはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収
剤を0.08〜1.6重量部、ヒンダードアミン系紫外
線安定剤を0.08〜1.6重量部、及びヒンダードフ
ェノール系の酸化防止剤を0.04〜0.8重量部ブレ
ンドした耐光安定剤を添加したポリウレタン製歯付ベル
トにおいて、ポリウレタン100重量部に対して0.5
〜10重量部のラードを添加したことを特徴とするポリ
ウレタン製歯付ベルト。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31582197A JPH11132292A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | ポリウレタン製歯付ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31582197A JPH11132292A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | ポリウレタン製歯付ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11132292A true JPH11132292A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=18069973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31582197A Pending JPH11132292A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | ポリウレタン製歯付ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11132292A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0989324A1 (en) * | 1998-09-25 | 2000-03-29 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Power transmission belt |
JP2012251586A (ja) * | 2011-06-01 | 2012-12-20 | Mitsuboshi Belting Ltd | 伝動ベルト |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP31582197A patent/JPH11132292A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0989324A1 (en) * | 1998-09-25 | 2000-03-29 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Power transmission belt |
JP2012251586A (ja) * | 2011-06-01 | 2012-12-20 | Mitsuboshi Belting Ltd | 伝動ベルト |
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