JP2001263427A - ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト - Google Patents

ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト

Info

Publication number
JP2001263427A
JP2001263427A JP2000081809A JP2000081809A JP2001263427A JP 2001263427 A JP2001263427 A JP 2001263427A JP 2000081809 A JP2000081809 A JP 2000081809A JP 2000081809 A JP2000081809 A JP 2000081809A JP 2001263427 A JP2001263427 A JP 2001263427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
toothed
polyurethane elastomer
tooth
transmission belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000081809A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Hara
浩一郎 原
Masaki Ochiai
政喜 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000081809A priority Critical patent/JP2001263427A/ja
Publication of JP2001263427A publication Critical patent/JP2001263427A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】歯付きベルトの歯部と歯付きプーリの歯溝との
噛合い振動に由来する噛合い速度むらを低減した歯付き
伝動ベルトを提供する。 【解決手段】本発明によれば、ポリウレタンエラストマ
ーからなるベルト本体が内表面に一定のピッチの間隔を
おいて歯部を有すると共に、埋設した抗張体を有する歯
付き伝動ベルトにおいて、ポリウレタンエラストマーが
潤滑剤(好ましくは、脂肪酸グリセリド)を含み、70
〜80度の範囲のJIS A硬度を有し、更に、歯面の
動摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする歯付き伝
動ベルトが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付き伝動ベルト
に関し、詳しくは、ポリウレタンエラストマーからなる
噛合い速度むらのない歯付き伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタや複写機に代表される事
務用機器において、歯付き伝動ベルトを用いた印字(画
像も含む。)装置が広く用いられている。このような印
字装置によれば、インク等の印字機構を備えたキャリッ
ジを歯付きベルトに取付け、この歯付きベルトを歯付き
プーリ間に掛けわたし、プーリを正逆転させて、キャリ
ッジを往復運動させている。
【0003】特に、プリンタにおいては、近年、カラー
印刷や、その高速化、高画質化が進んでおり、歯付きベ
ルトの噛合い振動、即ち、噛合いによる速度むらが印字
むらや画像むらを引起すことがあるので、歯付きベルト
の噛合い速度むらの低減が強く要望されている。
【0004】現在、このようなプリンタに用いられてい
るポリウレタンエラストマー製歯付きベルトとしては、
一般に、可塑剤を配合した熱硬化性ポリウレタンエラス
トマーの注型成形によって製造されており、JIS A
硬度が80〜90度の範囲にあるものが汎用されてい
る。
【0005】このようなポリウレタンエラストマー製歯
付きベルトが走行時、噛合い速度むらが生じる原因は次
のとおりである。即ち、歯付きベルトの歯部が駆動側の
歯付きプーリの歯溝部に噛込むとき、与えられる負荷ト
ルクの影響によって、歯付きベルトの歯部は歯付きプー
リの歯溝部の位置に対して幾らか遅れた位置で噛込む。
そこで、ベルト歯部の走行方向の後部側の側面は、先
ず、プーリの歯溝部の側面に接触し、その後に、ベルト
歯溝部に滑り込むこととなる。このとき、ベルトのスパ
ン(プーリに巻き付いていない部分)でベルトのピッチ
ラインがベルトスパンと直交する方向に上下動すること
によって、ベルトの噛合い速度むらが生じる。
【0006】上述したポリウレタンエラストマー製歯付
きベルトの汎用品によれば、ベルト歯部の走行方向の後
部の側面がプーリ歯溝部に側面に接触するときの衝撃が
大きく、また、その後にベルト歯部がプーリの歯溝部に
滑り込むときの動摩擦係数が大きいことから、その滑り
込みが円滑でなく、かくして、噛合い速度むらが発生す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリ
ウレタンエラストマーからなる歯付き伝動ベルトにおけ
る上述した問題を解決するためになされたものであっ
て、歯付きベルトの歯部と歯付きプーリの歯溝との噛合
い振動に由来する噛合い速度むらを低減した歯付き伝動
ベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリウ
レタンエラストマーからなるベルト本体が内表面に一定
のピッチの間隔をおいて歯部を有すると共に、埋設した
抗張体を有する歯付き伝動ベルトにおいて、ポリウレタ
ンエラストマーが潤滑剤を含み、70〜80度の範囲の
JIS A硬度を有し、更に、歯面の動摩擦係数が0.5
以下であることを特徴とする歯付き伝動ベルトが提供さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によるベルト本体を備えた
ポリウレタンエラストマーからなる歯付き伝動ベルト
は、ワン・ショット法にて製造されてもよいが、好まし
くは、プレポリマー法にて製造される。即ち、ポリオー
ルとポリイソシアネートとを予め反応させて、末端イソ
シアネート基のプレポリマーを調製し、これを用いて注
入成形法にて目的とする歯付きベルトを製造する。末端
イソシアネート基のプレポリマーは、ポリオールに対し
て、過剰のポリイソシアネートを反応させることによっ
て得ることができる。
【0010】上記ポリイソシアネートとしては、特に、
限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−ト
リレンジイソシアネートの混合物、トルイジンジイソシ
アネート、キシリジンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が好ま
しく用いられる。
【0011】また、ポリオールも、特に、限定されるも
のではなく、種々のポリエステルポリオールやポリエー
テルポリオール、ラクトンポリオール等が適宜に用いら
れる。このようなポリエステルポリオールとして、例え
ば、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸等
の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等を多塩基酸
成分とし、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ペンタングリコール、ヘキサ
ングリコール、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜
6の脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール等をポ
リオール成分とするポリエステルポリオールが好ましく
用いられる。
【0012】具体的には、例えば、ポリエチレンアジペ
ートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、
ポリエチレンポリプロピレンアジペートポリオール等の
アジペート系ポリオール、テレフタル酸系ポリエステル
ポリオール等が好ましく用いられる。ポリエーテルポリ
オールとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオー
ル、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテト
ラメチレンポリオール等が好ましく用いられる。上記以
外にも、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリ−
β−メチル−δ−バレロラクトンポリオール、ポリブタ
ジエンポリオール、ポリベンタジエンポリオール、ヒマ
シ油系ポリオール等も用いられる。
【0013】本発明においては、このようなポリオール
の数平均分子量は、500〜5000の範囲にあるのが
好ましい。また、このようなポリイソシアネートとポリ
オールとからのプレポリマーは、イソシアネート基含量
が1〜20重量%であるのが好ましい。
【0014】本発明による歯付きベルトをプレポリマー
法にて製造するには、このようなウレタンプレポリマー
に硬化剤と共に、本発明に従って、潤滑剤を配合し、更
に、必要に応じて、可塑剤、充填剤、安定剤等を配合
し、これを抗張体と共に型に注入し、硬化させた後、型
から取り外すことによって得ることができる。
【0015】より詳細には、本発明によれば、歯付きベ
ルトの歯部の走行方向の後部の歯部側面がプーリの歯溝
部の側面に接触するときの衝撃を緩和するために、歯付
きベルトを構成するポリウレタンエラストマーの硬度を
JIS A硬度にて70〜80度、好ましくは、70〜
75度の範囲とすると共に、歯付きベルトの歯部の走行
方向の後部の歯部側面がプーリ歯溝部の側面に接触し、
その後にベルト歯部がプーリの歯溝部に滑り込むときの
摩擦を低減して円滑にするために、潤滑剤をウレタンプ
レポリマーに配合し、これを注入成形法によって歯付き
ベルトに成形する。注入成形法自体は、既に、よく知ら
れている成形法の一つである。
【0016】本発明においては、上記潤滑剤としては、
脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸と多価アルコー
ルとの部分エステル等が用いられるが、好ましくは、天
然又は合成の脂肪酸グリセリドが用いられる。このよう
な天然又は合成の脂肪酸グリセリドとしては、例えば、
カプリン酸グリセリンエステル(トリカプリン)、ラウ
リン酸グリセリンエステル(トリラウリン)、ミリスチ
ン酸グリセリンエステル(トリミリスチン)、パルミチ
ン酸グリセリンエステル(トリパルミチン)、ステアリ
ン酸グリセリンエステル(トリステアリン)、オレイン
酸グリセリンエステル(トリオレイン)、リノレイン酸
グリセリンエステル(トリリノレイン)、ステアリン酸
パルミチン酸グリセリンエステル(パルミトジステアリ
ン)等や、また、上述したような脂肪酸グリセリドを主
成分とする動植物油脂、特に、動植物脂、例えば、パー
ム油、パーム核油、椰子油、カカオ脂のような植物脂、
豚脂、牛脂、馬脂、骨脂、バター脂等の動物脂を挙げる
ことができる。本発明によれば、なかでも、融点が45
〜48℃の牛脂が好ましく用いられる。
【0017】本発明によれば、このような潤滑剤は、ポ
リウレタンエラストマー100重量部に対して、通常、
0.5〜20重量部の範囲で配合される。潤滑剤の配合量
がポリウレタンエラストマー100重量部に対して0.5
重量部よりも少ないときは、得られるポリウレタンエラ
ストマーからなる歯付きベルトがその走行時、ベルト歯
面の摩擦係数の低減に効果なく、歯付きベルトの歯部の
走行方向の後部の歯部側面がプーリ歯溝部の側面に接触
し、その後にベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込みが円
滑でなく、噛合い速度むらの発生を抑えることができな
い。しかし、潤滑剤の配合量がポリウレタンエラストマ
ー100重量部に対して20重量部を越えるときは、得
られる歯付きベルトの表面への潤滑剤の析出が顕著であ
るので好ましくない。好ましくは、脂肪酸グリセリドの
配合量は、ポリウレタンエラストマー100重量部に対
して、1〜10重量部の範囲である。
【0018】硬化剤は、架橋剤又は鎖延長剤とも呼ば
れ、本発明によれば、硬化剤としては、脂肪族又は芳香
族ジオールや、脂肪族又は芳香族ジアミン等が好ましく
用いられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール等を挙げることができる。また、芳香族ジオール
としては、例えば、(p−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、テレフタル酸ヒドロキシエチル、ビスフェノールA
のヒドロキシエチルエステル、ビス(p−ヒドロキシエ
トキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。
【0019】他方、脂肪族ジアミンとしては、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミ
ン等を挙げることができる。芳香族ジアミンとしては、
例えば、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジク
ロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、メチレンジア
ニリン、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン
と3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンとの混
合物、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミンと3,5
−ジエチル−2,6−トルエンジアミンとの混合物等を挙
げることができる。
【0020】また、トリエタノールアミン、トリプロパ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカ
ノールアミンも硬化剤として好ましく用いられる。本発
明による歯付きベルトは、ベルト内に抗張体(芯体)が
埋設されている。この抗張体としては、スチールコー
ド、ガラス繊維コード、ポリエステル繊維コード、芳香
族ポリアミド繊維コード等が好ましく用いられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0021】更に、本発明による歯付きベルトの製造に
際して、必要に応じて、ウレタンプレポリマーには、可
塑剤、難燃剤、充填剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤等
の添加剤を配合してもよい。可塑剤としては、例えば、
ジ−2−エチルヘキシルフタレート、フタル酸ジブチ
ル、アジピン酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、塩素
化パラフィン等を挙げることができる。難燃剤として
は、例えば、トリス(β−クロロプロピルホスフェー
ト)、トリスクロロエチルホスフェート等のリン酸エス
テル類、ジブロムネオペンチルグリコール、トリブロム
ネオペンチルアルコール等の臭素化合物を挙げることが
できる。
【0022】充填剤としては、例えば、ガラス繊維、カ
ーボンブラツク、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、
ゼオライト、珪藻土、パーライト、バーミキュライト等
を挙げることができる。安定剤としては、従来より知ら
れている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加水分
解防止剤等を配合することができる。更に、必要に応じ
て、触媒を配合してもよい。
【0023】このようにして、ウレタンプレポリマーに
潤滑剤と硬化剤を配合してウレタンプレポリマー配合物
を調製し、更に、必要に応じて、この配合物にその他の
添加剤を配合した後、これを抗張体を取付けた型内に注
入し、加熱硬化させて、抗張体を埋設した歯付きベルト
を得る。
【0024】例えば、歯付きベルトの製造について説明
すれば、好ましくは、歯付きベルトの歯型に対応して、
軸方向に延びる溝部を外周面に備えた円筒状の内金型を
用意し、この内金型の外周面に沿って、好ましくは接着
処理を施した抗張体を巻き付けた後、これを円筒状の外
金型内に挿入する。用いる抗張体や、又は採用するベル
ト本体の構造によっては、内金型の上記溝部の間のそれ
ぞれの突起部には、更に、上記内金型の外周面に接触し
ないように上記コードを支えるための突条が突起部に沿
って軸方向に設けられている。次いで、これら内金型と
外金型を予熱した後、この内金型と外金型の間の空間に
前記ウレタンプレポリマー配合物を注入充填し、ウレタ
ンプレポリマーを加熱して硬化させる。所定時間、加熱
硬化させた後、型から成形物を取り外し、必要に応じ
て、加熱下に二次硬化させ、所定幅に裁断すれば、本発
明によるベルト本体を備えた歯付きベルトを得ることが
できる。
【0025】ウレタンプレポリマー配合物の加熱温度と
時間は、特に、限定されるものではなく、実際、用いる
プレポリマーの化学構造や硬化剤等にもよるが、加熱温
度は、通常、室温乃至200℃、好ましくは、50〜1
50℃の範囲であり、最も好ましくは、100〜120
℃程度であり、加熱時間は、通常、10分から180
分、好ましくは、20分から120分程度である。
【0026】このようにして得られる歯付きベルトの一
例を図1に示す。即ち、この歯付きベルト10は、上述
したようなポリウレタンエラストマーからなるベルト本
体11を備えており、このベルト本体11はその内表面
に一定間隔のピッチをおいて歯部12を有する。通常、
ベルト本体11は、ベルト10の長手方向に沿ってベル
ト本体11に埋設された複数の抗張体13を有する。更
に、必要に応じて、ベルト本体11には、繊維補強材1
4が分散されていてもよく、また、ベルト本体の外表面
又は内表面又はこれら内外の表面に耐摩耗性の帆布補強
材や不織布等(図示せず)が接着されていてもよい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 歯付きベルトの歯型に対応して、外周面に軸方向に延び
る溝部を備えると共に、溝部の間のそれぞれの突起部の
表面に軸方向に延びる突条を備えた円筒状の内金型を用
意し、上記外周面の上記突条にて支えながら、接着処理
を施した芳香族ポリアミド繊維からなるコードを内金型
の外周面に沿って巻き付けた後、この内金型を円筒状の
外金型内に挿入し、これら内金型と外金型とを80℃に
予熱した。
【0029】次に、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル(数平均分子量1000)と2,4−トリレンジイソシ
アネートとからのウレタンプレポリマー(イソシアネー
ト基含量3.9重量%)100重量部(I液)を脱泡し、
80℃に加熱した。別に、硬化剤A(3,3'−ジクロロ−
4,4'−ジアミノジフェニルメタン)6.47重量部と硬化
剤B(トリイソプロパノールアミン)2.52重量部(硬
化剤A/硬化剤Bの当量比55/45、硬化剤A及びB
の当量の和のウレタンプレポリマー中のイソシアネート
基の当量に対する比(α値)0.95)、牛脂(融点約4
5℃)10重量部及び可塑剤(ジ−2−エチルヘキシル
フタレート)10重量部とからなる溶液(II液)を調製
し、これを120℃に予熱した。
【0030】上記I液と1I液とをミキシングヘッドに供
給し、混合攪拌しながら、上記内金型と外金型との間の
空間に注入した後、100℃のオーブン中にて30分間
加熱して、プレポリマーを架橋して硬化させた。得られ
た成形物を金型から取り外し、100℃で10時間、加
熱して、二次硬化させ、20mm幅に裁断して、図1に
示すような幅6mm、ピッチ2mm、ピッチ周長250
mm、歯形STS歯形、芯体ガラス繊維コードの歯付き
ベルトを得た。この歯付きベルトを構成するポリウレタ
ンエラストマーのJIS A硬度と歯面の動摩擦係数を
表1に示す。歯付きベルトの歯面の動摩擦係数は、新東
洋科学(株)製ヘイドン−14S型摩擦係数測定器を用
い、荷重100g、速度300mm/分にて測定した。
【0031】また、このようにして得た歯付きベルトに
ついて、実際の走行時の速度むらを図2に示すベルト速
度むら測定装置を用いて測定した。速度むらとは、ベル
トの1ピッチ内の最大速度と最小速度との差である。
【0032】この測定装置は、試験用の歯付きベルト2
0を巻き掛ける歯付きプーリからなる駆動プーリ21及
び従動プーリ22を備えており、その従動プーリ22へ
の静荷重DWによりベルト張力を付与し、且つ、従動プ
ーリ22を無負荷にした状態で駆動プーリ21を図示し
た矢印の方向に回転させ、そのときの歯付きベルト20
の緩み側スパンにおいて駆動プーリ21の軸心からd1
=10mm離れた部位に対し、その部位からベルト側方
にd2=100±2mm離れた位置のプローブ23から
レーザ光23aを当てて、そのプローブ23の出力信号
に基づいて速度むら測定器24により歯付きベルト20
の速度むらを測定し、この速度むらの周波数をFTT2
5により解析してコンピュータ26に取込み、そのデー
タをプリンタ27から印刷するようにしたものである。
このようにして得た歯付きベルトの速度むらを後述する
比較例8による歯付きベルトの速度むらを1とする相対
値にて示す。
【0033】実施例2 硬化剤Aを7.64重量部と硬化剤Bを1.96重量部(硬
化剤A/硬化剤Bの当量比65/35)用いた以外は、
実施例1と同様にして、表1に示す組成にてポリウレタ
ンエラストマー製歯付きベルトを製造し、実施例1と同
様にして、速度むらを測定した。結果を表1に示す。
【0034】比較例1 ポリオキシテトラメチレングリコール(数平均分子量1
000)と2,4−トリレンジイソシアネートとからのウ
レタンプレポリマー(イソシアネート基含量2.9重量
%)100重量部(I液)を脱泡し、80℃に加熱し
た。別に、表1に示すように、硬化剤A(3,3'−ジクロ
ロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン)3.94重量部と
硬化剤B(トリイソプロパノールアミン)2.29重量部
(硬化剤A/硬化剤Bの当量比45/55)、牛脂(融
点約45℃)10重量部及び可塑剤(ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート)10重量部とからなる溶液(II液)
を調製し、これを120℃に予熱した。以下、実施例1
と同様にして、歯付きベルトを得、これについて、実施
例1と同様にして速度むらを測定した。結果を表1に示
す。
【0035】比較例2 牛脂を用いることなく、可塑剤を20重量部用いた以外
は、比較例1と同様にして、歯付きベルトを製造した。
これについて、実施例1と同様にして速度むらを測定し
た。結果を表1に示す。
【0036】比較例3〜8 実施例1と同様にして、表1に示すように、ウレタンプ
レポリマー、硬化剤A、(硬化剤B、牛脂、)可塑剤を
用いて、歯付きベルトを製造した。これについて、実施
例1と同様にして速度むらを測定した。結果を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明による歯付きベルトは、そのベル
ト本体が潤滑剤、好ましくは、脂肪酸グリセリドを配合
したポリウレタンエラストマーからなり、そのJIS
A硬度が70〜80度の範囲にあるので、ベルト歯部の
走行方向の後部の歯部側面がプーリの歯溝部に側面に接
触するときの衝撃が緩和されており、しかも、歯面の動
摩擦係数が小さく、かくして、その後にベルト歯部がプ
ーリ歯溝部に滑り込むときの摩擦が小さく(0.5以
下)、その滑り込みが円滑であるので、噛合い速度むら
が20〜30%も低減されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による歯付き伝動ベルトの一例を示
す長手方向に沿う部分断面図である。
【図2】は、歯付き伝動ベルトの速度むらの測定装置を
示す図である。
【符号の説明】
10…歯付き伝動ベルト、11…ベルト本体、12…歯
部、13…抗張体、14…繊維補強材、20…歯付き伝
動ベルト、21…駆動プーリ、22…従動プーリ、23
…プローブ、23a…レーザ光、24…速度むら測定
器、25…FTT、26…コンピュータ、27…プリン
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 1/00 F16G 1/00 D 1/14 1/14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタンエラストマーからなるベルト
    本体が内表面に一定のピッチの間隔をおいて歯部を有す
    ると共に、埋設した抗張体を有する歯付き伝動ベルトに
    おいて、ポリウレタンエラストマーが潤滑剤を含み、7
    0〜80度の範囲のJISA硬度を有し、更に、歯面の
    動摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする歯付き伝
    動ベルト。
  2. 【請求項2】潤滑剤が脂肪酸グリセリドである請求項1
    に記載の伝動ベルト。
  3. 【請求項3】潤滑剤が牛脂である請求項1に記載の伝動
    ベルト。
JP2000081809A 2000-03-17 2000-03-17 ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト Pending JP2001263427A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081809A JP2001263427A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081809A JP2001263427A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001263427A true JP2001263427A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18598692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000081809A Pending JP2001263427A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001263427A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006177546A (ja) * 2004-11-25 2006-07-06 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト歯面の表面状態測定方法
JP4616403B1 (ja) * 2009-11-27 2011-01-19 イチカワ株式会社 抄紙用プロセスベルト
JP2013010925A (ja) * 2011-05-30 2013-01-17 Mitsui Chemicals Inc ポリウレタンエラストマーおよびポリウレタン樹脂組成物
CN103669094A (zh) * 2012-09-20 2014-03-26 株式会社市川 湿纸幅传送带、抄纸系统、及抄纸方法
CN105987126A (zh) * 2015-02-12 2016-10-05 天津理洋泽机电设备有限公司 一种同步带
JP2020527619A (ja) * 2017-06-27 2020-09-10 アルベマール・コーポレーシヨン 難燃性ポリウレタンフォーム
JP2021105450A (ja) * 2014-09-24 2021-07-26 バンドー化学株式会社 歯付ベルト

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006177546A (ja) * 2004-11-25 2006-07-06 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト歯面の表面状態測定方法
JP4616403B1 (ja) * 2009-11-27 2011-01-19 イチカワ株式会社 抄紙用プロセスベルト
JP2011111693A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Ichikawa Co Ltd 抄紙用プロセスベルト
US8092654B2 (en) 2009-11-27 2012-01-10 Ichikawa Co., Ltd. Process belt for papermaking and method for making the same
JP2013010925A (ja) * 2011-05-30 2013-01-17 Mitsui Chemicals Inc ポリウレタンエラストマーおよびポリウレタン樹脂組成物
CN103669094A (zh) * 2012-09-20 2014-03-26 株式会社市川 湿纸幅传送带、抄纸系统、及抄纸方法
CN103669094B (zh) * 2012-09-20 2017-09-22 市川株式会社 湿纸幅传送带、抄纸系统、及抄纸方法
JP2021105450A (ja) * 2014-09-24 2021-07-26 バンドー化学株式会社 歯付ベルト
JP7233461B2 (ja) 2014-09-24 2023-03-06 バンドー化学株式会社 歯付ベルト
CN105987126A (zh) * 2015-02-12 2016-10-05 天津理洋泽机电设备有限公司 一种同步带
JP2020527619A (ja) * 2017-06-27 2020-09-10 アルベマール・コーポレーシヨン 難燃性ポリウレタンフォーム
JP7157088B2 (ja) 2017-06-27 2022-10-19 アルベマール コーポレーション 難燃性ポリウレタンフォーム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4818945B2 (ja) 電子写真装置用ブレード及びその製造方法
JP5846869B2 (ja) ポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法
TWI677533B (zh) 熱硬化性聚胺酯組合物及其用途
JP2001263427A (ja) ポリウレタンエラストマー製歯付き伝動ベルト
JP5767025B2 (ja) 伝動ベルト
CN107614558B (zh) 氨基甲酸酯组合物、聚氨酯弹性体和传送带
CA2943785C (en) Toothed belt
DE69502430T2 (de) Zahnriemen
JP5319170B2 (ja) クリーニングブレード及びその製造方法
EP0989324B1 (en) Power transmission belt
JP3099881B2 (ja) 伝動ベルト
DE2933165A1 (de) Verfahren zur herstellung von dynamisch besonders belastbaren luftreifen
JP6630470B2 (ja) ポリウレタン製ベルト
WO2018021454A1 (ja) 熱硬化性ポリウレタン組成物及びその用途
DE1118966B (de) Verfahren zur Herstellung von vernetzten, gegebenenfalls verschaeumten Polyurethanen
JP2520343B2 (ja) 伝動ベルト
JPH11264447A (ja) ポリウレタン製ベルト
JP2004116691A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2006177546A (ja) 歯付ベルト歯面の表面状態測定方法
JP2006301273A (ja) クリーニングブレード
JPH11132292A (ja) ポリウレタン製歯付ベルト
JP2002234928A (ja) ベルト成形用材料及び伝動ベルト
JP2005315317A (ja) ポリウレタン製ベルト
JP2000038504A (ja) ミラブルウレタンゴム組成物及び平ベルト、歯付ベルト
JP2008225208A (ja) 電子写真装置用ブレード及び電子写真装置用ブレード部材の製造方法