JPH11131470A - 既製杭埋設工法における杭頭内部の処理方法 - Google Patents

既製杭埋設工法における杭頭内部の処理方法

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JPH11131470A
JPH11131470A JP31444297A JP31444297A JPH11131470A JP H11131470 A JPH11131470 A JP H11131470A JP 31444297 A JP31444297 A JP 31444297A JP 31444297 A JP31444297 A JP 31444297A JP H11131470 A JPH11131470 A JP H11131470A
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Takamine Kataoka
片岡  高岑
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原  正幸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 杭頭部内の鉄筋カゴ形成作業の簡易化を図
る。 【解決手段】 本発明は、既製杭の埋設にあたって、そ
の中空部内に周辺固定液が侵入する工法に適用される。
杭1の埋設時に、杭頭部に、吊板7と円筒形本体5より
なる杭頭栓体4をセットし、ヤットコ杭12を取り付けて
施工を進行させる。杭1が所定の深さに達した後は、ヤ
ットコ杭12と杭頭栓体4を取り除く。それにより鉄筋カ
ゴ11の建込穴15が形成できることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は既設杭の沈設工におい
て、フーチングと杭頭部とを結合するために行う、杭頭
内部の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既製のコンクリート杭の施工では、プレ
ボーリング拡大根固め工法やセメントミルク工法が多く
実施されている。そして、沈設された既製杭の頭部とフ
ーチングを結合する際は、杭頭の中空部に杭頭結合用の
鉄筋カゴを挿入し、そこにコンクリートを打設する方法
が一般的に行われている。
【0003】ところで、既製杭の沈設では、その施工条
件によって、杭頭を施工基盤(GL)より上方に位置さ
せる場合と施工基盤より下方に位置させる場合とがあ
る。前者の場合は、セメントミルク工法であれば、杭先
端が閉塞されているので、杭の中空部内へは周辺固定液
が侵入することはないが、プレボーリング拡大根固め工
法によるときは、杭先端が開放型に近い状況であるた
め、杭先端部より周辺固定液が杭中空部に侵入する。ま
た、後者の場合には、セメントミルク工法、プレボーリ
ング工法のいずれであっても、杭頭より周辺固定液が杭
中空部に侵入することになる。
【0004】そこで、杭中空部内に周辺固定液が侵入す
る施工では、杭頭部内に侵入した周辺固定液(土砂を含
む場合もある)等を杭頭から所要の深さまで除去して、
鉄筋カゴの挿入とコンクリートの打設を行うようにして
いる。
【0005】しかし、杭頭部内に浸入した周辺固定液は
短時間で固結するため、その除去が困難で、機械を導入
して掘削するなど、多くの労力と時間を要するばかりで
なく、除去が不十分で鉄筋カゴの挿入ができないことも
多く、それがクレームの原因ともなっていた。
【0006】このような問題に対処するため、近年、図
4に示すように、沈設する既製杭1の頭部内に、あらか
じめ、フェノール樹脂フォームや発泡スチロール等の合
成樹脂発泡体による栓体18を挿入して頭端に吊持させて
(図4(イ) )施工を進め、所定の位置に建て込んだ後、
栓体に溶解液19を注いで栓体の周辺などを溶解し、残余
のものをバールなどを使って取り出す方法が開発されて
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の栓体を
使用する方法では、杭頭部内の周辺固定液の除去の問題
は解消されることになったが、実際には、栓体の取り出
しが面倒でその作業に多くの時間と労力を要するととも
に、栓体は価格が高くしかも使い捨てとなるので、施工
コストが高くなりしかも栓体の場外処分は産業廃棄物と
して扱われ、法的に規定された場所しか廃棄できない、
という欠点がある。
【0008】本発明は上記の事情にかんがみなされたも
ので、反覆使用することができ、かつ、杭頭部内に挿
入、引き抜きをするだけの作業によって、杭頭部内の周
辺固定液の面倒な除去作業を行うことなく、鉄筋カゴの
挿入できる穴を形成することのできるようにした、新規
な処理方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成について、実施例に対応する図面を参
照して説明すると、本発明は、既製杭1を埋設するにあ
たり、杭の中空部内に周辺固定液3が流入する杭の施工
において、埋設する杭1に、その杭頭上面と所要の隙間
bを有して着座する吊板7と、該吊板7の下面に、杭頭
部内に遊挿される有底6の円筒形本体5を吊設してして
なる杭頭栓体4を取り付けて、杭1を所定の深さに埋設
した後、上記杭頭栓体4を杭頭より引き抜き、杭頭部内
に、鉄筋カゴ11を挿入する建込穴15を形成させることを
特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1の(イ) 〜(ホ) は、本
発明方法を用いた施工の一例について、その施工の態様
を順次示したものであり、図2(イ),(ロ) は同じく他の施
工態様を示し、また、図3は本発明において使用する杭
頭栓体の一実施例を示したものである。
【0011】本発明方法は、その実施にあたり、既製杭
1の杭頭部内に、杭頭栓体4を挿入して行われる。この
杭頭栓体4は、図3に示すように、外径が既製杭1の内
径より少し小径に形成されているとともに、下端が底板
6により閉塞されている所要長さの円筒形の本体5の上
端に、既製杭1の外径と同径またはそれより若干小径に
形成されている円板状の吊板7が固着され、吊板7の上
面に、引き抜き用のワイヤなどによる線条9を取り付け
たブラケット8が設けられ、また、吊板7の下面には周
方向に間隔をおいて複数個の間隙形成用のスペーサ突起
10が設けられた構造となっている。
【0012】上記円筒形本体5は、これを杭頭部に挿入
した際、その既製杭1の内周との間に、周辺固定液が流
通できる程度の狭い間隙a(図1参照)が生じる外径と
し、また、その長さは、鉄筋カゴ11(図1(ニ) 参照)を
挿入するに足る十分な長さにされる。
【0013】本発明による杭頭内部処理の方法は、プレ
ボーリング拡大根固根固め工法やセメントミルク工法等
を対象として行われる。これらの工法は従来公知のよう
に、既製杭より大径の埋設孔を、周辺固定液を注入しな
がら掘削して孔底部にセメントミルクを注入した後、そ
の埋設孔に既製杭を挿入、埋設している。また、上記い
ずれの工法においても、施工の仕様により、杭頭を施工
基盤(GL)より下方に位置させる場合と、杭頭を施工
基盤より少し上方に位置させる場合とがある。
【0014】図1(イ) 〜(ハ) は、杭頭を施工基盤GLよ
り下方に位置させる場合における本発明方法の実施態様
を工程順に示したものである。まず、地盤に埋設する既
製杭1より大径の埋設孔2が周辺固定液3を注入しなが
ら掘削され、その終わりに孔底部にセメントミルクが注
入されて、その掘削孔2中に既製杭1を挿入して行く。
そして、杭頭が施工基盤GLの少し上方の位置となった
とき、図1(イ) に示すように、さきに説明した杭頭栓体
5の本体3を杭頭部内に挿入し、吊板5を杭頭上面に着
座させて、杭頭栓体5をセットし、その上にヤットコ杭
12を取り付ける。その際、杭頭栓体5に結合した線条9
は、ヤットコ杭12中を通し、それに設けられた孔13より
外部に引き出しておく。
【0015】そして、さらに杭1の押し込みを進め、図
1(ロ) のように杭頭を所定の深度に到達させる。その
際、既製杭1が下端の開放されているものであれば、掘
削孔2中にある周辺固定液3は杭1の下端から杭の中空
部内に流入、充満し、余分となったものは杭頭栓体4の
本体5と杭内周との間隙aを通り、スペーサ突起10によ
って生じている吊板7と杭頭上面の隙間bを通って矢印
のように外方へと流出して行く。また、既製杭1が下端
の閉塞されたものであれば、周辺固定液3は、その一部
が隙間b、間隙aから杭の中空部内に流入するが、その
余のものは杭外周と孔壁との間から地上へと流出され
る。
【0016】既製杭1を所定の深度に埋設した後は、周
辺固定液3の凝結するのをまって、図1(ハ) に示すよう
に、ヤットコ杭12を引き抜き、ついで栓頭栓体4をその
線条9を利用して引き抜くのである。それによって、杭
頭部内には鉄筋カゴ11の建込穴15が形成される。なお、
周辺固定液3の凝結時間は通常12〜15時間程度なので、
ヤットコ杭12だけを周辺固定液の凝結前に引き抜き、杭
頭栓体4の方を凝結後引き抜くようにしてもよい。
【0017】その後は、図1(ホ) に示すように、地盤を
所定の深さまで掘り下げて、埋設した既製杭1の頭部11
を露出させて捨コン16を打設するとともに、建込穴15に
鉄筋カゴ11を挿入し、建込穴15にコンクリートを打設し
て鉄筋カゴ11と既製杭1を結合することになる。そし
て、既製杭1を鉄筋カゴ11を介してフーチング(図示を
略す)と一体的に結合するのである。
【0018】図2(イ),(ロ) は、杭頭を施工基盤GLの
少し上方に位置させる場合における本発明方向の実施態
様を順次示したものである。この場合は、図2(イ) に示
すように、杭頭部に杭頭栓体4をさきの実施例における
と同様にセットし、杭頭部に吊装置17を結合して、既製
杭1を埋設孔2に挿入して行く。その際、既製杭1が下
端の開放されているものであれば、周辺固定液3は、杭
1の下端から中空部内に流入し、一部は杭1と埋設孔2
の間から地上へ流出し、余分のものは間隙a及び隙間b
より外方へと流出することになる。
【0019】既製杭1が所定の深さ位置に埋設された後
は、吊装置17を取り外し、杭頭栓体4を引き抜いて、図
2(ロ) に示すように、杭頭部内に鉄筋カゴ11の建込穴15
を形成し、これに鉄筋カゴ15を挿入してコンクリートを
打設して、既製杭1と鉄筋カゴ11とを結合するととも
に、地盤上に捨コン16を打設する。そして、既製杭1を
鉄筋カゴ11を介してフーチング(図示を略す)と一体的
に結合するのである。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
埋設にあたって、杭の中空部内に周辺固定液が侵入する
施工において、杭の埋設後その杭頭部内に、フーチング
と結合するための鉄筋カゴを挿入する建込穴を形成する
作業が、従来のように、周辺固定液の固く凝結したもの
を機械等を使って除去したり、杭頭部内に合成樹脂発泡
体等の栓体を嵌めて、埋設後これを壊して取り除くとい
うような、面倒で多くの労力を要することなく、杭の埋
設時に杭に杭頭栓体をセットし、埋設後これを引き抜く
だけの簡易な作業ですむことになり、その作業に要する
労力と時間が大幅に軽減されることになる。また、杭頭
栓体は安価に製作できるとともに、これを反覆して使用
することができ、したがって、施工コストの低減が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示した説明図で、(イ) は
杭頭栓体をセットした状態を示し、(ロ) は杭を所定深さ
に埋設した状態を示し、(ハ) は杭頭栓体の引き抜き過程
を示し、(ニ) は建込穴の形成状態を示し、(ホ) は鉄筋カ
ゴの挿入状態を示したものである。
【図2】本発明の他の実施態様を示した説明図で、(イ)
は杭頭栓体をセットした状態を示し、(ロ) は鉄筋カゴを
挿入した状態を示したものである。
【図3】本発明で使用する杭頭栓体を示した半截側面図
である。
【図4】従来の栓体による施工の説明図で、(イ) は栓体
をセットした状態を示し、(ロ)は栓体の除去を説明した
ものである。
【符号の説明】
1 既製杭 2 掘削孔 3 周辺固定液 4 杭頭栓体 5 円筒形本体 6 底板 7 吊板 9 線条 10 スペーサ突起 11 鉄筋カゴ 12 ヤットコ杭 15 建込穴 17 吊装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 既製杭を埋設するにあたり、杭の中空部内に周辺固定液
    が流入する杭の施工において、埋設する杭に、その杭頭
    上面と所要の隙間を有して着座する吊板と、該吊板の下
    面に、杭頭部内に遊挿される有底の円筒形本体を吊設し
    てしてなる杭頭栓体を取り付けて、杭を所定の深さに埋
    設した後、上記杭頭栓体を杭頭より引き抜き、杭頭部内
    に、鉄筋カゴを挿入する建込穴を形成させることを特徴
    とする、既製杭埋設工法における杭頭部内の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017014789A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 積水樹脂株式会社 基礎杭の設置方法
CN106638603A (zh) * 2016-12-30 2017-05-10 中国核工业华兴建设有限公司 一种管桩掏桩芯装置及其掏桩芯方法
CN112195947A (zh) * 2020-09-09 2021-01-08 万金山 一种自堵缝抗渗帷幕式混凝土预制桩的制备工艺

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