JPH11131201A - 軟質銅箔の製造方法 - Google Patents

軟質銅箔の製造方法

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JPH11131201A
JPH11131201A JP31445497A JP31445497A JPH11131201A JP H11131201 A JPH11131201 A JP H11131201A JP 31445497 A JP31445497 A JP 31445497A JP 31445497 A JP31445497 A JP 31445497A JP H11131201 A JPH11131201 A JP H11131201A
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copper foil
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azole
copper
sorbitan
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JP31445497A
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Atsushi Mori
厚 森
Junichi Takagi
潤一 高木
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Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
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Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings
    • H05K3/282Applying non-metallic protective coatings for inhibiting the corrosion of the circuit, e.g. for preserving the solderability

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  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質銅箔を得る際に施す焼鈍時において、ブ
ロッキングが起こりにくいようにする方法を提供する。 【解決手段】 銅箔本体1の片面に、アゾール系誘導体
含有被膜2を形成させた銅箔を準備する。このような銅
箔は、銅箔本体の片面に、アゾール系誘導体を含む溶液
を塗布すれば、容易に得ることができる。アゾール系誘
導体含有被膜2の上面には、更にソルビタン系誘導体含
有被膜3が形成されていても良い。このような銅箔は、
銅箔本体の片面に、アゾール系誘導体とソルビタン系誘
導体を含む溶液を塗布すれば、アゾール系誘導体が選択
的に銅箔本体表面に吸着されるため、容易に得ることが
できる。この銅箔を巻回して、コイルとなし、このコイ
ルを150〜400℃の温度で焼鈍する。銅箔本体の元
素組成は、銅99.5%以上で且つ銀0.01〜0.3
0%及びその他不純物元素よりなるものを用いても良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最終焼鈍すること
によって軟化させた軟質銅箔の製造方法に関し、特に、
銅箔をコイルとして最終焼鈍したとき、巻回された銅箔
の積層面において、銅箔同士が接着(ブロッキング)す
るのを防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、軟質銅箔は、銅板を冷間圧延
して得られた銅箔(加工硬化により硬質の銅箔となって
いる。)を適当な温度で最終焼鈍し、軟化させることに
よって製造されている。銅箔を最終焼鈍する場合、銅箔
を巻回せずに連続焼鈍を施す場合もあるが、一般的に
は、銅箔を巻回してコイルとなし、このコイルを焼鈍す
る。
【0003】ところで、最終焼鈍の温度は、銅箔が軟化
する温度で行なわなければならないため、120℃(銅
箔の軟化温度の下限)以上で行なうのが一般的である。
最終焼鈍の温度が120〜150℃程度と低い場合に
は、問題はないが、軟質銅箔の伸び率を高くしたい等の
物性向上のため、最終焼鈍の温度を150℃以上にする
と、以下のような問題が生じる。即ち、銅箔を巻回した
コイル中においては、銅箔同士が積層接触しており、こ
れを高い温度に加熱すると、積層面において銅原子が拡
散し、積層面が接着(ブロッキング)してしまう。そし
て、ブロッキングが生じると、コイルを巻き戻すことが
できず、或いは巻き戻すときに銅箔が破れる(穴が開
く)という問題が生じる。
【0004】このような問題を解決するため、銅箔を巻
回してコイルとするときに、銅箔の積層面に耐熱性の紙
やシートなどを挿入しておくことが行なわれている。こ
のような挿入物があると、銅原子の拡散が、積層面を超
えて生じることがないため、銅箔の積層面が接着すると
いうことを防止しうる。しかしながら、このような手段
によると、コイル中に挿入物が存在した状態となってお
り、このまま、最終商品として出荷するには、不適当で
ある。従って、挿入物が存在するコイルを再び巻き戻し
て、挿入物を取り去った後、再び巻回してコイルとして
出荷することが行なわれている。しかし、このような方
法は、コイル状の軟質銅箔の製造が煩雑となり、合理的
ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、耐
熱性の紙やシートに代えて、銅箔本体の表面に特殊な被
膜を形成させることによって、銅箔をコイルとして最終
焼鈍しても、銅箔同士の積層面が接着しにくくなるよう
にすると共に、その被膜が付着したままで銅箔を最終用
途に良好に用いられるようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、銅箔本
体の少なくとも片面に、アゾール系誘導体含有被膜を形
成させた銅箔を巻回して、コイルとなし、該コイルを1
50〜400℃の温度で焼鈍することを特徴とする軟質
銅箔の製造方法に関するものである。
【0007】本発明に用いる銅箔本体としては、従来公
知の銅箔であれば、どのようなものでも使用しうる。一
般的には、軟化温度が150℃以上である銅箔が好まし
く、例えば、タフピッチ銅,脱酸銅又は無酸素銅等の純
銅に、軟化温度を高めるために、銀,テルル,ジルコニ
ウム,チタン,イットリウム等の元素を微量添加した銅
箔であるのが、好ましい。特に、タフピッチ銅に銀を微
量添加し、伸び率を高めた銅箔を用いるのが、好まし
い。この銅箔の元素組成は、一般的に、銅99.5%以
上で且つ銀0.01〜0.30%及びその他不純物元素
よりなる。特に好ましくは、銅99.60%以上,酸素
0.01〜0.06%,銀0.05〜0.30%及びそ
の他不純物元素よりなる。なお、ここで言う%は、重量
%のことである。しかし、軟化温度が150℃以下の各
種純銅よりなる銅箔を使用しても良いのは、勿論であ
る。また、銅箔の厚さは、7〜30μm程度である。
【0008】このような銅箔本体の片面又は両面に、ア
ゾール系誘導体含有被膜を形成する。ここで、アゾール
とは、五原子複素環で環内に存在する異原子が2個以上
で、且つ、異原子のうち少なくとも1個が窒素原子であ
る化合物を言う。従って、アゾール系誘導体とは、この
ような化合物から誘導される物質のことを言う。即ち、
イミダゾール,ピラゾール,トリアゾール,テトラゾー
ル等のアゾールに、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素等
を反応させて誘導される物質を使用することができる。
具体的には、アゾール環とベンゼン環との縮合環を持つ
ベンゾトリアゾール系やベンゾイミダゾール系の物質を
用いることができる。このアゾール系誘導体は、その窒
素原子と銅箔本体表面の銅原子とで錯体が形成され、銅
箔本体表面に化学的に吸着するのである。このような吸
着によって、アゾール系誘導体含有被膜が銅箔本体表面
に形成されるため、その厚さは5〜40オングストロー
ム程度であり、一般的には20オングストローム前後で
ある。なお、図1は、銅箔本体1の片面にアゾール系誘
導体含有被膜2が形成されている銅箔の模式的断面図を
示したものである。
【0009】銅箔本体の少なくとも片面に、アゾール系
誘導体含有被膜を形成するには、銅箔本体表面に、アゾ
ール系誘導体を含む溶液を塗布すれば良い。アゾール系
誘導体を含む溶液は、アゾール系誘導体をエタノール,
メタノール,ノルマルパラフィン等の有機溶媒に溶解さ
せることによって、容易に得ることができる。そして、
この溶液中に、銅箔本体を浸漬すれば、銅箔本体表面に
アゾール系誘導体を含む溶液が塗布され、銅箔本体の両
面にアゾール系誘導体含有被膜が形成されるのである。
また、この溶液を、銅箔本体の片面にスプレー方等で塗
布すれば、銅箔本体の片面にアゾール系誘導体含有被膜
が形成されるのである。なお、アゾール系誘導体含有被
膜は、アゾール系誘導体のみで構成されていても良い
し、アゾール系誘導体以外の他の物質が含まれていても
良い。例えば、アゾール系誘導体含有被膜中に、ソルビ
タン系誘導体が含有されていても良い。
【0010】また、アゾール系誘導体含有被膜の上面
(銅箔本体と接している面の反対面)に、ソルビタン系
誘導体含有被膜が形成されていても良い。ソルビタン系
誘導体としては、一般的に界面活性剤として用いられる
ものであれば、どのようなもので用いることができ、ソ
ルビタン脂肪酸エステルを用いることが多い。このソル
ビタン系誘導体は、界面活性剤として用いられているこ
とからも明らかなように、親水性と親油性を併有するも
のである。従って、親油性という性質に起因して、アゾ
ール系誘導体含有被膜との密着性は良好であり、親水性
という性質に起因して、銅箔表面の水ぬれ性が向上す
る。ソルビタン系誘導体含有被膜の厚さも、アゾール系
誘導体含有被膜と同程度である。図2は、銅箔本体1の
片面にアゾール系誘導体含有被膜2が形成され、更に被
膜2の上面にソルビタン系誘導体含有被膜3が形成され
ている銅箔の模式的断面図を示したものである。なお、
ソルビタン系誘導体含有被膜も、ソルビタン系誘導体の
みで構成されていても良いし、他の物質が含まれていて
も良いことは言うまでもない。
【0011】アゾール系誘導体含有被膜の上面に、ソル
ビタン系誘導体含有被膜を形成させるには、銅箔本体の
少なくとも片面に、アゾール系誘導体含有被膜を形成さ
せた後、アゾール系誘導体含有被膜上にソルビタン系誘
導体を含む溶液を塗布することによって、容易に得るこ
とができる。また、特に合理的な方法としては、アゾー
ル系誘導体とソルビタン系誘導体とを含有する溶液を、
銅箔本体の少なくとも片面に塗布することによって、ア
ゾール系誘導体含有被膜の上面にソルビタン系誘導体含
有被膜を形成させるという方法を採用することもでき
る。この方法は、アゾール系誘導体が銅箔本体中の銅と
錯体を形成しやすいという性質を利用したものである。
即ち、アゾール系誘導体は、ソルビタン系誘導体に比べ
て、銅箔本体中の銅に吸着しやすいため、両者の混合溶
液を銅箔本体に塗布した場合、銅箔本体表面に選択的に
アゾール系誘導体含有被膜が形成され、その結果、アゾ
ール系誘導体含有被膜の上面にソルビタン系誘導体含有
被膜が形成されるということになるのである。
【0012】このような方法の好適な具体例としては、
アゾール系誘導体とソルビタン系誘導体とグリコールエ
ーテル化合物とが、ノルマルパラフィン溶剤に溶解した
溶液を準備し、これを銅箔本体の少なくとも片面に塗布
するという方法が挙げられる。ここで、グリコールエー
テル化合物を用いている理由は、アゾール系誘導体を良
好にノルマルパラフィン溶剤に溶解させるためである。
即ち、グリコールエーテル化合物は、アゾール系誘導体
とノルマルパラフィンの両者に相溶性を示すものであ
り、これによって、アゾール系誘導体がノルマルパラフ
ィンに溶解しやすくなるのである。グリコールエーテル
化合物の代表例としては、エチレングリコールモノアル
キルエーテルが挙げられる。なお、アゾール系誘導体や
ソルビタン系誘導体を含む溶液は、一般的に0.01〜
0.1重量%程度の濃度で十分である。
【0013】以上のようにして、銅箔本体の少なくとも
片面に、アゾール系誘導体含有被膜を形成させた銅箔を
得た後、この銅箔を巻回してコイルとする。従って、こ
のコイル中の銅箔同士の積層面には、少なくともアゾー
ル系誘導体含有被膜が介在していることになる。そし
て、このコイルを150〜400℃の温度で焼鈍する
と、銅箔が軟化し、軟質銅箔が得られるのである。焼鈍
の温度が400℃を超えると、アゾール系誘導体が分解
し、銅箔本体同士が接触して、ブロッキングが生じる恐
れがある。焼鈍の温度が150℃未満であると、銅箔本
体同士が接触していても、ブロッキングが生じにくいの
で、本発明を適用する合理性が少ない。また、銅箔本体
の元素組成として、銀などを微量添加して軟化温度を上
昇させたものは、150℃未満では軟化しにくい。焼鈍
は、一般的に、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行なわ
れ、また、焼鈍の保持時間は、一般的に30分〜5時間
程度である。
【0014】そして、焼鈍したコイルは、そのままの状
態で、即ち、銅箔本体表面に形成されているアゾール系
誘導体含有被膜を除去する必要なく、電磁波シールド材
やフレキシブルプリント配線基板等の素材として提供す
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、
銅箔コイルの積層面に、アゾール系誘導体含有被膜を介
在させて焼鈍すると、ブロッキングを防止しながら、合
理的に軟質銅箔が得られるという技術的思想に基づくも
のとして、解釈されるべきである。
【0016】実施例1〜4 タフピッチ銅鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,中間焼鈍
及び冷間圧延を施して、厚さ9μmの銅箔本体を得た。
この銅箔本体は、冷間圧延における冷間加工度が95.
5%であり、加工硬化した硬質のものであった。一方、
ベンゾトリアゾールとソルビタン脂肪酸エステルと少量
のエチレングリコールモノアルキルエーテルとを、ノル
マルパラフィン(C1022)溶剤に溶解させた溶液を準
備した。この溶液中におけるベンゾトリアゾール及びソ
ルビタン脂肪酸エステルの濃度は、各々、0.04重量
%であった。そして、この溶液を銅箔本体の片面に塗布
し、銅箔を得た。この銅箔は、銅箔本体の片面にベンゾ
トリアゾールを主として含有するアゾール系誘導体含有
被膜が形成され、この被膜の上面に、ソルビタン脂肪酸
エステルを主として含有するソルビタン系誘導体含有被
膜が形成されているものであった。
【0017】この銅箔から、100mm×100mmの
大きさの試料を切り出し、この試料を40枚重ねた。こ
の際、重ねた試料の上下両面から、0.26g/mm2
の荷重を負荷し、各試料同士を密着させた。そして、表
1に記載した条件で焼鈍した。焼鈍後、ブロッキング状
態を評価した。ブロッキング状態の評価は、剥離できる
枚数(剥離枚数)、及び破れ等による穴が発生している
枚数(穴発生枚数)を数えることにより行なった。な
お、穴発生枚数は、剥離できた試料中における枚数であ
る。
【0018】
【表1】
【0019】また、表1には、焼鈍後の試料のぬれ指数
及び伸び率を示しておいた。ぬれ指数は、JIS K
6768「ポリエチレン及びポリプロピレンのぬれ性試
験方法」に記載の方法に準拠して測定した。ぬれ指数の
測定は、溶液処理した面において行なった。また、伸び
率(%)は、幅10mmで長さ120mmの試験片を用
いて、JIS Z 2241に記載された方法に準拠し
て測定したものである。なお、試験片の長さ方向は、圧
延方向(機械方向)と一致するようにした。
【0020】実施例5〜8 実施例1で使用した溶液中における、ベンゾトリアゾー
ル及びソルビタン脂肪酸エステルの濃度を、各々、0.
09重量%とする他は、実施例1と同様にし、その後、
表1に示す各温度で焼鈍を行ない、ブロッキング状態を
評価した。この結果を表1に示した。
【0021】比較例1 焼鈍温度を100℃とする他は、実施例1と同様にし
て、ブロッキング状態を評価した。この結果を表1に示
した。
【0022】比較例2 焼鈍温度を100℃とする他は、実施例5と同様にし
て、ブロッキング状態を評価した。この結果を表1に示
した。
【0023】比較例3〜7 実施例1で使用した溶液を使用せずに、何らの処理も施
さない銅箔本体を用い、実施例1と同様にして試料を調
製し、表1に示した条件で焼鈍して、ブロッキング状態
を評価した。この結果を表1に示した。
【0024】実施例1〜8におけるブロッキング状態
と、比較例4〜7におけるブロッキング状態を対比すれ
ば明らかなように、実施例1〜8に係る方法を採用すれ
ば、銅箔同士の接着(ブロッキング)が少なくなること
が分かる。また、比較例1〜3においては、いずれもブ
ロッキングが少なく、焼鈍温度が100℃程度と低い
と、銅箔本体同士が積層していても、ブロッキングが生
じにくいことが分かる。
【0025】更に、実施例1〜8におけるぬれ指数と、
比較例4〜7におけるぬれ指数とを対比すると、実施例
におけるぬれ指数の方が高く、水ぬれ性が向上してい
る。また、比較例1及び2におけるぬれ指数と、比較例
3におけるぬれ指数とを対比すると、前者におけるぬれ
指数の方が高く、水ぬれ性が向上している。これは、実
施例や比較例1及び2における銅箔表面には、親水性の
ソルビタン系誘導体含有被膜が存在しているためである
と推定しうる。なお、実施例及び比較例共に、焼鈍温度
が高くなる方が、ぬれ指数が高くなっているが、これ
は、銅箔本体表面に付着している圧延油などの疎水性物
質が、高温で除去されるためであると推定しうる。ま
た、伸び率も、焼鈍温度が高くなるにしたがって、大き
くなるが、これも高温処理によって銅箔本体の軟化が進
むためであると推定しうる。
【0026】実施例9〜13 タフピッチ銅鋳塊に代えて、タフピッチ銅に銀を微量添
加した鋳塊を用いた他は、実施例1と同様に処理して、
表2に示した各条件で焼鈍し、ブロッキング状態を評価
した。なお、ここで用いた銀添加タフピッチ銅の元素組
成は、銅99.79%,酸素0.03%,銀0.17
%,及びその他不可避不純物よりなるものである。この
結果を表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】実施例14〜18 タフピッチ銅鋳塊に代えて、タフピッチ銅に銀を微量添
加した鋳塊を用いた他は、実施例5と同様に処理して、
表2に示した各条件で焼鈍し、ブロッキング状態を評価
した。なお、ここで用いた銀添加タフピッチ銅の元素組
成は、実施例9と同様である。この結果を表2に示し
た。
【0029】比較例8〜12 タフピッチ銅に銀を微量添加した鋳塊を用いて得られた
銅箔本体に、何らの処理も施さないで、表2に示した各
条件で焼鈍し、実施例1と同様にしてブロッキング状態
を評価した。なお、ここで用いた銀添加タフピッチ銅の
元素組成は、実施例9と同様である。この結果を表2に
示した。
【0030】実施例9〜18におけるブロッキング状態
と、比較例8〜12におけるブロッキング状態を対比す
れば明らかなように、実施例9〜18に係る方法を採用
すれば、銅箔同士の接着(ブロッキング)が少なくなる
ことが分かる。
【0031】実施例9〜18におけるぬれ指数と、比較
例8〜9におけるぬれ指数とを対比すると、実施例にお
けるぬれ指数の方が高く、水ぬれ性が向上している。ま
た、実施例9〜18における伸び率と、実施例1〜8に
おける伸び率とを対比すれば、前者の伸び率の方が高く
なっていることが分かる。この理由は、タフピッチ銅に
銀が微量添加されることによって、伸び率が向上したも
のと推定しうる。
【0032】
【作用及び発明の効果】以上述べたように、本発明に係
る軟質銅箔の製造方法は、銅箔本体の少なくとも片面
に、アゾール系誘導体含有被膜を形成させた銅箔を巻回
して、焼鈍するため、銅箔本体中の銅原子の拡散がアゾ
ール系誘導体含有被膜によって抑制される。従って、銅
箔同士が接触している積層面において、銅原子の拡散が
防止され、銅箔同士が接着(ブロッキング)を起こすこ
とを防止しうる。依って、巻回してコイルとした銅箔を
巻き戻す際に、巻き戻しが容易であり、また接着に起因
する銅箔の破れや穴開きを防止しうるという効果を奏す
る。
【0033】また、このアゾール系誘導体含有被膜は、
銅箔本体の錆を防止するなどの有益な作用効果を持つも
ので、各種用途における素材として用いる際に有害なも
のではない。従って、アゾール系誘導体含有被膜を銅箔
本体から除去する必要がないので、合理的に軟質銅箔を
得ることができるという効果を奏する。
【0034】また、銅箔本体の少なくとも片面に設けら
れたアゾール系誘導体含有被膜の上面に、更にソルビタ
ン系誘導体含有被膜を設けた場合には、ソルビタン系誘
導体の親水性により、銅箔に良好な水ぬれ性を与えるこ
とができる。このような水ぬれ性に優れた銅箔は、接着
剤等を用いて、良好に合成樹脂製フィルムと貼合するこ
とができる。従って、銅箔と合成樹脂製フィルムとを貼
合することが必要な用途、例えば、電磁波シールド材や
フレキシブルプリント配線基板の材料として好適であ
る。
【0035】また、焼鈍温度を高くしても、ブロッキン
グが生じにくいので、比較的高温で焼鈍することによっ
て、銅箔の軟化を進行させ、伸び率の大きい軟質銅箔を
得ることができるという効果も奏する。更に、銅箔本体
として、その元素組成が、銅99.5%以上で且つ銀
0.01〜0.30%及びその他不純物元素よりなるも
の、特に、銅99.60%以上,酸素0.01〜0.0
6%,銀0.05〜0.30%及びその他不純物元素よ
りなるものを用いれば、焼鈍することによって、より高
い伸び率を持つ銅箔を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】銅箔本体の片面にアゾール系誘導体含有被膜が
形成されている銅箔の模式的断面図である。
【図2】銅箔本体の片面にアゾール系誘導体含有被膜が
形成され、更に該被膜の上面にソルビタン系誘導体含有
被膜が形成されている銅箔の模式的断面図である。
【符号の説明】 1 銅箔本体 2 アゾール系誘導体含有被膜 3 ソルビタン系誘導体含有被膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 691 C22F 1/00 691B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅箔本体の少なくとも片面に、アゾール
    系誘導体含有被膜を形成させた銅箔を巻回して、コイル
    となし、該コイルを150〜400℃の温度で焼鈍する
    ことを特徴とする軟質銅箔の製造方法。
  2. 【請求項2】 アゾール系誘導体含有被膜の上、更にソ
    ルビタン系誘導体含有被膜を形成させた銅箔を用いる請
    求項1記載の軟質銅箔の製造方法。
  3. 【請求項3】 銅箔本体の元素組成が、銅99.5%以
    上で且つ銀0.01〜0.30%及びその他不純物元素
    よりなる請求項1又は2記載の軟質銅箔の製造方法。
  4. 【請求項4】 銅箔本体の少なくとも片面に、アゾール
    系誘導体を含む溶液を塗布することによって、アゾール
    系誘導体含有被膜を形成させる請求項1乃至3のいずれ
    か一項に記載の軟質銅箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 銅箔本体の少なくとも片面に、アゾール
    系誘導体とソルビタン系誘導体を含む溶液を塗布するこ
    とによって、アゾール系誘導体含有被膜とソルビタン系
    誘導体含有被膜を形成させる請求項1乃至4のいずれか
    一項に記載の軟質銅箔の製造方法。
  6. 【請求項6】 銅箔本体の少なくとも片面に、アゾール
    系誘導体とソルビタン系誘導体とグリコールエーテル化
    合物とが、ノルマルパラフィン溶剤に溶解した溶液を塗
    布することによって、アゾール系誘導体含有被膜とソル
    ビタン系誘導体含有被膜を形成させる請求項1乃至5の
    いずれか一項に記載の軟質銅箔の製造方法。
JP31445497A 1997-10-29 1997-10-29 軟質銅箔の製造方法 Pending JPH11131201A (ja)

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JP31445497A Pending JPH11131201A (ja) 1997-10-29 1997-10-29 軟質銅箔の製造方法

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JP (1) JPH11131201A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7956750B2 (en) 2006-04-03 2011-06-07 Universal Entertainment Corporation Wireless IC tag

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