JPH11130878A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH11130878A
JPH11130878A JP29557197A JP29557197A JPH11130878A JP H11130878 A JPH11130878 A JP H11130878A JP 29557197 A JP29557197 A JP 29557197A JP 29557197 A JP29557197 A JP 29557197A JP H11130878 A JPH11130878 A JP H11130878A
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JP
Japan
Prior art keywords
film
particles
aluminum silicate
biaxially oriented
polyester film
Prior art date
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Pending
Application number
JP29557197A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Shoji Nakajima
彰二 中島
Yukari Nakamori
ゆか里 中森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れる二軸配向ポリエステルフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 粒径0.01〜1.0μmのケイ酸アル
ミニウム粒子を0.01〜3重量%含有するポリエステ
ルフィルムであって、フィルムの色調b値が14以上で
あることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。 【効果】 本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは特
定の粒子を用い、また、フィルムの色調を規定したので
優れた耐摩耗性を得ることができた。磁気記録媒体用と
して十分良好な特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステ
ルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムとして
は、二酸化ケイ素粒子を含有した二軸配向ポリエステル
フィルムが知られている(例えば特開昭59−1716
23号公報)。また、磁気記録媒体用二軸配向ポリエス
テルフィルムも知られている(例えば特開平3−998
48号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の二軸配向ポリエステルフィルムでは磁気記録媒体と
した場合の電磁変換特性が向上したが、粒子分散性が不
十分なために、凝集した粒子に応力が集中し、粒子が脱
落し粉が発生する問題、さらに磁気テープとした場合に
その粉のために信号が欠落するといった問題があった。
また、さらなる高密度磁気記録媒体とした場合に、より
粒子が脱落しにくい特性が求められるようになってきて
おり、本発明はかかる課題を解決し、特に耐摩耗性に優
れる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向ポリエステルフィルムは、粒径0.01〜1.
0μmのケイ酸アルミニウム粒子を0.01〜3重量%
含有するポリエステルフィルムであって、フィルムの色
調b値が14以上であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の二軸配向ポリエステルフ
ィルムを構成するポリエステルとしては、特に限定され
ないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
(エチレンー2,6−ナフタレンジカルボキシレート)
(PEN)が好ましく例示される。なお、本発明の目的
を阻害しない範囲内で、2種以上のポリマを混合しても
よいし、共重合ポリマを用いてもよい。また、本発明の
目的を阻害しない範囲内で酸化防止剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤などの添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0006】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、耐摩耗性の点からケイ酸アルミニウム粒子を含有す
る必要がある。本発明で用いるケイ酸アルミニウム粒子
は、特に限定されないが、非晶質含水ケイ酸アルミニウ
ム等が例示され、例えば、水系で湿式法によりケイ酸ナ
トリウムとアルミン酸ナトリウムの反応により合成され
る非晶質粒子が好ましく例示される。また、該粒子はケ
イ素、アルミニウム、酸素から構成され、二酸化ケイ素
(シリカ)のケイ素元素が一部アルミニウム元素で同型
置換されたものが例示される。その場合、アルミニウム
元素の割合は、酸化アルミニウム(アルミナ)換算で1
0〜40重量%が望ましい。この時、原子価の関係から
粒子を中性に保つため陽イオンの導入が望まれるが、そ
の場合の陽イオン元素としては、特に限定されないが、
ナトリウム等が好ましく例示される。本発明の目的を阻
害しない範囲で、該粒子に不純物が含有されていてもか
まわない。
【0007】該粒子の含有量は耐摩耗性の点から0.0
1〜3重量%、好ましくは0.02〜2重量%、さらに
好ましくは0.05〜1重量%である。該粒子の平均粒
径は、耐摩耗性の点から0.01〜1.0μm、好まし
くは0.02〜0.8μm、さらに好ましくは0.02
〜0.5μmである。さらに該粒子粒径の相対標準偏差
は0.5以下、好ましくは0.3以下、さらに好ましく
は0.2以下である。
【0008】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは
単層フィルムでもよいが耐摩耗性の点から、ケイ酸アル
ミニウム粒子を含有するフィルム層(A層とする)を少
なくとも1層有する積層フィルムとしてもよい。A層厚
み(A層が2層以上ある場合にはそれぞれの層の厚み)
は特に限定されないが、耐摩耗性の点から0.01〜
3.0μm、好ましくは0.02〜2.0μm、さらに
好ましくは0.03〜1.0μmである。
【0009】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの
A層厚みtとA層含有ケイ酸アルミニウム粒子の平均粒
径dの関係は特に限定されないが、0.2d≦t≦10
d、好ましくは0.3d≦t≦5d、さらに好ましくは
0.5d≦t≦3dの場合に、特に耐摩耗性が良好とな
る。A層が2層以上ある場合にはそれぞれの層について
上記の関係を満たすことが好ましい。
【0010】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
(積層フィルムの場合はA層)はケイ酸アルミニウム粒
子以外の粒子を含有していてもかまわない。その場合、
平均粒径は特に限定されないが、0.05〜1.0μ
m、好ましくは0.1〜0.8μm、含有量は特に限定
されないが0.05〜1.0重量%である。かかる粒子
としては、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、リン酸
カルシウム、酸化チタン、有機粒子等から選ばれる粒子
が好ましく例示される。これらの粒子を複数併用して用
いてもよい。
【0011】また、A層以外のポリエステルフィルム層
(B層)にケイ酸アルミニウム粒子以外の粒子を含有し
ていてもかまわない。この場合も平均粒径は0.05〜
1.0μm、含有量は0.05〜1.0重量%であるの
が好ましい。かかる粒子としては炭酸カルシウム、アル
ミナ、シリカ、リン酸カルシウム、酸化チタン、有機粒
子等から選ばれる粒子が好ましく例示される。
【0012】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、耐摩耗性の点からフィルムの色調b値が14以上、
好ましくは15以上、さらに好ましくは16以上であ
る。本発明者らは、ケイ酸アルミニウム粒子を含有する
フィルムの耐摩耗性を改良するため、該粒子粒度分布の
改良を検討した結果、該粒子の組成、分散剤、安定剤、
表面処理剤等とポリエステルの重合における触媒やポリ
エステルの一部変性等が複雑に関係し、現時点において
明確な理由の解明には至っていないがフィルムの耐摩耗
性と色調の相関が極めて高いことが判明し、本発明に到
達したものである。色調b値を14以上とするために、
例えば、上記ケイ酸アルミニウム粒子のアルミニウム元
素の割合を、酸化アルミニウム(アルミナ)換算で12
〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%とす
る方法が好ましく例示される。ただし、この場合でも、
通常用いる粒子分散剤によって、色調b値は変化しう
る。
【0013】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは
磁気記録媒体として好ましく用いられる。特に高出力が
要求されるデジタルビデオテープ用二軸配向ポリエステ
ルフィルムとして好ましく用いることができる。また、
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、コンピュー
タ用等のデータストレージ用にも好ましく用いることが
できる。
【0014】次に本発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムの好ましい製造方法を示し説明するが、これに限定さ
れるものではない。
【0015】まずフィルムを構成するPETに粒子を含
有せしめる方法としては、ジオ−ル成分であるエチレン
グリコールにスラリーの形で分散させ、このエチレング
リコールを所定のジカルボン酸成分と重合するのが好ま
しい。また粒子の水スラリーをベント式2軸混練押出機
を用いて、所定のPETペレットと混合し練り込む方法
も有効である。
【0016】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリマで希釈して調節する方
法が有効である。
【0017】次に、粒子を所定量含有するペレットを乾
燥したのち、溶融押出機に供給し、スリット状のダイか
らシ−ト状に押出し、キャスティングロ−ル上で冷却固
化させて未延伸フィルムを作る。なお、必要に応じ複数
の押出し機、複数のマニホ−ルドまたは合流ブロックを
用いて溶融状態のポリエステルを積層する。
【0018】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法また
は同時二軸延伸法を用いることができるが、長手方向、
幅方向の順に延伸を行なうのが特に有効である。長手方
向の延伸は3段階以上に分けて、縦延伸温度80〜18
0℃、総縦延伸倍率3.0〜6.0倍、縦延伸速度5,
000〜50,000%/分の範囲で行なうのが好まし
く例示される。幅方向の延伸方法としてはテンタ−を用
いる方法が好ましく、延伸温度80〜180℃、幅方向
延伸倍率は場合により縦倍率より大きく3.5〜6.5
倍、幅方向の延伸速度1,000〜20,000%/分の
範囲で行なうのが好ましい。さらに必要に応じて、再縦
延伸、再横延伸を行なう。その場合の延伸条件としては
長手方向の延伸は90〜180℃、延伸倍率1.1〜
2.0倍、幅方向の延伸方法としてはテンタ−を用いる
方法が好ましく、延伸温度90〜180℃、幅方向延伸
倍率は1.1〜2.0で行なうのが好ましい。
【0019】次にこの二軸配向フィルムを熱処理する。
この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に170
〜210℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適であ
る。
【0020】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次のとおりである。
【0021】(1)粒子の平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約10
0nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。粒
子の平均径dは重量平均径(等価円相当径)から求め
る。
【0022】(2)粒子の含有量 ポリマは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択し、粒子
をポリマから遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率
(重量%)をもって粒子含有量とする。
【0023】(3)色調b値 JIS L1073の方法に基づいてカラーマシン(東
洋理化製)によるハンター値(L,a,b)から算出し
た。
【0024】(4)フィルム積層厚み 2次イオン質量分析装置、X線光電子分光法、赤外分光
法、あるいはコンフォーカル顕微鏡などで粒子濃度の深
さ分布を測定する。表面を基準とし、深さ方向で極大値
を得た後、その極大値の1/2となる深さを積層厚みと
定義した。また、粒子濃度の深さ分布からでなく、フィ
ルムの断面観察あるいは薄膜段差測定器等によっても決
定することができる。なお、下記の実施例においては、
2次イオン質量分析装置を用いて測定した。
【0025】(5)耐摩耗性 フィルムを1/2インチ幅にスリットしたものをテープ
走行性試験機を使用してガイドピン(表面粗度Ra10
0nm)上を走行させる(走行速度300m/分、走行
回数1回、巻き付け角60°、走行張力60g)。この
時フィルムに入った傷を顕微鏡で観察し幅2.5μm以
上の傷がテープ幅あたり3本未満は○、3〜10本未満
は△、10本以上は×と判定した。
【0026】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。
【0027】実施例1(表1) 水系で湿式法によりケイ酸ナトリウムとアルミン酸ナト
リウムの反応により合成された、アルミニウム比率が酸
化アルミニウム換算で20重量%のケイ酸アルミニウム
粒子のエチレングリコールスラリーを用意した。これを
用い、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールから
エステル交換反応、重縮合反応を行いPETを合成し、
粒子含有ペレットを得た。
【0028】この粒子含有ペレットと実質的に粒子を含
有しないPETポリマペレットを適当量混合し、180
℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、ポリマA:0.
18μm径ケイ酸アルミニウム粒子0.2重量%含有ポ
リマ、ポリマB:0.8μm径炭酸カルシウム粒子0.
1重量%含有ポリマをそれぞれ押出機1、押出機2に供
給し280℃、280℃で溶融した。これらのポリマを
高精度瀘過した後、矩形合流部にて2層積層とした(A
/B)。
【0029】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、およびA層の
厚さを調節した。
【0030】この未延伸フィルムを温度95℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ル
の周速差で、3段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をテンターを用いて100℃で幅方向に3.6倍延伸し
た。さらに、テンターを用いて120℃で幅方向に1.
2倍延伸した。このフィルムを定長下で200℃にて3
秒間熱処理し、総厚さ11μm、A層厚さ0.5μmの
二軸配向フィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフ
ィルムの特性は表1に示したとおりであり、耐摩耗性が
良好であった。
【0031】実施例2〜3、比較例1〜3(表1) 実施例1と同様にして、粒子の種類、粒径、含有量、積
層厚み等を変更した二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。表1に示すように本発明範囲の二軸配向ポリエステ
ルフィルムは耐摩耗性が良好であるが、そうでないもの
は耐摩耗性が良好でないことがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は特定の粒子を用い、また、フィルムの色調を規定した
ので優れた耐摩耗性を得ることができた。磁気記録媒体
用として十分良好な特性を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.01〜1.0μmのケイ酸アル
    ミニウム粒子を0.01〜3重量%含有するポリエステ
    ルフィルムであって、フィルムの色調b値が14以上で
    あることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 粒径0.01〜1.0μmのケイ酸アル
    ミニウム粒子を0.01〜3重量%含有するフィルム層
    を少なくとも1層有する積層フィルムであって、フィル
    ムの色調b値が14以上であることを特徴とする二軸配
    向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ケイ酸アルミニウム粒子を含有するフィ
    ルム層(A層)の積層厚みが0.01〜3.0μmであ
    る請求項2記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ケイ酸アルミニウム粒子の平均粒径d
    (nm)とA層の層厚さt(nm)との関係が0.2d
    ≦t≦10dである請求項3記載の二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
JP29557197A 1997-10-28 1997-10-28 二軸配向ポリエステルフィルム Pending JPH11130878A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030064933A (ko) * 2002-01-29 2003-08-06 주식회사 코오롱 이축연신 폴리에스테르 필름

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