JPH11130850A - ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品 - Google Patents

ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品

Info

Publication number
JPH11130850A
JPH11130850A JP29848297A JP29848297A JPH11130850A JP H11130850 A JPH11130850 A JP H11130850A JP 29848297 A JP29848297 A JP 29848297A JP 29848297 A JP29848297 A JP 29848297A JP H11130850 A JPH11130850 A JP H11130850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene
compound
amount
bottle
naphthalenedicarboxylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29848297A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Suzuki
稔 鈴木
Kimihiko Sato
公彦 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP29848297A priority Critical patent/JPH11130850A/ja
Priority to TW087103063A priority patent/TW514583B/zh
Priority to AU56406/98A priority patent/AU735548B2/en
Priority to US09/033,701 priority patent/US6228447B1/en
Priority to DK98301607T priority patent/DK0863171T3/da
Priority to DE69819949T priority patent/DE69819949T2/de
Priority to EP98301607A priority patent/EP0863171B1/en
Publication of JPH11130850A publication Critical patent/JPH11130850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相、透明性、熱安定性及び成形性に優れる
ボトル用PENを提供し、特にリサイクル使用可能なボ
トルに好適なボトル用PENを提供すること。 【解決手段】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とし
てなり、アンチモン化合物を重合触媒として製造される
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
であり、下記式(1)〜(4)を同時に満たすボトル用
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト。 0.55≦[η]≦0.75 (1) ポリマー中のカルボキシル末端量≦32eq/T (2) ポリマー中のアセトアルデヒド量≦8ppm (3) 0.8≦ポリマー中のジエチレングリコール成分量(wt%)≦3.0 (4) [但し、[η]は固有粘度である]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、PENと略
記する場合がある)樹脂及びそれからなる成形品に関
し、更に詳しくは、色相、透明性、熱安定性及び成形性
に優れたボトル用PEN及びそれからなる成形品、特に
プリフォーム及びボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックボトルは、主にジュース、
水、ビールなどの飲料用ボトルとして使用される。そし
て、このボトルの材料として、色相、透明性、ガスバリ
ア性及びフレーバー性に優れる材料が強く要求される。
ボトル及び内容物を一体としてみたときの商品価値を高
くする観点からである。
【0003】近年、省資源等を目的として、プラスチッ
クボトルのリサイクル、すなわちボトルの再使用が検討
されている。このボトルのリサイクルシステムには高温
でのアルカリ洗浄工程があり、この工程に耐える耐熱
性、耐加水分解性がボトルに要求される。
【0004】PENはポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略記する場合がある)に比べ耐熱性、ガス
バリア−性、耐薬品性等の基本物性が優れている。この
ことからPENは容器、特にボトルとして、また包装材
料、特にシート状材料として注目されている。
【0005】PENは基本的にPETと同様の触媒を用
いて製造することができるが、色相の観点から、重合触
媒として特に二酸化ゲルマニウムが用いられている。
【0006】しかし、二酸化ゲルマニウムは高価であ
り、コスト低減の観点からは、重合触媒として他の化合
物、特にアンチモン化合物を用いることが望ましい。
【0007】本発明者らの検討では、PENはPETと
比べるとボトル成形時のブロー延伸等で白化が起こりや
すく、従来の技術では透明性について十分に満足なボト
ルを得ることができない。
【0008】本発明者らは、さらに、ボトルの白化の要
因を検討し、ボトルの白化はポリマー中の触媒に由来す
る触媒析出物粒子に起因する、との知見を得た。すなわ
ち、この触媒析出物粒子が結晶化を誘発したり、光を散
乱させることにより内部へーズの増加をもたらしてい
る。特にPENの場合、PETに比べてボトル成形(延
伸)時の応力が大きく結晶化の影響が大きく現れる。
【0009】それ故、ボトルの白化を抑制するために
は、触媒等に由来する析出物の量を低減する必要があ
る。
【0010】この析出物の低減の方法として特定の触媒
種及び安定剤を特定の量及び比率で用いる方法が提案さ
れている。この方法により、PENの透明性は確かに向
上する。
【0011】しかし、この方法によっても、色相及び熱
安定性の面で充分な性能を備えたPENを得ることはで
きなかった。これは、従来の技術では析出物の生成を抑
制すべく、エステル交換触媒を失活させるために用いる
リン化合物の添加量を少なくしているが、これにより触
媒作用が完全に失活されていないことからポリマーの溶
融成形等に際し、その分解速度が大きくなる、ことによ
る。
【0012】また、PENの溶融成形時にポリマーの溶
融粘度が適切でないとボトル表面の平滑性、均一な肉厚
分布が確保出来なかったり、へーズが著しく悪化し、く
もり発生の原因になったり、再生アセトアルデヒド量が
多くなったりする問題が生じることが明らかになった。
【0013】成形時の再生アセトアルデヒド量に加え、
原料ポリマー中のアセトアルデヒド量が多いと、プリフ
ォーム及びボトル中のアセトアルデヒド量が多く、ボト
ルに充填したものにアセトアルデヒドによる異臭が発生
する。
【0014】また、PENは衝撃強度が低く、ボトル落
下時に割れ又はデラミが発生しやすい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するためになされたものであり、その目的は、
色相、透明性、熱安定性及び成形性に優れるボトル用P
ENを提供することである。本発明の他の目的はこのボ
トル用PENからなるプリフォーム及びボトルを提供す
ることにあり、特リサイクル使用可能なボトルを提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、固有粘度、カルボキシル末端数、アセトアルデ
ヒド含有量、ジエチエングリコール含有量について特定
の条件を満たし、触媒としてアンチモン化合物を用いて
得られたポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレートが上記課題を解決し、ボトル用として有用であ
ることを見出し、本発明に至った。
【0017】即ち本発明は、ナフタレンジカルボン酸を
主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコ
ール成分とし、アンチモン化合物を重合触媒として製造
されたポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートであって、下記式(1)〜(4)を同時に満足す
ることを特徴とするボトル用ポリエチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレート樹脂である。 0.55≦[η]≦0.75 (1) ポリマー中のカルボキシル末端量≦32eq/T (2) ポリマー中のアセトアルデヒド量≦8ppm (3) 0.8≦ポリマー中のジエチレングリコール成分量(wt%)≦3.0 (4) [但し、[η]は固有粘度である]
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートは、ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分と
し、エチレングリコールを主たるグリコール成分として
なるポリエステルである。
【0019】ここで主たる成分とは70モル%を超える
成分、好ましくは80モル%を超える成分を言う。そこ
で、30モル%以下の他の共重合成分が共重合されてい
る共重合体も本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートに含まれる。同様に30モル%以
下の他の高分子を含有する混合物も本発明のポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートに含まれ
る。
【0020】本発明におけるポリエチレンー2,6ーナ
フタレンジカルボキシレートは、ポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレートのホモポリマーを主た
る対象とする。
【0021】このポリエチレンー2,6ーナフタレンジ
カルボキシレートは、2,6ーナフタレンジカルボン酸
成分の30モル%以下、好ましくは20モル%以下を他
の酸成分で置き換えたコポリマーであってもよい。
【0022】この場合、コポリマーを構成する共重合成
分は、酸成分として例えば、2,7ーナフタレンジカル
ボン酸、1,5ーナフタレンジカルボン酸、1,7ーナフ
タレンジカルボン酸、その他のナフタレンジカルボン酸
の異性体;テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジ
カルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸等のごとき芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテ
レフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環属
族ジカルボン酸;アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;p−βーヒドロキシエ
トキシ安息香酸、εーオキシカプロン酸等の如きオキシ
酸等の二官能性カルボン酸の1種以上であることができ
る。
【0023】このポリエチレンー2,6ーナフタレンジ
カルボキシレートは、エチレングリコール成分の30モ
ル%以下、好ましくは20モル%以下を他のジオール成
分で置き換えたコポリマーであってもよい。
【0024】この場合、コポリマーを構成する共重合成
分は、グリコール成分として例えば、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、1,1ーシクロヘキサ
ンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジメタノー
ル;2,2ービス(4‘ーβーヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ビス(4’ーβーヒドロキシエトキシフェニ
ル)スルホン等のジオールの1種以上であることができ
る。
【0025】本発明においてはコポリマーを構成する共
重合成分として、また、多官能基化合物を実質的に線状
である範囲の量、例えば全酸成分に対して2モル%以下
の量で用いることもできる。このような多官能基化合物
として、例えば3官能以上のポリカルボン酸またはポリ
ヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンエリス
リトールが例示される。
【0026】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートは常法によって製造することがで
きる。このポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートは溶融重合後にさらに固相重合されたものが
好ましく、好ましい固有粘度[η]は0.55〜0.75
である。固有粘度が0.55より低いと、ポリマーは成
形中に結晶化しやすく、白化を生ずるばかりか溶融粘度
が低すぎてブロー成形性が悪く、心ズレ及び偏肉の原因
となる。一方、固有粘度が0.75より高いと、通常の
成形温度でプリフォームを成形する場合に成形不良を起
こしたり、シェア発熱によってアセトアルデヒドの生成
量が増加したり、固有粘度の大幅な低下の原因となる。
【0027】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートはポリマー中のアセトアルデヒド
量が8ppm以下であることが必要である。この量が8
ppmを超えると、溶融成形により生じるアセトアルデ
ヒドと成形前から存在するアセトアルデヒドの合計アセ
トアルデヒド量が、プリフォーム及びボトル中において
過剰になり、ボトル充填物中にアセトアルデヒドが溶出
し、内容物に異臭を与える。
【0028】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートはポリマー中のカルボキシル末端
数が32eq/Ton以下であることが必要である。カ
ルボキシル基末端数が32eq/Tonを超えると、ア
ルカリ洗浄時などでの加水分解が促進され、ボトルの強
度低下又は透明性低下などの外観不良の原因となる。
【0029】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートはポリマー中のジエチレングリコ
ール成分量が0.8〜3.0wt%であることが必要で
ある。この量が0.8wt%未満であると、結晶化促進
による透明性の低下及びボトル強度の低下の原因とな
る。一方、この量が3.0wt%を超えると熱分解によ
る熱安定性の低下の原因となる。
【0030】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートは好ましい態様として、[A]触
媒としてコバルト化合物、マグネシウム化合物、カルシ
ウム化合物及びアンチモン化合物、安定剤としてリン化
合物をポリマー中に含有する場合(A)と[B]触媒と
してコバルト化合物、マンガン化合物及びアンチモン化
合物、安定剤としてリン化合物を含有する場合(B)が
ある。
【0031】以下、ポリマー中の各金属元素量は酸成分
106g当たりのモル数である。 [A]触媒としてコバルト化合物、マグネシウム化合
物、カルシウム化合物及びアンチモン化合物、安定剤と
してリン化合物をポリマー中に含有する場合 ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
が触媒としてコバルト化合物、マグネシウム化合物、カ
ルシウム化合物及びアンチモン化合物、安定剤としてリ
ン化合物をポリマー中に含有する場合、これらの含有量
は、好ましくは下記式(5)〜(9)を同時に満す。但
し、下記式中の各金属元素量は酸成分106g当たりの
金属のモル数である。 0.12≦Co≦1.2モル (5) 2.0≦(Mg+Ca)≦6.0モル (6) 1.3≦(Mg/Ca)≦6.0 (7) 1.0≦P/(Co+Ca+Mg)≦1.5 (8) 0.4≦Sb≦3.3モル (9)
【0032】この場合、2,6−ナフタレンジカルボン
酸の低級アルカリエステルと通常のエチレングレコール
に該酸成分106g当たり、0.12〜1.2モルのコ
バルト化合物及び2.0〜6.0モルのカルシウム化合
物とマグネシウム化合物を合計した量をエステル交換反
応触媒として用いる。
【0033】ここで、コバルト化合物を添加する目的
は、エステル交換反応触媒の効果に加えて、色相悪化の
原因である黄色化を抑制するものであリ、その添加量が
0.12モル未満では効果が発現せず、一方、1.2モ
ルを超えると色相が灰色化し、色相の悪化をもたらした
り、析出により透明性の低下をもたらす。
【0034】カルシウム化合物とマグネシウム化合物に
ついては、その合計量が6.0モルを超えると触媒残さ
による析出粒子の影響によって、成形した際に白化現象
がみられ、透明性がそこなわれる。一方、2.0モル未
満ではエステル交換反応が不十分になるばかりか、その
後の重合反応も遅くなる。
【0035】前述のカルシウム化合物に対するマグネシ
ウム化合物の添加量のモル比は1.3〜6.0の範囲で
ある。モル比が6.0を超えても1.3未満でもやはり
触媒残さによる粒子の析出が生じ、成形した場合に白化
現象が見られ、透明性が損なわれる。
【0036】さらに、エステル交換触媒を失活させるた
めにリン化合物を添加するものであるが、リン化合物の
添加量をコバルト化合物、カルシウム化合物及びマグネ
シウム化合物の合計添加量に対するモル比で1.0〜
1.5の範囲とすることが好ましい。このモル比が1.
0未満であると、エステル交換触媒が完全に失活せず、
熱安定性が悪く、その影響でポリマーが着色したり、成
形時の物性低下をもたらす不都合がある。一方、このモ
ル比が1.5を超えても熱安定性が低下する。
【0037】本発明において用いられるカルシウム化合
物及びマグネシウム化合物は例えば酸化物、塩化物、炭
酸塩、カルボン酸塩として用いることができる。就中、
酢酸塩すなわち酢酸カルシウム及び酢酸マグネシウムが
好ましい。
【0038】[B]触媒としてコバルト化合物、マンガ
ン化合物及びアンチモン化合物、安定剤としてリン化合
物を含有する場合 ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
が触媒としてコバルト化合物、マンガン化合物及びアン
チモン化合物、安定剤としてリン化合物を含有する場
合、これらの含有量は、好ましくは下記式(10)〜
(13)を同時に満す。但し、下記式中の各金属元素量
は酸成分106g当たりの金属のモル数である。 0.04≦Co≦1.3モル (10) 0.4≦Mn≦2.5モル (11) 0.7≦P/(Co+Mn)≦1.5 (12) 0.4≦Sb≦3.3モル (13)
【0039】この場合、エステル交換反応において、
2,6−ナフタレンジカルボン酸の低級アルカリエステ
ルと通常のエチレングレコールに該酸成分106g当た
り、0.04〜1.3モルのコバルト化合物及び0.6
〜2.5モルのマンガン化合物をエステル交換反応触媒
として添加する。
【0040】ここで、コバルト化合物を添加しめる目的
はエステル交換反応触媒の効果に加えて、色相悪化の原
因である黄色化を抑制するものである。コバルト化合物
の添加量が0.04モル未満では効果が発現せず、一方
1.3モルを超えると色相が灰色化し、色相の悪化をも
たらしたり透明性低下を引起こす。
【0041】マンガン化合物については、その合計量が
2.5モルを超えると触媒残さによる析出粒子の影響に
よって成形した際に白化現象がみられ、透明性がそこな
われる。一方、0.4未満ではエステル交換反応が不十
分になるばかりか、その後の重合反応も遅くなり好まし
くない。
【0042】さらに、エステル交換触媒を失活させるた
めにリン化合物を添加するものであるが、リン化合物の
添加量はコバルト化合物及びマンガン化合物の合計添加
量に対するモル比として、0.7〜1.5の範囲とする
ことが好ましい。このモル比が0.7未満であるとエス
テル交換触媒が完全に失活せず、熱安定性が悪く、その
影響でポリマーが着色したり、成形時の物性低下をもた
らす不都合がある。一方、1.5を超えても熱安定性に
好ましくない。
【0043】本発明において用いられるマンガン化合物
は例えば酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩として
用いることが可能である。就中、酢酸塩、すなわち酢酸
マンガンが好ましい。
【0044】リン化合物としては例えば有機リン酸、無
機リン酸が挙げられる。有機リン酸としては例えばトリ
メチルホスフェート、トリエチレンホスフェート及びト
リ−n−ブチルホスフェートといったリン酸エステルが
挙げられる。無機リン酸としては例えば次亜リン酸、亜
リン酸及び正リン酸といった無機リン酸が挙げられる。
【0045】本発明においては、重合反応触媒としてア
ンチモン化合物を用いる。アンチモン化合物の添加量は
0.4〜3.3モルの範囲である。この量が0.4モル
未満では重合反応性が低くなって生産性が悪く、一方
3.3モルを超えると熱安定性が劣って成形時の物性低
下及び色相悪化が発生する。
【0046】前述の種々の触媒系の添加時期としては、
コバルト化合物、カルシウム化合物及びマグネシウム化
合物をエステル交換反応開始時点からその初期の間にす
べてを添加するのが好ましい。
【0047】他方、リン化合物はエステル交換反応が実
質的に終了した後、固有粘度が0.3に達する迄に添加
出来る。また、アンチモン化合物はリン化合物を添加す
る10分以上前に、更に固有粘度が0.2に達する迄に
添加する。
【0048】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートは溶融重合によって得られるプレ
ポリマーの固有粘度[η]eが下記式(14)を満足する
ことが好ましい。 0.40≦[η]e≦0.60 (14)
【0049】固有粘度が0.40より低いとチップ化す
る際に割れ等を引き起す。一方0.60より高いとそれ
だけ重合時間が長くなり色相が悪化する。
【0050】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートは、そのまま、或はシート状、板
状、管状、中空状、容器等の形状で用いることができ、
一般の成形法、例えば射出ブロー成形、配向ブロー、押
出ブロー法等が適用される。
【0051】配向ブロー法の適当な例としては、まずポ
リマーを適当な形状の中空円筒有底上のプリフォーム
(非晶成形品)とする(例えば、長さ15cm、内径2
cm,外径2.5cm)。これをそのポリマーのガラス
転移点(Tg)以上に予熱し、その容器の胴部相当部分
の表面積を約1.5〜16倍程度まで延伸させる。な
お、容器の熱処理は適宜に行なうことができる。
【0052】得られたプリフォーム及びボトル中のアセ
トアルデヒド量は40ppm以下であることが好まし
い。この量が40ppmを超えるとボトル充填物中に溶
出するアセトアルデヒドによる臭気によってフレーバー
性が低下する。
【0053】得られたボトルの透明性はボトルヘーズで
5%以下であることが好ましい。これを超えると透明性
が悪く外観上好ましくない。
【0054】かくして、製造されたボトルは透明性、外
観に優れているので種々の用途に利用することが出来、
例えば、調味料、油、酒類、化粧品、洗剤、清涼飲料容
器、炭酸飲料、ジュース、水、ビールの容器として使用
することが出来る。特にリサイクル容器(ボトル)とし
て有用である。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、例中の「部」は重量部である。また、
物性は下記の方法で測定した。
【0056】(1)固有粘度[η](IV):テトラク
ロロエタン:フェノ−ル=4:6の混合溶媒として35
℃での測定値から算出した。
【0057】(2)Col−L、a,b(色相):ポリ
マーを160℃×90分乾燥機中で熱処理し結晶化させ
た後、カラーマシン社製CM−7500型カラーマシン
で測定した。
【0058】(3)ヘーズ:ポリマーを160℃で5時
間乾燥した後、名機制作所製の射出成形機100DMを
用い成形温度305℃、成形サイクル40秒で63gの
プリフォームを成形し、これをブロー延伸し内容積1.
0l、胴部肉厚400μmのボトルとした。このボトル
胴部のヘーズを日本電色工業社製濁度計にて測定した。
【0059】(4)アセトアルデヒド量:サンプルを凍
結粉砕した後、HS−GC(日立社製)にて測定した。
ボトルのアセトアルデヒド量については(3)にて成形
したボトルの口部をサンプルとして測定した。
【0060】(5)カルボキシル末端数:サンプルをベ
ンジルアルコールにて溶解し、指示薬としてフェノール
レッドを使用し、カセイソーダにて滴定し測定した。
【0061】(6)落下強度試験 (3)にて成形したサンプル使用し、ボトルに4vo
l.の炭酸水を充填し、1mの高さからコンクリート面
に落下させ、10本中のわれボトル本数を測定した。
【0062】(7)耐アルカリ性試験 (3)にて成形したサンプル使用し、85℃×6hr、
NaOH3%水溶液にて処理した後、ボトル重量の変化
を測定し、及び(6)の落下強度試験を行った。
【0063】[実施例1]2、6ーナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部とエチレングリコール
(EGと略記する)51部とを酢酸コバルト四水塩0.
01部(0.04mmol)、酢酸カルシウム一水塩
0.014部(0.08mmol)及び酢酸マグネシウ
ム四水塩0.043部(0.2mmol)をエステル交
換触媒として用い、常法に従ってエステル交換反応さ
せ、三酸化アンチモンのEG1%溶液2.3部(0.0
8mmol)添加したのち、トリメチルフォスフェート
0.056部(0.4mmol)を添加し、エステル交
換反応を終了せしめた。
【0064】次に引き続き常法通り高温高真空下で重縮
合反応を行い、その後ストランド型のチップとした。得
られたポリマーの固有粘度は0.5で有り、重合時間は
70分であった。更に、常法によりこのプレポリマーを
固相重合した。得られたポリマーの固有粘度は0.65
で、アセトアルデヒド量は4ppm、カルボキシル末端
数は23eq/T、ジエチレングリコール含有量は1.4w
t%であった。
【0065】[実施例2、比較例1〜2]酢酸コバルト
四水塩、酢酸マグネシウム四水塩、酢酸カルシウム一水
塩、トリメチルフォスフェート、三酸化アンチモンの量
及び比率を表1に記載の量及び割合に変更する以外は実
施例1と同様にしてポリマーを得た。得られたポリマー
の品質及び各評価結果を併せて表1及び2に示した。
【0066】[実施例3]2、6ーナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部とエチレングリコール
(EGと略記する)51部とを酢酸コバルト四水塩0.
01部(0.04mmol)、酢酸マンガン四水塩0.
029部(0.12mmol)をエステル交換触媒とし
て用い、三酸化アンチモンのEG1%溶液2.3部
(0.08mmol)添加したのち常法に従ってエステ
ル交換反応させ、トリメチルフォスフェート0.039
部(0.16mmol)を添加し、エステル交換反応を
終了せしめた。次に引き続き常法通り高温高真空下で重
縮合反応を行い、その後ストランド型のチップとした。
得られたポリマーの固有粘度は0.50であり、重合時
間は70分であった。更に、常法によりこのプレポリマ
ーを固相重合した。得られたポリマーの固有粘度は0.
65で、アセトアルデヒド量は4ppm、カルボキシル
末端数は22eq/T、ジエチレングリコール含有量は1.
4wt%であった。
【0067】[実施例4、比較例3〜4]酢酸コバルト
四水塩、酢酸マンガン四水塩、トリメチルフォスフェー
ト、三酸化アンチモンの量及び比率を表1に示す量及び
比率に変更する以外は、実施例3と同様にして、ポリマ
ーを得た。これらの得られたポリマーの品質及び各評価
結果を併せて表1及び2に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタ
レンジカルボキシレートは色相、熱安定性や透明性に優
れ、しかもボトル形成時の白化(くもり)が小さく商品
価値の高いボトル製品となる。さらに、このポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートから成形さ
れるボトルはリサイクル可能なボトルとして好適な性質
を備える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 63/86 B65D 1/00 A // B29K 67:00 B29L 22:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ナフタレンジカルボン酸を主た
    る酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール
    成分とし、アンチモン化合物を重合触媒として製造され
    たポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
    トであって、下記式(1)〜(4)を同時に満足するこ
    とを特徴とするボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタ
    レンジカルボキシレート樹脂。 0.55≦[η]≦0.75 (1) ポリマー中のカルボキシル末端量≦32eq/T (2) ポリマー中のアセトアルデヒド量≦8ppm (3) 0.8≦ポリマー中のジエチレングリコール成分量(wt%)≦3.0 (4) [但し、[η]は固有粘度である]
  2. 【請求項2】 触媒としてコバルト化合物、マグネシウ
    ム化合物、カルシウム化合物及びアンチモン化合物、安
    定剤としてリン化合物を含有し、それらの含有量が下記
    式(5)〜(9)を同時に満足する請求項1に記載のポ
    リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート。 0.12≦Co≦1.2モル (5) 2.0≦(Mg+Ca)≦6.0モル (6) 1.3≦(Mg/Ca)≦6.0 (7) 1.0≦P/(Co+Ca+Mg)≦1.5 (8) 0.4≦Sb≦3.3モル (9) [但し、上記式中の各金属元素量はポリエチレン−2,
    6−ナフタレンジカルボキシレートを構成する酸成分1
    6g当たりのモル数である]
  3. 【請求項3】 触媒としてコバルト化合物、マンガン化
    合物及びアンチモン化合物、安定剤としてリン化合物を
    含有し、それらの含有量が下記式(10)〜(13)を
    同時に満足する請求項1に記載のポリエチレン−2,6
    −ナフタレンジカルボキシレート樹脂。 0.04≦Co≦1.3モル (10) 0.4≦Mn≦2.5モル (11) 0.7≦P/(Co+Mn)≦1.5 (12) 0.4≦Sb≦3.3モル (13) [但し、上記式中の各金属元素量はポリエチレン−2,
    6−ナフタレンジカルボキシレートを構成する酸成分1
    6g当たりのモル数である]
  4. 【請求項4】 溶融重合後のプレポリマーの固有粘度
    ([η])が下記式(14)を満足する請求項1に記載の
    ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
    樹脂。 0.40≦[η]≦0.60 (14)
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のポリエチレン−2,6
    −ナフタレンジカルボキシレートを用いて成形されたプ
    リフォームであり、プリフォーム中のアセトアルデヒド
    量が40ppm以下であるボトル用プリフォーム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のプリフォームから成形
    されたボトル。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のポリエチレン−2,6
    −ナフタレンジカルボキシレートを用いて成形され、ボ
    トルのヘーズが5%以下のボトル。
JP29848297A 1997-03-06 1997-10-30 ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品 Pending JPH11130850A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29848297A JPH11130850A (ja) 1997-10-30 1997-10-30 ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品
TW087103063A TW514583B (en) 1997-03-06 1998-03-03 Polyethylene-2, 6-naphthalene dicarboxylate resin and preform and bottle molded thereof
AU56406/98A AU735548B2 (en) 1997-03-06 1998-03-03 Polyethylene-2,6-naphthalene dicarboxylate resin and preform and bottle molded thereof
US09/033,701 US6228447B1 (en) 1997-03-06 1998-03-03 Polyethylene-2,6-naphthalene dicarboxylate resin and preform and bottle molded thereof
DK98301607T DK0863171T3 (da) 1997-03-06 1998-03-04 Fremgangsmåde til fremstilling af polyethylen-2,6-naphthalendicarboxylatresin
DE69819949T DE69819949T2 (de) 1997-03-06 1998-03-04 Verfahren zur Herstellung von Polyethylen-2,6-Naphthalindicarboxylat-Harz
EP98301607A EP0863171B1 (en) 1997-03-06 1998-03-04 Process for preparing polyethylene-2,6-naphthalene dicarboxylate resin.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29848297A JPH11130850A (ja) 1997-10-30 1997-10-30 ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11130850A true JPH11130850A (ja) 1999-05-18

Family

ID=17860282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29848297A Pending JPH11130850A (ja) 1997-03-06 1997-10-30 ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11130850A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6228447B1 (en) Polyethylene-2,6-naphthalene dicarboxylate resin and preform and bottle molded thereof
US20100113626A1 (en) Opaque containers containing colored recycled polyester
EP0856535B1 (en) Polyethylene-2,6-naphthalene dicarboxylate resin and preform and bottle molded thereof
JP2000080157A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
JPH11130851A (ja) ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品
JP2002220442A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP3983636B2 (ja) 改質ポリエステル樹脂及びそれからなる成形体
JP2007138156A (ja) ポリエステル組成物、それからなるポリエステル成形体およびポリエステル中空成形体の製造方法
JP3681493B2 (ja) ボトル用ポリエチレンナフタレート
JPH11130850A (ja) ボトル用ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂及びそれからなる成形品
JP5251789B2 (ja) 共重合ポリエステル
JP2007002240A (ja) ポリエステル延伸中空成形体及びその製造方法
JP2006111872A (ja) ポリエステル組成物、それからなるポリエステル成形体およびその製造方法
JP2006111873A (ja) ポリエステル組成物及びそれからなるポリエステル成形体
JP3267902B2 (ja) ポリエステル樹脂
JP2006188676A (ja) ポリエステル組成物およびそれからなるポリエステル成形体
JP2007138157A (ja) ポリエステル組成物、それからなるポリエステル成形体およびポリエステル中空成形体の製造方法
JP2007138158A (ja) ポリエステル組成物、それからなるポリエステル成形体およびその製造方法
JP2003119260A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP2741917B2 (ja) 中空成形体
JP2007002239A (ja) ポリエステル組成物及びそれからなるポリエステル成形体
KR100507446B1 (ko) 사원 공중합 폴리에스터 수지 및 이를 이용한 성형체
JP3238642B2 (ja) ボトル用ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート
JPH09278871A (ja) ポリエステル共重合体よりなる成形体
JP2741920B2 (ja) 中空成形体