JPH11130786A - 紫外線吸収性化合物 - Google Patents

紫外線吸収性化合物

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JPH11130786A
JPH11130786A JP9292077A JP29207797A JPH11130786A JP H11130786 A JPH11130786 A JP H11130786A JP 9292077 A JP9292077 A JP 9292077A JP 29207797 A JP29207797 A JP 29207797A JP H11130786 A JPH11130786 A JP H11130786A
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JP
Japan
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compound
formula
reaction
group
compound represented
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Application number
JP9292077A
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English (en)
Inventor
Sadao Ueno
禎夫 植野
Takeshi Nobe
丈司 野辺
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NIPPON GREEN CONSULTANT KK
Kimoto Co Ltd
Original Assignee
NIPPON GREEN CONSULTANT KK
Kimoto Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 紫外線からの保護対象物質から使用中に遊離
しない紫外線吸収剤を提供する。 【解決手段】 一般式Iの化合物。一般式Iの化合物の
具体例には2−クロロ−4−[2′−ヒドロキシ−5′
−メチル−3′−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニル
アミノ]−6−[3″トリメトキシシリルプロピルアミ
ノ]−1,3,5−トリアジンがある。 (R1は一般式 の紫外線吸収部分、R2は一般式 のカップリング部分、R3はハロゲン、R1またはR3
である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種の無機物質および有
機物質に反応して結合することができ、優れた紫外線吸
収能を発揮する新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂分野では、従来よりベンゾトリアゾ
ール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、シ
アノアクリレート系化合物等を紫外線吸収剤として使用
することが知られている。従来の紫外線吸収剤は、極く
僅かの例、例えば米国特許第 3,041,330号、ヨーロッパ
特許 0388356A2号、特開平7-207250号等に開示されるベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤を除いては、微粉砕した紫
外線吸収剤を紫外線より保護しようとする物質中に溶解
または分散させて用いる場合が多い。しかし、上記のよ
うな紫外線吸収剤を紫外線から保護しようとする物質中
に単に溶解または分散させただけでは、その物質の使用
中に物質から遊離し、紫外線吸収効果を減少させてしま
うという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、紫外線から保護しようとする物質からその物質の使
用中に遊離しない紫外線吸収剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点について鋭意研究を重ねた結果、紫外線吸収
部分と他の物質に結合できるカップリング部分を有する
化合物により上記の課題を解決することができることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は、新規な紫外線吸収剤である、下
記式(I)
【0006】
【化9】 (式中、R1は下記式(a)
【0007】
【化10】 の基を表し、R4、R5はそれぞれ独立して水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキ
シル基または−(CH2)mCOOHを表し、mは1〜1
0の整数を表し、R2は下記式(b)
【0008】
【化11】 の基を表し、R6はアミノ基(−NH−)を含んでいて
もよい炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R7、R
8及びR9はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基を
表し、R3はハロゲン原子またはR1またはR2を表
す)で表される化合物を提供する。
【0009】上記の本発明の式(I) の化合物の好ましい
ものにおいては、R3がハロゲン原子を表し、R4、R
5が水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル
基またはアルコキシル基を表し、R6が炭素数1〜5の
アルキレン基を表し、R7、R8、R9が炭素数1〜3
のアルコキシ基を表す。
【0010】上記の本発明の式(I) 化合物の特に好まし
いものは、R3が塩素原子、R4が水素原子、R5がメ
チル基、R6が−(CH2)3 −、R7、R8、R9がそ
れぞれメトキシ基のものである。
【0011】また本発明は、上記の化合物を有効成分と
して含む紫外線吸収剤を提供する。
【0012】さらに本発明は、上記の化合物を製造する
のに有用な中間体化合物及び上記化合物の製造方法も提
供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は式(I) で表さ
れ、式(I) においてR1は式(a) の紫外線吸収性基を表
し、R3がR1のときは式(I) の化合物は2つの紫外線
吸収性基を含むことになる。またR2は式(b) のカップ
リング基を表し、R3がR2のときは式(I) の化合物は
2つのカップリング基を含むことになる。式(I) の化合
物が2つのR1またはR2を含む場合は、それぞれ同一
でもよくあるいは異なってもよい。好ましくは2つのR
1またはR2は同一のものである。
【0014】式(a) の基において、R4、R5はそれぞ
れ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の
アルキル基、アルコキシル基または−(CH2)mCOO
Hを表し、mは1〜10の整数を表す。R4及びR5
は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
0のアルキル基、アルコキシル基またはmが1〜5の整
数である−(CH2)mCOOHを表し、より好ましくは
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、
アルコキシル基またはmが1〜3の整数である−(CH
2)mCOOHを表し、特に好ましくは水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル
基を表す。
【0015】上記のR4、R5として好ましいアルキル
基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イ
ソプロピル、n-ブチル、tert- ブチル、n-ペンチル、n-
ヘキシル基等が挙げられ、メチル、エチル、n-プロピ
ル、イソプロピル基が特に好ましい。
【0016】上記のR4、R5として好ましいアルコキ
シル基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロ
ポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert- ブトキ
シ、n-ペントキシ、n-ヘキシルオキシ基等が挙げられ、
メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ基
が特に好ましい。
【0017】上記のR4、R5として好ましいハロゲン
原子としては、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子、ヨウ
素原子が挙げられ、塩素原子が特に好ましい。
【0018】式(I) においてR2は式(b) のカップリン
グ基を表し、R3がR2のときは式(I) の化合物は2つ
の式(b) のカップリング基を含む。
【0019】式(b) の基において、R6はアミノ基(−
NH−)を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキレ
ン基を表し、好ましくはアミノ基(−NH−)を含んで
いてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表し、より
好ましくはアミノ基(−NH−)を含んでいてもよい炭
素数1〜5のアルキレン基を表し、特に好ましくは炭素
数1〜5のアルキレン基を表す。 R6の好ましい例と
しては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、
ペンタエチレン基が挙げられ、プロピレン基が特に好ま
しい。
【0020】式(b) の基において、R7、R8及びR9
はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
〜10のアルキル基またはアルコキシ基を表し、好まし
くは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル
基またはアルコキシ基を表し、より好ましくはハロゲン
原子または炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、特に好
ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基を表す。
【0021】上記のR7、R8及びR9として好ましい
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、
n-プロポキシ、イソプロポキシ基等が挙げられ、メトキ
シ及びエトキシ基が特に好ましい。
【0022】上記のR7、R8及びR9として好ましい
ハロゲン原子の具体例としては、塩素原子、ヨウ素原
子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が特に
好ましい。
【0023】次に本発明の化合物の合成方法について説
明する。
【0024】本発明の化合物は、例えば、下記反応スキ
ームに従って製造することができる。
【0025】
【化12】
【0026】即ち、式(I) で表される本発明の化合物
は、式(V) で表されるベンゾトリアゾール誘導体をニト
ロ化して式(IV)のニトロ化合物を得(反応(1))、次いで
このニトロ化合物を還元して式(III) のアミノ化合物
(R1−Hに相当する)を得(反応(2))、さらにこのア
ミノ化合物を塩化シアヌルのようなトリハロゲン化トリ
アジンと反応させて式(II)のトリアジン誘導体を合成し
(反応(3))、これにさらにR1−Hに相当する式(III)
のアミノ化合物を反応させてR1が2個導入されたトリ
アジン誘導体を合成し(反応(4))、その後式R2−Hで
表される変性アミノカップリング剤と反応させて合成す
ることができる(反応(5))。この経路により合成される
式(I) の化合物においてはR3がR1であり、R1の紫
外線吸収性基を2つ含む式(I) の化合物が合成される。
【0027】あるいは、反応(3) の生成物である式(II)
の化合物に式R2−Hで表される変性アミノカップリン
グ剤を反応させてR1とR2とを1個ずつ有する式(I)
の化合物を合成することができる(反応(6))。この反応
(6) をさらに進行させ、R1とR2とを1個ずつ有する
式(I) の化合物にさらに基R2を導入し、R1を1個と
R2を2個有する式(I) の化合物を得ることもできる
(反応(7))。この経路によれば、R1の紫外線吸収性基
を1つと、式R2−Hで表される化合物との反応の程度
によりR2のカップリング基を1つまたは2つ含む式
(I) の化合物が得られる。
【0028】尚、上記スキーム中R1、R2、R3、R
4、R5、R6、R7、R8、R9は前記と同じ意味を
有する。
【0029】本発明の新規な紫外線吸収剤の製造の出発
物質である式(V) の化合物は公知の化合物であり、例え
ばCzech.119333に記載の方法により合成でき、一部のも
のは市販品として入手できる。
【0030】反応(1) により上記式(V) の化合物をニト
ロ化して本発明の新規な紫外線吸収剤の製造に有用な中
間体である式(IV)のニトロ化合物を合成する方法は特に
限定されず、公知のニトロ化法により行うことができ
る。例えば、硝酸を使用する方法、硝酸を含む混酸を使
用する方法、硝酸塩と硫酸とを使用する方法等により行
うことができる。
【0031】反応(1) は適当な溶媒中で行うことができ
る。使用できる溶媒としては、限定するものではない
が、例えば水、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素、酢酸等のカルボ
ン酸が挙げられ、これらは一種または二種以上混合して
使用することができる。また、反応(1) は溶媒を使用せ
ずに行うこともできる。
【0032】反応温度は使用する溶媒によっても異なる
が、一般には-20 〜150 ℃で行うことができ、好ましく
は-10 〜100 ℃の温度で行われる。反応時間は1 〜50時
間程度でよく、反応は攪拌下に行うことが好ましい。
【0033】反応(1) により合成される式(IV)のニトロ
化合物はR4が水素原子であり、R5がメチル基である
ものを除いては新規な化合物であり、上記の通り本発明
の式(I) の化合物の合成の中間体として有用なものであ
る。
【0034】反応(2) により式(IV)のニトロ化合物を還
元して式(III) のアミノ化合物を合成する方法も特に限
定されるものではなく、公知の方法を採用でき、例え
ば、金属または金属塩による還元、ヒドラジンによる還
元、接触水素添加反応による還元等により行うことがで
きる。
【0035】式(IV)のニトロ化合物の金属または金属塩
による還元に使用される金属または金属塩としては、例
えば、亜鉛、鉄、アルミニウム、ニッケル、スズ及びこ
れらの塩を使用することができ、これらは一種で使用す
ることもでき、また二種以上併用してもよい。これらの
金属または金属塩のうち、亜鉛による還元は、中性、酸
性、アルカリ性の溶媒中で行うことができる。酸性溶媒
として使用できる酸としては塩酸、酢酸等の無機及び有
機酸が挙げられる。アルカリ性溶媒としては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の水溶液等、及びピリジン等
の無機および有機塩基を使用することができる。アルミ
ニウムによる還元は、例えばアルミニウム−ニッケルを
用いて行うことができ、これはアルカリ性水溶液中でも
用いることができる。スズによる還元は、塩酸、酢酸等
の酸性溶媒中で、例えば塩化スズ、スズ、スズアマルガ
ム等をを用いて行うことができる。
【0036】金属または金属塩による還元に使用し得る
その他の溶媒としては、水、エタノール、ブタノール等
のアルコール、ジオキサン及びテトラヒドロフラン等の
エーテル、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、メチル
アミン、エチルアミン、ピリジン等のアミン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これらは一種
でまたは二種以上の混合物として使用できる。
【0037】上記還元反応の反応温度は使用する溶媒に
よっても異なるが、一般には0 〜200 ℃でよく、10〜15
0 ℃が好ましい。反応時間は通常は1 〜50時間程度でよ
い。反応は攪拌下に行うことが好ましい。
【0038】接触水素添加反応での還元に用いることが
できる触媒としては、白金、パラジウム、ニッケル、コ
バルト、銅、クロム等が挙げられ、これらは一種で、あ
るいは二種以上の混合物として使用することができる。
【0039】接触水素添加反応に使用できる溶媒の例と
しては、水、エタノール及びブタノール等のアルコー
ル、ジオキサン及びテトラヒドロフラン等のエーテル、
トルエン及びキシレン等の炭化水素、ジクロロメタン、
テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これらは単独
で使用することができ、二種以上の混合物として使用す
ることもできる。反応温度は使用する溶媒によって異な
るが一般には0 〜200 ℃でよく、10〜150 ℃が好まし
い。反応時間は一般には1 〜50時間程度でよく、反応圧
力は常圧〜100 気圧程度でよい。反応は攪拌下に行うこ
とが好ましい。
【0040】生成された式(III) の化合物を単離精製す
る方法は特に限定されるものではなく、公知の方法によ
り行うことができる。例えば、反応液から反応溶媒を留
去した後、残渣を常圧蒸留または真空蒸留することによ
り目的物を得ることができる。精製は蒸留により行うこ
とができ、また生成物が固体の場合は再結晶により精製
することもできる。
【0041】反応(2) により合成される式(III) のアミ
ノ化合物はR4が水素原子であり、R5がメチル基であ
るものを除いては新規な化合物であり、上記の通り本発
明の式(I) の化合物の合成の中間体として有用なもので
ある。
【0042】式(III) のアミノ化合物と塩化シアヌルの
ようなトリハロゲン化トリアジンのとの反応(反応(3))
も公知の方法により行うことができる。
【0043】例えば、塩基の存在下、塩化シアヌルと式
(III) のアミノ化合物を反応させることができる。この
ような反応に使用される塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、ナトリウムメチラート、カリウムt
−ブチラート、カリウムハイドライド等の無機塩基、ト
リエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、アニオン交換
樹脂(OH型)等の塩基物質の何れのものも使用可能で
あり、特に水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ピリ
ジン等が好ましい。これらの塩基は単独で使用してもよ
く、二種以上併用してもよい。塩基の添加量は塩化シア
ヌル1当量に対して一般には0.5 〜10当量であり、好適
には0.9 〜3.1 当量である。
【0044】反応(3) に使用することができる溶媒の例
としては、水、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン、ジクロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタン
等のハロゲン化炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル、トルエン、キシレン等の炭化水素、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリン等が挙げられ、これらは
一種または二種以上併用することもできる。また、溶媒
を使用せずに反応を行うこともできる。
【0045】尚、上記反応(3) の条件において塩化シア
ヌル等のトリハロゲン化トリアジン化合物に対する式(I
II) のアミノ化合物の当量を増加して反応を進行させる
ことにより、引き続き反応(4) により2個のR1の基を
有するトリアジン誘導体が得られる。
【0046】反応温度は使用する溶媒によっても異なる
が、反応(3) 及び(4) を通して一般には-20〜 200℃で
よく、-10 〜150 ℃が好ましい。特に好適には、反応
(3) により最初の置換基を導入する場合は-10 〜40℃、
反応(4) により二番目の置換基を導入する場合は20〜50
℃で、逐次反応させることが好ましい。反応時間は1 〜
50時間程度でよい。反応は攪拌下に行うことが好まし
い。
【0047】反応(3) により塩化シアヌルの一置換体を
製造する場合、アミノ化合物の量は塩化シアヌル1当量
に対して一般には0.5 〜1.5 当量程度でよく、好適には
0.9〜1.1 当量とする。反応(4) により塩化シアヌルの
二置換体を製造する場合は、アミノ化合物の量は塩化シ
アヌル1当量に対して一般には1.5 〜3 当量程度でよ
く、好適には1.9 〜2.2 当量とし、逐次反応させること
が好ましい。
【0048】上記の反応(3) 及び(4) の生成物を単離及
び精製する場合の単離精製方法も特に限定されるもので
はなく、公知の方法により行うことができる。例えば、
反応液から反応溶媒を留去した後、残渣を常圧蒸留また
は真空蒸留することにより目的物を得ることができる。
精製は蒸留により行うことができ、また生成物が固体の
場合は再結晶により精製することもできる。
【0049】上記の反応(3) により得られるトリアジン
誘導体は、下記式(II)
【0050】
【化13】 (式中、halはハロゲン原子を表し、R4、R5は前
記と同じ意味を有する)で表され、化合物として新規で
あり、上記のように本発明の式(I) の化合物の製造の中
間体として有用である。
【0051】式(II)のトリアジン誘導体、あるいは反応
(4) の生成物であるトリアジン誘導体と、式R2−Hに
対応するカップリング剤との反応(反応(5) 、(6) 及び
(7))にも公知の方法が採用できる。例えば、塩基の存在
下、トリアジン誘導体とカップリング剤を反応させるこ
とができる。
【0052】上記のような反応に使用できる塩基物質と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ナトリウム
メチラート、カリウムt−ブチラート、カリウムハイド
ライド等の無機塩基や、トリエチルアミン、ピリジン等
の有機塩基、アニオン交換樹脂(OH型)等の何れも使
用できる。水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ピリ
ジン等が特に好ましい。これらの塩基は単独で使用して
もよく、あるいは二種以上併用してもよい。塩基の添加
量はトリアジン誘導体1当量に対して一般には0.5 〜5
当量であり、好適には0.9 〜3.1 当量とする。
【0053】尚、反応(6) の条件において式(III) のト
リアジン誘導体に対する式R2−Hのカップリング剤の
当量を増加して反応を進行させることにより、引き続き
反応(7) により2個のR2の基を有する式(I) のトリア
ジン誘導体が得られる。
【0054】式(III) のトリアジン誘導体にR2のカッ
プリング基を1個導入する場合は、カップリング剤の量
はトリアジン誘導体1当量に対して一般には0.5 〜1.5
当量程度でよく、好適には0.9 〜1.1 当量とする。式(I
II) のトリアジン誘導体にR2のカップリング基を2個
導入する場合は、カップリング剤の量をトリアジン誘導
体1当量に対して一般には1.5 〜3 当量とすればよく、
好適には1.9 〜2.2 当量とする。
【0055】反応温度は使用する溶媒によって異なる
が、一般には-20 〜200 ℃でよく、-10 〜150℃が好ま
しい。特に好適には、トリアジン誘導体に二番目の置換
基を導入する場合は20〜50℃、三番目の置換基を導入す
る場合は40〜120 ℃で、逐次反応させることが好まし
い。反応時間は1 〜50時間程度でよい。反応は攪拌下に
行うことが好ましい。
【0056】上記の反応(5) 、(6) 及び(7) により得ら
れた式(I) の化合物を単離及び精製する場合の単離精製
方法も特に限定されるものではなく、公知の方法により
行うことができる。例えば、反応液から反応溶媒を留去
した後、残渣を常圧蒸留または真空蒸留することにより
目的物を得ることができる。精製は蒸留により行うこと
ができ、また生成物が固体の場合は再結晶により精製す
ることもできる。上記のようにして得られる本発明の式
(I) の化合物の例を以下に挙げるが、本発明の化合物は
これらに限定されるものではない。
【0057】2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−
5’−メチル−3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェ
ニルアミノ]−6−[3”−トリメトキシシリルプロピ
ルアミノ]−1,3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−エチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリメトキシシリルプロピルアミノ]−
1,3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−プロピル
−3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]
−6−[3”−トリメトキシシリルプロピルアミノ]−
1,3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−ブチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリメトキシシリルプロピルアミノ]−
1,3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリエトキシシリルプロピルアミノ]−
1,3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリプロポキシシリルプロピルアミノ]−
1,3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリメトキシシリルメチルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリメトキシシリルエチルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2−クロロ−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリメトキシシリルブチルアミノ]−1,
3,5−トリアジン
【0058】2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−
メチル−3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルア
ミノ]−6−[3”−トリメトキシシリルプロピルアミ
ノ]−1,3,5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−エチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリメトキシシリルプロピルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−プロピル−
3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
6−[3”−トリメトキシシリルプロピルアミノ]−
1,3,5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−ブチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリメトキシシリルプロピルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリエトキシシリルプロピルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリプロポキシシリルプロピルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリメトキシシリルメチルアミノ]−1,3,
5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリメトキシシリルエチルアミノ]−1,3,
5−トリアジン 2,4−ビス[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−6−
[3”−トリメトキシシリルブチルアミノ]−1,3,
5−トリアジン
【0059】2,6−ビス[3”−トリメトキシシリル
プロピルアミノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メ
チル−3’−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミ
ノ]−1,3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリメトキシシリルプロピルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−エチル−3’−
(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリメトキシシリルプロピルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−プロピル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリメトキシシリルプロピルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−ブチル−3’−
(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリエトキシシリルプロピルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−
(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリプロポキシシリルプロピルア
ミノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’
−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリメトキシシリルメチルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−
(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリメトキシシリルエチルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−
(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン 2,6−ビス[3”−トリメトキシシリルブチルアミ
ノ]−4−[2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−
(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−1,
3,5−トリアジン
【0060】本発明の紫外線吸収性化合物を有効成分と
して含む紫外線吸収剤は、コーティング法、浸漬法、バ
ッティング法、スプレー法等により紫外線から保護しよ
うとする物質または紫外線を遮断しようとする物質に塗
布あるいは含浸することにより付与し、反応させること
ができ、あるいは直接混合することにより付与して反応
させてもよい。必要であれば熱処理を行って紫外線吸収
性化合物と保護しようとする物質等との反応を促進して
もよい。
【0061】また、紫外線から保護しようとする物質ま
たは紫外線を遮断しようとする物質に本発明の紫外線吸
収性化合物の中間体を付与してその物質上で反応させて
本発明の紫外線吸収性化合物を形成し、さらに前記物質
と反応させるようにすることもできる。
【0062】本発明の紫外線吸収性化合物を紫外線から
保護しようとする物質または紫外線を遮断しようとする
物質に結合させるために任意に酸または塩基を使用して
もよい。
【0063】使用可能な酸としては例えば塩酸、リン
酸、硫酸等の無機酸、酢酸、安息香酸等の有機酸等が挙
げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメチラ
ート、酢酸ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸カリウ
ム、炭酸カリウム、カリウムメチラート、酢酸カリウ
ム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸ア
ンモニウム、アンモニウムメチラート、酢酸アンモニウ
ム等の無機塩基、メチルアミン、ジメチルアミン等の有
機塩基を挙げることができる。
【0064】これらの酸または塩基は単独で、またはは
二種以上混合して使用してもよい。これらの酸、塩基の
使用量は使用される紫外線吸収化合物の種類、溶媒、使
用される目的物により異なるが、一般的な処理濃度はは
通常0.1〜10重量%であり、紫外線吸収化合物の
0.5モル%〜2.0モル%が好ましい。
【0065】本発明の紫外線吸収性化合物を処理対象物
に塗布、含浸等により付与するためには、紫外線吸収性
化合物を直接処理対象物に塗布等してもよいが、適当な
溶媒に溶解して使用することが好ましい。紫外線吸収化
合物にアミノベンゼンスルホン酸ソーダ等を反応させて
水溶性にすれば、水を溶媒として使用することもでき
る。
【0066】本発明において使用可能な溶媒の例として
は、水、エタノール及びブタノール等のアルコール、ジ
オキサン及びテトラヒドロフラン等のエーテル、トルエ
ン及びキシレン等の炭化水素、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸及び酪
酸等のカルボン酸、エチレングリコールモノエチルエー
テルのようなセロソルブ、酢酸エチルのようなエステ
ル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙
げられる。これらの溶媒は単独でまたは二種以上の混合
物として使用することができる。、溶媒を使用せずに反
応させることができる。
【0067】また界面活性剤を使用して、本発明の紫外
線吸収性化合物を乳化あるいは可溶化して使用すること
もできる。界面活性剤としては公知の界面活性剤を使用
することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、高
級アルコールのエチレンオキシド付加物、アルキルサル
フェート、脂肪酸エステル及びそのエチレンオキシド付
加物等を挙げることができる。界面活性剤の使用量は溶
媒を使用する場合、溶媒等に紫外線吸収化合物を分散で
きる量であればよく、通常は溶媒に対して0.1〜10
重量%の量が好ましい。
【0068】本発明の紫外線吸収性化合物を紫外線から
保護しようとする物質または紫外線を遮断しようとする
物質に反応させて結合する場合の温度は使用する溶媒等
によって異なるが、一般に20〜200℃程度でよく、
40〜150℃が好ましい。
【0069】上記の本発明の紫外線吸収化合物は単独で
あるいは二種以上混合して使用してもよく、さらに一種
以上の他の公知の紫外線吸収剤と混合して使用すること
もできる。さらに酸化防止剤、界面活性剤、帯電防止
剤、殺菌、防菌、防黴剤、シリコンカップリング剤、シ
リコンオイル、樹脂、色材、紫外線反射剤、架橋剤、柔
軟剤、撥水剤、増粘剤、固着剤等を併用してもよい。
【0070】本発明の紫外線吸収性化合物は多様な用途
に利用可能であるが、その例の一部を以下に挙げる。
【0071】1) 繊維製品に付与して、洗濯等により
脱離しない耐光性、紫外線吸収能及び紫外線遮断能(紫
外線透過防止能)を長期間保持し得る繊維製品を提供す
ることができる。
【0072】繊維製品には織物、編み物、不織布等が含
まれ、より具体的にはビーチパラソル、ゴルフウェア等
の衣類、カーテン、染色物、フスマ、タタミ等の内装
品、建材等の変色防止及び紫外線透過防止等にも利用で
きる。
【0073】2) ガラス等に付与して紫外線吸収能ま
たは紫外線遮断能を持ったガラスを提供することができ
る。
【0074】本発明の紫外線吸収化合物を添加した合成
樹脂系プライマーコーティング溶液は、金属、ガラス、
木材、重合体等の表面に耐光性、紫外線遮断及び紫外線
吸収性等のコーティングを与えるのに有用で、浸漬、噴
霧、スピンコーティング、流し塗り等の通常の溶液コー
ティング法により基体に適用することができる。
【0075】さらに合成樹脂系プライマーコーティング
溶液には必要に応じて着色剤、蛍光増白剤、耐光安定
剤、酸化防止剤、可塑剤等を加えてもよい。
【0076】また、合成樹脂に紫外線吸収化合物、必要
に応じて着色剤、可塑剤、耐光安定剤、酸化防止剤等を
加えて混練して、樹脂組成物を提供することができる。
【0077】樹脂組成物は例えばシート状にして合わせ
ガラスの中間膜等を製造することができる。
【0078】3) 合成樹脂等に付与して紫外線吸収剤
がブリードアウトしない製品を提供することができる。
例えば、合成樹脂等に添加混合することにより付与して
紫外線遮断または紫外線吸収フィルムを製造することが
できる。
【0079】4) 各種の無機−有機複合体(ハイブリ
ッド)について、有機材料部分あるいは無機材料部分に
本発明の紫外線吸収性化合物を付与して、特に紫外線吸
収能または紫外線遮断能を持った複合材料を提供するこ
とができる。
【0080】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0081】実施例1 中間体化合物の合成1 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−ニトロ
フェニル)ベンゾトリアゾールの合成(反応(1)) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール2.3g(0.01モル)のクロロホル
ム溶液(20ml)に硝酸鉄(III) 九水和物4.4g
(0.011モル)を加え、40〜50℃で1時間攪拌
下反応させた後、溶媒を留去し、残留物をクロロホルム
から再結晶させて白色結晶の表題の化合物2.4gを得
た(収率90%)。
【0082】融点:184〜185℃ 赤外線スペクトル(IR):1340cm-1、1540
cm-1(ニトロ基) 元素分析値:C 57.61%、H 3.71%、N
20.72%1 H−NMR(CDCl3)δppm:2.50(s,3
H)、7.50〜8.00(m,4H)、7.90(d
d,1H)、8.40(d,1H)、12.20(s,
1H)
【0083】中間体化合物の合成2 2−(3’−アミノ−2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾールの合成(反応(2)) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−ニトロ
フェニル)ベンゾトリアゾール2.7g(0.01モ
ル)を酢酸エチル(200ml)に溶解し、0.2gの
パラジウム炭素の存在下、室温で12時間攪拌しながら
水素により還元反応を行った。その後パラジウム炭素を
除去し、溶媒を留去し、残留物をクロロホルムから再結
晶させて2.3g(収率97%)の表題化合物を白色結
晶として得た。
【0084】融点:222〜223℃ IR:3300cm-1、3450cm-1(アミノ基) 元素分析値:C 64.91%、H 5.01%、N
23.30%1 H−NMR(CDCl3)δppm:2.35(s,3
H)、4.00(s,2H)、6.60(dd,1
H)、7.40〜8.00(m,4H)、7.60
(d,1H)、11.20(s,1H)
【0085】中間体化合物の合成3 2−[3’−(3”,5”−ジクロロ−2”,4”,
6”−トリアジニルアミノ)−2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールの合成(反応
(3)) 塩化シアヌル18.4g(0.1モル)のアセトン溶液
(160ml)を水酸化ナトリウム4g(0.1モル)
の水溶液(50ml)に0〜5℃で加えて溶解した。得
られた溶液に2−(3’−アミノ−2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール24.0g
(0.1モル)のアセトン溶液(200ml)を0〜5
℃で攪拌しながら滴下し、さらに1時間同温度で反応さ
せた後、溶媒を留去し、残留物をクロロホルムから再結
晶させて35.7g(収率92%)の表題化合物を白色
結晶として得た。この化合物のIR吸収スペクトルを図
1に示す。
【0086】融点:222〜223℃ IR:3400cm-1(アミノ基) 元素分析値:C 49.21%、H 2.80%、N
2.51%1 H−NMR(CDCl3)δppm:2.50(s,3
H)、7.46〜8.02(m,4H)、8.06(d
d,1H)、8.24(d,1H)、8.35(s,1
H)、11.85(s,1H)
【0087】実施例2 2−クロロ−4−(3’−トリメトキシシリルプロピル
アミノ)−6−[2”−ヒドロキシ−5”−メチル−
3”−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニルアミノ]−
1,3,5−トリアジンの合成(反応(6)) 2−[3’−(3”,5”−ジクロロ−2”,4”,
6”−トリアジニルアミノ)−2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール3.9g(0.
01モル)のアセトン溶液(50ml)を水酸化ナトリ
ウム0.4g(0.01モル)の水溶液(20ml)に
加えて得られた懸濁液に、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン1.8g(0.01モル)のアセトン溶液
(30ml)を30〜35℃で攪拌しながら滴下し、さ
らに1時間同温度で反応させた。その後溶媒を留去し、
残留物をクロロホルムから再結晶させて5.0g(収率
94%)の表題化合物を白色結晶として得た。この化合
物のIR吸収スペクトルを図2に示す。
【0088】融点: 219〜220℃ IR:1090cm-1(シラノ基)、3280cm-1
3410cm-1(アミノ基) 元素分析値:C 49.55%、H 5.02%、N
21.01%1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.75(t,2
H)、1.80(tt,2H)、2.45(s,3
H)、3.60(s,9H)、3.60(m,2H)、
5.70(s,1H)、7.45〜8.00(m,4
H)、7.95(dd,1H)、8.30(s,1
H)、8.35(s,1H)、11.85(s,1H)
【0089】実施例3 試験布を次の条件で処理した後、水洗し、風乾した。以
上の操作により得られた試料と未処理試料の紫外線透過
率を積分球付き自記分光光度計U−3410(日立製作
所製)を使用して測定した。測定結果を表1に示す。ま
た試験布の種類も表1に示す(以下同様)。
【0090】処理条件 紫外線吸収性化合物(実施例1のもの) 5重量% 炭酸ナトリウム 2重量% 硫酸ナトリウム 10重量% 水 残部 浴比(浴と布の重量比) 20:1 処理温度・時間 90℃×30分
【0091】実施例4 試験布を次の処理液及び条件で処理した後、水洗し、風
乾した。以上の操作により得られた試料と未処理試料の
紫外線透過率を実施例3と同様に測定した。結果を表1
に示す。
【0092】処理液及び処理条件 紫外線吸収性化合物(実施例1のもの) 5重量% 炭酸ナトリウム 2重量% 硫酸ナトリウム 10重量% 3−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム 5重量% 水 残部 浴比 20:1 処理温度・時間 90℃×30分
【0093】実施例5 実施例4における3−アミノベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムの代わりに4−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを用いた以外は実施例4と同様な操作を行った。結果
を表1に示す。
【0094】実施例6 実施例4における3−アミノベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムの代わりに2−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを用いた以外は実施例4と同様な操作を行った。結果
を表1に示す。
【0095】実施例7 試験布を次の処理液及び条件で処理した後、実施例3と
同様に処理し、測定を行った。結果を表1に示す。
【0096】処理液及び処理条件 紫外線吸収化合物(実施例1のもの) 5重量% Tween80 2重量% 水 残部 浴比 20:1 処理温度・時間 90℃×30分
【0097】実施例8 試験布を下記の組成の処理液で処理し、マングルにより
絞り率100%(処理液付着量が布重量に対して100
重量%)とし、90℃で3分間熱処理を行った。得られ
た試料について実施例3と同様に測定を行った。結果を
表1に示す。
【0098】処理液 紫外線吸収化合物(実施例2のもの) 5重量% 酢酸 2重量% 水 残部 浴比 20:1
【0099】
【表1】
【0100】上記実施例で処理された試験布をJIS
L 0217 103法に準拠して10回洗濯し、同様
に紫外線透過率を測定したが、洗濯前とほぼ同等であ
り、洗濯耐久性があることが判った。
【0101】実施例9 綿ブロードを直接染料(C.I. Direct Red 31)により1%
(owt) で常法に従い染色し、乾燥した後、実施例1で得
られた紫外線吸収化合物0.10gをクロロホルム20
mlに溶解した処理浴に浸漬し、乾燥させ、さらに炭酸
ソーダ0.5%水溶液に浸漬し、マングルにより絞り率
100%とし100℃で3分間熱処理を行った。
【0102】以上の操作により得られた綿ブロード試料
の耐光性をJIS−0842(カーボンアーク光に対す
る染色堅牢度試験方法)に従って試験した。結果を表2
に示す。
【0103】実施例10 綿ブロードを直接染料(C.I. Direct Red 31)により1%
(owt) で常法に従い染色し、乾燥させた試験布を下記の
組成の処理液で処理し、マングルにより絞り率100%
とし、90℃で3分間熱処理を行った。
【0104】処理液 紫外線吸収化合物(実施例2のもの) 5重量% 酢酸 2重量% 水 残部 浴比 10:1 以上の操作により得られた試料の耐光性を実施例9と同
様に測定した。結果を表2に示す。
【0105】実施例11 ウールモスリンを酸性染料(C.I. Acid Green 9) により
1%(owt) で常法に従い染色し、乾燥させた後、実施例
1で得られた紫外線吸収化合物0.10gをアセトン1
0ml、3−アミノベンゼンスルホン酸ソーダ0.06
g、炭酸ソーダ0.03g、水5mlの処理浴に浸漬
し、マングルにより絞り率100%とし、100℃で3
分間熱処理を行った。以上の操作により得られた試料の
耐光性を実施例9と同様に測定した。結果を表2に示
す。
【0106】実施例12 ウールモスリンを酸性染料(C.I. Acid Green 9) により
1%(owt)で常法に従い染色し、乾燥させた試験布を実
施例10と同様に処理し、測定を行った。結果を表2に
示す。
【0107】
【表2】
【0108】上記実施例で処理された試験布をJIS
L 0217 103法に準拠して10回洗濯し、同様
に耐光堅牢度を測定したが、洗濯前とほぼ同等であり、
洗濯耐久性があることが判った。
【0109】実施例13 水100mlに3−アミノプロピルトリメトキシシラン
1.8g(0.01モル)、2− [3’−(3”,5”
−ジクロロ−2”,4”,6”−トリアジニルアミノ)
−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル]ベンゾト
リアゾール3.9g(0.01モル)、水酸化ナトリウ
ム0.4g(0.01モル)を加え50℃に加熱し、溶
解して得られた溶液をガラス基板(27mm×270m
m×3mm)に塗布し、風乾した後、120〜130℃
で30分加熱処理を行って紫外線吸収透明体を得た。得
られた紫外線吸収透明体の各波長における紫外線透過率
を測定した。結果を図3に示す。
【0110】図3に示した結果から判るように、波長4
00nm以下の光をほぼ遮蔽する紫外線吸収透明体が得
られた。
【0111】実施例14 実施例13における2− [3’−(3”,5”−ジクロ
ロ−2”,4”,6”−トリアジニルアミノ)−2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾー
ルの代わりに2−クロロ−4−(3’−トリメトキシシ
リルプロピルアミノ)−6−[2”−ヒドロキシ−5”
−メチル−3”−(2−ベンゾトリアゾリル)フェニル
アミノ]−1,3,5−トリアジンを使用し、水酸化ナ
トリウム0.4gの代わりに酢酸0.2mlを用いた以
外は実施例13と同様な操作を行い、紫外線吸収透明体
を得た。得られた紫外線吸収透明体の各波長における紫
外線透過率を測定した。結果を図3に示す。
【0112】図3に示した結果から判るように、波長4
00nm以下の光をほぼ遮蔽する紫外線吸収透明体が得
られた。
【0113】
【発明の効果】本発明の紫外線吸収性化合物は、紫外線
から保護しようとする物質または紫外線を遮断しようと
する物質に結合し、その物質の使用中に遊離せず、長期
間紫外線吸収効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の中間体化合物の合成3で合成され
た化合物のIR吸収スペクトルを示す図である。
【図2】 実施例2の本発明の紫外線吸収性化合物のI
R吸収スペクトルを示す図である。
【図3】 本発明の紫外線吸収性化合物を使用して実施
例13及び14において得られた紫外線吸収透明体の紫
外線吸収特性を示すグラフである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は 【化2】 を表し、R4、R5はそれぞれ独立して水素原子、ハロ
    ゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシル
    基または−(CH2)m COOHを表し、mは1〜10の
    整数を表し、R2は 【化3】 を表し、R6はアミノ基(−NH−)を含んでいてもよ
    い炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R7、R8及
    びR9はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基を表し、
    R3はハロゲン原子またはR1またはR2を表す)で表
    される化合物。
  2. 【請求項2】 R4が水素原子、R5がメチル基、R6
    が−(CH2)3 −、R7、R8、 R9がそれぞれメト
    キシ基、R3が塩素原子である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化合物を有効
    成分として含む紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 一般式(II) 【化4】 (式中、halはハロゲン原子を表し、R4、R5は請
    求項1に記載のものと同じ意味を有する)で表される化
    合物。
  5. 【請求項5】 R4が水素原子、R5がメチル基、ha
    lが塩素原子である請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(III) 【化5】 (式中、R4、R5は請求項1に記載のものと同じ意味
    を有する)で表される化合物(但しR4が水素原子であ
    り、R5がメチル基であるものを除く)。
  7. 【請求項7】 一般式(IV) 【化6】 (式中、R4、R5は請求項1に記載のものと同じ意味
    を有する)で表される化合物(但しR4が水素原子であ
    り、R5がメチル基であるものを除く)。
  8. 【請求項8】 一般式(II)で表される化合物を、式R2
    −H(式中、R2は前記と同義である)で表される化合
    物と反応させることからなる請求項1に記載の化合物の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(II)で表される化合物を、式(II
    I) の化合物と反応させ、次いで式R2−H(式中、R
    2は前記と同義である)で表される化合物と反応させる
    ことからなる請求項1に記載の化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 一般式(III) で表される化合物を、式 【化7】 (式中、halはハロゲン原子を表す)で表される化合
    物と反応させることからなる一般式(II)で表される化合
    物の製造方法。
  11. 【請求項11】 一般式(IV)で表される化合物を還元す
    ることからなる一般式(III) で表される化合物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 式(V) 【化8】 (式中、R4、R5は請求項1に記載のものと同じ意味
    を有する)で表される化合物をニトロ化することからな
    る一般式(IV)で表される化合物(但しR4が水素原子で
    あり、R5がメチル基であるものを除く)の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018528165A (ja) * 2015-07-07 2018-09-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 置換ベンゾトリアゾールフェノール

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