JPH11130477A - 複層ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

複層ガラスおよびその製造方法

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JPH11130477A
JPH11130477A JP9301158A JP30115897A JPH11130477A JP H11130477 A JPH11130477 A JP H11130477A JP 9301158 A JP9301158 A JP 9301158A JP 30115897 A JP30115897 A JP 30115897A JP H11130477 A JPH11130477 A JP H11130477A
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glass
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self
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Application number
JP9301158A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Sugata
菅田義敬
Akira Sakata
昭 坂田
Hiromi Hase
長谷広美
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11130477A publication Critical patent/JPH11130477A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造工程を簡素化することができるとともに、
高い封着信頼性を簡潔に達成することができ、したがっ
て製造コストも低減できる複層ガラスおよびその製造方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】スペーサーは、全長にわたり剛性部材を埋
設し、かつ乾燥剤を充填した紐状の硬化性樹脂層からな
る第1のスペーサーと自己粘着性を有する紐状の樹脂層
からなる第2のスペーサーから構成され、第1のスペー
サーを内側に、第2のスペーサーを外側にして、配設す
るようにしたことを特徴とするものであり、その製造方
法としては、未硬化あるいは半硬化状態にある第1のス
ペーサー内側にして、自己粘着性を有する紐状の樹脂層
からなる第2のスペーサーを外側にして、一方の板ガラ
スの周縁端部に貼り付けた後、その上に他方の板ガラス
を貼り付け圧着し、粘着一体化させた後、未硬化あるい
は半硬化状態にある第1のスペーサーを硬化させると同
時に板ガラスと強固に接着一体化させることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱性能を有する
複層ガラスで、住宅・非住宅などの建築分野、自動車・
車両・船舶・航空機などの輸送分野、冷凍庫・冷凍ショ
ーケース・恒温恒湿槽などの設備機器分野などの省エネ
ルギーを要求される開口部に適用される。
【0002】
【従来の技術】最近、省エネルギーに優れた快適で健康
な住環境をつくるため、従来に増して断熱性能を有する
複層ガラスの使用頻度が高まり、急速に普及している。
この複層ガラスとして、種々のものが使用されまた、提
案されている。
【0003】例えば、複層ガラス用スペーサーとして
は、特開昭59-45149号公報などに開示されているような
乾燥剤を充填したアルミニウム製筒状中空体などが知ら
れている。この筒状のアルミスペーサーは予め所定の寸
法に切断され、中空部に乾燥剤を充填した後、各端部を
コーナー接続キーを用いて接合して枠体に組み立てられ
るか、あるいは所定の形状に折り曲げ加工され、端部を
接続キーを用いて接合して枠体に組み立てられた後、中
空部に乾燥剤を充填する。つぎにこの筒状のアルミスペ
ーサー枠体のガラスと接着される2面に1次封着材とし
てブチルゴム系封着材を塗布し、これを一方の板ガラス
の周縁端部のやや内側に貼り付けた後、その上に他方の
ガラスを貼り付け圧着し、粘着一体化させ、2枚の板ガ
ラスとスペーサーで中空空間を形成するとともに、その
後その外側の断面が略コ字状の開放された凹状空間に2
次封着材として液状のポリサルファイド系、シリコーン
系、ポリウレタン系樹脂を塗布充填し、常温付近の温度
で硬化させると同時に板ガラスと強固に接着一体化させ
る、いわゆるデュアルシール方式の複層ガラスが現在、
最も一般的なものである。
【0004】また例えば、特公昭63-50508号公報、特開
平6-123191号公報には、乾燥剤を充填した自己粘着性を
有する樹脂層の中に、連続した剛性スペーサー、例えば
波形のアルミニウム板などを埋設した紐状のものを、一
方の板ガラスの周縁端部のやや内側に貼り付けた後、そ
の上に他方の板ガラスを貼り付け圧着し、粘着一体化さ
せ、2枚の板ガラスとスペーサーで密封された中空空間
が形成される、いわゆるシングルシール方式の複層ガラ
スが記載されており、現在一部使用されているものもあ
る。
【0005】また例えば、特開平7-291677号公報には、
並行なガラス板間に気層を介在して接合部材で複数のガ
ラス板を重合一体化した複層ガラスにおいて、接合部材
が、ガラス板の周縁に沿った周囲に貼着される付加反応
型接着層を両面に備えた弾性体からなり、付加反応型接
着層とガラスとの間に反応触媒層を介在させて圧接し、
付加反応型接着層と硬化反応一体化させるものであり、
接合部材が凹溝を備え、接合部材の外周面に凹溝を含め
金属箔などの箔状のガスバリヤー材を被覆接合あるいは
絞り加工しまた、凹溝に吸湿剤を充填配備したものであ
りまた、金属箔などの箔状のガスバリヤー材とガラス板
を低融点金属を用いて接着させることにより、水分子の
侵入を防止したことを特徴とする複層ガラスが記載され
ている。
【0006】また例えば、特開平9-77536号公報には、
2枚以上のガラス板が中空層を形成するように樹脂製ス
ペーサーを介して対向配置され、かつガラス板の周縁部
とスペーサーの外周部とで凹部が形成されて凹部にシー
ル材が充填されてなる複層ガラスにおいて、シール材が
60℃以上の温度において流動性を示し、かつ25℃に
おいて、JISA硬度が25以上70未満の熱可塑性樹
脂からなることを特徴とする複層ガラスが記載されてい
る。
【0007】また例えば、特開平4-250285号公報には、
2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、この間隔を保持
するスペーサーをこのパネルの周縁端部に配設すること
により密封された中空空間が形成される複層ガラスにお
いて、スペーサーが、断面がU字型の、例えばステンレ
ス304のような金属製、あるいはガスおよび湿分不透
過性フィルムで被覆したガラス繊維補強プラスチック製
の剛性隔離部材の開口部が中空空間側を向き、かつ中央
底部の内側に乾燥剤を充填した、例えばポリウレタン、
シリコーンのような湿分透過性樹脂層を塗布配設し、か
つガラスと粘着接合する外側部分に1次封着材として、
例えばポリイソブチレンのような湿分不透過性接着剤型
密封材を塗布したものであり、これを一方の板ガラスの
周縁端部のやや内側に貼り付けた後、その上に他方のガ
ラスを貼り付け圧着し、粘着一体化させ、2枚の板ガラ
スとスペーサーで中空空間を形成するとともに、その後
その外側の断面が略コ字状の開放された凹状空間に2次
封着材として構造接着剤型密封材を設ける、いわゆるデ
ュアルシール方式の複層ガラスが記載されている。実用
上は構造接着剤型密封材として、例えば液状のポリサル
ファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系樹脂を塗布
充填し、常温付近の温度で硬化させると同時に板ガラス
と強固に接着一体化させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た例えば、特開昭59-45149号公報などに記載の筒状のア
ルミスペーサーを用いた複層ガラスは、予め筒状のアル
ミスペーサーを所定の寸法に切断し、中空部に乾燥剤を
充填し、各端部をコーナー接続キーを用いて接合して枠
体に組み立てられるか、あるいは所定の形状に折り曲げ
加工され、端部を接続キーを用いて接合して枠体に組み
立てられた後、中空部に乾燥剤を充填する。つぎにこの
筒状のアルミスペーサー枠体のガラスと接着される2面
に1次封着材としてブチルゴム系封着材を塗布し、これ
を一方の板ガラスの周縁端部のやや内側に貼り付けた
後、その上に他方の板ガラスを貼り付け圧着し、粘着一
体化させ、さらに2枚の板ガラスと筒状のアルミスペー
サーで形成された外側の断面が略コ字状の開放された凹
状空間に2次封着材として液状のポリサルファイド系、
シリコーン系、ポリウレタン系樹脂を塗布充填し、常温
付近の温度で硬化させると同時に板ガラスと強固に接着
一体化させるものであり、製造工程が煩雑であり、その
ために製造コストが高いものである。
【0009】また、2次封着材が液状のものであるの
で、塗布工程の管理調整が悪い場合にはコーナー部にお
ける液不足や直線部における液だれが発生し、そのため
に作業性が低下しまた、板ガラスが汚れるなど製品歩留
まりが低下するという問題がある。さらには生産ライン
全体が止まるという事態になることもある。
【0010】また、乾燥剤を充填した筒状のアルミスペ
ーサーは剛性が高いので、2次元あるいは3次元曲面ガ
ラスについて複層ガラスを作製することは、曲率半径が
大きい場合を除いては、通常は大変に困難であるか、あ
るいは実際上できない。
【0011】また、乾燥剤を充填した筒状のアルミスペ
ーサーは剛性が高いので、中空空間側に凹凸加工を施し
た、例えば型板ガラス、フュージョンガラス、印刷ガラ
ス、ステンドガラスなどの板ガラスについて複層ガラス
を作製することは、凹凸がごく小さい場合を除いては、
通常は大変に困難であるか、あるいは実際上できない。
【0012】また例えば、特公昭63-50508号公報、特開
平6-123191号公報に記載の複層ガラスは、乾燥剤を充填
した自己粘着性を有する樹脂層の中に、連続した剛性ス
ペーサー、例えば波形のアルミニウム板などを埋設した
紐状のものを板ガラスの周縁端部あるいはそのやや内側
に配設するだけであるので、製造工程が簡素化され、製
造コストも比較的に安いものであるが、乾燥剤を充填し
た自己粘着性を有する樹脂層と板ガラスとの粘着強さ
は、例えば夏季のような高温雰囲気下において保管する
ような場合には著しく低下するので、保管状態によって
はサッシにはめ込む前にずり変形が発生しやすいという
問題がありまた、このずり変形を防止するため、2枚の
板ガラスとスペーサーで形成された外側の断面が略コ字
状の開放された凹状空間に、筒状のアルミスペーサーを
用いた場合と同様に2次封着材として液状のポリサルフ
ァイド系、シリコーン系、ポリウレタン系樹脂を塗布充
填し、常温付近の温度で硬化させると同時に板ガラスと
強固に接着一体化させることもあるが、この場合には、
製造コストが筒状のアルミスペーサー方式に比べさらに
高くなるという問題がある。
【0013】また、2次封着材として液状のものを塗布
充填する場合、塗布工程の管理調整が悪い場合にはコー
ナー部における液不足や直線部における液だれが発生
し、そのために作業性が低下しまた、板ガラスが汚れる
など製品歩留まりが低下するという問題がある。さらに
は生産ライン全体が止まるという事態になることもあ
る。
【0014】また例えば、特開平7-291677号公報に記載
の複層ガラスは、ガラス板の接合対向面に反応触媒層を
離形兼キャリアシートから剥離して転写し、接合部材と
しての弾性体の両面に備えた付加反応型接着層と圧接
し、硬化反応一体化させるものであり、硬化剤としての
反応触媒層と主剤としての付加反応型接着層を分離して
いるので、反応触媒層を2枚のガラス板のそれぞれに離
形兼キャリアシートから剥離して転写するという工程が
煩雑でありまた、接合部材の外周面に凹溝を含め金属箔
などの箔状のガスバリヤー材を被覆接合あるいは絞り加
工するという工程も煩雑でありまた、金属箔などの箔状
のガスバリヤー材のガラス接触面に低融点金属層を塗布
加工し、組立セット後に加熱融解させることにより、接
着一体化させる工程も煩雑である。
【0015】また例えば、特開平9-77536号公報に記載
の複層ガラスは、2枚以上のガラス板が中空層を形成す
るように樹脂製スペーサーを介して対向配置され、かつ
ガラス板の周縁部とスペーサーの外周部とで凹部が形成
されて凹部にシール材が充填されてなる複層ガラスにお
いて、シール材が60℃以上の温度において流動性を示
し、かつ25℃において、JISA硬度が25以上70
未満の熱可塑性樹脂からなるものであり、熱可塑性樹脂
を加熱溶融させて流動性を示させ、押出成形機などを用
いて凹部に充填させる工程は、過不足なく定量供給する
ための精密な制御装置が必要とされるものであるので、
初期設備投資額が大きいという問題がある。また、例え
ば夏季のような強い直達日射により、庇がなく、アルミ
サッシが60℃以上の温度になるような場合もあり、ア
ルミサッシの中で中空空間の膨張による塑性変形が発生
しやすいという問題がある。
【0016】また例えば、特開平4-250285号公報に記載
の複層ガラスは、スペーサーが、断面がU字型の剛性隔
離部材の開口部が中空空間側を向き、かつ中央底部の内
側に乾燥剤を充填した湿分透過性樹脂層を塗布配設し、
かつガラスと粘着する外側部分に1次封着材として湿分
不透過性接着剤型密封材を塗布したものであり、2枚の
板ガラスとスペーサーで中空空間を形成するとともに、
その後その外側の断面が略コ字状の開放された凹状空間
に2次封着材として構造接着剤型密封材を設けるもので
あるが、実用上は液状のポリサルファイド系、シリコー
ン系、ポリウレタン系樹脂を塗布充填し、常温付近の温
度で硬化させると同時に板ガラスと強固に接着一体化さ
せるものであり、2次封着材が液状のものであるので、
塗布工程の管理調整が悪い場合にはコーナー部における
液不足や直線部における液だれが発生し、そのために作
業性が低下しまた、板ガラスが汚れるなど製品歩留まり
が低下するという問題がある。さらには生産ライン全体
が止まるという事態になることもある。
【0017】また、断面がU字型の剛性隔離部材である
スペーサーは剛性が高いので、2次元あるいは3次元曲
面ガラスについて複層ガラスを作製することは、曲率半
径が大きい場合を除いては、通常は非常に困難である
か、あるいは実際上できない。
【0018】また、断面がU字型の剛性隔離部材である
スペーサーは剛性が高いので、中空空間側に凹凸加工を
施した、例えば型板ガラス、フュージョンガラス、印刷
ガラス、ステンドガラスなどの板ガラスについて複層ガ
ラスを作製することは、凹凸がごく小さい場合を除いて
は、通常は大変に困難であるか、あるいは実際上できな
い。
【0019】本発明は、従来のかかる課題に鑑みてなさ
れたものであり、第1のスペーサーと第2のスペーサー
を順次連続した、あるいは同時の工程で配設することが
できるので、製造工程を簡素化することができるととも
に、高い封着信頼性を簡潔に達成することができ、した
がって製造コストも低減できる複層ガラスおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置
し、この間隔を保持するスペーサーをこのパネルの周縁
端部に配設することにより密封された中空空間が形成さ
れる複層ガラスにおいて、前記スペーサーは第1のスペ
ーサーと第2のスペーサーとの少なくとも2層からな
り、第1のスペーサーはその全長に亘り連続した剛性部
材を埋設し、かつ乾燥剤を充填した紐状の硬化性樹脂層
からなるものであり、第2のスペーサーは自己粘着性を
有する紐状の樹脂層からなるものであり、第1のスペー
サーを内側に、第2のスペーサーを外側にして、それぞ
れのスペーサーを配設するようにしたことを特徴とする
ものであり、さらに第2のスペーサーの全長に亘り連続
した剛性部材を埋設したものであってもよい。
【0021】また、その製造方法としては、スペーサー
は第1のスペーサーと第2のスペーサーとの少なくとも
2層からなり、第1のスペーサーとしてその全長に亘り
連続した剛性部材を埋設し、かつ乾燥剤を充填した紐状
の未硬化あるいは半硬化状態にある硬化性樹脂層からな
るものを内側にして、第2のスペーサーとして自己粘着
性を有する紐状の樹脂層からなるものを外側にして、一
方の板ガラスの周縁端部あるいはそのやや内側に貼り付
けた後、その上に他方の板ガラスを貼り付け圧着し、粘
着一体化させた後、未硬化あるいは半硬化状態にある第
1のスペーサーを硬化させると同時に板ガラスと強固に
接着一体化させることを特徴とするものであり、この場
合に第2のスペーサーの全長に亘り連続した剛性部材を
埋設したものであってもよく、さらに第1のスペーサー
と第2のスペーサーを予め貼り合わせて紐状とし、部分
的に自己粘着性を有するスペーサーとするとより好まし
い。
【0022】ここで、第1のスペーサーと第2のスペー
サーがともに紐状のものとして取り扱うことのできるこ
とが本発明の特徴とするところである。少なくとも第1
のスペーサーと第2のスペーサーとからなるスペーサー
は、2枚の板ガラスを所定の間隔で保持する間隔保持材
と、中空空間を密封する封着材としての両方の機能を同
時に満足するものである。
【0023】第1のスペーサーと第2のスペーサーは、
各々分離されたスペーサーとして順次連続して配設す
る、あるいは予め貼り合わせて一本にまとめられたスペ
ーサーとして、配設・接着一体化することにより、デュ
アルシール方式に相当する構成を準シングルシール方式
ともいえる方式により封着することができるので、製造
工程を簡素化することができるとともに、高い封着信頼
性を簡潔に達成することができ、したがって製造コスト
も安くすることができる。
【0024】また、2次封着材が従来技術のように液状
の硬化性樹脂を塗布するのではなく、第2のスペーサー
として自己粘着性を有する予め紐状に成形された樹脂層
を配設するだけであるので、塗布工程の管理調整が悪い
場合に発生するコーナー部における液不足や直線部にお
ける液だれによる作業性の低下や板ガラスの汚れなどに
よる製品歩留まりが低下するという問題がなく、さらに
これが原因となって生産ライン全体が止まるという事態
になることもない。
【0025】また、2次封着材が従来技術のように液状
の硬化性樹脂を塗布するとか、あるいは熱可塑性樹脂を
加熱溶融させて流動性を示させ、押出成形機などを用い
て充填するとかではなく、第2のスペーサーとして自己
粘着性を有する予め紐状に成形された樹脂層を配設する
だけであるので、過不足なく定量供給するための精密な
制御装置は必要ではなく、初期設備投資額を小さく抑え
ることができる。
【0026】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
1のスペーサーは主剤と硬化剤が分離されたものではな
く、予め混合された1成分形のものであるので、主剤と
硬化剤を別々に分離して塗布あるいは転写させるという
煩雑な工程を省略することができる。
【0027】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
1のスペーサーは硬化させると同時に板ガラスと強固に
接着一体化させることができるので、とくに夏季のよう
な高温雰囲気下において保管するような場合でも、ずり
変形が発生しないものとすることができまた、例えば夏
季のような強い直達日射により、庇がなく、アルミサッ
シが60℃以上の温度になるような場合においても、ア
ルミサッシの中で中空空間の膨張による塑性変形が発生
するという問題もない。
【0028】また、第1のスペーサーだけに剛性部材を
埋設した場合、比較的に変形が容易であるので、2次元
あるいは3次元曲面ガラスについて複層ガラスを比較的
に容易に作製することができる。また、第1のスペーサ
ーだけに、あるいは第1のスペーサーと第2のスペーサ
ーの両方に埋設される剛性部材が、波形のアルミニウム
板などのような剛性の若干高いものの場合、変形が若干
制約されるので、複層ガラスを作製することは剛性部材
を埋設しない場合に比べ容易ではないが、乾燥剤を充填
した筒状のアルミスペーサーと断面がU字型の剛性隔離
部材であるスペーサーに比べ剛性は低いので、曲率半径
の許容される範囲は広い。
【0029】また、第1のスペーサーだけに剛性部材を
埋設した場合、比較的に変形が容易であるので、中空空
間側に凹凸加工を施した、例えば型板ガラス、フュージ
ョンガラス、印刷ガラス、ステンドガラスなどの板ガラ
スについて複層ガラスを比較的に容易に作製することが
できる。また、第1のスペーサーだけに、あるいは第1
のスペーサーと第2のスペーサーの両方に埋設される剛
性部材が、波形のアルミニウム板などのような剛性の若
干高いものの場合、変形が若干制約されるので、複層ガ
ラスを作製することは剛性部材を埋設しない場合に比べ
容易ではないが、乾燥剤を充填した筒状のアルミスペー
サーと断面がU字型の剛性隔離部材であるスペーサーに
比べ剛性は低いので、凹凸の許容される範囲は広い。
【0030】
【発明の実施の形態】2枚の板ガラスとは、クリアのフ
ロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラ
ス、高性能熱線反射板ガラス、線入板ガラス、網入板ガ
ラス、型板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、低反射
板ガラス、撥水処理板ガラス、親水処理板ガラス、光触
媒処理板ガラス、導電性処理板ガラス、高透過板ガラ
ス、摺りガラス、タペスティ(フロスト)ガラス、セラ
ミックス印刷ガラス、フュージョンガラス、ステンドガ
ラス、合わせガラス、低膨張板ガラス(ホウケイ酸ガラ
スを含む)、低融点板ガラスなど各種板ガラスを適宜組
み合わせることができるが、少なくとも1枚はこれら各
種板ガラスに特殊金属膜をコーティングした低放射板ガ
ラスか、あるいは特殊金属膜をコーティングした樹脂フ
ィルムを貼り付けた低放射板ガラスを採用することが好
ましい。
【0031】さらに好ましくは、当該低放射板ガラス
は、JIS R 3106ー1985(板ガラスの透過
率・反射率・日射熱取得率試験方法)に定める垂直放射
率が0.20 以下の、好ましくは0.10 以下のガラス
を1枚以上使用したもの、または垂直放射率が0.35
以下の、好ましくは0.25 以下のガラスを2枚使用し
たものである。
【0032】2枚の板ガラスの板厚は通常、ともに1.
9 mm以上のものが用いられるが、強化ガラスの場合
で、とくに化学強化ガラスなどの場合はこの限りではな
く、1.9 mm以下のものを用いることができる。
【0033】また、第1のスペーサーだけに剛性部材を
埋設した場合、比較的に変形が容易であるので、平面ガ
ラス以外に、2次元あるいは3次元曲面ガラスについて
複層ガラスを比較的に容易に作製することができる。ま
た、第1のスペーサーだけに、あるいは第1のスペーサ
ーと第2のスペーサーの両方に埋設される剛性部材が、
波形のアルミニウム板などのような剛性の若干高いもの
の場合、変形が若干制約されるので、複層ガラスを作製
することは剛性部材を埋設しない場合に比べ容易ではな
いが、乾燥剤を充填した筒状のアルミスペーサーと断面
がU字型の剛性隔離部材であるスペーサーに比べ剛性は
低いので、曲率半径の許容される範囲は広い。
【0034】また、第1のスペーサーだけに剛性部材を
埋設した場合、比較的に変形が容易であるので、平滑面
を有する板ガラス以外に、中空空間側に凹凸加工を施し
た、例えば型板ガラス、フュージョンガラス、印刷ガラ
ス、ステンドガラスなどの板ガラスについても複層ガラ
スを比較的に容易に作製することができる。また、第1
のスペーサーだけに、あるいは第1のスペーサーと第2
のスペーサーの両方に埋設される剛性部材が、波形のア
ルミニウム板などのような剛性の若干高いものの場合、
変形が若干制約されるので、複層ガラスを作製すること
は剛性部材を埋設しない場合に比べ容易ではないが、乾
燥剤を充填した筒状のアルミスペーサーと断面がU字型
の剛性隔離部材であるスペーサーに比べ剛性は低いの
で、凹凸の許容される範囲は広い。
【0035】また、ここでは2枚の板ガラスとしている
が、3枚以上の板ガラスをそれぞれ間隔を設けて組み合
わせても勿論構わない。さらに無機ガラス以外に、アク
リル板、ポリカーボネート板などの樹脂ガラスでもよ
く、とくに限定されない。
【0036】2枚の板ガラスの間隔は、0. 2mm以
上、好ましくは2mm以上である。3枚以上の板ガラス
を組み合わせて使用する場合でも、それぞれの間隔は、
同様に0. 2mm以上、好ましくは2mm以上である。
【0037】第1のスペーサーは乾燥剤を充填した紐状
の硬化性樹脂層からなるものであり、中空空間の湿分を
透過させる適度の湿分透過性と中空空間の湿分を吸着す
る十分な吸湿性能を有することにより、初期の露点を速
やかに低下させることのできるものでありまた、外部か
ら侵入した湿分を吸着する十分な吸湿性能を有すること
により、露点性能の耐久性を優れたものとすることがで
き、硬化性樹脂層組成物自体から放出される水分、低分
子量の可塑剤などが原因となって発生する、中空空間内
に目視で観察される内部結露、あるいはいわゆるフォギ
ングと呼ばれる曇り欠陥などの問題がなく、しかも硬化
性樹脂層組成物自体は紐状に成形することができ、しか
も紐状に成形されたものがスペーサーとして取り扱うこ
とのできるもの、すなわちガラスの形状に沿うように変
形可能なものであり、かつコーナー部で折り曲げた場合
でもほぼそのままの形状を保持することができる可塑性
を有するものである。
【0038】また、第1のスペーサーにおいて、硬化性
樹脂(ゴム、エラストマーを含む)としては、ポリサル
ファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系、エポキシ
系、不飽和ポリエステル系などの硬化性樹脂、あるいは
エポキシウレタン系、エポキシシリコーン系、エポキシ
ポリサルファイド系などの変成、あるいは混合、あるい
は相互侵入高分子網目(IPN:Interpenet
rating Polymer Network)など
の手法により得られた硬化性樹脂のいずれかの硬化性樹
脂を含むものである。
【0039】また、第1のスペーサーにおいて、乾燥剤
としてはシリカゲル、焼結シリカ、活性炭、活性アルミ
ナ、無水硫酸カルシウム、ゼオライト(3A、4A、5
A、13X)などの少なくとも1種類以上の乾燥剤を必
須成分として20〜60wt%、好ましくは25〜45
wt%含有し、乾燥剤の形状としては微粉末状、顆粒
状、棒状のものが用いられ、とくに限定されないが、初
期露点を下げるためには粒子径が200μm以下、とく
に100μm以下の微粉末状のものが好ましい。
【0040】また、乾燥剤とともに添加できる充填材と
しては、必要に応じて各種のものを用いることができ、
例えば白雲母や金雲母などの天然マイカ、合成マイカ、
グラファイト、ガラスフレーク、フェライト、クレー、
タルク、ヒル石、スメクタイト、珪酸マグネシウム、ス
テンレスフレーク、アルミニウムフレーク、ニッケルフ
レークなどのフレーク状充填材、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、シリカ、アルミナ、酸化鉄、ボロンナイ
トライド、補強性シリカ、珪砂、セリサイト、珪酸カル
シウム、酸化チタン、キルン灰、ガラスビーズ、カーボ
ンブラック、ホワイトカーボンなどの粒子状充填材、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維などの繊維状充
填材を用いることができ、各種繊維を加工した、例えば
繊維を束ねた紐状物、ロープ、フェルト、不織布、織布
あるいは編物などの繊維加工材を芯材として用いること
ができる。さらにこれまでに説明した以外に必要に応じ
て、難燃剤、シラン系・チタネート系・アルミニウム系
カップリング剤などの接着性向上剤、ベントナイト、有
機ベントナイト、モンモリロナイト、超微粉末シリカ、
超微粉末チタニア、超微粉末アルミナなどのチクソトロ
ピー性付与剤、メチルセルロース、メチルセルロースナ
トリウム塩、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムな
どの増粘剤を適宜添加することができる。これらの充填
材は、乾燥剤との総和量が20〜60wt%、好ましく
は25〜45wt%含有するものである。
【0041】また、第1のスペーサーは、例えばニーダ
ーなどの混練機、とくに好ましくは湿分などの好ましく
ない気体の出入りのない密閉型の混練機を用いて樹脂、
硬化剤、乾燥剤、その他の充填材などの各種配合組成物
を投入して混練した後、押出成形機などを用いて口金か
ら断面が例えば略矩形をした紐状のものを2本同時に押
出成形し、その2本の未硬化あるいは半硬化状態にある
変形可能な紐状のもの間に、別途に供給される連続の剛
性部材を挿入埋設することにより、剛性部材を埋設した
未硬化あるいは半硬化状態にある紐状の第1のスペーサ
ーを形成することができる。
【0042】ただし、充填材として各種繊維を加工し
た、例えば繊維を束ねた紐状物、ロープ、フェルト、不
織布、織布あるいは編物などの繊維加工材を芯材として
用いる場合は、混練機を用いて樹脂、硬化剤、乾燥剤、
その他の充填材(繊維加工材を除く)などの各種配合組
成物を投入して混練した後、得られた混練物を繊維加工
材に含浸させて断面が略矩形をした紐状に成形すること
により、繊維加工材を芯材とする未硬化あるいは半硬化
状態にある紐状の第1のスペーサーを形成することもで
きる。
【0043】また、この紐状に成形された未硬化あるい
は半硬化状態にある第1のスペーサーは、成形しなが
ら、あるいは成形後短時間の内に複層ガラスを製造する
ため使用され、その間に吸着される本来望ましくない水
分量が、複層ガラスの露点性能に問題とならない程度に
少量であれば、とくに防湿処置をとらなくても構わない
が、成形後しばらく時間を経過した後に使用される場合
は、成形後速やかに防湿性能を有するシートで密封梱包
するなどの防湿処置を施した上で保管管理されることが
好ましい。
【0044】また、この紐状に成形された未硬化あるい
は半硬化状態にある第1のスペーサーは、とくに接着面
が汚染されないように配慮されなければならないので、
成形後しばらく時間を経過した後に使用される場合は、
接着面が汚染されないように、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステルなどのフィルム
やシート、さらに好ましくはシリコーン離型剤をコーテ
ィングしたクラフト紙やフィルムやシートなどの離型性
基材を密着させた上で保管管理されることが好ましい。
【0045】また、第1のスペーサーを構成する硬化性
樹脂層組成物は、硬化性樹脂の種類に応じて硬化反応を
制御することにより、常温あるいは低温において適当な
時間、すなわちこれら組成物を混合後、複層ガラスを製
造するまでの間、未硬化あるいは半硬化状態で保持で
き、しかも紐状に成形することができ、しかも紐状に成
形されたものがスペーサーとして取り扱うことのできる
もの、すなわちガラスの形状に沿うように変形可能なも
のであり、かつコーナー部で折り曲げた場合でもほぼそ
のままの形状を保持することができる可塑性を有するも
のであり、かつ硬化後は適度な弾性率と接着強さを発現
することにより、複層ガラスがとくに夏季のような高温
雰囲気下において保管されるような場合でも、ずり変形
が発生しないものとすることができまた、夏季のような
強い直達日射により、庇がなく、アルミサッシが60℃
以上の温度になるような場合でも、アルミサッシの中で
膨張による塑性変形が発生するという問題もないものと
することができる。
【0046】第1のスペーサーを構成する硬化性樹脂層
組成物が、未硬化あるいは半硬化状態で保持されるため
には、硬化性樹脂の種類に応じて硬化反応を制御する、
例えば硬化剤と反応抑制剤を適切に選択して、必要に応
じて熟成などの前処理することにより達成されるもので
あり、例えば潜在性硬化剤法あるいは自己硬化法などを
用いた1成分形のもので、いわゆる”Bステージ”とす
る方法を採用することができる。ここでいう”Bステー
ジ”とは、本来は硬化反応を制御することにより保持さ
れた半硬化状態のことであるが、さらにほとんど未硬化
に近い状態であっても、化学的増粘剤などを添加するこ
とにより増粘された見掛けの半硬化状態のことも含んで
いる。
【0047】潜在性硬化剤法とは、一定温度以上で活性
化する熱反応性硬化剤あるいは一定紫外線量以上で活性
化する紫外線硬化剤をあらかじめ混合しておく方法であ
り、常温あるいは低温においては硬化反応がほとんど進
行しない、あるいは通常の屋内の照明レベルの紫外線量
では硬化反応がほとんど進行しないが、一定温度以上に
加熱されるか、あるいは一定紫外線量以上に照射される
と硬化反応が急速に進行する硬化剤を利用する方法のこ
とである。一方、自己硬化法とは、分子自身の末端基同
士の硬化反応を利用する方法である。
【0048】潜在性硬化剤としては、例えばエポキシ樹
脂についてはDETA、DEATA、BF3−MEA、
無水フタル酸、HHPA、1, 8DAPM、4, 4’M
DA、ジシアンジアミドなどの硬化剤であり、不飽和ポ
リエステル樹脂についてはt−ブチルパーオキシベンゾ
エート、過酸化ベンゾイル、メチルエトンケトンパーオ
キサイド+ナフテン酸コバルトなどの硬化触媒が知られ
ている。
【0049】また、シリコーン樹脂(ゴム、エラストマ
ーを含む)については硬化機構により縮合型、付加型、
ラジカル型に分類されまた、それぞれが包装形態により
1成分形、多成分形に分類されまた、それぞれが硬化条
件により室温硬化、加熱硬化に分類され、基本的にはい
ずれの分類に属するものも適用できるが、縮合型は副生
物が生じ、可使時間(ポットライフ)が一般に短いのに
対し、付加型は副生物が生じなくて、可使時間が比較的
に長く、かつ調節が比較的に容易であり、例えば加熱と
反応抑制剤で反応速度を調整できる、すなわち硬化速度
は温度依存性が大きく、温度を上げるほど短時間で硬化
しまた、2成分形で白金触媒の種類や量を変えたり、反
応抑制剤を使用することにより、100〜200℃で硬
化速度はかなり自由に変えられ、さらにそれらの抑制作
用を強くすると、1成分形に混合しておいても低温で保
管するかぎりは長期間未硬化あるいは半硬化状態で保持
できるので、付加型が取り扱いやすく、さらに付加型の
中でも予め接着性向上剤が添加された1成分形の自己接
着性のものが好ましい。
【0050】すなわち、いわゆる付加型1成分形加熱硬
化型シリコーンゴム接着剤に分類されるものが好まし
い。例えば、特開平05-221688号公報、特公昭53-13508
号公報、特公昭53-21026公報などに説明または開示され
ているものを用いることができるが、これらに限定され
るものではない。付加型1成分形加熱硬化型シリコーン
ゴム接着剤についてさらに詳細に説明すると、主剤とし
てはビニル基などの脂肪族不飽和結合を含有するオルガ
ノポリシロキサン、架橋剤としてはハイドロジェンオル
ガノポリシロキサン、硬化触媒としては白金または白金
化合物、例えばアルコール変性錯体、メチルビニルポリ
シロキサン錯体、ジビニルジシロキサン錯体などの白金
錯体が最も一般的に使用され、反応抑制剤としては例え
ばメチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンア
ルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール類、
ハイドロパーオキサイドなど、強度向上材としては例え
ば補強性シリカ、表面処理補強性シリカ、ビニル基含有
シリコーンレジンが使用され、補強性シリカ、表面処理
補強性シリカはBET比表面積が80m2/g以上のも
のがとくに有用で、接着性向上剤としてはシロキサン、
カーボンファンクショナルシラン、例えば3−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシランなどを含め、接着官
能基としてヒドロシリル基、オキシラン基、アルコキシ
シリル基を有するものが主として用いられ、これら主た
る成分以外に、さらに他の先に説明した各種充填材、ベ
ントナイト、有機ベントナイト、モンモリロナイト、超
微粉末シリカ、超微粉末チタニア、超微粉末アルミナな
どのチクソトロピー性付与剤、メチルセルロース、メチ
ルセルロースナトリウム塩、酸化マグネシウム、水酸化
マグネシウムなどの増粘剤が必要に応じて添加される。
【0051】第1のスペーサーの硬さはJIS K 6
301に規定された方法により、未硬化あるいは半硬化
状態においてJISA硬度が20未満、好ましくは15
未満であり、硬化後においてJISA硬度が20以上、
70未満、好ましくは30以上、65未満である。
【0052】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
1のスペーサーが硬化させると同時に板ガラスと強固に
接着一体化させる方法としては、硬化性樹脂組成物が本
来自己接着性を有するものであるか、あるいは予め接着
性向上剤を添加することにより自己接着性を発現させる
というこれまでに説明した方法以外に、プライマーによ
る前処理を施す方法も勿論採用することができる。
【0053】つぎに、第2のスペーサーにおいて、自己
粘着性を有する樹脂(ゴム、エラストマーを含む)とし
てはポリイソブチレン(反応性ポリイソブチレンを含
む)、ブチルゴム(未加硫ブチルゴム、部分加硫ブチル
ゴムを含む)、ポリイソブチレンを1成分とする共重合
体、ホットメルトブチル(例えば、横浜ゴム製M−14
5、M−120、カネボーNSC製88−7500など
の市販されているコンパウンドを含む)などのいずれか
の樹脂を含み、必要に応じて粘着性付与剤として脂肪族
炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、脂環族炭化水
素系樹脂、水添脂環族炭化水素系樹脂、テルペン系樹
脂、クマロン樹脂、ロジン誘導体など、可塑剤としてポ
リブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンなどを添
加して自己粘着性と可とう性を発現させたものである。
【0054】また、第2のスペーサーにおいて、充填材
としては各種のものを用いることができ、例えばシリカ
ゲル、焼結シリカ、活性炭、活性アルミナ、無水硫酸カ
ルシウム、ゼオライト(3A、4A、5A、13X)な
どの乾燥剤、白雲母や金雲母などの天然マイカ、合成マ
イカ、グラファイト、ガラスフレーク、フェライト、ク
レー、タルク、ヒル石、スメクタイト、珪酸マグネシウ
ム、ステンレスフレーク、アルミニウムフレーク、ニッ
ケルフレークなどのフレーク状充填材、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、酸化鉄、ボ
ロンナイトライド、補強性シリカ、珪砂、セリサイト、
珪酸カルシウム、酸化チタン、キルン灰、ガラスビー
ズ、カーボンブラック、ホワイトカーボンなどの粒子状
充填材、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維など
の繊維状充填材を用いることができ、各種繊維を加工し
た、例えば繊維を束ねた紐状物、ロープ、フェルト、不
織布、織布あるいは編物などの繊維加工材を芯材として
用いることができ、さらにこれまでに説明した以外に必
要に応じて、難燃剤、シラン系・チタネート系・アルミ
ニウム系カップリング剤などの接着性向上剤、ベントナ
イト、有機ベントナイト、モンモリロナイト、超微粉末
シリカ、超微粉末チタニア、超微粉末アルミナなどのチ
クソトロピー性付与剤、メチルセルロース、メチルセル
ロースナトリウム塩、酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウムなどの増粘剤を適宜添加することができる。これ
らの充填材は、0〜60wt%、好ましくは0〜50w
t%含有するものである。
【0055】また、第2のスペーサーは、例えばニーダ
ーなどの混練機を用いて樹脂、粘着付与剤、充填材など
の各種配合組成物を投入して混練した後、押出成形機な
どを用いて口金から断面が例えば略矩形をした紐状のも
のを1本押出成形することにより、自己粘着性を有する
変形可能な紐状の第2のスペーサーを形成することがで
きる。また、押出成形機などを用いて口金から断面が例
えば略矩形をした紐状のものを2本同時に押出成形し、
その2本の紐状のものの間に、別途に供給される連続の
剛性部材を挿入埋設することにより、剛性部材を埋設し
た自己粘着性を有する紐状の第2のスペーサーを形成す
ることができる。
【0056】ただし、充填材として各種繊維を加工し
た、例えば繊維を束ねた紐状物、ロープ、フェルト、不
織布、織布あるいは編物などの繊維加工材を芯材として
用いる場合は、混練機を用いて樹脂、粘着付与剤、充填
材(繊維加工材を除く)などの各種配合組成物を投入し
て混練した後、得られた混練物を繊維加工材に含浸させ
て断面が略矩形をした紐状に成形することにより、繊維
加工材を芯材とする自己粘着性を有する紐状の第2のス
ペーサーを形成することもできる。
【0057】また、この紐状に成形された第2のスペー
サーは、とくに粘着面が汚染されないように配慮されな
ければならないので、成形後しばらく時間を経過した後
に使用される場合は、粘着面が汚染されないように、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステルなどのフィルムやシート、さらに好ましくはシリ
コーン離型剤をコーティングしたクラフト紙やフィルム
やシートなどの離型性基材を密着させた上で保管管理さ
れることが好ましい。
【0058】また、第2のスペーサーの充填材として
は、充填材の中でも、白雲母や金雲母などの天然マイ
カ、合成マイカ、グラファイト、ガラスフレーク、フェ
ライト、タルク、ステンレスフレーク、アルミニウムフ
レーク、ニッケルフレークなどのフレーク状充填材がと
くに好ましく、これらを充填した組成物は水蒸気、アル
ゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ヘリウムガ
ス、六弗化イオウガスなどの気体透過性と水などの液体
透過性を低く抑えることができ、しかもフレーク状充填
材がガラス面にほぼ垂直に配向を制御されて充填された
第2のスペーサーは、ランダムに充填された第2のスペ
ーサーに比べ水蒸気などの気体透過性と水などの液体透
過性をさらに低く抑えることができるのでより好まし
い。フレーク状充填材はフレーク径が10〜2000μ
m、フレーク厚さが1〜200μmの範囲であり、アス
ペクト比が5〜2000のものであり、好ましくはフレ
ーク径が50〜1000μm、フレーク厚さが2〜10
0μmの範囲であり、アスペクト比が10〜500のも
のである。
【0059】また、フレーク状充填材がガラス面にほぼ
垂直に配向を制御されて充填された第2のスペーサーを
作製する方法としては、例えばフレーク状充填材として
フレーク径が数百μm、フレーク厚さが数μmのものを
用いる場合、混練機を用いて樹脂、粘着付与剤、フレー
ク状充填材および他の充填材など各種配合組成物を投入
して混練して得られた混練物を、まずカレンダー成形
機、押出成形機などを用いて厚さ数百μmのフィルム状
に成形するか、あるいは押出成形機などを用いて数百μ
mよりやや厚めのフィルム状に成形後、所定のフィルム
厚さに延伸すると、成形時に混練物にせん断変形が負荷
されるので、このフィルム状物に充填されたフレーク状
充填材はフィルム表面にほぼ並行に配向を制御されたも
のとすることができ、そのフィルム状物を数十枚積層す
ることにより、フレーク状充填材が配向をほぼ制御され
て充填された所定の厚さの自己粘着性を有する紐状の樹
脂層組成物を作製することができ、この自己粘着性を有
する紐状の樹脂層組成物をフレーク状充填材がガラス面
にほぼ垂直に配向を制御されて充填されるとすることが
できる方向にガラス面上に配設することにより作製する
ことができる。
【0060】第1のスペーサーだけに、あるいは第1の
スペーサーと第2のスペーサーの両方に埋設される剛性
部材としては、剛性部材が埋設されたスペーサーがガラ
スの形状に沿うように変形可能なものであり、かつコー
ナー部で折り曲げた場合でもほぼそのままの形状を保持
することを妨げないものであり、かつ複層ガラスに負荷
される圧縮荷重に対して、2枚の板ガラスを所定の間隔
で実質的に保持できるものが最も望ましく、そのような
剛性部材として、例えばポリエチレン系、ポリプロピレ
ン系、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ
弗化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル、
ポリメタクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などの
ポリアミド系、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニル、ポリ
イミドなどのプラスチック製フィルムやシート、アルミ
ニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属製箔やシート
およびそれらをラミネートした積層フィルムやシート、
またはアルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチック
製フィルムやシートを好適に使用することができる。。
また、これらの剛性をさらに高めるために、例えば波
形などに加工したものを用いることができるが、いずれ
も圧縮荷重を支持できる、すなわちスペーサーとして有
効となるような適正な向きとなるように注意する必要が
ある。これらのフィルムやシートの厚さは0.05〜2
mmであり、好ましくは0.2〜1mmである。
【0061】また、さらに剛性の高い剛性部材として、
プラスチック、繊維補強プラスチック、金属を成形して
得られる丸棒、角棒などの棒状材、あるいは丸パイプ、
角パイプなどの筒状材なども、外形寸法、内形寸法、肉
厚によってはスペーサーを紐状のものとして取り扱える
ので勿論用いることができる。また、必要に応じてこれ
らの剛性部材は、例えばコーナー部のみなどの一部、あ
るいは全周に亘り、外側あるいは内側に切り込みを入れ
て配設することもできまた、切断後、隙間のないように
見掛け連続した剛性部材として配設するか、継ぎ合わせ
て実質的に連続した剛性部材として配設することもでき
る。
【0062】また、第1のスペーサーに埋設される剛性
部材は、乾燥剤の吸湿性能を十分に活用するため、穴を
開けたり、埋設される位置を中央よりも外側寄りにする
こともできる。他方、第2のスペーサーに埋設される剛
性部材の埋設される位置は、とくに限定されるものでは
ない。
【0063】それぞれ紐状に成形して得られた、未硬化
あるいは半硬化状態にある第1のスペーサーと自己粘着
性を有する第2のスペーサーは、各々分離されたスペー
サーとして順次連続して、第1のスペーサーを内側に、
第2のスペーサーを外側にして、一方の板ガラスの周縁
端部あるいはそのやや内側の所定の位置に位置決め貼り
付け用治具を用いた手作業、あるいは半自動、あるいは
完全自動化された機械的方式により配設することがで
き、しかも外側に配設される第2のスペーサーが自己粘
着性を有するので仮固定することができる。
【0064】さらに生産効率の高い別の方法として、例
えば適度の圧着強さでロール間を通すなどして予め第1
のスペーサーと第2のスペーサーを貼り合わせて一本の
紐状スペーサーとして、第1のスペーサーを内側に、第
2のスペーサーを外側にして、一方の板ガラスの周縁端
部あるいはそのやや内側の所定の位置に位置決め貼り付
け用治具を用いた手作業、あるいは半自動、あるいは完
全自動化された機械的方式により配設することができ、
しかも外側に配設される第2のスペーサーが自己粘着性
を有するので仮固定することができ、デュアルシール方
式に相当する構成を準シングルシール方式ともいえる方
式により封着することができるので、製造工程を簡素化
することができる。
【0065】その後、他方の板ガラスを貼り付け圧着
し、粘着一体化する。このようにして得られた複層ガラ
ス全体を加熱炉に導入するか、あるいは未硬化あるいは
半硬化状態にある第1のスペーサーのみを加熱して、第
1のスペーサーを硬化させると同時に板ガラスと強固に
接着一体化させて複層ガラスを得る。加熱硬化は80〜
200℃の温度範囲、好ましくは100〜150℃の温
度範囲で行うことができる。
【0066】また、この硬化工程においてより強固に接
着一体化させるために、硬化工程に導入する前に複層ガ
ラスの総厚がごくわずかだけ小さくなる程度の圧力で複
層ガラス全体を加圧し、加圧した状態のまま硬化させる
か、あるいはロール間隔がごくわずかだけ徐々に狭くな
るように調整された複数のロール間を通すことにより複
層ガラス全体を加圧しながら、ロール間を通過する間に
硬化させるなどすると良い。この未硬化あるいは半硬化
状態にある第1のスペーサーを硬化させる方法として
は、硬化させると同時に板ガラスと強固に接着一体化さ
せることができるならば、加熱硬化以外の、例えば紫外
線硬化、電子線硬化などの他の方法でも構わない。
【0067】板ガラスの周縁端部あるいはそのやや内側
の所定の位置に配設された、未硬化あるいは半硬化状態
にある第1のスペーサーと自己粘着性を有する第2のス
ペーサーについて、スペーサーの端部同士は第1のスペ
ーサーの端部同士を充分に圧着し接合しまた、第2のス
ペーサーの端部同士も同様に圧着し接合した後、例えば
複層ガラス全体を加熱炉に導入して、未硬化あるいは半
硬化状態にある第1のスペーサーを硬化させると同時に
板ガラスと強固に接着一体化させることにより複層ガラ
スを得る。
【0068】ただし、未硬化あるいは半硬化状態にある
第1のスペーサーの端部同士は、自己粘着性が充分にな
い場合には隙間が残ることもあり、この隙間が問題とな
らない場合もあるが、端部同士の接合部の隙間に、外側
に配設した第2のスペーサーと同様の自己粘着性を有す
る樹脂層組成物を充填して封着信頼性をより確実なもの
とすることもできる。
【0069】また、例えば複層ガラス全体を加熱炉に導
入して、未硬化あるいは半硬化状態にある第1のスペー
サーを硬化させると同時に板ガラスと強固に接着一体化
させる場合、中空空間の空気層の熱膨張が原因となる映
像の歪みなどの不具合、あるいは逆に中空空間の空気温
度が常温付近まで低下した時点で、中空空間の空気層の
熱収縮が原因となる映像の歪みなどの不具合の発生を防
止するため、加熱炉に導入する前にスペーサーの端部同
士を接合せず、例えば1mmから3mm程度隙間を設け
ておいて、加熱硬化後、中空空間の空気温度が常温付近
まで低下した時点で、外側に配設した第2のスペーサー
と同様の自己粘着性を有する樹脂層組成物を隙間に充填
して封着性能を確実なものとすることができる。
【0070】この場合、例えば超音波ウエルダー装置を
用いると、隙間に充填した自己粘着性を有する樹脂層組
成物と板ガラスの粘着および隙間に充填した自己粘着性
を有する樹脂層組成物とすでに配設されたスペーサーの
端部との粘着がより強固なものとなり、封着信頼性をよ
り確実なものとすることができる。
【0071】あるいは、スペーサーの端部同士を接合し
た部分に、例えば内径が1mmから3mm程度のパイプ
を中空空間と外気が連通するように埋設しておいて、加
熱硬化後、中空空間の空気温度が常温付近まで低下した
時点でパイプを抜き取り、その穴に外側に配設した第2
のスペーサーと同様の自己粘着性を有する樹脂層組成物
を充填して封着性能を確実なものとすることができる。
あるいは、パイプを抜き取らず、パイプの穴に外側に配
設した第2のスペーサーと同様の自己粘着性を有する樹
脂層組成物を充填して封着性能を確実なものとすること
ができる。あるいは、パイプが気体透過係数の小さい材
料、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ弗化ビニリデンなどのプラスチック、またはア
ルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチックにより形
成されている場合は、中空空間の空気温度が常温付近ま
で低下した時点でパイプを熱融着などにより密封するこ
とにより封着性能を確実なものとすることができる。
【0072】また、スペーサーの端部同士の隙間に充填
する自己粘着性を有する樹脂層組成物について、外側に
配設した第2のスペーサーと同様のものと説明したが、
とくに隙間をより確実に埋めるためには、より高い自己
粘着性を有することが望ましく、そのために充填材とし
て必須のもの以外は充填しないか、あるいは充填率を下
げたものを用いても勿論構わない。
【0073】また、スペーサーの端部同士の隙間に充填
する自己粘着性を有する樹脂層組成物は、200℃以下
の温度に加熱して粘度を下げたものを充填することによ
り、封着性能を確実なものとすることができる。
【0074】また、第1のスペーサーにより2枚の板ガ
ラスを接着した後に第2のスペーサーを貼り付けること
も可能である。また、スペーサーが、内側に配設される
第1のスペーサーと外側に配設される第2のスペーサー
の少なくとも2層からなる構成としたのは、この2層の
中間あるいは第2のスペーサーのさらに外側に、必要に
応じて気体透過係数の小さいフィルム、例えばポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック
フィルム、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔
およびそれらをラミネートした積層フィルム、またはア
ルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチックフィルム
を設けてもよい。
【0075】また、スペーサーの寸法は、断面が矩形状
の場合、厚さは中空空間の厚さとほぼ同じか若干大き
く、幅は複層ガラスがサッシにはめこまれた場合に、外
観で問題にならない範囲とすることができる。すなわ
ち、スペーサーが内側に配設される第1のスペーサーと
外側に配設される第2のスペーサーの2層からなる場
合、第1のスペーサーと第2のスペーサーの寸法は、断
面が矩形状の場合、厚さはともに中空空間の厚さとほぼ
同じか若干大きく、幅は、第1のスペーサーの幅と第2
のスペーサーの幅の合計が、複層ガラスがサッシにはめ
こまれた場合に、外観で問題にならない範囲とすること
ができる。具体的には、複層ガラス、グレージングチャ
ンネル、サッシの各製品寸法によるものであるが、第1
のスペーサーの幅と第2のスペーサーの幅はともに1.
5mm以上であることが好ましい。
【0076】また、複層ガラスの周縁端面の一部または
全周に亘りテープを貼着することにより、ガラスの端部
を保護することがより好ましい。このテープとしては、
一般的なビニル樹脂系テープ以外にも、ポリエステル樹
脂系、弗素樹脂系、シリコーン樹脂系などのプラスチッ
クフィルム、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属
箔およびそれらをラミネートした積層フィルム、または
アルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチックフィル
ム、あるいは鉛、亜鉛などの軟質金属シートなど各種フ
ィルム・シートの片面に粘着剤を塗布したテープを用い
ることができる。
【0077】また、複層ガラスの周縁端部のほぼ全周に
亘り、樹脂製のグレージングチャンネルを装着すること
もできる。また、複層ガラスの中空空間に密封される気
体として、空気以外にアルゴンガス、クリプトンガス、
キセノンガス、ヘリウムガス、六弗化イオウガスなどを
断熱性能や防音性能をより高めるために用いることがで
きる。
【0078】また、少なくとも1枚の板ガラスの外側お
よび/または中空空間側に、装飾フィルム、電磁遮蔽用
の導電性フィルムや金属メッシュ、視界制御フィルム、
特殊金属膜をコーティングした樹脂フィルムなどの機能
性フィルムやメッシュを貼り付けたり、あるいは中空空
間に展張貼りすることもできる。また、中空空間に展張
貼りする場合、機能性フィルムやメッシュのコーナー部
に隔離された中空空間を連通させる穴を必要に応じて設
けることができる。
【0079】また、中空空間に各種ブラインドや金属製
または樹脂製の各種格子を内蔵することもできる。
【0080】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明は係る実施例に限定されるものでは
ない。
【0081】実施例1 本発明における複層ガラス1の実施例を図1に要部断面
図(一部)で示す。2枚の板ガラス2、3は厚さ5mm
のフロート板ガラスで、一方の板ガラス3は中空空間側
に特殊金属膜をコーティングした低放射板ガラスであ
り、垂直放射率は0.07 である。
【0082】スペーサー4は、厚さ6mm、幅8mmの
矩形状の断面のもので、板ガラスの周縁端部に配設し
た。スペーサー4は、厚さ6mm、幅4mmの第1のス
ペーサー5と、厚さ6mm、幅4mmの第2のスペーサ
ー6とを貼り合わせて一本の紐状スペーサーとして、第
1のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側
に配設する。中空空間の厚さは6mmである。
【0083】第1のスペーサー5は、乾燥剤を充填した
紐状の硬化性樹脂層7に連続の剛性部材9を埋設したも
ので、付加型1成分形加熱硬化型シリコーンゴム接着剤
の未硬化状態のものに、粒子径が100μm以下の微粉
末状ゼオライト3Aを30wt%充填したものを、密閉
型ニーダーを用いて混練後、押出成形機を用いて厚さ6
mm、幅2mmの断面が矩形状の紐状のものを2本同時
に押出成形し、その2本の紐状のものの間に、連続の剛
性部材9として別途に供給された厚さ0.5mm、幅5.
8mmのアルミ箔を挿入埋設することにより、厚さ6m
m、幅4mmの断面が矩形状の紐状に成形されたもので
あり、適度な弾性率の半硬化状態に調製されたものであ
り、ガラスの形状に沿うように変形可能なもので、かつ
コーナー部で折り曲げた場合でもほぼそのままの形状を
保持することができるものである。
【0084】他方、第2のスペーサー6は、自己粘着性
を有する紐状の樹脂層8で、ホットメルトブチルをニー
ダーを用いて混練後、押出成形機を用いて厚さ6mm、
幅4mmの断面が矩形状の紐状に成形されたものであ
り、ガラスの形状に沿うように変形可能なもので、かつ
コーナー部で折り曲げた場合でもほぼそのままの形状を
保持することができるものであり、板ガラスの周縁端部
に仮固定できる十分な自己粘着性を有する。
【0085】つぎに、連続の剛性部材9を埋設し、かつ
乾燥剤を充填した半硬化状態にある紐状の第1のスペー
サー5と自己粘着性を有する紐状の第2のスペーサー6
をギャップが約8mmのロール間を通して貼り合わせて
厚さ6mm、幅8mmの一本の紐状スペーサー4を形成
して、一方の板ガラス2の周縁端部の所定の位置に位置
決め用治具を用いて第1のスペーサー5を内側に、第2
のスペーサー6を外側になるように一本の紐状スペーサ
ー4を配設した。
【0086】外側の第2のスペーサー6が自己粘着性を
有する(スペーサー4として見ると部分的に自己粘着性
を有するということになる)ので、仮固定することがで
きる。
【0087】これにより製造工程としてはデュアルシー
ル方式に相当する構成を準シングルシール方式ともいえ
る方式として封着することができるので、製造工程を簡
素化することができる。
【0088】その後、他方の板ガラス3を貼り付け圧着
し、粘着一体化する。このようにして得られた複層ガラ
ス1を図示しない加熱炉に導入し、125℃、10分加
熱して半硬化状態にある第1のスペーサー5を硬化させ
ると同時に板ガラス2、3と強固に接着一体化させ、ま
た、自己粘着性を有する第2のスペーサー6は板ガラス
2、3とより強く粘着一体化させることにより封着部が
より強固に接着された複層ガラス1を得ることができ
る。また、複層ガラス1の周縁端面の全周に亘り図示し
ない塩化ビニルテープを貼着した。
【0089】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1の初期露点をJIS R
3209−1995に規定された方法により、また、初
期熱貫流率をJIS A 4710−1989に準拠し
た方法により測定したところ、初期露点は−60℃とな
りJIS規格(−35℃以下)をクリアし、初期熱貫流
率は2.17kcal/m2 h℃となり断熱性能が高
く、JIS R 3209−1995に規定されたJI
S加速耐久性試験III類後、露点は−70℃以下となり
JIS規格(−30℃以下)をクリアし、熱貫流率は
2.17 kcal/m2 h℃となり断熱性能が高く、し
かも過酷な条件の試験後もほとんど露点性能、熱貫流率
の低下はなく充分な耐久性を有することを確認した。
【0090】また、夏季のような高温雰囲気下において
保管されるような場合におけるずり変形を調べるため、
図6に示す方法によりずり変形試験を行った。同様に作
製した350mm×500mmサイズの複層ガラス1を
短辺を水平に長辺を角度80°で傾斜させ、片側のガラ
ス2のみを支持台12に支持固定し、6kgの重り11
を固定した他方のガラス3と封着部のスペーサー4をフ
リーの状態で浮かせ、加熱炉に導入し、40℃、60分
経過後、フリーの状態で浮いた他方のガラス3のずり変
形量をこの他方のガラス3の上辺にセットしたダイヤル
ゲージ13で測定したところ、0.2mmであり、耐ず
り変形性が優れていることが分かった。また、第1のス
ペーサー5の硬さは、JIS K 6301に規定され
た方法により測定したところ、JISA硬度が硬化前は
12であり、硬化後は60であった。
【0091】実施例2 本発明における複層ガラス1の実施例を図2に要部断面
図(一部)で示す。2枚の板ガラス2、3は実施例1と
同じものを用いた。
【0092】スペーサー4は、厚さ6mm、幅8mmの
矩形状の断面のもので、板ガラスの周縁端部に配設し
た。スペーサー4は、厚さ6mm、幅4mmの第1のス
ペーサー5と、厚さ6mm、幅4mmの第2のスペーサ
ー6とを貼り合わせて一本の紐状スペーサーとして、第
1のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側
に配設する。中空空間の厚さは6mmである。
【0093】第1のスペーサー5は実施例1と同じもの
を用いた。他方、第2のスペーサー6は自己粘着性を有
する紐状の樹脂層8で、ホットメルトブチルにフレーク
状充填材としてフレーク径が約270μm、フレーク厚
さが約10μm、アスペクト比が約27のマイカ10を
30wt%充填したもので、ニーダーを用いて混練後、
押出成形機を用いて厚さ6mm、幅4mmの断面が矩形
状の紐状に成形されたものであり、マイカ10の配向は
紐状物の表面の近傍においては4面ともに各表面にほぼ
並行になるが、中心部では配向が乱れてランダムにな
り、ガラスの形状に沿うように変形可能なもので、かつ
コーナー部で折り曲げた場合でもほぼそのままの形状を
保持することができるものであり、板ガラスの周縁端部
に仮固定できる十分な自己粘着性を有する。
【0094】つぎに、実施例1と同様の方法により、第
1のスペーサー5と第2のスペーサー6を貼り合わせて
厚さ6mm、幅8mmの一本の紐状スペーサー4を形成
して、一方の板ガラス2の周縁端部の所定の位置に第1
のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側に
なるように一本の紐状スペーサー4を配設した。
【0095】その後、実施例1と同様の方法により、他
方の板ガラス3を貼り付け圧着し、得られた複層ガラス
1を加熱して半硬化状態にある第1のスペーサー5を硬
化させると同時に板ガラス2、3と強固に接着一体化さ
せ、また、自己粘着性を有する第2のスペーサー6は板
ガラス2、3とより強く粘着一体化させることにより封
着部がより強固に接着された複層ガラス1を得ることが
できる。また、複層ガラス1の周縁端面の全周に亘り図
示しない塩化ビニルテープを貼着した。
【0096】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1について実施例1と同様の
方法により露点および熱貫流率を測定したところ、初期
露点は−60℃となりJIS規格(−35℃以下)をク
リアし、初期熱貫流率は2.17kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、JIS加速耐久性試験III類後、
露点は−70℃以下となりJIS規格(−30℃以下)
をクリアし、熱貫流率は2.17 kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、しかも過酷な条件の試験後もほと
んど露点性能、熱貫流率の低下はなく充分な耐久性を有
することを確認した。
【0097】また、ずり変形試験を実施例1と同様の方
法により行ったところ、ずり変形量は0.2mmであ
り、耐ずり変形性が優れていることが分かった。また、
第1のスペーサー5の硬さは実施例1と同様の方法によ
り行ったところ、JISA硬度が硬化前で12であり、
硬化後は60であった。
【0098】実施例3 本発明における複層ガラス1の実施例を図3に要部断面
図(一部)で示す。2枚の板ガラス2、3は実施例1と
同じものを用いた。
【0099】スペーサー4は、厚さ6mm、幅8mmの
矩形状の断面のもので、板ガラスの周縁端部に配設し
た。スペーサー4は、厚さ6mm、幅4mmの第1のス
ペーサー5と、厚さ6mm、幅4mmの第2のスペーサ
ー6とを貼り合わせて一本の紐状スペーサーとして、第
1のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側
に配設する。中空空間の厚さは6mmである。
【0100】第1のスペーサー5は実施例1と同じもの
を用いた。他方、第2のスペーサー6は自己粘着性を有
する紐状の樹脂層8で、ホットメルトブチルにフレーク
状充填材としてマイカ10を30wt%充填したもので
あるが、実施例2と異なるフレーク状充填材としてフレ
ーク径が約690μm、フレーク厚さが約10μm、ア
スペクト比が約69のマイカ10の配向を制御するた
め、ニーダーを用いて混練後、まず押出成形機を用いて
幅が6mmよりやや狭め、厚さが約200μmのフィル
ム状に成形するとマイカ10はフィルム面に並行方向に
配向することになり、同様の方法で得られたフィルムを
21枚貼り合わせ、軽く圧着することによりマイカ10
の配向がほぼ並行に制御された幅が6mm、厚さ4mm
の断面が矩形状の紐状に成形されたものが得られ、これ
を90°回転させるとマイカ10の配向方向が90°回
転した厚さ6mm、幅4mmの断面が矩形状の紐状に成
形されたものとなり、ガラスの形状に沿うように変形可
能なもので、かつコーナー部で折り曲げた場合でもほぼ
そのままの形状を保持することができるものであり、板
ガラスの周縁端部に仮固定できる十分な自己粘着性を有
する。
【0101】つぎに、実施例1と同様の方法により、第
1のスペーサー5と第2のスペーサー6を貼り合わせて
厚さ6mm、幅8mmの一本の紐状スペーサー4を形成
して、一方の板ガラス2の周縁端部の所定の位置に第1
のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側に
なるように一本の紐状スペーサー4を配設した。
【0102】この場合、第2のスペーサー6に充填され
ているマイカ10の配向が板ガラス面にほぼ垂直に制御
されている。その後、実施例1と同様の方法により、他
方の板ガラス3を貼り付け圧着し、得られた複層ガラス
1を加熱して半硬化状態にある第1のスペーサー5を硬
化させると同時に板ガラス2、3と強固に接着一体化さ
せ、また、自己粘着性を有する第2のスペーサー6は板
ガラス2、3とより強く粘着一体化させることにより封
着部がより強固に接着された複層ガラス1を得ることが
できる。また、複層ガラス1の周縁端面の全周に亘り図
示しない塩化ビニルテープを貼着した。
【0103】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1について実施例1と同様の
方法により露点および熱貫流率を測定したところ、初期
露点は−60℃となりJIS規格(−35℃以下)をク
リアし、初期熱貫流率は2.17kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、JIS加速耐久性試験III類後、
露点は−70℃以下となりJIS規格(−30℃以下)
をクリアし、熱貫流率は2.17 kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、しかも過酷な条件の試験後もほと
んど露点性能、熱貫流率の低下はなく充分な耐久性を有
することを確認した。
【0104】また、ずり変形試験を実施例1と同様の方
法により測定したところ、ずり変形量は0.2mmであ
り、耐ずり変形性が優れていることが分かった。また、
第1のスペーサー5の硬さは実施例1と同様の方法によ
り測定したところ、JISA硬度が硬化前で12であ
り、硬化後は60であった。
【0105】実施例4 本発明における複層ガラス1の実施例を図4に要部断面
図(一部)で示す。2枚の板ガラス2、3は実施例1と
同じものを用いた。
【0106】スペーサー4は、厚さ6mm、幅8mmの
矩形状の断面のもので、板ガラスの周縁端部に配設し
た。スペーサー4は、厚さ6mm、幅4mmの第1のス
ペーサー5と、厚さ6mm、幅4mmの第2のスペーサ
ー6とを貼り合わせて一本の紐状スペーサーとして、第
1のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側
に配設する。中空空間の厚さは6mmである。
【0107】第1のスペーサー5は実施例1と同じもの
を用いた。他方、第2のスペーサー6は、自己粘着性を
有する紐状の樹脂層8に連続の剛性部材9を埋設したも
ので、ホットメルトブチルをニーダーを用いて混練後、
押出成形機を用いて厚さ6mm、幅2mmの断面が矩形
状の紐状のものを2本同時に押出成形し、その2本の紐
状のものの間に、連続の剛性部材9として別途に供給さ
れた厚さ0.5mm、幅5.8mmのアルミ箔を挿入埋設
することにより、厚さ6mm、幅4mmの断面が矩形状
の紐状に成形されたものであり、ガラスの形状に沿うよ
うに変形可能なもので、かつコーナー部で折り曲げた場
合でもほぼそのままの形状を保持することができるもの
であり、板ガラスの周縁端部に仮固定できる十分な自己
粘着性を有する。
【0108】つぎに、実施例1と同様の方法により、第
1のスペーサー5と第2のスペーサー6を貼り合わせて
厚さ6mm、幅8mmの一本の紐状スペーサー4を形成
して、一方の板ガラス2の周縁端部の所定の位置に第1
のスペーサー5を内側に、第2のスペーサー6を外側に
なるように一本の紐状スペーサー4を配設した。
【0109】その後、実施例1と同様の方法により、他
方の板ガラス3を貼り付け圧着し、得られた複層ガラス
1を加熱して半硬化状態にある第1のスペーサー5を硬
化させると同時に板ガラス2、3と強固に接着一体化さ
せ、また、自己粘着性を有する第2のスペーサー6は板
ガラス2、3とより強く粘着一体化させることにより封
着部がより強固に接着された複層ガラス1を得ることが
できる。また、複層ガラス1の周縁端面の全周に亘り図
示しない塩化ビニルテープを貼着した。
【0110】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1について実施例1と同様の
方法により露点および熱貫流率を測定したところ、初期
露点は−60℃となりJIS規格(−35℃以下)をク
リアし、初期熱貫流率は2.17kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、JIS加速耐久性試験III類後、
露点は−70℃以下となりJIS規格(−30℃以下)
をクリアし、熱貫流率は2.17 kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、しかも過酷な条件の試験後もほと
んど露点性能、熱貫流率の低下はなく充分な耐久性を有
することを確認した。
【0111】また、ずり変形試験を実施例1と同様の方
法により行ったところ、ずり変形量は0.2mmであ
り、耐ずり変形性が優れていることが分かった。また、
第1のスペーサー5の硬さは実施例1と同様の方法によ
り行ったところ、JISA硬度が硬化前は12であり、
硬化後は60であった。
【0112】
【比較例1】複層ガラス1の比較例を図5に要部断面図
(一部)で示す。2枚の板ガラス2、3は実施例1と同
じものを用いた。
【0113】スペーサー4は、厚さ6mm、幅8mmの
矩形状の断面のもので、板ガラスの周縁端部に配設し
た。スペーサー4は、第1のスペーサー5がなく、第2
のスペーサー6のみからなるものである。中空空間の厚
さは6mmである。
【0114】第2のスペーサー6は、自己粘着性を有す
る紐状の樹脂層8にとくに充填材として乾燥剤を充填し
たうえに連続の剛性部材9を埋設したもので、ホットメ
ルトブチルに、粒子径が100μm以下の微粉末状ゼオ
ライト3Aを30wt%充填したものを、密閉型ニーダ
ーを用いて混練後、押出成形機を用いて厚さ6mm、幅
4mmの断面が矩形状の紐状のものを2本同時に押出成
形し、その2本の紐状のものの間に、連続の剛性部材9
として別途に供給された厚さ0.5mm、幅5.8mmの
アルミ箔を挿入埋設することにより、厚さ6mm、幅8
mmの断面が矩形状の紐状に成形されたものであり、ガ
ラスの形状に沿うように変形可能なもので、かつコーナ
ー部で折り曲げた場合でもほぼそのままの形状を保持す
ることができるものであり、板ガラスの周縁端部に仮固
定できる十分な自己粘着性を有する。
【0115】第2のスペーサー6は、一方の板ガラス2
の周縁端部の所定の位置に位置決め用治具を用いて配設
した。その後、他方の板ガラス3を貼り付け圧着し、粘
着一体化する。
【0116】このようにして得られた複層ガラス1を図
示しない加熱炉に導入し、80℃、1分加熱して板ガラ
ス2、3とより強く粘着一体化させ、複層ガラス1を得
ることができる。
【0117】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1について実施例1と同様の
方法により露点および熱貫流率を測定したところ、初期
露点は−45℃となりJIS規格(−35℃以下)をク
リアし、初期熱貫流率は2.17kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、JIS加速耐久性試験III類後、
露点は−70℃以下となりJIS規格(−30℃以下)
をクリアし、熱貫流率は2.17 kcal/m2 h℃と
なり断熱性能が高く、しかも過酷な条件の試験後もほと
んど露点性能、熱貫流率の低下はなく充分な耐久性を有
することを確認した。
【0118】しかし、ずり変形試験を実施例1と同様の
方法により行ったところ、ずり変形量は2.0mm以上
となり、耐ずり変形性が本発明と比較して非常に劣るこ
とが分かった。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
露点性能および断熱性能が優れるとともに、長期的な耐
久性を保持するものとすることができまた、夏季のよう
な高温雰囲気下において保管するような場合でも、ずり
変形が発生しない耐ずり変形性が優れたものとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複層ガラス1の実施例1を示す
要部断面図である。
【図2】本発明における複層ガラス1の実施例2を示す
要部断面図である。
【図3】本発明における複層ガラス1の実施例3を示す
要部断面図である。
【図4】本発明における複層ガラス1の実施例4を示す
要部断面図である。
【図5】複層ガラス1の比較例1を示す要部断面図であ
る。
【図6】複層ガラスのずり変形試験方法を示す側断面図
である。
【符号の説明】
1 複層ガラス 2 板ガラス 3 板ガラス(低放射ガラス) 4 スペーサー 5 第1のスペーサー 6 第2のスペーサー 7 乾燥剤を充填した硬化性樹脂層 8 自己粘着性を有する樹脂層 9 剛性部材 10 フレーク状充填材マイカ 11 重り 12 支持台 13 ダイヤルゲージ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持するスペーサーをこのパネルの周縁端部に
    配設することにより密封された中空空間が形成される複
    層ガラスにおいて、前記スペーサーは第1のスペーサー
    と第2のスペーサーとの少なくとも2層からなり、第1
    のスペーサーはその全長に亘り連続した剛性部材を埋設
    し、かつ乾燥剤を充填した紐状の硬化性樹脂層からなる
    ものであり、第2のスペーサーは自己粘着性を有する紐
    状の樹脂層からなるものであり、第1のスペーサーを内
    側に、第2のスペーサーを外側にして、それぞれのスペ
    ーサーを配設するようにしたことを特徴とする複層ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】前記第2のスペーサーがその全長に亘り連
    続した剛性部材を埋設したものであることを特徴とする
    請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 【請求項3】前記第1のスペーサーが、ポリサルファイ
    ド系、シリコーン系、ポリウレタン系、エポキシ系、不
    飽和ポリエステル系などの硬化性樹脂、あるいはエポキ
    シウレタン系、エポキシシリコーン系、エポキシポリサ
    ルファイド系などの変成、あるいは混合、あるいは相互
    侵入高分子網目(IPN:Interpenetrat
    ing Polymer Network)などの手法
    により得られる硬化性樹脂のいずれかの硬化性樹脂を含
    むものであることを特徴とする請求項1あるいは請求項
    2に記載の複層ガラス。
  4. 【請求項4】未硬化あるいは半硬化状態にある前記第1
    のスペーサーが潜在性硬化剤法あるいは自己硬化法など
    を用いた1成分形のものであることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載の複層ガラス。
  5. 【請求項5】前記第2のスペーサーがフレーク状充填材
    を充填したものであることを特徴とする請求項1〜請求
    項4のいずれかに記載の複層ガラス。
  6. 【請求項6】前記第2のスペーサーがフレーク状充填材
    を充填したものであり、フレーク状充填材が板ガラス面
    にほぼ垂直に配向を制御されたことを特徴とする請求項
    5に記載の複層ガラス。
  7. 【請求項7】周縁端面の一部または全周に亘りテープを
    貼着したものであることを特徴とする請求項1〜請求項
    6のいずれかに記載の複層ガラス。
  8. 【請求項8】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持するスペーサーをこのパネルの周縁端部に
    配設することにより密封された中空空間が形成される複
    層ガラスの製造方法において、前記スペーサーは第1の
    スペーサーと第2のスペーサーとの少なくとも2層から
    なり、第1のスペーサーとしてその全長に亘り連続した
    剛性部材を埋設し、かつ乾燥剤を充填した紐状の未硬化
    あるいは半硬化状態にある硬化性樹脂層からなるものを
    内側にして、第2のスペーサーとして自己粘着性を有す
    る紐状の樹脂層からなるものを外側にして、一方の板ガ
    ラスの周縁端部あるいはそのやや内側に貼り付けた後、
    その上に他方の板ガラスを貼り付け圧着し、粘着一体化
    させた後、未硬化あるいは半硬化状態にある第1のスペ
    ーサーを硬化させると同時に板ガラスと強固に接着一体
    化させることを特徴とする複層ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】前記第2のスペーサーがその全長に亘り連
    続した剛性部材を埋設したものであることを特徴とする
    請求項8に記載の複層ガラスの製造方法。
  10. 【請求項10】前記第1のスペーサーと前記第2のスペ
    ーサーを予め貼り合わせて紐状とし、部分的に自己粘着
    性を有するスペーサーとしたことを特徴とする請求項8
    あるいは請求項9に記載の複層ガラスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200103573A (ko) * 2020-03-23 2020-09-02 주식회사 엘티웰 단열 간봉

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