JPH11107644A - 複層ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

複層ガラスおよびその製造方法

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JPH11107644A
JPH11107644A JP9267531A JP26753197A JPH11107644A JP H11107644 A JPH11107644 A JP H11107644A JP 9267531 A JP9267531 A JP 9267531A JP 26753197 A JP26753197 A JP 26753197A JP H11107644 A JPH11107644 A JP H11107644A
Authority
JP
Japan
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spacer
glass
sealing material
type
double
Prior art date
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Pending
Application number
JP9267531A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Sugata
菅田義敬
Akira Sakata
昭 坂田
Hiromi Hase
長谷広美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP9267531A priority Critical patent/JPH11107644A/ja
Publication of JPH11107644A publication Critical patent/JPH11107644A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造工程を簡素化することができるとともに、
高い封着信頼性を簡潔に達成することができ、したがっ
て製造コストも安くすることができ、2次封着材による
液だれによる作業性の低下などの問題がない複層ガラス
とその製造方法を提供する。 【解決手段】スペーサーは第1のスペーサーと第2のス
ペーサーとの少なくとも2層からなり、第1のスペーサ
ーが断面略U字型剛性隔離部材の開口部が中空空間側を
向き、かつ中央底部の内側に乾燥剤を充填した湿分透過
性樹脂層を塗布配設し、かつガラスと粘着接合される外
側部分に1次封着材として、湿分不透過性接着剤型密封
材を塗布したものであり、第2のスペーサーが紐状の硬
化性樹脂層からなるものであり、第1のスペーサーを周
縁端部あるいはそのやや内側に貼り付けた後、その上に
他方の板ガラスを圧着、一体化させ、次いで第2のスペ
ーサーを第1のスペーサーの外側に配設し、該第2のス
ペーサーを硬化させることにより同時に板ガラスと強固
に接着一体化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱性能を有する
複層ガラスで、住宅・非住宅などの建築分野、自動車・
車両・船舶・航空機などの輸送分野、冷凍庫・冷凍ショ
ーケース・恒温恒湿槽などの設備機器分野などの省エネ
ルギーを要求される開口部に適用される。
【0002】
【従来の技術】最近、省エネルギーに優れた快適で健康
な住環境をつくるため、従来に増して断熱性能を有する
複層ガラスの使用頻度が高まり、急速に普及している。
この複層ガラスとして、種々のものが使用されまた、提
案されている。
【0003】例えば、複層ガラス用スペーサーとして
は、特開昭59-45149号公報などに開示されているような
乾燥剤を充填したアルミニウム製筒状中空体などが知ら
れている。この筒状のアルミスペーサーは予め所定の寸
法に切断され、中空部に乾燥剤を充填した後、各端部を
コーナー接続キーを用いて接合されるか、あるいは中空
部に乾燥剤を充填し、所定の形状に折り曲げ加工した
後、端部を接続キーを用いて接合されて枠体に組み立て
られる。つぎにこの筒状のアルミスペーサー枠体のガラ
スと接着される2面に1次封着材としてブチルゴム系封
着材を塗布し、これを一方の板ガラスの周縁端部のやや
内側に貼り付けた後、その上に他方のガラスを貼り付け
圧着し、粘着一体化させ、2枚の板ガラスとスペーサー
で中空空間を形成するとともに、その後その外側の断面
が略コ字状の開放された凹状空間に2次封着材として液
状のポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタン
系樹脂を塗布充填し、常温付近の温度で硬化させて作製
する、いわゆるデュアルシール方式の複層ガラスが現
在、最も一般的なものである。
【0004】また例えば、特公昭63-50508号公報、特開
平6-123191号公報には、乾燥剤を充填した自己粘着性を
有する樹脂層の中に、連続した剛性スペーサー、例えば
波形のアルミニウム板などを埋設した紐状のものを一方
の板ガラスの周縁端部のやや内側に貼り付けた後、その
上に他方の板ガラスを貼り付け圧着し、粘着一体化さ
せ、2枚の板ガラスとスペーサーで密封された中空空間
が形成されることにより作製される、いわゆるシングル
シール方式の複層ガラスが記載されており、現在一部使
用されているものもある。
【0005】また例えば、特開平7-291677号公報には、
並行なガラス板間に気層を介在して接合部材で複数のガ
ラス板を重合一体化した複層ガラスにおいて、前記接合
部材が、ガラス板の周縁に沿った周囲に貼着される付加
反応型接着層を両面に備えた弾性体からなり、該付加反
応型接着層とガラスとの間に反応触媒層を介在させて圧
接し、前記付加反応型接着層と硬化反応一体化させるも
のであり、前記接合部材が凹溝を備え、前記接合部材の
外周面に凹溝を含め金属箔などの箔状のガスバリヤー材
を被覆接合あるいは絞り加工しまた、該凹溝に吸湿剤を
充填配備したものでありまた、該金属箔などの箔状のガ
スバリヤー材とガラス板を低融点金属を用いて接着させ
ることにより、水分子の侵入を防止したことを特徴とす
る複層ガラスが記載されている。
【0006】また例えば、特開平9-77536号公報には、
2枚以上のガラス板が中空層を形成するように樹脂製ス
ペーサーを介して対向配置され、かつ前記ガラス板の周
縁部とスペーサーの外周部とで凹部が形成されて該凹部
にシール材が充填されてなる複層ガラスにおいて、前記
シール材が60℃以上の温度において流動性を示し、か
つ25℃において、JISA硬度が25以上70未満の
熱可塑性樹脂からなることを特徴とする複層ガラスが記
載されている。
【0007】また例えば、特開平4-250285号公報には、
2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、この間隔を保持
するスペーサーをこのパネルの周縁端部に配設すること
により密封された中空空間が形成されている複層ガラス
において、スペーサーが、断面がU字型の、例えばステ
ンレス304のような金属製、あるいはガスおよび湿分
不透過性フィルムで被覆したガラス繊維補強プラスチッ
ク製の剛性隔離部材の開口部が中空空間側を向き、かつ
中央底部の内側に乾燥剤を充填した、例えばポリウレタ
ン、シリコーンのような湿分透過性樹脂層を塗布配設
し、かつガラスと粘着接合する外側部分に1次封着材と
して、例えばポリイソブチレンのような湿分不透過性接
着剤型密封材を塗布したものであり、これを一方の板ガ
ラスの周縁端部のやや内側に貼り付けた後、その上に他
方のガラスを貼り付け圧着し、粘着一体化させ、2枚の
板ガラスとスペーサーで中空空間を形成するとともに、
その後その外側の断面が略コ字状の開放された凹状空間
に2次封着材として、例えば構造接着剤型密封材として
液状のポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタ
ン系樹脂を塗布充填し、常温付近の温度で硬化させて作
製する、いわゆるデュアルシール方式の複層ガラスが記
載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た例えば、特開昭59-45149号公報などに記載の筒状のア
ルミスペーサーを用いた複層ガラスは、2枚の板ガラス
と筒状のアルミスペーサーで形成された外側の断面が略
コ字状の開放された凹状空間に2次封着材として液状の
ポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系樹
脂を塗布充填し、常温付近の温度で硬化させることによ
り作製するものであり、2次封着材が液状のものである
ので、塗布工程の管理調整が悪い場合にはコーナー部に
おける液不足や直線部における液だれが発生し、そのた
めに作業性が低下しまた、板ガラスが汚れるなど製品歩
留まりが低下するという問題がある。さらには生産ライ
ン全体が止まるという事態になることもある。
【0009】また例えば、特公昭63-50508号公報、特開
平6-123191号公報に記載の複層ガラスは、製造工程が簡
素化され、製造コストも比較的に安いものであるが、乾
燥剤を充填した自己粘着性を有する樹脂層と板ガラスと
の粘着強さは、例えば夏季のような高温雰囲気下におい
て保管するような場合には著しく低下するので、保管状
態によってはサッシにはめ込む前にずり変形が発生しや
すいという問題がありまた、このずり変形を防止するた
め、2枚の板ガラスとスペーサーで形成された外側の断
面が略コ字状の開放された凹状空間に、筒状のアルミス
ペーサーを用いた場合と同様に2次封着材として液状の
ポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系樹
脂を塗布充填することもあるが、この場合には、製造コ
ストが筒状のアルミスペーサー方式に比べてさらに高く
なるという問題がある。
【0010】また、2次封着材として液状のものを塗布
充填する場合、塗布工程の管理調整が悪い場合にはコー
ナー部における液不足や直線部における液だれが発生
し、そのために作業性が低下しまた、板ガラスが汚れる
など製品歩留まりが低下するという問題がある。さらに
は生産ライン全体が止まるという事態になることもあ
る。
【0011】また例えば、特開平7-291677号公報に記載
の複層ガラスは、ガラス板の接合対向面に反応触媒層を
離形兼キャリアシートから剥離して転写し、接合部材と
しての弾性体の両面に備えた付加反応型接着層と圧接
し、硬化反応一体化させるものであり、硬化剤としての
反応触媒層と主剤としての付加反応型接着層を分離して
いるので、反応触媒層を2枚のガラス板のそれぞれに離
形兼キャリアシートから剥離して転写するという工程が
煩雑でありまた、接合部材の外周面に凹溝を含め金属箔
などの箔状のガスバリヤー材を被覆接合あるいは絞り加
工するという工程も煩雑でありまた、金属箔などの箔状
のガスバリヤー材のガラス接触面に低融点金属層を塗布
加工し、組立セット後に加熱融解させることにより、接
着一体化させる工程も煩雑である。
【0012】また例えば、特開平9-77536号公報に記載
の複層ガラスは、2枚以上のガラス板が中空層を形成す
るように樹脂製スペーサーを介して対向配置され、かつ
前記ガラス板の周縁部とスペーサーの外周部とで凹部が
形成されて該凹部にシール材が充填されてなる複層ガラ
スにおいて、前記シール材が60℃以上の温度において
流動性を示し、かつ25℃において、JISA硬度が2
5以上70未満の熱可塑性樹脂からなるものであり、熱
可塑性樹脂を加熱溶融させて流動性を示させ、押出成形
機などを用いて該凹部に充填させる工程は、精密な制御
装置が必要とされるものであるので、初期設備投資額が
大きいという問題がある。また、例えば夏季のような強
い直達日射により、庇がなく、アルミサッシが60℃以
上の温度になるような場合もあり、アルミサッシの中で
膨張による塑性変形が発生しやすいという問題がある。
【0013】また例えば、特開平4-250285号公報に記載
の複層ガラスは、スペーサーが、断面がU字型の剛性隔
離部材の開口部が中空空間側を向き、かつ中央底部の内
側に乾燥剤を充填した湿分透過性樹脂層を塗布配設し、
かつガラスと粘着する外側部分に1次封着材として湿分
不透過性接着剤型密封材を塗布したものであり、2枚の
板ガラスとスペーサーで中空空間を形成するとともに、
その後その外側の断面が略コ字状の開放された凹状空間
に2次封着材として、例えば構造接着剤型密封材として
液状のポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタ
ン系樹脂を塗布充填し、常温付近の温度で硬化させて作
製するものであり、2次封着材が液状のものであるの
で、塗布工程の管理調整が悪い場合にはコーナー部にお
ける液不足や直線部における液だれが発生し、そのため
に作業性が低下し、また、板ガラスが汚れるなど製品歩
留まりが低下するという問題がある。さらには生産ライ
ン全体が止まるという事態になることもある。
【0014】本発明は、従来のかかる課題に鑑みてなさ
れたものであり、1次封着材と2次封着材を従来技術の
ように分離された全く異なった工程で配設するのではな
く、順次連続した工程で配設することができるので、製
造工程を簡素化することができるとともに、高い封着信
頼性を簡潔に達成することができ、したがって製造コス
トも安くすることができまた、2次封着材が従来技術の
ように液状のものを塗布するのではなく、第2のスペー
サーとして予め紐状に成形されたものを配設するので、
塗布工程の管理調整が悪い場合に発生するコーナー部に
おける液不足や直線部における液だれによる作業性の低
下や板ガラスの汚れなどによる製品歩留まりが低下する
という問題がなく、さらにこれが原因となって生産ライ
ン全体が止まるという事態になることもない。
【0015】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
2のスペーサーは主剤と硬化剤が分離されたものではな
く、予め混合されたものであるので、それぞれを別々に
分離して塗布あるいは転写させるという煩雑な工程を省
略することができる。
【0016】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
2のスペーサーを硬化させることにより同時に板ガラス
と強固に接着一体化させることができるので、とくに夏
季のような高温雰囲気下において保管するような場合で
も、ずり変形が発生しないものとすることができまた、
例えば夏季のような強い直達日射により、庇がなく、ア
ルミサッシが60℃以上の温度になるような場合でも、
アルミサッシの中で膨張による塑性変形が発生するとい
う問題もない。
【0017】また、2次封着材が従来技術のように液状
の硬化性樹脂を塗布するとか、あるいは熱可塑性樹脂を
加熱溶融させて流動性を示させ、押出成形機などを用い
て該凹部に充填させるとかではなく、第2のスペーサー
として予め紐状に成形された未硬化あるいは半硬化状態
にある硬化性樹脂層を配設し、硬化させるだけであるの
で、過不足なく定量供給するための精密な制御装置は必
要ではなく、初期設備投資額を小さく抑えることができ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、複層ガラスとしては、スペーサーは
第1のスペーサーと第2のスペーサーとの少なくとも2
層からなり、第1のスペーサーが断面略U字型剛性隔離
部材の開口部が中空空間側を向き、かつ中央底部の内側
に乾燥剤を充填した湿分透過性樹脂層を塗布配設し、か
つガラスと粘着接合される外側部分に1次封着材とし
て、湿分不透過性接着剤型密封材を塗布したものであ
り、第2のスペーサーが紐状の硬化性樹脂層からなるも
ので、第1のスペーサーを内側に、第2のスペーサーを
外側にして、それぞれのスペーサーを配設するようにし
たことを特徴とする。
【0019】また、その製造方法としては、第1のスペ
ーサーとして断面略U字型剛性隔離部材の開口部が中空
空間側を向き、かつ中央底部の内側に乾燥剤を充填した
湿分透過性樹脂層を塗布配設し、かつガラスと粘着接合
される外側部分に1次封着材として、湿分不透過性接着
剤型密封材を塗布したものを一方の板ガラスの周縁端部
あるいはそのやや内側に貼り付けた後、その上に他方の
板ガラスを圧着、一体化させ、次いで第2のスペーサー
とし未硬化あるいは半硬化状態にある紐状に成形して得
られたものを第1のスペーサーの外側に配設し、該第2
のスペーサーを硬化させることにより同時に板ガラスと
強固に接着一体化させることを特徴とするものであり、
各々分離されたスペーサーとして順次連続して配設して
粘着一体化することにより、製造工程を簡素化すること
ができるとともに、デュアルシール方式に相当する構成
として封着することができるので、高い封着信頼性を簡
潔に達成することができ、したがって製造コストも安く
することができる。
【0020】また、2次封着材が従来技術のように液状
のものを塗布するのではなく、第2のスペーサーとして
予め紐状に成形されたものであるので、塗布工程の管理
調整が悪い場合に発生するコーナー部における液不足や
直線部における液だれによる作業性の低下や板ガラスの
汚れなどによる製品歩留まりが低下するという問題がな
く、さらにこれが原因となって生産ライン全体が止まる
という事態になることもない。
【0021】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
2のスペーサーを硬化させることにより同時に板ガラス
と強固に接着一体化させることができるので、とくに夏
季のような高温雰囲気下において保管するような場合で
も、ずり変形が発生しないものとすることができまた、
例えば夏季のような強い直達日射により、庇がなく、ア
ルミサッシが60℃以上の温度になるような場合でも、
アルミサッシの中で膨張による塑性変形が発生するとい
う問題もない。
【0022】また、2次封着材が従来技術のように液状
の硬化性樹脂を塗布するとか、あるいは熱可塑性樹脂を
加熱溶融させて流動性を示させ、押出成形機などを用い
て該凹部に充填させるとかではなく、予め紐状に成形さ
れた未硬化あるいは半硬化状態にある第2のスペーサー
を配設し、硬化させるだけであるので、過不足なく定量
供給するための精密な制御装置は必要ではなく、初期設
備投資額を小さく抑えることができる。
【0023】また、第1のスペーサーにより2枚の板ガ
ラスを粘着接合した後に第2のスペーサーを貼り付ける
ことも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】2枚の板ガラスとは、クリアのフ
ロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラ
ス、高性能熱線反射板ガラス、線入板ガラス、網入板ガ
ラス、型板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、低反射
板ガラス、高透過板ガラス、摺りガラス、タペスティ
(フロスト)ガラス、セラミックス印刷ガラス、フュー
ジョンガラス、ステンドガラス、合わせガラスなど各種
板ガラスを適宜組み合わせることができるが、少なくと
も1枚はこれら各種板ガラスに特殊金属膜をコーティン
グした低放射板ガラスを採用することが好ましい。
【0025】さらに好ましくは、当該低放射板ガラス
は、JIS R 3106ー1985(板ガラスの透過
率・反射率・日射熱取得率試験方法)に定める垂直放射
率が0.20 以下の、好ましくは0.10 以下のガラス
を1枚以上使用したもの、または垂直放射率が0.35
以下の、好ましくは0.25 以下のガラスを2枚使用し
たものである。2枚の板ガラスの板厚は通常、ともに
1.9mm以上のものが用いられるが、強化ガラスの場
合で、とくに化学強化ガラスなどの場合はこの限りでは
なく、1.9 mm以下のものを用いることができる。
【0026】また、2次元あるいは3次元曲面ガラスの
場合、第1のスペーサーを用いることは、通常は大変に
困難であるか、あるいは実際上できないが、筒状のアル
ミスペーサーに比べ剛性は小さいので、ごく限られた曲
率によっては使用することができるものもある また、
ここでは2枚の板ガラスとしているが、3枚またはそれ
以上の板ガラスを組み合わせて使用することももちろん
構わない。さらに、アクリル板、ポリカーボネート板な
どの樹脂ガラスでもよく、とくに限定されない。
【0027】第1のスペーサーは、断面略U字型剛性隔
離部材の開口部が中空空間側を向き、かつ中央底部の内
側に乾燥剤を充填した湿分透過性樹脂層を塗布配設し、
かつガラスと粘着接合される外側部分に1次封着材とし
て、湿分不透過性接着剤型密封材を塗布したものであ
る。
【0028】第1のスペーサーにおいて、主たる構成部
材である断面略U字型剛性隔離部材としては、例えばア
ルミニウム、好ましくはアルミニウムより熱伝導率が小
さい鉄鋼、ステンレス、チタンなどの金属製、あるいは
金属よりさらに熱伝導率が小さいプラスチック、ガラス
繊維補強プラスチックなどの樹脂系材料が好ましいが、
これに限定されるものではない。
【0029】第1のスペーサーにおいて、乾燥剤を充填
した湿分透過性樹脂層は、開口部が中空空間側を向い
た、断面略U字型剛性隔離部材の中央底部の内側に塗布
配設されるものであり、乾燥剤が中空空間の湿分を吸着
することにより、中空空間を乾燥状態のまま保持するこ
とができる。
【0030】乾燥剤としてはシリカゲル、焼結シリカ、
活性炭、活性アルミナ、無水硫酸カルシウム、ゼオライ
ト(3A、4A、5A、13X)などの少なくとも1種
類以上の吸着剤を必須成分としたものであり、乾燥剤の
形状としては粉末状、顆粒状、棒状のものが用いられ、
とくに限定されないが、通常は粒径が例えば500μm
から2380μmの顆粒状のものを使用するが、とくに
初期露点を下げるために、粒径が200μm以下、10
0μm以下の粉末状のものが好ましい。
【0031】湿分透過性樹脂層としては、乾燥剤が湿分
を吸着しやすいように水蒸気透過度の高い、例えばポリ
ウレタン、シリコーンなどの樹脂(ゴム、エラストマー
を含む)を用いることができ、例えばニーダーなどの混
練機、とくに好ましくは水蒸気などの好ましくない気体
の出入りのない密閉型の混練機を用いて樹脂、乾燥剤、
充填材などの各種配合組成物を投入して混練した後、押
出成形機構を備えた塗布機などを用いて口金から断面が
例えば略矩形をした紐状に押出成形することにより、断
面略U字型剛性隔離部材の中空底部の内側に塗布配設す
る。
【0032】この断面略U字型剛性隔離部材として金属
を用いる場合は、まずコーナー部に相当する部分は切り
欠き加工され、端部は接合できるような形状に加工さ
れ、つぎに所定の断面略U字型の形状と寸法に折り曲げ
加工され、中央底部の内側に相当する部分には先に説明
したように乾燥剤を充填した湿分透過性樹脂層が塗布配
設され、つぎにすでに切り欠き加工された各コーナー部
に相当する部分において折り曲げ加工された後、先に接
合できるような形状に加工された端部同士を、例えばビ
ス止めなどを用いて接合して枠体に組み立てられる。
【0033】つぎにこの断面略U字型剛性隔離部材によ
る枠体のガラスと粘着接合される外側部分に1次封着材
として、自己粘着性を有する湿分不透過性接着剤型密封
材を塗布する。
【0034】第1のスペーサーにおいて、1次封着材と
しての自己粘着性を有する湿分不透過性接着剤型密封材
は水分が外部から透過したり、あるいは樹脂組成物自体
から放出される水分、低分子量の可塑剤などが原因とな
って発生する、中空空間内に目視で観察される内部結
露、あるいはいわゆるフォギングと呼ばれる曇り欠陥な
どの問題がなく、しかも紐状に成形可能であることが要
求され、その主成分の樹脂(ゴム、エラストマーを含
む)としてはポリイソブチレン(反応性ポリイソブチレ
ンを含む)、ブチルゴム(未加硫ブチルゴム、部分加硫
ブチルゴムを含む)、ポリイソブチレンを1成分とする
共重合体、いわゆるホットメルトブチルなどのいずれか
の樹脂を含み、必要に応じて粘着性付与剤として脂肪族
炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、脂環族炭化水
素系樹脂、水添脂環族炭化水素系樹脂、テルペン系樹
脂、クマロン樹脂、ロジン誘導体などをまた、可塑剤と
してポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンな
どを添加して自己粘着性と可とう性を発現させたもので
あり、例えばニーダーなどの混練機を用いて樹脂、充填
材などの主たる配合組成物を投入して混練した後、押出
成形機構を備えた塗布機などを用いて口金から断面が例
えば略矩形をした紐状に押出成形することにより、断面
略U字型剛性隔離部材による枠体のガラスと粘着接合さ
れる外側部分に1次封着材として塗布する。
【0035】なお、この第1のスペーサーとしては、例
えば先に説明した特開平4-250285号公報に記載されてい
るPPG社の「インターセプト」(商品名)を用いるこ
とができる。
【0036】つぎに、未硬化あるいは半硬化状態にある
硬化性樹脂組成物からなる第2のスペーサーにおいて、
硬化性樹脂(ゴム、エラストマーを含む)としては、ポ
リサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系、エ
ポキシ系、不飽和ポリエステル系などの硬化性樹脂、あ
るいはエポキシウレタン系、エポキシシリコーン系、エ
ポキシポリサルファイド系などの変成、あるいは混合、
あるいは相互侵入高分子網目(IPN:Interpe
netrating Polymer Networ
k)などの手法により得られた硬化性樹脂のいずれかの
硬化性樹脂を含むものであり、充填材としては各種のも
のを用いることができ、例えばシリカゲル、焼結シリ
カ、活性炭、活性アルミナ、無水硫酸カルシウム、ゼオ
ライト(3A、4A、5A、13X)などの吸着剤、白
雲母や金雲母などの天然マイカ、合成マイカ、グラファ
イト、ガラスフレーク、フェライト、クレー、タルク、
ヒル石、スメクタイト、珪酸マグネシウム、ステンレス
フレーク、アルミニウムフレーク、ニッケルフレークな
どのフレーク状充填材、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、補強性
シリカ、珪砂、セリサイト、珪酸カルシウム、酸化チタ
ン、キルン灰、ガラスビーズ、カーボンブラック、ホワ
イトカーボンなどの粒子状充填材、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、アラミド繊維などの繊維状充填材を用いること
ができ、各種繊維を加工した、例えば繊維を束ねた紐状
物、ロープ、フェルト、不織布、織布あるいは編物など
の繊維加工材を芯材として用いることができ、さらにこ
れまでに説明した以外に必要に応じて、難燃剤、シラン
系・チタネート系・アルミニウム系カップリング剤など
の接着向上剤、ベントナイト、有機ベントナイト、モン
モリロナイト、超微粉末シリカ、超微粉末チタニア、超
微粉末アルミナなどのチクソトロピー性付与剤、メチル
セルロース、メチルセルロースナトリウム塩、酸化マグ
ネシウム、水酸化マグネシウムなどの粘度を調整する増
粘剤などを適宜添加することができる。これらの充填材
は、60wt%以下、好ましくは50wt%以下含有す
るものである。
【0037】また、第2のスペーサーは、第1のスペー
サーに用いられる自己粘着性を有する湿分不透過性接着
剤型密封材の場合と同様に、例えばニーダーなどの混練
機を用いて樹脂、硬化剤、充填材など各種配合組成物を
投入して混練した後、押出成形機などを用いて口金から
断面が例えば略矩形をした紐状に押出成形することによ
り、未硬化あるいは半硬化状態にある第2のスペーサー
を形成することができる。ただし、充填材として各種繊
維を加工した、例えば繊維を束ねた紐状物、ロープ、フ
ェルト、不織布、織布あるいは編物などの繊維加工材を
芯材として用いる場合は、混練機を用いて樹脂、硬化
剤、繊維加工材を除く他の充填材など各種配合組成物を
投入して混練した後、得られた液状の混練物を繊維加工
品に含浸させて断面が略矩形をした紐状に成形すること
により、繊維加工品を芯材とする未硬化あるいは半硬化
状態にある第2のスペーサーを形成することもできる。
【0038】また、この紐状に成形された未硬化あるい
は半硬化状態にある第2のスペーサーは、とくに接着面
が汚染されないように配慮されなければならないので、
成形後しばらく時間を経過した後に使用される場合は、
接着面が汚染されないように、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステルなどのフィルム
やシート、さらに好ましくはシリコーン離型剤をコーテ
ィングしたクラフト紙やフィルムやシートなどの離型性
基材を密着させた上で保管管理されることが好ましい。
【0039】また、第2のスペーサーを構成する硬化性
樹脂組成物は、硬化性樹脂の種類に応じて硬化反応を制
御することにより、常温あるいは低温において適当な時
間、すなわちこれら組成物を混合後、複層ガラスを製造
するまでの間、未硬化あるいは半硬化状態のまま保持で
き、しかもスペーサーとして紐状に成形することがで
き、しかも紐状物がガラスの形状に沿うように変形可能
なものであり、かつコーナー部で折り曲げた場合でもほ
ぼそのままの形状を保持することができるものであり、
かつ硬化後は適度な弾性率と接着強さを発現することに
より、複層ガラスがとくに夏季のような高温雰囲気下に
おいて保管されるような場合でも、ずり変形が発生しな
いものとすることができまた、例えば夏季のような強い
直達日射により、庇がなく、アルミサッシが60℃以上
の温度になるような場合でも、アルミサッシの中で膨張
による塑性変形が発生するという問題もない。
【0040】この硬化性樹脂組成物が、未硬化あるいは
半硬化状態で保持されるためには、硬化性樹脂の種類に
応じて硬化反応を制御する、例えば硬化剤と反応抑制剤
を適切に選択して、必要に応じて熟成などの前処理する
ことにより達成されるものであり、例えば潜在性硬化剤
法あるいは自己硬化法などを用いた1成分形のもので、
いわゆる”Bステージ”とする方法を採用することがで
きる。ここでいう”Bステージ”とは、本来は硬化反応
を制御することにより保持された半硬化状態のことであ
るが、さらにほとんど未硬化に近い状態であっても、化
学的増粘剤などを添加することにより増粘された見掛け
の半硬化状態のことも含んでいる。
【0041】潜在性硬化剤法とは、一定温度以上で活性
化する熱反応性硬化剤あるいは一定紫外線量以上で活性
化する紫外線硬化剤をあらかじめ混合しておく方法であ
り、常温あるいは低温においては硬化反応がほとんど進
行しない、あるいは通常の屋内の照明レベルの紫外線量
では硬化反応がほとんど進行しないが、一定温度以上に
加熱されるか、あるいは一定紫外線量以上に照射される
と硬化反応が急速に進行する硬化剤を利用する方法のこ
とである。
【0042】一方、自己硬化法とは、分子自身の末端基
同士の硬化反応を利用する方法である。 潜在性硬化剤
としては、例えばエポキシ樹脂についてはDETA、D
EATA、BF3−MEA、無水フタル酸、HHPA、
1, 8DAPM、4, 4’MDA、ジシアンジアミドな
どの硬化剤であり、不飽和ポリエステル樹脂については
t−ブチルパーオキシベンゾエート、過酸化ベンゾイ
ル、メチルエトンケトンパーオキサイド+ナフテン酸コ
バルトなどの硬化触媒が知られている。また、シリコー
ン樹脂(ゴム、エラストマーを含む)については硬化機
構により縮合型、付加型、ラジカル型に分類され、それ
ぞれが包装形態により1成分形、多成分形に分類されま
た、それぞれが硬化条件により室温硬化、加熱硬化に分
類され、基本的にはいずれの分類に属するものも適用で
きるが、縮合型は副生物が生じ、可使時間(ポットライ
フ)が一般に短いのに対し、付加型は副生物が生じなく
て、可使時間が比較的に長く、かつ調節が比較的に容易
であり、例えば加熱と反応抑制剤で反応速度を調整でき
る。
【0043】すなわち硬化速度は温度依存性が大きく、
温度を上げるほど短時間で硬化しまた、2成分形で白金
触媒の種類や量を変えたり、反応抑制剤を使用すること
により、100〜200℃で硬化速度はかなり自由に変
えられ、さらにそれらの抑制作用を強くすると、1成分
形に混合しておいても低温で保管するかぎりは長期間未
硬化あるいは半硬化状態に保持できるので、付加型が取
り扱いやすく、さらに付加型の中でもあらかじめ接着性
向上剤が添加された自己接着性のものが好ましい。
【0044】すなわち、いわゆる付加型加熱硬化型シリ
コーンゴム接着剤に分類されるものが好ましい。付加型
加熱硬化型シリコーンゴム接着剤についてさらに詳細に
説明すると、主剤としては脂肪族不飽和結合のビニル基
などアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、架橋剤
としてはハイドロジェンオルガノポリシロキサン、硬化
触媒としては白金化合物、例えばアルコール変性錯体、
メチルビニルポリシロキサン錯体、ジビニルジシロキサ
ン錯体などの白金錯体が最も一般的に使用され、反応抑
制剤としては例えばメチルビニルシクロテトラシロキサ
ン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレ
ンアルコール類、ハイドロパーオキサイドなど、強度向
上材としては例えば補強性シリカ、表面処理補強性シリ
カ、ビニル基含有シリコーンレジンが使用され、補強性
シリカ、表面処理補強性シリカはBET比表面積が80
2 /g以上のものがとくに有用で、接着性向上剤とし
てはシロキサン、カーボンファンクショナルシラン、例
えば3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3、4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランな
ど、接着官能基としてヒドロシリル基、オキシラン基、
アルコキシシリル基を有するものが主として用いられ、
これら主たる成分以外に、さらに他の充填材、ベントナ
イト、有機ベントナイト、モンモリロナイト、超微粉末
シリカ、超微粉末チタニア、超微粉末アルミナなどのチ
クソトロピー性付与剤、メチルセルロース、メチルセル
ロースナトリウム塩、酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウムなどの粘度を調整する増粘剤などが必要に応じて
添加され、これらの種類と量を適宜選定することによ
り、硬化反応が制御され、所定の環境条件において所定
の時間内、すなわちこれら組成物を混合後、複層ガラス
を製造するまでの間、未硬化あるいは半硬化状態のまま
保持でき、しかもスペーサーとして紐状に成形すること
ができ、しかも紐状物がガラスの形状に沿うように変形
可能なものであり、かつコーナー部で折り曲げた場合で
もほぼそのままの形状を保持することができるものであ
り、かつ若干の自己粘着性も有するものであり、かつ硬
化後は適度な弾性率と接着強さを発現することにより、
複層ガラスがとくに夏季のような高温雰囲気下において
保管されるような場合でも、ずり変形が発生しないもの
とすることができまた、例えば夏季のような強い直達日
射により、庇がなく、アルミサッシが60℃以上の温度
になるような場合でも、アルミサッシの中で膨張による
塑性変形が発生するという問題もなく、自己粘着性がな
いものとすることができる。
【0045】第2のスペーサーの硬さはJIS K 6
301に規定された方法により、未硬化あるいは半硬化
状態においてJISA硬度が20未満、好ましくは15
未満であり、硬化後においてJISA硬度が25以上、
70未満、好ましくは30以上、65未満である。
【0046】また、未硬化あるいは半硬化状態にある第
2のスペーサーが硬化後、板ガラスと強固に接着一体化
させる方法としては、硬化性樹脂組成物が本来自己接着
性を有するものであるか、あるいはあらかじめ接着性向
上剤を添加することにより自己接着性を発現させるとい
うこれまでに説明した方法以外に、プライマーによる前
処理を施す方法ももちろん採用することができる。
【0047】また、第2のスペーサーの充填材として
は、充填材の中でも、白雲母や金雲母などの天然マイ
カ、合成マイカ、グラファイト、ガラスフレーク、フェ
ライト、タルク、ステンレスフレーク、アルミニウムフ
レーク、ニッケルフレークなどのフレーク状充填材がと
くに好ましく、これらを充填した組成物は水蒸気、アル
ゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、六弗化イオ
ウガスなどの気体透過性と水などの液体透過性を低く抑
えることができ、しかもフレーク状充填材がガラス面に
ほぼ垂直に配向を制御されて充填された第2のスペーサ
ーはランダムに充填された第2のスペーサーに比べて水
蒸気などの気体透過性と水などの液体透過性をさらに低
く抑えることができるのでより好ましい。フレーク状充
填材はフレーク径が10〜2000μm、フレーク厚さ
が1〜200μmの範囲であり、アスペクト比が5〜2
000のものであり、好ましくはフレーク径が50〜1
000μm、フレーク厚さが2〜100μmの範囲であ
り、アスペクト比が10〜500のものである。
【0048】また、フレーク状充填材がガラス面にほぼ
垂直に配向を制御されて充填された第2のスペーサーを
作製する方法としては、例えばフレーク状充填材として
フレーク径が数百μm、フレーク厚さが数μmのものを
用いる場合、混練機を用いて樹脂、硬化剤、フレーク状
充填材および他の充填材など各種配合組成物を投入して
混練して得られた混練物を、まずカレンダー成形機、押
出成形機などを用いて厚さ数百μmのフィルム状に成形
するか、あるいは押出成形機などを用いて数百μmより
やや厚めのフィルム状に成形後、所定のフィルム厚さに
延伸すると、成形時に混練物にせん断変形が負荷される
ので、このフィルム状物に充填されたフレーク状充填材
はフィルム表面にほぼ並行に配向を制御されたものとす
ることができ、そのフィルム状物を数十枚積層すること
により、フレーク状充填材が配向をほぼ制御されて充填
された所定の厚さの紐状の硬化性樹脂組成物を作製する
ことができ、この紐状の硬化性樹脂組成物をフレーク状
充填材がガラス面にほぼ垂直に配向を制御されて充填さ
れるとすることができる方向にガラス面上に配設するこ
とにより作製することができる。
【0049】第1のスペーサーと紐状に成形して得られ
た未硬化あるいは半硬化状態にある変形可能な第2のス
ペーサーは、各々分離されたスペーサーとして順次連続
して、第1のスペーサーを内側に、未硬化あるいは半硬
化状態にある第2のスペーサーを外側にして、一方の板
ガラスの周縁端部あるいはそのやや内側の所定の位置に
必要に応じて位置決め貼り付け用治具を用いた手作業、
あるいは半自動、あるいは完全自動化された機械的方式
により配設されることができ、しかも内側の前記第1の
スペーサーが自己粘着性を有するので仮固定することが
できる。
【0050】その後、他方の板ガラスを貼り付け圧着
し、粘着一体化することにより、製造工程を簡素化する
ことができる。このようにして得られた複層ガラス全体
を加熱炉に導入するか、あるいは未硬化あるいは半硬化
状態にある第2のスペーサーのみを加熱して、第2のス
ペーサーを硬化させることにより同時に板ガラスと強固
に接着一体化させて、デュアルシール方式に相当する構
成として封着した複層ガラスを得る。
【0051】加熱硬化は80〜200℃の温度範囲、好
ましくは100〜150℃の温度範囲で行うことができ
る。また、この硬化工程においてより強固に接着一体化
させるために、硬化工程に導入する前に複層ガラスの総
厚がごくわずかだけ小さくなる程度の圧力で複層ガラス
全体を加圧し、加圧した状態のまま硬化させるか、ある
いはロール間隔がごくわずかだけ徐々に狭くなるように
調整された複数のロール間を通すことにより複層ガラス
全体を加圧しながら、ロール間を通過する間に硬化させ
るなどすると良い。この未硬化あるいは半硬化状態にあ
る第2のスペーサーを硬化させる方法としては、板ガラ
スと強固に接着一体化させることができるならば、加熱
硬化以外の、例えば紫外線硬化、電子線硬化などの他の
方法でも構わない。
【0052】第1のスペーサーと紐状に成形して得られ
た未硬化あるいは半硬化状態にある変形可能な第2のス
ペーサーは、各々分離されたスペーサーとして順次連続
して、一方の板ガラスの周縁端部あるいはそのやや内側
の所定の位置に必要に応じて位置決め貼り付け用治具を
用いた手作業、あるいは半自動、あるいは完全自動化さ
れた機械的方式により配設される場合、スペーサーの端
部同士は第1のスペーサーの端部同士は先に説明したよ
うに接合しまた、未硬化あるいは半硬化状態にある第2
のスペーサーの端部同士は圧着し接合した後、例えば複
層ガラス全体を加熱炉に導入して、未硬化あるいは半硬
化状態にある第2のスペーサーを硬化させることにより
同時に板ガラスと強固に接着一体化させることにより複
層ガラスを得る。
【0053】ただし、未硬化あるいは半硬化状態にある
第2のスペーサーの端部同士は、自己粘着性が充分にな
い場合には隙間が残る不安もあり、その場合は端部同士
の接合部の隙間に、内側に配設した第1のスペーサーの
1次封着材に用いたものと同様の自己粘着性を有する湿
分不透過性接着剤型密封材を充填して封着信頼性をより
確実なものとすることができる。
【0054】また、例えば複層ガラス全体を加熱炉に導
入して、未硬化あるいは半硬化状態にある第2のスペー
サーを硬化させることにより同時に板ガラスと強固に接
着一体化させる場合、中空空間の空気層の熱膨張が原因
となる映像の歪みなどの不具合、あるいは逆に中空空間
の空気温度が常温付近まで低下した時点で、中空空間の
空気層の熱収縮が原因となる映像の歪みなどの不具合の
発生を防止するため、加熱炉に導入する前に第1のスペ
ーサーの1次封着材としての自己粘着性を有する湿分不
透過性接着剤型密封材を全周には塗布せずに、接合部に
一部未塗布状態の隙間を設けるか、あるいは接合部にお
いて端部同士を密着させず隙間を設け、同様に第2のス
ペーサーの端部同士を接合せず、第1のスペーサーに設
けられた隙間の位置と第2のスペーサーに設けられた隙
間の位置をほぼ一致させ、例えば1mmから2mm程度
隙間を設けておいて、加熱硬化後、中空空間の空気温度
が常温付近まで低下した時点で、内側に配設した第1の
スペーサーの1次封着材に用いたものと同様の自己粘着
性を有する湿分不透過性接着剤型密封材を隙間に充填し
て封着性能を確実なものとすることができる。
【0055】この場合、例えば超音波ウエルダー装置を
用いると、隙間に充填した自己粘着性を有する湿分不透
過性接着剤型密封材と板ガラスの粘着一体化、および隙
間に充填した自己粘着性を有する湿分不透過性接着剤型
密封材とすでに配設されたスペーサーの端部との粘着一
体化が、ともにより強固なものとなり、封着信頼性をよ
り確実なものとすることができる。
【0056】あるいは、スペーサーの端部同士を接合し
た部分に、例えば内径が1mmから2mm程度のパイプ
を中空空間と外気が連通するように埋設しておいて、加
熱硬化後、中空空間の空気温度が常温付近まで低下した
時点でパイプを抜き取り、その穴に内側に配設した第1
のスペーサーの1次封着材に用いたものと同様の自己粘
着性を有する湿分不透過性接着剤型密封材を充填して封
着性能を確実なものとすることができる。あるいは、パ
イプを抜き取らず、パイプの穴もしくはパイプごと内側
に配設した第1のスペーサーの1次封着材に用いたもの
と同様の自己粘着性を有する湿分不透過性接着剤型密封
材を充填埋設して封着性能を確実なものとすることがで
きる。あるいは、パイプが気体透過係数が小さい材料、
例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リ弗化ビニリデンなどのプラスチック、またはアルミニ
ウムなどの金属を蒸着したプラスチックにより形成され
ている場合は、中空空間の空気温度が常温付近まで低下
した時点でパイプを熱融着などにより密封することによ
り封着性能を確実なものとすることができる。
【0057】また、スペーサーの端部同士の隙間に充填
する自己粘着性を有する樹脂組成物について、内側に配
設した第1のスペーサーの1次封着材に用いられるもの
と同様のものと説明したが、とくに隙間をより確実に埋
めるためには、より高い自己粘着性を有することが望ま
しく、そのために充填材を充填しないものか、あるいは
充填率を下げたものを用いても勿論構わない。
【0058】また、スペーサーの端部同士の隙間に充填
する自己粘着性を有する湿分不透過性接着剤型密封材
は、200℃以下の温度に加熱して粘度を下げたものを
充填することにより、封着性能を確実なものとすること
ができる。
【0059】また、スペーサーが、内側に配設される第
1のスペーサーと外側に配設される第2のスペーサーの
少なくとも2層からなる構成としたのは、この2層の中
間あるいは第2のスペーサーのさらに外側に、必要に応
じて気体透過係数の小さいフィルム、例えばポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフ
ィルム、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔お
よびそれらをラミネートした積層フィルム、またはアル
ミニウムなどの金属を蒸着したプラスチックフィルムを
設けてもよい。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 本発明における複層ガラス1の実施例を図1に要部断面
図(一部)で示す。
【0061】2枚の板ガラス2、3は厚さ5mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス3は中空空間側に特殊
金属膜をコーティングした低放射板ガラスであり、垂直
放射率は0.07 である。
【0062】第1のスペーサー4は、中空空間層6mm
用のステンレス製断面略U字型剛性隔離部材5で、その
中空底部の内側に湿分透過性樹脂層6として2液タイプ
常温硬化型ポリウレタン接着剤に乾燥剤として粒子径が
100μm以下の微粉末状ゼオライト3Aを30wt%
充填したものを塗布配設し、ガラスと粘着接合させるそ
の外側の2面にポリイソブチレンを主成分とする無溶剤
タイプの自己粘着性を有する湿分不透過性接着剤型密封
材を1次封着材7として片面当たり幅5mm、厚さ0.
3mm塗布したものである。
【0063】他方、第2のスペーサー8は、厚さ6m
m、幅3mmの紐状の硬化性樹脂層からなるものであ
り、付加型1成分形加熱硬化型シリコーンゴム接着剤
に、チクソトロピー性付与剤として有機ベントナイトを
5wt%、フレーク状充填材としてフレーク径が約27
0μm、フレーク厚さが約10μm、アスペクト比が約
27のマイカ9を40wt%充填したもので、ニーダー
を用いて混練後、押出成形機を用いて厚さ6mm、幅3
mmの断面が矩形状の紐状に成形され、マイカ9の配向
は紐状物の表面の近傍においては4面ともに各表面にほ
ぼ並行になるが、中心部では配向が乱れてランダムにな
り、適度な弾性率の半硬化状態に調製され、ガラスの形
状に沿うように変形可能なものであり、かつコーナー部
で折り曲げた場合でもほぼそのままの形状を保持するこ
とができるものである。
【0064】第1のスペーサー4と半硬化状態にある第
2のスペーサー8を、一方の板ガラス2の周縁端部の所
定の位置に第1のスペーサー4を内側に、半硬化状態に
ある第2のスペーサー8を外側になるように配設する。
【0065】内側の第1のスペーサー4が自己粘着性を
有するので、仮固定することができる。これにより製造
工程としては第2のスペーサー8を塗布することなく、
デュアルシール方式に相当する構成として封着すること
ができるので、製造工程を簡素化することができる。
【0066】その後、他方の板ガラス3を貼り付け圧着
し、粘着一体化する。このようにして得られた複層ガラ
ス1を図示しない加熱炉に導入し、125℃、10分加
熱して半硬化状態にある第2のスペーサー8を硬化させ
ると同時に板ガラス2、3と強固に接着一体化させま
た、第1のスペーサー4は板ガラス2、3とより強く粘
着一体化させることにより封着部がより強固に接着され
た複層ガラス1を得ることができる。
【0067】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1の初期露点をJIS R
3209−1995に規定された方法により、また、初
期熱貫流率をJIS A 4710−1989に準拠し
た方法により測定したところ、初期露点は−70℃以下
となりJIS規格(−35℃以下)をクリアし、初期熱
貫流率は2.17kcal/m2 h℃となり断熱性能が
高く、JIS R 3209−1995に規定されたJ
IS加速耐久性試験III類後、露点は−70℃以下とな
りJIS規格(−30℃以下)をクリアし、熱貫流率は
2.17 kcal/m2 h℃となり断熱性能が高く、し
かも過酷な条件の試験後もほとんど初期露点、熱貫流率
の低下はなく充分な耐久性を有することを確認した。
【0068】また、夏季のような高温雰囲気下において
保管されるような場合におけるずり変形を調べるため、
ずり変形試験方法を図4に示した。同様に作製した35
0mm×500mmサイズの複層ガラス1を短辺を水平
に長辺を角度80°で傾斜させ、片側のガラス2のみを
支持台10に支持固定し、6kgの重り11を固定した
他方のガラス3と封着部の第1のスペーサー4と第2の
スペーサー8をフリーの状態で浮かせ、加熱炉に導入
し、40℃、60分経過後、フリーの状態で浮いた他方
のガラス3のずり変形量をこの他方のガラス3の上辺に
セットしたダイヤルゲージ12で測定したところ、0.
0mmであり、耐ずり変形性が優れていることが分かっ
た。
【0069】また、第2のスペーサー8の硬さは、JI
SA硬度が半硬化状態で15であり、硬化後65であっ
た。 実施例2 本発明における複層ガラス1’の実施例を図2の要部断
面図で示す。
【0070】2枚の板ガラス2、3は厚さ5mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス3は中空空間側に特殊
金属膜をコーティングした低放射板ガラスであり、垂直
放射率は0.07 である。
【0071】第1のスペーサー4は、実施例1と同じも
のを用いた。他方、第2のスペーサー8’は、厚さ6m
m、幅3mmの紐状の硬化性樹脂層からなるものであ
り、付加型1成分形加熱硬化型シリコーンゴム接着剤
に、チクソトロピー性付与剤として有機ベントナイトを
5wt%、フレーク状充填材としてマイカ9’を40w
t%充填したものであるが、実施例1と異なりフレーク
状充填材としてフレーク径が約690μm、フレーク厚
さが約10μm、アスペクト比が約69のマイカ9’の
配向を制御するため、ニーダーを用いて混練後、まず押
出成形機を用いて幅が6mmよりやや狭め、厚さが約2
00μmのフィルム状に成形するとマイカ9’はフィル
ム面に並行方向に配向することになり、同様の方法で得
られたフィルムを16枚貼り合わせ、軽く圧着すること
によりマイカ9’の配向がほぼ並行に制御された幅が6
mm、厚さ3mmの断面が矩形状の紐状物が得られ、こ
れを90°回転させると厚さ6mm、幅3mmの断面が
矩形状の紐状物となり、マイカ9’の配向がガラス面に
ほぼ垂直に制御された、適度な弾性率の半硬化状態に調
製され、ガラスの形状に沿うように変形可能なものであ
り、かつコーナー部で折り曲げた場合でもほぼそのまま
の形状を保持することができるものである。
【0072】第1のスペーサー4と半硬化状態にある第
2のスペーサー8’を、一方の板ガラス2の周縁端部の
所定の位置に第1のスペーサー4を内側に、半硬化状態
にある第2のスペーサー8’を外側になるように配設す
る。
【0073】内側の第1のスペーサー4が自己粘着性を
有するので、仮固定することができる。これにより製造
工程としては第2のスペーサー8’を塗布することな
く、デュアルシール方式に相当する構成として封着する
ことができるので、製造工程を簡素化することができ
る。
【0074】その後、他方の板ガラス3を貼り付け圧着
し、粘着一体化する。このようにして得られた複層ガラ
ス1’を図示しない加熱炉に導入し、125℃、10分
加熱して半硬化状態にある第2のスペーサー8’を硬化
させると同時に板ガラス2、3と強固に接着一体化さ
せ、また、第1のスペーサー4が板ガラス2、3とより
強く粘着一体化させることにより、封着部がより強固に
接着された複層ガラス1'を得ることができる。
【0075】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1’の初期露点は−70℃以
下となりJIS規格(−35℃以下)をクリアし、初期
熱貫流率は2.17kcal/m2 h℃となり断熱性能
が高く、JIS加速耐久性試験III類後、露点は−70
℃以下となりJIS規格(−30℃以下)をクリアし、
熱貫流率は2.17 kcal/m2 h℃となり断熱性能
が高く、しかも過酷な条件の試験後もほとんど初期露
点、熱貫流率の低下はなく充分な耐久性を有することを
確認した。
【0076】さらにJIS加速耐久性試験III類までを
3サイクル繰り返し行った後でも、露点は−70℃以
下、熱貫流率は2.17 kcal/m2 h℃となり、ほ
とんど初期露点、熱貫流率の低下はなくさらに充分な耐
久性を有することを確認した。
【0077】また、同様に作製した350mm×500
mmサイズの複層ガラス1'についてずり変形量を測定
したところ、0.0mmであり、耐ずり変形性が優れて
いることが分かった。
【0078】また、第2のスペーサー8'の硬さは、J
ISA硬度が半硬化状態で15であり、硬化後65であ
った。 実施例3 第2のスペーサーが付加型1成分形加熱硬化型シリコー
ンゴム接着剤単体であり、チクソトロピー性付与剤とし
ての有機ベントナイト、フレーク状充填材としてのマイ
カを充填しないことを除くと、実施例1と同様の方法に
て得られた350mm×500mmサイズの複層ガラス
の初期露点は−70℃以下となりJIS規格(−35℃
以下)をクリアし、初期熱貫流率は2.17kcal/
2 h℃となり断熱性能が高く、JIS加速耐久性試験
III類後、露点は−70℃以下となりJIS規格(−3
0℃以下)をクリアし、熱貫流率は2.17 kcal/
2 h℃となり断熱性能が高く、しかも過酷な条件の試
験後もほとんど初期露点、熱貫流率の低下はなく充分な
耐久性を有することを確認した。
【0079】さらにJIS加速耐久性試験III類後、露
点は−70℃以下、熱貫流率は2.17 kcal/m2
h℃となり、ほとんど初期露点、熱貫流率の低下はなく
さらに充分な耐久性を有することを確認した。
【0080】また、同様に作製した350mm×500
mmサイズの複層ガラスについてずり変形量を測定した
ところ、0.0mmであり、耐ずり変形性が優れている
ことが分かった。
【0081】また、第2のスペーサーの硬さは、JIS
A硬度が半硬化状態で12であり、硬化後60であっ
た。
【0082】
【比較例1】複層ガラス1''の比較例を図3に要部断面
図で示す。2枚の板ガラス2、3は厚さ5mmのフロー
ト板ガラスで、一方の板ガラス3は中空空間側に特殊金
属膜をコーティングした低放射板ガラスであり、垂直放
射率は0.07 である。
【0083】スペーサー4''は、厚さ6mm、幅10m
mの乾燥剤を充填した自己粘着性を有する断面が矩形状
の紐状に成形されたもので、板ガラスの周縁端部に配設
した。
【0084】スペーサー4''はポリイソブチレンを主成
分とするホットメルトブチルに粒子径が100μm以下
の微粉末状ゼオライト3Aを30wt%充填したもの
で、密閉型ニーダーを用いて混練後、押出成形機を用い
て厚さ6mm、幅10mmの矩形状の断面の紐状に成形
され、板ガラスの周縁端部に仮固定できる十分な自己粘
着性を有するとともにガラスの形状に沿うように変形可
能なものであり、かつコーナー部で折り曲げた場合でも
ほぼそのままの形状を保持することができるものであ
る。
【0085】スペーサー4''は、一方の板ガラス2の周
縁端部の所定の位置に位置決め用治具を用いて配設す
る。これにより製造工程としてはいわゆるシングルシー
ル方式として封着することができるので、製造工程を簡
素化することができる。
【0086】その後、他方の板ガラス3を貼り付け圧着
し、粘着一体化する。このようにして得られた複層ガラ
ス1''を図示しない加熱炉に導入し、125℃、10分
加熱して板ガラス2、3とより強く粘着一体化させ、複
層ガラス1''を得ることができる。
【0087】このようにして得られた350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1''の初期露点は−45℃と
なりJIS規格(−35℃以下)をクリアし、初期熱貫
流率は2.17kcal/m2 h℃となり断熱性能が高
く、JIS加速耐久性試験III類後、露点は−70℃以
下となりJIS規格(−30℃以下)をクリアし、熱貫
流率は2.17 kcal/m2 h℃となり断熱性能が高
く、しかも過酷な条件の試験後もほとんど初期露点、熱
貫流率の低下はなく充分な耐久性を有することを確認し
た。
【0088】しかし、同様に作製した350mm×50
0mmサイズの複層ガラス1''のずり変形量を測定した
ところ、1.5mmであり、耐ずり変形性が本発明と比
較して非常に劣ることが分かった。
【0089】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
露点性能および断熱性能が優れるとともに、長期的な耐
久性を保持するものとすることができまた、夏季のよう
な高温雰囲気下において保管するような場合でも、ずり
変形が発生しない耐ずり変形性が優れたものとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複層ガラス1の実施例1を示す
要部断面図である。
【図2】本発明における複層ガラス1'の実施例2を示
す要部断面図である。
【図3】複層ガラス1''の比較例1を示す要部断面図で
ある。
【図4】複層ガラスのずり変形試験方法を示す側断面図
である。
【符号の説明】 1、1'、1'' 複層ガラス 2 板ガラス 3 板ガラス(低放射ガラス) 4(4'') 第1のスペーサー(スペーサー) 5 断面略U字型剛性隔離部材 6 乾燥剤を充填した湿分透過性樹脂層 7 1次封着材 8 第2のスペーサー 9 フレーク状充填材マイカ 10 支持台 11 重り 12 ダイヤルゲージ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持するスペーサーをこのパネルの周縁端部に
    配設することにより密封された中空空間が形成されてい
    る複層ガラスにおいて、前記スペーサーは第1のスペー
    サーと第2のスペーサーとの少なくとも2層からなり、
    第1のスペーサーが断面略U字型剛性隔離部材の開口部
    が中空空間側を向き、かつ中央底部の内側に乾燥剤を充
    填した湿分透過性樹脂層を塗布配設し、かつガラスと粘
    着接合される外側部分に1次封着材として、湿分不透過
    性接着剤型密封材を塗布したものであり、第2のスペー
    サーが紐状の硬化性樹脂層からなるもので、第1のスペ
    ーサーを内側に、第2のスペーサーを外側にして、それ
    ぞれのスペーサーを配設するようにしたことを特徴とす
    る複層ガラス。
  2. 【請求項2】第2のスペーサーが、ポリサルファイド
    系、シリコーン系、ポリウレタン系、エポキシ系、不飽
    和ポリエステル系などの硬化性樹脂、あるいはエポキシ
    ウレタン系、エポキシシリコーン系、エポキシポリサル
    ファイド系などの変成、あるいは混合、あるいは相互侵
    入高分子網目(IPN:Interpenetrati
    ng Polymer Network)などの手法に
    より得られる硬化性樹脂のいずれかの硬化性樹脂を含む
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】未硬化あるいは半硬化状態にある前記第2
    のスペーサーが潜在性硬化剤法あるいは自己硬化法など
    を用いた1成分形のものであることを特徴とする請求項
    1あるいは請求項2に記載の複層ガラス。
  4. 【請求項4】前記第2のスペーサーがフレーク状充填材
    を充填したものであることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の複層ガラス。
  5. 【請求項5】前記第2のスペーサーがフレーク状充填材
    を充填したものであり、フレーク状充填材が板ガラス面
    にほぼ垂直に配向を制御されたことを特徴とする請求項
    4に記載の複層ガラス。
  6. 【請求項6】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持するスペーサーをこのパネルの周縁端部に
    配設することにより密封された中空空間が形成されてい
    る複層ガラスの製造方法において、第1のスペーサーと
    して断面略U字型剛性隔離部材の開口部が中空空間側を
    向き、かつ中央底部の内側に乾燥剤を充填した湿分透過
    性樹脂層を塗布配設し、かつガラスと粘着接合される外
    側部分に1次封着材として、湿分不透過性接着剤型密封
    材を塗布したものを一方の板ガラスの周縁端部あるいは
    そのやや内側に貼り付けた後、その上に他方の板ガラス
    を圧着、一体化させ、次いで第2のスペーサーとし未硬
    化あるいは半硬化状態にある紐状に成形して得られたも
    のを第1のスペーサーの外側に配設し、該第2のスペー
    サーを硬化させることにより同時に板ガラスと強固に接
    着一体化させることを特徴とする複層ガラスの製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2597244A1 (en) * 2010-07-22 2013-05-29 Toho Sheet & Frame Co., Ltd. Multi-layered window structure

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2597244A1 (en) * 2010-07-22 2013-05-29 Toho Sheet & Frame Co., Ltd. Multi-layered window structure
EP2597244A4 (en) * 2010-07-22 2014-01-15 Toho Sheet & Frame MULTILAYER WINDOW STRUCTURE
US9440662B2 (en) 2010-07-22 2016-09-13 Toho Sheet & Frame Co., Ltd Multi-layered window structure

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