JPH11130406A - 一酸化炭素の選択的除去装置及び触媒体の作成方法 - Google Patents

一酸化炭素の選択的除去装置及び触媒体の作成方法

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JPH11130406A
JPH11130406A JP9290634A JP29063497A JPH11130406A JP H11130406 A JPH11130406 A JP H11130406A JP 9290634 A JP9290634 A JP 9290634A JP 29063497 A JP29063497 A JP 29063497A JP H11130406 A JPH11130406 A JP H11130406A
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carbon monoxide
catalyst
gas
treated
zeolite
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JP9290634A
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Kunihiro Ukai
邦弘 鵜飼
Kiyoshi Taguchi
清 田口
Takeshi Tomizawa
猛 富澤
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Yasuhiro Fujii
康浩 藤井
Jiro Suzuki
次郎 鈴木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/06Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues
    • H01M8/0662Treatment of gaseous reactants or gaseous residues, e.g. cleaning
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池では、燃料水素ガス中
の一酸化炭素を安定して低減する必要がある。この時、
一酸化炭素を酸化する場合燃料である水素も同時に酸化
されるため、一酸化炭素のみを選択的に酸化除去するこ
とが重要となる。 【解決手段】 被処理ガスの供給部と、モルデナイト系
ゼオライトまたは疎水性ゼオライトを主成分とする基体
に白金族系触媒を分散担持した触媒体を設けた触媒反応
部を設け、被処理ガスを120℃から200℃の範囲で
触媒体の温度を制御した触媒反応部に通すことで被処理
ガス中の一酸化炭素を選択的に除去する。本装置で使用
する触媒体は、モルデナイト系ゼオライトまたは疎水性
ゼオライトと、アルミナ系ゾルまたはシリカ系ゾルとを
混合した溶液を、ハニカム形状のセラミック基体に塗布
した後、これを400℃から500℃の温度範囲で加熱
焼成することで形成した基体に、白金族系触媒を分散担
持したものをもちいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素ガスを燃料と
する固体高分子型燃料電池の燃料中に含まれる、一酸化
炭素を選択的に除去する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に燃料電池用の燃料ガスには、天
然ガス等の炭化水素成分、メタノール等のアルコール、
あるいはナフサ成分等を水蒸気改質して得られる水素ガ
スが用いられる。水蒸気改質反応では、水素や二酸化炭
素の生成の他に一酸化炭素が副生成する。溶融炭酸塩型
等の高温タイプの燃料電池では、水蒸気改質時に副生成
する一酸化炭素も燃料として利用される。しかし、動作
温度の低いリン酸型や固体高分子型燃料電池では、電池
電極として利用される白金属系触媒が一酸化炭素により
被毒され、十分な発電特性が得られなくなる。
【0003】そこで、一酸化炭素変成触媒を用い改質後
の燃料ガス中の一酸化炭素濃度を低減した後、白金属系
触媒を用いて一酸化炭素を酸化除去されることが行われ
ている。例えば特開平5−201702のように、アル
ミナを担体として調整した白金あるいはロジウム触媒を
用い、低温で一酸化炭素を選択的に酸化させ除去する方
法が考案されている。また、特開平7−185303の
ように、触媒温度を一定に保ち一酸化炭素をより効果的
に除去しようとする方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】動作温度が特に低い固
体高分子型燃料電池では、一酸化炭素濃度が50ppm
程度のガスを供給した場合でも比較的短い時間で電極触
媒が被毒し発電特性が急激に低下する。従って、燃料水
素ガス中の一酸化炭素を安定して低減する必要がある。
従来の一酸化炭素酸化用触媒を用いた手法あるいは発明
においても、一酸化炭素濃度は電極触媒の被毒以下まで
低減することは可能である。しかし、実使用条件を考慮
した場合、一酸化炭素の酸化は発熱反応であることか
ら、一酸化炭素濃度変化すると触媒温度が変化する可能
性が大きくなる。安定した一酸化炭素除去特性を発揮す
るためには、広い温度範囲で使用できる一酸化炭素酸化
用触媒が望まれている。また、一酸化炭素を酸化する場
合燃料である水素も同時に酸化されるため、できるだけ
一酸化炭素のみを選択的に酸化除去する必要がある等の
課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するため本装置は、一酸化炭素を含む水素ガスよりな
る被処理ガス供給部と、前記被処理ガスに酸素を含むガ
スを混合するための酸素ガス供給部と、モルデナイト系
ゼオライトまたは疎水性ゼオライトを主成分とする基体
に白金族系触媒を分散担持した触媒体を設けた触媒反応
部とを具備した装置であり、前記被処理ガス供給より導
入した被処理ガスと、前記酸素ガス供給部より導入した
酸素とを混合した後、前記混合ガスを前記触媒反応部に
通すことにより、前記被処理ガス中に含まれる一酸化炭
素を選択的に除去するものである。このとき、被処理ガ
スに混合する酸素を含有するガスは空気を使用すること
が出来る。
【0006】また本装置は、一酸化炭素を含む水素ガス
よりなる被処理ガス供給部と、モルデナイト系ゼオライ
トまたは疎水性ゼオライトを主成分とする基体にルテニ
ウムを分散担持した触媒体を設けた触媒反応部とを具備
した装置であり、前記被処理ガス供給部より導入した被
処理ガスを前記触媒反応部に通すことにより、前記被処
理ガス中に含まれる一酸化炭素を選択的に除去するもの
である。
【0007】さらに、触媒反応部内に設置した触媒体の
温度を被処理ガスが通過するとき120℃から200℃
に保つことにより一酸化炭素の選択的除去効率を最適に
することが出来る。また、被処理ガスの供給前に予め触
媒反応部に空気を供給するとともに、触媒反応部の触媒
体を200℃から500℃の温度に加熱することで、触
媒体に付着している水分を除去することで触媒活性を高
めることが有用である。
【0008】以上の装置において、一酸化炭素を選択的
に除去するさい使用する触媒体は、(モルデナイト系ゼ
オライトまたは疎水性ゼオライト)と(アルミナ系ゾル
またはシリカ系ゾル)とを混合した溶液をハニカム形状
のセラミック基体に塗布した後400℃から500℃の
温度範囲で加熱焼成することで形成した基体に、白金族
系触媒を分散担持したものを使用すると、長期信頼性に
優れた装置を提供することが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による上記装置を用いて、
従来の一酸化炭素除去法に関しての課題を解決し、一酸
化炭素の選択酸化性を向上させるとともに、温度、供給
空気量、一酸化炭素処理量等の使用条件変化に安定して
対応できる、動作温度の低い燃料電池、特に固体高分子
型燃料電池用の水素ガス供給装置に対応した一酸化炭素
除去法を提供する。
【0010】本発明は、一酸化炭素の選択的吸着性の優
れたモルデナイト系ゼオライトと白金、ロジウム、パラ
ジウムあるいはルテニウム触媒で調製した触媒体を用
い、水素ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化あるいはメ
タン化させることで除去する。
【0011】また、白金属系酸化触媒を分散担持したモ
ルデナイト系ゼオライトをハニカム形状の基体に担持す
ることにより、その取り扱い性を向上することが出来
る。さらに、ハニカムを炭化珪素を主成分とした材料で
構成することで、触媒体の温度分布を均一化でき一酸化
炭素除去性を安定化させることが可能である。
【0012】モルデナイト系ゼオライトを粉体のまま使
用すると、取り扱い性が悪く、同時にガス流路での圧損
増大の原因となる。そこで、本発明の装置で使用する触
媒体は、モルデナイト系ゼオライトまたは疎水性ゼオラ
イトと、アルミナ系ゾルまたはシリカ系ゾルとを混合し
た溶液を、ハニカム形状のセラミック基体に塗布した
後、これを400℃から500℃の温度範囲で加熱焼成
することで形成した基体に、白金族系触媒を分散担持し
たものを用いた。これにより、一酸化炭素の選択的酸化
性を低下することなく、簡便な装置構成を取ることが出
来た。
【0013】また、モルデナイト系ゼオライトは、吸湿
により一酸化炭素吸着が低下する。そのため、ガス供給
前に予め空気を供給するとともに、触媒反応部の触媒体
を200から500℃の温度に加熱することで、吸湿に
より一酸化炭素除去性が低下した触媒体の特性を回復さ
せる。また、モルデナイト系ゼオライトの代わりに疎水
性を有するゼオライトを用い触媒体を構成することで吸
湿が防止できる。
【0014】さらに、触媒反応部を2個以上直列に設け
ること、およびその各触媒反応部入口で供給ガスに空気
を供給することで、安定した一酸化炭素除去を可能とす
る。
【0015】本発明により、天然ガス等の炭化水素成
分、メタノール等のアルコール、あるいはナフサ成分等
の水蒸気改質装置から供給される水素ガス中の一酸化炭
素を選択的に除去し、特に固体高分子型燃料電池で使用
できるレベルまで一酸化炭素濃度を低減することを可能
とする。
【0016】以下、本発明実施形態について図面ととも
に説明する。 (実施の形態1)図1は本発明による一実形態の要部縦
断面図である。図1において、1は少なくとも一酸化炭
素を副成分として含む水素ガスを供給するガス供給部で
ある。2は触媒反応部で、3の触媒体、4の温度調整
体、5の加熱ヒーター部、6の温度測定制御部を主な構
成部とする。7は空気供給部、8は供給空気量制御部で
ある。
【0017】次に動作を説明する。ガス供給部1から送
られた水素ガスに、空気供給部より空気を供給する。供
給空気量は、ガス中に含まれると考えられる一酸化炭素
量の反応当量以上の酸素量となるように供給空気量制御
部8で制御する。そのガスを触媒反応部2に送風し一酸
化炭素を選択酸化した後、最終的にはガス条件を調整し
水素ガスを燃料とする燃料電池本体に供給する。触媒反
応部2では、触媒体3温度が120℃から200℃にな
るように温度測定制御部6で加熱ヒーター部への入力電
力を制御する。
【0018】本発明では、水素ガス中に含まれる一酸化
炭素を選択的に除去することを目的とする。そこで、一
般的に触媒の担体として用いられるアルミナ成分あるい
は他のゼオライト成分と比較して一酸化炭素吸着性に優
れるモルデナイトを用い、白金触媒との触媒体を調製し
た。一酸化炭素を含む水素ガスを本触媒体に供給した場
合、一酸化炭素の吸着性によりモルデナイト近傍での一
酸化炭素濃度は高くなる。その結果、モルデナイト表面
に存在する触媒との反応確率が大きくなり、選択的に一
酸化炭素が酸化される。また、低温での一酸化炭素酸化
性の優れる白金触媒組み合わせることで、120℃とい
う低温から一酸化炭素を酸化させ除去することを可能と
する。
【0019】次に、本実施の形態で用いた触媒体の調整
方法について説明する。まず、モルデナイトに白金錯体
を共沈法により担持した後、約500℃で焼製乾燥させ
白金担持モルデナイト触媒を調製した。その白金担持モ
ルデナイト粉末とアルミナゲルであるベーマイト(Al
OOH)を主成分とするバインダーとを混合し、触媒ス
ラリーを調製した。ハニカム形状のセラミック基材を触
媒スラリーに侵漬し乾燥させた後、約500℃の温度で
1時間焼成することで調製した。
【0020】なお、用いるバインダーは、アルミナ系あ
るいはシリカ系に限らず触媒活性を低下させないならば
どのようなものでも構わない。また、触媒体はどのよう
に成型しても良いが、触媒を担持したモルデナイトをぺ
レット状に成型する方法、アルミナを主体としたセラッ
ミクのハニカム形状の基体に分散担持する方法、あるい
は直接モルデナイトとバインダーによりペレット化する
方法で触媒体を構成する方法により成型することで取り
扱い性は簡便となる。さらに、熱伝導性の優れた炭化珪
素を主成分とする材料でハニカム形状の基体を形成する
ことで、触媒温度制御がより簡便になり、一酸化炭素選
択酸化性を向上できることはいうまでもない。
【0021】次に、一酸化炭素を副成分として含む水素
ガスでの、一酸化炭素選択酸化性の具体的効果について
説明する。一酸化炭素は予め水と変成反応させ水素を得
ることが望ましい。本実施形態では変成反応を想定し、
一酸化炭素濃度が0.2から0.6%となるように、水
素および一酸化炭素をガス供給部より供給した。一酸化
炭素濃度によらず触媒体の温度が120℃から200℃
の範囲で、触媒反応部出口の一酸化炭素濃度を20pp
m以下に除去した。また、一酸化炭素量の1/2および
2倍の酸素量となるように空気を供給した場合でも、出
口一酸化炭素濃度は20ppm以下にすることを確認し
た。なお、一酸化炭素濃度がさらに高い場合でも一酸化
炭素は効果的に除去できることはいうまでもない。ま
た、供給する酸素量は2倍以下に規定されるものではな
く、多くの酸素量を供給しても余剰酸素により水素が酸
化されるだけで、一酸化炭素除去特性には何ら問題はな
い。一酸化炭素量の1/2以下の酸素量では一酸化炭素
除去量の限界がでることは自明であるため、反応当量で
ある1/2を基準に供給空気量を決定すればよい。ま
た、本実施形態では、酸素供給源として空気を用いた
が、酸素ボンベ等少なくとも酸素を含むガスの供給源な
らばどのような構成でもかまわない。
【0022】以上のように本実施の形態では、広い温度
範囲で一酸化炭素を除去することができ、かつ選択的に
酸化することで水素の消費も低減することを可能として
いる。
【0023】本実施形態では触媒として白金触媒を用い
たが、パラジウム、ルテニウムあるいはロジウム触媒を
用いても同様な酸化炭素除去性が得られる。
【0024】(実施の形態2)次に、本発明での第二の
実施形態を示す。図1に示す実施の形態1と外見は同一
構成であり、その説明は省略する。相違点は、モルデナ
イトとルテニウム触媒とで触媒体3を調製した点であ
る。
【0025】実施の形態2では、実施の形態1とほぼ同
様の動作を行い一酸化炭素を除去する。相違点は、ガス
中に含まれる一酸化炭素量の1/2倍以下の酸素量とな
るように供給空気量を制御する点である。
【0026】次に、モルデナイトとルテニウム触媒とで
調製した触媒体の一酸化炭素除去性を示す。実施の形態
1と同様に行ったので具体的な説明は省略する。ガス中
に含まれる一酸化炭素量と同量のの酸素量となるように
供給空気量を供給した場合、触媒体の温度が120℃か
ら200℃の範囲で、触媒反応部出口の一酸化炭素濃度
は10ppm以下となった。また、空気を供給しない場
合でも、触媒反応部出口の一酸化炭素濃度は20ppm
以下にできた。
【0027】ルテニウム触媒は白金触媒と同等の一酸化
炭素酸化性を有するため、一酸化炭素量の反応当量以上
の酸素を含む空気を送風することで、一酸化炭素は効果
的に除去できることはいうまでもない。加えて、ルテニ
ウム触媒は一酸化炭素と水素からメタンと水を生成する
反応にも触媒作用を有する。供給空気量が少ない場合で
も水素により一酸化炭素は還元されメタン化するため、
トータルの一酸化炭素量を低減する。従って、ルテニウ
ム触媒を用いた場合、ガス中の一酸化炭素濃度変化が変
化し供給酸素量が相対的に減少しても、効果的な一酸化
炭素除去に対応することを可能とする。
【0028】なお、白金触媒と同様に空気を多量に供給
しても、一酸化炭素除去特性には何ら問題はない。ま
た、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム触媒を単
独でモルデナイトに担持するだけでなく、2種類以上の
触媒を同時に担持しても一酸化炭素除去性の優れた触媒
体は調製できる。
【0029】(実施の形態3)次に、本発明での第3の
実施形態を示す。図1に示す実施の形態1と同一構成で
あり、詳細な説明は省略する。
【0030】実施の形態3では、実施の形態1とほぼ同
様の動作を行い一酸化炭素を除去する。相違点は、ガス
供給部1からのガス供給前に予め空気を供給するととも
に、触媒反応部2の触媒体3を200から500℃の温
度に加熱する点である。
【0031】モルデナイトは一酸化炭素吸着性に優れる
が、かなりの吸湿性も有する。吸湿量が多い場合、一酸
化炭素の吸着が阻害され一酸化炭素の除去特性は低下す
る傾向がある。水の脱離は約100℃の温度から始まる
ため、120℃以上の温度で連続的に使用した場合は、
供給ガス中に水分が含まれていても一酸化炭素除去性に
何ら問題はない。しかし、100℃以下の温度で保存あ
るいは水蒸気を含むガスを吹き込まれた場合、吸湿によ
り一酸化炭素除去特性が低下する可能性がある。そこ
で、本実施の形態では、ガス供給前に空気を供給し予め
触媒体を200から500℃の温度で加熱し、モルデナ
イトに吸湿した水分を脱離させる予備加熱処理をする。
その結果、モルデナイトの一酸化炭素吸着特性を回復さ
せることが可能となる。なお、200℃以上500℃以
下の温度とした理由は、水分は200℃以上でほぼ全量
を急速に脱離できること、モルデナイトの耐熱温度が約
500℃であることによる。
【0032】次に、本実施形態における具体的効果につ
いて一例を上げて説明する。実施の形態1で示したモル
デナイトおよび白金触媒で調製した触媒体に50℃の飽
和水蒸気を1時間通気した場合、一酸化炭素除去特性は
明らかに低下する。実施の形態1で示した同条件で、触
媒出口の一酸化炭素濃度は200ppm以上となる。一
方、除去特性の低下した触媒体に、空気を供給して20
0から500℃の温度で加熱する処理を約1時間施した
場合、触媒体からほぼ完全に水分が脱離する。その結果
一酸化炭素除去性が回復し、触媒出口の一酸化炭素濃度
が20ppm以下に回復できることを確認した。従っ
て、何らかの条件で吸湿し触媒体の一酸化炭素除去特性
が低下していた場合でも、ガス供給前に本実施の形態で
示した予備加熱処理を施すことで、供給ガス中の一酸化
炭素濃度は問題なく低減できることはいうまでもない。
なお、予備加熱処理時間を約1時間としたが、加熱温度
および供給空気量と水の脱離量との関係に対応して任意
に決定すればよい。
【0033】また、モルデナイトより吸湿性の少ないゼ
オライト、例えばZSM−5を用いることにより吸湿に
よる一酸化炭素除去特性の低下を防止することを可能と
する。
【0034】(実施の形態4)図2に本発明での第四の
実施形態を示す。図1に示す実施の形態1とほぼ同一構
成であり、その部分の説明は省略し相違点のみを説明す
る。相違点は、2つの触媒反応部2を直列に設け、各々
の触媒反応部入口に空気を供給できるようにした点であ
る。
【0035】実施の形態4では、実施の形態1とほぼ同
様の動作を行い一酸化炭素を除去する。基本的な効果
は、実施の形態1とほぼ同様のものである。触媒反応部
を2個直列につなぐことで、触媒体のシール部分等から
の万が一の漏れにも対応できるために、一酸化炭素除去
性はさらに確実なものとなる。なお、本実施形態では触
媒反応部に設ける触媒体種類を変えてもよい。白金、ロ
ジウム、パラジウムあるいはルテニウム触媒で調製した
触媒体は、触媒種により一酸化炭素除去特性は相違す
る。各々の触媒反応部での使用条件を最適化することで
一酸化炭素除去性をさらに安定化させることができる。
また、ルテニウム触媒を用いた場合、実施の形態2で示
すように酸素がなくても一酸化炭素を除去できるため、
各々の触媒反応部入口に空気を供給できるような構成に
しなくても良い。加えて、触媒反応部は3個以上直列に
つなげても何ら問題はない。
【0036】なお、一般的に燃料電池用の燃料ガスに
は、天然ガス等の炭化水素成分、メタノール等のアルコ
ール、あるいはナフサ成分等を水蒸気改質して得られ
る、水素を主成分とした、水蒸気、二酸化炭素、および
一酸化炭素を含む改質ガスが用いられる。本発明に示す
一酸化炭素除去方法では、上記改質ガスにおいても一酸
化炭素除去特性に支障がないことを確認している。
【0037】
【発明の効果】本発明により、天然ガス等の炭化水素成
分、メタノール等のアルコール、あるいはナフサ成分等
の水蒸気改質装置から供給される水素ガス中の一酸化炭
素を選択的に除去し、特に固体高分子型燃料電池で使用
できるレベルまで一酸化炭素濃度を低減することを可能
とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における水素ガス供給
装置の要部縦断面図
【図2】本発明の第4の実施形態における水素ガス供給
装置の要部縦断面図
【符号の説明】
1 ガス供給部 2 触媒反応部 3 触媒体 4 温度調整体 5 加熱ヒーター部 6 温度測定制御部 7 空気供給部 8 供給空気量制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安本 栄一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤井 康浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 次郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素を含む水素ガスよりなる被処
    理ガス供給部と、前記被処理ガスに酸素を含むガスを混
    合するための酸素ガス供給部と、モルデナイト系ゼオラ
    イトまたは疎水性ゼオライトを主成分とする基体に白金
    族系触媒を分散担持した触媒体を設けた触媒反応部と、
    前記被処理ガス供給部より導入した被処理ガスに前記酸
    素ガス供給部より導入した酸素を混合する手段と、前記
    混合ガスを前記触媒反応部に通すことにより前記被処理
    ガス中に含まれる一酸化炭素を選択的に除去する手段を
    具備することを特徴とする一酸化炭素の選択的除去装
    置。
  2. 【請求項2】 一酸化炭素を含む水素ガスよりなる被処
    理ガス供給部と、モルデナイト系ゼオライトまたは疎水
    性ゼオライトを主成分とする基体にルテニウムを分散担
    持した触媒体を設けた触媒反応部と、前記被処理ガス供
    給部より導入した被処理ガスを前記触媒反応部に通すこ
    とにより前記被処理ガス中に含まれる一酸化炭素を選択
    的に除去する手段を具備することを特徴とする一酸化炭
    素の選択的除去装置。
  3. 【請求項3】 触媒反応部内に設置した触媒体の温度
    を、被処理ガスが通過するとき120℃から200℃に
    保つことを特徴とする請求項1または2記載の一酸化炭
    素の選択的除去装置。
  4. 【請求項4】 被処理ガスの供給前に予め触媒反応部に
    空気を供給するとともに、触媒反応部の触媒体を200
    ℃から500℃の温度に加熱することで触媒活性を高め
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の一酸化
    炭素の選択的除去装置。
  5. 【請求項5】 一酸化炭素を選択的に除去するさい使用
    する触媒体は、(モルデナイト系ゼオライトまたは疎水
    性ゼオライト)と(アルミナ系ゾルまたはシリカ系ゾ
    ル)とを混合した溶液をハニカム形状のセラミック基体
    に塗布した後400℃から500℃の温度範囲で加熱焼
    成することで形成した基体に、白金族系触媒を分散担持
    したことを特徴とする請求項1、2,3または4記載の
    一酸化炭素の選択的除去装置。
JP9290634A 1997-10-23 1997-10-23 一酸化炭素の選択的除去装置及び触媒体の作成方法 Pending JPH11130406A (ja)

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