JPH11130175A - 搬送トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】光学用フィルタの角部からの破損による不良を
軽減し、製造工程でも客先への出荷にも共用できる光学
用フィルタを収納する搬送トレーの改善を目的とする。 【構成】搬送トレーに光学用フィルタを横向きに寝か
せ、光を通過する主面を搬送トレーに置く形態で収納
し、光学用トレーの側面部を支持部により固定し保持す
る配置構造にすることで、光学用トレーの角部からの破
損を大幅に軽減することができた。また、樹脂を射出成
形により搬送トレーを成形することにより、搬送トレー
を丈夫にすることで、製造工程から客先出荷までを同一
の搬送トレーで共用することができたことと、搬送トレ
ーを客先から回収し再利用することが可能になり搬送ト
レー管理の簡略化も行うことができた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】光学用フィルタを工程内で移
動するときや客先への出荷時に、光学用フィルタが破損
しないように、安全に確実に輸送することができる搬送
トレーの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】圧電結晶材料から製造される光学用フィ
ルタは、主に映像機器の映像取り入れ部にあたる、レン
ズからの映像として入力された光源を光の三原色に分離
するために用いられるプリズムのような透明薄板であ
る。映像機器の映像入力である光源を分離する役目とし
て重要な機能を持っているため、製造工程における光学
用フィルタの加工精度は大変厳しく、構造的にも複数枚
の薄板を張り合わせてひとつの光学用フィルタを構成す
るといった製造方法においても、複雑な製造工程と精密
な表面処理が行われている。

【０００３】従って、製造工程における光学用フィルタ
の取り扱いは大変慎重に行われ、かつ複数工程を通過し
た上で光学用フィルタとしてのひとつの製品が作られ
る。製造工程の中には、光学用フィルタとしての機能を
最大限に発揮させるために、光学用フィルタの光を通過
させる主面に偏光効果をもった表面処理加工を行うな
ど、化学薬品による表面コーティングも行う必要があ
る。

【０００４】これらの製造工程を通過して製造が行われ
ることから、工程間を移動するときの光学用フィルタの
搬送トレーの保持収納方法は、図４に示すような光学用
フィルタを覆ってしまう形状で、材質的にも柔く非常に
簡易的な構造となっている。また、今までは製品出荷時
にも同一の搬送トレーを使用することから、光学用フィ
ルタを安全に、かつ確実に輸送するためには不安要素を
持っている。安全性を重視する場合には客先への出荷用
の搬送トレーを準備するなど、搬送トレー管理も行って
いる。特に、客先への出荷時に用いる搬送トレーは一度
しか使用することができないワンウェイの搬送トレーに
なってしまっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述するように、光学
用フィルタは製造工程に用いる搬送トレーと、客先への
出荷に用いる搬送トレーと、搬送トレー管理が必要とな
っている。搬送トレーによる光学用フィルタ保持部形状
も、搬送トレーの凹部に光学用フィルタを落とし込むよ
うな形状であるために、製造工程途中における乾燥や、
凹部形状のためにほこりなども溜まり易い。光学用フィ
ルタの取り扱いを考慮し凹部には適当な遊びがあるため
に、光学用フィルタが搬送トレーの中でおどることか
ら、特に光学用フィルタの角部の破損などが起こってし
まう。光学用フィルタの角部の破損から出た破損カスに
より、光学用フィルタ主面にキズを付ける原因を持つな
どの課題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】光学用フィルタを搬送ト
レーに収納する作業性を損なうことなく、かつ作業工程
の工程間移動のための搬送トレーとしての使用と、客先
への出荷時に使用する梱包用搬送トレーとの兼用に使用
できるように、搬送トレーを射出成形樹脂により成形し
た丈夫な形状と材質に変更した。また、光学用フィルタ
の固定と保持方法を従来のように凹部へ落とし込む方法
ではなく、光学用フィルタを横に寝かせた形態で搬送ト
レーに収納する。光学用フィルタを搬送トレーで固定と
保持するために、光学用フィルタの側面部に支持部を配
置する構造となっている。搬送用トレーの光学用フィル
タが収納する個々には、凹があり多少のほこりは吸収で
き、支持部は３°〜５°程度のテーパ形状を有するの
で、搬送トレーに光学用フィルタを収納する作業性をよ
り効率よく行うことで課題を解決した。なお、搬送トレ
ーを丈夫な構造にすることで、客先への梱包用搬送トレ
ーとして再利用することができる。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を
説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象
を示すものとする。図１に本発明の搬送トレー２の平面
図を示す。従来では樹脂材料を真空成形で搬送トレー２
を成形していたため、薄フィルム状で光学用フィルタ１
の収納面（当接面）は堅く搬送時など特に光学用フィル
タ１の角部５の破損を招くような搬送トレー２形態であ
ったが、樹脂を射出成形により搬送トレー２を成形する
ことで、厚みのある丈夫な構造ながら、光学用フィルタ
１の当接面は従来の搬送トレー２よりも柔らかな搬送ト
レー２の形態にすることができる。

【０００８】光学用フィルタ１は、搬送トレー２に横に
寝かせた光が通過する主面を搬送トレー２収納箇所に置
く格好で収納し、光学用フィルタ１の位置の固定と保持
は支持部３により行う。従来では、図４に示すような搬
送トレー２に光学用フィルタ１を落とし込むような形態
で保持していたため、特に光学用フィルタ１の角部５か
らの破損や破損カスによるキズの発生を招いていたが、
本発明では光学用フィルタ１の側面部６に支持部３が配
置されることにより、光学用フィルタ１の角部５におけ
る破損の発生と破損カスによる不良の発生を大幅に低減
することができる。

【０００９】図２は光学用フィルタ１を収納する箇所の
斜視図である。支持部３は光学用フィルタ１の４辺の側
面部６を支持するよう１辺に少なくとも１つの配置とな
っており、搬送トレー２の光学用フィルタ１の主面に当
接する箇所に僅かな凹部７を設けることで、光学用フィ
ルタ１の主面が搬送トレー２から浮かすことによりほこ
りなどの吸収ができる。

【００１０】また、支持部３は搬送トレー３からの立ち
上がり部から３°〜５°のテーパ４をもっていることか
ら、搬送トレー２に光学用フィルタを出し入れするとき
の作業性をより効率よく行えるようになっている。な
お、支持部３は、光学用フィルタ１の側面部６の１辺に
配置されていれば、光学用フィルタ１の収納が行える
が、図３に示すように光学用フィルタ１の側面部６を支
持部３で保持する構造も考えられる。

【００１１】なお、本発明による搬送トレー２は、作業
工程での使用は勿論のこと、客先への光学用フィルタ１
の出荷時の梱包用搬送トレー２としても共用することが
できる。製造工程の移動用搬送トレー２としても、梱包
用の搬送トレー２としても使用できる丈夫な構造を持っ
ているので、一度客先へ納品するための出荷梱包用搬送
トレー２として使用し、再度回収して改めて製造工程で
使用したり、梱包用の搬送トレー２として使用すること
ができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明により、製造工程間で使用する搬
送トレーと梱包用に使用する搬送トレーの共用ができる
ことで、搬送トレー管理が容易になった。また、搬送ト
レーが共用できること、搬送トレーが回収でき再利用で
きることから搬送トレーを補充する製作コストが大幅に
削減できた。一方、光学用フィルタの破損も大幅に低減
できることにより品質と歩留まりの向上の実現が図れ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の搬送トレーの平面図である。

【図２】本発明の搬送トレーで光学用フィルタを収納す
る部分の斜視図である。

【図３】本発明の搬送トレーの他の支持部配置を示す斜
視図である。

【図４】従来の搬送トレーによる収納形態を示した部分
断面図である。

【符号の説明】

１ 光学用フィルタ ２ 搬送トレー ３ 支持部 ４ テーパ ７ 凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 厚みの薄い立方体形状から成る光学用フ
   ィルタの搬送トレーにおいて、 該光学用フィルタを固定し保持する該搬送トレーの光学
   用フィルタの主面部に当接する部分に凹部が形成され、
   該光学用の側面部にフィルタごとに少なくとも１つの支
   持部を配置したことを特徴とする搬送トレー。
2. 【請求項２】 該支持部に３°〜５°のテーパがあるこ
   とを特徴とする請求項１の搬送トレー。