JPH11129481A - インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH11129481A
JPH11129481A JP30094197A JP30094197A JPH11129481A JP H11129481 A JPH11129481 A JP H11129481A JP 30094197 A JP30094197 A JP 30094197A JP 30094197 A JP30094197 A JP 30094197A JP H11129481 A JPH11129481 A JP H11129481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink jet
print head
buffer chamber
jet print
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30094197A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimori Miyakoshi
俊守 宮越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP30094197A priority Critical patent/JPH11129481A/ja
Publication of JPH11129481A publication Critical patent/JPH11129481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14419Manifold

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの吐出動作によるバッファ室内の気体
ぬけを防止し、インクの振動現象による吐出不良が発生
せず、吐出安定性に優れたインクジェットプリントヘッ
ドを提供する。 【解決手段】 インク吐出口と、該吐出口に連通する流
路と、該流路にインクを供給する共通液室と、吐出エネ
ルギー発生素子と、共通液室にインクを供給する供給路
とを有するインクジェットプリントヘッドにおいて、前
記吐出エネルギー発生素子の駆動によって発生した圧力
波が伝播する位置に、該圧力波を低減するための気体を
存在させるバッファ室を設け、該バッファ室は、その容
積をVb、内部に存在する気体の量をVairとし、イン
クの吐出動作による前記インクジェットプリントヘッド
の最大昇温時におけるバッファ室の内部に存在する気体
の膨張量及びバッファ室の内壁への結露量を夫々△Vai
r及びVwとしたとき、下記の関係式(1)で規定される
構成とする。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吐出エネルギー発
生素子によりインク内に生ずるバブルの成長・収縮によ
り吐出口よりインクを吐出させて記録を行う、インクジ
ェットプリントヘッド及び該ヘッドを備えたインクジェ
ット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高速・高密
度で高精度・高画質の記録が可能であり、且つ、カラー
化・コンパクト化に適していることから近年注目されて
いる(米国特許第4723129号、米国特許第474
0796号)。
【0003】上記インクジェット記録方式に使用される
ヘッドは、図8及び図9に示すように、複数の吐出口1
001が設けられ、また、これらからそれぞれインクを
吐出させるために利用される熱エネルギーを発生する吐
出エネルギー発生素子1002が各インク流路1003
毎にヒーターボード1004上に設けられている。ま
た、各インク流路1003は、複数の流路壁が一体的に
形成された溝付き天板1008を、ヒーターボード10
04上の吐出エネルギー発生素子1002等との相対位
置を画像処理等の手段により位置合わせしながらヒータ
ーボードと接合することで形成される。各インク流路1
003は、その吐出口1001と反対側の端部が共通液
室1005と連通しており、この共通液室1005には
インクタンク(図示せず)から供給路1006を介して
供給されるインクが貯留される。共通液室1005に供
給されたインクは、ここから各インク流路1003に導
かれ、吐出口1001近傍でメニスカスを形成して保持
される。この時、吐出エネルギー発生素子1002を選
択的に駆動させることにより、その発生する熱エネルギ
ーを利用して熱作用面上のインクを急激に加熱して沸騰
させ、この時の激力によってインクを吐出させる。
【0004】ところで、インクジェットプリント方式で
は、流体であるインクを取り扱うために、流体力学的な
種々の不都合な現象が発生する場合がある。例えば、イ
ンクジェットプリントヘッドをその限界吐出周期付近で
使用していると、インク流路1003へのインクのリフ
ィル(再充填)が間に合わなくなり、吐出不良や吐出量
の極端な低下といった問題が発生する。特に、短時間に
多数のノズルを使用すると一時的に共通液室1005内
の負圧が非常に高くなりリフィルが間に合わなくなった
り、共振により大きなインクの振動を起こして吐出口1
001よりインクが盛り上がった状態で次の吐出動作が
始まり、スプラッシュ状の吐出になったりするといった
インクの振動による問題を生じることがあった。
【0005】そこで、従来、これらの吐出不良を改善す
る目的で、インクジェットプリントヘッドの共通液室か
ら吐出口に通ずるインクの流路中に泡溜りを設け、上述
のような共振現象を吸収させてしまうことが行われてい
る。しかし、泡溜り中の気泡が一度インクに置換されて
しまうと特別な回復操作をプリンタ本体側で施さない限
り完全に復帰させることは難しかった。
【0006】また、特開平6−210872号公報で
は、共通液室に隣接して気体を溜めておくバッファ室を
設け、更にバッファ室を構成する壁の一部が気体透過構
造を有する旨の構成が開示されている。このバッファ室
の形状としては、内部にインクが容易に入り込まないよ
うにするため、図8の1007で示すような形状が一般
的に用いられる。この構成によれば、気体が安定に存在
することで従来のようなプリンタ本体の吸引回復動作に
よる泡ぬけがなく、更にバッファ室自体が気体透過を容
易にする部分を有することでバッファ室内部の気体が少
なくなっても徐々に再充填されていくので、上記効果の
永続性に優れるとされている。しかし実際には、バッフ
ァ室内部への気体の再充填にはかなりの時間を要するた
め、短期的に発生するバッファ室からの泡ぬけに対して
は効果が不十分であった。
【0007】そこで、特開平8−39800号公報で
は、液室バッファに気泡を形成させる手段(サブヒー
タ)を有する構成の提案がなされている。しかし、この
方式においては、ヒーターボード自体の構成が複雑化す
ること、液室バッファ内の気泡がインクで置換されるタ
イミングが不明瞭であるためシーケンスが複雑化するこ
と、不用意に気泡を発生させすぎると共通液室内に大型
化した蓄積気泡が形成したりノズルへの気泡進入等によ
ってかえって吐出不良を起こす可能性がある、といった
問題があった。
【0008】
【発明が解決しようする課題】以下、従来のバッファ室
における課題を図9及び図10を参照しながら説明す
る。図9は、図8に示した従来のインクジェットプリン
トヘッドの模式断面図であり、図10は、図9のバッフ
ァ室近傍を拡大した模式断面図である。
【0009】インクジェット記録方式は、先にも述べた
ように、吐出エネルギー発生素子(ヒータ)が発生する
熱エネルギーを利用して熱作用面上のインクを急激に加
熱して沸騰させ、インクを吐出させる。したがって、連
続してインクの吐出を行う動作にあたっては、共通液室
1005とバッファ室1007との連通部1010に存
在するインクが、ヒーターボード1004の温度上昇に
伴う昇温により容易に飽和蒸気圧に達するため、バッフ
ァ室1007の内部に水蒸気が発生する。その際、バッ
ファ室1007の内部に存在する気体の温度とバッファ
室1007が配されている溝付き天板1008との温度
差により、バッファ室1007の内壁に結露1009が
生じる。これは、溝付き天板1008に一般的に使用さ
れる樹脂材料の熱伝導率が低い(例えば、ポリサルフォ
ンの熱伝導率は0.26[W/(m・K)]と、シリコ
ンの148[W/(m・K)]に比べてかなり小さい)
ことや、通常は溝付き天板1008の側が大気に接して
いることによる。
【0010】この現象は、インクジェットプリントヘッ
ドの温度上昇が急激なほど、また温度が上昇した時間が
長いほど顕著に現われる。そのため、短時間であっても
多数のノズルを使用して高速印字を行ったり、また、長
時間連続しての吐出動作を行った場合は、図3に示すよ
うにバッファ室1007の内壁に結露1009が生じる
ことにより、且つ、バッファ室1007内部の気体自身
が膨張することにより、バッファ室1007の内部に目
いっぱい存在していた気体はその一部がバッファ室から
押し出され、液体中に浮いた状態となってしまう。そう
なると、先に述べた特開平6−210872号公報で開
示される構成(バッファ室を構成する壁の一部が気体透
過構造を有する)を取っていても、バッファ室1007
の内部への気体の再充墳が非常に困難になる。また、バ
ッファ室1007の内部に存在する気体は非常に不安定
で移動し易い状態にあるため、プリンタ本体の吸引回復
動作や吐出動作時の振動等によりバッファ室1007か
ら容易に気体がぬけてしまうといった問題があった。
【0011】そこで本発明は、上述したような吐出動作
時のインク振動により吐出不良が発生するという問題
を、ヒーターボードやシーケンスを複雑にすることなく
簡易かつ低コストな構成にて解決するものであり、吐出
不良が発生せず、吐出安定性に優れたインクジェットプ
リントを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。
【0013】本発明は、インクを吐出するための吐出口
と、該吐出口に連通する流路と、該流路にインクを供給
するための共通液室と、前記流路に対応して設けられた
インクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネ
ルギー発生素子と、前記共通液室にインクを供給するた
めの供給路とを有するインクジェットプリントヘッドで
あって、前記吐出エネルギー発生素子の駆動によって発
生した圧力波が伝播する位置に、該圧力波を低減するた
めの気体を存在させるバッファ室を有しており、該バッ
ファ室は、その容積をVb、内部に存在する気体の量を
Vairとし、インクの吐出動作による前記インクジェッ
トプリントヘッドの最大昇温時におけるバッファ室の内
部に存在する気体の膨張量及びバッファ室の内壁への結
露量を夫々△Vair及びVwとしたとき、下記の関係式
(1)で規定される構成としたことを特徴とするインク
ジェットプリントヘッドに関する。
【0014】
【数2】 また本発明は、記録媒体の被記録面に対向して吐出口が
設けられている上記発明のインクジェットプリントヘッ
ドと、該インクジェットプリントヘッドを載置するため
の部材とを少なくとも具備することを特徴とするインク
ジェット記録装置に関する。
【0015】以上の本発明の構成とすることにより、バ
ッファ室の内壁へ結露が発生した場合でもバッファ室か
らの気体ぬけを防ぐことができ、高速あるいは長時間連
続してインクの吐出を行う動作を行っても、吐出安定性
に優れたインクジェットプリントヘッド及びインクジェ
ット記録装置が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。但し、本発明は以下の実施
の形態に限定されることはなく、本発明の目的が達成さ
れ得る前記の発明の構成を有していればよい。
【0017】第1の実施の形態 図1は、本実施の形態のインクジェットプリントヘッド
の斜視図である。図2は、図1に示した本発明のインク
ジェットプリントヘッドの模式的断面図であり、図3
は、図2におけるバッファ室近傍を拡大した模式的断面
図である。
【0018】図2において、1004はヒーターボード
であり、1002は、ヒーターボードであるシリコン基
板上に半導体プロセスを用いて形成した吐出エネルギー
発生素子(ヒーター)である。1008は溝付き天板で
あり、吐出口1001、インク流路1003、共通液室
1005及び供給路1006等をモールド成形で一体的
に形成したものである。なお、吐出口1001、インク
流路1003等はレーザーによる加工形成も可能であ
る。材料的には、耐薬品性、耐熱性に優れ、硬度が比較
的高いポリサルフォン等が一般的に用いられる。
【0019】図2及び図3中、一点鎖線で囲んだ部分が
インクの振動を吸収させるための気体を保持しておくバ
ッファ室1007である。本実施形態のバッファ室10
07の容積Vb、及び、内部に存在する気体量Vairは実
施例1として表1に示す通りとした。すなわち、 Vb=26.1×107[μm3]、 Vair=9.8×107[μm3] とした。このとき、バッファ室1007の形状は、すそ
部分を円錐台形状とし、この部分にインクを存在させ
た。
【0020】
【表1】 バッファ室1007の内部に存在する気体は空気である
ため、インクの吐出動作によるインクジェツトプリント
ヘッドの昇温時における膨張量△Vairは、インクジェ
ットプリントヘッドの温度をThead[℃]とすると、下
記の式(2)で表わされる。
【0021】
【数3】 また、インクの吐出動作によるインクジェットプリント
ヘッドの昇温時におけるバッファ室内壁への結露量Vw
は、本実施形態のインクジェットプリントヘッドにて実
際に吐出動作を行わせ、その時のバッファ室の観察をも
とに計算で求めた結果、表2に示す値が得られた。
【0022】
【表2】 この結果から、結露量Vwは下記の式(3)で表わされ
ることが分かった。
【0023】
【数4】 ここで、上記の式(2)及び式(3)におけるインクジ
ェットプリントヘッドの温度Theadは、ヒーターボード
1004に配された温度検出素子によって検出される。
一般的には、ダイオードセンサーや拡散抵抗センサー等
が用いられる。そして通常、インクジェットプリンタに
おいては、インクジェットプリントヘッドの保護、並び
に、印刷画像の品位安定を目的にインクジエットプリン
トヘッドの温度上昇にリミッターをかけている。通常そ
の温度は、溝付き天板に使用される樹脂の変形やインク
の不吐出温度等を考慮して90℃付近に設定される。よ
って、この温度を式(2)及び式(3)に代入するとそ
れぞれ下記の値となる。
【0024】△Vair=3.3×107[μm3] Vw=9.1×107[μm3] ここで、得られた値を比較すると、 Vb=26.1×107[μm3] Vair+△Vair+Vw=22.2×107[μm3] となり、本発明の構成要件である式(1)を満足してい
ることが分かる。
【0025】一方、図8に示した従来例について同様の
計算を行ってみると、 Vb=9.8×107[μm3] Vair+△Vair+Vw=22.2×107[μm3] となり、本発明の構成要件である式(1)を満たさない
ことが分かる。
【0026】したがって、本実施形態のインクジェット
プリントヘッドでは、関係式(1)を満たすことから、
インクの吐出動作におけるインクジェットプリントヘッ
ドの温度上昇により、バッファ室1007の内部に存在
する気体が膨張し、且つ、バッファ室1007の内壁に
結露1009が生じても、気体がバッファ室1007の
全体の容積まで至らないため、すなわち、バッファ室内
の気体はそのすそ部の円錐台形状の領域でとどまるため
(図3)、バッファ室1007からの気体ぬけが防止さ
れる。よって、本実施の形態のバッファ室は、その機能
を十分に果たすことが可能となる。
【0027】第2の実施の形態 バッファ室1007の形状が異なる以外は、第1の実施
の形態と同様にしてインクジェットプリントヘッドを作
製した。本実施形態におけるバッファ室1007は、図
5、図6及び図7において、一点鎖線で囲まれた部分で
あり、堤防7001がバッファ室1007と連通部10
10との境界となっている。
【0028】本実施形態のバッファ室1007の容積V
b、及び、内部に存在する気体の量Vairは実施例2とし
て表1に示す通りとした。すなわち、 Vb=27.8×107[μm3] Vair=9.8×107[μm3] また、第1の実施の形態と同様に、インクジェットプリ
ントヘッドの最大上昇温度を考慮して、バッファ室10
07の内部に存在する気体の膨張量△Vair、及び、バ
ッファ室1007の内壁への結露量Vwを計算した結
果、 △Vair=3.3×107[μm3] Vw=9.1×107[μm3] となった。ここで得られた値を比較すると、 Vb=27.8×107[μm3] Vair+△Vair+Vw=22.2×107[μm3] となるため、本発明の構成要件である式(1)を満足し
ていることが分かる。
【0029】したがって、本実施形態のバッファ室は、
第1の実施の形態と同様、バッファ室としての機能を十
分に果たすことが可能となる。
【0030】本実施形態では、バッファ室内の気体は、
図7に示すように、バッファ室底部から堤防7001ま
での領域でとどまり、バッファ室からの気体ぬけが防止
される。
【0031】以上の本発明は、インクジェット記録方式
の中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、
記録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド及び記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0032】その代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第4723129号明細書や同第47407
96号明細書に開示されており、本発明はこれらの基本
的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式は
いわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0033】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して、核
沸騰現象を越え膜沸騰現象を生じるような急速な温度上
昇を液体(インク)に与えるための少なくとも1つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から、電気熱変換体に付与する
駆動信号に一対一で対応した気泡を形成できるため、特
にオンデマンド型の記録方式には有効である。この気泡
の成長・収縮により吐出口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号を矩形パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・
収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出ができ、より好ましい。このパルス形状の駆
動信号としては、米国特許第4463359号明細書、
同第4345262号明細書に記載されているようなも
のが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関
する米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことがで
きる。
【0034】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路および電気熱
変換体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液
流路)の他に、米国特許第4558333号明細書や同
第4459600号明細書に開示されているように熱作
用部が屈曲する領域に配置されている構成を持つものも
本発明に含まれる。
【0035】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
においても本発明は有効である。
【0036】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせによってフ
ルライン構成にしたものや、一体的に形成された1個の
フルライン記録ヘッドであってもよい。
【0037】加えて、装置本体に装着されていることで
装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供
給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド
や、記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられ
たカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本
発明は有効である。
【0038】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復装置や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましい。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対しての、キャッピング手段、クリーニング手段、クリ
ーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あ
るいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合
わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備
吐出モードを行う手段を付加することも安定した記録を
行うために有効である。
【0039】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個を組み合わせ
て構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラー、又は混色によるフルカラーの少なくとも一つを
備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0040】図11は、本発明により得られた記録ヘッ
ドをインクジェットヘッドカートリッジとして装着した
インクジェット記録装置の一例を示す外観斜視図であ
る。
【0041】図11において、120は、プラテン12
4上に送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク
吐出を行うノズル群を備えたインクジェットヘッドカー
トリッジ(「IJC」と略記する。)である。116
は、このIJC120を保持するキャリッジHCであ
り、駆動モータ117の駆動力を伝達する駆動ベルト1
18の一部と連結し、互いに平行に配設された2本のガ
イドシャフト119A及び119Bと摺動可能とするこ
とにより、IJC120の記録紙全幅にわたる往復移動
が可能となる。
【0042】126はヘッド回復装置であり、IJC1
20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構123を介したモータ
122の駆動力によって、ヘッド回復装置126を動作
させ、IJC120のキャッピングを行う。このヘッド
回復装置126のキャップ部126AによるIJC12
0へのキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置12
6内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引、もしく
はIJC120へのインク供給経路に設けた適宜の加圧
手段によるインクの圧送を行い、インクを吐出口から強
制的に排出させることにより、ノズル内の増粘インクを
除去する等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等
にキャッピングを施すことによりIJCが保護される。
【0043】130は、ヘッド回復装置126の側面に
配置され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材と
してのブレードである。このブレード130は、ブレー
ド保持部材130Aにカンチレバー形態で保持され、ヘ
ッド回復装置126と同様、モータ122及び伝動機構
123によって動作し、IJC120の吐出面との係合
が可能となる。これにより、IJC120の記録動作に
おける適切なタイミングで、あるいはヘッド回復装置1
26を用いた吐出回復処理後に、ブレード130をIJ
C120の移動経路中に突出させ、IJC120の移動
動作に伴ってIJC120の吐出面における結露や濡れ
あるいは塵埃等をふき取るものである。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、本発明のインクジェットプリントヘッドは、バ
ッファ室内の気体ぬけを防止できるので、インクの振動
現象による吐出不良が発生せず、高速あるいは長時間連
続してインクの吐出を行っても、吐出安定性に優れたイ
ンクジェットプリントヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインクジェットプ
リントヘッドの斜視図である。
【図2】図1に示した本発明のインクジェットプリント
ヘッドの模式的断面図である。
【図3】図2に示した本発明のインクジェットプリント
ヘッドにおけるバッファ室近傍を拡大した模式的断面図
である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のインクジェットプ
リントヘッドの斜視図である。
【図5】図4に示した本発明のインクジェットプリント
ヘッドの天板の模式的底面図である。
【図6】図4に示した本発明のインクジェットプリント
ヘッドの模式的断面図である。
【図7】図5に示した本発明のインクジェットプリント
ヘッドにおけるバッファ室近傍を拡大した模式的断面図
である。
【図8】従来のインクジエットプリントヘッドを示す斜
視図である。
【図9】図8に示した従来のインクジェットプリントヘ
ッドの模式的断面図である。
【図10】図9に示した従来のインクジェットプリント
ヘッドにおけるバッファ室近傍を拡大した模式的断面図
である。
【図11】本発明のインクジェットプリントヘッドを備
えた記録装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1001 吐出口 1002 吐出エネルギー発生素子 1003 インク流路 1004 ヒーターボード 1005 共通液室 1006 供給路 1007 バッファ室 1008 溝付き天板 1009 結露 1010 連通部 7001 堤防 116 キャリッジHC 117 駆動モータ 118 駆動ベルト 119A、119B ガイドシャフト 120 インクジェットヘッドカートリッジ 122 モータ 123 伝動機構 124 プラテン 126 ヘッド回復装置 126A キャップ部 130 ブレード 130A ブレード保持部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口と、該吐
    出口に連通する流路と、該流路にインクを供給するため
    の共通液室と、前記流路に対応して設けられたインクを
    吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発
    生素子と、前記共通液室にインクを供給するための供給
    路とを有するインクジェットプリントヘッドであって、 前記吐出エネルギー発生素子の駆動によって発生した圧
    力波が伝播する位置に、該圧力波を低減するための気体
    を存在させるバッファ室を有しており、 該バッファ室は、その容積をVb、内部に存在する気体
    の量をVairとし、インクの吐出動作による前記インク
    ジェットプリントヘッドの最大昇温時におけるバッファ
    室の内部に存在する気体の膨張量及びバッファ室の内壁
    への結露量を夫々△Vair及びVwとしたとき、下記の関
    係式(1)で規定される構成としたことを特徴とするイ
    ンクジェットプリントヘッド。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記バッファ室は前記共通液室に隣接し
    て設けられ、その一部が共通液室と連通している請求項
    1記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記共通液室と前記バッファ室との連通
    部は、前記共通液室および前記バッファ室の断面積に比
    べて、その開口部が絞られている請求項1記載のインク
    ジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記バッファ室の下部に、インクを存在
    させ、インクの吐出動作により膨張あるいは移動したバ
    ッファ室内の気体を滞留させる領域を有する請求項1記
    載のインクジェットプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記バッファ室の下部を円錐台の形状と
    し、該形状部分を前記バッファ室内の気体を滞留させる
    領域とした請求項4記載のインクジェットプリントヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記連通部に堤防を設け、該堤防に至る
    領域を前記バッファ室内の気体を滞留させる領域とした
    請求項4記載のインクジェットプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 前記吐出エネルギー発生素子が、電気エ
    ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
    化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であ
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット
    プリントヘッド。
  8. 【請求項8】 記録媒体の記録領域の全幅にわって吐出
    口が複数設けられているフルラインタイプである請求項
    1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットプリント
    ヘッド。
  9. 【請求項9】 記録媒体の被記録面に対向して吐出口が
    設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェットプリントヘッドと、該インクジェットプリ
    ントヘッドを載置するための部材とを少なくとも具備す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
JP30094197A 1997-10-31 1997-10-31 インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置 Pending JPH11129481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30094197A JPH11129481A (ja) 1997-10-31 1997-10-31 インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30094197A JPH11129481A (ja) 1997-10-31 1997-10-31 インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11129481A true JPH11129481A (ja) 1999-05-18

Family

ID=17890951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30094197A Pending JPH11129481A (ja) 1997-10-31 1997-10-31 インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11129481A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3009764B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2008526563A (ja) 流体滴下排出
JPH0781049A (ja) インクジェット記録装置および該装置を備えた情報処理システム
JP2008168565A (ja) 流体噴射装置
JP3181138B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH10211720A (ja) インクジェット記録装置および吐出回復処理方法
JP2000190528A (ja) インクジェット記録装置
JPH07101081A (ja) インクジェット記録装置
JP3113123B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH11129481A (ja) インクジェットプリントヘッド及びインクジェット記録装置
JPH09201967A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP3320137B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
JPH06328730A (ja) インクジェットプリンタ
JP2005131829A (ja) 液体吐出性能維持方法及び液体吐出装置
JPS63147652A (ja) インクジエツト記録装置
JP2002019158A (ja) 流体吸収パッドシステム
JPH0691891A (ja) インクジェット記録装置
JP2814283B2 (ja) インクジェット記録装置の回復方法
JPH09207336A (ja) インクジェット記録装置
JP3855387B2 (ja) インクジェット記録装置および該インクジェット記録装置におけるインク温度調節方法
JP2001150679A (ja) インクジェットプリントヘッド
JP3302401B2 (ja) インクジェットの駆動装置及びインクジェットの駆動方法
JPH10286947A (ja) インクジェット記録方法
JPH06316083A (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
JP3763218B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置