JPH11129362A - 回転成形容器 - Google Patents

回転成形容器

Info

Publication number
JPH11129362A
JPH11129362A JP31261697A JP31261697A JPH11129362A JP H11129362 A JPH11129362 A JP H11129362A JP 31261697 A JP31261697 A JP 31261697A JP 31261697 A JP31261697 A JP 31261697A JP H11129362 A JPH11129362 A JP H11129362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
ethylene
density
tem
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31261697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takino
浩史 瀧野
Takeyuki Uchida
武行 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON POLYCHEM KK
Original Assignee
NIPPON POLYCHEM KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON POLYCHEM KK filed Critical NIPPON POLYCHEM KK
Priority to JP31261697A priority Critical patent/JPH11129362A/ja
Publication of JPH11129362A publication Critical patent/JPH11129362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、ESCR、耐薬品性に優れ、且つ
剛性、成形性にも優れた回転成形容器を提供する。 【解決手段】 最内層を構成する成分Aが、MFR1〜
50g/10分、密度0.87〜0.93g/cm3
Mw/Mn3.3以下及び補外融解終了温度(Tem)
60〜130℃で、Temと密度(D)の関係がTem
≦286D−137を満たすエチレン・炭素数3〜18
のα−オレフィン共重合体であり、外層を構成する成分
Bが、MFR2〜30g/10分、密度0.92〜0.
96g/cm3であるエチレン単独、又はエチレン・炭
素数3〜10のα−オレフィン共重合体である二層又は
複数層の回転成形容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転成形容器に関
するものである。更に詳しくは、剛性、成形性を損なわ
ず、ESCR、耐薬品性を向上させた回転成形容器に関
する。
【0002】
【従来の技術】回転成形法によって製造される容器は、
0.1〜20m3程度の液体保存用の容器、タンク等が
例として挙げられる。これら容器に保存する液体として
は、食品用液体、工業用化学薬品、洗浄用液体、農薬等
が使用されている。従って、このような回転成形容器に
は、ESCR、耐薬品性、衛生性が求められる他、容器
の耐衝撃性が要求されるため、従来は、チタン系のチー
グラー−ナッタ触媒を用いて重合された線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)を使用した回転成形容器が一般
に使用されていた。
【0003】しかしながら、このLLDPEは上述の耐
衝撃性、ESCR、耐薬品性等の観点で優れているが、
剛性が低いという問題があった。このため、特に5m3
程度以上の大型タンク等では、剛性が低いとタンクが撓
んでしまう問題があった。この問題を解決する場合、高
密度化に伴う剛性の向上が検討できるが、逆に耐衝撃
性、ESCR、耐薬品性が悪化してしまう。更に、耐衝
撃性、ESCR、耐薬品性は低MFR化によって改良で
きるが、この場合、回転成形性が悪化して表面平滑性が
損なわれ、肉厚が不均一になる、特に金型コーナー部の
金型転写性や肉厚の均一性が悪化するという問題が更に
生じる。従って、現在使用されている回転成形用LLD
PEは、それら要求性能を高度にバランスさせてはいる
が、更なる耐薬品性の要求には剛性、成形性の観点から
必ずしも対応できるものでは無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来技
術においては耐衝撃性、ESCR、耐薬品性に優れ、且
つ剛性、成形性にも優れた回転成形容器は得られていな
い。本発明が解決しようとする課題は、前述の何れの要
求性能を満たす回転成形容器を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を
有するエチレン共重合体を最内層に用いることによっ
て、上記発明の目的を達成できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、下記の最内層成分A
及び外層成分Bからなる、二層又は複数層の回転成形容
器である。成分A 下記に示す〜の性状を備えたエチレン・炭素数3〜
18のα−オレフィン共重合体。 190℃、2.16kg荷重でのMFRが1〜50
g/10分。 密度が0.87〜0.93g/cm3。 GPC法により測定される重量平均分子量/数平均
分子量の比(Mw/Mn)が3.3以下。 DSCによって得られる融解ピークの補外融解終了
温度(Tem)が60〜130℃の範囲内であり、Te
mと密度(D)との関係が次の関係式を満たすこと。 Tem≦286D−137成分B 190℃、2.16kg荷重でのMFRが2〜30g/
10分、密度が0.92〜0.96g/cm3であるエ
チレン単独、又はエチレン・炭素数3〜10のα−オレ
フィン共重合体。
【0007】
【発明の実施の形態】
[I]原材料 (1)構成成分(必須成分) (A)成分A(エチレン・炭素数3〜18のα−オレフ
ィン共重合体) (a)物性 本発明に用いられる成分Aのエチレン・炭素数3〜18
のα−オレフィン共重合体には、以下の〜の物性を
示すものを用いる。
【0008】 MFR(メルトフローレート) 本発明に用いられる成分Aとして用いられるエチレン・
炭素数3〜18のα−オレフィン共重合体は、190
℃、2.16kg荷重でのMFRが1〜50g/10
分、好ましくは2〜30g/10分、より好ましくは3
〜20g/10分を示すものである。MFRが上記範囲
未満では、回転成形性が損なわれる。MFRが上記範囲
より大きいと、回転成形容器の耐薬品性、ESCRが損
なわれる。
【0009】 密度 本発明に用いられる成分Aは、密度が0.87〜0.9
3g/cm3、好ましくは0.88〜0.92g/cm3
を示すものである。密度が上記範囲未満では、該エチレ
ン・炭素数3〜18のα−オレフィン共重合体の製造時
において、ペレット化が困難になったり、該ペレットの
取り扱い時やターボ粉砕時にベタツキ易く、扱いが困難
になるので好ましくない。密度が上記範囲より大きい
と、耐薬品性、ESCRが損なわれ易い。
【0010】 重量平均分子量/数平均分子量(Mw
/Mn) 本発明に用いられる成分Aは、GPC法により測定され
るMw/Mnが3.3以下、好ましくは1.5〜3.0
を示すものである。Mw/Mnが上記範囲より大きい
と、分子量分布が広くなり結晶性分布が不均一になるた
め、耐薬品性、ESCRが損なわれる。
【0011】 融解終了温度(Tem) 本発明に用いられる成分Aは、DSCによって得られる
融解ピークの補外融解終了温度(Tem)が60〜13
0℃、好ましくは80〜120℃の範囲であり、Tem
と密度(D)との関係が、次の関係式、Tem≦286
D−137、好ましくはTem≦429D−271、よ
り好ましくはTem≦571D−404を満たすもので
ある。Temが上記範囲未満では、該エチレン・炭素数
3〜18のα−オレフィン共重合体の製造時において、
ペレット化が困難になったり、該ペレットの取り扱い時
やターボ粉砕時にベタツキ易く、扱いが困難になるので
好ましくない。Temが上記範囲より大きいと、耐薬品
性、ESCRが損なわれ易い。更に、Temが上記関係
式の範囲を外れる場合には、結晶性分布が不均一になり
高結晶成分が増加するため、耐薬品性、ESCRが損な
われる。
【0012】(b)製造法 上記成分Aのエチレン・炭素数3〜18のα−オレフィ
ン共重合体は、通常メタロセン系触媒により製造され
る。該メタロセン触媒を用いて製造することにより、上
述の物性に於けるMw/Mnが3.3以下を満たし、
物性におけるTemの関係式を満たし、エチレンと炭
素数3以上のα−オレフィンとの共重合性を向上させる
ことができ、耐薬品性、ESCR等が向上するので好ま
しい。
【0013】成分Aの製造方法としては、特開昭58−
19309号、特開昭59−95292号、特開昭60
−35005号、特開昭60−35006号、特開昭6
0−35007号、特開昭60−35008号、特開昭
60−35009号、特開昭61−130314号、特
開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願
公開第420,436号明細書、米国特許第5,05
5,438号明細書、及び国際公開公報W091/04
257号明細書等に記載されている方法、すなわちメタ
ロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒、又は、例
えば国際公開公報W092/07123号明細書等に開
示されているようなメタロセン化合物と以下に述べるメ
タロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物とか
らなる触媒を使用して、主成分のエチレンと従成分の炭
素数3〜18のα−オレフィンとを共重合させる方法等
を挙げることができる。
【0014】メタロセン触媒 上述のメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化
合物とは、カチオンとアニオンのイオン対から形成され
るイオン性化合物或いは親電子性化合物であり、メタロ
セン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活性種
を形成するものである。このうち、イオン性化合物は下
記式(I)で表される。 [Q]m+[Y]m-(mは1以上の整数) (I) 式中のQはイオン性化合物のカチオン成分であり、カル
ボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウ
ムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチ
オン、ホスホニウムカチオン等が挙げられ、更には、そ
れ自身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イ
オン等も挙げることができる。
【0015】これらのカチオンは、特表平1−5019
50号公報等に開示されているようなプロトンを与える
ことができるカチオンだけでなく、プロトンを与えない
カチオンでも良い。これらのカチオンの具体例として
は、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウ
ム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエ
チルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブ
チルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジ
プロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウ
ム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メ
チルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウ
ム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウ
ム、ピリリウム、又、銀イオン、金イオン、白金イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オン等が挙げられる。
【0016】上記式中のYはイオン性化合物のアニオン
成分であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオ
ンとなる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物ア
ニオン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニ
オン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられ、具
体的にはテトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テト
ラキス(3,5−(t−ブチル)フェニル)ホウ素、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフ
ェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−
ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テ
トラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミ
ニウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,
4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウ
ム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)
ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリ
ウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアン
チモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチ
モン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等が挙げられる。
【0017】上記親電子性化合物としては、ルイス酸化
合物として知られているもののうち、メタロセン化合物
と反応して安定なイオンとなって重合活性種を形成する
ものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸とし
て知られている金属酸化物等が挙げられる。具体的には
ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機化合物等が例
示される。
【0018】 α−オレフィン 上記成分Aに用いられるα−オレフィンとしては、炭素
数3〜18のα−オレフィン、具体的には、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1,4
−メチル−ヘキセン−1,4,4−ジメチルペンテン−
1等を挙げることができる。これらα−オレフィンの中
で好ましくは、炭素数4〜12のα−オレフィン、特に
好ましくは炭素数6〜10の1種又は2種以上のα−オ
レフィン3〜50重量%、好ましくは8〜40重量%と
エチレン97〜50重量%、好ましくは92〜60重量
%とを共重合させるのが好ましい。
【0019】(c)共重合 上記共重合の方法としては、気相法、スラリー法、溶液
法、高圧イオン重合法等を挙げることができる。これら
の中では、溶液法及び高圧イオン重合法で製造すること
が好ましく、本発明の効果を大きく発揮させることがで
きる高圧イオン重合法にて製造することが特に好まし
い。尚、この高圧イオン重合法とは、特開昭56−18
607号、特開昭58−225106号の各公報に記載
されている方法である。具体的には、圧力が100kg
/cm2以上、好ましくは300〜2000kg/c
2、温度が125℃以上、好ましくは130〜250
℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件下にて
行われるエチレン系重合体の製造方法である。
【0020】(B)成分B(エチレン単独、又はエチレ
ン・炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体) (a)物性 本発明で用いられる成分Bのエチレン単独、又はエチレ
ン・炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体には、以
下の及び物性を示すものを用いる。 MFR(メルトフローレート) 本発明に用いられる成分Bは、190℃、2.16kg
荷重でのMFRが2〜30g/10分、好ましくは2.
5〜20g/10分、より好ましくは3〜10g/10
分を示すものである。MFRが上記範囲未満では、回転
成形性が損なわれる。MFRが上記範囲より大きいと、
回転成形容器の衝撃強度、耐薬品性、ESCRが損なわ
れる。 密度 本発明に用いられる成分Bは、密度が0.92〜0.9
6g/cm3、好ましくは0.92〜0.94g/cm3
を示すものである。密度が上記範囲未満では、回転成形
容器の剛性が損なわれる。密度が上記範囲より大きい
と、容器の衝撃強度、耐薬品性、ESCRが損なわれ
る。
【0021】(b)製造法 上記成分Bのエチレン単独、又はエチレン・炭素数3〜
10のα−オレフィン共重合体は、通常チタン系のチー
グラー−ナッタ触媒を用いて、エチレンを単独、又は炭
素数3〜10のα−オレフィンとを共重合して得られ
る。重合方法としては、気相法、スラリー法、溶液法等
を挙げることができる。
【0022】(2)添加剤配合(任意成分) 本発明の成分A(エチレン・炭素数3〜18のα−オレ
フィン共重合体)及び成分B(エチレン単独、又はエチ
レン・炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体)に
は、一般にポリエチレン系樹脂に用いられている補助添
加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、アンチブロッキ
ング剤、スリップ剤、脂肪酸金属塩等の離形剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、中和剤、分散剤、帯電防止剤、過酸
化物等の分子量調整剤、着色剤、透明化核剤、フィラ
ー、発泡剤等を含有しても良い。これら補助添加成分を
成分Aあるいは成分Bに含有する場合には、該添加成分
の種類によっては内容物を汚染することがあるので、該
添加成分の効果が発現しうる最も少量の含有量であるこ
とが好ましい。
【0023】[II]層構成 本発明の回転成形容器は、上述のエチレン・炭素数3〜
18のα−オレフィン共重合体(成分A)を最内層に用
い、上述のエチレン単独、又はエチレン・炭素数3〜1
0のα−オレフィン共重合体(成分B)を外層に用いる
ことを特徴とするが、最内層の厚みを好ましくは0.6
mm以上、より好ましくは1mm〜3mmにすることで
耐薬品性、ESCRが向上するので好ましく、外層の厚
みを好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm〜5
0mm、特に好ましくは10mm〜30mmにすること
で剛性、衝撃強度を保てるので好ましい。外層には、上
述の上述のエチレン単独、又はエチレン・炭素数3〜1
0のα−オレフィン共重合体をそれぞれ単独で、又はこ
れら2種以上を混合して使用しても良いし、2種以上を
それぞれ構成層として複数層の外層としても良い。具体
的には、エチレン・炭素数3〜10のα−オレフィン共
重合体を用いて外層を成形する際、最外層のみに耐候性
を付与した該共重合体を用いる等の使用例が挙げられ
る。
【0024】[III]成形方法 本発明の回転成形容器用樹脂組成物を用いて回転成形容
器を成形するには、該樹脂組成物が粉末である必要があ
る。これら粉末は、通常ペレット或いはグラニュール等
で得られる樹脂組成物を一般的に用いられる粉砕機等を
用いて、99重量%以上が粒子径1mm以下、好ましく
は粒子径1mm以下で平均粒径が0.01〜0.50m
mに粉砕することで得られる。粉砕機について特に制限
は無いが、ターボミル粉砕機、ポールマン粉砕機、バル
マンミル粉砕機等を用いることが一般的であり、場合に
よっては低温粉砕法を併用することがある。粉末の粒子
径が1mmより大きいと、成形品に気泡が混入したりピ
ンホールが発生し易くなるので好ましくない。又、粒子
径が1mmより大きい粉末が1重量%より多く含まれる
と、ピンホールが発生し易くなるので好ましくない。回
転成形方法としては、金型が任意の位置に設定された一
軸又は二軸以上の回転する軸に対し、回転、反転もしく
は振り子運動が可能な公知の回転成形法が利用できる。
回転成形温度については、樹脂組成物の分子量、金型の
容量、形状、成形時間等の影響により大きく異なるが、
樹脂組成物の融点以上、400℃以下、好ましくは20
0℃以上、350℃以下であることが好ましい。回転成
形する上で、回転成形温度が樹脂組成物の融点以上であ
ることは当然であるが、400℃を超えると樹脂組成物
が熱劣化し易く、十分な成形品物性が得られないため好
ましくない。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。試
験方法は以下に記す方法に従った。なお、本発明はこれ
ら実施例によって何ら限定されるものではない。 (1) MFR:JIS−K7210 条件4(190
℃、荷重2,16kgf)の方法により測定した。 (2) 密度:JIS−K7112の方法により測定し
た。 (3) 重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/M
n):GPCは、ウォーターズ社製ISOC−ALC/
GPCを用い、カラムに昭和電工社製AD80M/Sを
3本使用し、試料をo−ジクロロベンゼンに溶解して
0.2重量%溶液として200μlを使用し、140
℃、流速1m/分で実施した。Mw/Mnの測定は、分
子量既知の標準ポリスチレン(東ソー社製単分散ポリス
チレン)を使用し、ユニバーサル法にて数平均分子量
(Mn)及び重量平均分子量(Mw)に換算し、Mw/
Mnの値を求めた。
【0026】(4) 補外融解終了温度(Tem):J
IS−K7121の方法により、セイコー電子工業社製
SSC5200を使用し測定した。 (5) 曲げこわさ(オルゼン):JIS−K7106
の方法により測定した。 (6) ESCR:JIS−K6760 4.7定ひず
み環境応力亀裂試験法(ESCR)の方法により、試験
液にイゲパール10%水溶液を用い測定した。 (7) 耐薬品性:JIS−K6760 4.7定ひず
み環境応力亀裂試験法(ESCR)に準拠し、試験液に
99%酢酸を用い、試験温度を40℃として測定した。
【0027】実施例1 (1)成分Aの調製 触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載
された方法で実施した。すなわち、エチレンビス(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジ
クロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メ
チルアンモキサンを上記錯体に対し1000モル倍加
え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶液を調
製し、以下の方法で重合を行った。内容積1.5リット
ルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと
1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が82重
量%となるように供給し、反応器内の圧力を1600k
g/cm2に保ち、140℃の温度で反応を行った。反
応終了後、MFRが3.1g/10分、密度が0.89
7g/cm3、Mw/Mnが2.1、補外融解終了温度
(Tem)が105.5℃であるエチレン・1−ヘキセ
ン共重合体を得た。得られた共重合体に、酸化防止剤と
してイルガノックス1076(チバガイギー社製)及び
P−EPQ(サンド社製)を押出機を用いて溶融混合し
た後、ペッレットを得た。該エチレン・1−ヘキセン共
重合体ペレットをターボ粉砕し、32メッシュ金網で分
級して粒子径1mm以下、平均粒径317μmの粉体を
得た。
【0028】(2)成分Bの調製 MFRが4.7g/10分、密度が0.934g/cm
3、のチーグラー−ナッタ触媒を用いて製造したエチレ
ン・1−ブテン共重合体を用い、成分Aと同様の方法で
ターボ粉砕した後分級し、粒子径1mm以下、平均粒径
360μmの粉体を得た。
【0029】(3)回転成形容器の成形と評価 上記で得られた成分B粉末を用いて、ロックンロール法
により容量5リットル、胴部厚み2mmの直方体容器を
成形した。該容器の胴部から曲げこわさ評価試験片を切
削し、評価した。次に、上記で得られた成分B粉末を用
いて、上記と同様にして胴部厚み2mmの容器を成形し
た後、上記で得られた成分A粉末を投入し、更に厚み1
mmの最内層を持つ胴部厚み3mmの直方体容器を成形
した。該容器の胴部からESCR評価用試験片を切削し
た後、成分A層にノッチを入れ、ESCR及び耐薬品性
を評価した。評価結果を表1に示す。
【0030】実施例2 実施例1の成分Aの製造方法において、1−ヘキセンの
供給量及び反応器内の温度を変更した以外は、実施例1
と同様にしてMFRが16.1g/10分、密度が0.
897g/cm3、Mw/Mnが2.0、補外融解終了
温度(Tem)が105℃であるエチレン・1−ヘキセ
ン共重合体を得た。該共重合体を実施例1と同様にター
ボ粉砕し、分級して粉体を得た。成分Bは実施例1と同
様のエチレン・1−ブテン共重合体の粉体を用い、実施
例1と同様の方法で回転成形容器を成形した。該容器を
用い、ESCR及び耐薬品性を評価した。評価結果を表
1に示す。
【0031】比較例1 成分Bに実施例1で用いたエチレン・1−ブテン共重合
体を用い、成分Aを投入せずに成分Bの投入量を変更し
て、実施例1と同様の方法で胴部厚み3mmの直方体容
器を成形した。該容器を用い、実施例1と同様の方法で
ESCR及び耐薬品性を評価した。評価結果を表1に示
す。
【0032】比較例2 成分BにMFRが4.0g/10分、密度が0.930
g/cm3のチーグラー−ナッタ触媒を用いて製造した
エチレン・4−メチル−ペンテン−1共重合体を用い、
実施例1と同様の方法で粉体を調製した後、胴部厚み2
mmの直方体形容器を成形し、曲げこわさを評価した。
更に、成分Aを投入せずに成分Bの投入量を変更して、
実施例1と同様の方法で胴部厚み3mmの直方体容器を
成形した。該容器を用い、実施例1と同様の方法でES
CR及び耐薬品性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0033】比較例3 成分Aに実施例1で用いたエチレン・1−ヘキセン共重
合体を用い、成分Bに実施例1で用いたエチレン・1−
ブテン共重合体を用い、成分Aと成分Bとを75:25
の割合で混合し、40mmφ単軸押出機を用いてシリン
ダー温度160℃で溶融混合した後、ペレットを得た。
該ペレットを用い、実施例1と同様の方法で粉体を調製
した後、胴部厚み2mmの直方体形容器を成形し、曲げ
こわさを評価した。更に、成分Aを投入せずに成分Bの
投入量を変更して、実施例1と同様の方法で胴部厚み3
mmの直方体容器を成形した。該容器を用い、実施例1
と同様の方法でESCR及び耐薬品性を評価した。評価
結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は回転成形容
器において、従来技術でESCR及び耐薬品性を改良し
ようとする時に問題となっていた剛性あるいは成形性の
低下を改良した回転成形容器を提供するものである。こ
れにより、特に大型薬品タンク等において、優れた剛性
により容器の形状を保持し且つ耐薬品性を兼ね備えてい
るので、容器の性能向上は当然のことながら安全性を含
めた工業的な利用価値は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の最内層成分A及び外層成分Bから
    なる、二層又は複数層の回転成形容器。成分A 下記に示す〜の性状を備えたエチレン・炭素数3〜
    18のα−オレフィン共重合体。 190℃、2.16kg荷重でのMFRが1〜50
    g/10分。 密度が0.87〜0.93g/cm3。 GPC法により測定される重量平均分子量/数平均
    分子量の比(Mw/Mn)が3.3以下。 DSCによって得られる融解ピークの補外融解終了
    温度(Tem)が60〜130℃の範囲内であり、Te
    mと密度(D)との関係が次の関係式を満たすこと。 Tem≦286D−137成分B 190℃、2.16kg荷重でのMFRが2〜30g/
    10分、密度が0.92〜0.96g/cm3であるエ
    チレン単独、又はエチレン・炭素数3〜10のα−オレ
    フィン共重合体。
  2. 【請求項2】 最内層の厚みが0.6mm以上、且つ外
    層の厚みが2mm以上の厚みを持つ請求項1記載の回転
    成形容器。
JP31261697A 1997-10-29 1997-10-29 回転成形容器 Pending JPH11129362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31261697A JPH11129362A (ja) 1997-10-29 1997-10-29 回転成形容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31261697A JPH11129362A (ja) 1997-10-29 1997-10-29 回転成形容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11129362A true JPH11129362A (ja) 1999-05-18

Family

ID=18031353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31261697A Pending JPH11129362A (ja) 1997-10-29 1997-10-29 回転成形容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11129362A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523954A (ja) * 2002-04-26 2005-08-11 アトフイナ・リサーチ ポリエチレンを用いて作られた回転成形品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523954A (ja) * 2002-04-26 2005-08-11 アトフイナ・リサーチ ポリエチレンを用いて作られた回転成形品
KR101011168B1 (ko) * 2002-04-26 2011-01-26 토탈 페트로케미칼스 리서치 펠루이 폴리에틸렌으로 제조된 회전성형 물품
US8420194B2 (en) 2002-04-26 2013-04-16 Total Petrochemicals Research Feluy Rotomoulded articles prepared with polyethylene

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4536550A (en) Polyethylene composition
EP2010603B1 (en) Polyolefin compositions, articles made therefrom and methods for preparing the same
EP1546253B1 (en) Polyethylene compositions for rotational molding
US8242220B2 (en) Copolymers and films thereof
EP1819770B1 (en) Multimodal polyethylene composition obtainable with high activity catalyst
EP2668231B1 (en) Polyethylene composition
US5811494A (en) Impact modified thinwall polymer compositions
JPH08509767A (ja) エチレンポリマーのブレンド物から作られる製造品
PL175108B1 (pl) Sposób wytwarzania kompozycji interpolimerów etylen/alfa-olefina
AU2005300740A1 (en) Multimodal polyethylene composition with improved homogeneity
CA2487931A1 (en) Polymer compositions and method of making pipes
NO172544B (no) Fast katalysatorkomponent for olefinkopolymerisasjon og fremgangsmaate for olefinkopolymerisasjon ved anvendelse av nevnte faste katalysatorkomponent
US9115280B2 (en) Polymer composition
JP4212233B2 (ja) 良好な加工処理性を有する重合体混合物
JPH0112778B2 (ja)
JPS5825693B2 (ja) トウメイセイ オヨビ タイシヨウゲキセイノリヨウコウナ ポリプロピレンソセイブツ
JPWO2007094376A1 (ja) エチレン系樹脂およびそれからなるブロー成形体
JPH11129362A (ja) 回転成形容器
JP2000129044A (ja) 高純度薬品用ポリエチレン容器
JPS5838459B2 (ja) 透明性および耐衝撃性の良好なポリプロピレン組成物
JP2000129045A (ja) ポリエチレン製クリーン容器
JP3929149B2 (ja) 機械的強度に優れたブロー成形体
JP3404107B2 (ja) 射出成形用樹脂および射出成形用樹脂組成物
JPH1036581A (ja) 重包装袋用ポリエチレン組成物
JPH11106432A (ja) エチレン系重合体