JPH11128353A - バルーンカテーテル - Google Patents

バルーンカテーテル

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JPH11128353A
JPH11128353A JP10230087A JP23008798A JPH11128353A JP H11128353 A JPH11128353 A JP H11128353A JP 10230087 A JP10230087 A JP 10230087A JP 23008798 A JP23008798 A JP 23008798A JP H11128353 A JPH11128353 A JP H11128353A
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balloon
catheter
balloon catheter
lumen
heart
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JP10230087A
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English (en)
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Joachim-Michael Dr Knoerig
クヌーリッグ ヨアヒム−ミカエル
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Willy Ruesch GmbH
Original Assignee
Willy Ruesch GmbH
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大動脈の液密かつ位置安定な閉塞を保証し、
閉塞の近傍において閉塞された器官腔と穏やかに相互作
用し、短く簡単な移植経路を可能にし、同時に心臓の免
荷及び心停止を容易にするバルーンカテーテルを提供す
る。 【解決手段】 医療用のバルーンカテーテルは、先端部
領域に構造化された外面１２を有するバルーン１１を有
する。構造化された外面１２は、互いに接続していない
波の山と谷で形成される。バルーン１１の構造化された
外面１２は、隣接する面に適合し、離れないように付着
することができる。バルーンカテーテルは、心尖領域の
左心室心臓切開部を介して、上行大動脈に導入される。
バルーン１１は、上行大動脈を閉塞する。バルーンは、
心停止法の実行を可能にし、吸入により心臓を免荷す
る。 用途： １．上行大動脈が石灰化している場合； ２．
ＬＩＭＡ／ＲＩＭＡ吻合を行うとき； ３．静脈静脈吻
合を行うとき。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテル軸上に
配されて器官腔内にバルーンカテーテルを固定する又は
器官腔の管腔を閉塞する膨張可能なバルーンを有する医
療用のバルーンカテーテルに関する。
【０００２】
【従来の技術】この種のカテーテルは、泌尿器科、気管
分野又は食道における複数の用途用の従来技術において
公知である。
【０００３】従来のカテーテルは、例えば挿管中に、気
管に固定される。
【０００４】また、鼠径を貫通して大動脈弓に挿入され
る閉塞用カテーテルが心臓外科の従来技術において公知
である。この種の閉塞用カテーテルの位置決めは、技術
的には難しく、それに伴う複雑さを有し、時間がかか
る。さらに、心停止中の動かない心臓を免荷することは
できなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、大動脈の液密かつ位置安定な閉塞を保証し、閉塞の
近傍において閉塞された器官腔と穏やかに相互作用し、
短く簡単な移植経路を可能にし、同時に心臓の免荷及び
心停止を容易にするバルーンカテーテルを提供すること
にある。
【０００６】
【課題を解決する手段】この目的は、本発明によれば、
バルーンが構造化され及び／又は粗面化された外面を有
することで達成される。
【０００７】本発明に係るバルーンカテーテルは、バル
ーンをもっとも内奥の大動脈管に滑らないように押しつ
けることができるという重要な利点を有している。ゴム
弾性を有するバルーンの構造化された外面は、閉塞され
た領域の管組織を傷つけることなくより大きな摩擦力で
管の内面によりよく着座できる。ゴム弾性を有するバル
ーンの外面は、管の内壁の起伏に合致し、バルーンを膨
張させたときにその起伏又は所定の管組織上に保持され
る多くの山と谷を有し、位置決めされ膨張したバルーン
は圧力を受けても動かず器官腔の液密な閉塞を保証す
る。
【０００８】バルーンの目に見える構造化され及び／又
は粗面化された外面は、使用されるカテーテルが目下の
用途に適切に選択されたバルーンを有していることを保
証する。もし、さらに、バルーンが、ラテックスから製
造されれば、その優れた素材としての性質、即ち、非常
に高い伸張性及び良好な弾性が器官腔の閉塞に有利に利
用できる。
【０００９】本発明のもう一つの構成においては、構造
化され及び／又は粗面化された外面は、バルーンに不規
則な外面を与える溶剤及び／又は凝固剤、例えばトルエ
ン、を用いて形成される。
【００１０】本発明によりバルーンを製造するこの方法
には、ラテックスバルーンは、浸漬法により製造できる
という利点がある。浸漬のすぐ後に、所望のバルーン形
状を有するラテックスフィルムが、目的とする用途のた
めのラテックス材の弾性に悪影響を与えることなくラテ
ックスバルーンの外面を不規則に構造化し、粗面化する
所定の溶液中に漬けられる。バルーンの外面の構造化
は、機械的又は機械的且つ熱的に行うこともできる。好
適な溶剤により得られる外面の構造化は、この方法工程
は簡単で時間がかからないという本発明に係るバルーン
の製造にとってのもう一つの利点を有する。
【００１１】本発明のもう一つの構成においては、ラテ
ックスバルーンは、カテーテルの軸部の第１及び第２の
端部領域に適合した基本的形状を有する。
【００１２】これには、構造化されたバルーンの基本的
サイズが小さく維持できる点、そして、バルーンの好適
な端部が、カテーテルの軸部のサイズよりも小さいサイ
ズを有し、軸部の外面に導入されたとき、確実に襞なし
で、この外面に合致してそこに固着するように、及び／
又は、糸を用いて液密及び圧密にカテーテル軸に付着で
きるように製造できるという利点を有する。
【００１３】本発明の改良された態様においては、バル
ーンカテーテルは、患者側で閉じており、好ましくは太
くしたカテーテル先端で終端する案内管腔をカテーテル
軸内に有する。カテーテルは、バルーンカテーテルの先
端領域の安定な位置に形成され配される。さらに、バル
ーンカテーテルは、患者とは反対側の端部で終端し、少
なくとも１つの第１の孔を有する第１のカテーテル軸ジ
ャケットを有する。前記第１の孔は、第１の管腔に接続
し、この第１の管腔と外側の環境との間を連通させる。
さらに、バルーンカテーテルには、第１のカテーテルジ
ャケット上に配され、第１の孔から離れたところで終端
する第２のカテーテルジャケットが設けられ、前記第２
のカテーテルジャケットは、第２の管腔を外部と接続す
る少なくとも１つの第２の孔を有する。
【００１４】本発明に係るバルーンカテーテルの構成に
よれば、略３つの分野においてバルーンカテーテルの使
用を容易にし、心臓外科において、部分的にではある
が、新しい技術を可能にする。構造化された表面を有す
るバルーンカテーテルは、下記の手術に用いることがで
きる。
【００１５】１．石灰化のため、大動脈を横方向にはさ
めないところでの手術； ２．ＭＩＳ法を用いたＬＩＭＡ／ＲＩＭＡ吻合用の手
術；そして ３．冠動脈及び下行大動脈管のＭＩＳ静脈静脈吻合用の
手術。
【００１６】略語“ＬＩＭＡ”及び“ＲＩＭＡ”は、そ
れぞれ、「左内胸動脈」及び「右内胸動脈」を表す。
【００１７】本発明に係る特徴を有するバルーンカテー
テルは、バイパス手術において用いる心停止通路及び吐
出通路を有する横心室大動脈閉塞バルーンとして用いる
ことができる。本発明のバルーンカテーテルは、動脈硬
化症の大動脈の大動脈閉塞及び心停止法をクランピング
なしで容易に行えるようにする。大動脈のクランピング
（従来技術）では、大動脈壁を傷つけたり、それに伴う
塞栓の失敗によりカルシウム粒子が洗い流されて脳に入
ることがありうる。
【００１８】末端動脈硬化症の患者の増加及び患者に必
要な再手術の頻度の増加に伴い、本発明のバルーンカテ
ーテルを使用することにより患者への心臓手術が簡単に
なる。本発明のバルーンカテーテルは、マンドリン線を
用いる案内通路を有する。粗面化された外面を有する膨
張可能なラテックスバルーンによって、簡単に大動脈を
信頼性よく閉塞できるようになり、心停止法溶液は第１
の管腔を介してバルーンと大動脈弁間を流れて大動脈及
び冠動脈に流入可能になる。心停止法を行っている心臓
は、第２の管腔を介して免荷され、第２の管腔により受
け取られた血液は、人工心肺に送出される。本発明の改
良されたバルーンカテーテルは、上行大動脈が手術する
領域で非常に強く石灰化していても上行大動脈をバイパ
ス手術中に確実に閉塞するために用いることができる。
大動脈の従来の横方向クランピングは、大動脈を損傷す
ることがある。しかし、本発明により改良したバルーン
カテーテルは、従来の軽度の侵襲性冠状動脈手術のフレ
ームワーク内及び静脈バイパスも簡単に行えるようにす
る非常に新しい技術の下での軽度侵襲性冠状動脈手術の
フレームワーク内の手術に利用できる。
【００１９】バイパス手術中には、上行大動脈の石灰化
により大きな医療上の問題が生じる。侵襲性手術のフレ
ームワーク内では、上行大動脈は、石灰化した大動脈の
損傷という危険を伴いながら横方向に挟まなければなら
ない。もしそれにより血管の損傷又は破壊が生じると、
その結果生じる医療上の問題を扱うのは、極度に困難で
あり、非常に時間のかかる手術によってのみ克服可能で
ある。また、上行大動脈を挟んで閉じるとカルシウム分
子が脳内に洗い流されることがある。これにより、臨床
的に、運動もしくは神経障害を伴う脳梗塞又は昏睡に至
ることがある。
【００２０】現時点まで、そのような合併症は、低体温
下で十分注意しながら手術をすることにより回避されて
きた。患者は人工心肺を用いて約１７℃の体温ベースの
温度に冷却される。この温度では、細胞代謝は、最低限
度に低下させられる。この時点で、人工心肺が停止さ
れ、血液循環が中断される。この期間で、周辺冠動脈吻
合が縫合される。血液循環が中断される期間は約６０分
を越えることができない。その後で、血液循環が再開さ
れ、患者は暖められる。明らかに、この方法では、特に
高齢の及び重篤な患者の場合に、深刻な術後合併症に至
る可能性がある。そのような患者の脳は、深刻な結果に
なることがある。患者は、一過性の症状と長期の複雑な
集中的な治療を必要とする錯乱状態を呈する。そのほか
の器官障害もあり得る。これらの医学上の結果の他に、
冷却及びウォームアップは非常に長い手術器官を必要と
するため経済的な考慮も必要とする。広範な術後の看護
及び必要とされる薬物療法は非常に高価である。これら
上記の問題は、本発明の改善されたカテーテルバルーン
を用いて回避して、バイパス手術の新しい、替わりとな
る方法を容易なものにすることができる。
【００２１】本発明の好ましい態様においては、目に見
える目盛がカテーテル軸に沿って配されるか又はカテー
テル材中に導入される。これには、執刀医が心臓へのバ
ルーンの挿入深度をカテーテル軸から読みとることがで
きるという利点がある。
【００２２】本発明により簡易化されたバイパス手術用
の装置の他に、バルーンカテーテルを左心室の先端を介
して人工心肺に接続されている患者の心臓に心室切開部
を介して外から導入する方法が提案される。前記バルー
ンカテーテルの前記先端、バルーン及び第１の孔は、大
動脈弁を通って上行大動脈中に変位され、第２の孔は心
室に残ったままである。バルーンカテーテルは上行大動
脈が完全に閉塞されるまでしかるべく位置決めされ膨張
させられる。次いで心停止法溶液が第１の管腔を介し第
１の孔を通じてバルーンカテーテルから注入される。血
液は、第２の孔及び第２の管腔を介して人工心肺中に吸
入される。バルーンカテーテルの所定の機能により、冠
動脈吻合が行われ、次にバルーンを導入した閉塞が終了
される。中央の吻合が次いで行われ、そして最後にバル
ーンカテーテルが心臓から取り出される。
【００２３】従来技術において公知であるように、手術
は胸骨切開で開始される。もし、大規模な動脈硬化によ
り、上行大動脈の通常の促通が不可能である場合は、こ
れらの患者は鼠径部を通じて大腿部カニューレ挿入を動
脈に行う。もし上行大動脈に石灰化していない部分が存
在すれば、上行大動脈にカニュウーレ挿入を行うことが
可能である。人工心肺への血管接続は従来の技術を用い
て行われる。人工心肺が完全に流れるようになってか
ら、心臓を免荷し、巾着縫合を左心室の先端（心尖）に
施す。次に、本発明のバルーンカテーテルを、外側から
心臓内に位置決めし、バルーンカテーテルの貫入深さを
カテーテル上に導入された目盛を用いてマークする。次
に巾着縫合内に小さな切り込みを入れ、本発明のカテー
テルを左心室に挿入する。さらに注意深く挿入しなが
ら、カテーテルを大動脈弁を通して上行大動脈中に、バ
ルーンカテーテル上の印が所定の測定長と一致するまで
案内する。バルーンカテーテルは、しかるべく位置決め
されると、上行大動脈が完全に閉塞されるまで膨張させ
られる。完全な大動脈の閉塞は、心エコー図により監視
される。心停止法溶液が第１の管腔（心停止通路）を介
して注入される。左心室は、第２の管腔（排出通路）を
介して免荷され、血液は、人工心肺に吸入される。次い
で、冠動脈吻合が通常の方法で行われる。吻合が行われ
た後、上行大動脈の閉塞を終了する。心臓が鼓動を開始
する。中央吻合を次に形成する。これは、例えば、腕頭
動脈又は上行大動脈の石灰化していない領域への接続と
して行うことができる。それにより別の血管を接合処理
された血管に移植する簡単な吻合で十分である。次にカ
テーテルを取り出し、巾着縫合を解く。この場所は、パ
ッチ縫合で固着され、手術が終了する。心臓は、手術の
間、外部の氷水での水洗いにより局部的に冷却されるべ
きである。
【００２４】本発明の改良されたバルーンカテーテルを
従来の軽度侵襲性冠状動脈手術に用いることには、本発
明のバルーンカテーテルは軽度侵襲性且つ前外側開胸手
術により容易に心尖を介して心臓内に導入できるという
利点がある。大動脈は閉塞することができる（これは以
前の軽度侵襲性冠状動脈手術では不可能であった）。心
停止法を、本発明のバルーンカテーテルを用いて行い、
それにより冠状動脈血管から出血させることなく、鼓動
していない免荷された心臓に確実で高品質の冠動脈吻合
を行うことができる。以前の軽度侵襲法は、鼓動してい
る心臓の吻合部を縫合した。本発明のカテーテルを用い
ると、現時点まで確立された手術手順で行われているよ
うに、心臓が停止しているときに吻合部を縫合すること
ができる。心臓は、第２の管腔（吐出通路）を介して免
荷される。これらの手段は心臓への過度の緊張を防止
し、その脱位を容易にする。
【００２５】ＭＩＳ手術（軽度侵襲性手術）を開始する
には、人工心肺を鼠径部の左又は右側（大腿動脈及び大
腿静脈）に接続する。従来のＭＩＳ−左側−最小開胸術
が次に行われる。続いて左又は右胸動脈の準備が行われ
る。準備が完了すると、胸動脈の端部を分離する。心尖
に巾着縫合を施す。この巾着縫合の中心に小さな切開部
を形成し、本発明の改良されたバルーンカテーテルをこ
の切開部を介して心室を通り大動脈弁を介して大動脈に
挿入する。上行大動脈を次にバルーンにより閉塞する。
心停止法溶液をバルーンカテーテルの第１の管腔（心停
止通路）を介して大動脈の付け根に注入する。心臓の鼓
動が停止してから、左心室をバルーンカテーテルの第２
の管腔（吐出通路）を介して免荷する。停止した心臓に
冠動脈吻合を縫合する。吻合が構成された後で大動脈の
閉塞が取り除かれる。心臓が鼓動し始める。カテーテル
を引き抜き、巾着縫合を解く。この位置を次にＵパッチ
縫合で縫合する。通常の方法で手術を終了する。
【００２６】血管バイパスも、ＭＩＳ法により本発明の
改良されたバルーンカテーテルを用いて行うことができ
る。もし本発明のバルーンカテーテルが上述のように位
置決めされると、心臓が免荷されている間に患者から取
り出した大伏在静脈を用いて、冠動脈血管と胸壁動脈と
の間に追加の血管橋が形成される。このように冠動脈吻
合を行った後で、下行側方開胸を介して容易にアクセス
できる大動脈を、接線方向に挟んで動脈壁に孔をあけ
る。静脈を大動脈壁に縫合し、接線方向の挟みを次に解
放する。手術をすでに述べたようにして終了する。
【００２７】添付図面の記載から更なる利点を引き出す
ことが可能である。上述の特徴及び後述の特徴は本発明
に従って、個別にあるいは任意に組み合わせて使用する
ことができる。上述の態様は網羅された列挙ではなく、
例示的なものとして理解されるべきものである。本発明
を図面で表し、実施例に関してより詳細に説明する。
【００２８】
【発明の実施の形態】各図面は、本発明の対象を部分的
に非常に概略的に示したものであり、一定の縮尺による
ものではない。各図面に示される別々の特徴の中にはそ
の構成がより容易に理解できるように強調して拡大して
あるものもある。
【００２９】図１は、本発明の一実施の形態に係るバル
ーンカテーテル１０の一部を示し、本カテーテル１０
は、先端領域に、構造化された外面１２を有するバルー
ン１１を有する。構造化された外面１２はバルーン１１
の軸方向延長に沿って隣接する谷の間の通路を防止する
多数の山と谷で構成される。ゴム弾性のバルーン１１
は、好ましくは、ラテックスから製造され、安定した基
本形状並びに安定した形状の第１の端部領域１３と安定
した形状の第２の端部領域１４を有する。端部領域１
３，１４のサイズはバルーン１１が引き上げられるカテ
ーテル軸に適合させられる。バルーンは、特定の位置で
カテーテル軸１５に接着され、また糸１６を用いてそれ
に固着される。
【００３０】カテーテル先端１７には特定の用途に応じ
て様々な先端部が恒久的に装着される。
【００３１】バルーンカテーテル１０は、案内ワイヤを
バルーンカテーテル１０に導入することができる案内管
腔１８を有する。案内ワイヤはカテーテル軸１５をさら
に硬くするために又は曲げるために用いることができ
る。
【００３２】カテーテル軸１５は、バルーン１１の患者
とは反対側に第１の管腔２０を画成する第１のカテーテ
ルジャケット１９を有する。第１の管腔２０は第１の孔
２１に接続される。第１の管腔２０は、第１の孔２１を
介して外部に接続される。第２のカテーテルジャケット
２２は、第１のカテーテルジャケット１９上に配され、
第１の孔２４に接続される第２の管腔２３を画成する。
第２の管腔２３は、第２の孔２４を介して周囲の環境に
接続される。バルーン１１は液体、例えば塩化ナトリウ
ム溶液で、バルーン通路２５を介して膨張させることが
できる。バルーン１１内に位置する液体は同様にバルー
ン通路２５を介して排出される。
【００３３】図２は図１のバルーン１１を示す。ラテッ
クスバルーン１１は、液体ラテックス中に適当な金型を
浸漬することにより製造される。金型上のラテックスフ
ィルムを次に溶液、例えば、トルエンに浸漬して、加硫
ラテックスバルーン１１に血管の内壁に穏やかにしかし
液密に閉塞状態で付着する構造化された外面を付与す
る。バルーン１１は、構造化された外面１２の他に、安
定した形状及び造形された端部領域１３，１４を有す
る。カテーテル軸は、端部領域１３，１４を通してバル
ーン１１に接着される又は縛り付けられる位置まで挿入
される。
【００３４】図３は、バルーン３１及び先端部３２を有
するバルーンカテーテル３０の別の態様を示す。バルー
ンカテーテル３０は、バルーンカテーテル３０内に形成
される管腔がみえるように略断面で示されている。
【００３５】案内管腔３３は、バルーンカテーテル３０
内に全軸方向長さに亘って延び、先端部３２で閉じてい
る。マンドリン線を案内管腔３３に案内してバルーンカ
テーテル３０を硬く及び／又はその向きを変えることが
できる。第１のカテーテルジャケット３４は、第１の管
腔３５を画成するが、この第１の管腔３５は端部領域に
第１の孔３６を有する。第２のカテーテルジャケット３
７は端部領域に第２の孔３９を有する。従来の接続部材
４０は、バルーンカテーテル３０の患者と反対側に設け
られて上記の管腔を別の導管に接続する。先端部３２，
バルーン３１及び第１のカテーテルジャケット３４は全
てカテーテル軸４１上に導入装着される。第２のカテー
テルジャケット３７は第１のカテーテルジャケット１４
上に、軸方向に沿ってある長さに亘って形成される。バ
ルーン３１は、カテーテル軸４１に接着され、また糸４
２によりカテーテル軸４１にしっかりと固着される。バ
ルーン３１は、構造化された外面４３を有し、それによ
り隣接する面に適合し強く付着することができる。
【００３６】医療用のバルーンカテーテルは、先端部領
域に構造化された外面１２を有するバルーン１１を有す
る。構造化された外面１２は、互いに接続していない波
の山と谷で形成される。バルーン１１の構造化された外
面１２は、隣接する面に適合し、離れないように付着す
ることができる。バルーンカテーテルは、心尖領域の左
心室心臓切開部を介して、上行大動脈に導入される。バ
ルーン１１は、上行大動脈を閉塞する。バルーンは、心
停止法の実行を可能にし、吸入により心臓を免荷する。
【００３７】用途： １．上行大動脈が石灰化している場合； ２．ＬＩＭＡ／ＲＩＭＡ吻合を行うとき； ３．静脈静脈吻合を行うとき。
【００３８】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
カテーテル軸に配されてバルーンカテーテルを器官腔に
固定しあるいは器官腔の管腔を閉塞する膨張可能なバル
ーンを有する医療用バルーンカテーテルのバルーンは構
造化され及び／又は粗面化された外面を有しているの
で、バルーンをもっとも内奥の大動脈管に滑らないよう
に押しつけることができる。したがって、本発明に係る
バルーンカテーテルの構成によれば、心臓外科におい
て、部分的にではあるが、新しい技術を可能にし、下記
の手術に用いることができるという利点を有する。
【００３９】１．石灰化のため、大動脈を横方向にはさ
めないところでの手術； ２．ＭＩＳ法を用いたＬＩＭＡ／ＲＩＭＡ吻合用の手
術；そして ３．冠動脈及び下行大動脈管のＭＩＳ静脈静脈吻合用の
手術。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態に係るバルーンカテーテ
ルの先端領域部分を示す斜視図である。
【図２】本発明のバルーンカテーテルに配されるバルー
ンを分離して示す模式図である。
【図３】大動脈を閉塞する心室横断バルーン、第１の管
腔（心停止通路）及び第２の管腔（吐出通路）を有す
る、バイパス手術用に用いられる本発明のバルーンカテ
ーテルを示す断面図である。
【符号の説明】
１０，３０ バルーンカテーテル １１，３１ バルーン １２，４３ 構造化された外面 １３ 端部領域 １４ 端部領域 １５，４１ カテーテル軸 １６，４２ 糸 １７，３２ 先端部 １８，３３ 案内管腔 １９，３４ 第１のカテーテルジャケット ２０，３５ 第１の管腔 ２１，３６ 第１の孔 ２２，３７ 第２のカテーテルジャケット ２３，３８ 第２の管腔 ２４，３９ 第２の孔 ２５ バルーン通路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 カテーテル軸（１５；４１）に配されて
    バルーンカテーテル（１０；３０）を器官腔に固定しあ
    るいは器官腔の管腔を閉塞する膨張可能なバルーン（１
    １；３１）を有する医療用バルーンカテーテルにおい
    て、 前記バルーン（１１；３１）は構造化され及び／又は粗
    面化された外面（１２；４３）を有することを特徴とす
    る医療用バルーンカテーテル。
  2. 【請求項２】 前記構造化され及び／又は粗面化された
    外面（１２；４３）は、視覚により認識可能であること
    を特徴とする請求項１記載の医療用バルーンカテーテ
    ル。
  3. 【請求項３】 構造化され及び／又は粗面化された外面
    （１２；４３）はラテックス製であることを特徴とする
    請求項１又は２に記載の医療用バルーンカテーテル。
  4. 【請求項４】 前記構造化され及び／又は粗面化された
    外面（１２；４３）は、例えばトルエンなどの溶媒及び
    ／又は凝固剤の作用により形成され、前記バルーン（１
    １；３１）に不規則な外面を与えることを特徴とする請
    求項３の医療用バルーンカテーテル。
  5. 【請求項５】 前記ラテックス製バルーン（１１；３
    １）は、第１及び第２の端部領域（１３，１４）におい
    てカテーテルの軸部分に適合した固有の安定した基本形
    状を有することを特徴とする請求項３又は４に記載の医
    療用バルーンカテーテル。
  6. 【請求項６】 患者側の端部で閉じ、カテーテルの先端
    部（１７；３２）までテーパ状になっている案内管腔
    （１８；３３）が前記カテーテル軸（１５；４１）に形
    成され、前記バルーン（１１；３１）は前記カテーテル
    軸（１５；４１）の先端領域に配され、患者と反対側の
    端部で終端し第１の管腔（２０；３５）を周囲の環境に
    接続する少なくとも１つの第１の孔（２１；３６）を有
    する第１のカテーテル軸ジャケット（１９；３４）が前
    記バルーンカテーテル（１０；３０）に設けられ、第２
    のカテーテルジャケット（２２；３７）が第１のカテー
    テルジャケット（１９；３４）上に配されて前記第１の
    孔（２１；３６）から離れたところに終端し、前記第２
    のカテーテルジャケット（２２；３７）は第２の管腔
    （２３；３８）を周囲の環境に接続する少なくとも１つ
    の第２の孔（２４；３９）を有することを特徴とする請
    求項１から５のいずれか１項に記載のバルーンカテーテ
    ル。
  7. 【請求項７】 視覚的に認識可能な目盛がカテーテル材
    のカテーテル軸（１５；４１）上に配されていることを
    特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載のバル
    ーンカテーテル。
  8. 【請求項８】 請求項６及び又は請求項６に従属する限
    りでの請求項７に記載のバルーンカテーテル（１０；３
    ０）を使用する方法において、前記バルーンカテーテル
    （１０；３０）を人工心肺に接続した患者の心臓に外部
    から心室切開部を介して左心室の心尖から導入し、前記
    バルーンカテーテル（１０；３０）の先端部（１７；３
    ２）、前記バルーン（１１；３１）及び前記第１の孔
    （２１；３６）を大動脈弁を通して上行大動脈内に変位
    させるが、前記第２の孔（２４；３９）は心室内に残存
    させ、そして、前記バルーンカテーテル（１０；３０）
    を正しく位置決めした後で前記バルーン（１１；３１）
    を膨張させて前記大動脈を完全に閉塞し、次に心停止溶
    液を前記第１の管腔（２０；３５）を介して注入して前
    記第１の孔（２１；３６）を介してバルーンカテーテル
    （１０；３０）から流出させるようにし、そして血液を
    前記第２の孔（２４；３９）及び前記第２の管腔（２
    ３；３８）を介して前記人工心肺に吸入し、前記バルー
    ンカテーテル（１０；３０）が規定されたように機能し
    ている状態で、冠動脈吻合を行い、前記冠動脈吻合を形
    成した後で、前記バルーン（１１；３１）により行われ
    た閉塞を解消し、中央吻合を次に形成した後で、バルー
    ンカテーテル（１０；３０）を心臓から取り出すことを
    特徴とする方法。
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