JPH11128338A - 体液排出チューブ - Google Patents

体液排出チューブ

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JPH11128338A
JPH11128338A JP10238141A JP23814198A JPH11128338A JP H11128338 A JPH11128338 A JP H11128338A JP 10238141 A JP10238141 A JP 10238141A JP 23814198 A JP23814198 A JP 23814198A JP H11128338 A JPH11128338 A JP H11128338A
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Japan
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fluid discharge
discharge tube
body fluid
tube
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JP10238141A
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Hideaki Asai
秀昭 浅井
Seiki Arikawa
清貴 有川
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体液排出チューブ抜去時の患者の痛みを低減
し、体液排出チューブが体液排出途中で血栓によって閉
塞することを防止できる極めて有用な体液排出チューブ
を提供する。 【解決手段】 管状の合成樹脂から成る体液排出チュー
ブの表面にハイドロゲル又はハイドロゲルと抗血栓性
薬、抗血小板薬、血栓溶解薬の3種類の試薬中から選ぶ
ことができる少なくとも1つの薬剤との混合物を二官能
性試薬によって固定する体液排出チューブである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は体内の体液貯留部位
にチューブを経皮的に留置し、血液やリンパ液等の体液
を吸引し体外へ排出する事を目的とする体液排出チュー
ブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】体液排出チューブは体液排出時、血栓に
よってチューブ内腔が閉塞し、充分な体液の排出ができ
ないといった問題を有している。また体液排出後のチュ
ーブ抜去時は、チューブと生体組織との摩擦が生じ、抜
去抵抗の増大により、チューブの破断や患者の痛みが生
じるという問題がある。ハイドロゲルをカテーテルやチ
ューブの表面に固定する報告は、いくつかあるが何れも
合成樹脂の表面にハイドロゲルを塗布し、その後ハイド
ロゲル自体を架橋する事で固定するか又はポリウレタン
にイソシアネートによって固定化する方法であり、前者
の方法においては、ハイドロゲルが基材の樹脂にコーテ
ィングされているのみであるため体内留置時に生体組織
の侵入や摩擦でハイドレゲルが剥がれ落ちやすいという
問題がある。また後者の方法ではポリウレタンを基材と
する表面には共有結合可能であるがそれ以外の合成樹脂
表面には共有結合できないため同様に、体内留置時にハ
イドロゲル層が剥離しやすいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のこのよ
うな問題点を解決しようとするものである。そこで、光
反応性アジド基または光反応性アリールケトンを有する
化合物が紫外線照射により合成樹脂表面のC−H結合間
に挿入され、合成樹脂表面に共有結合が可能であること
に着目し、一分子中に合成樹脂表面と共有結合する光官
能性基としてアジド基または光反応性アリールケトンを
有し、ハイドロゲルと共有結合するもう一つの反応性基
としてスクシンイミド基、イソシアネート基、アルデヒ
ド基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸
基、酸無水物の中から選ぶことのできる一つの官能基を
有する二官能性試薬によってアミノ基又はカルボキシル
基又は水酸基を有するハイドロゲルがC−H結合を有す
るあらゆる合成樹脂表面に共有結合可能なことを見いだ
し、鋭意研究し本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は管状の合成樹脂
基材の表面にハイドロゲルを固定することを特徴とする
体液排出チューブである。または管状の合成樹脂基材の
表面にハイドロゲルと抗血栓性薬、抗血小板薬、血栓溶
解薬の3種の薬剤の中から選ぶことができる少なくとも
1つの薬剤を固定することを特徴とする体液排出チュー
ブである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いることのできる合成
樹脂は、分子内にC−H結合を持つ全ての合成樹脂が使
用でき、その例としては、ポリ塩化ビニル樹脂やシリコ
ーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂な
どが挙げられる。
【0006】また、本発明で用いることができる体液排
出チューブの形状は、特に限定しないが、管の壁に管の
内腔と外面を貫通する複数の孔、溝又は切れ目を有する
部分と管の壁に複数の孔、溝又は切れ目を有しない部分
とを有する管状のチューブや、単一の内腔を有する部分
と複数の内腔を有する部分からなり複数の内腔を有する
部分の壁に管の内腔と外面を貫通する複数の孔、溝又は
切れ目を有する管状のチューブなどが上げられ、特に体
内に留置する部分の管の壁に複数の孔、溝又は切れ目を
有する形状のチューブは、体内の組織から浸出する血液
や体液を有効に体外に排出できるため望ましい。また、
本発明で用いることのできるハイドロゲルは、ポリビニ
ルアルコール、ヒアルロン酸、ポリ(N−ビニルピロリ
ドン)、ゼラチン、コラーゲンなどが挙げられる。中で
もポリ(N−ビニルピロリドン)は抗血栓性に優れ、生
体組織の反応性が無いため望ましい。
【0007】また、本発明で用いることのできる二官能
性試薬は一分子中に光反応性アジド基または光反応性ア
リールケトンとスクシンイミド基、イソシアネート基、
アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ
基、水酸基、酸無水物の中から選ぶことのできる一つの
官能基を有するものが利用でき、特に限定はしないが、
光反応性アジド基を有するものとしては、6−(4−ア
ジド−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸−N−ヒ
ドロキシスクシンイミドエステル、6−(4−アジド−
2−ニトロフェニル)ヘキサメチレンイソシアネート、
6−(4−アジド−2−ニトロフェニル)ヘキサナー
ル、6−(4−アジド−2−ニトロフェニルアミノ)ヘ
キサン酸エチレンジアミンエステル、6−(4−アジド
−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸、3−(4−
アジド−2−ニトロフェニル)プロピレンオキシドなど
が好ましく、特にポリ(N−ビニルピロリドン)やヘパ
リンの固定には、6−(4−アジド−2−ニトロフェニ
ルアミノ)ヘキサン酸−N−ヒドロキシスクシンイミド
エステルや6−(4−アジド−2−ニトロフェニルアミ
ノ)ヘキサン酸エチレンジアミンエステルがさらに好ま
しい。光反応性アリールケトンを有するものとしては、
ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルベンゾイックN−オキ
シコハク酸イミド、ベンゾイルベンゾイック−ポリエチ
レングリコール、ベンゾイルベンゾイック−ポリエチレ
ングリコール−アミンなどが好ましく、特にポリ(N−
ビニルピロリドン)やヘパリンの固定には、ベンゾイル
ベンゾイックN−オキシコハク酸イミドやベンゾイルベ
ンゾイック−ポリエチレングリコール−アミンがさらに
好ましい。
【0008】また、本発明で用いることのできる抗血栓
性薬は特に限定しないが、ヘパリン、ワルファリン、ア
ンチトロンビンなどが利用できる。さらに抗血小板薬は
塩酸チクロピジン、シロスタゾール、ジピリダモール、
輸血用クエン酸ナトリウムなどが利用できる。また血栓
溶解薬は特に限定しないが、ウロキナーゼ、組織プラス
ミンアクチベーターなどが利用できる。本発明でハイド
ロゲル又はハイドロゲルと抗血栓性薬、抗血小板薬、血
栓溶解薬の中から選ぶことができる少なくとも1つの薬
剤を固定する表面は特に限定しないが、体液排出チュー
ブの全内腔面と、管の壁に管の内腔と外面を貫通する複
数の孔、溝又は切れ目を有する部分のみの表面とする事
が望ましい。以下に、実施例によって本発明の効果を説
明する。
【0009】
【実施例】
(実施例1及び比較例1) 1)体液排出チューブの作製と比較例の作製 ポリ塩化ビニル樹脂(住友ベークライト(株)製)を押
出成形により、外径5mm、内径3mm、長さ20cm
のチューブとした。一方のチューブ断端から長さ15c
mまでのチューブの壁にチューブの外面から内腔まで垂
直に貫通する外径1.7mmの孔を2個ずつチューブの
円周に均一に配置して設け体液排出チューブの基材とし
た。
【0010】次に、遮光した三口フラスコ中の6gのエ
チレンジアミン(和光純薬製工業(株)製)の乾燥TH
F溶液500ml中に20gの6−(4−アジド−2−
ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸−N−ヒドロキシス
クシンイミドエステル(SIGMA社製)を添加し、室
温で一晩攪拌して6−(4−アジド−2−ニトロフェニ
ルアミノ)ヘキサン酸のエチレンジアミンエステルを作
製した。次に遮光下で300mlのジオキサン中に分子
量360,000のポリ(N−ビニルピロリドン)(和
光純薬製工業(株)製、化粧品用)36gと1.6gの
6−(4−アジド−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサ
ン酸のエチレンジアミンエステルとジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(和光純薬工業(株)製)1gを添加し室
温で8時間攪拌し光官能性アジド基をポリ(N−ビニル
ピロリドン)に結合した。また、遮光下で100mlの
純水中に1gのヘパリン(ノボ・ヘパリン 注2500
0、マリオン・メレル・ダウ(株)製)と1.6gの6
−(4−アジド−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサン
酸のエチレンジアミンエステルとジシクロヘキシルカル
ボジイミド(和光純薬工業(株)製)1gを添加し室温
で8時間攪拌し光官能性アジド基をヘパリンに結合し
た。
【0011】次に光官能性アジド基を結合したポリ(N
−ビニルピロリドン)3gと光官能性アジド基を結合し
たヘパリン1gを100mlのエタノールと純水との
1:1混合溶液に溶解し、体液排出チューブ基材に塗布
した。体液排出チューブを乾燥後、高圧水銀ランプにて
一晩光照射し、チューブを中性洗剤で超音波洗浄して未
反応物を洗浄し、ポリ(N−ビニルピロリドン)及びヘ
パリンを体液排液チューブの基材に固定した。チューブ
を乾燥後、壁に孔の無い側のチューブ断端に外径5mm
φで長さ10cmのステンレス製穿刺針を取り付け本発
明の体液排出チューブを得た。また、ハイドロゲル及び
ヘパリンを固定していない体液排出チューブの一方の断
端に(チューブの壁に孔の無い側の断端)外径5mmφ
で長さ10cmのステンレス製穿刺針を取り付け比較例
の体液排出チューブとした。
【0012】2)動物実験 体重15kgのビーグル成犬(雌性)1頭をアトロピン
にて前処理し、導入麻酔をフルニトラゼパム0.1mg
/kg、ケタミン3mg/kgの静注によって実施し
た。犬を手術台に固定後、フローセンによる麻酔を維持
しながら、肋骨下から下腹部にかけての腹部の皮膚の正
中線から左右に5cm程度体側側を、正中線に沿って左
右2カ所各20cm程度切開し筋膜を露出した。次いで
上記で作製した本発明の体液排出チューブを左開腹部の
筋膜上に留置し、チューブ一端に接続された穿刺針で左
開腹部の皮膚を内側から体表面に向かって穿刺し、皮下
筋膜上に体液排出チューブ15cmを残し、体表面に体
液排出チューブ約5cmを引き出した後、左開腹部を縫
合した。次に体表面に引き出したチューブから穿刺針を
取り外し、体表面への引き出し部の表皮を巾着縫合しチ
ューブをイヌの体表面に固定した。同様に右開腹部に比
較例の体液排出チューブを留置した。表皮に引き出した
本発明の体液排出チューブ断端及び比較例の体液排出チ
ューブの断端をYコネクターによって吸引ボトル(住友
ベークライト製、SBバック)に接続し、吸引を開始し
た。
【0013】3)抜去抵抗の及び抗血栓性の比較評価 留置1週間後に各々の体液排出チューブをYコネクター
から取り外し、外径1mmのステンレスワイヤーにて体
液排出チューブとデジタルフォースゲージ(シンポ工業
(株)製、DFG02K型)とを接続し、デジタルフォ
ースゲージを引っ張ることで体液排出チューブをイヌの
体内から引き抜き、本発明の体液排出チューブ及び比較
例の体液排出チューブの抜去抵抗を各々測定し比較し
た。抜去した本発明の体液排出チューブ及び比較例の体
液排出チューブへの血栓の付着の程度を目視にて観察
し、更に体液排出チューブ留置部を再度開腹し、体内留
置部での血栓の形成の程度を比較評価した。
【0014】4)評価結果 本発明の体液排出チューブ及び比較例の体液排出チュー
ブの抜去抵抗は図1のようになった。また、抜去後の本
発明の体液排出チューブ及び比較例の体液排出チューブ
への血栓の付着の程度及びチューブ留置部での血栓の形
成の程度は表1のようになった。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例2) 1)ポリ(N−ビニルピロリドン)固定体液排出チュー
ブ(1)の作製 ポリ塩化ビニル樹脂(住友ベークライト(株)製)を押
出成形により、外径5mm、内径3mm、長さ20cm
のチューブとした。一方のチューブ断端から長さ15c
mまでのチューブの壁にチューブの外面から内腔まで垂
直に貫通する外径1.7mmの孔を2個ずつチューブの
円周に均一に配置して設け体液排出チューブの基材とし
た。
【0017】次に、遮光した三口フラスコ中で分子量3
60,000のポリビニルピロリドン(和光純薬製工業
(株)製、化粧品用)36gを500mlの脱水1,4
−ジオキサン溶液に溶解し、この溶液を攪拌しながら2
gの6−(4−アジド−2−ニトロフェニル)ヘキサメ
チレンイソシアネートを少量ずつ添加し、80℃で一晩
攪拌して光官能性アジド基をポリビニルピロリドンに結
合した。次に光官能性アジド基を結合したポリビニルピ
ロリドン3gを100mlのエタノールと純水との1:
1混合溶液に溶解し、体液排出チューブ基材に塗布し
た。体液排出チューブを乾燥後、高圧水銀ランプにて一
晩光照射し、チューブを中性洗剤で超音波洗浄して未反
応物を洗浄し、ポリ(N−ビニルピロリドン)を体液排
液チューブの基材に固定した。チューブを乾燥後、壁に
孔の無い側のチューブ断端に外径5mmφで長さ10c
mのステンレス製穿刺針を取り付け本発明の体液排出チ
ューブを得た。
【0018】2) ポリ(N−ビニルピロリドン)固定
体液排出チューブ(2)の作製 ポリ塩化ビニル樹脂(住友ベークライト(株)製)を押
出成形により、外径5mm、内径3mm、長さ20cm
のチューブとした。一方のチューブ断端から長さ15c
mまでのチューブの壁にチューブの外面から内腔まで垂
直に貫通する外径1.7mmの孔を2個ずつチューブの
円周に均一に配置して設け体液排出チューブの基材とし
た。
【0019】次に、遮光した三口フラスコ中の18gの
エチレンジアミン(和光純薬製工業(株)製)の乾燥ジ
オキサン溶液500ml中に32.3gのベンゾイルベ
ンゾイックN−オキシコハク酸イミド(SIGMA社
製)を添加し、室温で一晩攪拌してエチレンジアミンの
ベンゾフェノン誘導体を得た。次に遮光下で300ml
のジオキサン中に分子量360,000のポリ(N−ビ
ニルピロリドン)(和光純薬製工業(株)製、化粧品
用)36gと3.8gのエチレンジアミンのベンゾフェ
ノン誘導体とジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純
薬工業(株)製)1gを添加し室温で8時間攪拌しエチ
レンジアミンのベンゾフェノン誘導体にポリ(N−ビニ
ルピロリドン)を結合し、光反応性ベンゾフェノンを結
合したポリ(N−ビニルピロリドン)を得た。
【0020】次に光反応性ベンゾフェノンを結合したポ
リ(N−ビニルピロリドン)30gを100mlのイソ
プロピルアルコールと純水との1:1混合溶液に溶解
し、体液排出チューブ基材に塗布した。体液排出チュー
ブを乾燥後、高圧水銀ランプにて一晩光照射し、チュー
ブを中性洗剤で超音波洗浄して未反応物を洗浄し、ポリ
(N−ビニルピロリドン)を体液排液チューブの基材に
固定した。チューブを乾燥後、壁に孔の無い側のチュー
ブ断端に外径5mmφで長さ10cmのステンレス製穿
刺針を取り付け本発明の体液排出チューブを得た。
【0021】3)ヒアルロン酸固定体液排出チューブの
作製 ポリ塩化ビニル樹脂(住友ベークライト(株)製)を押
出成形により、外径5mm、内径3mm、長さ20cm
のチューブとした。一方のチューブ断端からチューブの
長手方向に向かって一列に外径1.7mmの孔を2cm
間隔で対面の側壁を真っ直ぐに貫通するように7個開け
た。チューブを円周方向に90度回転させ、上記で孔を
開けた側のチューブ断端から3cmの位置に外径1.7
mmの孔を開け、ここから2cm間隔で長手方向に一列
に対面の側壁を真っ直ぐに貫通するように外径1.7m
mの孔を6カ所開け体液排出チューブ基材を作製した。
【0022】次に、遮光した三口フラスコ中でヒアルロ
ン酸ナトリウム(SIGMA社製、ヒト臍帯由来)1g
を100mlのDMSOに溶解し、この溶液を攪拌しな
がら6−(4−アジド−2−ニトロフェニル)ヘキサメ
チレンイソシアネート20mgを注射器で少量すつ添加
し、80℃で一晩攪拌して光官能性アジド基をヒアルロ
ン酸に結合した。次に光官能性アジド基を結合したヒア
ルロン酸1gを100mlのエタノールと純水との1:
1混合溶液に溶解し、体液排出チューブ基材に塗布し
た。 体液排出チューブを乾燥後、高圧水銀ランプにて
一晩光照射し、チューブを中性洗剤で超音波洗浄して未
反応物を洗浄し、ヒアルロン酸を体液排液チューブの基
材に固定した。チューブを乾燥後、壁に孔の無い側のチ
ューブ断端に外径5mmφで長さ10cmのステンレス
製穿刺針を取り付け本発明の体液排出チューブを得た。
【0023】4)抜去抵抗の測定 直径50mm、長さ120mmの円筒形に豚肉の固まり
を切り出し(約350g)、円筒の側面部にポリエチレ
ン製のフィルムを巻き付け、テープで固定し、豚肉の模
擬生体組織を作った。次にクランプでこの豚肉を机に固
定し、穿刺針にて上記で作製したポリ(N−ビニルピロ
リドン)固定体液排出チューブ(1)、ポリ(N−ビニ
ルピロリドン)固定体液排出チューブ(2)、ヒアルロ
ン酸固定体液排出チューブ及び比較例のハイドロゲル及
びヘパリン未固定のポリ塩化ビニル製体液排出チューブ
を1cm間隔で豚肉に貫通させ、各チューブが豚肉の表
面から2cm出たところで、穿刺針をチューブから切り
落とした。各チューブの先端とデジタルフォースゲージ
(製、DFG2.0K)とをステンレスワイヤーにて接
続し、豚肉及びチューブ全体を純水中に浸漬した。次に
チューブに接続したデジタルフォースゲージを10mm
/秒の一定の早さで移動させチューブを豚肉から真っ直
ぐに引き抜き、各々のチューブの抜去抵抗を測定した。
【0024】5)評価結果 ポリ塩化ビニル体液排出チューブ、ポリ(N−ビニルピ
ロリドン)固定体液排出チューブ(1)及び(2)、ヒ
アルロン酸固定体液排出チューブの豚肉からの抜去抵抗
は図2のようになった。
【0025】
【発明の効果】以上のように、ハイドロゲル及びハイド
ロゲルと抗血栓性薬又は抗血小板薬又は血栓溶解薬を二
官能性試薬によって固定した体液排出チューブは、抜去
抵抗を良好に低減すると共に優れた抗血栓性も併せ持つ
ことが明白となった。このように、本発明は体内留置時
に体液排出チューブの血栓閉塞を抑制し、抜去時はチュ
ーブと組織との抵抗を低減し、患者の痛みを低減する体
液排出チューブを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリ塩化ビニル製体液排出チューブに
ポリ(N−ビニルピロリドン)を共有結合した体液排出
チューブ及び比較例のポリ塩化ビニル製の体液排出チュ
ーブを7日間イヌの腹部皮下に留置した後、各チューブ
を一定速度で引き抜いた時の抜去抵抗値を荷重(g)に
て示した。
【図2】本発明のポリ塩化ビニル製体液排出チューブに
ポリ(N−ビニルピロリドン)を光反応性アジド基及び
光反応性ベンゾフェノンにて共有結合した体液排出チュ
ーブ(1)及び(2)、ヒアルロン酸固定体液排出チュ
ーブ、比較例のポリ塩化ビニル製の体液排出チューブを
穿刺針にて豚肉に挿入し、各体液排出チューブを一定速
度で引き抜いた時の各チューブの抜去抵抗値を荷重
(g)にて示した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の合成樹脂基材の表面にハイドロゲ
    ルを固定することを特徴とする体液排出チューブ。
  2. 【請求項2】 管状の合成樹脂基材の表面にハイドロゲ
    ルと抗血栓性薬、抗血小板薬、血栓溶解薬の3種の薬剤
    の中から選ぶことができる少なくとも1つの薬剤を固定
    することを特徴とする体液排出チューブ。
  3. 【請求項3】 二官能性試薬によって固定する請求項1
    又は2記載の体液排出チューブ。
  4. 【請求項4】 ハイドロゲルがヒアルロン酸、ポリビニ
    ルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、コラ
    ーゲンの中から選ぶことのできる少なくとも1つの物質
    である請求項1〜3記載のいずれかの体液排出チュー
    ブ。
  5. 【請求項5】 二官能性試薬の官能基の一つが光官能性
    アジド基または光反応性アリールケトンのいずれかであ
    り他のもう一つがスクシンイミド基、イソシアネート
    基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、エポキ
    シ基、水酸基、酸無水物の中から選ぶことができる官能
    基である請求項1〜4記載のいずれかの体液排出チュー
    ブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007054626A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Nitinol Dev Corp 保持力のある側副換気バイパス
JP2012511599A (ja) * 2008-12-12 2012-05-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 変性ポリビニルラクタム

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