JPH11128330A

JPH11128330A - 微生物による洗浄、消臭剤

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Publication number: JPH11128330A
Application number: JP9316207A
Authority: JP
Inventors: Masao Yamamoto; 将生山本
Original assignee: MONSIEUR KK
Current assignee: MONSIEUR KK
Priority date: 1997-10-31
Filing date: 1997-10-31
Publication date: 1999-05-18
Anticipated expiration: 2017-10-31
Also published as: JP3735194B2

Abstract

(57)【要約】【課題】台所、風呂、洗面所等の排水管内の汚れやこの
汚れによる目詰まりおよび悪臭、あるいは流し台、風呂
桶、便器、カーぺット、じゅうたん等の汚れや悪臭、ま
た生ごみやトイレット室内の悪臭を容易かつ確実に除去
することができ、しかも有毒ガスが発生するようなこと
がなくて安全に使用できる洗浄、消臭剤を提供する。【解決手段】汚れおよび悪臭の原因物質たる有機物を分
解、消化する微生物を含有し、同微生物の活動を抑制す
るキレート剤と安定剤のうちの少なくとも一方が添加さ
れてなる洗浄原液１と、同原液を希釈するための希釈液
２とよりなり、使用時に洗浄原液１を希釈液２によって
希釈して使用されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は汚れおよび悪臭の原
因物質たる有機物を、微生物によって分解、消化するこ
とにより汚れおよび悪臭を除去する洗浄、消臭剤に関す
る。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】台所、風呂、洗面所等の排
水管内には有機物を主成分とする汚れが付着し、この汚
れにより排水管が目詰まりを起こしたり、悪臭を放った
りする。排水管内の汚れを除去するには、従来から酸や
アルカリを主成分とする化学洗浄剤が使用されており、
この化学洗浄剤により汚れを溶解して除去している。ま
た、化学洗浄剤に香料を添加して、悪臭を感じにくいよ
うにしている。

【０００３】従来の化学洗浄剤では洗浄力が強力であれ
ばあるほど排水管が化学洗浄剤の酸やアルカリによって
傷んでしまうという問題があり、また異種の化学洗浄剤
を混合すると人体に有毒なガスを生じることがあるとい
う危険性もある。さらに、排水が浄化槽に接続されてい
る場合には、浄化槽内に棲息して有機物を分解する微生
物が化学洗浄剤の酸やアルカリにより死滅することがあ
り、浄化槽内の浄化機能を損なうという問題もある。ま
た、化学洗浄剤では汚れそのものを分解することができ
ないので、汚れから放出される悪臭を除去することはで
きず、香料を添加してあっても悪臭自体を除去するいわ
ゆる消臭を行うことはできない。

【０００４】上述した洗浄剤のほかにも界面活性剤を主
成分として排水管を傷めずに洗浄を行う洗浄剤や、培養
した微生物から有機物を分解する酵素を抽出し、この酵
素を添加した洗浄剤などもあるが、いずれの洗浄剤も洗
浄、消臭効果が低かった。また、従来の洗浄剤は汚れに
接触しても、その後水を流すと洗浄剤そのものが流れて
しまい、汚れや汚れによる悪臭の除去効果を持続せしめ
ることはできなかった。

【０００５】さらに、排水管内の汚れを除去するための
従来の洗浄剤では、排水管以外の汚れや悪臭を除去する
ことができず、具体的には例えば流し台、風呂桶、便
器、カーペット、じゅうたん等に付着した汚れやその汚
れによる悪臭、あるいは生ごみ、トイレット室内等の悪
臭を除去することはできなかった。

【０００６】また、汚れおよび悪臭の原因物質たる有機
物を分解、消化する各種の微生物が従来から知られてい
るが、洗浄、消臭剤中において微生物が活動し、一定の
存在率以上に繁殖すると、活動のためのエネルギーを十
分に摂取することができなくなって死滅することがあ
り、しかも活動状態の微生物は熱や薬品に対する耐性が
低く、長期の保存が困難であるという問題があり、また
微生物は水道水中に含まれる塩素系の殺菌用化学物質に
より活動が低下したり劣化するという問題がある。

【０００７】

【本発明の目的】本発明の目的とするところは台所、風
呂、洗面所等の排水管内の汚れやこの汚れによる目詰ま
りおよび悪臭、あるいは流し台、風呂桶、便器、カーぺ
ット、じゅうたん等の汚れや悪臭、また生ごみやトイレ
ット室内の悪臭を容易かつ確実に除去することができ、
しかも有毒ガスが発生するようなことがなくて安全に使
用できる洗浄、消臭剤を提供することにある。

【０００８】

【手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項１
に係る洗浄、消臭剤は汚れおよび悪臭の原因物質たる有
機物を分解、消化する微生物を含有し、同微生物の活動
を抑制するキレート剤と安定剤のうちの少なくとも一方
が添加されてなる洗浄原液と、同原液を希釈するための
希釈液とよりなり、使用時に洗浄原液を希釈液によって
希釈して使用されることを特徴とする微生物による洗
浄、消臭剤。

【０００９】また、本発明の請求項２に係る洗浄、消臭
剤は、請求項１に記載の洗浄、消臭剤において、微生物
は澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、動植物油脂分解酵素お
よびセルロース分解酵素の生産能を有する微生物のうち
の１種類、あるいは複数種類の微生物が適宜の割合で存
在することを特徴としている。

【００１０】さらに、本発明の請求項３に係る洗浄、消
臭剤は、請求項１、２に記載の洗浄、消臭剤において、
微生物が有胞子菌であるものとしてある。また、本発明
の請求項４に係る洗浄、消臭剤は、請求項１に記載の洗
浄、消臭剤において、希釈液は精製水よりなることを特
徴としている。

【００１１】さらに、本発明の請求項５に係る洗浄、消
臭剤は、請求項４に記載の洗浄、消臭剤において、希釈
液に界面活性剤を添加したものとしてある。また、本発
明の請求項６に係る洗浄、消臭剤は、請求項４、５に記
載の洗浄、消臭剤において、希釈液に、汚れおよび悪臭
の原因物質たる有機物を分解、消化する微生物と防腐剤
とを添加したものとしてある。

【００１２】

【実施態様】以下、本発明に係る洗浄、消臭剤の実施態
様を詳細に説明する。本発明の洗浄、消臭剤は微生物を
含有する洗浄原液１と、同原液を希釈するための精製水
よりなる希釈液２とで構成され、前記洗浄原液１と希釈
液２はそれぞれ個別の容器、例えば図１に示すような合
成樹脂製の容器３、４に入れたものとする。

【００１３】各容器３、４は透明容器とし、内容物たる
洗浄原液１や希釈液２の量が外側から見てわかるように
側面に目盛り５、６をそれぞれ付してある。ただし、容
器は洗浄原液や希釈液が日光等によって変性や劣化しに
くいよう光を通しにくい色、材質のものが望ましく、前
記目盛りで内容量を読み取れることができる程度にす
る。

【００１４】前記洗浄原液１は、汚れや悪臭の原因物質
たる有機物を分解、消化する微生物を、水にキレート
剤、安定剤を添加した混合液に入れたものとしてある。
前記微生物は例えば澱粉分解酵素たるアミラーゼと蛋白
分解酵素たるプロテアーゼの生産能を有するバチルス・
サブティリス(Bacillus subtilis) と、動植物油脂分解
酵素たるリパーゼの生産能を有するバチルス・リッケニ
フォーミス(Bacillus licheniformis)と、セルロース分
解酵素たるプロトペクチアーゼやセルラーゼの生産能を
有するバチルス・ポリミア(Bacillus polymxa)やバチル
ス・サブティリス・セルラーゼ(Bacillus subtilis cel
lurase) を適宜の割合で使用する。上述した微生物は有
胞子菌であり、胞子状態では特に熱や薬品に対する耐性
に優れていて特に保存に好適である。

【００１５】前記洗浄原液１中のキレート剤および安定
剤は洗浄剤中における微生物の増殖を抑えて洗浄原液の
組成を安定させるためのもので、例えばキレート剤にエ
チレンジアミン４酢酸４ナトリウムを、安定剤にジプロ
ピレングリコールおよび水酸化ナトリウムを使用する。

【００１６】また、前記混合液中にはキレート剤、安定
剤のほかに界面活性剤、防腐剤等を添加してあり、界面
活性剤は、汚れや悪臭の原因物質たる有機物の表面に微
生物が接触し易いようにするためのものとしてあり、微
生物の活動及び繁殖に影響の少ない非イオン系のものが
望ましく、例えばエトキシレート・アルキルフェノール
を使用し、防腐剤は雑菌やかび等の他の微生物の繁殖を
防止するためのもので、例えば1,2-ベンチゾチアゾリン
-3-1を使用する。さらに、香料や着色のための乳白剤及
び顔料、あるいは若干の研磨剤を適宜添加することもで
きる。

【００１７】洗浄原液１の組成は、例えばキレート剤た
るエチレンジアミン４酢酸４ナトリウム、安定剤たるジ
プロピレングリコール、水酸化ナトリウムを各１％以
下、界面活性剤たるエトキシレート・アルキルフェノー
ルを３〜５％、防腐剤たる1,2-ベンチゾチアゾリン-3-
1、乳白剤を０．０５％とし、その残余を水としてあ
り、微生物の存在率は使用する微生物の種類によって異
なるが、前述した微生物であれば混合液１ミリリットル
中に総数が例えば１×１０⁷ 個程度となるようにする。
洗浄原液１中での微生物はキレート剤および安定剤によ
って活動が抑制され、前述した有胞子菌であれば胞子状
態になり、劣化や変性が防止される。

【００１８】次に、上述した実施態様の洗浄、消臭剤の
使用方法を台所の排水管の汚れの除去に使用する場合の
具体例に基づいて説明する。例えば１０ミリリットルの
洗浄原液１を排水管７の内壁に沿ってに流し込み、次い
で例えば５０ミリリットルの希釈液２を同排水管７へ流
し込んで所要の時間放置する。この放置時間は３０〜６
０分程度でも十分ではあるが、汚れがひどくて目詰まり
を起こしているような場合には、夜に洗浄原液および希
釈液を投入しておいて一晩放置するとよい。

【００１９】先に流し込まれた洗浄原液１は排水管７の
トラップ部８に溜まっていた水と混合されてある程度希
釈され、さらに流し込まれた希釈液２によって所要の濃
度に希釈される。洗浄原液が希釈されると、同洗浄原液
中において微生物の活動を抑制していたキレート剤およ
び安定剤の濃度が低下して微生物が活動を開始する。

【００２０】微生物は排水管の内壁およびトラップ部８
内の汚れに付着し、酵素を分泌して有機物を分解、消化
するとともに有機物から栄養を摂取してエネルギー源と
し、活発に増殖する。より詳しくはバチルス・サブティ
リス(Bacillus subtilis) が澱粉分解酵素たるアミラー
ゼと蛋白分解酵素たるプロテアーゼを分泌して澱粉およ
び蛋白を分解し、バチルス・リッケニフォーミス(Bacil
lus licheniformis)が動植物油脂分解酵素たるリパーゼ
を分泌して動植物油脂を分解し、さらにバチルス・ポリ
ミア(Bacillus polymxa)およびバチルス・サブティリス
・セルラーゼ(Bacillus subtilis cellurase) がセルロ
ース分解酵素たるプロトペクチアーゼやセルラーゼを分
泌してセルロースを分解する。また、有機物が分解、消
化されることにより有機物に起因する悪臭も除去され
る。

【００２１】本発明に使用する上記微生物は有機物に電
気的に結合して付着する。具体的には微生物が負（−）
側に帯電しており、また有機物が正（＋）側に帯電して
いて微生物と有機物が電気的に結合するので、微生物は
一旦有機物に付着すると流水中であっても有機物から離
脱することは殆どなく、有機物に付着したまま排水管７
内に残り、有機物がなくなるまで同有機物を確実に分
解、消化する。

【００２２】なお、微生物は水道水に含まれる塩素系の
殺菌用化学物質によって活動や繁殖が抑制されることが
あるが、本実施態様の希釈液２には精製水を使用してい
るので、微生物を十分に活動、繁殖させることができ
る。

【００２３】上述した実施態様では微生物としてバチル
ス・サブティリス(Bacillus subtilis) 、バチルス・リ
ッケニフォーミス(Bacillus licheniformis)、バチルス
・ポリミア(Bacillus polymxa)及びバチルス・サブティ
リス・セルラーゼ(Bacillussubtilis cellurase) を使
用しているが、これらの微生物のうちの数種のみを使用
したり、同じ酵素を分泌する他の微生物に代えて使用す
ることもできるし、例えば他の酵素を分泌する他種の微
生物を加えて使用することもできる。

【００２４】上述した実施態様においては、希釈液２に
精製水を使用しているが、この希釈液に界面活性剤を添
加する場合もあり、この場合には洗浄原液中に添加する
界面活性剤と同様に例えば非イオン系のエトキシレート
・アルキルフェノールを３〜５％添加する。かくする
と、希釈液を流し込んだ後の泡立ちがよくなり、その分
洗浄、消臭液が排水管の内壁に付着しやすくなって洗
浄、消臭効果が向上する。

【００２５】また、上述した実施態様においては洗浄原
液中の微生物はキレート剤および安定剤によって活動が
抑制されており、希釈液によって希釈されてから微生物
が活発に活動を始めるまでに若干の時間がかかるが、希
釈液２中に活動状態の微生物を入れ、洗浄原液中の微生
物が活動を開始するまでに希釈液中の微生物により有機
物の分解、消化を行うようにする場合もある。この場合
には、微生物とともに、防腐剤も混入して雑菌やかび等
の他の微生物が繁殖しないようにする。

【００２６】使用する微生物は洗浄原液中の微生物と同
じものを使用してもよいし、洗浄原液中の複数の微生物
の内、数種類の微生物だけを使用してもよく、微生物の
存在率を希釈液１ミリリットル中に総数が例えば１×１
０⁶ 個程度となるようにし、また、防腐剤は洗浄原液と
同様に、例えば1,2-ベンチゾチアゾリン-3-1を０．０５
％程度混入する。

【００２７】

【発明の作用、効果】汚れおよび悪臭の原因物質たる有
機物を分解、消化する微生物は、活動している状態では
繁殖洗浄原液中にキレート剤や安定剤によって活動を抑
制され、いわば休眠状態とされていて、使用時に希釈液
で希釈することで微生物を活動せしめるようにしてある
ので、常温であっても長期間の保存が可能である。

【００２８】また、微生物は水道水を混ぜると水道水中
の塩素系の物質により劣化したり、活動が低下するおそ
れがあるが、本発明においては希釈液に精製水を使用す
るので、微生物の劣化や活動の低下のおそれが殆どな
い。さらに、洗浄原液と希釈液を個別にしてあるので、
使用する場所や汚れ、悪臭の程度に応じて洗浄原液と希
釈液の使用割合を適宜調節することができる。

【００２９】また、微生物は汚れの原因物質たる有機物
に電気的に付着し、有機物をエネルギー源として活発に
活動、繁殖し、しかも有機物を分解、消化して除去し、
有機物がなくなるまで確実かつ長期間に亘って洗浄が行
われる。

【００３０】さらに、酸やアルカリ等の化学薬品を含有
せしめる必要がないので、排水管等の洗浄対象物に使用
されているゴム製シール材や合成樹脂材を傷めるような
おそれがない。また、排水管等の洗浄、消臭に使用した
場合には洗浄排水が浄化槽においても有機物の分解、消
化を行うので、酸やアルカリを使用する洗浄剤のように
浄化槽の機能を損うようなおそれがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る洗浄、消臭剤を容器に入れた状態
を示す一部破断図。

【図２】排水管の一例を示す断面図。

【符号の説明】

１洗浄原液２希釈液３洗浄原液の容器４希釈液の容器５、６容器の目盛り７排水管８トラップ部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】汚れおよび悪臭の原因物質たる有機物を分
解、消化する微生物を含有し、同微生物の活動を抑制す
るキレート剤と安定剤のうちの少なくとも一方が添加さ
れてなる洗浄原液と、同原液を希釈するための希釈液と
よりなり、使用時に洗浄原液を希釈液によって希釈して
使用されることを特徴とする微生物による洗浄、消臭
剤。
【請求項２】請求項１に記載の洗浄、消臭剤において、
微生物は澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、動植物油脂分解
酵素およびセルロース分解酵素の生産能を有する微生物
のうちの１種類、あるいは複数種類の微生物が適宜の割
合で存在することを特徴とする微生物による洗浄、消臭
剤。
【請求項３】請求項１、２に記載の洗浄、消臭剤におい
て、微生物が有胞子菌である微生物による洗浄、消臭
剤。
【請求項４】請求項１に記載の洗浄、消臭剤において、
希釈液は精製水よりなることを特徴とする微生物による
洗浄、消臭剤。
【請求項５】請求項４に記載の洗浄、消臭剤において、
希釈液に界面活性剤を添加してなる微生物による洗浄、
消臭剤。
【請求項６】請求項４、５に記載の洗浄、消臭剤におい
て、希釈液に、汚れおよび悪臭の原因物質たる有機物を
分解、消化する微生物と防腐剤とを添加してなる微生物
による洗浄、消臭剤。