JPH11128212A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JPH11128212A
JPH11128212A JP9296092A JP29609297A JPH11128212A JP H11128212 A JPH11128212 A JP H11128212A JP 9296092 A JP9296092 A JP 9296092A JP 29609297 A JP29609297 A JP 29609297A JP H11128212 A JPH11128212 A JP H11128212A
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理香 馬場
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浩之 河合
Fumio Kawaguchi
文男 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面X線検出器を使用した場合におけるX線
透視時およびX線撮影時のX線量を適正に制御すること
が可能なX線装置を提供すること。 【解決手段】 X線を発生し被検体に照射するX線照射
手段と、前記X線の照射野を制限するX線照射野制限手
段と、前記被検体を透過した後のX線像を撮像する撮像
手段と、前記被検体を透過したX線強度を計測するX線
強度計測手段と、該計測値に基づいて照射X線のエネル
ギー分布および出力量を所定の値に調整するX線出力調
整手段とを有するX線装置において、前記撮像手段は、
半導体基板に複数個のX線検出素子を形成した平面撮像
手段からなり、当該撮像手段のX線の入力面とは反対の
側に前記X線強度計測手段を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線装置に関し、
特に、被検体を透過したX線像を電気信号に変換する素
子を複数個半導体基板上に形成した撮像素子を用いたX
線装置の自動露出制御に適用して有効な技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のX線装置においては、X線イメー
ジインテンシファイア(以下、「X線I.I.」と記
す)とテレビカメラとから構成されるX線検出系が用い
られていた。このX線装置では、X線I.I.が被検体
を透過したX線像を光学像に変換し、テレビカメラが光
学像を検出してビデオ信号に変換することによって、被
検体のX線像を撮像していた。また、従来のX線自動露
出装置においては、X線I.I.の出力光を一部採光し
て光電子増倍管等の光センサで検出し、該検出信号に従
ってX線透視および撮影制御を行っていた。例えばX線
透視制御時においては、光センサの検出信号の単位時間
あたりの積分値が一定値となるように、X線管の管電流
や管電圧あるいは光学絞りの絞り量等をフィードバック
制御することで、X線透視像の明るさを常に適正値に保
っていた。またX線撮影制御時においては、光センサの
検出信号の積分値が一定値になった時点でX線を遮断す
ることで、適正な明るさのX線撮影像を得ていた(フォ
トタイマ)。
【0003】これに対し近年、次世代のX線検出器とし
て平面型のX線センサ(以下、「平面X線検出器」と記
す)が開発されつつある。平面X線検出器では、蛍光板
やシンチレータ(例えばヨウ化セシウムの柱状結結晶
等)の層が光検出アレイの全面に配置あるいは直接形成
されており、入射するX線像を光像に変換する。該光像
を検出する光検出アレイは、ショットキーバリアダイオ
ードやp−i−nまたはn−i−p型フォトダイオー
ド、あるいはフォトトランジスタのアレイであり、ガラ
ス基板上に形成されたアモルファスシリコンやシリコン
単結晶を用いて作成される。平面X線検出器は、X線
I.I.のような大型の光学像変換装置を必要としない
ため、薄型かつ軽量なものを実現することができる。こ
のような平面X線検出器の例としては、An improved pa
ge-size 127 um pixel amorphous silicon image senso
r for X-Ray diagnostic medical imaging application
s, R. L.Weisfield et. al., SPIE Voll. 3032 pp14-21
(1997)や特開平8−162624等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0005】従来のX線自動露出装置においては光学像
に変換されたX線を一部採光して強度を測定することに
より、X線量をコントロールしていた。これに対して、
平面X線検出器では、蛍光板やシンチレータの層が光検
出アレイの全面に直接配置あるいは形成されており、従
来の自動露出方法のように光学像を一部採光するための
フォトセンサが配置できない。このために、平面X線検
出器を使用する場合、従来の自動露出方法が適用できな
い、すなわち、光学像の一部を光センサで検出し、該検
出値に基づいてX線透視時およびX線撮影時のX線量を
適正な値に制御することができないという問題があっ
た。
【0006】これに対して、平面X線検出器自身で検出
した信号に基づいてX線自動露出を行う方法も考えられ
る。しかしながら、この方法では、平面X線検出器の信
号読み出し速度が高々16.7〜33.3[ms]であ
るのに対して、X線撮影時のフォトタイマに必要とされ
る時間精度が数[ms]以下であるため、制御不可能で
あるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、平面X線検出器を使用し
た場合におけるX線透視時およびX線撮影時のX線量を
適正に制御することが可能なX線装置を提供することに
ある。
【0008】本発明の他の目的は、高画質で診断能力の
高いX線診断装置を提供することにある。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的および
新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって
明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0011】X線を発生し被検体に照射するX線照射手
段と、前記X線の照射野を制限するX線照射野制限手段
と、前記被検体を透過した後のX線像を撮像する撮像手
段と、前記被検体を透過したX線強度を計測するX線強
度計測手段と、該計測値に基づいて照射X線のエネルギ
ー分布および出力量を所定の値に調整するX線出力調整
手段とを有するX線装置において、前記撮像手段は、半
導体基板に複数個のX線検出素子を形成した平面撮像手
段からなり、当該撮像手段のX線の入力面とは反対の側
に前記X線強度計測手段を配置した。
【0012】前述した手段によれば、撮像手段の入力面
の反対すなわち裏面側にX線強度計測手段を配置するこ
とによって、当該X線強度計測手段は、撮像手段を透過
したX線像を撮像する、すなわち、被検体を透過したX
線像のX線強度を計測することができるので、X線出力
調整手段が該X線強度計測手段の出力値に基づいてX線
照射手段から照射されるX線量を制御することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0014】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】図1は、本発明の一実施の形態のX線装置
の概略構成を示す図である。本実施の形態のX線装置
は、X線管(X線照射手段)1、X線フィルタ2、X線
コリメータ(X線照射野制限手段)3、寝台天板5、簡
易操作卓6、X線グリッド7、X線検出器(撮像手段)
8、X線補助検出器(X線強度計測手段)9、モニタ1
0、操作卓11、X線制御器100、X線フィルタ制御
器101、X線コリメータ制御器102、X線検出器制
御器103、X線補助検出器制御器104、X線条件演
算装置(X線出力調整手段)105、感度比テーブル1
06、画像処理装置107等より構成される。被検体4
は寝台天板5上に位置し、撮影体位を様々に変化できる
ものする。簡易操作卓6は寝台天板5を水平および垂直
方向に移動することができる。そして、作業者は被検体
4の撮りたい部位を前記X線検出器8の視野の中心付近
に設定することができる。なお、X線補助検出器9、X
線補助検出器制御器104、X線条件演算装置105お
よび感度比テーブル106を除く、各装置および機構は
公知のものを用いる。
【0016】図1において、X線管1とX線検出器8の
入力面との標準的な距離は120[cm]であり、任意
の距離に設定できる。また、X線管1と寝台天板5との
標準的な距離は100[cm]であり、任意の距離に設
定できる。X線検出器8の入力面は一辺が30[cm]
の正方形である。X線グリッド7はX線検出器8の入力
面上に配置される。X線検出器8は、たとえば、単結晶
シリコン基板上にフォトトランジスタアレイを形成し、
その前面にヨウ化セシウムの柱状結晶層を配置した構造
の周知の平面型X線検出器である。なお、X線検出器の
詳細については後述する。X線補助検出器9はX線検出
器8と同一構造すなわちX線検出器8として使用する検
出素子をX線補助検出器9としても使用したものであ
り、本実施の形態では、X線検出器8の背面に密着され
ている。X線補助検出器9をX線検出器8の背面に密着
させる理由は、点線源から円錐状に発生されるX線ビー
ムの広がりに起因する検出位置のずれをできるだけ抑え
るためである。ただし、X線検出器8とX線補助検出器
9との密着方法としては、たとえば、固定具により両検
出器8,9を密着した状態に固定したり、接着剤等によ
り両検出器8,9を接着させる等の方法が挙げられる。
【0017】次に、前記各部の概要を説明する。
【0018】X線制御器100は、X線条件演算装置1
05の制御出力に基づいて、X線透視時におけるX線管
1の管電圧および管電流をリアルタイムに制御する制御
装置である。またX線制御器100は、X線撮影時にお
けるX線管1の管電圧、管電流およびX線照射時間(撮
影時間)をX線条件演算装置105の制御出力に基づい
て、制御する。
【0019】X線フィルタ制御器101は、作業者が操
作卓11から入力したフィルタの有無およびフィルタの
種類情報に基づいて、X線透視・撮影時におけるX線フ
ィルタ2の種類および有無を制御する制御装置である。
ただし、X線フィルタ2はX線管1から放射されるX線
のエネルギー分布を変化する周知のX線フィルタであ
る。
【0020】X線コリメータ制御器102は、作業者が
操作卓11から入力したコリメータ3の位置情報に基づ
いて、X線透視・撮影時におけるX線照射野12を設定
するためのX線コリメータ3の位置を制御する制御装置
である。X線グリッド7上に斜線で示したX線照射野1
2は、被検体4の体軸方向およびその垂直方向にそれぞ
れ独立に変化することができる。
【0021】X線検出器制御器103は、X線透視・撮
影時におけるX線検出器8の検出タイミングおよびゲイ
ンを制御する制御装置である。本実施の形態では、X線
検出器8のX線透視・撮影時の検出画素数は1024×
1024ピクセルである。また、X線検出器8のX線透
視時におけるフレームレートは毎秒15フレームであ
る。
【0022】X線補助検出器制御器104は、X線透視
・撮影時におけるX線補助検出器9の検出タイミングお
よびゲインを制御する制御装置である。本実施の形態に
おいては、X線補助検出器9の透視時における検出画素
数は16×16ピクセルであり、フレームレートは毎秒
100フレームである。また、X線補助検出器9の撮影
時における検出画素数は16×16ピクセル、フレーム
レートは毎秒2万フレームである。
【0023】ただし、X線検出器8およびX線補助検出
器9の出力信号はそれぞれの検出器内部でアナログ信号
からデジタル信号に変換された後に出力される。ここ
で、デジタル信号へ変換する際の量子化ビット数は12
ビットであり、デジタル画像の画素値は0〜4095の
範囲の数値として表現される。
【0024】画像処理装置107は、X線検出器8から
出力されるデジタル画像に対して階調変換等の公知の画
像処理を行い、前記画像処理を行った後のデジタル画像
をモニタ10に出力する装置であり、出力されたデジタ
ル画像はモニタ10上に表示される。
【0025】X線条件演算装置105は、X線補助検出
器9の画像出力すなわち検出出力に基づいて、X線透視
時においてはX線管1の管電圧および管電流の適正値を
算出し該適正値を制御信号(制御出力)としてX線制御
器100に出力する。また、X線条件演算装置105
は、X線撮影時には撮影時間をリアルタイムに判断して
X線遮断のタイミングを制御信号としてX線制御器10
0に出力する。またX線条件演算装置105は、X線管
1の管電圧に応じて感度比テーブル106を読み出し、
後述する方法でX線補助検出器9のゲインを調節する制
御信号を生成し、X線補助検出器制御器104に出力す
る。
【0026】X線透視時において、X線管1の管電圧と
管電流とは、その適正値がX線条件演算装置により算出
され、自動設定される。
【0027】X線撮影時において、X線管1の管電圧と
管電流とは、X線透視終了時におけるX線管1の管電圧
および管電流に基づいてX線条件演算装置105が自動
設定するが、作業者が操作卓11から設定値を入力する
ことによって、手動設定することも可能である。
【0028】X線透視・撮影時において、X線フィルタ
2の有無および種類は、通常、X線管1の管電圧に基づ
いてX線条件演算装置105が自動設定するが、作業者
が操作卓11から設定値を入力することによって、ある
いは直接X線フィルタ2を挿入することによって手動設
定することも可能である。
【0029】X線透視・撮影時において、X線照射野1
2は作業者が操作卓11から手動設定する。
【0030】次に、本実施の形態に係るX線装置の動作
を図1を用いて説明する。X線透視および撮影時におい
て、X線管1から発生されたX線は、まずX線フィルタ
2によりエネルギー分布が変化され、次にX線コリメー
タ3によりX線照射野12を制限された後に被検体4を
透過する。また、前記X線は被検体4を透過する際に一
部被検体4内部で散乱する。この散乱X線はX線グリッ
ド7により大部分遮断されるが、その一部は遮断されず
にX線グリッド7を透過する。X線グリッド7を透過し
た散乱X線と被検体4を散乱されずに透過した直接X線
とは、同時にX線検出器8により検出され電気信号に変
換される。この電気信号はX線検出器8内部のアンプに
より、予め設定されたゲインで増幅された後、X線検出
器8内部のA/D変換器によってデジタル画像信号に変
換された後に出力される。このデジタル画像信号は、画
像処理装置107により公知の階調変換等の画像処理を
行われた後にモニタ10の表示画面上に表示される。
【0031】X線検出器8に入力するX線の一部はX線
検出器8で検出されることなく、X線検出器8を透過し
てX線補助検出器9において検出され、電気信号に変換
される。この電気信号は、X線補助検出器9内部のアン
プにより、予め設定されたゲインで増幅された後、X線
補助検出器9内部のA/D変換器によってデジタル信号
に変換された後に出力され、X線条件演算装置105に
入力される。
【0032】このようにX線補助検出器9はX線検出器
8を透過してきたX線を検出するので、その検出信号強
度はX線検出器8で検出される信号強度に比例する。従
って、X線補助検出器9の検出信号強度からX線検出器
8の検出信号強度を求めることができる。ただし、X線
検出器8とX線補助検出器9との感度比は、X線検出器
8およびX線補助検出器9のエネルギー感度特性に依存
する。このため、本実施の形態では、X線のエネルギー
分布を規定するX線管1の各管電圧値に対して感度比を
予め求めておき、感度比テーブル106として図示しな
い格納手段に保存しておく。このように、感度比を感度
比テーブル106として格納しておき、必要に応じて参
照することにより、X線検出器8とX線補助検出器9と
における検出信号強度の推定を高速かつ精確に行うこと
ができる。
【0033】X線透視時においては、X線条件演算装置
105はその時点におけるX線管の管電圧から感度比テ
ーブル106を参照し、X線検出器8とX線補助検出器
9との現在の管電圧における感度比を読み出す。次に、
X線検出器8のゲインに対してX線補助検出器9のゲイ
ンが読み出した感度比倍となるように、X線条件演算装
置105の制御出力に基づいてX線補助検出器制御器1
04がX線補助検出器9のゲインを制御する。このと
き、X線補助検出器9から入力される画像信号は、X線
検出器8において検出される画像信号強度と同等にな
る。更に、X線補助検出器9から入力される画像信号強
度に基づき、前記画像信号強度を適正値にするX線管1
の管電圧、管電流およびX線検出器8のゲインをリアル
タイムに算出する。X線制御器100およびX線検出器
制御器105は前記算出値に従ってリアルタイムに各装
置を制御し、制御結果はX線補助検出器9で検出される
画像信号強度に再びフィードバックされて透視時におけ
るX線条件の自動制御系をなす。なお、X線透視時にお
けるX線条件演算装置105内部の処理の詳細について
は後述する。
【0034】作業者はX線透視時において、被検体4の
見たい部位がモニタ10の表示画面の適正な位置にくる
ように、操作卓11あるいは簡易操作卓6を用いて撮像
位置を合わせ、位置が合った時点において操作卓11あ
るいは簡易操作卓6からX線撮影開始の信号を発生す
る。
【0035】X線撮影開始の信号が発生すると同時に、
X線条件演算装置105は透視終了時の管電圧から撮影
管電圧および管電流を予め設定された値に従って決定す
る。またX線条件演算装置105は撮影管電圧から感度
比テーブル106を参照し、X線補助検出器9のゲイン
がX線検出器8のゲインに対して読み出した感度比倍さ
れるように設定する。更にX線条件演算装置105はX
線補助検出器9から画像信号が出力される度に、撮影開
始時からの前記画像信号出力の積分値を計算し、前記積
分値が適正値になった時点でX線遮断の信号を発生す
る。X線制御器100は、前記X線遮断の信号が発生さ
れると同時にX線管1のX線放射を遮断する。X線検出
器8は、X線が遮断されると同時にX線画像を出力し、
このX線画像は図示しないフレームメモリに保存されて
X線撮影を終了する。なお、X線撮影時におけるX線条
件演算装置105内部の処理の詳細については後述す
る。
【0036】図2は、X線検出器8とX線補助検出器9
との感度比のX線エネルギー依存性の一例を表すグラフ
である。いま、X線検出器8で検出される画像信号強度
をIA、X線補助検出器9で検出される画像信号強度を
IBとすると(以下、添え字A、BはそれぞれX線検出
器8およびX線補助検出器9を表すものとする)IAお
よびIBは次式で近似できる。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】但し、Iは入射X線強度、Gは検出器のゲ
イン、Eは各管電圧におけるX線の平均エネルギー、
μ、tはそれぞれX線検出器8内部のX線検出層のX線
吸収係数および厚さ、μ’、t’はそれぞれX線検出器
8の基板全体のX線吸収係数および厚さを表す。数1、
2より感度比IA/IBは次式で得られる。
【0040】
【数3】
【0041】なお、本実施の形態では、X線補助検出器
9としてX線検出器8と同一のものを使用しているた
め、数3は更に次式となる。
【0042】
【数4】
【0043】従って、感度比IA/IBを1にするため
には、X線補助検出器9のゲインGBをIA/IB倍す
ればよい。ただし、数1〜4において、μ、t、μ’、
t’はX線検出器8(およびX線検出器8と同一なX線
補助検出器9)の素材および構成によって決まる値であ
る。
【0044】次に、図7を用いてX線検出器8の素材お
よび構成について説明する。図7は、X線検出器8の断
面図である。この断面図から明らかなように、本実施の
形態に係るX線検出器8は、大きくヨウ化セシウム柱状
結晶層700、シリコン基板705、導電性基板606
の3層から構成される。このうち、ヨウ化セシウム柱状
結晶層700はX線検出層であり、X線を光に変換す
る。ヨウ化セシウム柱状結晶層700は、保護膜704
を介してシリコン基板705に接着している。シリコン
基板705はシリコン単結晶基板であり、基板上には出
力配線608、絶縁膜701、MOSトランジスタスイ
ッチ609、コンタクト703、フォトダイオード61
0等が設けられており、変換された光はフォトダイオー
ド610によって電気信号に変換され、MOSトランジ
スタスイッチ609によって、各画素毎に順次読み出さ
れる。なお、MOSトランジスタスイッチ609のドレ
インおよびゲートは、アルミニウムを用いたコンタクト
703を介して出力配線608およびゲート線607に
接続されている。ただし、シリコン基板705は、銀ペ
ースト等の周知の導電性接続膜702を介してアルミニ
ウムの導電性基板606に接着されている。また、シリ
コン基板705には、導電性接続膜702を介して導電
性基板606からグランド電圧が供給される。
【0045】図7において、ヨウ化セシウム柱状結晶層
700の厚さtは0.4[mm]である。また、シリコ
ン基板705の厚さは2[mm]、導電性基板606の
厚さは2[mm]である。その他の構成部品に関して
は、X線吸収材という観点においては、その大きさが殆
ど無視できる。
【0046】図7に示されるX線検出器8の構成に対し
て数4を用いて感度比のX線エネルギー依存性を計算し
た結果が図2である。なお、図2においてゲイン比GA
/GBは1で正規化してある。図2から明らかなよう
に、感度比はX線エネルギーが低い程高くなり、50
[keV]における感度比は100[keV]における
感度比の約2倍となっている。従って、このような感度
比の補正を行わなければ、X線補助検出器9の出力信号
強度からX線検出器8の出力信号強度を精確に推定する
ことができず、透視および撮影時における自動露出制御
の精度が低下してしまう。
【0047】図3は、本実施の形態の感度比テーブルの
構成を説明するための図である。この感度比IA/IB
は、実際にはX線の各管電圧に対して、X線検出器8お
よびX線補助検出器9でそれぞれ検出される出力信号強
度IA、IBを測定して、その感度比を求めてテーブル
値とする。また、感度比は各管電圧におけるX線のエネ
ルギースペクトルに依存するため、X線フィルタを変え
ると変化する。従って、本実施の形態では、使用する全
てのX線フィルタに対して予め感度比を測定し、感度比
テーブル106として格納しておくことにより、X線フ
ィルタ2の挿入によってX線エネルギー分布が変化した
場合であっても、当該感度比テーブル106を参照する
のみで、X線検出器8とX線補助検出器9との感度比を
求めることができるので、X線検出器8で検出されるX
線量を高速かつ精確に見積もることができる。なお、X
線のエネルギースペクトルは被検体内部における光電効
果やコンプトン散乱によっても変化する。通常、管電圧
は被検体を模擬するアクリル板等の厚さに対して決定さ
れており、アクリル厚が厚くなる程、管電圧が高くなる
ように設定される。従って、感度比テーブルを作成する
際は、各管電圧に対応するアクリル板等の模擬被検体を
挿入し、このとき計測される感度比の値をテーブル値と
すればよい。
【0048】次に、図4にX線透視時におけるX線条件
演算装置105の構成および内部の処理の流れを説明す
るための図を示し、以下、図4に基づいてX線透視時に
おける動作を説明する。X線透視時においては、X線管
1から放射され被検体4を透過したX線はX線検出器8
で検出され、更にX線検出器8を透過したX線はX線補
助検出器9で検出される。X線補助検出器9で検出され
たX線は、当該検出器のアンプでゲインGBで増幅され
た後、16×16画素のデジタル画像に変換され毎秒1
00フレームのフレームレートで出力される。
【0049】X線補助検出器9から出力された画像信号
は、X線照射野内データ選択手段401、関心領域内デ
ータ選択手段402、重み付け平均値演算手段403に
おいてそれぞれの処理が行われる。なお、上記手段40
1〜403における処理の詳細については特願平9−1
19102号公報にその詳細が記述されているので、以
下の説明ではその概要のみを示す。
【0050】まず、X線補助検出器9から出力された画
像信号はX線照射野内データ選択手段401によって、
X線照射野内部において計測されたデータのみが選択さ
れる。これは、X線非照射部分の不要なデータが後に行
われる平均値演算において影響するのを防ぐためであ
る。
【0051】X線照射野内データ選択手段401の出力
値は、次に関心領域内データ選択手段402によって、
関心領域内部のデータのみが選択され、出力される。こ
の関心領域は作業者によって予め操作卓11から入力さ
れ、作業者の特に関心の高い領域が選択される。なお、
作業者はX線透視中においても関心領域を自由に変更す
ることもできる。
【0052】次に関心領域内データ選択手段402の出
力値は、重み付け平均値演算手段403によって、周知
の重み付け処理が行われた後に全データの平均値が計算
され、出力される。重み付け処理は、入力画像のヒスト
グラムに対して、重み関数と呼ばれる関数を積算する処
理であり、具体的には中間濃度値の、重要性の高い部分
に高い重みを付け、低濃度部分(被写体厚が非常に厚
く、X線が殆ど透過しない部分)や高濃度部分(被写体
厚が非常に薄く、X線が殆ど透過してしまう部分)に低
い重みを付ける処理である。これにより、画像中の造影
剤部分やハレーション部分が露出制御に大きな影響を与
えることを防ぐことができる。本実施の形態において
は、重み関数として正規分布を用い、作業者は正規分布
の平均値および分散を任意に設定できるようになってい
る。ただし、重み関数として、χ2(カイ2乗)分布、
F分布もしくはt分布等の確率分布関数や、あるいは、
作業者が任意に作成した関数等を使用することもでき
る。
【0053】以上がX線照射野内データ選択手段40
1、関心領域内データ選択手段402および重み付け平
均値演算手段403における処理の概要である。
【0054】重み付け平均値演算手段403から出力さ
れる重み付け平均値は、最後に透視条件演算手段404
に入力され、X線検出器8の出力信号強度を適正値にす
るX線管1の管電圧、管電流およびX線検出器8のゲイ
ンGAの計算が行われる。具体的には、重み付け平均値
が適正値に満たない場合は、X線管1の管電圧および管
電流を増加するようにそれぞれの値の設定を行い、逆に
重み付け平均値が適正値を越える場合はX線管1の管電
圧および管電流を減少するように設定を行う。また、こ
のようにして設定されたX線管1の管電圧および管電流
値が、X線管1の最大容量を越える場合、あるいは、前
記設定値における被検体4のX線被曝量が予め設定され
た最大被曝量を越える場合には、X線条件演算装置10
5の制御出力に基づいてX線検出器制御器103がX線
検出器8のゲインを増加することによって、前記重み付
け平均値が適正値になるように設定される。
【0055】また、この透視条件演算手段404は同時
にその時点におけるX線管1の管電圧およびX線フィル
タ2の種類に応じて、対応する感度比IB/IAの値を
感度比テーブル106から読み出し、X線補助検出器9
のゲインGB=GA・IB/IAの値を算出する。
【0056】X線制御器100、X線検出器制御器10
3およびX線補助検出器制御器104は前述した算出値
に従ってリアルタイムに各装置を制御し、制御結果はX
線補助検出器9で検出される出力信号強度に再びフィー
ドバックされて透視時におけるX線条件の自動制御系を
なす。
【0057】次に、図5にX線撮影時におけるX線条件
演算装置105の構成および内部処理の流れを説明する
ための図を示し、以下、図5に基づいてX線撮影時にお
けるX線条件演算装置105の動作を説明する。X線透
視による被検体4の位置合わせが終了し、X線撮影開始
の信号が発生すると、X線条件演算装置105中の撮影
条件演算手段500は、透視終了時の管電圧から撮影管
電圧を決定する。ただし、透視終了時の管電圧と撮影管
電圧の関係は、作業者が操作卓11から予め設定した値
にしたがう。また、撮影管電流およびX線検出器8のゲ
インGAは撮影管電圧に基づき決定され、これら両者の
関係も作業者が操作卓11から予め設定してある。更に
は撮影条件演算手段500は、前記撮影管電圧および撮
影時のX線フィルタ2の種類に応じて、対応する感度比
IB/IAの値を感度比テーブル106から読み出し、
X線補助検出器9のゲインGB=GA・IB/IAの値
を算出する。
【0058】X線制御器100、X線検出器制御器10
3およびX線補助検出器制御器104は、X線条件演算
装置105の算出値に従ってリアルタイムに各装置を設
定し、この設定が終了すると同時にX線管1のX線放射
を開始する。
【0059】X線検出器8は、X線放射が開始されると
同時に撮影を開始し、X線放射が終了するまでフレーム
の読み出しは行わない。これに対し、X線補助検出器9
はX線放射が開始されると同時に16×16画素のデジ
タル画像を毎秒2万フレームのフレームレートで読み出
す。
【0060】X線補助検出器9から画像信号が入力され
ると、積分画像生成手段501はX線撮影開始時からの
出力画像の積分画像を計算する。このときの積分画像の
計算は、X線補助検出器9から画像が出力される度に、
図示しないフレームメモリに出力画像を加算することで
容易に実現できる。
【0061】次にこの積分画像は、X線照射野内データ
選択手段401、関心領域内データ選択手段402、重
み付け平均値演算手段403においてそれぞれの処理が
行われる。ここで、前記各処理の内容についてはX線透
視時と同一であるため、説明を省略する。
【0062】最後に、重み付け平均値が撮影時間判断手
段502に入力されると、撮影時間判断手段502は入
力された重み付け平均値を適正値と比較し、適正値に満
たない場合は再び積分画像生成手段501に戻り前述の
処理を繰り返す。一方、重み付け平均値が、適正値を越
えた場合は直ちにX線遮断信号を発生する。X線制御器
100は、X線遮断信号が発生されると同時にX線を遮
断して撮影を終了する。
【0063】X線撮影時において、X線補助検出器9の
フレームレートを毎秒2万フレーム(読み込み時間0.
05[ms])と高速にするのは、X線撮影時に必要な
時間精度1[ms]程度に対して、十分な時間精度を確
保するためである。このため、本実施の形態のX線補助
検出器9は、高速な信号読み出しを可能にするための特
別な工夫がされており、これについて以下に説明する。
【0064】図6は、X線検出器8およびX線補助検出
器9の回路構成図である。各画素はフォトダイオード6
10およびMOSトランジスタスイッチ609から構成
され、各画素がマトリクス状に配置されている。図面を
判り易くするために、図6では全画素のうち5×7画素
のみを示しているが、実際には1024×1024画素
存在する。
【0065】MOSトランジスタスイッチ609のゲー
トはゲート線607を介して、切り換え手段となるスイ
ッチ602にそれぞれ接続されている。該スイッチ60
2は各ゲート線607をy方向走査回路600または6
01のどちらか一方に接続する。ここで、ゲート線60
7がy方向走査回路600に接続された場合、複数のゲ
ート線607に対して同時にゲート電圧をかけることが
できる。図面を判り易くするために、図6では4本のゲ
ート線607が束ねられているが、実際には64本のゲ
ート線607が束ねられる。
【0066】MOSトランジスタスイッチ609のドレ
インは出力配線608を介してスイッチ613にそれぞ
れ接続されている。スイッチ613は出力配線608を
出力回路603または604のどちらか一方に接続す
る。ここで、出力配線608が出力回路604に接続さ
れた場合、複数の出力配線608に蓄えられる電荷の合
計値を読み出すことができる。図面を判り易くするため
に、図6では4本の出力配線608が束ねられている
が、実際には64本の出力配線608が束ねられる。
【0067】出力回路603、604は入力信号電荷を
増幅して信号電圧に変換する増幅手段であるアンプ60
5から構成されている。アンプ605はゲインを任意の
値に調整できる。出力回路603、604の出力はA/
Dコンバーター611、612にそれぞれ接続されてお
り、各画素に対応する信号を順次読み出してデジタル信
号に変換される。なお図6において、フォトダイオード
610、MOSトランジスタスイッチ609等は全て単
結晶のシリコン基板705上に形成されている。
【0068】次に、図6に基づいて本検出器の動作につ
いて説明する。
【0069】本検出器をX線検出器8として使用する場
合、スイッチ602およびスイッチ613はゲート線6
07および出力配線608をそれぞれy方向走査回路6
01および出力回路603に接続する。入射光によりフ
ォトダイオード610内に生じた信号電荷は、そのまま
フォトダイオード610内に蓄えられ、y方向走査回路
601がゲート線607を介してMOSトランジスタス
イッチ609をオンにする度に所定のタイミングで出力
配線608上に読み出される。読み出された信号電荷は
出力回路603に入力されて信号電圧に変換、かつ所定
のゲインで増幅され、A/Dコンバーター611によっ
て各画素毎に順次デジタル信号に変換される。このよう
に、本検出器をX線検出器8として使用する場合は全て
の画素値を走査するため、空間分解能の高い画像が得ら
れる。しかしながら、フレームレートがA/Dコンバー
ター611の速度によって制限されるため、高速な読み
出しが困難である。なお、本検出器をX線検出器8とし
て使用する場合のフレームレートは毎秒15フレームで
ある。
【0070】次に、本検出器をX線補助検出器9として
使用する場合には、スイッチ602およびスイッチ61
3はゲート線607および出力配線608をそれぞれy
方向走査回路600および出力回路604に接続する。
入射光によりフォトダイオード610内に生じた信号電
荷は、そのままフォトダイオード610内に蓄えられ、
y方向走査回路600がゲート線607を介してMOS
トランジスタスイッチ609をオンにする度に、所定の
タイミングで出力配線608上に読み出される。ここ
で、y方向走査回路600は同時に64本のゲート線6
07を介してMOSトランジスタスイッチ609をオン
にするため、出力配線608上にはy方向に64個分の
フォトダイオード610に蓄えられていた電荷の合計値
が読み出される。次に、読み出された信号電荷は出力回
路604に入力されて信号電圧に変換、かつ所定のゲイ
ンで増幅され、A/Dコンバーター612によって各画
素毎に順次デジタル信号に変換される。ここで、出力回
路604は64本の出力配線608に読み出された信号
電荷の合計値を読み出すので、本走査方法では64×6
4画素分の電荷を1画素として読み出し、A/Dコンバ
ーター612は合計16×16画素分のデータを出力す
る。このように、本検出器をX線補助検出器8として使
用する場合は64×64画素分の電荷を同時に読み出す
ので、A/Dコンバーター612は、全画素を読み出す
場合の4096倍の速度で1フレームを読み出すことが
できる。これに対して、1フレームが16×16画素の
データとなるため、空間分解能は低くなるが、X線自動
露出用のデータとしては十分である。なお、本検出器を
X線補助検出器9として使用する場合のフレームレート
は毎秒2万フレームである。
【0071】本検出器をX線検出器8として用いる場
合、全画素のうち殆どの画素が正常に動作する必要があ
るが、このような検出器の製造は一般に困難であり、製
造における歩留まりが低いという問題がある。しかし、
本検出器をX線補助検出器9として使用する場合、上記
のように64×64画素分の電荷を1画素として読み出
すため、幾つかの画素がドット落ちあるいはライン落ち
していても、全体的には大きな問題にならない。従っ
て、検出器の製造過程で生じた不良品をX線補助検出器
9として使用することができる。すなわち、従来破棄し
ていた不良品をX線補助検出器9として利用できるの
で、製品コストを下げることができるという効果があ
る。また、X線検出器8とX線補助検出器9は同一の形
状、検出範囲、材質を有するという点においても、好ま
しい。すなわち、X線検出器8とX線補助検出器9とに
おける検出エネルギー依存性を同一にすることができる
ので、X線検出器8とX線補助検出器9とにおける検出
差を小さくできる。したがって、X線補助検出器9で検
出するX線量を精度よく推定することができる。
【0072】以上説明したように、X線検出器として平
面型X線検出器を使用した場合、光学像をフォトセンサ
で一部採光する従来の自動露出方法が適用できなくなる
が、本実施の形態のX線装置では、前記平面型X線検出
器の背面に補助X線検出器を配置して平面型X線検出器
で検出される信号強度を推定できるので、前記推定値に
基づきX線透視時およびX線撮影時におけるX線量を自
動的に適正値に制御することができる。
【0073】また、平面型X線検出器と補助X線検出器
との感度比を各管電圧およびX線フィルタの組み合わせ
に対して補正するので、X線透視時およびX線撮影時に
おけるX線量をより精確に制御することができる。更
に、平面型X線検出器を製作する過程で発生した不良品
を補助X線検出器として利用することができるので、製
品コストを抑えることができる。
【0074】さらには、推定手段として機能する透視条
件演算手段404あるいは撮影条件演算手段500が、
X線透視時あるいはX線撮影時におけるX線補助検出器
9のゲインGBをそれぞれ算出し、X線補助検出器制御
器104に出力することによって、当該X線補助検出器
9で検出されるX線強度が極端に小さい場合であっても
その出力信号を大きくできるので、この出力信号をA/
D変換器611,612でデジタル信号に変換する際に
生じる量子化誤差を抑えることができる。したがって、
X線透視時およびX線撮影時におけるX線量をさらに精
確に制御することができ、高画質のX線透視およびX線
撮影ができる。
【0075】以上、本発明を具体的に説明したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲において種々変更しうることはいうまで
もない。例えば、本実施の形態ではX線補助検出器9と
してX線検出器8と同一のものを使用したが、これを蛍
光板および光電子増倍管を組み合わせた検出器や、蛍光
板および複数のフォトダイオードを組み合わせた検出器
等を用いてもよい。また、本実施の形態で述べた平面型
X線検出器は単一シリコン結晶上にフォトダイオードお
よびMOSトランジスタスイッチを形成する構成であっ
たが、アモルファスシリコン上で同一のものを形成した
平面型X線検出器や、アモルファスセレンをX線センサ
として使用した平面型X線検出器等でこれを代用しても
よい。また、本発明は一般的なX線透視装置、X線撮影
装置、立体X線撮影装置等にも適用できることは勿論で
ある。
【0076】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0077】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0078】(1)平面X線検出器を使用した場合であ
ってもX線透視時およびX線撮影時のX線量を適正にコ
ントロールすることができる。
【0079】(2)高画質のX線像すなわち診断能力の
高いX線像を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のX線装置の概略構成を
示す図である。
【図2】本実施の形態におけるX線検出器とX線補助検
出器との感度比のX線エネルギー依存性の一例を表すグ
ラフである。
【図3】本実施の形態の感度比テーブルの構成を説明す
るための図である。
【図4】X線透視時におけるX線条件演算装置の構成お
よび内部の処理の流れを説明するための図である。
【図5】X線撮影時におけるX線条件演算装置105の
構成および内部処理の流れを説明するための図である。
【図6】本実施の形態においてX線検出器およびX線補
助検出器として使用する平面型X線検出器の回路構成図
である。
【図7】本実施の形態においてX線検出器およびX線補
助検出器として使用する平面型X線検出器の構造を説明
するための断面図の一部である。
【符号の説明】
1…X線管、2…X線フィルタ、3…X線コリメータ、
4…被検体、5…寝台天板、6…簡易操作卓、7…X線
グリッド、8…X線検出器、9…X線補助検出器、10
…モニタ、11…操作卓、12…X線照射野、100…
X線制御器、101…X線フィルタ制御器、102…X
線コリメータ制御器、103…X線検出器制御器、10
4…X線補助検出器制御器、105…X線条件演算装
置、106…感度比テーブル、107…画像処理装置、
401…X線照射野内データ選択手段、402…関心領
域内データ選択手段、403…重み付け平均値演算手
段、404…透視条件演算手段、500…撮影条件演算
手段、501…積分画像生成手段、502…撮影時間判
断手段、600,601…y方向走査回路、602…ス
イッチ、603,604…出力回路、605…アンプ、
606…導電性基板、607…ゲート線、608…出力
配線、609…MOSトランジスタ、610…フォトダ
イオード、611,612…A/D変換器、700…ヨ
ウ化セシウム柱状結晶層、701…絶縁膜、702…導
電性接続膜、703…コンタクト、704…保護膜、7
05…シリコン基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 浩之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 川口 文男 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生し被検体に照射するX線照射
    手段と、前記X線の照射野を制限するX線照射野制限手
    段と、前記被検体を透過した後のX線像を撮像する撮像
    手段と、前記被検体を透過したX線強度を計測するX線
    強度計測手段と、該計測値に基づいて照射X線のエネル
    ギー分布および出力量を所定の値に調整するX線出力調
    整手段とを有するX線装置において、 前記撮像手段は、半導体基板に複数個のX線検出素子を
    形成した平面撮像手段からなり、当該撮像手段のX線の
    入力面とは反対の側に前記X線強度計測手段を配置した
    ことを特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のX線装置において、 前記X線出力調整手段は、前記X線強度計測手段に入射
    するX線強度およびエネルギー分布に基づいて、前記撮
    像手段に入射するX線強度を推定する推定手段を具備す
    ることを特徴とするX線装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のX線装置において、 前記推定手段は、X線のエネルギー分布に対して予め計
    測した前記X線撮像手段と前記X線強度計測手段とのX
    線強度比をテーブル値として格納する格納手段を具備
    し、当該推定手段は前記X線強度計測手段の計測値と前
    記テーブル値とに基づいて、X線撮像手段に入射するX
    線強度を推定することを特徴とするX線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1もしくは2に記載のX線装置に
    おいて、 前記X線強度計測手段は出力値を増幅する増幅手段と、
    予め計測した当該X線強度計測手段と前記撮像手段との
    強度比に基づいて、前記X線強度計測手段で検出される
    X線強度が一定となるように前記増幅手段の増幅率を制
    御する手段とを具備することを特徴とするX線装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のX線装置において、 前記X線照射手段は、被検体に照射するX線のエネルギ
    ー分布を変化させるX線フィルタを具備し、前記テーブ
    ル値は前記X線フィルタを装着して測定することを特徴
    とするX線装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の内のいずれか1項に
    記載のX線装置において、 前記撮像手段と前記X線強度計測手段とを密着して配置
    することを特徴とするX線装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6の内のいずれか1項に
    記載のX線装置において、 前記X線出力調整手段は、前記X線強度計測手段で計測
    したX線強度に基づいて、X線撮影時における撮影時間
    を制御する手段を具備することを特徴とするX線装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7の内のいずれか1項に
    記載のX線装置において、 前記X線強度計測手段として前記撮像手段と同一構造の
    X線検出器を用いることを特徴とするX線装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のX線装置において、 前記X線強度計測手段として、前記撮像手段の一部のX
    線検出素子に不良があるものを使用することを特徴とす
    るX線装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9の内のいずれか1項
    に記載のX線装置において、 前記撮像手段は、複数個の各X線検出素子からの信号と
    所定のX線検出素子からの信号とを当該撮像手段の出力
    信号とする切り換え手段を具備することを特徴とするX
    線装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のX線装置において、 前記撮像手段は、所定のX線検出素子からの信号の読み
    出し時に、複数個の検出素子からの読み出し信号を加算
    し該加算値を出力信号とする手段を具備することを特徴
    とするX線装置。
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