JPH11127990A - 椅子付きキャビネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子５に座って作業をすることが可能な椅子
５付きキャビネット１であって、容易に作業位置に椅子
５を移動させて作業をすることが可能であると共に、立
ったり座ったりするときの安全性が優れた椅子５付きキ
ャビネット１を提供する。 【解決手段】 補助バー２をキャビネット１に固定して
設けると共に、その補助バー２に係合自在な接続バー８
及びキャスター５３を椅子５に設け、補助バー２と椅子
５を着脱自在に係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、キッチン等のキャ
ビネットに関し、特に、高齢者や身障者等が作業をする
ときに、安全性の優れた作業をすることが可能な、椅子
付きキャビネットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】キッチンキャビネット等のキャビネット
の前で、洗い物等の立ち作業をする場合に、高齢者や身
障者等でも安全な作業ができるように、特開平８−３８
０号に記載されたような、キャビネットの前面から突出
して固定された補助バーをキャビネットに設け、この補
助バーにもたれたり、掴まって作業をすることにより、
作業の安全性を高めたキャビネットが検討されている。

【０００３】しかし、高齢者や身障者等にとって、立っ
て作業をすることは苦痛を感じるものであり、キャビネ
ットの前に椅子を運んできて、椅子に座って作業をする
ことが行われている。なお、この椅子としては、折り畳
み式の簡易パイプ椅子や、底部にキャスターを備えた椅
子等が従来より使用されている。折り畳み式の簡易パイ
プ椅子は、使用しないときには畳んで片づけることがで
きるものの、座ったときには安定が悪く、また、作業位
置を変更するときには、持って移動しなければならない
という問題があり、高齢者や身障者等には使用しにくい
ものであった。また、キャスター付きの椅子は、作業位
置を変えるときに自由に動かすことができるものの、立
ったり座ったりするときに椅子が動いてしまい危険であ
るという問題があった。そのため、容易に作業位置に椅
子を移動させて作業をすることができると共に、立った
り座ったりするときの安全性が優れたキャビネットが求
められている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、椅子に座って作業をすることが可能な椅子付きキ
ャビネットであって、容易に作業位置に椅子を移動させ
て作業をすることが可能であると共に、立ったり座った
りするときの安全性が優れた椅子付きキャビネットを提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
椅子付きキャビネットは、補助バーをキャビネットに固
定して設けると共に、その補助バーに係合自在な係合手
段及び設置面に対して転動自在な転動手段を椅子に設
け、補助バーと椅子を着脱自在に係合していることを特
徴とする。

【０００６】本発明の請求項２に係る椅子付きキャビネ
ットは、請求項１記載の椅子付きキャビネットにおい
て、係合手段に、補助バーに着脱自在に形成されると共
に、椅子に回動自在に結合された接続バーを備え、接続
バーを介して、椅子が補助バーに着脱自在に係合してい
ることを特徴とする。

【０００７】本発明の請求項３に係る椅子付きキャビネ
ットは、請求項２記載の椅子付きキャビネットにおい
て、椅子に背もたれ部を備えると共に、その背もたれ部
に接続バーを回動自在に結合していることを特徴とす
る。

【０００８】本発明の請求項４に係る椅子付きキャビネ
ットは、請求項１から請求項３のいずれかに記載の椅子
付きキャビネットにおいて、椅子が補助バーに、複数箇
所で着脱自在に係合するよう形成されていることを特徴
とする。

【０００９】本発明の請求項５に係る椅子付きキャビネ
ットは、請求項１から請求項４のいずれかに記載の椅子
付きキャビネットにおいて、椅子が補助バーに、摺動自
在に係合するよう形成されていることを特徴とする。

【００１０】本発明の請求項６に係る椅子付きキャビネ
ットは、請求項１から請求項５のいずれかに記載の椅子
付きキャビネットにおいて、補助バーが、略水平方向に
設けられていることを特徴とする。

【００１１】本発明によると、椅子を補助バーから脱離
した状態で、設置面に対して転動手段を転動させること
により、椅子の位置を自由に動かすことができ、容易に
作業位置に椅子を移動させて作業をすることが可能にな
ると共に、新しい作業位置に椅子を移動した後、補助バ
ーに椅子を装着することにより、補助バーに椅子が固定
されるため、立ったり座ったりしても椅子が動きにくく
安全性が優れた作業が可能になる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明に係る椅子付きキャビネッ
トを図面に基づいて説明する。図１は本発明に係る椅子
付きキャビネットの一実施の形態を説明する側面図であ
り、図２は本発明に係る椅子付きキャビネットの一実施
の形態を説明する平面図である。図３は本発明に係る椅
子付きキャビネットの一実施の形態の要部を、一部を破
断して示した図であり、図４は本発明に係る椅子付きキ
ャビネットの一実施の形態の要部を示した斜視図であ
る。また、図５は本発明に係る椅子付きキャビネットの
他の実施の形態の要部を、一部を破断して示した図であ
る。

【００１３】本発明に係る椅子付きキャビネットの一実
施の形態は、図１及び図２に示すように、キャビネット
１の前面の幕板１２から多少離して補助バー２を水平方
向に固定することにより、キャビネット１から離間して
固定された補助バー２を、キャビネット１の前面側に突
出して設けると共に、接続バー８を介して、その補助バ
ー２に椅子５を係合した椅子付きキャビネットである。

【００１４】なお、キャビネット１としては、その前に
座って作業をすることができるものであれば特に限定す
るものではなく、キッチンキャビネットや、洗面キャビ
ネット等が挙げられる。なお、本発明のキャビネット１
には、カウンター１１のみからなるテーブル状のものも
含むものである。また、キャビネット１の下部には、椅
子５に座って作業をするときに足を配置するニースペー
スがあると作業性が優れ好ましいが、なくても良い。

【００１５】なお、補助バー２は、キャビネット１に固
定して設けられていれば、キャビネット１から突出して
設けられているものに限定するものではなく、キャビネ
ット１に前面開口の凹部を設け、その凹部の中に設けら
れていても良く、可倒式に形成されていても良い。ま
た、補助バー２は、水平方向に固定されているものに限
定するものではなく、斜め方向に固定したり、垂直方向
に固定して複数設けるようにしても良い。なお、水平方
向に固定する場合、補助バー２の任意の位置に椅子５を
係合することができると共に、キャビネット１と椅子５
の間隔を一定に保つことができ好ましい。また、補助バ
ー２の固定位置も、特に限定するものではなく、カウン
ター１１の前面に固定されていても良く、カウンター１
１の底面に固定されていても良い。

【００１６】また、補助バー２の材質や形状も、特に限
定するものではなく、ステンレス製の金属パイプや、木
製の棒材等各種のものが挙げられる。なおこの補助バー
２を、キャビネット１の前で立ち作業をする場合に、も
たれたり、掴まって作業をすることが可能な位置に設け
ておくと、立ち作業のときの安全性も優れ好ましい。

【００１７】接続バー８は、図３（ａ）に示すように、
接続バー本体８２の先端に、接続バー本体８２に対して
摺動して回動可能な先端回動部８１が設けられている。
そして、接続バー本体８２の補助バー２と当接を予定す
る部分を、補助バー２に当接させた後、先端回動部８１
をキャビネット１と補助バー２の間の部分に挿入して回
動させると、図３（ｂ）に示すように、接続バー本体８
２と先端回動部８１の間に補助バー２を挟み、補助バー
２に接続バー８が装着されるようになっている。また、
補助バー２に接続バー８が装着されている場合には、先
端回動部８１をキャビネット１側に回動させることによ
り、補助バー２から接続バー８が脱離するようになって
いる。このように、接続バー８は補助バー２に対して着
脱自在に形成されている。そのため、接続バー８を介し
て椅子５が、補助バー２に着脱自在に係合するようにな
っている。

【００１８】なお、接続バー本体８２の補助バー２と当
接を予定する部分や、先端回動部８１の補助バー２と当
接を予定する部分には、ゴム板等の弾性体８３が固着さ
れており、接続バー本体８２と先端回動部８１の間に補
助バー２を挟んで補助バー２に接続バー８が装着された
ときに、弾性体８３が多少圧縮されることにより、接続
バー８が補助バー２に確実に固定されて、接続バー８が
動かないようになっている。

【００１９】また、図４に示すように、椅子５の背もた
れ部５２側の接続バー８には、椅子側回動部８８と椅子
固着部８９が設けられており、椅子固着部８９が背もた
れ部５２と固着している。なお、接続バー本体８２と椅
子側回動部８８、及び椅子側回動部８８と椅子固着部８
９の間は、それぞれ回動可能になっており、これらが組
合わさることにより、接続バー８は背もたれ部５２に対
して任意の方向に回動自在に結合されている。

【００２０】なお、接続バー８の結合する位置は、背も
たれ部５２に限定するものではないが、背もたれ部５２
に接続バー８を結合すると、着座部５１や脚部等に結合
する場合と比較して、作業をする人が背もたれ部５２に
寄りかかった場合であっても、椅子５が転倒しにくく好
ましい。また、作業をする人が座ったときに、腕を乗せ
ることができる位置に接続バー８を結合すると、腕を乗
せて休むことができ好ましい。

【００２１】椅子５の底部には、一般にキャスターと呼
ばれるような、自由に方向を変えることが可能な回転輪
を有する転動手段５３を備えている。そのため、補助バ
ー２から接続バー８を脱離した状態で、設置面Ａに対し
て転動手段５３を転動させることにより、椅子５の位置
を自由に動かすことができ、容易に作業位置に椅子５を
移動させて作業をすることが可能になっている。そし
て、新しい作業位置に椅子５を移動した後、補助バー２
に接続バー８を装着することにより補助バー２に椅子５
が固定されるため、立ったり座ったりしても椅子５が動
きにくく安全性が優れた作業が可能になっている。

【００２２】なお、図２に示すように、２本の接続バー
８が補助バー２に着脱自在に係合可能になっていると、
一方の接続バー８は補助バー２に装着した状態で、他方
の接続バー８を補助バー２から脱離し、その部分から入
って椅子５に座ることが可能となる。そのため、このよ
うに椅子５が補助バー２に複数箇所で着脱自在に係合す
るよう形成されている場合、側方から入って椅子５に座
る動作や立って椅子５の側方に出る動作と、接続バー８
を脱離する動作の順番を特に気をつけずに作業しても椅
子が固定されているため動きにくく、特に安全性が優れ
好ましい。なお、１箇所で着脱自在に係合するよう形成
されている場合に椅子５の位置を動かすときには、例え
ば、椅子５を補助バー２に装着した状態で立って側方に
出た後、椅子５を補助バー２から脱離し、次いで椅子５
の位置を動かした後、椅子５を補助バー２に装着し、次
いで側方から椅子５に座るようにする。

【００２３】また、この椅子５には、高さ調整用の上下
調節レバー５４が設けられており、作業をする人の身長
等に応じて、着座部５１の高さを調整することにより、
キャビネット１の上で作業をするのに適した位置に座る
ことが可能になっている。

【００２４】なお、上記の実施の形態は、補助バー２に
接続バー８を装着したときに、接続バー８が補助バー２
に固定される実施の形態を説明したが、図５に示すよう
に、接続バー本体８２の補助バー２と当接を予定する部
分や、先端回動部８１の補助バー２と当接を予定する部
分に、ローラーや、ボールベアリング等の回転体８４を
設けておき、補助バー２に接続バー８を装着したとき
に、接続バー８が補助バー２に対して摺動自在に係合す
るよう形成していても良い。

【００２５】この場合、補助バー２から接続バー８を脱
離することなしに、作業位置に椅子を移動させて作業を
することが可能となり好ましい。なおこの場合も、作業
をする人の背面方向への椅子５の移動は防止されると共
に、ある程度作業をする人の横方向の移動も防止されて
ほぼ固定状態となるため、立ったり座ったりしても椅子
５が動きにくく安全性が優れた作業が可能になる。

【００２６】また、上記の実施の形態は、接続バー８と
背もたれ部５２が結合している実施の形態を説明した
が、結合していることに限定するものではなく、接続バ
ー８を背もたれ部５２等に対して着脱自在に係合するよ
うに形成していても良い。この場合、接続バー８の補助
バー２との係合及び背もたれ部５２等との係合を脱離す
ることにより、接続バー８を容易に交換することが可能
なため、キャビネット１と椅子５の間隔を調整すること
が可能となり好ましい。

【００２７】また、上記の実施の形態は、接続バー８を
介して、椅子５が補助バー２に着脱自在に係合している
実施の形態を説明したが、接続バー８を介して係合する
ことに限定するものではなく、椅子５の着座部５１等が
直接補助バー２に着脱自在に係合するようになっていて
も良い。なお、接続バー８を介して係合するように形成
すると、作業をする人が椅子５に座るときには、接続バ
ー８を補助バー２から脱離して椅子５の側部を広く開け
た状態で座ることができるため、座りやすく好ましい。

【００２８】

【発明の効果】本発明に係る椅子付きキャビネットは、
転動手段を設けた椅子と補助バーを着脱自在に係合して
いるため、椅子を補助バーから脱離した状態で、設置面
に対して転動手段を転動させることにより、椅子の位置
を自由に動かすことができ、容易に作業位置に椅子を移
動させて作業をすることが可能になると共に、新しい作
業位置に椅子を移動した後、補助バーに椅子を装着する
ことにより、補助バーに椅子が固定されるため、立った
り座ったりしても椅子が動きにくく安全性が優れた作業
が可能になる。

【００２９】本発明の請求項２に係る椅子付きキャビネ
ットは、上記の効果に加え、作業をする人が椅子に座る
ときに、接続バーを補助バーから脱離して椅子の側部を
広く開けた状態で入って座ることができるため、座りや
すくなる。

【００３０】本発明の請求項３に係る椅子付きキャビネ
ットは、上記の効果に加え、作業をする人が背もたれ部
に寄りかかった場合であっても、椅子が転倒しにくく、
特に安全性が優れた作業が可能になる。

【００３１】本発明の請求項４に係る椅子付きキャビネ
ットは、上記の効果に加え、側方から入って椅子に座る
動作や立って椅子の側方に出る動作と、補助バーから椅
子を脱離する動作の順番を特に気をつけずに作業するこ
とが可能になる。

【００３２】本発明の請求項５に係る椅子付きキャビネ
ットは、上記の効果に加え、椅子を補助バーから脱離す
ることなしに、作業位置に椅子を移動させて作業をする
ことが可能になる。

【００３３】本発明の請求項６に係る椅子付きキャビネ
ットは、上記の効果に加え、補助バーの任意の位置に椅
子を係合することが可能になると共に、キャビネットと
椅子の間隔を略一定に保つことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る椅子付きキャビネットの一実施の
形態を説明する側面図である。

【図２】本発明に係る椅子付きキャビネットの一実施の
形態を説明する平面図である。

【図３】本発明に係る椅子付きキャビネットの一実施の
形態の要部を、一部を破断して示した図である。

【図４】本発明に係る椅子付きキャビネットの一実施の
形態の要部を示した斜視図である。

【図５】本発明に係る椅子付きキャビネットの他の実施
の形態の要部を、一部を破断して示した図である。

【符号の説明】 １ キャビネット ２ 補助バー ５ 椅子 ８ 接続バー １１ カウンター １２ 幕板 ５１ 着座部 ５２ 背もたれ部 ５３ 転動手段 ５４ 上下調節レバー ８１ 先端回動部 ８２ 接続バー本体 ８３ 弾性体 ８４ 回転体 ８８ 椅子側回動部 ８９ 椅子固着部 Ａ 設置面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 補助バーをキャビネットに固定して設け
   ると共に、その補助バーに係合自在な係合手段及び設置
   面に対して転動自在な転動手段を椅子に設け、補助バー
   と椅子を着脱自在に係合していることを特徴とする椅子
   付きキャビネット。
2. 【請求項２】 係合手段に、補助バーに着脱自在に形成
   されると共に、椅子に回動自在に結合された接続バーを
   備え、接続バーを介して、椅子が補助バーに着脱自在に
   係合していることを特徴とする請求項１記載の椅子付き
   キャビネット。
3. 【請求項３】 椅子に背もたれ部を備えると共に、その
   背もたれ部に接続バーを回動自在に結合していることを
   特徴とする請求項２記載の椅子付きキャビネット。
4. 【請求項４】 椅子が補助バーに、複数箇所で着脱自在
   に係合するよう形成されていることを特徴とする請求項
   １から請求項３のいずれかに記載の椅子付きキャビネッ
   ト。
5. 【請求項５】 椅子が補助バーに、摺動自在に係合する
   よう形成されていることを特徴とする請求項１から請求
   項４のいずれかに記載の椅子付きキャビネット。
6. 【請求項６】 補助バーが、略水平方向に設けられてい
   ることを特徴とする請求項１から請求項５のいずれかに
   記載の椅子付きキャビネット。