JPH1112726A - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット及びその製造方法

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JPH1112726A
JPH1112726A JP16472697A JP16472697A JPH1112726A JP H1112726 A JPH1112726 A JP H1112726A JP 16472697 A JP16472697 A JP 16472697A JP 16472697 A JP16472697 A JP 16472697A JP H1112726 A JPH1112726 A JP H1112726A
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JP
Japan
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billet
sputtering target
heat treatment
temperature
forging
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JP16472697A
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Inventor
Noriyoshi Konno
憲美 今野
Norio Yokoyama
紀夫 横山
Eiichi Shimizu
栄一 清水
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線パターンの断線を防止して、信頼性の高
い配線パターンを可能とする、スパッタリングターゲッ
ト及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 スパッタリングターゲット1は、少なく
ともSiを含む添加元素を含有するアルミニウム合金か
らなり、スパッタ面2上に析出する添加元素の結晶粒子
の密度が0.2個/100μm2以下である。スパッタ
リングターゲット1の製造方法は、上記アルミニウム合
金からなるビレットに鍛造処理を施す第1の鍛造処理工
程と、第1の鍛造処理工程後のビレットを添加元素が融
解する温度以上の温度に加熱する第1の熱処理工程と、
第1の熱処理工程後のビレットを冷却する冷却工程と、
冷却工程後のビレットに鍛造処理を施す第2の鍛造処理
工程と、第2の鍛造処理工程後のビレットを添加元素が
融解する温度以上とならない範囲で加熱する第2の熱処
理工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
からなるスパッタリングターゲット及びその製造方法に
関し、詳しくは、例えば半導体の集積回路の配線材とし
て使用されるスパッタリングターゲット及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の集積回路においては、大規模集
積回路(以下、LSIと称する。)の高集積化に伴い、
配線の微細化と薄膜化が要求されている。配線材料とし
ては、加工性等の特性からアルミニウムを主成分とする
ものが一般的に用いられている。LSIは、アルミニウ
ムを主成分とする配線層が、例えば1μm程度の薄膜と
して絶縁層上に形成された後、リソグラフィ等によって
所定の配線パターンが形成される。
【0003】また、この薄膜形成にはスパッタリング法
が多用されている。このスパッタリング法により薄膜を
形成する際は、スパッタリング源となるスパッタリング
ターゲットの表面を、加速された粒子によってスパッタ
する。このとき、運動量の交換により、スパッタリング
ターゲットを構成する原子が空間に放出される。そこ
で、スパッタリングターゲットに対向する位置に基板を
配しておくことにより、スパッタリングターゲットから
放出された粒子が基板上に堆積し、基板上に薄膜が形成
されることになる。
【0004】このスパッタリング法は、スパッタリング
ターゲットの材料組成と、形成される薄膜配線層の組成
が良く一致するため、特に薄膜配線層の組成制御を正確
に行うことができるという利点を持っている。
【0005】上述したようなスパッタリング法に用いら
れるスパッタリングターゲットとしては、アルミニウム
配線の機械的特性の向上のために、少量の元素が添加さ
れたアルミニウム合金、例えば、0.01重量%〜4.
00重量%のSiあるいはCuを含有するアルミニウム
合金や、0.01重量%〜4.00重量%のSiを含有
するとともに0.01重量%〜4.00重量%のCu、
Ti、W、Pd、Zr、Hfの少なくとも1種以上を含
有するアルミニウム合金が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LSIは、
配線が微細化される傾向にあるために、Si等のアルミ
ニウム合金中に含有される添加元素がスパッタ面上で析
出すると、この析出した結晶粒子が、スパッタリング後
の薄膜配線層内、すなわち配線パターンに析出粒子とし
て影響を与えることが知られている。ここで、スパッタ
面上で析出する結晶粒子の組成及び形状は、スパッタし
た後の薄膜配線層内に析出する粒子の組成及び形状とほ
とんど同じである。
【0007】例えば、図8に示すように、スパッタリン
グターゲットのスパッタされる面(以下、スパッタ面と
称する。)2上で析出したSi等の結晶粒子20は、そ
の単位面積当たりの個数、即ち密度が一定値を超える場
合、その粒径が1μm以上となる傾向がある。このた
め、図8に示すようなスパッタ面上に粒径が1μm以上
の結晶粒子20が析出したスパッタリングターゲットを
用いてスパッタすると、スパッタした後の薄膜配線層内
に析出する結晶粒子の粒径も1μm以上となる。
【0008】一方、図9に示すように、スパッタ面上に
析出した結晶粒子21の密度が小さい場合、その結晶粒
子21の粒径は小さくなる傾向がある。このため、図9
に示すようなスパッタ面上に粒径が小さい結晶粒子21
が析出したスパッタリングターゲットを用いてスパッタ
すると、スパッタした後の薄膜配線層内に析出する結晶
粒子の粒径も小さくなる。
【0009】従って、スパッタ面上に析出する結晶粒子
の密度が一定値を超えたアルミニウム合金を用いて、約
1μmの微細な配線幅を有する配線パターンを作製した
場合には、上述したようにスパッタ面上に析出する結晶
粒子の粒径が1μm以上となるため、薄膜配線層内に析
出する結晶粒子の粒径も1μm以上となり、その結果結
晶粒子が電流路を塞ぎ、配線パターンを断線させること
もあり、LSIの信頼性を損ねる原因となっていた。
【0010】そこで、特開昭61−124566号に
は、添加元素の濃度分布を均一に制御させる方法とし
て、円柱状インゴットに鋳造したアルミニウム合金に、
加熱しながら長手方向及び軸方向に鍛造や圧延処理を施
す鍛造処理法、いわゆるクロスフォージングが提案され
ている。しかし、この方法においては、アルミニウム合
金のグレインサイズや、スパッタ面上に析出した結晶粒
子の分散をある程度制御できるが、処理温度が低いため
に、析出した結晶粒子の粒径を十分に制御できないとい
った問題が生じた。
【0011】また、特開平5−335271号には、上
述したようなスパッタ面上に析出する結晶粒子を抑制す
るために、添加元素の固溶率が30%以上であるアルミ
ニウム合金を、500〜650℃の温度で30分以上加
熱した後、10分以内に室温まで冷却し、さらに100
〜500℃の温度で5〜30分加熱することを特徴とす
るスパッタリングターゲットの製造方法が提案されてい
る。
【0012】しかしながら、この製造方法は、スパッタ
面上に析出する結晶粒子の大きさをある程度小さくなる
ように制御することができるが、添加元素のアルミニウ
ムに対する分散性が十分ではなく、その結果、析出する
結晶粒子の一部が凝集してしまい、配線パターンの不良
原因となっていた。
【0013】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、微細な配線幅を有する
配線パターンの電流路が塞がれるのを防止して、その結
果配線パターンの断線を防止することができ、信頼性の
高い配線パターンを得ることができる、スパッタリング
ターゲット及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係るスパッタリングターゲットは、少なくとも
Siを含む添加元素を含有するアルミニウム合金からな
り、スパッタされる面に析出する添加元素の結晶粒子の
密度が、0.2個/100μm2以下であることを特徴
とするものである。ここで、このアルミニウム合金中に
は、Siが0.01重量%以上、4.00重量%以下含
まれていると好ましい。
【0015】以上のように構成された本発明に係るスパ
ッタリングターゲットによれば、スパッタされる面上に
析出する添加元素の結晶粒子の密度が0.2個/100
μm2以下となされていることにより、配線パターンの
電流路を遮断する大きな粒径の粒子の析出を防止するこ
とができる。
【0016】また、本発明に係るスパッタリングターゲ
ットの製造方法は、少なくともSiを含む添加元素を含
有するアルミニウム合金からなるビレットに鍛造処理を
施す第1の鍛造処理工程と、第1の鍛造処理を施した後
の上記ビレットを添加元素が融解する温度以上の温度に
加熱する第1の熱処理工程と、第1の熱処理工程を施し
た後の上記ビレットを冷却する冷却工程と、冷却工程を
施した後の上記ビレットに鍛造処理を施す第2の鍛造処
理工程と、第2の鍛造処理工程を施した後の上記ビレッ
トを添加元素が融解する温度以上とならない範囲で加熱
する第2の熱処理工程とを備えることを特徴とする。
【0017】以上のような工程を有する本発明に係るス
パッタリングターゲットの製造方法では、第1の熱処理
工程により添加元素が融解する温度以上の温度に、添加
元素を含有するアルミニウム合金からなるビレットを加
熱するため、少なくともSiを含む添加元素を、アルミ
ニウム中に均一に融解させることが可能となる。さら
に、第1の熱処理工程後に冷却する冷却工程を経ること
により、第1の熱処理工程における高温時の固溶状態を
確保することができる。
【0018】そして、冷却工程後のビレットに第2の鍛
造処理を施すことにより、アルミニウム合金中の少なく
ともSiを含む添加元素が微細化される。さらに、この
第2の鍛造処理後のビレットは、第2の熱処理工程によ
って添加元素が融解する温度以上とならない範囲で加熱
され、再結晶化されるため、スパッタ面上に析出した添
加元素の結晶粒子を微細化し、かつアルミニウム合金中
に均一に分散した状態とすることができる。
【0019】したがって、本発明に係るスパッタリング
ターゲットの製造方法によれば、スパッタ面上に析出す
る添加元素の結晶粒子が微細化され、アルミニウム合金
中に均一に分散される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0021】図1は、本発明を適用したスパッタリング
ターゲット1の様子を示す図である。
【0022】本発明を適用したスパッタリングターゲッ
ト1は、図1に示すように、円盤状に形成され、上面が
スパッタ面2とされている。
【0023】スパッタリングターゲット1は、アルミニ
ウムを主成分としたアルミニウム合金からなる。このア
ルミニウム合金は、少なくともSiを含む添加元素を含
有している。ここで、Siは、アルミニウム合金中に
0.01重量%以上、4.00重量%以下含有されてい
ると好ましい。
【0024】なお、このアルミニウム合金は、0.01
重量%以上、4.00重量%以下のCuを含有していて
も良い。また、上記添加元素としては、0.01重量%
以上、4.00重量%以下のSiを含有するとともに、
0.01重量%以上、4.00重量%以下のCu、T
i、W、Pd、Zr、Hfの少なくとも1種類の元素を
含有したものであっても良い。
【0025】なお、スパッタリングターゲット1の形状
は、図1に示したような円盤状に形成するのが普通であ
るが、使用するスパッタ装置に適合するような形状であ
れば円盤状でなくても良い。
【0026】また、本発明を適用したスパッタリングタ
ーゲット1では、スパッタ面2上に析出する添加元素の
結晶粒子の密度が、0.2個/100μm2以下であ
る。
【0027】このようにスパッタ面2上に析出する添加
元素の結晶粒子の密度が所定値以下に制御されることに
よって、配線パターンの電流路が遮断されるのを防止す
ることができ、配線パターンの断線を防ぐことができ
る。
【0028】次に、以上のように構成されたスパッタリ
ングターゲット1の製造方法について説明する。
【0029】本発明を適用したスパッタリングターゲッ
ト1の製造方法は、少なくともSiを含む添加元素を含
有するアルミニウム合金からなるビレットに鍛造処理を
施す第1の鍛造処理工程と、第1の鍛造処理を施した後
のビレットを添加元素が融解する温度以上の温度に加熱
する第1の熱処理工程と、第1の熱処理工程を施した後
のビレットを冷却する冷却工程と、冷却工程を施した後
のビレットに鍛造処理を施す第2の鍛造処理工程と、第
2の鍛造処理工程を施した後のビレットを添加元素が融
解する温度以上とならない範囲で加熱する第2の熱処理
工程とを備える。
【0030】先ず、第1の鍛造処理工程として、図2に
示すように、少なくともSiを0.01重量%以上、
4.00重量%以下を含む添加元素を含有するアルミニ
ウム合金からなる円柱状のビレット10に対して、長手
方向に鍛造する。このとき、この鍛造処理によって、析
出した結晶粒子の長手方向の粒径を微細化することがで
きる。
【0031】そして、図3に示すように、円柱状のビレ
ット10を長手方向を回転軸として回転させながら、鍛
造処理を続けて施し、細長い円柱状に加工してビレット
11とする。そして、この鍛造処理後に、ビレット11
の図3中の点線で示す部分を輪切りにして、図4に示す
ようなビレット12を作製する。
【0032】なお、第1の鍛造処理工程を施す円柱状の
ビレット10としては、直径100〜200mmかつ長
さ0.5〜5.0mのものが好ましい。
【0033】以上が第1の鍛造処理工程である。
【0034】次に、第1の熱処理工程として、上記の第
1の鍛造処理工程を経たビレット12に対して、少なく
ともSiを含む添加元素が融解する温度以上の温度で加
熱する。このとき、Si等の添加元素をアルミニウム中
に均一に融解することができる。
【0035】次に、冷却工程として、上記第1の熱処理
工程を経たビレット12を、水中で冷却する。このと
き、第1の熱処理工程時における固溶状態が保持され、
スパッタ面2上に析出する結晶粒子はほとんどない。な
お、冷却工程は、第1の熱処理工程時における固溶状態
が保持されるように冷却すれば良く、水中で行われる必
要はない。
【0036】次に、第2の鍛造処理工程として、図5に
示すように、輪切りにされた円柱状のビレット12を、
その端面に対して中心部から外周部へ等方的に、幅方向
に鍛造する。このとき、この鍛造処理によって、析出し
た粒子の幅方向の粒径を微細化することができる。
【0037】そして、この鍛造処理後のビレット12
に、圧延処理を施し、図6に示すようなビレット13と
する。このとき、この圧延処理により、ビレット13の
表面性が向上し、さらに厚みを制御することができる。
【0038】最後に、第2の熱処理工程として、第2の
鍛造処理工程を経たビレット13を、添加元素が融解す
る温度以上とならない範囲で加熱し、図1に示すような
スパッタリングターゲット1を作製する。この第2の鍛
造処理によって、ビレット面2上に析出する結晶粒子の
密度を0.2個/100μm2以下とすることができ
る。
【0039】なお、ここで、添加元素が融解する温度と
は、例えば、Siを添加元素として含有するAlの場
合、図7に示すようなAl−Si合金の状態図におい
て、図中右上がりの曲線である固溶度線の温度以上の温
度である。すなわち、ここでいう固溶度線は、Al中に
Siが融解する温度、つまりAlに対してある一定量含
有されたSiの融点を、Al中のSi含有量に応じて示
したものである。
【0040】また、一般に固相線とよばれる曲線は、図
7中に示す右下がりの曲線である。この固相線上の温度
は、Al−Si合金の融点を示している。そして、図中
α+L相と示した領域は、AlとSiが融解している状
態を示す。
【0041】また、図中α相と示した領域は、Al中に
Siが溶け込んだ一次固溶体を示す。また、固溶度線よ
り低温の領域、つまり図中α+β相と示した領域は、A
l中にSiが結晶として析出している状態を示してい
る。
【0042】第1の熱処理工程は、添加元素が融解する
温度以上の温度に加熱する工程である。つまり、このこ
とは、図7中の固溶度線上の温度以上の温度で加熱する
ことといえる。
【0043】また、第2の熱処理工程は、添加元素が融
解する温度以上とならない範囲で加熱する工程である。
つまり、このことは、図7中の固溶度線の温度よりも低
いα+β相となる温度領域で加熱することといえる。
【0044】以上述べたような工程を有するスパッタリ
ングターゲットの製造方法によれば、アルミニウム合金
からなるビレットの表面性を制御することができる。す
なわち、ビレット面上に析出する添加元素の結晶粒子の
密度を0.2個/100μm2以下にすることができ
て、その結果析出する結晶粒子を微細化することができ
る。
【0045】したがって、本発明を適用したスパッタリ
ングターゲットの製造方法によれば、アルミニウム合金
からなるビレット面上に析出する添加元素の結晶粒子を
微細化することができ、しかも添加元素のアルミニウム
中における分散性を向上することができるため、配線パ
ターンの電流路が塞ぐのを防止して、配線パターンの断
線を防止することができる。その結果、配線の信頼性が
高い電子デバイスの作製を可能とするようなスパッタリ
ングターゲットを提供することが可能となる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0047】実施例1 先ず、連続鋳造法によって、Al中に1.0重量%のS
iを含有するAl−1.0重量%Si合金を用いて円柱
状ビレットを作製した。そして、この円柱状ビレットに
対して、第1の鍛造処理工程として、長手方向の鍛造処
理を施した。
【0048】次に、第1の熱処理工程として、第1の鍛
造処理後のビレットを550℃で20時間加熱した。そ
の後、冷却工程として、第1の熱処理工程後のビレット
を水中で1分間冷却した。次に、第2の鍛造処理工程と
して、冷却工程後のビレットに幅方向の鍛造処理を施し
た。次に、第2の熱処理工程として、第2の鍛造処理工
程後のビレットを350℃で4時間加熱した。そして、
最終的に、直径300mm、厚さ10mmのスパッタリ
ングターゲットを作製した。
【0049】なお、図7に示すように、Al−1.0重
量%Si合金では、約500℃がSiの融解する温度、
つまり固溶度線上の温度といえる。
【0050】実施例2 第2の熱処理工程として、第2の鍛造処理後のビレット
を400℃で4時間加熱した以外は、実施例1と同様に
してスパッタリングターゲットを作製した。
【0051】実施例3 第2の熱処理工程として、第2の鍛造処理後のビレット
を450℃で4時間加熱した以外は、実施例1と同様に
してスパッタリングターゲットを作製した。
【0052】実施例4 第1の熱処理工程として第1の鍛造処理後のビレットを
510℃で20時間加熱し、かつ第2の熱処理工程とし
て第2の鍛造処理後のビレットを400℃で4時間加熱
した以外は、実施例1と同様にしてスパッタリングター
ゲットを作製した。
【0053】比較例1 第1の熱処理工程として第1の鍛造処理後のビレットを
350℃で20時間加熱し、かつ第2の熱処理工程とし
て第2の鍛造処理後のビレットを350℃で4時間加熱
した以外は、実施例1と同様にしてスパッタリングター
ゲットを作製した。
【0054】比較例2 第1及び第2の鍛造処理を行わず、第1の熱処理工程と
して350℃で20時間加熱した後、冷却工程を行い、
その後第2の熱処理工程として350℃で4時間加熱し
た以外は、実施例1と同様にしてスパッタリングターゲ
ットを作製した。 比較例3 第1及び第2の鍛造処理を行わず、第1の熱処理工程と
して550℃で20時間加熱した後、冷却工程を行い、
その後第2の熱処理工程として400℃で4時間加熱し
た以外は、実施例1と同様にしてスパッタリングターゲ
ットを作製した。 以上示したように、実施例1〜実施
例4及び比較例1〜比較例3で作製したスパッタリング
ターゲットに対して、以下のような特性評価を行った。
【0055】先ず、上記のように作製したスパッタリン
グターゲットに対して、電子線マイクロアナライザーを
用いて、スパッタ面上に析出する結晶粒子の粒径、密
度、及びスパッタ面のグレインサイズを測定した。
【0056】ここで、結晶粒子の密度の測定法として
は、試料の場所を変えて倍率1000〜3000倍とし
て撮影した表面写真5枚から、結晶粒子の数を求め平均
値として算出した。なお、このとき、析出した結晶粒子
の組成を特定するには、例えば、元素マッピング法等を
利用すると良い。
【0057】次に、作製したスパッタリングターゲット
を用いて、真空度を3×10-6Torrとし、電圧を2
50Vとし、電流を5Aとした条件の下で、スパッタ
し、膜厚1μmの薄膜配線層を形成した。このとき、ス
パッタされるウェハは、表面がSiO2膜で成膜されて
いるものを用いた。
【0058】そして、この薄膜配線層にリソグラフィに
よって幅2μm、長さ2mmの細線をパターン形成し
た。その後、電流を流して、この電流による断線が観測
された細線本数を測定し、この断線した細線本数が全体
の本数に対して占める割合を算出して断線率とした。
【0059】また、薄膜中の結晶粒子の粒径は、薄膜を
450℃で熱処理した後、エッチングを施し、上記と同
様に、電子線マイクロアナライザーで測定した。
【0060】以上の測定結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1の結果から、スパッタリングターゲッ
トのスパッタ面上に析出する結晶粒子の密度が0.2個
/100μm2以上である比較例1〜比較例3は、スパ
ッタ面上に析出する結晶粒子の粒径が1μm以上となっ
ており、グレインサイズも大きい。さらに、比較例1〜
比較例3においては、スパッタした薄膜中の結晶粒子の
粒径も1μm以上となり大きく、この粒径に対応して通
電電流による断線が発生している。
一方、スパッタリングターゲットのスパッタ面上に析
出する添加元素の結晶粒子の密度が0.2個/100μ
2以下である実施例1〜実施例4は、スパッタ面上に
析出する結晶粒子の粒径が1μm以下となっており、比
較例1〜比較例3における粒径と比べると著しく小さ
く、グレインサイズも比較例1〜比較例3におけるグレ
インサイズよりも著しく小さい。さらに、実施例1〜実
施例4においては、スパッタした薄膜中の結晶粒子の粒
径も、比較例1〜比較例3における粒径と比べると著し
く小さく、薄膜中の結晶粒子が微細化されていることが
わかる。その結果、実施例1〜実施例4においては、微
細な配線幅を有する配線パターンの電流路が塞がれず
に、配線パターンの断線が防止されると判明した。
【0063】以上のように、スパッタ面上に析出する結
晶粒子の密度が0.2個/100μm2以下であること
によって、スパッタ面上及び配線パターン上に析出する
結晶粒子を微細化することができ、その結果配線パター
ンの電流路が塞がれるのを防止して、配線パターンの断
線を防止することができると判明した。
【0064】また、第1の熱処理工程にてSiが融解す
る温度以上の温度で加熱した実施例1〜実施例4は、S
iが融解する温度以上とならない範囲で加熱した比較例
1よりも、スパッタ面上で析出する結晶粒子の粒径やグ
レインサイズが著しく小さく、さらにスパッタした薄膜
中の結晶粒子の粒径も小さく、しかも配線パターンの断
線が発生していない。
【0065】このように、第1の熱処理工程にてSiが
融解する温度以上の温度で加熱することにより、Si等
の添加元素をアルミニウム中に均一に固溶することがで
きて、スパッタ面上で析出する結晶粒子、及びスパッタ
した薄膜に析出する結晶粒子を微細化し、均一化するこ
とができるとわかった。そして、その結果配線パターン
の電流路が塞がれるのを防止して、配線パターンの断線
を防止することができると判明した。
【0066】また、鍛造処理工程を施した実施例1〜実
施例4は、鍛造処理工程を施さずにスパッタリングター
ゲットを作製した比較例2及び比較例3よりも、スパッ
タ面上に析出する結晶粒子の粒径やスパッタ面のグレイ
ンサイズやスパッタした薄膜中の結晶粒子の粒径が小さ
く、断線率が抑えられている。このように、鍛造処理工
程によって、析出する結晶粒子を微細化することがで
き、その結果配線パターンの電流路が塞がれるのを防止
して、配線パターンの断線を防止することができると判
明した。
【0067】したがって、以上のような工程を有するス
パッタリングターゲットの製造方法によれば、スパッタ
面上に析出する結晶粒子が微細化され、配線パターンの
電流路を遮断する大きな粒径の粒子の析出を防止するこ
とができ、その結果配線パターンの断線を防ぐことがで
きる。
【0068】
【発明の効果】以上のように構成された本発明に係るス
パッタリングターゲットによれば、スパッタされる面上
に析出する添加元素の結晶粒子の密度が0.2個/10
0μm2以下となされていることにより、配線パターン
の電流路を遮断する大きな粒径の粒子の析出を防止する
ことができ、配線パターンの断線を防ぐことができる。
【0069】また、以上のような工程を有する本発明に
係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、第
1の熱処理工程により添加元素が融解する温度以上の温
度でアルミニウム合金からなるビレットを加熱するた
め、添加元素をアルミニウム中に均一に固溶させること
が可能となる。さらに、第1の熱処理工程後に冷却する
冷却工程を経ることにより、第1の熱処理工程における
高温時の固溶状態を確保することができる。
【0070】そして、冷却工程後に第2の鍛造処理工程
を経ることにより、アルミニウム合金中の添加元素を微
細化することができる。さらに、この第2の鍛造処理後
のビレットは、第2の熱処理工程によって添加元素が融
解する温度以上とならない範囲で加熱され、再結晶化さ
れるため、析出する結晶粒子を微細化し、かつ添加元素
を均一にアルミニウム中に分散した状態とすることがで
きる。
【0071】したがって、このような工程を有するスパ
ッタリングターゲットの製造方法によれば、スパッタ面
上に析出する添加元素の結晶粒子を微細化することがで
き、さらにこの結晶粒子を均一にアルミニウム中に含有
することができるため、配線パターンの電流路を遮断す
る大きな粒径の粒子の析出を防止することができ、配線
パターンの断線を防ぐことができ、信頼性の高い配線パ
ターンを得ることができる、スパッタリングターゲット
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
一例を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
製造方法の第1の鍛造処理工程において、長軸方向に鍛
造する様子を説明する斜視図である。
【図3】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
製造方法の第1の鍛造処理工程における、ビレットを輪
切りにする様子を説明する斜視図である。
【図4】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
製造方法の第1の鍛造処理工程における、輪切りにされ
たビレットの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
製造方法の第2の鍛造処理工程において、幅方向に鍛造
する様子を説明する斜視図である。
【図6】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
製造方法の第2の鍛造処理工程後の一例における、第4
のビレットを製造する方法を説明する模式図である。
【図7】本発明を適用したスパッタリングターゲットの
材料の一例である、Al−Si合金の2元系状態図であ
る。
【図8】スパッタ面上に析出する添加元素の結晶粒子の
密度が大きい場合を示す模式図である。
【図9】スパッタ面上に析出する添加元素の結晶粒子の
密度が小さい場合を示す模式図である。
【符号の説明】
1 スパッタリングターゲット、2 スパッタ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/285 H01L 21/285 S

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともSiを含む添加元素を含有す
    るアルミニウム合金からなり、 スパッタされる面上に析出する添加元素の結晶粒子の密
    度が、0.2個/100μm2以下であることを特徴と
    するスパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】 上記アルミニウム合金中には、Siが
    0.01重量%以上、4.00重量%以下含有されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングター
    ゲット。
  3. 【請求項3】 少なくともSiを含む添加元素を含有す
    るアルミニウム合金からなるビレットに鍛造処理を施す
    第1の鍛造処理工程と、 上記第1の鍛造処理を施した後の上記ビレットを、上記
    添加元素が融解する温度以上の温度に加熱する第1の熱
    処理工程と、 上記第1の熱処理工程を施した後の上記ビレットを冷却
    する冷却工程と、 上記冷却工程を施した後の上記ビレットに鍛造処理を施
    す第2の鍛造処理工程と、 上記第2の鍛造処理工程を施した後の上記ビレットを、
    上記添加元素が融解する温度以上とならない範囲で加熱
    する第2の熱処理工程とを備えることを特徴とするスパ
    ッタリングターゲットの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記アルミニウム合金中に、Siを0.
    01重量%以上、4.00重量%以下含有させることを
    特徴とする請求項3記載のスパッタリングターゲットの
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101253377B1 (ko) 2005-02-10 2013-04-11 캐보트 코포레이션 스퍼터링 타겟 및 그 제조 방법
JP2015094930A (ja) * 2013-11-14 2015-05-18 日本軽金属株式会社 スタンパ用アルミニウム原型とその製造方法、アルミニウム原型用素材、スタンパとその製造方法、および転写物の製造方法

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