JP6182296B2 - スパッタリングターゲット、及び、その製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、液晶ディスプレイに代表されるフラットパネル表示素子を構成する金属薄膜、半導体素子製造用のマスクを構成する遮光膜、LSI等の半導体素子を構成する金属配線、及び、磁気記録媒体を構成する銅薄膜等を形成するための高純度銅から成るスパッタリングターゲット、及び、その製造方法に関するものである。
上述したような銅薄膜等を被スパッタリング物に形成するための方法としてスパッタリング法が使用されている。
スパッタリング法では、上記のスパッタリングターゲットを、被スパッタリング物に対向する形でセットし、真空条件下にて、Ar等のガスを流し、被スパッタリング物とスパッタリングターゲットの間に所定の電圧をかけることにより放電させ、イオン化したArをスパッタリングターゲットに衝突させることにより、被スパッタリング物上にスパッタリングターゲットと同じ組成の薄膜を形成する成膜方法である。
このような薄膜は、それぞれの目的に応じたプロセスを経て被スパッタリング物としての半導体素子、磁気記録媒体、半導体素子製造用のマスク、液晶ディスプレイ等の構成部に成膜することができる。
そして、このようなスパッタリング法において、最終製品のコスト低減を図るため、生産性(スループット)向上の要求が高く、従来より、スパッタリングプロセスにおけるスパッタリング条件についてさらなる検討が重ねられ、スパッタリング時の成膜速度の向上を図る試みが行われてきた。
しかし、スパッタリング時の成膜速度は、ガス圧力、投入電力、ターゲット−基板間距離等のスパッタリング条件に依存するが、これらのスパッタリング条件は、成膜速度のみならず、膜厚の均一性など薄膜の特性にも影響するおそれがあり、成膜速度向上の観点のみからスパッタリング条件を設定することにより、膜厚の均一性が損なわれた場合には、例えば、電気抵抗が増大することや、パーティクル、スプラッシュ、ダスト等の粗大なクラスタが発生することもあった。
電気抵抗の増大は、処理信号の遅延の要因となり、粗大クラスタの発生は、断線の問題を引き起こすこともある。
すなわち、薄膜の品質を保ちつつ、スパッタリング時の成膜速度の向上を図るために、スパッタリング条件の検討のみでは限界があった。
このため、近年では、薄膜の品質を保ちつつ、スパッタリング時の成膜速度のさらなる向上を図るため、スパッタリング条件に加えて、スパッタリング材自体の特性、すなわち、スパッタリングの結晶方位や結晶粒径、スパッタリング材に含まれる不純物の含有量等に着眼した様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1の「銅スパッターターゲットの加工方法」もその1つである。
特許文献1には、少なくとも99.999%の高純度銅からなり、平均粒度が10〜30μmであり、且つ、(111)、(200)、(220)及び(311)配向を含有し、配向の各々を有する粒子の量は50パーセントよりも少ない結晶方位となる銅スパッターターゲットの加工方法が開示され、このような銅スパッターターゲットを用いることで均一性に優れた膜をウェハーにスパッタリングすることができる旨開示されている。
このように、スパッタリングの結晶方位や結晶粒径、銅の純度等によって、スパッタリング特性が変わるため、この点に着目した様々な研究、開発が行われるに伴って、従来よりも低い電気抵抗を確保しつつ、成膜速度の向上を図るという効果を一定程度あげるに至っている。
しかしながら、大型テレビ用の液晶ディスプレイなど基板サイズの大型化が進行し、例えば、2mを超える基板サイズとなる等、配線を作成するスパッタリング工程においても大型の基板やウェハーに成膜する必要が生じに伴い、使用するスパッタリングターゲット自体も大型化し、スパッタリングターゲット材の部位毎に銅の組織が不均一になり易く、膜厚精度および粗大クラスタの発生に及ぼす影響が大きくなった。
さらに、近年の半導体デバイスなどの情報処理の高速化、高機能化に伴って、ゲートや配線の微細化、複雑化が行われている。しかし、微細化した配線に高速化のために大電流を流すと、電流密度が増加し、電流密度の増加は抵抗の増大を招き、このような抵抗値の増大は、処理信号の遅延や信頼性低下の原因になり、半導体デバイスの高速化の障害となっていた。
特開2002−220659号公報
そこでこの発明は、低い電気抵抗を保持しつつ、成膜速度の向上を図ることができるスパッタリングターゲット、及び、その製造方法の提供を目的とする。
この発明は、純度が99.9%以上である高純度銅からなるスパッタリングターゲットであって、スパッタリングを行う面における(111)面、(200)面、(220)面、及び、(311)面の各配向面のX線回折のピーク強度であるI(111)、I(200)、I(220)、I(311)が
[数1]
I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]≧0.55
、且つ、
[数2]
I(111)>I(200)、
I(111)>I(220)、
I(111)>I(311)及び
[数3]
I(200)>I(220)、
I(200)>I(311)
となる関係を満たすとともに、
[数4]
I(200)≧0.42×I(111)
となる関係を満たすことを特徴とする。
この発明の態様として、前記[数4]を、
I(200)≧0.8×I(111)
とすることができる。
またこの発明の態様として、結晶粒の粒径を65〜200μmとすることができる。
またこの発明は、前記スパッタリングターゲットの製造方法であって、純度が99.99%以上である高純度銅の鋳塊を660800℃で熱間押出し、押し出された材料を該熱間押出後に80℃/秒〜120℃/秒の冷却速度で冷却し、300℃〜400℃の温度で焼鈍して製造することを特徴とする。
この発明により、低い電気抵抗を保持しつつ、成膜速度の向上を図ることができるスパッタリングターゲット、及び、その製造方法を提供することができる。
この発明の一発明例について説明する。
スパッタリングターゲットは、純度が99.9%(3N)以上である高純度銅からなるスパッタリングターゲットであって、スパッタリングを行うスパッタ面における結晶構造のミラー指数が(111)面、(200)面、(220)面、及び、(311)面で示される各配向面のX線回折のピーク強度であるI(111)、I(200)、I(220)、I(311)が
[数1]
I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]≧0.40
、且つ、
[数2]
I(111)>I(200)、
I(111)>I(220)、
I(111)>I(311)
を満たす結晶方位であることを特徴としている。
また、スパッタリングターゲットは、[数1]において、
[数1’]
I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]≧0.55
を満たす結晶方位であることがより好ましい。
さらにまた、スパッタリングターゲットは、
[数3a]
I(200)>I(220)、
[数3b]
I(200)>I(311)、及び、
[数4]
I(200)≧0.42×I(111)
となる関係を満たすことを特徴とする。
ここで、[数1]、及び、[数1’]の左辺は、I(111)、I(200)、I(220)、及び、I(311)全体に対してI(111)の占める配向率を示し(以下、「(111)面の配向率」という。)、該[数1]、及び、[数1’]の左辺を[数1L]とする。
また、上述したように、[数2]を満たすことで、(111)面、(200)面、(220)面、(311)面の中で(111)面が最も多くなる結晶配向率とすることができる。銅等のFCC金属における原子密度は、上述した4つの各配向面の中でも(111)面の場合に最も高くなり、(111)面は最密である。このような関係の下で[数1]の関係のように、(111)面の配向率([数1L])を40%以上とすることにより、従来と比較して、スパッタリングターゲットの表面から、より多くの銅原子を飛び出させることができる。
本実施形態のスパッタリングターゲットにおいて、[数1L]、すなわち、(111)面の配向率を、上述した(111)面の有する銅原子の放出密度が他の配向面よりも高いという特性を活かすことができる40%以上としている。
その結果、成膜速度を向上させることができる。加えて、スパッタリングターゲットの表面から多くの銅原子を密に飛ばすことにより、膜厚が均一となる銅膜を膜成することができ、低い電気抵抗を確保することができる。
従って、基板やウェハーなどの大型化や、半導体デバイスのゲートや配線の微細化、複雑化が進行しても、信号処理の高速化、高い信頼性の実現を図りつつ、スループット向上による最終製品のコスト低減を図ることができる。
また、[数1L]の分母を[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]のように、4つの配向面のそれぞれのX線回折のピーク強度の和としたのは、次の理由のとおりである。
後述する焼鈍工程により再結晶が行われると、純銅の場合、(111)面、(200)面、(220)面、及び、(311)面が生じ易く、このような主要な4つの配向面のピーク強度の和を[数1L]の分母として用いることで、実際の銅の結晶方位に即した正確な配向率を算出できるからである。
すなわち、[数1]では、実際の銅の結晶方位に含まれる主要な4つの配向面のピーク強度の和を分母として用いた[数1L]が40%以上となる関係を表しているため、主要な4つの配向面のうちの一部である例えば、2つの配向面のピーク強度の和を[数1L]の分母として用いた場合よりも、実際の銅の結晶方位に即した正確な配向率を算出できるからである。
また、スパッタリングターゲットが、上述したように、
[数3a]
I(200)>I(220)
[数3b]
I(200)>I(311)
を満たす結晶方位とすることで、(200)面を、前記各配向面の中でも(111)面に次いで2番目に高い結晶配向率とすることができる。
そして、銅などのFCC金属において、(111)面、(200)面、(220)面、及び、(311)面の各配向面うち、(200)面は、(111)面に次いで2番目に原子密度が高いため、(220)面、及び、(311)面と比較して比較的銅原子を密に飛び出させることができる。
これにより、(111)面とともに、スパッタリングターゲットの表面から銅原子を密に飛び出させることができるため、成膜速度を向上させることができ、電気抵抗の低い均一な膜厚を形成することができる。
しかも、(200)面は、上述したように、(111)面よりも原子密度が低い分、スパッタリングターゲットの表面から低いエネルギーで飛び出させることができるため、(111)面のみの結晶配向率を高くした場合と比較して、銅原子の飛び出しのエネルギーを全体として低く抑えることができ、スパッタリング時の電圧(以下、「スパッタリング電圧」という。)の低減に繋げることができる。
また、スパッタリング時において、上述したように、(111)面は、銅原子を密に飛散することができる一方で、(200)面は、(111)面よりも、銅原子を密に飛散できないが、銅原子の飛び出しエネルギーを低く保つことができという特性を有する。
このため、上述したように、スパッタリングターゲットが、
[数4]
I(200)≧0.42×I(111)
となる関係を満たす結晶方位とすることで、(111)面と(200)面とのそれぞれの配向面の特性を活かすことができるように、最も結晶配向率を高くした(111)面とともに、(200)面の結晶配向率についても、他の配向面と比較して高くすることができる。
このため、銅原子を密に飛散させることにより、高い成膜速度を確保することができつつ、(111)面のみを他の配向面と比較して結晶配向率を高くした場合と比較して、飛び出しのエネルギー(スパッタリング電圧)を低く抑えることができる。
さらに、
[数4’]
I(200)≧0.80×I(111)
となる関係を満たす結晶方位とすることで、他の配向面と比較してI(200)の結晶配向率を[数4]の場合と比較してより高くすることができるため、高い成膜速度を確保することができつつ、より一層、飛び出しのエネルギー(スパッタリング電圧)を低く抑えることができるためより好ましい。
また、スパッタリングターゲットを、結晶粒の粒径が65〜200μmであることを特徴とする。
スパッタリングターゲットは、結晶粒の粒径が大きい場合には、ターゲット表面から銅原子を飛び立たせるために高いエネルギーが必要となる。このため、結晶粒の粒径を65〜200μmという小さな値の範囲に設定することで、ターゲット表面から銅原子を飛び立たせるためのエネルギーを低く抑えることができる。
よって、本発明のスパッタリングターゲットは、ターゲット表面から銅原子を飛び立たせるために高いエネルギーが必要となる配向面である(111)面や(200)面を高い配向率で配向しているため、結晶粒の粒径を小さな値の範囲に設定することは、ターゲット表面から銅原子を飛び立たせるためのエネルギーを低く抑える上で特に有効となる。
さらに、スパッタリングターゲットを、結晶粒の粒径がより小さな値の範囲となる65〜160μmとなるよう形成することがより好ましい。
これにより、結晶粒の粒径の範囲を65〜200μmとした場合比較してターゲット表面から銅原子を飛び立たせるためのエネルギーをより一層低く抑えることができる。
上述したスパッタリングターゲットの製造方法について以下に説明する。
まず、通常の電気銅を硝酸浴中あるいは硫酸浴中で電気精製し、不純物の含有量を極力低減させた銅を真空誘導溶解して99.9%(3N)以上の高純度銅からなるインゴットを得る。インゴットを所定の寸法に切断し、熱間加工用のビレットを作製する。
スパッタリングターゲットは、上述した熱間押出用のビレットを用いて、熱間押出工程、冷間加工、及び、焼鈍工程をこの順を経て作成する。
詳しくは、熱間押出工程において、熱間加工用のビレットを予め500℃を超える温度にして熱間加工をするための準備をしておき、熱間押出により、500〜900℃、より好ましくは660〜800℃の下で熱間押出する。
その後、冷間加工において、50℃/秒以上、より好ましくは80℃/秒〜120℃/秒の冷却速度で室温程度まで冷却している。
焼鈍工程では、銅の再結晶化として例えば、250℃〜400℃、より好ましくは300℃〜400℃の温度で行う。温度が低すぎると、再結晶化せず、温度が高すぎると粒の過大な成長が生じることなる。銅材料に内在する歪は、ターゲット物質の飛び出しに影響を及ぼすため、焼鈍工程を行うことで歪の要因となる内部応力を除去しておくことが有効であり、焼鈍工程により内部応力を除去することができる。
上述した本実施形態の製造方法により製造することで、I(111)の配向率が40%以上となるよう製造することができる。
また、スパッタリングターゲットは、上述したように、[数1L]≧0.55を満たす結晶方位とすることにより、[数L]≧0.40の場合と比較して、各配向面の中でも面密度が高い(111)面の配向率を高くすることができ、スパッタリングターゲットの表面からより多くの銅原子を飛び出させることができる。
これにより、成膜速度をより一層、向上させることができるとともに、スパッタリングターゲットの表面から多くの銅原子を密に飛ばすことにより、電気抵抗の低い均一な膜厚を形成することができる。
以下、効果確認実験について説明する。
(効果確認実験)
効果確認実験では、本発明のスパッタリングターゲットの一実施例として発明例1から6のスパッタリングターゲットを製造するとともに、本発明の比較対照としての比較例1,2のスパッタリングターゲットを製造し、それぞれの膜電気抵抗率、成膜速度を比較した。
発明例1から6、及び、比較例1,2のスパッタリングターゲットは、それぞれ表1に示す純度を有する銅材料からなる。
Figure 0006182296
比較例1,2のスパッタリングターゲットは、従来から行われている一般的な製造方法により製造し、詳しくは、高純度銅からなるインゴットを、熱間圧延、ホットプレス等の熱間加工を行い、続いて冷間圧延などの冷間加工を施した後、最後に熱処理を行い製造したが、熱間圧延では例えば、930°の温度に加熱して行うなど、冷間加工、熱処理工程においても発明例1から6とは異なる従来の製造条件の下で行った。
一方、発明例1から6のターゲット材は、熱間押出工程、冷間加工工程、焼鈍工程をこの順で行い、それぞれ上述した本実施形態のスパッタリングターゲットを製造する製造条件の下で製造した。
発明例1から6、及び、比較例1、2のスパッタリングターゲットは、いずれも上述した工程を経て製造し、旋盤などの任意の機械加工等により所望のターゲット形状まで追加工した状態で用いられる。
これらスパッタリングターゲットの(111)面の配向比、平均結晶粒径、膜電気抵抗率は、表1に示すとおりである。
ここで、(111)面の配向率に関して、比較例1、2のスパッタリングターゲットは、40%より小さいのに対して、発明例1〜6のスパッタリングターゲットは、上述した本実施形態の製造方法により製造することで、発明例1〜4のスパッタリングターゲットについて、いずれも40%以上であり、さらに、発明例5,6のスパッタリングターゲットについて、いずれも55%以上である。
なお、[数1]に示す(111)面の配向比を算出するにあたって必要となる(111)面、(200)面、(220)面、及び(311)面の各配向面のX線回折のピーク強度は、スパッタリングターゲットとして使用される表面からX線を入射させ、各回折面からの強度を測定し、その中から特に高いピークを示した(111)面、(200)面、(220)面、及び(311)面の各配向面のX線回折のピーク強度を算出することで行った。
なお、X線照射の条件は、X線の種類CuKα1、管電圧40kV、管電流20mAとした。
また、平均結晶粒径は、銅材料板における結晶粒径は上述の各部位において、スパッタリングターゲットとして使用される表面にてミクロ組織観察を行い、JIS H 0501(切断法)に基づき結晶粒径を測定し、これを基に算出した。
焼鈍加工の後に行うスパッタリングの追加工では、得られたスパッタリングターゲットのターゲット面の粗さの影響を除外するため、粗さは全て最大粗さRaを0.5〜0.8μmに研磨して揃えた。
上述した発明例1から6のスパッタリングターゲット、及び、比較例1,2のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングし、被スパッタリングターゲット物に成膜した銅膜の膜電気抵抗率、及び、成膜速度を測定した結果、表1のような結果となった。
なお、スパッタリングは、上述のように作成したスパッタリングターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング装置にて、膜厚0.7mmの日本電気硝子社製OA−10ガラス基板にスパッタリングを実施し、0.3μm膜厚の銅配線を作成した。スパッタリング条件は、Arガス圧力を0.3Pa、放電電力を500Wとした。
まず、膜電気抵抗率の結果に着目すると、比較例1,2は、それぞれ2.1[μΩcm]、2.2[μΩcm]であるのに対して、発明例1,2,4〜6では、これら値と略同じ値であるそれぞれ2.2[μΩcm]、2.2[μΩcm]、2.1[μΩcm]、2.1[μΩcm]、2.0[μΩcm]となった。発明例3の場合には1.8[μΩcm]となり、比較例1,2の場合と比較して低い値となった。
これは、発明例3のスパッタリングターゲットは、純度が5N(99.999%)以上からなる高純度銅からなるためであり、平均結晶粒半径が他のスパッタリングターゲットよりも小さいことが要因として考えられる。
また、成膜速度の結果に着目すると、比較例1,2は、いずれも8[Å/s]であるのに対して、発明例1〜6では、12[Å/s]、11[Å/s]、12[Å/s]、10[Å/s]、14[Å/s]、15[Å/s]であり、いずれも比較例1,2と比較して速くなった。特に、発明例5、6では、比較例1,2に対しては勿論、他の発明例1〜4と比較しても大幅に速くなった。
以上より、(111)面の配向率を40%以上にすることで、I(111)の有する銅原子を密に飛び出すという効果を発揮できるため、優れた膜電気抵抗率を確保しつつ、成膜速度の向上を図ることを実証できた。
特に、(111)面の配向率を55%以上にすることで、このようなI(111)の有する効果をより顕著に発揮でき、優れた膜電気抵抗率を確保しつつ、成膜速度のより一層の向上を図ることを実証できた。
本発明のスパッタリングターゲットは、上述した実施形態に限らず、様々な実施形態、製造方法で製造することができる。
例えば、本発明のスパッタリングターゲットは、I(111)、I(200)、I(220)、I(311)が例えば、[数3]の関係、すなわち、I(200)>I(220)、I(200)>I(311)の関係を満たしていることが好ましいが、[数1]、[数2]の関係を満たしている限り、必ずしも[数3]の関係を満たしていない構成をも含む。
同様に、本発明のスパッタリングターゲットは、I(111)、I(200)、I(220)、I(311)が例えば、[数4]の関係、すなわち、I(200)≧0.42×I(111)の関係を満たしていることが好ましいが、[数1]、[数2]の関係を満たしている限り、必ずしも[数4]の関係を満たしていない構成をも含む。

Claims (4)

  1. 純度が99.9%以上である高純度銅からなるスパッタリングターゲットであって、
    スパッタリングを行う面における(111)面、(200)面、(220)面、及び、(311)面の各配向面のX線回折のピーク強度であるI(111)、I(200)、I(220)、I(311)が
    [数1]
    I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]≧0.55
    、且つ、
    [数2]
    I(111)>I(200)、
    I(111)>I(220)、
    I(111)>I(311)及び
    [数3]
    I(200)>I(220)、
    I(200)>I(311)
    となる関係を満たすとともに、
    [数4]
    I(200)≧0.42×I(111)
    となる関係を満たすことを特徴とする
    スパッタリングターゲット。
  2. 前記[数4]を
    I(200)≧0.8×I(111)
    とした
    請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 結晶粒の粒径が65〜200μmであることを特徴とする
    請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法であって、
    純度が99.99%以上である高純度銅の鋳塊を660800℃で熱間押出し、押し出された材料を該熱間押出後に80℃/秒〜120℃/秒の冷却速度で冷却し、300℃〜400℃の温度で焼鈍して製造することを特徴とする
    スパッタリングターゲットの製造方法。
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