JPH11126712A - 張力付与効果の大きい絶縁被膜を有する一方向性電磁鋼板およびその絶縁被膜形成方法 - Google Patents
張力付与効果の大きい絶縁被膜を有する一方向性電磁鋼板およびその絶縁被膜形成方法Info
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- JPH11126712A JPH11126712A JP9291117A JP29111797A JPH11126712A JP H11126712 A JPH11126712 A JP H11126712A JP 9291117 A JP9291117 A JP 9291117A JP 29111797 A JP29111797 A JP 29111797A JP H11126712 A JPH11126712 A JP H11126712A
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Abstract
縁被膜を1000℃以下の焼付温度で形成する。 【解決手段】 ベーマイトゾルに粉砕処理を施し、必要
に応じて種子用α−アルミナを添加した後、一方向性電
磁鋼板に塗布し、加熱焼き付けることにより、1000
℃以下の温度で鋼板に対する付与張力の大きい絶縁被膜
が形成でき、鉄損に低い一方向性電磁鋼板が得られる。
Description
を付与しうる皮膜を形成させたことにより鉄損が低減さ
れた一方向性電磁鋼板とその製造方法に関するものであ
る。
1〕を主方位とする結晶組織を有し、磁気鉄芯材料とし
て多用されており、特にエネルギーロスを少なくするた
めに鉄損の少ない材料が求められている。ところで、5
%以下の珪素を含有する鉄合金は結晶磁気異方性が大き
いゆえ、外部張力を付与すると磁区の細分化が起こり、
鉄損の主要素である渦電流損失を低下させることができ
る。従って、5%以下の珪素を含有する一方向性珪素鋼
板の鉄損の低減には鋼板に張力を付与することが有効で
ある。
程で鋼板表面の酸化物と焼鈍分離剤とが反応して生成す
るフォルステライトを主体とする皮膜(以下仕上焼鈍皮
膜と称する)は、鋼板に与える張力が大きく、鉄損低減
に効果がある。更に、特開昭48−39338号公報で
開示されたコロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコー
ティング液を焼き付けることによって絶縁皮膜を形成す
る方法は、鋼板に対して張力付与の効果が大きく、鉄損
低減に有効である。このため、仕上げ焼鈍工程で生じた
皮膜を残したうえで張力付与型の絶縁コーティングを施
すことが一般的な一方向性電磁鋼板の製造方法となって
いる。
鉄の乱れた界面構造が、鉄損に対する皮膜張力効果をあ
る程度相殺していることが明らかになってきた。そこ
で、例えば、特開昭49−96920号公報や特開平4
−131326号公報に開示されているように、仕上げ
焼鈍工程で生ずるフォルステライト質皮膜を除いたり、
更に鏡面化仕上げを行った後、張力皮膜を改めて付与す
ることにより更なる鉄損低減を試みる技術が開発され
た。
膜を除いた場合、および更に鏡面化を行った場合のいず
れの場合においても、皮膜張力を付与することにより鉄
損は低下する。そこで、絶縁被膜のさらなる高張力化の
試みがなされてきた。特開平6−248465号公報に
示されているように、α−アルミナ皮膜は鋼板に対する
付与張力が大きく、一方向性電磁鋼板の張力付与型絶縁
被膜として期待できる。α−アルミナを形成するための
コーティング原料としては、特にベーマイト構造を有す
るアルミナ水和物を水溶液中に分散させたベーマイトゾ
ル(アルミナゾルとも称される)がある。これは造膜性
が良好であり、コーティング剤として使いやすいことの
理由による。また一般に、コーティング原料として安価
なコロイド状の水和物を用い、金属表面に塗布し焼き付
ける方法は、複雑な設備を必要とせず、工業的に有利で
ある。
ト等のアルミナ水和物を出発物質としてα−アルミナを
得ようとした場合、1200℃以上での高温の加熱処理
を要すると言われている。一方向性電磁鋼板の絶縁被膜
形成工程は、生産性を考慮して連続ラインが用いられて
おり、前述のような高い焼付温度では鋼板の軟化が著し
く、現実性的ではない。従って、ベーマイト等のコロイ
ド状のアルミナ水和物を用いて一方向性電磁鋼板にα−
アルミナ皮膜からなる絶縁被膜を形成しようとするなら
ば、ベーマイトのα−アルミナ化温度を1000℃以下
にする技術が必要となる。
して添加すると、ベーマイトのγ−アルミナを経由した
α−アルミナへの変態温度が低下できることが報告され
ている(M.Kumagai and G.L.Messing:J.Am.Ceram.Soc.,
vol68,p500(1985))。しかしながら、同報告においても
α化温度は1000℃をうわまわっている。現在までの
ところ、ベーマイトから1000℃以下の加熱温度でα
−アルミナを得る方法は報告されていない。
与張力の大きいα−アルミナ質絶縁被膜付与を1000
℃以下の焼付温度で可能にすることにより、鉄損の低い
一方向性電磁鋼板を安価に製造する技術を提供すること
を目的とする。
ゾルを一方向性電磁鋼板の表面に塗布し、α−アルミナ
皮膜を形成するにあたり、1000℃以下の加熱温度で
のα−アルミナ化を達成するために、ベーマイトゾルを
粉砕処理すること、あるいは、さらにこのゾルにα−ア
ルミナ(以下、最終生成物であるα−アルミナと区別す
るために、種子用α−アルミナと称する)添加を行うこ
とを特徴とするものであり、その要旨は以下のとおりで
ある。
にα−アルミナ化温度が1000℃以下のベーマイトゾ
ルから形成された絶縁被膜を有することを特徴とする張
力付与効果の大きい絶縁被膜を有する一方向性電磁鋼
板。 (2)仕上焼鈍後の一方向性電磁鋼板に、10分以上の
粉砕処理を施したベーマイトゾル、もしくは10分以上
の粉砕処理を施した微粉ベーマイト粉を水に分散したゾ
ルを塗布し、750℃以上の温度で焼き付けることを特
徴とする一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
に、平均粒径0.5μm以下のα−アルミナが添加さ
れ、かつ10分以上の粉砕処理が施されたベーマイトゾ
ルもしくは10分以上の粉砕処理が施された微粉ベーマ
イト粉を水に分散したゾルを塗布し、750℃以上の温
度で焼き付けることを特徴とする一方向性電磁鋼板の絶
縁被膜形成方法。
イドミルによって行うことを特徴とする上記(2)また
は(3)記載の一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。 (5)ベーマイトに対するα−アルミナの添加量が50
重量%以下であることを特徴とする上記(3)または
(4)記載の一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
が、仕上焼鈍で生ずる無機鉱物質皮膜を除去したもの、
仕上焼鈍で生ずる無機鉱物質皮膜を除去した後鋼板表面
を鏡面化したもの、仕上げ焼鈍工程での無機鉱物質皮膜
の形成を意図的に阻害したもの、或いは仕上げ焼鈍工程
での無機鉱物質皮膜の形成を意図的に阻害し鋼板表面を
鏡面化したものであることを特徴とする上記(2),
(3),(4)または(5)記載の一方向性電磁鋼板の
絶縁被膜形成方法。
はベーマイトゾルに対して粉砕処理を施すことによって
α−アルミナ化温度が1000℃以下になること、およ
び粉砕処理に種子用アルミナを添加することによりさら
に著しくα化温度を低下できるとの知見に基づいてい
る。
均粒径0.1μm)を添加量を変えて分散させ、ボール
ミルによる粉砕処理を30分間行い、これを乾燥してゲ
ル化させた後、各種温度まで加熱した。それぞれの試料
につき冷却後X線回析を行い、α−アルミナ化温度を調
べた。ここで言うα化温度は、原料物質のα−アルミナ
への変態がほぼ100%完了する温度である。
る。種子用α−アルミナを添加せず、かつ粉砕処理をし
ない場合のα化温度は1100℃であり、種子用α−ア
ルミナの添加によりα化温度が低下するが、1000℃
以下にはならない。これに対し、粉砕処理を施した場合
には、種子用α−アルミナの添加を添加せずとも100
0℃でα化している。また、種子用α−アルミナを添加
すればα化温度をさらに低下させることができ、50%
の添加では750℃付近まで下がっている。
理した後一方向性電磁鋼板に塗布した場合には、100
0℃以下の加熱処理によりα−アルミナ皮膜からなる絶
縁被膜が施せることがわかる。また、これに種子用α−
アルミナを添加して塗布した場合には、更に低い加熱温
度でこれが実現できることになる。アルミナ水和物のボ
ールミル粉砕時にアルミナボールを用いて処理を行う
と、アルミナボールの磨砕粉が発生し、これによってア
ルミナ水和物のα化温度が低下することが報告されてい
る(吉澤友一、齋藤文良:J.Ceram.Soc.,Jpn., vol104,
p867(1996)) 。本発明者らは、ベーマイトのα化温度の
低減に関する粉砕処理効果は、このアルミナボールの磨
砕粉による効果とは異なると考えている。これは、α化
温度の低下を達成するに十分な量のアルミナ粉を、アル
ミナボールの磨砕効果によって得るためには、数時間な
いし数十時間の処理が必要であり、これに対し、図1の
ような効果はせいぜい数十分の処理で得られるからであ
る。図1から、仮に粉砕効果によって1100℃から1
000℃にα化温度を下げるためには、約20%の種子
用α−アルミナを添加しなければならないことになる
が、僅か30分のボールミル粉砕により、20%のα−
アルミナ磨砕粉が生成するとは考え難い。
の劇的低減は理由を別に求めなければならない。本発明
者らは、現在のところこれを以下のように推定してい
る。ベーマイトゾル中において、ベーマイト粒子は二次
凝集している可能性がある。粉砕処理により二次凝集が
ほぐれ、ベーマイト粒子の分散性が向上し、これがα化
温度低下の原因と考えられる。
種子用α−アルミナ添加のα化温度低下効果は増大して
いる。これは、ベーマイト粒子の二次凝集がほぐされた
ことにより、種子用α−アルミナとの混合が均一化され
た結果と解釈している。いずれにしても、ベーマイトの
粉砕処理は、単にそれ自体α化温度低下に効果を発揮す
るのみならず、種子用α−アルミナの効果を促進するこ
とにもなっているといえる。
理時間が30分間であったが、α−アルミナ化温度の粉
砕処理時間依存性を調査したところ、10分以上の粉砕
処理で図1に示したものとほぼ同じ効果が発揮されるこ
とがわかった。次に本発明の実施形態を述べる。本発明
において対象とする一方向性電磁鋼板は、公知の方法に
よって製造されたものなら、いずれのものでも良い。す
なわち、一方向性電磁鋼板は(110)〔001〕を主
方位とする結晶組織を有するがゆえに、鋼板への付与張
力によって鉄損値が低下させ得る電磁鋼板すべてに効果
を発揮するものと考えている。通常の一方向性電磁鋼板
はSiを含有するため脱炭焼鈍工程でSiO2 を主体と
するサブスケールが生成し、仕上焼鈍(コイル焼鈍)で
の鋼板の焼付を防止するためにMgOを主体とする焼鈍
分離剤を塗布した後に仕上焼鈍を行うために、仕上焼鈍
でSiO2 とMgOが反応して生ずるフォルステライト
を主体とする焼鈍皮膜が形成されている。しかしなが
ら、本発明は、例えば、特開昭64−62417号公報
に開示されている焼鈍分離剤に塩化物を加えることによ
り仕上焼鈍皮膜の生成を抑制した一方向性電磁鋼板、特
開平7−54155号公報に開示されている焼鈍分離剤
にBiの塩化物を添加することによって仕上焼鈍皮膜の
形成を防止しかつ鋼板表面を鏡面化した一方向性電磁鋼
板、特開平5−195062号公報に開示されている焼
鈍分離剤としてアルミナ等の不活性酸化物を用い仕上焼
鈍雰囲気を制御することにより仕上焼鈍皮膜の形成を防
止しかつ鋼板表面を鏡面化した一方向性電磁鋼板、ある
いは特開平8−3648号公報に開示されているアルカ
リ金属酸化物を含有するアルミナを焼鈍分離剤として用
いることにより仕上焼鈍皮膜の形成を防止しかつ鋼板表
面を鏡面化した一方向性電磁鋼板等、仕上焼鈍皮膜のな
い或いは更に鏡面化した一方向性電磁鋼板にも適用でき
る。仕上焼鈍皮膜が無い一方向性電磁鋼板に張力付与型
の絶縁被膜を直接形成した場合には焼付後の被膜の密着
性が悪いが、特開平6−184762号公報に開示され
ているように、絶縁被膜を形成するに先立ち鋼板表面に
SiO2 膜を形成させる方法を採用することによって密
着性を改善できる。
磁鋼板に、本発明による張力付与型絶縁皮膜形成と、特
開昭57−2252号公報や特開昭59−255928
号公報等に開示されているレーザー照射処理やプラズマ
照射、特開昭61−117218等に開示されている鋼
板表面への歯形ロールによる溝形成、特公平3−699
68号公報等に開示されているエッチングによる溝形
成、特開昭61−75506等に開示されているレーザ
ー照射による溝形成等の、いわゆる磁区細分化処理技術
と組み合わせることにより、極めて鉄損の低い一方向性
電磁鋼板が製造できる。
市販品(場合によりアルミナゾルとも称される)を用い
ても良く、また、例えば、各種アルミニウム塩、アルミ
ニウムアルコキシドの加水分解等の公知の方法で合成し
ても良い。また、VistaChemical社から販
売されているベーマイト微粉末、商品名:Catapa
lあるいはDispalは、希酸もしくは水に容易に分
散し、ベーマイトゾルを作成することができる。
ルミル、コロイドミル等を利用できる。粉砕は乾式、溶
媒を用いた湿式のいずれでも良い。たとえば、Vist
aChemical社から販売されている上記Cata
palあるいはDispalのように、溶媒に分散する
とコロイド状になるベーマイト微粉末は、乾式で粉砕処
理を行った後水に懸濁しても良いし、また、粉砕処理前
に水に懸濁し湿式で粉砕処理を行ってもかまわない。い
ずれの粉砕処理手段を用いた場合でも、処理時間10分
以上で効果が発揮される。
種子用α−アルミナを添加する。種子用α−アルミナは
なるべく粒子の細かいものが望ましく、平均粒径0.5
μm以上では効果が殆どない。このような目的に適した
市販のα−アルミナとして、住友化学工業(株)製商品
名:AKP−50があげられる。種子用α−アルミナ添
加量はα化温度との対応で決めることができるが、ベー
マイトに対して50重量%以下とする。その理由は、5
0%を越えて添加しても添加量に見合う効果が無く非経
済であるばかりでなく、ベーマイトの有する良好な造膜
性を損ねるからである。
しても良いが、粉砕処理の前に添加した方がベーマイト
ゾルとの混合が均一になり好ましい。また、以下のよう
な工夫をすることにより、種子用α−アルミナを意図的
に添加することなしに、極めて低いα化温度を得ること
ができる。すなわち、ミル媒体(ボールミルの場合はボ
ール、コロイドミルの場合は砥石)にα−アルミナ製の
ものを採用し、処理時間を数ないし数十時間確保する。
この場合にはベーマイトの粉砕処理と、ミル媒体の磨砕
による種子用α−アルミナ添加が、同一工程で行われる
ことになる。
ゾルもしくは水に分散した微粉ベーマイト粉末を一方向
性電磁鋼板に塗布し、750℃以上の加熱温度で焼き付
ける。750℃以下の焼付温度では皮膜がα−アルミナ
化しない。塗布方法としては公知のロールコート法、噴
霧法、浸漬法等、いずれでも良い。
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
実施例における種子用α−アルミナの添加量は、ベーマ
イトに対する重量%換算である。したがって、ベーマイ
トゾルの場合、ゾル乾燥重量に対する重量%となる。 〔実施例1〕ベーマイトゾル(日産化学社製商品名:A
S−520)に、一部のゾルには種子用α−アルミナ
(住友化学工業(株)製商品名:AKP−50)を添加
した後、ボールミルもしくはコロイドミルにより湿式で
粉砕処理を施した。比較例として粉砕処理を施さないも
のも用意した。これを仕上焼鈍済みの3%のSiを含有
する一方向性電磁鋼板(板厚0.23mm、フォルステラ
イトを主体とする仕上焼鈍皮膜付き)に塗布し、所定の
温度で焼き付けた。焼付後の膜厚はすべて2μmであ
る。なお、その後一部の試料について、特開昭57−2
252号公報に開示されているレーザー照射もしくは特
開昭61−117218号公報等に開示されている鋼板
表面への歯形ロールによる溝形成によって、磁区細分化
処理を施した。ただし、溝形成による場合は、溝形成を
絶縁被膜形成前に行った。絶縁被膜の比較例としてコロ
イダルシリカと燐酸塩からなる従来の絶縁被膜(焼付後
膜厚2μm)を施した。処理条件と磁気特性(B8:8
00A/mにおける磁束密度、W17/50:50H
z,1.7Tにおける鉄損値)評価結果を表1に示す。
たNo.1の一方向性電磁鋼板では付与張力が低く、
0.8W/kgを下回る鉄損値を得ることは困難である。
また、ベーマイトゾルを用いた場合の中で、粉砕処理を
施さないベーマイトゾルを1000℃以下で焼き付けた
No.2およびNo.3では、絶縁被膜による付与張力
が無いためと思われるが、従来の絶縁被膜を施した場合
よりもむしろ大きな鉄損値を与えてしまう。これに対
し、本発明の粉砕処理を施したベーマイトゾルを用いた
No.4〜8では、0.8W/kg以下の鉄損値が得ら
れ、かつこれが1000℃以下の焼付温度で実現されて
いる。これは鋼板に対する付与張力の大きい絶縁被膜が
得られた結果であると解釈できる。種子用α−アルミナ
を添加したNo.5〜8の場合には、特に低い焼付温度
で効果が得られている。また、No.8は、本発明によ
る絶縁被膜形成技術を、磁区細分化処理と組み合わせて
一方向性電磁鋼板に適用することにより、極めて鉄損の
低いが得られている。 〔実施例2〕微粉ベーマイト粉末(Vista Che
mical社製商品名:Dispal)に、種子用α−
アルミナ(住友化学工業(株)製商品名:AKP−5
0)を添加した後、ボールミルもしくはコロイドミルに
より湿式若しくは乾式粉砕処理を施し、乾式粉砕の場合
にはその後に水に分散させてコロイド液を作成した。こ
れを、特開平8−3648号公報に開示されているアル
カリ金属酸化物を含有するアルミナを焼鈍分離剤として
用いることにより仕上焼鈍皮膜の形成を防止しかつ鋼板
表面を鏡面化した一方向性電磁鋼板(板厚0.23mm)
に塗布し、所定の温度で焼き付けた。焼付後の膜厚はす
べて2μmである。なお、いずれのコーティング液を焼
き付けるに際しても、特開平6−184762号公報に
開示されている方法によって、絶縁被膜を形成するに先
立ち鋼板表面にSiO2 膜を形成させ、皮膜密着性を確
保した。その後、特開昭57−2252号公報に開示さ
れているレーザー照射もしくは特開昭61−11721
8号公報等に開示されている鋼板表面への歯形ロールに
よる溝形成によって、磁区細分化処理を施した。ただ
し、溝形成による場合は、溝形成は絶縁被膜形成前に行
った。絶縁被膜の比較例としてコロイダルシリカと燐酸
塩からなる従来の絶縁被膜(焼付後膜厚2μm)を施し
た。処理条件と磁気特性(B8:800A/mにおける
磁束密度、W17/50:50Hz,1.7Tにおける
鉄損値)評価結果を表2に示す。
に張力付与型の絶縁被膜を形成し、さらに磁区細分化処
理を施すことにより、良好な良好な鉄損値を得ることが
できるが、このときに本発明による絶縁被膜形成技術を
適用するならば、No.2〜6のように0.7W/kgを
はるかに下回る極めて鉄損の低い一方向性電磁鋼板が得
られることがわかる。
縁被膜を一方向性電磁鋼板に適用することにより、鋼板
に対する付与張力の大きい絶縁被膜を形成することがで
き、これによって鉄損の低い一方向性電磁鋼板が製造で
き、その工業的効果は大きい。
マイトに対する粉砕処理および種子用α−アルミナ添加
効果を示す図。
Claims (6)
- 【請求項1】 仕上焼鈍後の一方向性電磁鋼板表面にα
−アルミナ化温度が1000℃以下のベーマイトゾルか
ら形成された絶縁被膜を有することを特徴とする張力付
与効果の大きい絶縁被膜を有する一方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 仕上焼鈍後の一方向性電磁鋼板に、10
分以上の粉砕処理を施したベーマイトゾル、もしくは1
0分以上の粉砕処理を施した微粉ベーマイト粉を水に分
散したゾルを塗布し、750℃以上の温度で焼き付ける
ことを特徴とする一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方
法。 - 【請求項3】 仕上焼鈍済後の一方向性電磁鋼板に、平
均粒径0.5μm以下のα−アルミナが添加され、かつ
10分以上の粉砕処理が施されたベーマイトゾルもしく
は10分以上の粉砕処理が施された微粉ベーマイト粉を
水に分散したゾルを塗布し、750℃以上の温度で焼き
付けることを特徴とする一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形
成方法。 - 【請求項4】 粉砕処理をボールミルもしくはコロイド
ミルによって行うことを特徴とする請求項2または3記
載の一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。 - 【請求項5】 ベーマイトに対するα−アルミナの添加
量が50重量%以下であることを特徴とする請求項3ま
たは4記載の一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。 - 【請求項6】 仕上焼鈍済みの一方向性電磁鋼板が、仕
上焼鈍で生ずる無機鉱物質皮膜を除去したもの、仕上焼
鈍で生ずる無機鉱物質皮膜を除去した後鋼板表面を鏡面
化したもの、仕上げ焼鈍工程での無機鉱物質皮膜の形成
を意図的に阻害したもの、或いは仕上げ焼鈍工程での無
機鉱物質皮膜の形成を意図的に阻害し鋼板表面を鏡面化
したものであることを特徴とする請求項2,3,4また
は5記載の一方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
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