JP3933225B2 - 方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgO粉の調合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、方向性電磁鋼板の製造工程中とくに最終仕上げ焼鈍工程において、均一で優れた被膜特性を有するフォルステライト質グラス被膜を形成すると共に、優れた磁気特性を得るために用いられる焼鈍分離剤用のMgO粉の調合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
方向性電磁鋼板は、軟磁性材料として、主に変圧器または回転機などの鉄心材料として使用され、特性的には磁束密度が高く、かつ鉄損、磁歪が小さいことが要求される。
かような方向性電磁鋼板の表面には、特殊な場合を除いて、フォルステライト (Mg2SiO4)質グラス被膜が形成されているのが一般的である。この被膜は、表面の電気的絶縁だけでなく、その低熱膨張性に起因した引張張力を鋼板に付与することにより、鉄損さらには磁歪の改善にも寄与している。
【0003】
形成されたグラス被膜は、当然のことながら、均一かつ欠陥がなく、しかもせん断、打ち抜きおよび曲げ加工などに耐える密着性の優れたものでなければならない。
また、平滑で、鉄心に積層したときに高い占積率を有するものでなければならない。
【0004】
方向性電磁鋼板の表面にグラス被膜を形成させるには、所定の最終板厚に冷間圧延した後、脱炭・1次再結晶焼鈍、すなわち湿水素中で 700〜900 ℃の温度での連続焼鈍によって、冷間圧延後の組織を1次再結晶させると共に、磁気余効の原因となるCをできる限り減少させ、また同時に酸化によりシリカを主成分とするサブスケールを鋼板表面に生成させ、その後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板上に塗布してから、コイルに巻き取り、還元または非酸化性雰囲気中にて1000℃から1200℃程度の温度での高温仕上げ焼鈍を施すことにより行われる。
かくして、次式で示される反応が生じて、フォルステライト質絶縁被膜が形成される。
2MgO + SiO2 → Mg2SiO4
【0005】
このグラス被膜は、上述したとおり、仕上げ焼鈍時に形成されるが、その形成挙動は、鋼中のインヒビター成分であるMnS, MnSe, AlNなどの挙動に影響を与えるため、優れた磁気特性を得るための必須の過程である2次再結晶そのものにも影響を及ぼす。
すなわち、仕上げ焼鈍途中の昇温過程およそ 900℃あたりの温度域において、被膜形成反応の遅れや不均一な進行が生じた場合、あるいは形成した被膜がポーラスな構造を呈した場合には、焼鈍雰囲気からOやNが鋼中に侵入し易くなるため、鋼中のインヒビターが分解したり、粗大化または過剰化する。また、被膜形成反応が低温域から進行すると、被膜へのインヒビターの吸い上げも低温から生じ、その結果、鋼中のインヒビター不足をきたす。
以上のような現象が生じると、2次再結晶組織のゴス方位への集積度は低くなり、磁気特性が劣化する。
【0006】
さらに、形成されたグラス被膜は、2次再結晶が完了して不要となったインヒビター成分をグラス被膜中に吸い上げ、鋼を純化する働きがあり、鋼板のヒステリシス損の低減に役立つ。
従って、このグラス被膜を均一に形成することは、方向性電磁鋼板の製品品質を左右する重要なポイントの一つである。
【0007】
仕上げ焼鈍におけるインヒビターの安定性は、脱炭焼鈍で鋼板表面に形成されたサブスケール、焼鈍分離剤および仕上げ焼鈍時の熱サイクルや雰囲気条件等の影響を受ける。これらの中でとりわけ焼鈍分離剤用の主剤として用いられるMgOの性状は、グラス被膜形成速度、形成開始温度、形成量、被膜の均一性、被膜密着性およびコイル層間の雰囲気酸化度などに多大な影響を及ぼし、グラス被膜の形成を介して鋼中インヒビターの安定性に影響を与える。
【0008】
このようなグラス被膜形成において、MgO性状として特に粒度、純度および活性度の他、鋼板への塗布時における水和量、焼鈍分離剤の塗布量、焼鈍分離剤塗布膜の均一性、焼鈍分離剤と脱炭焼鈍板との密着性などの影響が大きく、さらにグラス被膜形成促進などを目的として添加される添加剤の種類、添加量および鋼板表面での分散状態が、グラス被膜の形成速度、形成開始温度、形成量、被膜の均一性および被膜密着性に影響を及ぼす。
このように、方向性電磁鋼板の製品品質を決定する上で重要なグラス被膜と磁気特性に対して、MgOの性状や鋼板面上での焼鈍分離剤の塗布状態を制御することが重要であり、現在、これらの技術開発が重要な課題となっている。
また、昨今は、大量生産するために製造ラインの通板速度が高速化されており、その意味でも焼鈍分離剤の塗布状態の制御が重要な課題となっている。
【0009】
方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤は、MgOとフォルステライト質グラス被膜形成促進を目的とした添加剤やインヒビター補強を目的とした添加物などを各種添加・配合し、水と懸濁させてスラリーとしたのち、シェアーインペラなどの攪拌装置を備えたタンク内で攪拌分散させたあと、ゴムロールなどの塗布装置により鋼板表面上に塗布され、引き続き乾燥される。
この場合、MgO表面には、乾燥された後も物理的に表面吸着したH2Oが存在する他、一部が水和して Mg(OH)2に変化する。これらのH2Oは、仕上げ焼鈍中 800℃あたりまで少量ながら放出し続けるため、鋼板表面は酸化される。
このような酸化現象は、追加酸化と呼ばれ、フォルステライトの生成挙動に影響を及ぼすと共に、インヒビターの酸化・分解につながることから、これが多いと磁気特性の劣化を招く。
【0010】
低水和なMgOを用いて上記した追加酸化を抑制する場合は、MgO製造工程において高温焼成したMgOが採用される。
しかしながら、高温焼成した場合は、MgO粒子内の微細結晶が焼結し、さらにはMgO粒子同士が凝集・焼結する傾向が強く、焼鈍分離剤塗布後の鋼板表面において、鋼板とMgOの接触面積低下に起因する焼鈍分離剤の密着性の低下を招くだけでなく、焼鈍分離剤を塗布した場合の膜厚および密度に不均一が生じる。加えて、このような場合は、スラリー粘度が過度に低下し、乾燥中に鋼板上のスラリーが乾燥炉内の気流に流されて非常に不均一な模様を呈するようになり、高速塗布性が劣化する。
【0011】
また、MgO本来の固相反応性を高めるため、1.0 μm 以下の含有率が70%以上(レーザー回折式粒度分析計による測定)の微細なMgOを用いた場合は、MgO粒子同士の凝集が起こり易く、水に懸濁させた際に、粗大粒子を形成し、焼鈍分離剤塗布表面の均一性が損なわれるだけでなく、MgO粗大凝集粒中における焼鈍分離剤の添加物濃度が低下するため、焼鈍分離剤添加物の均一分散を阻害することになり、鋼板表面に対して焼鈍分離剤添加物を均一に分散した状態で塗布できなくなる。
【0012】
このようなMgOの過焼結やMgOスラリー中での凝集による、被膜形成反応の不均一および反応性の低下や焼鈍分離剤と鋼板の密着性の低下による問題を解決する手段として、従来は、MgO自体の水和性を適当に調整する方法やMgO物性値をMgO製造工程で制御して凝集を防止する方法などが提案されているが、十分な効果が得られているとは言いがたい。
例えば、特公昭60-33896号公報には、MgOの不純物を高温焼成により排除し、かつMgOスラリー調合工程にてMgOの最表面のみを活性化させ、持ち込み水分(MgO水和量)を低減させる方法が、また特開昭62−156226号公報には、比較的高温で焼成した低水和MgOのごく表面層のみに所定量の水和層を形成させ、活性化したMgOを使用する方法が開示されている。さらに、特開平2−267278号公報には、MgOを 100℃水蒸気含有気相中で処理して、OH化学吸着層をH2O換算でMgO重量に基づいて 0.8〜2.5 %の範囲で形成させる方法が開示されている。
【0013】
これらは、焼鈍分離剤スラリーを鋼板表面に塗布する際、MgO粒子表面を高温にて特殊な処理を施すことにより、MgOの表面エネルギーを低下させて、MgO同士の凝集を低減させる技術である。MgOの最表面層は Mg(OH)2化しており、表面層の Mg(OH)2が仕上げ焼鈍の途中でMgO化することで被膜形成を確保しようとするものである。
しかしながら、MgO粒子内部はMgO製造時に高温焼成されているため、MgO内部の固相反応性は低いことから、反応促進を目的とした添加剤を必要以上に添加することが不可欠なだけでなく、MgOのフォルステライト質グラス被膜の形成能が不十分な場合がある。
【0014】
その他、特開平5−295423号公報には、低水和のMgOを用い、MgOを水に懸濁させたスラリーを鋼板に塗布するに際し、スラリー調整から鋼板塗布までの過程で超微細粉装置により微細化と活性化を行うことにより、グラス被膜を均一に形成し、優れた磁気特性を得る方法が開示されている。
この方法によれば、スラリー調整から鋼板塗布までの間に焼鈍分離剤塗布液を機械的に破壊することによって、鋼板表面の塗布均一性は確保できるものの、MgOスラリーは沈降堆積し固結し易い性質があるため、破砕機の狭い間隔が閉塞する危険性がある。また、メンテナンスが煩雑なので、大量生産ラインには不向きという不利もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤の塗布に際し、下記の課題を解決しようとするものである。
課題1
高温焼成されたMgOを使用した場合、MgO粒子内の微細結晶が焼結し、さらにはMgO粒子同士が凝集・焼結する傾向が強く、焼鈍分離剤塗布後の鋼板表面において、鋼板とMgOの接触面積低下に起因する焼鈍分離剤の密着性の低下、焼鈍分離剤塗布層の膜厚および密度に不均一を生じる。加えて、このような場合はスラリー粘度が過度に低下し、乾燥中に鋼板上のスラリーが乾燥炉内の気流に流されて非常に不均一な模様が発生し、高速塗布性が劣化する。
【0016】
課題2
MgO本来の固相反応性を高めるため、1.0 μm 以下の含有率が70%以上(レーザー回折式粒度分析計による測定)の微細なMgOを用いた場合は、MgO粒子同士の凝集が起こり易く、水に懸濁させた際に、粗大粒子を形成し、焼鈍分離剤塗布表面の均一性が損なわれるだけではなく、MgO粗大凝集粒中における焼鈍分離剤の添加物濃度が低下するため、焼鈍分離剤添加物の均一分散を阻害することになり、鋼板表面に対する焼鈍分離剤添加物の均一分散が阻害される。
【0017】
この発明では、上記の問題を有利に解決するもので、方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤の塗布に際し、高速塗布性に優れ、しかもMgOスラリーの凝集体形成による問題が生じない焼鈍分離剤用のMgO粉の調合方法を提供し、ひいては方向性電磁鋼板の製造に際し、最終仕上げ焼鈍工程において、均一で優れた被膜特性を有するフォルステライト質グラス被膜を形成すると共に、優れた磁気特性を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍から仕上げ焼鈍までのフォルステライト質グラス被膜形成過程において、均一なグラス被膜を形成し、かつ優れた磁気特性が得られる製造方法について検討した。特に焼鈍分離剤用のMgOの性状がスラリー時の凝集体生成に及ぼす影響について検討した結果、MgOスラリーの凝集特性が特定の範囲にあるMgO粉を用いることにより、所期した目的が達成されることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0019】
すなわち、この発明は、クエン酸活性度分布および粒度分布の分布幅がそれぞれ広い1種の Mg O粉の Mg Oスラリー調合前の撹拌処理により、またはクエン酸活性度分布および粒度分布がそれぞれ異なる数種の Mg O粉の混合処理により、焼鈍分離剤用のMgO粉を調合するに当たり、該MgO粉を水に懸濁させてMgOスラリーとした際、該MgOスラリーの粒度分布を下記の条件によりレーザー回折式粒度分布計で測定した時の累積90%径が、
a)上記スラリーの撹拌速度が 400 rpm のとき 20 〜 90 μ m 、
b)上記スラリーの撹拌速度が 1000rpm のとき 3.5 〜 10 μ m 、
c)上記スラリーの撹拌速度が 1500rpm のとき 2.5 〜 8.0 μ m
の全てを満足するように、上記撹拌処理または上記混合処理を行うことを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgO粉の調合方法である。
記
容量: 1000ml のトールビーカー( JIS R 3503 に準拠)に入れた液温: 20 ℃の水: 500 cc に対して Mg O: 80 gを混合し、 Mg Oスラリーとし、4枚羽(羽の長さ: 25mm) のかい十字型の撹拌機を用い、羽をトールビーカーの中央部でかつビーカー底から高さ: 30mm の位置にセットし、所定の撹拌速度で5分間の撹拌処理を施す。撹拌時はスラリー液温を 20 ℃に保ち、所定の撹拌速度で5分間の Mg Oスラリー撹拌処理の終了後、直ちにスラリー液を採取し、レーザー回折式の粒度分布計にて粒度分布を測定する。粒度分布計の分散媒としては水を使用し、水の液温は室温( 15 〜 25 ℃ ) とする。
【0020】
また、この発明において、原料であるMgO粉としては、バッチ炉またはロータリーキルン焼成により得られたMgO粉がとりわけ有利に適合する。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、MgOを水に懸濁させた場合に生成する凝集粒子の粒度分布を、レーザー回折式粒度分析計にて測定するMgOの凝集性テストの手順について説明する。
手順1)
容量:1000mlのトールビーカー(JIS R 3503に準拠)に入れた液温:20℃の水:500 ccに対してMgO:80gを混合し、MgOスラリーとする。この時、4枚羽(羽の長さ:25mm) のかい十字型の攪拌機を用い、羽をトールビーカーの中央部でかつビーカー底から高さ:30mmの位置にセットし、所定の攪拌速度で5分間の攪拌処理を施す。なお、攪拌時はスラリー液温を20℃に保つ。
手順2)
5分間のMgOスラリー攪拌処理が終了したら、直ちにスラリー液を採取し、レーザー回折式の粒度分布計にて粒度分布を測定する。この時、粒度分布計の分散媒としては水を使用し、水の液温は室温(15〜25℃) とする。
手順3)
スラリー攪拌速度を変化させて、手順1)、2)を繰り返す。
【0022】
さて、水酸化マグネシウムをロータリキルン焼成し、表1および図2に示す粉体特性に示すMgO粉について、MgOスラリーの凝集粒分布について調査した結果を、図3および図4に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
図2は、MgO粉No.1の粉体について、その平均粒子径を超音波ホモジナイザーを用いて、レーザー回折式粒度分布計により求めた結果を示したものである。
図3は、No.1のMgO粉をスラリー化した際に生成する凝集粒の粒度分布を示しており、この時のスラリー攪拌速度は1000 rpmである。
図2に示したように、No.1の粒子は平均粒子径:0.59μm と小さく、かつ1μm 以下の粒子の占める割合は86%と細粒であるが、ライン設備に近い調合を実施すると、図3に示したように、50μm 前後の粗大な凝集粒が生成し、累積90%径は49.4μm となる。
【0025】
図4は、No.1のMgOのスラリー凝集特性を示し、スラリー攪拌速度を変化させてMgOスラリーの粒度分布を測定して累積90%径の変化を測定したものであ。
同図より明らかなように、MgOスラリー調合時における攪拌速度が速いほど累積90%径が低下し、凝集粒サイズが低下していくことが判る。
なお、凝集粒生成挙動は累積90%径を評価する以外に、例えば、10, 20μm 以上の粒子含有率や累積80%径、また分散粒の重量と凝集粒の重量比率でも評価可能である。
上記した凝集性テストにより、MgOをスラリー化した際に生成する凝集粒のサイズおよび量を定量的に評価することができる。
【0026】
次に、MgO粉No.1の凝集粒の構造について詳細な調査を実施した結果、凝集粒は細長い10〜20μm 長の低次の凝集体がネットワークを形成しており、粗大な凝集体は低次凝集体がフロキュレートした高次凝集体となっていることが判明した。
そこで、発明者らは、次に、かかる高次凝集体の形成に関わるMgO粉体特性の影響および高次凝集体の形成を防止する方法について鋭意検討した結果、以下に述べる知見を得た。
【0027】
高次凝集体の形成に関わる Mg O粉体特性の影響
(1) 高次凝集体の形成は、1μm 以下の粒子の含有率(レーザー回折式粒度分析計によるMgO粒度分布結果)が50%以上になると顕在化してくる。
(2) MgO粒度分布およびクエン酸活性度分布が比較的シャープな場合に高次凝集体が形成され易い。
(3) 高次凝集体の形成が顕著なNo.1のようなMgOでは、攪拌速度の高速化および攪拌時間の長時間化によっても凝集が破壊されにくい。
【0028】
高次凝集体の形成を防止する方法
(1) 高次凝集体の形成を防止するには、低次凝集体のフロキュレートを阻止することが肝要である。
(2) 低次凝集体のフロキュレートは、低次凝集体を形成しているMgOとクエン酸活性度および粒度分布が異なるMgOが隣接して存在することにより防止される。すなわち、数種のMgOを混合処理することにより低次凝集体のフロキュレートを防止できる。
(3) MgO粒度分布およびクエン酸活性度が比較的広いMgOの場合、MgOスラリー調合前に撹拌処理を実施するとさらに凝集粒生成が抑制される。
【0029】
上記の知見に基づき、以下に述べる実験を行った。
MgO製造条件が異なる表2示す各種MgO粉について、MgOスラリー凝集特性およびMgOスラリー塗布・乾燥後の外観および密着性を調査した。
得られた結果を図5と表3にそれぞれ示す。
なお、図5中のMgO粉No.8〜11は、それぞれ以下の処理を施したものである。
MgO粉No.8:No.1を8割とNo.4を2割混合処理したもの。
MgO粉No.9:No.2を5割とNo.3を4割とNo.4を1割混合処理したもの。
MgO粉No.10 :No.5のみを攪拌処理したもの。
MgO粉No.11 :No.7のみを攪拌処理したもの。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
表3に示したとおり、凝集性テストの結果、累積90%径が大きいMgOは、MgOスラリー塗布後の外観が劣化することが判明した。
すなわち、No.1単独では巨大な凝集粒が形成され、MgOスラリー塗布後の外観は不良である。しかしながら、No.4との混合処理を行ったNo.8では、凝集性テスト時の累積90%径は格段に低くなり、MgOスラリー塗布後の外観は大幅に改善されている。この理由は、No.1よりも活性度が低いNo.4を配合・混合することにより、No.1の低次凝集体が集合するのをNo.4のMgO粒子が妨げ、結果的に低次凝集体のフロキュレートの形成が阻止されるからである。
同様に、No.2単独では大きな凝集粒が形成されたものの、No.2:5割、No.3:4割、No.4:1割を混合処理したNo.9では、各々のMgO単独使用の場合よりも、MgOスラリー塗布後の外観および鋼板との密着性が改善されている。
【0033】
また、No.1, 2,3,4および6よりも広い活性度分布を有するNo.5, 7の場合は、構成しているMgOの粒度および活性度にバラツキがあるため、低次凝集体のフロキュレートは生成しにくく、従って凝集性テストによる累積90%径は比較的小さく、またMgOスラリーの塗布外観も良好である。しかも、このNo.5, 7では、スラリー調合前に粉体の撹拌処理を行うことにより(No.10, 11)、構成しているMgOの粒度および活性度のバラツキが有効に活かされ、さらに凝集性が低下することが判る。
なお、かかる撹拌処理または混合処理の方法、処理量および処理時間等は特に限定されるものではなく、この発明にて限定される図1の点A、B、C、D、EおよびFに囲まれる領域を満足するようなMgOスラリー凝集特性とすることが肝要である。
ここに、図1中における各点の座標(スラリー撹拌速度; rpm , 累積 90 %径;μ m) は、次のとおりである。
点A=( 400, 20 )、 点B=( 1000, 3.5 )、 点C=( 1500, 2.5 )、
点D=( 1500, 8.0 )、点E=( 1000, 10 )、 点F=( 400, 90 )。
従って、換言すると、 Mg O粉を水に懸濁させて Mg Oスラリーとした際、該 Mg Oスラリーの粒度分布をレーザー回折式粒度分布計で測定した時の累積 90 %径が、
a)スラリーの撹拌速度が 400 rpm のとき 20 〜 90 μ m 、
b)スラリーの撹拌速度が 1000rpm のとき 3.5 〜 10 μ m 、
c)スラリーの撹拌速度が 1500rpm のとき 2.5 〜 8.0 μ m
の全てを満足するように、上記撹拌処理または上記混合処理を行うことが重要である。
【0034】
次に、図5中のNo.1〜11のMgOを用いた場合について、フォルステライト質グラス被膜特性および磁気特性に及ぼす影響を調査した。
C:0.07wt%、Si:3.25wt%、Al:0.025 wt%、N:0.0080wt%、Mn:0.07wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.025 wt%およびCu:0.08wt%を含み、残部は実質的にFeの組成になる電磁鋼用スラブを、1380℃で30分加熱後、熱延により2.2 mmの板厚にした後、1050℃、1分間の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により0.22mm厚の最終板厚に仕上げた。
ついで、かかる冷延板を、脱炭焼鈍後、No.1〜11のMgOを主剤として、このMgO:100 重量部に対しTiO2を8重量部およびSnO2を2重量部添加した焼鈍分離剤と水を、前記した凝集性テストの場合と同様の調合条件(攪拌速度:1000rpm)にてスラリー化し、片面当たり6g/m2の塗布を行った。
その後、1100℃まで12℃/h の昇温速度で昇熱する2次結晶焼鈍を行い、引き続き1200℃、5時間の純化焼鈍を施した。
かくして得られた鋼板のフォルステライト質グラス被膜外観および磁気特性について調査した結果を、表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
表4に示したとおり、表3において優れたMgOスラリー塗布外観および鋼板との密着性が得られたMgO粉を用いた場合に、良好なフォルステライト質グラス被膜および磁気特性が得られている。
すなわち、MgOスラリーの凝集特性が特定の範囲にある場合に、優れた被膜特性および磁気特性が得られることが確認された。
【0037】
上記と同様にして、数多くのMgO粉について、MgOスラリー凝集特性とフォルステライト質グラス被膜および磁気特性との関係について調査した結果、MgO粉と水を懸濁させてMgOスラリーを調合した際、MgOスラリーの粒度分布をレーザー回折式粒度分布計で測定した時に得られる累積90%が、図1の点A、B、C、D、EおよびFで直線により囲まれる範囲を満足する場合に、MgOスラリー塗布後の外観が均一で、かつ鋼板との密着性に優れたものが得られ、ひいては優れたフォルステライト質グラス被膜および磁気特性が得られることが見出されたのである。
【0038】
ここで、図1の点A、B、C、D、EおよびFで直線により囲まれる範囲が適正域であることの理由は、次のとおりである。
まず、点A、B、Cを結ぶ線よりも累積90%径が小さい場合は、焼鈍分離剤塗布後の鋼板表面において、鋼板とMgOの接触面積低下に起因する焼鈍分離剤の密着性の低下、焼鈍分離剤塗布層の膜厚および密度に不均一を生じる。このような場合は概してスラリー粘度が過度に低下し、乾燥中に鋼板上のスラリーが乾燥炉内の気流に流されて非常に不均一な模様が発生し、高速塗布性が劣化するからである。また、この領域に属するMgOは概して、脱炭焼鈍板の表面酸化層との反応性が悪く、白膜状の被膜が生成し、かような被膜形成を介して磁気特性も劣化する。
一方、点C、D、Fを結ぶ線よりも累積90%径が大きい場合は、MgO粒子同士の凝集が起こり易く、水に懸濁させた際に、粗大粒子を形成し、焼鈍分離剤塗布表面の均一性が損なわれるだけではなく、MgO粗大凝集粒中における焼鈍分離剤の添加物濃度が低下するため、焼鈍分離剤添加物の均一分散が阻害され、鋼板表面に対して焼鈍分離剤添加物を均一に分散した状態で塗布できない。このような場合には、鋼板表面上での焼鈍分離剤の均一性が劣化するため、均一なフォルステライト質グラス被膜が形成されにくい。
【0039】
また、この発明のMgOは、図1に示される点A、B、C、D、EおよびFで直線により囲まれる領域を満足するMgOスラリー凝集特性を有するほか、下記の粉体特性を満足するものであることが好ましい。
化学成分的には、CaO:0.25〜0.75wt%、ハロゲン:0.005 〜0.080 wt%、B:0.06〜0.180 wt%、 SO3:0.70wt%以下を含有し、残部は不可避的不純物と実質的にMgOからなるものであることが好ましい。
ここで、CaOは被膜形成の促進に有効に寄与するが、0.25wt%未満ではフォルステライト質グラス被膜と鋼板との密着性が低下し、一方0.75wt%を超えると膜厚が厚くなりすぎ、占積率が低下する。従って、CaOは0.25〜0.75wt%の範囲が好ましい。
ハロゲンは、特にClやFを指し、フォルステライト被膜の焼結性を改善するものであるが、0.005 wt%未満ではその効果が発揮されず、一方 0.080wt%を超えるとグラス被膜の点状剥離が発生する。従って、ハロゲンは 0.005〜0.080 wt%の範囲が好ましい。
Bは、グラス被膜形成を促進させるものであるが、0.06wt%に満たないと被膜が薄くなり、一方0.18wt%を超えるとベンド特性が劣化するので、0.06〜0.18wt%の範囲で含有させることが好ましい。
SO3 は、被膜密着性を改善する働きがある他、MnSやMnSe系のインヒビターを含有する電磁鋼板素材ではインヒビターを補強する働きがある。しかしながら、0.70wt%を超えるとグラス被膜の点状剥離が発生するので、SO3 は0.70wt%以下とすることが好ましい。
【0040】
また、水和量が、20℃、30分の水和試験で 0.5〜3.5 wt%であることが好ましい。これは、仕上げ焼鈍時の雰囲気酸化性に影響を及ぼす要素であり、適当な水和量に調整することが好ましいからである。
水和量が 0.5wt%に満たないとグラス被膜の密着性が劣化し易く、一方 3.5wt%を超えるとインヒビターが酸化されて磁気特性が不良となる可能性が増す。
【0041】
さらに、液温:30℃で測定したCAA活性度の最終反応率40%値(CAA40%)が、40〜150 秒の範囲であることが好ましい。CAA40%が40秒未満では水和量が過剰になり、一方 150秒を超えると水和量の低下、固相反応性の低下に起因するグラス被膜の欠陥が発生しがちになる。
【0042】
加えて、レーザー回折式粒度分布計により測定されたMgOの累積50%径(体積基準)が4μm を超えると、フォルステライト質グラス被膜の形成が遅れるので、4μm 以下とすることが好ましい。より望ましくは2μm 以下である。
【0043】
なお、焼鈍分離剤としては、分離剤に通常添加される成分、例えばTiO2やチタン酸塩、ほう酸またはほう酸塩、Sr化合物、Mn化合物、Sn化合物などを添加することは何ら差し支えない。
また、この発明は、電磁鋼板であれば、全てのものに適用可能である。
さらに、製造方法についても格別の制限はなく、常法に従って行えば良い。すなわち、素材鋼片を、公知の方法で加熱し、熱間圧延を行った後、1回または中間焼鈍を挟む複数回の冷間圧延を行って最終板厚する。また、必要に応じて熱延板を冷延前に焼鈍を行ってもよい。これらの処理後、従来公知の脱炭焼鈍を行い、ついでこの発明に従う焼鈍分離剤を塗布してから、仕上げ焼鈍を行う。仕上げ焼鈍は従来より公知の方法でよい。これら一連の処理後、絶縁張力コートを施してフラットニング焼鈍を実施して製品に仕上げる。
かくして、優れたフォルステライト質グラス被膜および磁気特性を有する方向性電磁鋼板を得ることができるのである。
【0044】
【実施例】
実施例1
C:0.075 wt%、Si:3.40wt%、Al:0.02wt%、N:0.0075wt%、Mn:0.07wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.026 wt%およびCu:0.08wt%を含み、残部は実質的にFeの組成になる電磁鋼用スラブを、1400℃で30分加熱後、熱延により2.2 mmの板厚にした後、1050℃、1分間の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により0.22mm厚の最終板厚に仕上げた。この冷延板を、脱炭焼鈍後、表5に示すMgO粉No.1〜12のMgOを主剤として用い、このMgO:100 重量部に対しTiO2:8重量部とSr(OH)2 :3重量部を添加した焼鈍分離剤を水と混合して得た焼鈍分離剤スラリーを、脱炭焼鈍板に片面当たり6g/m2の割合で塗布した。
この時の焼鈍分離剤スラリー塗布外観、乾燥後の状況およびMgO凝集性テストについての調査結果を、表5に併せて示す。
その後、N2+H2混合雰囲気中にて 850℃から1100℃まで12.5℃/hの昇温速度で昇熱する2次再結晶焼鈍を行い、引き続き水素中で1180℃、5時間の純化焼鈍を施した。
かくして得られた鋼板のフォルステライト質グラス被膜外観および磁気特性について調査した結果も、表5に併記する。
【0045】
【表5】
【0046】
表5から明らかなように、この発明で規定したMgO凝集特性を満足するMgO粉を用いた場合は、MgOスラリー塗布外観および鋼板との密着性が優れており、また仕上げ焼鈍後のフォルステライト質グラス被膜および磁気特性も極めて良好であった。
【0047】
実施例2
C:0.040 wt%、Si:3.40wt%、Mn:0.07wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.025 wt%およびCu:0.08wt%を含み、残部は実質的にFeの組成になる電磁鋼用スラブを、1400℃で30分加熱後、熱延により2.0 mmの板厚にした後、 980℃、1分間の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により0.22mm厚の最終板厚に仕上げた。
この冷延板を脱炭焼鈍後、表6に示すMgO粉No.1〜12のMgOを主剤として、このMgO:100 重量部に対しTiO2:2重量部と SrSO4:1.5 重量部を添加した焼鈍分離剤を水と混合して得た焼鈍分離剤スラリーを、脱炭焼鈍板に片面当たり6g/m2の割合で塗布した。
この時の焼鈍分離剤スラリー塗布外観、乾燥後の状況およびMgO凝集性テストについて調査した結果を、表6に併せて示す。
その後、N2雰囲気中にて 845℃, 50時間の2次再結晶焼鈍を行い、引き続き水素中で1180℃、5時間の純化焼鈍を実施した。
かくして得られた鋼板のフォルステライト質グラス被膜外観および磁気特性について調査した結果も、表6に併記する。
【0048】
【表6】
【0049】
同図から明らかなように、この発明で規定した Mg O凝集特性を満足するMgO粉を用いた場合は、MgOスラリー塗布外観および鋼板との密着性が優れており、また仕上げ焼鈍後のフォルステライト質グラス被膜および磁気特性も極めて良好であった。
【0050】
実施例3
C:0.030 wt%、Si:3.19wt%、Al:0.013 wt%、N:0.0086wt%、Mn:0.007 wt%、Se:0.001 wt%、S:0.009 wt%およびSb:0.012 wt%を含み、残部は実質的にFeの組成になる電磁鋼用スラブを、1200℃で加熱し、熱延により2.2 mmの板厚とし、ついで 900℃で1分間の熱延板焼鈍後、酸洗し、1回の冷間圧延により0.34mm厚の最終板厚に仕上げた。この冷延板を、 840℃で90秒間の脱炭焼鈍後、表7に示すMgO粉No.1〜12のMgOを主剤として用い、このMgO:100 重量部に対しTiO2:8重量部と Sr(OH)2:3重量部を添加した焼鈍分離剤を水と混合して得た焼鈍分離剤スラリーを、脱炭焼鈍板に片面当たり6g/m2の割合で塗布した。
この時の焼鈍分離剤スラリー塗布外観、乾燥後の状況およびMgO凝集性テストについて調査した結果を、表7に併せて示す。
その後、N2雰囲気中にて 850℃まで昇温し、 850℃から1080℃までをN2+H2混合雰囲気にて昇熱粗度を20℃/hで昇温させる2次再結晶焼鈍を行い、引き続きH2雰囲気で1080℃, 5時間の純化焼鈍を施した。
かくして得られた鋼板のフォルステライト質グラス被膜外観および磁気特性について調査した結果も、表7に併記する。
【0051】
【表7】
【0052】
同図から明らかなように、この発明で規定した Mg O凝集特性を満足するMgO粉を用いた場合は、MgOスラリー塗布外観および鋼板との密着性が優れており、また仕上げ焼鈍後のフォルステライト質グラス被膜および磁気特性も極めて良好であった。
【0053】
【発明の効果】
この発明に従い調合した焼鈍分離剤用のMgO粉は、特定のMgOスラリー凝集特性を有し、焼鈍分離剤スラリーとして鋼板表面に塗布した際に、粗大な凝集粒の生成がなく、均一な塗布外観および良好な密着性を得ることができ、ひいては従来に比べてはるかに安定して良好なフォルステライト質グラス被膜を形成することができ、さらにかような被膜形成を介して磁気特性をも安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うMgO粉の、MgOスラリー凝集特性の適正範囲を示す図である。
【図2】 No.1のMgO粉の粒度分布を示す図である。
【図3】 No.1のMgO粉のMgOスラリー凝集性を攪拌速度:1000rpm で測定した結果を示す図である。
【図4】 No.1のMgO粉のMgOスラリー凝集特性を示す図である。
【図5】各種MgO粉のMgOスラリー凝集特性を示す図である。
Claims (1)
- クエン酸活性度分布および粒度分布の分布幅がそれぞれ広い1種の Mg O粉の Mg Oスラリー調合前の撹拌処理により、またはクエン酸活性度分布および粒度分布がそれぞれ異なる数種の Mg O粉の混合処理により、焼鈍分離剤用のMgO粉を調合するに当たり、該MgO粉を水に懸濁させてMgOスラリーとした際、該MgOスラリーの粒度分布を下記の条件によりレーザー回折式粒度分布計で測定した時の累積90%径が、
a)上記スラリーの撹拌速度が 400 rpm のとき 20 〜 90 μ m 、
b)上記スラリーの撹拌速度が 1000rpm のとき 3.5 〜 10 μ m 、
c)上記スラリーの撹拌速度が 1500rpm のとき 2.5 〜 8.0 μ m
の全てを満足するように、上記撹拌処理または上記混合処理を行うことを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgO粉の調合方法。
記
容量: 1000ml のトールビーカー( JIS R 3503 に準拠)に入れた液温: 20 ℃の水: 500 cc に対して Mg O: 80 gを混合し、 Mg Oスラリーとし、4枚羽(羽の長さ: 25mm) のかい十字型の撹拌機を用い、羽をトールビーカーの中央部でかつビーカー底から高さ: 30mm の位置にセットし、所定の撹拌速度で5分間の撹拌処理を施す。撹拌時はスラリー液温を 20 ℃に保ち、所定の撹拌速度で5分間の Mg Oスラリー撹拌処理の終了後、直ちにスラリー液を採取し、レーザー回折式の粒度分布計にて粒度分布を測定する。粒度分布計の分散媒としては水を使用し、水の液温は室温( 15 〜 25 ℃ ) とする。
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1996
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