JP3103953B2 - 焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置 - Google Patents

焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置

Info

Publication number
JP3103953B2
JP3103953B2 JP04131181A JP13118192A JP3103953B2 JP 3103953 B2 JP3103953 B2 JP 3103953B2 JP 04131181 A JP04131181 A JP 04131181A JP 13118192 A JP13118192 A JP 13118192A JP 3103953 B2 JP3103953 B2 JP 3103953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mgo
slurry
annealing separator
ultrafine
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04131181A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06158339A (ja
Inventor
啓介 矢持
収 田中
弘 佐藤
利明 久吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Plant Designing Corp
Original Assignee
Nittetsu Plant Designing Corp
Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Plant Designing Corp, Kyowa Chemical Industry Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Nittetsu Plant Designing Corp
Priority to JP04131181A priority Critical patent/JP3103953B2/ja
Publication of JPH06158339A publication Critical patent/JPH06158339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3103953B2 publication Critical patent/JP3103953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F297/00Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer
    • C08F297/06Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the coordination type
    • C08F297/08Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the coordination type polymerising mono-olefins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/02Ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/16Copolymers of ethene with alpha-alkenes, e.g. EP rubbers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は方向性電磁鋼板の製造に
際し、脱炭焼鈍後の鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布する工
程において、MgO或いはMgOを主成分とする焼鈍分
離剤を鋼板に超微細且つ均一に塗布する方法および焼鈍
分離剤MgOの粉砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、方向性電磁鋼板は以下のようにし
て製造される。即ち、Si:4%以下を含有する素材を
熱延し、焼鈍と1回又は中間焼鈍をはさむ2回以上の冷
延により最終板厚とし、次いでH2 +N2 又はH2 等の
湿潤雰囲気中でPH2 O/PH 2 を調節して脱炭焼鈍し
て、脱炭とともにSiO2 を主成分とする酸化膜を形成
せしめ、その後MgO又はMgOを主成分とする焼鈍分
離剤を水に分散させてスラリー状としたものをコーティ
ングロールにて塗布し、乾燥してコイルに巻取り、最終
仕上焼鈍を行い、2次再結晶、純化、グラス被膜形成を
行い、次いで絶縁被膜剤を塗布し、焼付処理とヒートフ
ラットニングを行って最終製品とされる。
【0003】この方向性電磁鋼板は、(110)<00
1>結晶粒が最終仕上焼鈍の2次再結晶で優先的に成長
する現象を利用している。この2次再結晶過程において
低表面エネルギーを持つ(110)面結晶が優先的に成
長し、鋼中にインヒビターとして微細に分散しているA
lN、MnS、等によりその成長を抑えられている他の
結晶を侵触するために、(110)<001>結晶粒が
優先的に成長すると考えられている。
【0004】従って、優れた方向性電磁鋼板を製造する
ためには、鋼中のAlN、MnS、等のインヒビターの
分散状態と、これらの分解までの制御が重要である。最
終仕上焼鈍におけるインヒビターの変化は、脱炭焼鈍で
形成した鋼板表面の酸化膜の質や量、焼鈍分離剤の成分
や反応性、最終焼鈍での熱サイクルや雰囲気条件等によ
り影響を受ける。これらの中で、とりわけ焼鈍分離剤の
MgOの影響は大きい。これは仕上焼鈍での昇温過程に
生じる脱炭酸化膜の変化、フォルステライト(Fe2
iO4 )を主成分とするグラス被膜の形成速度や形成状
況等に大な影響を与え、これ等がインヒビターの安定性
に多大な影響を及ぼすからである。
【0005】即ち、焼鈍分離剤の主成分であるMgOは
脱炭焼鈍で形成されたSiO2 主体の酸化被膜と反応し
てグラス被膜を形成する(2MgO+SiO2 →Mg2
SiO4 )。このグラス被膜形成においてはMgO主体
の焼鈍分離剤の性状が2次再結晶と同様にグラス被膜に
大きな影響力を持っている。このように方向性電磁鋼板
の商品価値を決定する上で最も重要な磁気特性とグラス
被膜特性に対する焼鈍分離剤の特にMgOの影響力が大
きいことから、MgOの品質改善は方向性電磁鋼板の製
造技術の中で重要な課題となっている。
【0006】MgOの性状の中でグラス被膜形成および
インヒビターの安定性に影響する因子としてはMgOの
活性度、純度、粒度、密着性等がある。このため、良質
の方向性電磁鋼板を得るため、これらの条件を最適化す
るための努力がなされている。通常焼鈍分離剤に使用す
るMgOは、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
塩基性炭酸マグネシウム等の平均粒子径0.2〜5μm
のサイズを持つ1次粒子径の結晶に調整して原料とし、
この原料をバッチ炉、ロータリキルン等により700〜
1500℃程度の高温で焼成してMgOとして用いる。
【0007】このMgOは通常、攪拌タンク、容器の中
で水に懸濁させてプロペラ状の攪拌装置により攪拌して
分散させたスラリーをゴムロール等で鋼板に塗布し、乾
燥される。この際、MgOは前記MgOの製造工程での
焼成段階で焼結したり、水に懸濁させる段階で粒子間の
凝集が生じ、鋼板表面に塗布、乾燥された状態では平均
粒径で数μm〜数10μmの粗大粒の状態で存在してい
る。
【0008】このため、鋼板面上で均一なMgOの塗膜
が得られにくく、又鋼板酸化膜との接触面の粒子が凝集
体であるため、鋼板面に対する密着性が悪くなり、これ
らがひいては2MgO+SiO2 →Mg2 SiO4 のグ
ラス被膜形成における反応性(反応速度、反応量等)に
影響をもたらす。このようなMgOの焼結や凝集等によ
る反応性、密着性等の低下による問題を解決する手段と
しては、従来MgOの物性値や凝集性を改良する方法が
行われてきた。
【0009】特開昭62−156226号公報におい
て、本発明者等はMgO粒子の最表面層を活性化処理す
る方法を提案している。この方法では高温焼成して得た
MgOの粒子の最表面層のみに水和層〔Mg(O
H)2 〕を形成するもので、これによりグラス被膜の均
一性が向上し、磁気特性の改善効果が得られる。又、特
開平2−267278号公報には、焼成したMgOを1
00℃以上の水蒸気含有気相中で処理して、MgO中に
OH化学吸着相をH2 O換算でMgO重量に基づいて
0.8〜2.5%形成し、次に前記MgOを含む焼鈍分
離剤を脱炭焼鈍済の鋼板に塗布し、仕上焼鈍することを
特徴とする均一なグラス被膜を有し、磁気特性の優れた
方向性電磁鋼板を製造する方法が開示されている。
【0010】これ等の技術は、MgOスラリー調整時に
生じるMgO粒子の凝集の問題を解決する方法として、
焼成後のMgO粒子の表面を水蒸気処理を行うことによ
り改質して表面エネルギーを低下させ、水との相溶性を
よくすることを図っており、これによりMgOは分散性
のよい状態で塗布され、密着力が向上し、かなりの効果
が得られている。
【0011】しかしMgOの製造条件や表面のOH化学
吸着層の生成処理条件が安定性に欠けるという問題が残
り、スラリー中における微粒子化は完全に満足した状態
とは言えない状況である。本発明者らは、スラリー中に
おける微粒分散化は、MgO粒子の凝集を抑止するとい
う考え方の従来法から、更に完全な分散状態を得ようと
する手法として、MgOスラリー調整後に凝集体を超微
粒に粉砕し、MgO粒子と脱炭酸化膜との反応距離を最
小にする塗布技術の研究に着手した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、方向性電磁
鋼板の製造においてMgOを主成分とする焼鈍分離剤の
鋼板への塗布に際し、MgO焼成時に生じた焼結体およ
びスラリー調整時のMgO粒子の凝集体や添加剤の凝集
体による塗膜の不均一、密着性の低下がもたらすグラス
被膜形成反応の低下の問題、ひいては磁気特性に及ぼす
悪影響を解決すべく、工業的に安定して焼鈍分離剤を均
一に且つ超微細に塗布できる技術を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は焼鈍分離剤
の均一で微細且つ密着性に富んだ塗布方法について膨大
な実験と研究を行って検討した。スラリー中のMgO粒
子等の分散を図る方法としては、従来から攪拌タンクに
プロペラ状、シャー状等の回転体を設けたものがある。
この攪拌装置でMgOを強制的に分散させようとして、
攪拌装置のスピードアップをしたり、あるいは長時間の
攪拌を施しても十分な分散は得られない。これは、この
ような攪拌装置ではMgO粒子等の焼結体の破砕や凝集
体の解砕が不完全であるからである。
【0014】更にこのような方法での大きな問題は、ス
ラリー中でのMgO粒子同士あるいは粒子と攪拌装置の
回転体との摩擦により液の温度が上昇して、水和水分が
著しく上昇してしまうことである。この結果、グラス被
膜特性、磁気特性に悪影響を及ぼすという難点がある。
そこで、短時間の処理でスラリー中のMgO等の粒子焼
結体の破砕および凝集体の解砕を可能にし、水和水分に
悪影響を及ぼさない方法について検討した。この結果、
MgO主体の焼鈍分離剤の均一な分散、塗布条件とし
て、焼成したMgO粒子を水に分散させ、鋼板に塗布す
るに際し、水に懸濁させたスラリーを図1に示すような
超微粒粉砕装置によって強制的に短時間処理した後、鋼
板面に塗布する方法を創案した。
【0015】この結果、焼鈍分離剤のMgOは均一に超
微細に分散し、必要に応じて添加される添加剤は超微細
に分散したMgO粒子の表面層に均一に付着した状態と
なる。これらの焼鈍分離剤は鋼板に均一に且つ密着性よ
く塗布され、かくして良質のグラス被膜の形成と良好な
磁気特性の付与に成功した。即ち、本発明は、従来技術
のようにMgO製造時におけるMgO粒子等に水蒸気処
理を施す等の複雑な工程を経なくても、塗布工程におけ
るスラリー調整時の分散処理により、超微細且つ均一な
鋼板表面への塗布が可能となる技術の開発に成功したも
のである。
【0016】以下実験結果に基づいて本発明を詳細に説
明する。この実験においては、重量%でC:0.055
%、Si:3.05%、Mn:0.067%、N:0.
023%、残部Feと不可避の不純物からなる方向性電
磁鋼板用スラブを公知の方法で熱延し、焼鈍を挟む2回
の冷延により最終板厚0.29mmとした。この鋼板を
2 25%+H2 75%、DP:65℃の雰囲気中で8
50℃×150sec間の脱炭焼鈍を施し、酸化膜の形
成を行った。次いで焼鈍分離剤として、表1に示すよう
にMgOスラリーを調整するにあたり、ホモミキサーと
呼ばれるシャー状回転子を有する攪拌装置により攪拌す
るものと、ホモミキサーで攪拌後、超微粒粉砕装置によ
りスラリーを処理するものとによって得たMgOスラリ
ーを塗布し、乾燥後MgOスラリーの塗布状態を観察す
るとともに、鋼板を積層し1200℃×20hrの最終
仕上焼鈍を行った。
【0017】
【表1】
【0018】MgO塗布乾燥直後のMgOの鋼板への付
着性および最終仕上焼鈍後のグラス被膜の形成状態を表
2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】この実験の結果、比較例のようにホモミキ
サーのみの攪拌の場合、回転数を増してもMgO粒子の
凝集体が多く観察され、付着性が弱く、最終仕上焼鈍後
に良質のグラス被膜が形成されなかった。一方、本発明
に従い、ホモミキサー攪拌後、超微粒粉砕装置により、
わずか数秒間の粉砕処理を行ったものはMgO粒子が微
細且つ均一に分散され、鋼板への密着性も著しく改善さ
れた。又、最終仕上焼鈍後のグラス被膜も均一に形成さ
れ、グラス被膜形成反応性の良好さが確認された。
【0021】次に本発明における限定理由について述べ
る。本発明において用いるMgOは、水酸化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の原
料を700〜1200℃で焼成したMgO粒子が用いら
れる。焼成温度が700℃未満ではMgO粒子の活性度
が高過ぎて、ミキサーの攪拌や超微粒粉砕装置による処
理過程で水和水分が増加するため好ましくない。一方、
1200℃超の高温で焼成されたMgO粒子は、不純物
や焼成条件によっては焼結反応が進み、粗大粒を形成
し、極端な場合は強固な焼結粒となって、本発明のよう
な超微粒粉砕装置によっても超微粒化が不可能になる。
このような場合、粉砕装置の能力を上げたり、長時間の
処理を行ったりして、粉砕効果を増す手段もあるが、こ
の場合には水和水分の増加が生じるため、後のグラス被
膜形成等において好ましくない。
【0022】超微粒粉砕装置による超微粒化処理は、M
gOスラリーの調整中あるいは調整後に鋼板に塗布する
までの過程で、図1、2に示すような回転体砥石のクリ
アランス(隙間)、スラリー濃度、処理量を変えて行わ
れる。クリアランスおよびスラリー濃度は供給されるM
gO粒子の粒子径に応じて決められる。超微粒粉砕装置
による粉砕処理は、1回又は2回以上断続的又は連続的
に行われる。しかし、長時間の処理を行うと通常の攪拌
装置による攪拌と同様に水和水分が増加する。好ましく
は鋼板塗布前に1回〜10回である。実際、超微粒粉砕
装置による超微粒化処理はかなり強固な焼結体や凝集体
でも1回の処理でほぼ70〜80%まで完了しており、
この程度の処理条件で完全に超微粒化が行われる。
【0023】超微粒粉砕装置による粉砕処理後の平均粒
子径は10μm以下に限定される。10μm超では、粒
子微細化による反応面積の増加と板面への付着力の増大
および表面活性化等による顕著な効果が得られない。一
方、10μm以下では、顕著な効果が得られる。特に、
粒子径が5μm以下のように微細になるとグラス被膜お
よび磁性の改善効果が著しい。
【0024】又、本発明の超微粒粉砕装置の使用にあっ
ては、MgOスラリー調整〜超微粒粉砕処理の間又はス
ラリー塗布までの間において通常の攪拌装置であるプロ
ペラ状、シャー状の回転体を設けた攪拌装置との併用に
よる処理を行ってもよい。即ち、前述の如く、本発明の
超微粒粉砕装置による超微粒化処理は極めて短時間でよ
く、超微粒化の後は通常の攪拌装置によって攪拌しても
極端に長時間の攪拌でない限り、再度凝集や水和進行が
生じることがないため通常の攪拌装置との併用で十分で
ある。
【0025】このため、工業的に本発明により超微粒粉
砕分散を行う場合には、スラリーの冷却装置を設置した
通常攪拌装置と超微粒粉砕装置を連結した方法でスラリ
ーを循環或いは滴下させる方法で塗布作業が行われる。
次に本発明の超微粒粉砕装置によりMgO粒子が均一に
塗布され、塗布乾燥後の密着性が向上し、グラス被膜と
磁気特性が向上する理由を述べる。
【0026】MgO粒子は前述の如く焼成後は焼結反応
により焼結体を形成したり、スラリーとするため水に懸
濁された場合に凝集による粗大粒となって鋼板表面に塗
布される。この粒子粗大化による接触面積の低下と凝集
体サイズのバラツキによりMgOスラリーの粘性に影響
が生じ、塗りムラが発生したり、塗布膜の厚みに変動を
もたらす。
【0027】しかし、本発明の超微粒粉砕装置の処理に
より、MgO粒子の焼結体が破砕され、スラリー中の凝
集体が解砕されて超微粒子となる。これにより粒子の表
面積が増大することになり、密着力を増す。更に粒子の
解砕面には新たな薄いOH基が付着し、鋼板面に超微細
に塗布されるように、密着性の向上と反応性の向上効果
が奏される。このOH基を付着させる処理が、請求項1
にいう活性化処理である。
【0028】又、MgO粒子が均一に塗布される理由
は、MgO粒子が均一に超微細に解砕されて粒子サイズ
が均一化するとともに、超微粒化されたMgO粒子表層
部にOH基が非常に薄く均一に付着し、これがスラリー
の適度な粘性を調節することにより、特に高速ラインで
塗布を行う場合、塗れ性の均一化をもたらすからであ
る。
【0029】これらの結果、MgO粒子層の下地SiO
2 層との反応性が向上し、仕上焼鈍の昇温時前段階にお
けるグラス被膜形成反応を促進する。このグラス被膜形
成均一化、反応開始時期の早期化によって鋼中のAl
N、MnS等のインヒビターが安定化され、グラス被膜
の張力増大効果と相まって磁気特性の改善効果がもたら
されるものと考えられる。
【0030】
【実施例】
実施例1 重量%でC:0.078%、Si:3.30%、Mn:
0.062%、S:0.024%、Al:0.030
%、N:0.0075%、残部Feと不可避の不純物か
らなる高磁束密度方向性電磁鋼板用素材を公知の方法で
熱延、焼鈍、冷延を行い、最終板厚0.220mmとし
た。この後、N2 25%+H2 75%、DP:68℃の
雰囲気中で850℃×150sec間脱炭焼鈍し、一次
粒径0.5μmのMg(OH)2 を1000℃で焼成し
て得たMgO:100重量部にTiO2 :5重量部、N
2 4 7 :0.3重量部を添加してなる焼鈍分離剤
を、表3に示す条件でスラリーの攪拌条件を変えてコイ
ルに塗布し、乾燥後巻取り、1200℃×20hrの最
終仕上焼鈍を行った。尚、本発明の塗布は図1のホッパ
ーからスラリーを投入して、一定のクリアランスを設
けた上砥石、下砥石からなる回転体の間隙を通過さ
せて粉砕処理し、流出口よりスラリーを取り出し、コ
ーティング系列に供給した。
【0031】
【表3】
【0032】この後、絶縁被膜剤として50%Al(H
2 PO4 3 50リットル+20%コロイダルシリカ1
00リットル+CrO3 5kgからなる処理剤を塗布
し、850℃で焼付けとヒートフラットニングを行い、
最終製品とした。この試験におけるMgOスラリー中の
粒度、鋼板への塗布特性、製品のグラス被膜特性、磁気
特性を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】この結果、比較例のホモミキサーのみの攪
拌ではスラリー中の焼鈍分離剤の平均粒径は35μmま
で達し、凝集粒が多く、塗布状況もムラが多く発生し、
密着性も不良であった。又、グラス被膜、磁気特性とも
良好なものは得られなかった。一方、本発明によるもの
は、何れもスラリー中の焼鈍分離剤の粒子径が微細に分
散しており、鋼板に均一にキメ細かく塗布され、密着力
も著しく良好であった。又、最終製品のグラス被膜は均
一に厚く形成され、磁気特性もかなり改善された良好な
結果が得られた。粒子径10μm以下では顕著な被膜改
善効果および磁気特性改善効果が得られ、粒子径5μm
以下では更に改善効果が顕著であることが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明に従い、焼鈍分離剤を攪拌する
際、超微粒粉砕装置により解砕することにより、焼結体
や凝集体が超微粒に分散し、鋼板へ均一に密着性よく塗
布され、これにより、グラス被膜形成反応が改善され、
磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造が可能となり、
その工業的な効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超微粒粉砕装置の概略図である。
【図2】砥石の形状の代表例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 収 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 佐藤 弘 福岡県北九州市戸畑区大字中原46番地の 59 日鐵プラント設計株式会社内 (72)発明者 久吉 利明 香川県高松市屋島西町305番地 協和化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−115585(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 C21D 9/46 501

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性電磁鋼板素材に、脱炭焼鈍後、M
    gOを主成分とするスラリーを調整し、塗布乾燥する工
    程において、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
    塩基性炭酸マグネシウム等のMgO原料の1種又は2種
    以上を700〜1200℃で焼成することにより製造し
    たMgOおよび添加材を、水に懸濁させてスラリーと
    し、粉砕装置を用いて粒子の焼結体および凝集体の解砕
    および活性化処理を行った後、得られたスラリーを鋼板
    に塗布することを特徴とする方向性電磁鋼板の焼鈍分離
    剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法。
  2. 【請求項2】 スラリー中のMgOの平均粒子径を、X
    線測定法で10μm以下とすることを特徴とする請求項
    1記載の焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方
    法。
  3. 【請求項3】 焼鈍分離剤MgOを解砕する前又は後
    に、スラリーをプロペラ状、シャー状、羽根状の回転体
    を設けた攪拌装置により攪拌し、コーティングロール、
    スプレー等の塗布装置により塗布することを特徴とする
    請求項1記載の焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗
    布方法。
  4. 【請求項4】 点状、線状、網目状の突起又は凹凸を設
    けた1個又は2個以上の円盤状回転体よりなり、これら
    の回転体とスラリーを接触させるか、或はこれらの回転
    体間の一定のクリアランスの中を通過させて、焼鈍分離
    剤MgOを解砕する構造としたことを特徴とする焼鈍分
    離剤MgOの超微細且つ均一な粉砕装置。
JP04131181A 1992-05-22 1992-05-22 焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置 Expired - Fee Related JP3103953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04131181A JP3103953B2 (ja) 1992-05-22 1992-05-22 焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04131181A JP3103953B2 (ja) 1992-05-22 1992-05-22 焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06158339A JPH06158339A (ja) 1994-06-07
JP3103953B2 true JP3103953B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=15051911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04131181A Expired - Fee Related JP3103953B2 (ja) 1992-05-22 1992-05-22 焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3103953B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116582A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Jfe Steel Corp マグネシアスラリーの均質化方法、均質化装置および塗布装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2711614B2 (ja) * 1992-06-10 1998-02-10 新日本製鐵株式会社 皮膜特性及び磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116582A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Jfe Steel Corp マグネシアスラリーの均質化方法、均質化装置および塗布装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06158339A (ja) 1994-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4192282B2 (ja) 焼鈍分離剤用MgOの製造方法
US4775430A (en) Process for producing grain-oriented electrical steel sheet having improved magnetic properties
JP2001303258A (ja) 方向性電磁鋼の焼鈍分離剤用マグネシアおよびその製造方法と被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP3103953B2 (ja) 焼鈍分離剤MgOの超微細且つ均一な塗布方法および焼鈍分離剤MgOの粉砕装置
JP4192283B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH1088244A (ja) 方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgO
JP2711614B2 (ja) 皮膜特性及び磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法
CN115491477B (zh) 退火隔离剂的制备方法以及退火隔离剂和方向性电磁钢板
JPH05247661A (ja) 均一なグラス被膜を有し、磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP3356933B2 (ja) 皮膜形成能に優れる焼鈍分離剤とそれを用いた方向性電磁鋼板の製造方法
JPS62156227A (ja) 皮膜特性及び磁気特性の優れた方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤
JPH09249916A (ja) 方向性けい素鋼板の製造方法及び焼鈍分離剤
JP2721466B2 (ja) 被膜特性及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP3059338B2 (ja) 反応性の極めて優れる方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤及びその使用方法
JP3933225B2 (ja) 方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgO粉の調合方法
JPH05295423A (ja) 被膜特性及び磁気特性の優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP3549492B2 (ja) 焼鈍分離剤、及び、グラス被膜の優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP3091088B2 (ja) 反応性の極めて優れる焼鈍分離剤及びその使用方法
JP2648205B2 (ja) 均一なグラス皮膜を有し、磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JPH05239664A (ja) 焼鈍分離剤を超微細且つ均一に塗布するためのコーティング設備
JP2749783B2 (ja) グラス被膜性能と磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP3707249B2 (ja) 被膜均一性に優れる方向性けい素鋼板の製造方法
JPH1088241A (ja) 被膜特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法
JPS6141989B2 (ja)
JP4157255B2 (ja) 方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤及び方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000704

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees