JPH11124725A - 土木用ポリエステル繊維 - Google Patents

土木用ポリエステル繊維

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JPH11124725A
JPH11124725A JP9292100A JP29210097A JPH11124725A JP H11124725 A JPH11124725 A JP H11124725A JP 9292100 A JP9292100 A JP 9292100A JP 29210097 A JP29210097 A JP 29210097A JP H11124725 A JPH11124725 A JP H11124725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elongation
strength
polyester fiber
sheet
woven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9292100A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Ishibai
司郎 石灰
Hiroshi Aramomi
寛 新籾
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製織すると強度、伸度が十分に高く、敷設面
にフィットしやすく、かつ位置合わせを作業性よく行う
ことができる土木用織物シートを得ることができるポリ
エステル繊維を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
するポリエステル繊維であって、極限粘度が0.7以
上、破断時の伸度が100〜250%、荷重−伸長曲線
における降伏点が0.4〜0.7g/d、破断時の強度
が1.5g/d以上、荷重−伸長曲線における50%伸
長時の強度が0.9g/d以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製織すると、土木
用に好適な織物シートを得ることができるポリエステル
繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートを主成分と
してなるポリエステル繊維は、優れた物理的、化学的性
質を有し、衣料用のみならず、産業資材用にも広く使用
されている。ポリエステル繊維が産業資材用途に用いら
れる場合、一般に重要視されるのは、強度、伸度等の物
理的特性である。
【0003】土木工事において、例えば防波堤や堤防な
どの施工の際の吸出し防止、洗堀防止などにポリエステ
ル繊維からなる織物シートが使用されるが、この織物シ
ートが接する敷設面は、大小の岩石があるために凹凸が
あったり、軟弱で沈下したりするため、織物シートに
は、十分な強度ともに伸長性が要求される。特に、岩石
の凹凸や敷設面の沈下などに対応するためには小さな力
で十分伸長する特性が要求され、伸長が不十分な繊維か
らなる織物シートは、傷や裂傷が生じやすい。
【0004】また、土木用織物シートを敷設するときに
は、複数枚の織物シートを敷設しておき連結するが、地
形や風の影響でズレが生じやすい。このように織物シー
ト間に隙間が発生すると、隙間をなくすために織物シー
トを移動させて位置合わせをする必要がある。このと
き、それぞれの織物シートを順に移動させると、場合に
よっては全織物シートの移動が必要になる。そこで、通
常、位置合わせの際には、一枚の織物シートを伸ばして
隙間をなくす方法が実施されている。
【0005】土木用の織物シートとして、例えば、特開
平8−246288号公報には、長期間経過後も敷設面
の岩石や割石等の尖角状物によってシートに傷や裂傷が
生じにくい、厚織シートが提案されている。しかしなが
ら、この織物シートは上記のような位置合わせをする際
には、大きな力を要し、そのため位置合わせの作業性が
悪いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決し、製織すると、強度、伸度が十分に高く、
敷設面にフィットしやすく、かつ位置合わせ作業を容易
に行うことができる土木用織物シートを得ることができ
るポリエステル繊維を提供することを技術的な課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、ポリエチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステル繊維であって、極限粘度が
0.7以上、破断時の伸度が100〜250%、荷重−
伸長曲線における降伏点が0.4〜0.7g/d、破断
時の強度が1.5g/d以上、荷重−伸長曲線における
50%伸長時の強度が0.9g/d以下であることを特
徴とする土木用ポリエステル繊維を要旨とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のポリエステル繊維は、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)を主成分とするものであり、他の
共重合成分を含有していてもよいが、分子鎖中にエチレ
ンテレフタレート繰り返し単位を90モル%以上、さら
には、95モル%以上含むことが好ましい。共重合成分
としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4
−オキシ安息香酸、プロピレングリコール、1,6-ヘキサ
ンジオール等が挙げられる。また、これらのポリエステ
ルには、艶消し剤、安定剤、着色剤、難燃剤等の添加剤
を含有させてもよい。
【0009】そして、PETからなる本発明のポリエス
テル繊維の極限粘度は、0.7以上であることが必要で
あり、好ましくは、0.85〜1.1である。極限粘度
が0.7よりも小さい場合には、目標とする強度及び伸
度を有する繊維とすることができない。また、1.1を
超えると、降伏点や50%伸長時の強度が高くなりすぎ
る場合があるため好ましくない。
【0010】さらに、本発明のポリエステル繊維は、破
断時の強伸度、荷重−伸長曲線における降伏点、荷重−
伸長曲線における50%伸長時の強度が特定の値のもの
である。本発明において、破断時の強伸度は、JIS−
L−1017に従って測定したものであり、荷重−伸長
曲線は、図1に示すように、この破断時の強度と伸度を
X−Y記録計で記録し得たものである。そして、降伏点
及び50%伸長時の強度は、このX−Y記録計から読み
とった値である。図1に示す荷重−伸長曲線において、
aが降伏点、bが50%伸長時の強度、cが破断時の強
度及び伸度を示し、グラフ1が本発明のポリエステル繊
維を示すものであり、グラフ2、3は比較例のポリエス
テル繊維を示すものである。
【0011】まず、破断時の伸度は、100〜250
%、さらに好ましくは150〜220%であることが必
要である。破断時の伸度が100%未満であると、織物
シートにした場合、シートの伸長が不十分となり、敷設
面に敷設した場合、岩石などの凹凸や地面の沈下等の変
化に対して対応ができず、織物シートに傷や裂傷が生じ
る。また、破断時の伸度が250%を超えると、寸法安
定性が悪くなり、気候(温度や湿度)の影響を受けて時
間が経過するに伴い、強度、伸度が著しく低下する。
【0012】そして、荷重−伸長曲線における降伏点
は、0.4〜0.7g/dであることが必要である。降
伏点が0.4g/d未満であると、撚糸や製織等の加工
時の張力の変動でポリエステル繊維が変形し、良好な織
物シートが得られなくなる。また、降伏点が0.7g/
dを超えると、得られる織物シートを伸長させるために
大きな力が必要となるため、織物シートを敷設面に複数
枚連結して敷設した場合に、敷設面の凹凸や気候や地面
の沈下等の変化に対して対応ができず、織物シート間に
隙間が生じやすくなり、この隙間をなくすためのシート
の位置合わせ作業における作業性が悪くなるという問題
がある。
【0013】次に、破断時の強度が1.5g/d以上、
荷重−伸長曲線における50%伸長時の強度が0.9g
/d以下であることが必要である。破断時の強度が1.
5g/d未満であると、織物シート自体の強力も低くな
るため、ポリエステル繊維の使用量を多くし、織物シー
ト自体を厚くする必要があり、コストが高くなる。荷重
−伸長曲線における50%伸長時の強度が0.9g/d
以下であると、織物シートが小さい力で伸長し、敷設面
の凹凸が大きい場所でも敷設面にフィットし、シートの
位置合わせ作業を容易に行うことができる。したがっ
て、この強度が0.9g/dを超えると、織物シートを
伸長させるために大きな力が必要となり、シートの位置
合わせ作業における作業性が悪化する。
【0014】次に、本発明のポリエステル繊維の製造方
法を図2を用いて説明する。まず、PETを主たる繰り
返し単位とするポリエステルを溶融し、紡糸口金1より
糸条Yを吐出させ、200〜400℃に加熱された加熱
筒2を通過させた後、冷却装置3を通過させて冷却す
る。そして、油剤付与装置4で油剤を付与した後、第1
ローラ5に引き取り、巻き取らずに直ちに第2ローラ
6、第3ローラ7、第4ローラ8に周回させた後、巻取
機で巻き取る。このとき、第2〜第4ローラは加熱ロー
ラとし、第1〜第4ローラ間で延伸や弛緩を行えばよ
い。
【0015】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例における各種の測定、評価は次のよ
うに行った。 〔極限粘度〕フェノールと四塩化エタンとの等重量混合
物を溶媒とし、20℃で測定した。 〔破断時の強度、伸度〕前記と同様の方法で測定した。 〔荷重−伸長曲線〕前記と同様の方法で測定した。
【0016】実施例1〜5 比較例1〜5 極限粘度が0.99のPETチップ(比較例5は溶融粘
度0.68のPETチップ)を通常の溶融紡糸装置に供
給し、図2に示す工程に従って溶融紡糸、延伸、巻き取
りを行った。孔径0.55mmの吐出孔を96個または
192個有する紡糸口金1より紡糸温度300℃で紡糸
し、糸条を加熱筒2(300mm、350℃)を通過さ
せ、その後冷却装置3で冷却、固化させた。そして、油
剤付与装置4(オイリングローラ)で油剤を付与した
後、第1〜第4ローラに導き、延伸し、巻取機9で巻き
取った。このとき、第1〜第4ローラの温度を表1に示
すように種々変更し、第1ローラ5と第2ローラ6間で
予備延伸(延伸倍率1.01)を行い、第2ローラ6と
第3ローラ7間で表1に示す延伸倍率で延伸を行った。
得られた繊維を用いて、経密度50本/2.54cm、緯密
度92本/2.54cmの織物シートを作製した。得られた
繊維の極限粘度、強度、伸度等の物性の結果を表1に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】表1より明らかなように、実施例1〜5で
得られた繊維は、本発明で規定する極限粘度、強度、伸
度等の物性を満足するものであり、これらの繊維から得
られた織物シートは、位置合わせ作業が容易なものであ
った。一方、比較例1の繊維は、破断時の伸度が低く、
降伏点や50%伸長時の強度も高すぎたため、この繊維
より得られた織物シートは伸長が不十分となり、位置合
わせの作業性が悪いものであった。比較例2の繊維は、
破断時の伸度が高すぎたため、この繊維より得られた織
物シートは、寸法安定性が悪いものであった。比較例3
の繊維は、破断時の伸度が高く、降伏点が低すぎたた
め、撚糸や製織等の加工時の張力の変動でポリエステル
繊維が変形し、良好な織物シートが得られなかった。ま
た、巻き取りも張力が低く困難であった。比較例4の繊
維は、降伏点及び50%伸長時の強度が高すぎたため、
この繊維より得られた織物シートは伸長が不十分とな
り、位置合わせの作業性が悪いものであった。比較例5
の繊維は、極限粘度が低すぎたため、破断時の強伸度が
低すぎ、この繊維より得られた織物シートは強度、伸度
ともに不十分なものであった。
【0019】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は、製織する
と、十分な強度を有し、敷設面の岩石、地面の凹凸にフ
ィットしやすく、かつ施工時のシート位置合わせの際に
も引っ張りに多大な力を要することなく、作業性よく行
うことができる土木用織物シートを得ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル繊維における荷重−伸長
曲線の模式図である。
【図2】本発明のポリエステル繊維の製造方法の一実施
態様を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 加熱筒 3 冷却装置 4 油剤付与装置 Y 糸条

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
    するポリエステル繊維であって、極限粘度が0.7以
    上、破断時の伸度が100〜250%、荷重−伸長曲線
    における降伏点が0.4〜0.7g/d、破断時の強度
    が1.5g/d以上、荷重−伸長曲線における50%伸
    長時の強度が0.9g/d以下であることを特徴とする
    土木用ポリエステル繊維。
JP9292100A 1997-10-24 1997-10-24 土木用ポリエステル繊維 Pending JPH11124725A (ja)

Priority Applications (1)

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JP9292100A JPH11124725A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 土木用ポリエステル繊維

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JP9292100A Pending JPH11124725A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 土木用ポリエステル繊維

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JP (1) JPH11124725A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943071B2 (en) 2006-04-14 2011-05-17 Hyosung Corporation Polyethylene terephthalate filament having high tenacity for industrial use

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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