JPH11124658A - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法

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JPH11124658A
JPH11124658A JP9289814A JP28981497A JPH11124658A JP H11124658 A JPH11124658 A JP H11124658A JP 9289814 A JP9289814 A JP 9289814A JP 28981497 A JP28981497 A JP 28981497A JP H11124658 A JPH11124658 A JP H11124658A
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Taisei Nakayama
大成 中山
Noriyuki Honjo
法之 本庄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術では、打抜き性、耐疵付け性およ
び磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板を、低コストで提
供できなかった。 【解決手段】 C:0.01%以下、Si:3.5 %以下、Mn:
2.0 %以下、S:0.015 〜0.035 %、sol.Al:2.0 %以
下、P:0.15%以下、残部Feおよび不可避的不純物から
なる鋼組成を有し、酸化物の表面をMnS が覆った0.1 〜
10μm の大きさの複合介在物を有する無方向性電磁鋼
板。上記の鋼組成を有する連続鋳造スラブに、500 ℃未
満へ低下することなく1250℃以下へのスラブ加熱、熱間
圧延、冷間圧延および700 〜1050℃の連続仕上焼鈍を行
うことにより、提供される。P量およびS量の適正化お
よび複合介在物の存在により所望の打抜き性が得られ、
S量の適正化および複合介在物の存在により所望の耐疵
付け性が得られ、さらに、C量、Si量、Mn量およびsol.
Al量の適正化およびMnS微細析出抑制により所望の磁気
特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば小型モータ
やマイクロモータ、さらには小型トランス等に使用する
のに好適な、打抜き性、耐疵付け性および磁気特性に優
れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種鋼板に対して、合理化された
製造工程やより効率的かつ低コストの製造方法が急速に
開発されている。したがって、各種電磁モータやトラン
ス等に使用される無方向性電磁鋼板に対しても作業効率
の向上が要求されるようになってきた。例えば打抜き性
向上はその一つであり、打抜き性を向上して打抜き速度
を上昇することにより、生産効率の向上を図るものであ
る。
【0003】近年、環境保護およびエネルギー資源有効
利用の観点から、モータの効率向上もいっそう重要視さ
れてきており、電磁鋼板に対しても、高磁束密度低鉄損
化が以前に増して強く要求されている。
【0004】このような状況下において、鉄損の劣化に
つながるために磁気特性に関して不利であると従来考え
られてきたS添加を行っても、製鋼技術や熱延技術の進
歩に基づいて介在物形態制御を適切に行うことにより、
磁気特性に及ぼす悪影響を殆ど無くすことができるよう
になったため、近年では、S添加を行うことにより無方
向性電磁鋼板の加工性改善が図られるようになってき
た。本出願人も、先に特公平5−82454 号公報により、
S:0.015 〜0.035 % (以下、本明細書においては特に
ことわりがない限り、「%」は「重量%」を意味するも
のとする。) 、Mn(%) /S (%) ≧10を満足すること
により、介在物であるMnSの析出形態を制御して、磁気
特性を阻害することなく打抜き性が良好な無方向性電磁
鋼板を製造する方法を提案した。この提案により、所望
の磁気特性を具備したまま打抜き性および切削性を顕著
に改善することができ、打抜き加工時の作業性、作業能
率の改善・向上が図られている。
【0005】ところで、この無方向性電磁鋼板に対して
は、前述した打抜き性および磁気特性とともに、耐疵付
け性の向上も要求される。この耐疵付け性において対象
とする疵とは、電磁鋼板同士あるいは電磁鋼板と他の材
料とが擦られた際に、鋼中に含有される硬質の酸化物に
より発生する疵を意味しており、例えば、マイクロモー
タの組立ての際のシャフト圧入時にシャフトの表面に発
生する疵や、EIコアトランスの積層時に発生する引っ掻
き疵等が知られている。これらの疵は、製品の外観品質
を損なうとともにモータ等の回転時には風切り音を発生
させ、あるいはEIコアトランスでは層間絶縁抵抗の低下
を招き、製品性能を著しく損なう。
【0006】そこで、従来より、この疵の解消を目的と
した様々な提案が行われている。例えば、特開平5−33
1601号公報にはS≦0.03%、Al:0.001 〜1.5 %を含有
するとともにSiO2、Al2O3 およびMnO の3種の酸化物の
総量に対するSiO2の重量割合を0.30以下に抑制する発明
が、一方、特開平6−2078号公報にはS≦0.03%、Al:
0.001 〜1.5 %を含有するとともに直径5μm 以上の酸
化物密度を20個/mm2以下に抑制する発明が、それぞれ提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの発明は、基本
的に、前述した疵の原因である硬質の酸化物の量を低減
することにより、疵防止を図っている。ところが、この
ように酸化物の量を低減するには、溶銑段階等の製鋼時
に特別の脱硫処理を行う必要がある。そのため、製造コ
ストの上昇を招き、コスト低減要請が極めて強い小型モ
ータや小型トランス等への無方向性電磁鋼板の適用性を
著しく損なうことになってしまう。
【0008】ここに、本発明の目的は、打抜き性、耐疵
付け性および磁気特性に優れ、さらに低コストであるた
めに、例えば小型モータやマイクロモータさらには小型
トランス等に使用するのに真に好適な、無方向性電磁鋼
板およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ね、以下に列記する知見
(i) 〜(v) を得て、これらの知見(i) 〜(v) に基づいて
さらに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0010】(i) 加工性を確保するために、S含有量は
0.015 %以上0.035 %以下とする。通常の製鋼工程で
は、溶銑時に特別な脱硫処理を行わなくとも、S:0.01
5 〜0.035 %が達成されるため、製造コストの上昇が抑
制される。
【0011】(ii)S含有量が0.015 〜0.035 %では、鋼
中の酸化物や窒化物を核としてその表面にMnS が析出
し、結果的に、表面をMnS により覆われた状態の酸化物
や窒化物、すなわち酸化物や窒化物とMnS とが複合し
た、粒径が0.1 〜10μm の複合介在物が生成する。
【0012】(iii) この複合介在物は、連続鋳造スラブ
を500 ℃未満に低下することなく、1250℃以下に抑制し
てスラブ加熱を行うことにより、MnS の再溶解等を起こ
さずに、複合されたままの状態で仕上げ圧延完了まで存
在し、熱間圧延時に通常のMnS単独のもののように延び
たり、破砕したりせずに、製品においてもその形態が維
持される。
【0013】(iv) MnSは、酸化物に比べると柔らかく元
来潤滑効果を有するため、酸化物や窒化物の表面をMnS
により覆われることにより、製品組立て時等における前
述の疵付きが解消される。また、MnS により表面を覆わ
れた酸化物や窒化物はMnS 単体と同一の作用を奏するた
め、快削性や打抜き性の向上も実現される。
【0014】(v) さらに、連続鋳造スラブを500 ℃未満
に低下することなくスラブ加熱温度を1250℃以下に抑制
して、MnSの再溶解を防止することにより、仕上げ圧延
時におけるMnSの微細析出も防止される。これにより、
磁気特性劣化も発生せず、良好な耐疵付け性が得られ
る。
【0015】ここに、本発明の要旨とするところは、
C:0.01%以下、Si:3.5 %以下、Mn:2.0 %以下、
P:0.15%以下、S:0.015 〜0.035 %、sol.Al:2.0
%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を
有し、酸化物および窒化物の一方または双方の表面をMn
S が覆った0.1 〜10μm の大きさの複合介在物を有する
ことを特徴とする打抜き性、耐疵付け性および磁気特性
に優れた無方向性電磁鋼板である。
【0016】上記の本発明にかかる無方向性電磁鋼板で
は、複合介在物の大きさは、その最大径により規定され
る。
【0017】また、別の観点からは、本発明は、C:0.
01%以下、Si:3.5 %以下、Mn:2.0 %以下、P:0.15
%以下、S:0.015 〜0.035 %およびsol.Al:2.0 %以
下を含有する鋼組成を有する連続鋳造スラブを、500 ℃
未満に低下することなく、1250℃以下に加熱して熱間圧
延を行った後、冷間圧延および700 〜1050℃の連続仕上
焼鈍を行うことを特徴とする打抜き性、耐疵付け性およ
び磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法であ
り、この本発明により、酸化物および窒化物の一方また
は双方の表面をMnS が覆った0.1 〜10μm の大きさの複
合介在物が鋼中に形成される。
【0018】上記の本発明にかかる打抜き性、耐疵付け
性および磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
においては、磁気特性のいっそうの改善を目的に、熱
間圧延に引き続いて、600 〜1100℃の熱延板焼鈍を行う
こと、磁気特性改善を目的に、冷間圧延において、1
回または2回以上の中間焼鈍を行うこと、打抜き性の
いっそうの改善を目的に、冷間圧延を終了した後に、有
機樹脂、または有機樹脂と無機バインダーとの混合物か
らなる表面コーティングを行うことの少なくとも一つを
行うことが、望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる無方向性電
磁鋼板およびその製造方法を詳細に説明する。
【0020】まず、本発明にかかる無方向性電磁鋼板の
組成を限定する理由を説明する。
【0021】(C:0.01%以下)Cは、強度を向上させる
が、0.01%を越えて含有すると磁気時効を引き起こし、
磁気特性が劣化する。そこで、本発明では、C含有量は
0.01%以下に限定する。同様の観点から、望ましくは、
0.008 %以下である。
【0022】(Si:3.5 %以下)Siは、磁気特性の改善に
顕著な効果があり必須元素であるが、3.5 %を越えて含
有すると冷間圧延が困難となる。そこで、本発明では、
Si含有量は3.5 %以下に限定する。望ましい上限値は3.
2 %であり、望ましい下限値は0.05%である。
【0023】(Mn:2.0 %以下)Mnは、磁気特性の改善に
有効な元素であるが、2.0 %を越えて含有しても磁気特
性、打抜き性および耐疵付け性はいずれも改善されず、
その一方で冷間圧延が困難になる。そこで、本発明で
は、Mn含有量は2.0 %以下に限定する。望ましい上限値
は1.8 %であり、望ましい下限値は0.1 %である。
【0024】(P:0.15%以下)Pは、打抜き性の確保に
有効な元素であるが、0.15%を越えて含有すると冷間圧
延が困難となる。そこで、本発明では、P含有量は0.15
%以下に限定する。
【0025】(S:0.015 〜0.035 %)Sは、酸化物や窒
化物の表面をMnSで覆うことを最大の特徴の一つとする
本発明において極めて重要な元素である。S含有量が0.
015 %未満では酸化物や窒化物をMnSで完全に覆うこと
ができず、潤滑による疵付け防止効果が認められなくな
る。一方、0.035 %を越えて含有すると10μm 超の大型
介在物や10μm 以下でも多数のMnSが析出し、磁気特性
が劣化する。そこで、本発明では、S含有量は0.015 %
以上0.035 %以下に限定する。同様の観点から、S含有
量の上限は0.033 %、下限は0.019 %がそれぞれ望まし
い。
【0026】(sol.Al:2.0 %以下)sol.Alは、磁気特性
を改善するのに重要な元素であるが、2.0 %を越えて含
有すると冷間圧延が困難となる。そこで、本発明では、
sol.Al含有量は2.0 %以下に限定する。
【0027】上記以外の組成は、Feおよび不可避的不純
物である。
【0028】さらに、本発明にかかる無方向性電磁鋼板
では、介在物の形態を特定する。次に、介在物について
説明する。
【0029】(介在物)本発明にかかる無方向性電磁鋼板
は、酸化物および窒化物の一方または双方の表面をMnS
が覆った、0.1 〜10μm の大きさの複合介在物を有す
る。
【0030】本発明において、複合介在物の大きさを0.
1 μm 以上10μm 以下の範囲に限定したのは、介在物が
酸化物や窒化物を核とし、その表面がMnSにより覆われ
た状態であることを確保するためである。すなわち、大
きさが0.1 μm 未満である複合介在物を有する鋼板を製
造することは困難であって実現性が乏しく、一方、本発
明において規定するS含有量(0.015〜0.035 %) の鋼を
通常の溶製法により製造すると、10μm 超の介在物を鋼
中に見いだすことは困難となるからである。しかしなが
ら、S含有量が0.035 %超になると、前述したように、
10μm を超える大きさの介在物が観察され、10μm を超
えた介在物は大き過ぎてMnSによる表面被覆が不完全に
なるため、露出した酸化物の表面によって、例えば、シ
ャフト圧入時にシャフト表面に疵を生じてしまう。そこ
で、本発明では、介在物の大きさを0.1 μm 以上10μm
以下に限定する。
【0031】このように構成された本発明にかかる無方
向性電磁鋼板では、主として、PおよびSをそれぞれ適
正量含有するとともに複合介在物を有するために、所望
の打抜き性が奏せられる。また、主として、Sを適正量
含有するとともに複合介在物を有するために、所望の耐
疵付け性が奏せられる。さらに、主として、C、Si、M
n、Sおよびsol.Alを適正量含有するとともに熱間圧延
時の加熱温度の規制によりMnSの微細析出が抑制される
ために、所望の磁気特性が得られる。
【0032】さらに、本発明にかかる無方向性電磁鋼板
では、S含有量が高いために、その溶製段階でコスト増
につながる面倒な脱硫処理を行う必要がなく、製造コス
トの上昇も抑制される。
【0033】次に、本発明にかかる無方向性電磁鋼板の
製造方法を、製造工程順に説明する。
【0034】本発明にかかる無方向性電磁鋼板の製造に
際しては、上記の組成を有する連続鋳造スラブ、すなわ
ちC:0.01%以下、Si:3.5 %以下、Mn:2.0 %以下、
P:0.15%以下、S:0.015 〜0.035 %およびsol.Al:
2.0 %以下を含有する鋼組成を有する連続鋳造スラブを
用いる。
【0035】この連続鋳造スラブは、S含有量が0.015
%以上0.035 %以下であることから、溶銑時に特別な脱
硫処理を行わなくとも、通常の溶製工程により製造され
る。したがって、溶製段階におけるコスト上昇を伴うこ
とがない。
【0036】本発明にかかる無方向性電磁鋼板の製造方
法では、連続鋳造スラブは、500 ℃未満に低下すること
なく、熱間圧延のためのスラブ加熱が行われる。本発明
では、この連続鋳造スラブに対する最低温度の限定は極
めて重要である。
【0037】すなわち、連続鋳造スラブを500 ℃未満に
低下してしまうと、その後に行うスラブ加熱により、連
続鋳造スラブには、内部および表層部の間に大きな温度
勾配が不可避的に発生する。そのため、内部まで所望の
スラブ加熱温度に加熱すると、表層部は1250℃を超える
高温となる。これにより、連続鋳造スラブに存在する前
述の複合介在物のうちで特に表層部に存在する複合介在
物が再溶解して、所望の耐疵付け性が得られなくなって
しまう。そこで、本発明にかかる無方向性電磁鋼板の製
造方法では、連続鋳造時からスラブ加熱までの間におけ
る連続鋳造スラブの最低温度を、500 ℃以上に限定す
る。同様の観点から、連続鋳造スラブの最低温度は、50
0 ℃以上900 ℃以下が望ましい。
【0038】ここで、「最低温度」とは、連続鋳造スラ
ブの表面温度であり、適宜手段により測定される。ま
た、連続鋳造スラブの最低温度を500 ℃以上とする手段
は特に限定を要さない。例えば、連続鋳造−熱間圧延一
貫工程である、いわゆるホットチャージあるいはダイレ
クトチャージ工程を採用することを例示できる。このホ
ットチャージあるいはダイレクトチャージ工程によれ
ば、連続鋳造スラブの最低温度は、500 〜900 ℃程度に
維持される。
【0039】この連続鋳造スラブを、1250℃以下のスラ
ブ加熱温度に加熱し、通常の条件で熱間圧延を行う。ス
ラブ加熱温度が1250℃を超えると、鋼中のMnSを溶解さ
せ磁気特性の劣化を招くからである。圧延性確保の観点
も勘案して、望ましいスラブ加熱温度は、1000℃以上12
50℃以下である。
【0040】なお、熱間圧延は、公知の圧延条件で行え
ばよく、本発明では何ら限定を要さない。
【0041】このようにして熱間圧延を終了した後に、
必要に応じて、磁気特性のいっそうの改善あるいはリジ
ング防止を目的に、600 〜1100℃の熱延板焼鈍を行う。
熱延板焼鈍温度が600 ℃未満では磁気特性の改善効果が
認められず、一方、1100℃を越えると結晶粒が過度に粗
大化し、冷間圧延時に破断等を引き起こす。そこで、本
発明において熱延板焼鈍を行う場合には、熱延板焼鈍温
度を600 ℃以上1100℃以下とすることが望ましい。
【0042】この後、冷間圧延および700 〜1050℃の連
続焼鈍にて仕上げ焼鈍を行うが、冷間圧延においても、
磁気特性改善を目的に、中間厚の状態で、600 〜1000℃
の中間焼鈍を例えばバッチ式焼鈍炉を用いて、1回また
は2回以上行ってもよい。
【0043】冷間圧延の条件は、公知の条件であればよ
く、本発明では何ら限定を要さない。また、本発明にお
いて、仕上げ焼鈍を、700 〜1100℃での連続焼鈍に限定
したのは、仕上焼鈍温度が700 ℃未満であると再結晶組
織が十分得られず磁気特性が劣化し、一方仕上げ焼鈍温
度が1100℃超であると結晶粒が著しく粗大化して加工性
が劣化するか、またはα−γ変態が発生し、磁気特性お
よび鋼板の平坦度がともに劣化するからである。
【0044】本発明では、このようにして無方向性電磁
鋼板が提供されるが、打抜き性のいっそうの改善を目的
として、冷間圧延および仕上焼鈍を終了した冷延鋼板
に、有機樹脂、または有機樹脂と無機バインダーとの混
合物による表面コーティングを、適宜手段により行うこ
とが望ましい。
【0045】以上詳細に説明した本発明にかかる無方向
性電磁鋼板の製造方法により、所望の打抜き性、耐疵付
け性および磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を、低コ
ストで製造することが可能となる。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例を参照しながら、より
具体的に説明する。
【0047】表1に示す組成を有する鋼No.1〜鋼No.5
(本発明例) と、同じく表1に示す組成を有する鋼No.6
〜鋼No.12(比較例) とを溶製し、それぞれから厚さ227m
m 、幅1000mmの連続鋳造スラブを得た。
【0048】
【表1】
【0049】この溶製の際、鋼No.9以外の鋼は、S含有
量が0.015 %以上0.035 %以下であることから、特別な
脱硫処理を行わずに通常工程により溶製したが、鋼No.9
は、RH粉体上吹脱硫法 (RH−PB法) により脱硫処理を
行っており、製造コストが上昇した。
【0050】このようにして製造した鋼No.1〜鋼No.12
からなる連続鋳造スラブの表面温度が、表2に示すスラ
ブ最低温度を下回らないように管理して、同じく表2に
示すスラブ加熱温度に加熱して熱間圧延を行い、2.3mm
の板厚の熱延鋼板とした。
【0051】これらの熱延鋼板のうちの一部について、
表2に示す熱延板焼鈍温度で熱延板焼鈍を行い、その後
に冷間圧延を行って、板厚が0.5mm または0.35mmの冷延
鋼板とした。これらの一部については、冷間圧延の際に
表2に示す中間焼鈍温度でバッチ中間焼鈍を行った。
【0052】冷間圧延終了後に、表2に示す仕上焼鈍温
度で連続仕上焼鈍を行い、さらに一部については、鋼板
表面に、アクリル樹脂エマルジョン、クロム酸マグネシ
ウムおよびほう酸からなる膜厚0.4 μm の表面コーティ
ングを、ロールコータ方式により、行った。
【0053】
【表2】
【0054】このようにして、試験No.1〜試験No.20 を
行ったが、試験No.7および試験No.8については仕上焼鈍
温度が本発明の範囲を外れるために平坦不良になった。
また、試験No.9は熱延板焼鈍温度が、試験No.12 はP含
有量が、試験No.13 はSi含有量が、試験No.16 はsol.Al
含有量が、さらに試験No.17 はMn含有量が、いずれも本
発明の範囲の上限を超えるために冷間圧延時に破断し
た。また、試験No.10 は、中間焼鈍温度が本発明の好適
範囲を外れるために結晶粒が粗大化し、冷間圧延時に破
断した。そのため、いずれも試料を得ることができなか
った。
【0055】試験No.1〜試験No.6、試験No.11 、試験N
o.14 、試験No.15 、および試験No.18 〜試験No.20 か
らそれぞれ得られた試料について、鉄損W15/50、磁束密
度B50、連続打抜回数、耐疵付け性および介在物形態を
調べた。
【0056】ここで、磁気特性は、JIS C2550 に規定さ
れた25cmエプスタイン試験器で切断のまま (フルプロセ
ス) で、鉄損W15/50(W/kg)および磁束密度B50(T)を測定
することにより、評価した。打抜き性は、連続打抜き試
験を行ってかえり高さが50μmに達する最高打抜回数を
連続打抜回数として、評価した。また、耐疵付け性は、
直径2mmの穴に2.01mmの丸棒 (材質:SCM435) を圧入し
て圧入された部分の表面における疵の有無を観察して、
評価した。
【0057】さらに、鋼中の介在物の形態は、走査電子
顕微鏡(SEM) を用いて形態を調べるとともに、電子線分
光分析(EDAX)を用いて組成を同定することにより、調べ
た。図1は、試験No.1により得られた試料について、SE
M およびEDAXを用いて行った介在物の分析結果を模式的
に示す説明図であり、図1(a) 、図1(f) はSEM による
介在物1、1'の形態を示し、図1(b) 〜図1(e) 、図1
(g) 〜図1(j) は、それぞれEDAXによる、Mn、S、Al、
OまたはNの存在範囲を示す。
【0058】図1(a) 〜図1(e) 、図1(f) 〜図1(j)
に示すように、EDAXにより、介在物1、1' の組成を2
次元で分析した結果、介在物1、1' の断面中心部に、
AlおよびO、またはAlおよびNが強く検出され、それら
の周囲にMnおよびSが強く検出された。すなわち、この
介在物1、1' は、中心部に核としてAl2O3 またはAlN
が存在し、その周囲を覆った状態でMnSが存在する複合
介在物であることを示している。また、介在物1の大き
さは、図1(a) 、図1(f) に示すように、SEMの観察に
より約5μm であることがわかり、このような介在物1
は1〜50個/mm 2 の密度で観察された。図2(a) は、こ
の介在物1の断面の一例を示す模式図であり、図2(b)
は、介在物1' の断面の一例を示す模式図である。な
お、試験No.2〜試験No.5により得られた試料も同様であ
った。
【0059】一方、例えば試験No.14 や試験No.20 によ
り得られた試料のように、S含有量が低い試料では、介
在物は主に、SiO2やAl2O3 等の酸化物単体やAlN 等の窒
化物単体、さらにはMnS 単体として存在しており、これ
らの介在物のうちでSiO2やAl2O3 等の酸化物単体や窒化
物単体がシャフト圧入時にシャフトに疵をつける。図3
は、このような介在物断面の一例を示す模式図である。
【0060】このように、鋼中に含有されるMnS単体
は、シャフトに疵をつけないが、S含有量が低く、生成
されるMnSの量がSiO2やAl2O3 等の酸化物や窒化物に比
較して相対的に少ない場合には、これら酸化物や窒化物
の表面を覆うことができない。本実施例では、他の試料
についても、このようにSEM およびEDAXを用いて、介在
物の形態を調べた。
【0061】結果を表3にまとめて示す。
【0062】
【表3】
【0063】本発明例である試験No.1〜試験No.5により
得られた試料は、前述した図2に例示するように、介在
物がAl2O3 を核としてその周囲にMnSが形成された複合
構造を呈しており、磁気特性 (鉄損W15/50および磁束密
度B50)、打抜き性 (連続打抜回数) および耐疵付け性と
もに良好な結果が示されており、例えば小型モータやマ
イクロモータ、さらには小型トランス等に使用するのに
極めて適した無方向性電磁鋼板であることがわかった。
【0064】これに対し、S含有量が本発明の範囲を下
回る試験No.14 、試験No.20 によりそれぞれ得られた試
料では、MnSが微細に析出して酸化物を覆うことができ
ずに耐疵付け性が劣化し、S含有量が本発明の範囲を上
回る試験No.15 により得られた試料でも多量のMnSが析
出して磁気特性が著しく劣化した。
【0065】また、0.3 %Si鋼について比較すると、試
験No.1により得られた本発明例に対し、スラブ加熱温度
が本発明の範囲を上回る試験No.6により得られた試料で
は、MnSが溶解して微細に析出し、磁気特性が劣化し
た。また、C含有量が本発明の範囲を上回る試験No.11
により得られた試料やS含有量が本発明の範囲を上回る
試験No.15 により得られた試料は、ともに、著しく多量
のMnSやCが原因で磁気特性が劣化した。さらに、S含
有量が本発明の範囲を下回る試験No.14 により得られた
試料は、MnSがAl2O3 を覆うことができず、打抜き性お
よび耐疵付け性がともに劣化した。
【0066】試験No.18 により得られた試料は、スラブ
加熱温度が本発明の範囲を超えているために、MnSが溶
解して仕上圧延時に微細に析出したため、磁気特性およ
び耐疵付け性がともに劣化した。
【0067】試験No.19 により得られた試料は、スラブ
加熱温度およびC含有量がともに本発明の範囲の上限を
超えるため、Mnが溶解して磁気特性および耐疵付け性が
ともに劣化した。
【0068】また、試験No.6、試験No.18 により得られ
た試料は、連続鋳造後であってスラブ加熱前の連続鋳造
スラブの最低温度が、本発明の範囲を下回っているため
に、スラブ加熱により表層部における複合介在物が再溶
解・消失してしまった。そのため、耐疵付け性が劣化
し、所望の無方向性電磁鋼板を得ることができなかっ
た。なお、この試験No.6により得られた試料は、前述し
た特開平5−331601号公報に記載された無方向性電磁鋼
板と同一の組成を有するものであるが、連続鋳造スラブ
を20℃にまで低下してしまったために、スラブ加熱によ
り複合介在物が再溶解し、耐疵付け性が劣化している。
【0069】さらに、一例として、試験No.1により得ら
れた本発明例の試料と、試験No.15により得られた比較
例の試料とについて、50mm2 における介在物分布を、図
4、図5にそれぞれグラフで示す。
【0070】本発明にかかる無方向性電磁鋼板では、酸
化物または窒化物とMnS とが複合した複合介在物のサイ
ズを、0.1 〜10μm に限定している。10μm を越える介
在物は、前述したようにサイズが大き過ぎるためにMnS
で覆うことができず耐疵付け性が改善されないととも
に、図4および図5にグラフで示すように、10μm を越
えるものは極めて少なく通常の製鋼技術では殆どが10μ
m以下となり、また、0.1 μm 未満のサイズの介在物
は、通常の製鋼技術では製造上不可避であるが、このサ
イズの介在物は耐疵付け性に影響を及ぼさない。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる無方向性電磁鋼板およびその製造方法により、所望
の打抜き性、耐疵付け性および磁気特性を有する無方向
性電磁鋼板を、低コストで製造することが可能となっ
た。
【0072】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の試験No.1により得られた試料につい
て、SEM およびEDAXを用いて行った介在物の分析結果を
模式的に示す説明図であり、図1(a) 、図1(f) はSEM
による介在物の形態を示し、図1(b) 〜図1(e) は、そ
れぞれEDAXにより、Mn、S、Al、Oの存在範囲を示し、
図1(g) 〜図1(j) は、それぞれEDAXにより、Mn、S、
Al、Nの存在範囲を示す。
【図2】図2(a) 、図2(b) は、いずれも、本発明例の
介在物断面の一例を示す模式図である。
【図3】比較例の介在物断面の一例を示す模式図であ
る。
【図4】実施例の試験No.1により得られた本発明例の試
料について、50mm2 における介在物分布を示すグラフで
ある。
【図5】実施例の試験No.15 により得られた比較例の試
料について、50mm2 における介在物分布を示すグラフで
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.01%以下、Si:3.5 %
    以下、Mn:2.0 %以下、P:0.15%以下、S:0.015 〜
    0.035 %、sol.Al:2.0 %以下、残部Feおよび不可避的
    不純物からなる鋼組成を有し、酸化物および/または窒
    化物の表面をMnS が覆った0.1 〜10μm の大きさの複合
    介在物を有することを特徴とする打抜き性、耐疵付け性
    および磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.01%以下、Si:3.5 %
    以下、Mn:2.0 %以下、P:0.15%以下、S:0.015 〜
    0.035 %およびsol.Al:2.0 %以下を含有する鋼組成を
    有する連続鋳造スラブを、500 ℃未満に低下することな
    く、1250℃以下に加熱して熱間圧延を行った後、冷間圧
    延および700 〜1050℃の連続仕上焼鈍を行うことを特徴
    とする打抜き性、耐疵付け性および磁気特性に優れた無
    方向性電磁鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016145376A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板
JP2019199643A (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 日本製鉄株式会社 無方向性電磁鋼板、及びその製造方法

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