JPH11124346A - シクロプロピルアセチレン誘導体の製造方法 - Google Patents

シクロプロピルアセチレン誘導体の製造方法

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JPH11124346A
JPH11124346A JP9290069A JP29006997A JPH11124346A JP H11124346 A JPH11124346 A JP H11124346A JP 9290069 A JP9290069 A JP 9290069A JP 29006997 A JP29006997 A JP 29006997A JP H11124346 A JPH11124346 A JP H11124346A
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trihalogenomethyl
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JP9290069A
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Shigeo Osono
重雄 大園
Makoto Nakazawa
信 仲澤
Goro Asanuma
五朗 浅沼
Manzo Shiono
万蔵 塩野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C13/00Cyclic hydrocarbons containing rings other than, or in addition to, six-membered aromatic rings
    • C07C13/02Monocyclic hydrocarbons or acyclic hydrocarbon derivatives thereof
    • C07C13/04Monocyclic hydrocarbons or acyclic hydrocarbon derivatives thereof with a three-membered ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/02Systems containing only non-condensed rings with a three-membered ring

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロプロピルアセチレン誘導体を、温和な
条件下に収率よく、工業的に有利に製造する方法を提供
する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 で示される(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロプロ
パン誘導体を塩基と反応させることを特徴とする一般式
(II) 【化2】 で示されるシクロプロピルアセチレン誘導体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロプロピルア
セチレン誘導体の製造方法に関する。本発明により製造
されるシクロプロピルアセチレン誘導体は、例えば抗H
IV活性を有するベンゾキサジノン誘導体(L−743
726)[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Le
tters)、36巻、8937頁(1995年)参照]など
のシクロプロパン骨格を分子内にもつ化合物の合成中間
体として有用である。
【0002】
【従来の技術】最近、シクロプロパン骨格を有する生理
活性物質が数多く発見されてきている。これらの化合物
の合成中間体として有用なシクロプロピルアセチレンの
製造方法としては、(1)5−クロロペンチンをn−ブチ
ルリチウムと反応させる方法[テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Letters)、36巻、8937頁(19
95年)参照]、(2)シクロプロピルメチルケトンを四
塩化炭素中、五塩化リンと反応させ、次いでカリウムt
ert−ブトキシドを用いて脱塩化水素させる方法[シ
ンセシス(Synthesis)、703頁(1972年)参照]
などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は高価なn−ブチルリチウムを使用する必要
があること、上記(2)の方法は副生成物が多く、目的物
の収率が低いことなどの問題点を有しており、シクロプ
ロピルアセチレンの工業的に有利な製造方法とは言い難
い。しかして、本発明の目的は、シクロプロピルアセチ
レン誘導体を、温和な条件下に収率よく、工業的に有利
に製造し得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、 一般式(I)
【0005】
【化17】
【0006】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
それぞれ水素原子または置換基を有していてもよいアル
キル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される
(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロプロパン誘導体
[以下、(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロプロパ
ン誘導体(I)と略記する]を塩基と反応させることを
特徴とする一般式(II)
【0007】
【化18】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロピル
アセチレン誘導体[以下、シクロプロピルアセチレン誘
導体(II)と略記する]の製造方法、 一般式(III)
【0009】
【化19】
【0010】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
Xは前記定義のとおりであり、R6はアシル基、アルコ
キシカルボニル基または有機スルホニル基を表す。)で
示されるα−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメ
チルエステル誘導体[以下、α−(トリハロゲノメチ
ル)シクロプロピルメチルエステル誘導体(III)と略
記する]を還元剤と反応させることにより(2,2−ジ
ハロゲノエテニル)シクロプロパン誘導体(I)を得、
得られた(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロプロパ
ン誘導体(I)を用いることを特徴とするの製造方
法、 一般式(IV)
【0011】
【化20】
【0012】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロパン
カルバルデヒド誘導体[以下、シクロプロパンカルバル
デヒド誘導体(IV)と略記する]を、塩基の存在下、ハ
ロホルムと反応させることにより一般式(V)
【0013】
【化21】
【0014】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
Xは前記定義のとおりである。)で示されるα−(トリ
ハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘導体[以
下、α−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメタノ
ール誘導体(V)と略記する]を得、得られたα−(ト
リハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘導体
(V)をエステル化することによりα−(トリハロゲノ
メチル)シクロプロピルメチルエステル誘導体(III)
を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シクロプロ
ピルメチルエステル誘導体(III)を用いることを特徴
とするの製造方法、 α−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエ
ステル誘導体(III)を還元剤と反応させることを特徴
とする(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロプロパン
誘導体(I)の製造方法、 シクロプロパンカルバルデヒド誘導体(IV)を、塩基
の存在下、ハロホルムと反応させることによりα−(ト
リハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘導体
(V)を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シク
ロプロピルメタノール誘導体(V)をエステル化するこ
とによりα−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメ
チルエステル誘導体(III)を得、得られたα−(トリ
ハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエステル誘導体
(III)を用いることを特徴とするの製造方法、 シクロプロパンカルバルデヒド誘導体(IV)を、塩基
の存在下、ハロホルムと反応させることによりα−(ト
リハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘導体
(V)を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シク
ロプロピルメタノール誘導体(V)をエステル化するこ
とを特徴とするα−(トリハロゲノメチル)シクロプロ
ピルメチルエステル誘導体(III)の製造方法、および 一般式(VI)
【0015】
【化22】
【0016】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりであり、R7は水素原子、アシル基、
アルコキシカルボニル基または有機スルホニル基を表
す。)で示されるα−トリクロロメチルシクロプロピル
メタノール誘導体を提供することにより達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】上記一般式中、R1、R2、R3
4およびR5が表すアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ
る。
【0018】これらのアルキル基は置換基を有していて
もよく、かかる置換基としては、例えば水酸基;メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのア
ルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ
基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの
三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェ
ニル基、p−クロロフェニル基などのアリール基などが
挙げられる。
【0019】R6およびR7が表すアシル基としては、例
えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブ
チリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基などが挙げられ
る。これらアシル基は、塩素原子、フッ素原子などのハ
ロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基などのアルコキシル基などの置換基を有して
いてもよい。
【0020】R6およびR7が表すアルコキシカルボニル
基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、イソプロポキシカルボニル基、sec−ブトキシ
カルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アリ
ルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基な
どが挙げられる。
【0021】また、R6およびR7が表す有機スルホニル
基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル
基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基
などが挙げられる。
【0022】Xが表すハロゲン原子としては、例えば塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0023】次に、本発明の製造方法を、各工程ごとに
詳細に説明する。
【0024】工程1: シクロプロパンカルバルデヒド
誘導体(IV)を、塩基の存在下、ハロホルムと反応させ
てα−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメタノー
ル誘導体(V)を得る工程
【0025】ハロホルムとしては、クロロホルム、ブロ
モホルムなどが挙げられる。中でもクロロホルムが安価
であり、好ましい。ハロホルムの使用量は、シクロプロ
パンカルバルデヒド誘導体(IV)1モルに対し、約0.
7〜20モルの範囲が好ましい。
【0026】塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポ
キシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムイ
ソプロポキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの
アルカリ金属アルコキシドなどが好ましく、その使用量
はシクロプロパンカルバルデヒド誘導体(IV)1モルに
対し、約0.7〜2モルの範囲が好ましい。
【0027】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エ
ーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水
素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、イソプロパノール、sec−ブタノール、tert
−ブタノールなどのアルコール;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチル
イミダゾリジノンなどのアミド;ジメチルスルホキシ
ド;アセトニトリル;またはこれらの混合溶媒などが使
用される。溶媒の使用量は、シクロプロパンカルバルデ
ヒド誘導体(IV)に対し、通常1〜200倍重量の範囲
が好ましい。
【0028】反応は、不活性ガス雰囲気下または乾燥空
気雰囲気下、通常、シクロプロパンカルバルデヒド誘導
体(IV)とハロホルムの混合溶液に塩基を添加するか、
または塩基の溶液に、シクロプロパンカルバルデヒド誘
導体(IV)とハロホルムの溶液を添加することにより行
う。反応温度は、−100℃〜100℃の範囲が好まし
く、−20℃〜40℃の範囲がより好ましい。
【0029】このようにして得られたα−(トリハロゲ
ノメチル)シクロプロピルメタノール誘導体(V)は、
通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により
単離・精製することができる。たとえば、反応混合物を
希塩酸や水などにあけ、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出し、必要に応じ
て抽出液を重曹水、水、食塩水などで洗浄することによ
り酸性物質、水溶性物質を除去し、無水硫酸マグネシウ
ム、無水硫酸ナトリウムなどで乾燥したのちに濃縮し、
得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフ
ィ、再結晶などにより精製することができる。また、後
処理することなく、反応液をそのまま次の反応に供して
もよい。
【0030】工程2: α−(トリハロゲノメチル)シ
クロプロピルメタノール誘導体(V)をエステル化して
α−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエス
テル誘導体(III)を得る工程
【0031】α−(トリハロゲノメチル)シクロプロピ
ルメタノール誘導体(V)のエステル化は、常法に従い
実施することができる。例えば、ピリジン、トリエチル
アミンなどの塩基の存在下に、α−(トリハロゲノメチ
ル)シクロプロピルメタノール誘導体(V)にカルボン
酸ハライド、カルボン酸無水物、アルコキシカルボニル
ハライド、有機スルホニルハライドなどを作用させるこ
とにより、あるいは、触媒量のアルカリ金属アルコキシ
ドなどの存在下、α−(トリハロゲノメチル)シクロプ
ロピルメタノール誘導体(V)にカルボン酸エステルや
炭酸ジアルキルエステルを作用させることにより行う。
エステル化剤の使用量は、α−トリハロゲノメチルシク
ロプロピルメタノール誘導体(V)1モルに対し、1モ
ル以上が好ましい。
【0032】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えば、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエー
テル;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水
素;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステルまたはこれら
の混合溶媒などが使用される。溶媒の使用量は、α−
(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘導
体(V)に対し、通常1〜200倍重量の範囲が好まし
い。
【0033】反応は、通常、不活性ガス雰囲気下または
乾燥空気雰囲気下、α−(トリハロゲノメチル)シクロ
プロピルメタノール誘導体(V)と塩基の混合液にエス
テル化剤を添加することにより行われるが、添加順序を
変えて行うこともできる。反応温度は、−40℃〜18
0℃の範囲が好ましく、0℃〜100℃の範囲がより好
ましい。
【0034】このようにして得られたα−(トリハロゲ
ノメチル)シクロプロピルメチルエステル誘導体(II
I)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方
法により単離・精製することができる。例えば、反応混
合物を食塩水または水にあけ、ジエチルエーテル、酢酸
エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出し、必要に
応じて抽出液を希塩酸、水、食塩水などで洗浄すること
により塩基性物質、水溶性物質を除去し、無水硫酸マグ
ネシウム、無水硫酸ナトリウムなどで乾燥したのちに濃
縮し、得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、クロマト
グラフィ、再結晶などにより精製することができる。ま
た、後処理することなく、反応液をそのまま次の反応に
供してもよい。
【0035】工程3: α−(トリハロゲノメチル)シ
クロプロピルメチルエステル誘導体(III)を還元剤と
反応させて(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロプロ
パン誘導体(I)を得る工程
【0036】還元剤としては、例えば亜鉛、マグネシウ
ム、アルミニウム、リチウム、ナトリウムなどを挙げる
ことができる。還元剤の使用量は、α−(トリハロゲノ
メチル)シクロプロピルメチルエステル誘導体(III)
に対し1当量〜10当量の範囲が好ましい。
【0037】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノンなどのアミ
ド;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;またはこ
れらの混合溶媒などが使用される。溶媒の使用量は、α
−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエステ
ル誘導体(III)に対し、通常1〜200倍重量の範囲
が適当である。
【0038】反応は、還元剤の懸濁液にα−(トリハロ
ゲノメチル)シクロプロピルメチルエステル誘導体(II
I)を添加するか、またはα−(トリハロゲノメチル)
シクロプロピルメチルエステル誘導体(III)の溶液
に、還元剤を添加することにより行う。反応温度は、−
100℃〜200℃の範囲が好ましく、−20℃〜10
0℃の範囲がより好ましい。
【0039】このようにして得られた(2,2−ジハロ
ゲノエテニル)シクロプロパン誘導体(I)は、通常の
有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・
精製することができる。例えば、反応混合物を食塩水ま
たは水にあけ、ジエチルエーテル、酢酸エチル、塩化メ
チレンなどの有機溶媒で抽出し、必要に応じて抽出液を
希塩酸、水、食塩水などで洗浄することにより塩基性物
質、水溶性物質を除去し、無水硫酸マグネシウム、無水
硫酸ナトリウムなどで乾燥したのちに濃縮し、得られる
粗生成物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフィ、再結
晶などにより精製することができる。また、後処理する
ことなく、反応液をそのまま次の反応に供してもよい。
【0040】工程4:(2,2−ジハロゲノエテニル)
シクロプロパン誘導体(I)を塩基と反応させてシクロ
プロピルアセチレン誘導体(II)を得る工程
【0041】塩基としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属;マグネシウムなどのアルカ
リ土類金属;メチルリチウム、エチルリチウム、ブチル
リチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウ
ムなどの有機リチウム試剤などが用いられるが、予め、
例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩;水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化物;ナト
リウムメチラート、カリウムメチラート、ナトリウムエ
トキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−
ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属
アルコキシドなどで処理して(2−ハロゲノエチニル)
シクロプロパン誘導体としたのち、上記の塩基を作用さ
せることもできる。塩基の使用量は、(2,2−ジハロ
ゲノエテニル)シクロプロパン誘導体(I)に対し1当
量〜100当量の範囲が好ましい。
【0042】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、オクタン、石油エーテルなどの炭化水素;ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチル
メチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリ
コールジメチルエーテルなどのエーテル;メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、イソブタノール、エチレングリコール、トリメチ
レングリコールなどのアルコール;水;ジメチルスルホ
キシド;またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶
媒の使用量は、(2,2−ジハロゲノエテニル)シクロ
プロパン誘導体(I)に対し、通常1〜200倍重量の
範囲が適当である。
【0043】反応は、(2,2−ジハロゲノエテニル)
シクロプロパン誘導体(I)もしくは(2−ハロゲノエ
チニル)シクロプロパン誘導体の溶液に、塩基を添加す
るか、または塩基の懸濁液に、(2,2−ジハロゲノエ
テニル)シクロプロパン誘導体(I)もしくは(2−ハ
ロゲノエチニル)シクロプロパン誘導体の溶液を添加す
ることにより行う。反応温度は、−20℃〜250℃の
範囲が好ましく、0℃〜200℃の範囲がより好まし
い。
【0044】このようにして得られたシクロプロピルア
セチレン誘導体(II)は、通常の有機化合物の単離・精
製に用いられる方法により単離・精製することができ
る。例えば、反応混合物を食塩水または水にあけ、ジエ
チルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶
媒で抽出し、必要に応じて抽出液を希塩酸、水、食塩水
などで洗浄することにより塩基性物質、水溶性物質を除
去し、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなど
で乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生成物を必要に応
じて蒸留、クロマトグラフィ、再結晶などにより精製す
ることができる。また、後処理することなく、反応液を
そのまま濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じて蒸
留、クロマトグラフィ、再結晶などにより精製すること
ができる。
【0045】また、工程4において(2,2−ジハロゲ
ノエテニル)シクロプロパン誘導体(I)を塩基と反応
させて中間に生成する(2−ハロゲノエチニル)シクロ
プロパン誘導体を一旦単離したのち、引き続き塩基を作
用させてシクロプロピルアセチレン誘導体(II)を得る
こともできる。このようにして得られたシクロプロピル
アセチレン誘導体(II)は、上記工程4で挙げた方法に
より単離・精製することができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0047】実施例1 シクロプロパンカルバルデヒド14g、クロロホルム8
5.3g、およびN,N−ジメチルホルムアミド126
mlからなる溶液に−8℃〜−10℃にて、86%水酸
化カリウム9.1gをメタノール27.4mlに溶解し
た液を48分間かけて滴下した。滴下後5時間攪拌を続
けた後、得られた反応液を、−5℃〜−10℃に冷却し
た1N塩酸280mlとトルエン280mlの混合液に
滴下した。滴下後30分間攪拌したのち、室温まで昇温
し分液した。有機層を水280mlで2回、5%重曹水
で1回、水280mlで1回順次洗浄した後、減圧下に
濃縮し、粗生成物を27.86g得た。同様に、水酸化
カリウム14.32gをメタノール43.1gに溶解し
た液を使用した以外は上記と同様に反応および後処理を
行うことにより、粗生成物を34g得た。粗生成物を合
わせて蒸留することにより、下記の物性を有するα−
(2,2,2−トリクロロメチル)シクロプロピルメタ
ノールを52.91g得た(収率69.8%)。
【0048】沸点 53〜55℃/0.5mmHg1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ:0.57-0.85(4H,m), 1.24-1.37(1H,
m), 2.62(1H,br.s.), 3.59(1H,d,J=7.4Hz)
【0049】実施例2 α−(2,2,2−トリクロロメチル)シクロプロピル
メタノール20gおよびピリジン33.3gからなる溶
液に無水酢酸32.3gを滴下し、室温で4時間20分
攪拌した。得られた反応液を水100mlにあけ、イソ
プロピルエーテル100mlで2回抽出し、抽出液を1
N塩酸でpH4以下になるまで洗浄した。有機層を食塩
水で洗浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下
に濃縮した。得られた濃縮液を蒸留することにより、下
記の物性を有する酢酸 α−(2,2,2−トリクロロ
メチル)シクロプロピルメチルエステルを20.35g
得た(収率83.7%)。
【0050】沸点 68.5〜69℃/1.3mmHg1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ:0.53-0.88(4H,m), 1.35-1.43(1H,
m), 2.19(3H,s), 4.96(1H,d,J=8.4Hz)
【0051】実施例3 酢酸 α−(2,2,2−トリクロロメチル)シクロプ
ロピルメチルエステル13.2gおよび酢酸74.8g
からなる溶液に氷冷下、亜鉛末6.3gを少量ずつ加
え、50℃にて2時間攪拌した。得られた反応液を冷却
し、残存する亜鉛末を濾過し、濾液に水を加えて塩化メ
チレンで2回抽出した。抽出液を水、重曹水、水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮し
た。得られた濃縮液を蒸留することにより、下記の物性
を有する(2,2−ジクロロエテニル)シクロプロパン
を4.68g得た(収率59.9%)。
【0052】沸点 142〜145℃1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ:0.46-0.52(2H,m), 0.82-0.90(2H,
m), 1.60-1.73(1H,m), 5.24-5.30(1H,m)
【0053】実施例4 シクロプロピルアセチレンの合
成 窒素雰囲気下、n−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶
液(2M)50mlを氷冷し、(2,2−ジクロロエテ
ニル)シクロプロパン6.85gを滴下し、2時間攪拌
した。得られた反応液を希塩酸にあけ、有機層を食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸留すること
により、下記の物性を有するシクロプロピルアセチレン
3.0g(収率90.9%)を得た。
【0054】沸点 51〜52℃1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ:1.76(d,J=1.98Hz,1H), 1.18-1.30
(m,1H), 0.68-1.3(m,4H)
【0055】
【発明の効果】シクロプロピルアセチレン誘導体を、温
和な条件下に収率よく、工業的に有利に製造し得る方法
が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩野 万蔵 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される(2,2−
    ジハロゲノエテニル)シクロプロパン誘導体を塩基と反
    応させることを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりである。)で示されるシクロプロピルアセチレン誘
    導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(III) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    し、R6はアシル基、アルコキシカルボニル基または有
    機スルホニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で
    示されるα−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメ
    チルエステル誘導体を還元剤と反応させることにより一
    般式(I) 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびXは前記定義
    のとおりである。)で示される(2,2−ジハロゲノエ
    テニル)シクロプロパン誘導体を得、得られた(2,2
    −ジハロゲノエテニル)シクロプロパン誘導体を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(IV) 【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    す。)で示されるシクロプロパンカルバルデヒド誘導体
    を、塩基の存在下、ハロホルムと反応させることにより
    一般式(V) 【化6】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりであり、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるα
    −(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘
    導体を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シクロ
    プロピルメタノール誘導体をエステル化することにより
    一般式(III) 【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびXは前記定義
    のとおりであり、R6はアシル基、アルコキシカルボニ
    ル基または有機スルホニル基を表す。)で示されるα−
    (トリハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエステル
    誘導体を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シク
    ロプロピルメチルエステル誘導体を用いることを特徴と
    する請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(III) 【化8】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    し、R6はアシル基、アルコキシカルボニル基または有
    機スルホニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で
    示されるα−(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメ
    チルエステル誘導体を還元剤と反応させることを特徴と
    する一般式(I) 【化9】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびXは前記定義
    のとおりである。)で示される(2,2−ジハロゲノエ
    テニル)シクロプロパン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(IV) 【化10】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    す。)で示されるシクロプロパンカルバルデヒド誘導体
    を、塩基の存在下、ハロホルムと反応させることにより
    一般式(V) 【化11】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりであり、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるα
    −(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘
    導体を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シクロ
    プロピルメタノール誘導体をエステル化することにより
    一般式(III) 【化12】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびXは前記定義
    のとおりであり、R6はアシル基、アルコキシカルボニ
    ル基または有機スルホニル基を表す。)で示されるα−
    (トリハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエステル
    誘導体を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シク
    ロプロピルメチルエステル誘導体を用いることを特徴と
    する請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(IV) 【化13】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    す。)で示されるシクロプロパンカルバルデヒド誘導体
    を、塩基の存在下、ハロホルムと反応させることにより
    一般式(V) 【化14】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりであり、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるα
    −(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメタノール誘
    導体を得、得られたα−(トリハロゲノメチル)シクロ
    プロピルメタノール誘導体をエステル化することを特徴
    とする一般式(III) 【化15】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびXは前記定義
    のとおりであり、R6はアシル基、アルコキシカルボニ
    ル基、または有機スルホニル基を表す。)で示されるα
    −(トリハロゲノメチル)シクロプロピルメチルエステ
    ル誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(VI) 【化16】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    し、R7は水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル
    基または有機スルホニル基を表す。)で示されるα−ト
    リクロロメチルシクロプロピルメタノール誘導体。
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