JPH1112207A - 水性マレイン酸を水素化して1,4−ブタンジオールとするための改善された触媒 - Google Patents

水性マレイン酸を水素化して1,4−ブタンジオールとするための改善された触媒

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JPH1112207A
JPH1112207A JP9154056A JP15405697A JPH1112207A JP H1112207 A JPH1112207 A JP H1112207A JP 9154056 A JP9154056 A JP 9154056A JP 15405697 A JP15405697 A JP 15405697A JP H1112207 A JPH1112207 A JP H1112207A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1,4−ブタンジオール生成を最大化するプ
ロセスを提供すること。 【解決手段】 本発明によれば、1,4−ブタンジオー
ルを生成するプロセスが提供される。本発明のプロセス
は、水素化可能な前駆体を水素含有ガスおよび水素化触
媒に接触させて接触水素化する工程を包含する。この水
素化触媒は、炭素担体上に析出した、VIII族貴金属の少
なくとも1つと、レニウム、タングステン、およびモリ
ブデンの少なくとも1つとを含有する。この炭素担体
を、金属の析出前に、所定の酸化剤と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレイン酸、無水
マレイン酸、または他の水素化可能な前駆体を水素化し
て1,4−ブタンジオールおよびテトラヒドロフランと
するための、改善されたプロセスに関する。このプロセ
スは、炭素担体によって担持された、周期表のVIII族貴
金属の少なくとも1つと、レニウム、タングステン、ま
たはモリブデンの少なくとも1つとを含有する触媒を使
用することにより特徴付けられる。ここで、この炭素担
体を、金属の析出前に酸化剤に接触させる。このプロセ
スはまた、反応生成物に対しての全体としての活性が高
いことによって、および/または1,4−ブタンジオー
ルの収率が高く、副生成物γ−ブチロラクトンの形成が
最小限であることによって特徴付けられる。
【0002】
【従来の技術】テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクト
ン、および1,4−ブタンジオールが、無水マレイン酸
および関連した化合物の接触水素化により得られること
は周知である。テトラヒドロフランは、天然樹脂および
合成樹脂にとって有用な溶媒であり、そして多くの化学
製品およびプラスチックの製造において重要な中間体で
ある。γ−ブチロラクトンは、酪酸化合物、ポリビニル
ピロリドン、およびメチオニンの合成のための中間体で
ある。γ−ブチロラクトンは、アクリレートポリマーお
よびスチレンポリマーにとって有用な溶媒であり、そし
て塗料除去剤および繊維助剤の有用な成分でもある。
1,4−ブタンジオール(1,4−ブチレングリコール
としても知られている)は、溶媒、湿潤剤、可塑剤およ
び薬剤のための中間体、ポリウレタンエラストマーのた
めの架橋剤、テトラヒドロフランの製造における前駆体
として有用であり、そしてテレフタレートプラスチック
の製造に用いられる。
【0003】本発明において特に重要なのは、炭素担体
に担持された、 VIII族貴金属ならびにレニウム、タン
グステン、およびモリブデンからなる群から選択される
少なくとも1つの金属を含む、水素化触媒である。英国
特許第1,534,232号は、炭素担体に担持されたパラジウ
ムおよびレニウムからなる水素化触媒を用いる、カルボ
ン酸、ラクトン、または無水物の水素化を教示してい
る。米国特許第4,550,185号および同第4,609,636号は、
炭素担体に担持されたパラジウムおよびレニウムを含有
する触媒の存在下で、マレイン酸、無水マレイン酸、ま
たは他の水素化可能な前駆体を水素化することによっ
て、テトラヒドロフランおよび1,4−ブタンジオール
を製造するプロセスを教示している。ここでは、パラジ
ウムおよびレニウムは、平均パラジウム微結晶サイズが
約10nm〜25nmであり、そして平均レニウム微結晶サイズ
が2.5nm未満である微結晶の形態で存在していた。この
触媒の調製は、炭素担体上にパラジウム種を析出および
還元し、その後、パラジウムが含浸した炭素担体上に、
レニウム種を析出および還元することによって特徴付け
られる。
【0004】米国特許第4,985,572号は、炭素担体に担
持された、レニウムとパラジウムおよび銀の合金とを含
有する触媒を用いて、カルボン酸またはそれらの無水物
を接触水素化して、対応するアルコールおよび/または
カルボン酸エステルとするためのプロセスを教示してい
る。この触媒の調製は、炭素担体上にパラジウムと銀と
を同時に析出させ、その後、高温(600℃)加熱処理して
この触媒を合金化することによって特徴付けられる。次
いで、合金が含浸した炭素担体上にレニウムを析出させ
た。次いで、得られた触媒を還元した。
【0005】一般に、マレイン酸、無水マレイン酸、ま
たは他の水素化可能な前駆体の水素化において、上述の
触媒は、1,4−ブタンジオールよりもテトラヒドロフ
ランおよびγ−ブチロラクトンを多く生成する傾向があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1,
4−ブタンジオール生成を最大化する、プロセスおよび
より活性な触媒である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の、1,4−ブタ
ンジオールを生成するプロセスは、水素化可能な前駆体
を水素含有ガスおよび水素化触媒に接触させて接触水素
化する工程を包含する。この水素化触媒は、炭素担体上
に析出した、周期表のVIII族貴金属の少なくとも1つ
と、レニウム、タングステン、およびモリブデンの少な
くとも1つとを含有する。ここで、この炭素担体を、金
属の析出前に、硝酸、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、および過塩素酸からなる群よ
り選択される酸化剤と接触させる。
【0008】1つの実施態様において、上記の水素化可
能な前駆体は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、コハク酸、無水コハク酸、コハク酸ジメチル、γ−
ブチロラクトン、およびそれらの混合物からなる群より
選択される。好適には、水素化可能な前駆体は、マレイ
ン酸、コハク酸、またはγ−ブチロラクトンの少なくと
も1つである。
【0009】他の実施態様においては、上記水素化触媒
は、(i)炭素担体を酸化剤に接触させて炭素担体を酸
化する工程;(ii)VIII族金属ならびにレニウム、タン
グステン、およびモリブデンからなる群より選択される
少なくとも1つの金属の金属源であって、少なくとも1
つの溶液中にある金属源に炭素担体を接触させる工程を
包含する1以上の含浸工程による、含浸工程;(iii)
各含浸工程の後に、含浸された炭素担体を乾燥して溶媒
を除去する工程;および(iv)還元条件下で、約100℃
〜350℃の温度にて、含浸された炭素担体を加熱する工
程;によって調製される。
【0010】さらに他の実施態様においては、上記VIII
族貴金属は、パラジウム、白金、ロジウム、およびルテ
ニウムからなる群より選択される。
【0011】さらに他の実施態様においては、上記水素
化触媒は、パラジウムおよびレニウムを含有する。
【0012】さらに他の実施態様においては、上記水素
化触媒は、パラジウム、レニウム、および銀を含有す
る。
【0013】さらに他の実施態様においては、上記金属
源は単一の溶液として組み合わされ、そしてこの金属は
単一の含浸工程で炭素担体上に析出される。
【0014】さらに他の実施態様においては、上記水素
化触媒は、約0.1重量%〜約20重量%の前記VIII族金
属、ならびに約0.1重量%〜約20重量%のレニウム、タ
ングステン、およびモリブデンの少なくとも1つを含有
する。
【0015】さらに他の実施態様においては、水素と水
素化可能な前駆体との比は、約5:1と約1000:1との
間である。
【0016】さらに他の実施態様においては、上記水素
含有ガスの圧力は、約20気圧と400気圧との間である。
【0017】さらに他の実施態様においては、上記接触
時間は、約0.1分と20時間との間である。
【0018】本発明の、テトラヒドロフランおよび1,
4−ブタンジオールを生成するプロセスは、水素化可能
な前駆体を水素化触媒と接触させて接触水素化する工程
を包含する。この水素化触媒は、酸化された炭素担体上
に、周期表のVIII族貴金属の少なくとも1つと、レニウ
ム、タングステン、またはモリブデンの少なくとも1つ
とを含有する。ここで、この触媒は、(i)炭素担体
を、硝酸、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、過硫酸
アンモニウム、および過塩素酸からなる群より選択され
る酸化剤に接触させて、炭素担体を酸化する工程;(i
i)少なくとも1つのVIII族金属ならびにレニウム、タ
ングステン、およびモリブデンからなる群より選択され
る少なくとも1つの金属の金属源に炭素担体を接触させ
る工程を包含する1以上の含浸工程による、含浸工程で
あって、この金属源が少なくとも1つの溶液中にある、
工程;(iii)各含浸工程の後に、含浸された炭素担体
を乾燥して溶媒を除去する工程;および(iv)還元条件
下で、約100℃〜約350℃の温度にて、含浸された炭素担
体を加熱する工程;によって調製される。
【0019】マレイン酸、無水マレイン酸、または他の
水素化可能な前駆体が接触水素化されて、1,4−ブタ
ンジオールおよびテトラヒドロフランとなる。水素化触
媒が周期表のVIII族貴金属の少なくとも1つ、およびレ
ニウム、タングステン、またはモリブデンの少なくとも
1つを含有し、ここで、炭素担体が、これらの金属の析
出前に酸化剤と接触する場合、高い1,4−ブタンジオ
ール収率が達成されることが見出された。この水素化触
媒は、以下の工程: (i)炭素担体を酸化剤と接触させることにより炭素担
体を酸化する工程; (ii)VIII族金属ならびにレニウム、タングステン、お
よびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1
つの金属の金属源に炭素担体を接触させる工程を包含す
る1つまたはそれ以上の含浸工程による、含浸工程; (iii) 各含浸工程の後に、含浸された該炭素担体を約15
0℃で乾燥し、溶媒を除去する工程;および (iv)還元条件下で、約100℃〜約350℃の温度にて、含
浸された炭素担体を加熱する工程;によって調製され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】水素化可能な前駆体が接触水素化
されて、高い収率の1,4−ブタンジオールおよび低い
収率のテトラヒドロフランを与え、γ−ブチロラクトン
の形成が最少化される。
【0021】(反応物)少なくとも1つの水素化可能な
前駆体が、触媒の存在下で水素含有ガスと反応する。
【0022】本明細書中で用いられる「水素化可能な前
駆体」は、水素化されると1,4−ブタンジオールを生
成する、任意のカルボン酸、またはそれらの無水物、カ
ルボン酸エステル、ラクトン、またはそれらの混合物で
ある。代表的な水素化可能な前駆体には、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、コハ
ク酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、またはそれらの混
合物が包含される。好ましい水素化可能な前駆体は、マ
レイン酸、無水マレイン酸、γ−ブチロラクトン、およ
びそれらの混合物である。
【0023】典型的には、水素(H2)含有ガスは、市
販の純粋水素である。しかし、水素含有ガスは、水素
(H2)に加えて、窒素(N2)、任意の気体状炭化水素
(例えば、メタン)、および気体状炭素酸化物(例え
ば、一酸化炭素、二酸化炭素)も含有し得る。
【0024】(触媒)本発明に用いられる触媒は、炭素
担体に担持された、元素周期表のVIII族貴金属の少なく
とも1つ、ならびにレニウム、タングステン、およびモ
リブデンからなる群より選択される少なくとも1つの金
属を含有する。 VIII族金属は、パラジウム、白金、ロ
ジウム、ルテニウム、オスミウム、およびイリジウムで
ある。好ましいVIII族金属は、パラジウム、白金、ロジ
ウム、およびルテニウムである。最も好ましいVIII族金
属は、パラジウムである。
【0025】本発明に使用される炭素担体は、高表面積
炭素であり、少なくとも200m2/gのBET表面
積、好ましくは500m2/g〜1500m2/gの範囲のBET表面
積を有すべきである。炭素担体は、通常、木またはココ
ナッツの殻のいずれかに由来する、市販の活性炭から一
般に得られる。
【0026】触媒組成物は、約0.1重量%〜約20重量%
のVIII族金属、好ましくは約1重量%〜約10重量%のVI
II族金属、および約0.1重量%〜約20重量%のレニウ
ム、タングステン、またはモリブデンの少なくとも1
つ、好ましくは約1重量%〜約10重量%のレニウム、タ
ングステン、またはモリブデンの少なくとも1つを含有
する。 VIII族金属の、レニウム、タングステン、およ
びモリブデンの全量に対する重量比は、10:1と1:10との
間である。触媒組成物はまた、1つまたはそれ以上の追
加金属を取り込むことによりさらに改変され得る。好ま
しい追加金属は、周期表のIA族、IIA族、およびIB族か
ら選択される。
【0027】本発明において、炭素担体は、金属の析出
前に、酸化剤に炭素担体を接触させることにより酸化さ
れる。この方法で調製される触媒は、酸化されていない
炭素担体で調製される触媒に比べて、活性および選択率
における劇的な改良を示す。硝酸、過酸化水素、次亜塩
素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸、およ
び酸素のような多くの酸化剤が、このプロセスにおいて
効果的であり得る。上昇させた温度(約60℃と約100℃
との間)においての液相の酸化剤が好ましい。上昇させ
た温度における濃硝酸が、この手順のために特に効果的
であることが見出されている。気相の酸化剤としては、
任意の酸素含有ガス(例えば、空気)が挙げられる。気
相の酸化剤は、約200℃またはそれ以上の温度で、かつ
ほぼ大気圧またはそれ以上の圧力で炭素担体に接触させ
る。
【0028】本発明の触媒の調製において、少なくとも
1つのVIII族化合物を含有する1つまたは複数の溶液に
よって、単一または複数の含浸工程で炭素担体を含浸す
ることにより、炭素担体上に金属を析出させる。本明細
書中で用いられる場合、炭素担体の含浸とは、炭素担体
が充填され、染み込まされ(imbued)、浸透され、飽和
され、または被覆されることを意味する。次いで、含浸
された炭素担体は、各含浸工程の後、乾燥される。炭素
担体を含浸するために使用される金属含有化合物の溶液
は、必要に応じて、1つまたはそれ以上の金属化合物の
可溶化を補助する錯化剤を含有し得る。各含浸工程後、
乾燥によりキャリア溶媒を除去する。乾燥温度は、約10
0℃と約150℃との間である。
【0029】金属含有化合物の溶液は、溶液中に担体材
料を浸漬または懸濁することにより、または炭素上にそ
の溶液を噴霧することにより、炭素担体を含浸し得る。
VIII族化合物を含有する溶液は、典型的には、HNO
3と、必要量のVIII族金属を含む触媒生成物を与える量
のVIII族金属化合物とを含有する、酸性の水性媒体であ
る。 VIII族金属化合物は、塩化物、硝酸塩、炭酸塩、
カルボン酸塩、酢酸塩、アセチルアセトネート、または
アミンであり得る。レニウム、タングステン、またはモ
リブデン化合物を含有する溶液は、典型的には、これら
3つの金属の少なくとも1つを必要量含む触媒生成物を
与える量のレニウム、タングステン、またはモリブデン
化合物を含有する水溶液である。レニウムが触媒に使用
される場合、レニウム化合物は、典型的には、過レニウ
ム酸、過レニウム酸アンモニウム、または過レニウム酸
アルカリ金属である。
【0030】パラジウム、銀、およびレニウムで炭素担
体を含浸し、そして乾燥した後、触媒(すなわち、含浸
された炭素担体)は、還元条件下、120℃〜700℃、好ま
しくは150℃〜300℃の温度で加熱することによって活性
化される。水素または水素と窒素との混合物を、触媒と
接触させて、接触還元に典型的に用い得る。
【0031】(プロセス)このプロセスを行うための代
表的な方法は、(a)バナジウム/リン混合酸化物触媒
の存在下、酸素含有ガス中でn−ブタンまたはベンゼン
を反応させて、蒸気相でn−ブタンまたはベンゼンを酸
化して無水マレイン酸を得る工程;(b)水クエンチに
より無水マレイン酸を回収して、約40重量%の濃度の水
溶液としてマレイン酸を生成する工程;(c)水素化触
媒の存在下、(b)で得られた溶液と水素含有ガスとを
反応させる工程;および(d)蒸留により反応生成物を
回収し、そして精製する工程を包含する。
【0032】好ましくは、酸化工程(a)は、約300℃
〜600℃の温度および約0.5〜20気圧(50〜2000kPa)の圧
力で操作され、そして水素化工程(c)は、約50℃〜35
0℃の温度および約20〜400気圧の水素圧、より好ましく
は80〜200気圧の水素圧で、水素と水素化可能な前駆体
との比(H2/P)が5:1と1000:1との間で、0.1分〜20
時間の接触時間で行われる。
【0033】本発明の液相水素化は、撹拌タンク反応器
または固定床反応器において、従来の装置および技術を
用いて行われ得る。必要とされる触媒の量は広範に変化
し、そして、反応器の大きさおよび設計、接触時間など
の多くのファクターに依存する。水素は、通常、化学量
論的にかなり過剰に、不活性希釈ガスを用いないで、連
続的に供給される。未反応の水素は、再循環流として反
応器に戻され得る。前駆体溶液(例えば、マレイン酸溶
液)は、希釈溶液から最大溶解度レベル付近までの範囲
の濃度、典型的には約50重量%の濃度で供給される。
【0034】反応生成物である、1,4−ブタンジオー
ル、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、または
それらの混合物は、好都合には分別蒸留によって分離さ
れる。γ−ブチロラクトンはまた、水素化反応器に再循
環され得る。
【0035】本発明のプロセスを用いて、より詳細には
本明細書に記載の水素化触媒を用いて、マレイン酸が単
純な反応で事実上定量的に変換される。得られる1,4
−ブタンジオールおよびテトラヒドロフランの収率は、
約80モル%またはそれ以上、典型的に約90モル%または
それ以上であり、収量の大部分が1,4−ブタンジオー
ルである。利用できない副生成物の生成はわずかであ
る。
【0036】反応副生成物には、n−ブタノール、n−
酪酸、n−プロパノール、プロピオン酸、メタン、プロ
パン、n−ブタン、一酸化炭素、および二酸化炭素が包
含され得る。
【0037】
【実施例】以下の実施態様は、単に実例となるように説
明したものであって、いずれの点においても他の部分の
開示を制限しない。
【0038】(実施例1)酸化された炭素上に担持され
た5%Pd/5%Re 100gの30×70メッシュの活性炭(ACL 40、フランスのCE
CA S.A. により製造され、そして米国でAtochem North
America Inc. により販売されており、本明細書中で「CE
CA ACL40」として示す)を、過剰の濃硝酸(69%〜71% HN
O3)と共に80℃で約18時間撹拌した。冷却後、生成物を
濾過により回収し、そして過剰の水で数回洗浄し、続い
て120℃でオーブン中で乾燥させた。
【0039】25.00gの酸化された炭素を、1.90gのNH4Re
O4および18.12gのPd(NO3)2溶液(7.26%Pd)を含有する水
溶液120gで処理した。得られたスラリーを「roto-vac」で
蒸発乾固し、120℃にてオーブン中で乾燥させた。直ち
に生成物を200℃において水素で還元した。昇温速度は
1°/分であり、200℃、5時間の保持時間であった。
【0040】還元された触媒(名目上、炭素上に担持さ
れた5%Pd/5%Re)8.00gを、100.0gの30%マレイ
ン酸水溶液と混合し、その混合物を、オートクレーブ中
に入れた。オートクレーブを、室温で2500psigのH2
3回パージし、続いて2500psigに圧力を保つ一方で、温
度を160℃まで上昇させ、1000rpmの速度で撹拌した。反
応物を、その条件で9.5時間保ち、次いで室温まで冷却
した。生成物を、ガスクロマトグラフィーにより分析す
ると、マレイン酸の転換率は100%であり、1,4−ブタ
ンジオール(BDO)の選択率が86.9%であり、ならびに、テ
トラヒドロフラン(THF)の選択率が5.2%、γ−ブチロラ
クトン(GBL)の選択率が2.4%、およびn−ブタノールの
選択率が4.6%であることを示した。
【0041】(比較例A)(酸化されていない炭素上に
担持された5%Pd/5%Re) 実施例1における手順を、硝酸処理なしで同様の活性炭
を用いて繰り返した。この触媒を、実施例1において使
用したのと同様の条件で試験したところ、BDOの選択率
は、わずか0.3%であり、一方でGBL、THFおよびn−ブタ
ノールの選択率は、それぞれ84.5%、12.0%および2.0%で
あった。
【0042】(実施例2)(酸化された炭素上に担持さ
れた3%Pd/3%Ag/6%Re) 100gのCECA ACL40活性炭押出物を、メカニカルスターラ
ー、液体添加漏斗、およびをガラスサーモウエルを備え
た1リットルの3つ口フラスコに仕込んだ。直径1/8イ
ンチのK型熱電対をサーモウエルに挿入し、そしてこれ
を温度制御装置に接続した。この温度制御装置を、フラ
スコを載せた加熱マントルに接続した。メカニカルスタ
ーラーを低RPMで作動させ、そして約450mlの濃硝酸(69
〜71%HNO3)を、約2時間かけてフラスコに滴下した。
酸の滴下完了後、添加漏斗を取り外し、代わりに還流冷
却器を付けた。温度制御装置の設定温度を、80℃までゆ
っくり上昇させた。フラスコの中身を、一晩中、80℃で
ゆっくり撹拌し続けた。硝酸処理に続いて、炭素を蒸留
水で徹底的に洗浄し、次いで、100℃で一晩乾燥させ
た。
【0043】50cc(23.85g)の酸化された炭素を、この触
媒調製のために炭素担体として使用した。25mlのメスフ
ラスコに、11.31gのPd(NO3)2溶液(7.70重量%のPd)、1.3
4gのAgNO3および3.37gのHReO4溶液(52.63重量%のRe)を
溶液量を25mlにするのに十分なアセトニトリルと共に入
れて、含浸溶液を調製した。その溶液の密度は、1.109g
/ccであった。25.39gの上記溶液を使用して、50ccの酸
化された炭素押出物を含浸した。金属溶液による炭素の
含浸に続いて、炭素を90℃のオーブン中に置き、乾燥さ
せた。この触媒調製において金属担持量(loading)は、
0.016gPd/cc担体、0.016gAg/cc担体および0.032gmRe/cc
担体であった。
【0044】乾燥した、金属含浸された酸化炭素触媒の
調製物20cc(11.79g)をHastelloy C反応管(外径0.62イン
チ×内径0.55インチ)に充填した。その触媒を、まず
(大気圧で)水素通気して、280℃で5時間還元した。触
媒反応を以下の条件下で開始した。
【0045】系の圧力=1300 PSIG H2:マレイン酸供給比=65:1 液体供給組成物=400gマレイン酸/リットル 液空間速度(LHSV)=0.38 反応器設定温度=180℃ 上記のプロセス条件下で、以下の生成物の選択率が観測
された: テトラヒドロフラン(THF) =13.9% γ−ブチロラクトン(GBL) = 1.6% ブタンジオール(BDO) =46.1% n−ブタノール(BuOH) =30.6%。
【0046】触媒の固有活性を試験するために、γ−ブ
チロラクトンの顕著な増加が生成物溶液中に観測される
(GBLのブレークスルーが起こる)まで、 LHSVを通常増
加させるか、および/または反応器の設定温度を下げ
る。この触媒では、GBLのブレークスルーは、設定温度1
50℃およびLHSV=0.55で観測された。これらの条件下で
観測された生成物の選択率は、以下の通りであった: テトラヒドロフラン(THF) = 4.7% γ−ブチロラクトン(GBL) = 4.2% ブタンジオール(BDO) =84.8% n−ブタノール(BuOH) = 3.9%。
【0047】(比較例B)(酸化されていない炭素上に
担持された4%Pd/4%Ag/8%Re) 120cc(51.8g)のCECA ACL40活性炭押出物を、この触媒調
製において触媒担体として使用した。50mlのメスフラス
コに27.8gのPd(NO3)2溶液(7.70重量%のPd)、3.3gのAgNO
3および8.3gのHReO4溶液(52.6重量%のRe)を溶液量を50m
lにするのに十分なアセトニトリルと共に入れて、含浸
溶液を調製した。溶液の密度は、1.1828g/ccであった。
57.2gの溶液を使用して、120ccの活性炭押出物を含浸し
た。金属溶液による含浸に続いて、炭素を120℃のオー
ブン中に置き、乾燥させた。この触媒調製において使用
された金属担持量は、0.017gPd/cc担体、0.017gAg/cc担
体および0.035gRe/cc担体であった。これは、実施例2
において使用される触媒と同様の金属担持量である。
【0048】上記の、乾燥した、金属含浸された酸化炭
素触媒の調製物20cc(10.67g)を、Hastelloy C反応管(外
径0.62インチ×内径0.55インチ)に充填した。その触媒
を、まず(大気圧で)水素を通気して、280℃で5時間還
元した。触媒反応を以下の条件下で開始した。
【0049】系の圧力=1300 PSIG H2:マレイン酸供給比=65:1 液体供給組成物=400gマレイン酸/リットル 液空間速度(LHSV)=0.38 反応器設定温度=180℃ 上記のプロセス条件下で、以下の生成物の選択率が観測
された: テトラヒドロフラン(THF) =44.3% γ−ブチロラクトン(GBL) = 1.4% ブタンジオール(BDO) =30.7% n−ブタノール(BuOH) =18.2%。
【0050】触媒の固有活性を試験するために、γ−ブ
チロラクトンの顕著な増加が生成物溶液中に観測される
(γ−ブチロラクトンのブレークスルーが起こる)ま
で、 LHSVを通常増加させるか、および/または反応器
の設定温度を下げる。この触媒では、GBLのブレークス
ルーは、設定温度175℃およびLHSV=0.55で観測された。
これらの条件下で観測された生成物の選択率は、以下の
通りであった: テトラヒドロフラン(THF) =41.2% γ−ブチロラクトン(GBL) =12.7% ブタンジオール(BDO) =36.0% n−ブタノール(BuOH) = 6.4%。
【0051】(実施例3)(酸化された炭素上に担持さ
れた3%Pd/3%Ag/6%Re) CECA ACL40活性炭押出物の100gのバッチを、上記実施例
2に記載されている手順で酸化した。この触媒調製のた
めに、350cc(166.17g)の酸化された炭素を触媒担体とし
て使用した。250mlのメスフラスコに112.45gのPd(NO3)2
溶液(7.70重量%のPd)、13.33gのAgNO3および33.50gのHR
eO4溶液(52.63重量%のRe)を溶液量を250mlにするのに十
分なアセトニトリルと共に入れて、含浸溶液を調製し
た。溶液の密度は、1.1006g/ccであった。177.39gの上
記溶液を使用して、350ccの活性炭押出物を含浸した。
金属溶液による炭素含浸に続いて、炭素を90℃のオーブ
ン中に置き、乾燥させた。この触媒調製において、金属
担持量は、炭素担体1cc当たり0.016gPd/cc、0.016gAg/
ccおよび0.032gRe/ccであった。
【0052】乾燥した、金属含浸された酸化炭素触媒の
調製物40cc(23.36g)を、HastelloyC反応管(外径0.745イ
ンチ×内径0.475インチ)に充填し、次いで再循環反応装
置に充填した。その触媒を、まず(大気圧で)水素通気
して、280℃で5時間、還元した。触媒反応を以下の条件
下で開始した。
【0053】系の圧力=2500 PSIG H2:マレイン酸供給比=65:1 液体供給組成物=400gマレイン酸/リットル 液空間速度(LHSV)=0.55 反応器設定温度=180℃ 上記のプロセス条件下で、以下の生成物の選択率が観測
された: テトラヒドロフラン(THF) = 8.5% γ−ブチロラクトン(GBL) = 0.2% ブタンジオール(BDO) =55.4% n−ブタノール(BuOH) =29.6%。
【0054】触媒の固有活性を試験するために、γ−ブ
チロラクトンの顕著な増加が生成物溶液中に観測される
(GBLのブレークスルーが起こる)まで、 LHSVを通常増
加させるか、および/または反応器の設定温度を下げ
る。この場合、比較例Cにおける触媒と比較するため
に、設定温度を150℃に下げ、LHSVを0.55に保った。こ
れらの条件下で観測される生成物の選択率は、以下の通
りであった: テトラヒドロフラン(THF) = 2.1% γ−ブチロラクトン(GBL) = 0.1% ブタンジオール(BDO) =90.2% n−ブタノール(BuOH) = 6.6%。
【0055】上記の表からわかるように、この条件の組
で、この触媒ではGBLの顕著なブレークスルーが起こら
なかった。さらにこの触媒の活性を検出するために、LH
SVを0.55に維持し、一方で設定温度を140℃に下げた。
これらの条件下で観測される生成物の選択率は、以下の
通りであった: テトラヒドロフラン(THF) = 1.6% γ−ブチロラクトン(GBL) = 0.3% ブタンジオール(BDO) =92.8% n−ブタノール(BuOH) = 4.6%。
【0056】この触媒の活性および選択率のさらなる例
として、設定温度を再び150℃に上昇させ、そしてLHSV
を0.75に増加させた。これらの条件下で観測される生成
物の選択率は以下の通りであった: テトラヒドロフラン(THF) = 2.4% γ−ブチロラクトン(GBL) = 0.2%フ゛タンシ゛オール (BDO) =91.1% n−ブタノール(BuOH) = 5.5%。
【0057】(比較例C)(酸化されていない炭素上に
担持された4%Pd/4%Ag/8%Re) 650cc(276.5g)のCECA ACL40活性炭押出物を、この触媒
調製のための触媒担体として使用した。250mlのメスフ
ラスコに139.25gのPd(NO3)2溶液(7.70重量%のPd)、16.5
gのAgNO3および41.5gのHReO4溶液(52.6重量%のRe)を溶
液量を250mlにするのに十分なアセトニトリルと共に入
れて、含浸溶液を調製した。溶液の密度は、1.1846g/cc
であった。286.4gの溶液を使用し、650ccの活性炭の押
出物を含浸した。含浸に続いて、触媒調製物を5.75時間
放置し、次いでオーブン中に置き、120℃で23時間乾燥
させた。この触媒調製において使用される金属担持量
は、炭素担体の1cc当たり0.016gPd/cc、0.016gAg/ccお
よび0.032gm.Re/ccであった。この触媒は、実施例3で
調製した触媒と同様の金属担持量(触媒容積当たり)を
有する。
【0058】上記の乾燥した、金属含浸された炭素触媒
の調製物40cc(21.02g)を、Hastelloy C反応管(外径0.74
5インチ×内径0.475インチ)に充填し、次いで再循環反
応装置に充填した。その触媒を、まず(大気圧で)水素
通気して、280℃で5時間還元した。触媒反応を以下の条
件下で開始した。
【0059】系の圧力=2500 PSIG H2:マレイン酸供給比=65:1 液体供給組成物=400gマレイン酸/リットル 液空間速度(LHSV)=0.55 反応器設定温度=180℃ 上記のプロセス条件下で、以下の生成物の選択率が観測
された: テトラヒドロフラン(THF) =21.9% γ−ブチロラクトン(GBL) = 0.3%フ゛タンシ゛オール (BDO) =49.6% n−ブタノール(BuOH) =22.8%。
【0060】触媒の固有活性を試験するために、γ−ブ
チロラクトンの顕著な増加が生成物溶液中に観測される
(GBLのブレークスルーが起こる)まで、 LHSVを通常増
加させるか、および/または反応器の設定温度を下げ
る。この触媒では、GBLのブレークスルーは、設定温度1
50℃およびLHSV=0.55で観測された。これらの条件下で
観測された生成物の選択率は、以下の通りであった: テトラヒドロフラン(THF) =11.2% γ−ブチロラクトン(GBL) = 6.9% ブタンジオール(BDO) =77.5% n−ブタノール(BuOH) = 3.6%。
【0061】(実施例4)(酸化された炭素上に担持さ
れた5%Pd/5%Re) 30×70メッシュの活性炭(AC 40、フランスのCECA S.A.
により製造され、そして米国でAtochem North America
Inc. により販売されている)100gを、過剰の酸化剤
(表1に記載のような90%のHNO3、30%のH2O2または35%
のHNO3)と共に80℃で約18時間撹拌した。冷却後、生成
物を濾過により回収し、そして過剰の水で数回洗浄し、
続いて120℃でオーブン中で乾燥させた。
【0062】25.00gの酸化された炭素を、1.90gのNH4Re
O4および18.12gのPd(NO3)2溶液(7.26%のPd)を含有す
る水溶液120gで処理した。得られたスラリーを、「roto-
vac」で蒸発乾固し、そして120℃にてオーブンで乾燥さ
せた。直ちに生成物を200℃において水素で還元した。
昇温速度は1°/分であり、200℃、5時間の保持時間
であった。
【0063】還元された触媒(名目上、炭素上に担持さ
れた5%Pd/5%Re)8.00gを、100.0gの30%マレイ
ン酸水溶液と混合し、その混合物を、オートクレーブ中
に入れた。オートクレーブを、室温で2500psigのH2
3回パージし、続いて2500psigに圧力を保つ一方で、表
1に示すように温度を160℃または180℃まで上昇させ、
1000rpmの速度で撹拌した。反応物を、表1に示す期間
中その条件で保ち、次いで室温まで冷却した。生成物
を、ガスクロマトグラフィーにより分析すると、マレイ
ン酸の転換率は100%であり、1,4−ブタンジオール(B
DO)、γ−ブチロラクトン(GBL)、およびn−ブタノール
の選択率は表Iに示す通りであった。
【0064】(比較例D)(酸化されていない炭素上に
担持された5%Pd/5%Re) 実施例4における手順を、酸化剤処理なしで同様の活性
炭を用いて繰り返した。この触媒を、表1に示すように
実施例4で使用したのと同様の条件で試験した。それら
の試験の結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】比較例Dと比較した場合、実施例4の結果
は、本明細書中で記載した発明(すなわち、実施例4の
ように炭素担体を酸化剤と接触させた触媒を使用)が高
収率の1,4-ブタンジオール(BDO)を提供し、γ−ブチロ
ラクトン(GBL)の形成が最小であることを示す。
【0067】本発明は本明細書で示された実施例によっ
て限定されるべきないことが理解されるべきである。こ
れらは、単に実施可能性を説明するために提供されたも
のであり、そして必要ならば、触媒、金属源、炭素担
体、濃度、接触時間、固形物担持量、供給原料、反応条
件、および生成物の選択は、本明細書中で開示され、そ
して記載された本発明の意図から逸脱することなく、提
供された明細書の開示全体から決定され得、本発明の範
囲は、特許請求の範囲内の改変および変法を包含する。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、1,4−ブタンジオー
ル生成を最大化する、プロセスおよびより活性な触媒が
提供される。
【0069】本発明によれば、また、反応生成物に対し
ての全体としての活性が高いことによって、および/ま
たは1,4−ブタンジオールの収率が高く、副生成物γ
−ブチロラクトンの形成が最小限であることによって特
徴付けられるプロセスが提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 29/149 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/64 104X (71)出願人 595017584 200 Public Square,39G BP Building,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A. (72)発明者 トーマス ジー. アッティグ アメリカ合衆国 オハイオ 44202, オ ーロラ, デボラ ドライブ 115 (72)発明者 ジョン アール. バッジ アメリカ合衆国 オハイオ 44122, ビ ーチウッド, エッジウッド ロード 2565

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,4−ブタンジオールを生成するプロ
    セスであって、水素化可能な前駆体を水素含有ガスおよ
    び水素化触媒に接触させて接触水素化する工程を包含
    し、該水素化触媒は、炭素担体上に析出した、周期表の
    VIII族貴金属の少なくとも1つと、レニウム、タングス
    テン、およびモリブデンの少なくとも1つとを含有し、 ここで、該炭素担体を、該金属の析出前に、硝酸、過酸
    化水素、次亜塩素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、
    および過塩素酸からなる群より選択される酸化剤と接触
    させる、プロセス。
  2. 【請求項2】 前記水素化可能な前駆体が、マレイン
    酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、無水コハク
    酸、コハク酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、およびそ
    れらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記
    載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記水素化可能な前駆体が、マレイン
    酸、コハク酸、またはγ−ブチロラクトンの少なくとも
    1つである、請求項2に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記水素化触媒が、 (i)前記炭素担体を酸化剤に接触させて該炭素担体を
    酸化する工程; (ii)VIII族金属ならびにレニウム、タングステン、お
    よびモリブデンからなる群より選択される少なくとも1
    つの金属の金属源であって、少なくとも1つの溶液中に
    ある金属源に該炭素担体を接触させる工程を包含する1
    以上の含浸工程による、含浸工程; (iii)各含浸工程の後に、含浸された該炭素担体を乾
    燥して溶媒を除去する工程;および (iv)還元条件下で、約100℃〜350℃の温度にて、含浸
    された該炭素担体を加熱する工程;によって調製され
    る、請求項1に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記VIII族貴金属が、パラジウム、白
    金、ロジウム、およびルテニウムからなる群より選択さ
    れる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記水素化触媒が、パラジウムおよびレ
    ニウムを含有する、請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 前記水素化触媒が、パラジウム、レニウ
    ム、および銀を含有する、請求項1に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 前記金属源が単一の溶液として組み合わ
    され、そして該金属が単一の含浸工程で前記炭素担体上
    に析出される、請求項4に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 前記水素化触媒が、約0.1重量%〜約20
    重量%の前記VIII族金属、ならびに約0.1重量%〜約20
    重量%のレニウム、タングステン、およびモリブデンの
    少なくとも1つを含有する、請求項1に記載のプロセ
    ス。
  10. 【請求項10】 水素と水素化可能な前駆体との比が、
    約5:1と約1000:1との間である、請求項1に記載の
    プロセス。
  11. 【請求項11】 前記水素含有ガスの圧力が、約20気圧
    と400気圧との間である、請求項1に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 前記接触時間が、約0.1分と20時間と
    の間である、請求項1に記載のプロセス。
  13. 【請求項13】 テトラヒドロフランおよび1,4−ブ
    タンジオールを生成するプロセスであって、 水素化可能な前駆体を水素化触媒と接触させて接触水素
    化する工程を包含し、該水素化触媒は、酸化された炭素
    担体上に、周期表のVIII族貴金属の少なくとも1つと、
    レニウム、タングステン、またはモリブデンの少なくと
    も1つとを含有し、 ここで、該触媒が、 (i)炭素担体を、硝酸、過酸化水素、次亜塩素酸ナト
    リウム、過硫酸アンモニウム、および過塩素酸からなる
    群より選択される酸化剤に接触させて、該炭素担体を酸
    化する工程; (ii)少なくとも1つのVIII族金属ならびにレニウム、
    タングステン、およびモリブデンからなる群より選択さ
    れる少なくとも1つの金属の金属源に該炭素担体を接触
    させる工程を包含する1以上の含浸工程による、含浸工
    程であって、該金属源が少なくとも1つの溶液中にあ
    る、工程; (iii)各含浸工程の後に、含浸された該炭素担体を乾
    燥して溶媒を除去する工程;および (iv)還元条件下で、約100℃〜約350℃の温度にて、含
    浸された該炭素担体を加熱する工程;によって調製され
    る、プロセス。
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