JP4354556B2 - 1,4−ブタンジオールへのマレイン酸の水素化のための改良されたプロセス - Google Patents

1,4−ブタンジオールへのマレイン酸の水素化のための改良されたプロセス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マレイン酸、無水マレイン酸または他の水素化可能な前駆物質の、1,4−ブタンジオールおよびテトラヒドロフランへの水素化のための改良されたプロセスに関する。改良点は、マレイン酸、無水マレイン酸または他の水素化可能な前駆物質供給原料への鉄の添加を含む。供給原料中の鉄の添加は、反応生成物に対する触媒性能を改善し、1,4−ブタンジオールのより高い収量および副生物の最小の形成をもたらす。
【0002】
【従来の技術】
テトラヒドロフラン、ガンマ(γ−)ブチロラクトンおよび1,4−ブタンジオールが無水マレイン酸および関連した化合物の触媒水素化によって得られることは、周知である。テトラヒドロフランは、天然および合成樹脂のための有用な溶媒であって、多数の化学品およびプラスチックの製造ための価値ある中間体である。ガンマブチロラクトンは、酪酸化合物、ポリビニルピロリドンおよびメチオニンの合成のための中間体である。ガンマブチロラクトンは、アクリレートおよびスチレンポリマーのための有用な溶媒であり、またペイント除去剤および繊維添加剤(textile assistants)の有用な成分である。1,4−ブタンジオール(一名、1,4−ブチレングリコール)は、溶媒、湿潤剤、可塑剤および医薬品のための中間体、ポリウレタンエラストマーのための橋かけ剤、テトラヒドロフランの製造の前駆物質として有用であり、そしてテレフタレートプラスチックを製造するために使用される。
【0003】
マレイン酸、無水マレイン酸または他の水素化可能な前駆物質の、テトラヒドロフラン、ガンマブチロラクトンおよび1,4−ブタンジオールへの水素化のための多数の触媒およびプロセスは、開示されている。本発明の中で、最も利点があるのは、サポート(担持)された貴金属触媒によって触媒されるプロセスである。このような触媒が鉄をも含み得ることは、従来技術において教示されている。
【0004】
例えば、米国特許第4,985,572号は、レニウム、パラジウムおよびパラジウムとの合金になることができる少なくとも一つの他の金属(全て炭素サポート(担体)上)を含む触媒を使用して、カルボン酸またはその無水物の、対応するアルコールおよび/またはカルボン酸エステルへの、触媒水素化のためのプロセスを教示する。パラジウムと合金になり得る好ましい金属は銀であるが、金、銅、ニッケル、ロジウム、スズ、コバルト、アルミニウム、マンガン、ガリウム、鉄、クロムおよびプラチナもまた教示される。この触媒の調製は、パラジウムおよび銀の炭素サポート上の同時堆積、次いで高温(600℃)熱処理を特徴とする。次いで、レニウムが、炭素サポート上にしみ込んだパラジウム/アロイ化金属上に堆積される。得られた触媒は、次いで還元される。
【0005】
加えて、WO 92/02298は、パラジウムおよびレニウムおよび、ロジウム、コバルト、プラチナ、ルテニウム、鉄、ツリウム、セリウム、イットリウム、ネオジム、アルミニウム、プラセオジム、ホルミウム、ハフニウム、マンガン、バナジウム、クロム、金、テルビウム、ルテチウム、ニッケル、スカンジウムおよびニオブからなる群から選択される一つ以上の金属をサポート上に含む水素化触媒を開示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、マレイン酸、無水マレイン酸または他の水素化可能な前駆物質の水素化において、上記で論議された触媒は、1,4−ブタンジオールよりも多くのテトラヒドロフランおよびガンマブチロラクトンを生産する傾向を有する。本発明の目的は、1,4−ブタンジオール生産を最大にして、ガンマ−ブチロラクトン生産を最小にするプロセスである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(発明の要旨)
本発明は、1,4−ブタンジオールの生産のためのプロセスであり、水素含有気体と接触する、水素化可能な前駆物質および鉄を含む供給原料を、接触的に水素化する工程を包含する。
【0008】
マレイン酸または他の水素化可能な前駆物質は、貴金属触媒の存在下で、1,4−ブタンジオールに水素化される。1,4−ブタンジオールの生産および収量は、鉄または鉄含有化合物の材料への添加によって改良される。
【0009】
マレイン酸および/または他の水素化可能な前駆物質は、貴金属触媒の存在下で1,4−ブタンジオールに水素化される。1,4−ブタンジオールの生産および収量は、鉄の水素化可能な前駆物質材料への添加によって改良される。
【0010】
具体的には、本発明のプロセスは、1,4−ブタンジオールの生産のためのプロセスであって、
水素−含有気体および水素化触媒と接触する、水素化可能な前駆物質を触媒的に水素化する工程を包含し、
ここで該水素化触媒は、周期表のVIII族の少なくとも一つの貴金属を含み、
ここで鉄が、水素化可能な前駆物質に添加される。
【0011】
1つの実施態様では、前記水素化可能な前駆物質が、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、無水コハク酸、C1〜C8ジアルキルスクシネート、C1〜C8ジアルキルマレエート、ガンマ−ブチロラクトンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0012】
1つの実施態様では、前記水素化可能な前駆物質が少なくとも一つのマレイン酸、コハク酸またはガンマブチロラクトンである。
【0013】
1つの実施態様では、前記VIII族の貴金属が、パラジウム、白金、ロジウムおよびルテニウムからなる群から選択される。
【0014】
1つの実施態様では、前記水素化触媒がパラジウムおよびレニウムを含む。
【0015】
1つの実施態様では、前記水素化触媒が、炭素サポート上のパラジウム、レニウムおよび銀を含む。
【0016】
1つの実施態様では、前記鉄が、酢酸鉄、プロピオン酸鉄、酪酸鉄、マレイン酸鉄、コハク酸鉄、フマル酸鉄およびその混合物の群から選択される鉄塩である。
【0017】
1つの実施態様では、前記鉄が、1ppmと10,000ppm(重量/重量基準)との間の範囲の濃度で前記水素化可能な前駆物質に添加される。
【0018】
1つの実施態様では、前記鉄が、約20ppmと約160ppm(重量/重量基準)との間の範囲の濃度で液体の前記水素化可能な前駆物質に添加される。
【0019】
1つの実施態様では、前記水素対水素化可能な前駆物質の割合が、約5対1と約1000対1との間である。
【0020】
1つの実施態様では、前記水素含有気体の圧力が、約20気圧と400気圧の間である。
【0021】
1つの実施態様では、前記接触の時間が約0.1分と20時間との間である。
【0022】
【発明の実施の形態】
(反応材料)
本発明のプロセスにおいては、少なくとも一つの水素化可能な前駆物質が、水素含有気体と、触媒存在下で反応させられる。本明細書で用いる、「水素化可能な前駆物質」は、任意のカルボン酸またはその無水物、カルボン酸エステル、ラクトンまたはそれらの混合物であり、これらは、水素化された場合、1,4−ブタンジオールを生産する。代表的な水素化可能な前駆物質は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水コハク酸、コハク酸、C1〜C8ジアルキルスクシネート(例えばジメチルスクシネート)のようなコハク酸エステル、C1〜C8ジアルキルマレエート(例えばマレイン酸ジメチル)のようなマレイン酸エステル、ガンマブチロラクトンまたはその混合物を含む。好ましい水素化可能な前駆物質は、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、C4酸のエステル、ガンマブチロラクトンまたはその混合物である。
【0023】
最も好ましい水素化可能な前駆物質は、マレイン酸であり、これは、典型的には、酸素含有気体中で、蒸気相中でn−ブタンまたはベンゼンを無水マレイン酸に酸化するための触媒存在下で、n−ブタンまたはベンゼンを反応させ、次いで、水クエンチによって無水マレイン酸を集め、マレイン酸水溶液を産生することによって得られる。n−ブタンまたはベンゼンの酸化反応は、典型的には、約300℃〜600℃の温度で、そして、約0.5〜20気圧(50〜2000kPa)の圧力で行われる。
【0024】
典型的に、水素(H2)含有気体は、希釈気体のない商業上純粋の水素である。
しかし、水素含有気体は、水素(H2)に加えて、窒素(N2)、任意の気体炭化水素(例えばメタン)、ならびに気体状の炭素酸化物(例えば一酸化炭素、二酸化炭素)をまた含有してもよい。
【0025】
(触媒)
本発明で使用される触媒は、少なくとも一つのパラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群から選択される周期表のVIII族の貴金属を含む。これらは、以下を含む:
(i)英国の特許公報第01551741に記載されたように、レニウム、マンガンまたはテルルの少なくとも一つをまた含有している触媒
(ii)米国特許第4,096,156号に記載されたように、金および銀の少なくとも一つをまた含有している触媒、ならびに
(iii)米国特許第5,149,680号に記載されたように、VIII族貴金属とアロイ化し得る少なくとも一つの金属、およびレニウム、タングステンまたはモリブデンのうちの少なくとも一つの金属をまた含有している触媒。他の適切な触媒の例は、英国の特許公報の第01543232号および米国特許第4,659,686号に記載の炭素サポート上のパラジウムおよびレニウムを含む。これらの触媒組成物は、IA族、IIA族またはVIII族から選択される金属を取込むことによって、さらに改変され得る。
【0026】
本発明で使用される好ましい触媒は、炭素にサポートされるパラジウム、銀およびレニウムを含む。本発明に用いられる炭素は、少なくとも200m2/gのBET表面積を有し、そして好ましくは、500〜1500m2/gの範囲である。このタイプの触媒は、米国特許第5,149,680号に記載される。
【0027】
好ましい触媒組成物は、約0.1〜約20重量パーセントのパラジウム、好ましくは約2〜約8重量%のパラジウム;約0.1〜約20重量%の銀、好ましくは約1〜約8重量%の銀;約0.1〜約20重量%のレニウム、そして好ましくは約1〜約10重量%のレニウムを含む。パラジウム対銀の割合は、10対1と、1対10の間である。以前に示唆されるように、この触媒組成物はまた、金属の取込みまたはIA族またはIIA族から選択される金属によってさらに改変されてもよい。
【0028】
本発明に用いられる好ましい触媒は、単一かまたは複数の浸透工程で、少なくとも一つのパラジウム、銀またはレニウム化合物を含有している単数または複数の溶液を用いて、炭素サポートの浸透によって、好都合に調製され得る。本明細書中で使用する、炭素サポートの浸透は、炭素サポートが満たされ、染み込まされ(imbued)、染み通らされ(permeated)、飽和(saturated)されまたはコーティングされるようにすることを意味する。浸透溶液は、必要に応じて、1つまたはそれ以上の金属化合物の可溶化を補助する錯化剤を含み得る。触媒は、各浸透工程の後、キャリア溶媒を除去するために乾かされる。乾燥温度は、約80℃および約150℃の間である。
【0029】
好ましい触媒の作製において、パラジウム化合物、銀化合物およびレニウム化合物の溶液は、溶液の中に浸すかまたはサポート物質を懸濁することによってか、あるいは炭素の上へ溶液をスプレーすることによって炭素に塗布されてもよい。パラジウム化合物を含む溶液は、典型的には、パラジウムの必要条件量を有する触媒生成物をもたらす量のパラジウム化合物を含有している水溶液である。パラジウム化合物は、硝酸パラジウムまたはパラジウム化合物(例えば塩化物、炭酸塩、カルボン酸エステル、酢酸塩、アセチルアセトネートまたはアミン)であってもよい。銀化合物を含有している溶液は、典型的には、銀の必要条件量を有する触媒生成物をもたらす銀化合物の量を含む水溶液である。パラジウムおよび銀化合物は、熱的に分解できなければならず、そして金属に還元することができなければならない。レニウム化合物を含有している溶液は、典型的には、レニウムの必要条件量を有する触媒生成物をもたらすレニウム化合物の量を含む水溶液である。レニウム化合物は、典型的には、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウムまたは過レニウム酸アルカリ金属である。
【0030】
浸透する溶液は、少なくとも1つの金属化合物を可溶化するのを補助するために必要に応じて金属錯化剤を含み得る。浸透溶液へのアセトニトリルの添加は、Pd、AgおよびRe化合物が単一の工程で添加されることを可能にさせる。硝酸もまた浸透溶液に添加され得る。
【0031】
パラジウム、銀およびレニウムの浸透および乾燥の後、好ましい触媒は、浸透された炭素サポートを、還元条件下、120−350℃、好ましくは150−300℃の温度で加熱することによって活性化される。水素、または水素および窒素の混合物は、触媒と接触して、触媒の還元のために好都合に使用され得る。浸透させられた炭素サポートの還元は、炭素サポートがパラジウム、銀およびレニウムで浸透させられた後のみである。複数の浸透工程および複数の乾燥の場合、触媒の還元は、最終的な乾燥の後、される。
【0032】
(プロセス)
プロセスを実行するための方法は、以下を含む:
鉄および水素化触媒の存在下で、水素化可能な前駆物質を水素含有気体と反応させる工程、および
蒸留によって反応生成物を回収し、そして精製する工程。
【0033】
本発明において、鉄は、水素化反応器への水素化可能な前駆物質の導入前か、またはその場で(in situ)、水素化可能な前駆物質に添加される。典型的には鉄は、鉄塩として添加される。鉄は、好ましくは、1ppmと10,000ppm(重量/重量基準)との間の範囲の濃度で、液体状の水素化可能な前駆物質供給原料に添加される。好ましくは、供給原料の鉄の濃度は、約20ppmと160ppmとの間である。酢酸鉄、プロピオン酸鉄、酪酸鉄、マレイン酸鉄、コハク酸鉄およびフマル酸鉄を含む広範囲にわたる鉄塩が、使用され得る。好ましくは、塩のアニオンは、水素化反応を妨げてはならず、または水素化触媒に対する毒物として作用してはならない。
【0034】
本発明の液相水素添加は、従来の装置および技術を使用して、撹拌槽型反応器中または固定床式反応器中で行われ得る。単一かまたは多段反応器が使用され得る。必要な触媒の量は、広く変化し、そして、多数の因子(例えば反応器の大きさおよび設計、接触時間など)に依存する。
【0035】
水素含有気体は、一般に、他の反応物に対してかなりの化学量論の過剰の水素で、連続的に供給される。未反応の水素は、リサイクル流れとして反応器に返され得る。前駆物質溶液、例えばマレイン酸(または他の水素化可能な前駆物質)溶液は、希釈溶液から最大溶解度レベルの近くまでの範囲の濃度で、連続的に供給される。前駆物質溶液は、約10〜約60重量%のマレイン酸(または他の水素化可能な前駆物質)を含有し得るが、より高い濃度であれば、リサイクルするかまたは廃棄する水がより少なくなるので、より経済的であり、そして好ましい。好ましくは、前駆物質溶液は、約20〜約50重量%のマレイン酸(または他の水素化可能な前駆物質)を含有する。
【0036】
好ましくは、水素化工程は、約50℃〜約350℃の温度、および約20−400気圧の水素圧力で、水素対水素化可能な前駆物質の比(H2/P)が5対1と1000対1との間で、0.1分〜20時間の接触時間で、運転される。
【0037】
反応生成物、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、ガンマブチロラクトンまたはそれらの混合物は、分別蒸留によって都合よく分離される。小量形成される副生物または未反応材料(例えば、無水コハク酸またはコハク酸)が、必要に応じて、水素化段階へ戻される。ガンマブチロラクトンはまた、水素化反応器にリサイクルされてもよい。
【0038】
本発明のプロセスを使用して、より詳細には本明細書中で記載される水素化触媒を使用して、マレイン酸は実質的に定量的に単一の反応において転換される。達成される1,4−ブタンジオールおよびテトラヒドロフランの収量は、約80モルパーセント以上であり、典型的には、約90モルパーセント以上であり、収量の大部分は、1,4−ブタンジオールである。反応副生物は、n−ブタノール、n−酪酸、n−プロパノール、プロピオン酸、メタン、プロパン、n−ブタン、一酸化炭素および二酸化炭素を含み得る。しかし、利用不可能な副性物の形成は、軽度なものである。
【0039】
【実施例】
(具体的な実施態様)
本発明を説明するために、以下の実施例を提供する。
【0040】
(実施例1:炭素触媒上のPd+Ag+Reの調製)
硝酸パラジウム溶液(8.5wt% Pd)132.4g、硝酸銀17.3g、濃硝酸28g(70wt%)、およびアセトニトリル(約40cc)を、250ccメスフラスコに入れた。混合物を振盪し、硝酸銀を溶解した。次いで、過レニウム酸(53.3wt% Re)45gを、ゆっくり加えた。次いで、アセトニトリルを、フラスコに添加し、正確に250ccの溶液を得た。
【0041】
1.5mm(直径)の CECA ACL40炭素エクストルデート(extrudate)280.5gを、上記の溶液にゆっくり浸透させた。混合物を、4時間静置した。次いで、オーブンにおいて120〜130℃で、20.25時間乾燥させた。
【0042】
テストするために、触媒エクストルデートをレーザーブレードで切断し、エクストルデートのの最大長さを約1.5mmとした。
【0043】
(実施例2:水性マレイン酸の水素化および触媒テスト)
実施例1の触媒は、直列に接続された2つのHasteloy C276反応器において、加熱されたHasteloy C276チューブを使用してテストされた。反応器は、0.516インチの内径を有し、そして、各々、1/8インチ軸のHasteloy C276サーモウェル(thermowell)を備えていた。
【0044】
反応器に入れる前に、触媒を、50/70のメッシュ石英チップ(触媒1gあたり0.625gの石英)と混合した。20cc(12.15g)の触媒を第1の反応器に入れ、そして、第2の反応器に40cc(24.3g)を入れた。テストの前に、大気圧で、水素流(400sccm)中で、徐々に触媒を約13〜18時間かけて230℃まで加熱して、次いで230℃で約5時間触媒を維持して、触媒を還元した。
【0045】
触媒の大規模なテストは、数千時間にわたって2500〜4000psigの圧力で実行された。反応器の作動中に、水素をリサイクルした。水素の小量部分は、非濃縮性(non−condensable)の気体の蓄積を防ぐために排気された。表1において要約されるように、鉄添加研究のために使用された水性マレイン酸材料は、少量の他の有機酸を含有した。鉄は、酢酸鉄(II)の形態でマレイン酸に添加され、40ppm(w/w)鉄を含む溶液を得た。鉄は、容易に溶液に溶けた。マレイン酸材料への鉄添加の効果は、以下のプロセス条件での、流れ上で、4450と4550時間との間で評価された:
圧力:4000psig
2/(MAC+FAC)供給原料比(feed ratio):92
2構成(Make−up)対リサイクル比:0.083
第1の反応器:
平均設定温度:130℃
第2の反応器:
平均値セット温度:162℃。
【0046】
表2は、マレイン酸材料への鉄の添加のがある場合とない場合とのテストの結果を要約する。生成物選択性は、C4モル濃度(molar C4)を基準に計算された。BDO収量は、マレイン酸材料に添加される鉄のために、かなり、より高かった。
【0047】
表1:マレイン酸材料の組成
成分 重量%
マレイン酸 33.4
フマル酸 0.41
アクリル酸 0.21
酢酸 0.72
リンゴ酸 0.40
表2:触媒特性(選択性)データ
鉄添加あり
%BDO %THF %GBL %BuOH %PrOH %SAC
69.2 19.75 5.38 2.86 0.63 2.04
鉄添加なし
%BDO %THF %GBL %BuOH %PrOH %SAC
61.7 28.02 4.63 3.11 0.63 1.74
ここで、
BDO =1,4−ブタンジオール
THF =テトラヒドロフラン
GBL =ガンマブチロラクトン
BuOH=ブタノール
PrOH=プロパノール
SAC =コハク酸。
【0048】
本発明が本明細書中で開示される実施例によって制限されないことが理解される。これらは単に実施可能性(operability)を示すだけのために提供された。そして触媒、金属源、炭素サポート、濃度、接触時間、固体負荷(loading)、供給原料、反応条件、および生成物の選択は、(もしあれば)本明細書中に開示されそして記載される本発明の精神から逸脱することなく、提供された本明細書の開示全体から決定され得る。本発明の範囲は、添付の請求の範囲の範囲内の改変および変更を含む。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、マレイン酸、無水マレイン酸または他の水素化可能な前駆物質の水素化において、1,4−ブタンジオール生産を最大にして、ガンマ−ブチロラクトン生産を最小にするプロセスが提供される。

Claims (9)

  1. 1,4−ブタンジオールの生産のための方法であって、
    水素−含有気体および水素化触媒と接触する、水素化可能な前駆物質を触媒的に水素化する工程を包含し、
    ここで該水素化触媒は、周期表のVIII族の少なくとも一つの貴金属を含み、
    ここで鉄が、水素化反応器への水素化可能な前駆物質の導入前か、またはその場で(in situ)、水素化可能な前駆物質に添加され
    ここで、該水素化可能な前駆物質がマレイン酸であり、そしてここで、該鉄が、酢酸鉄、プロピオン酸鉄、酪酸鉄、マレイン酸鉄、コハク酸鉄、フマル酸鉄およびその混合物の群から選択される鉄塩である、
    方法
  2. 前記VIII族の貴金属が、パラジウム、白金、ロジウムおよびルテニウムからなる群から選択される、請求項1の方法
  3. 前記水素化触媒がパラジウムおよびレニウムを含む請求項1の方法
  4. 前記水素化触媒が、炭素サポート上のパラジウム、レニウムおよび銀を含む、請求項1の方法
  5. 前記鉄が、1ppmと10,000ppm(重量/重量基準)との間の範囲の濃度で前記水素化可能な前駆物質に添加される、請求項1の方法
  6. 前記鉄が、0ppmと60ppm(重量/重量基準)との間の範囲の濃度で液体の前記水素化可能な前駆物質に添加される、請求項1の方法
  7. 前記水素対水素化可能な前駆物質の割合が、対1と000対1との間である、請求項1の方法
  8. 前記水素含有気体の圧力が、0気圧と400気圧の間である、請求項1の方法
  9. 前記接触の時間が.1分と20時間との間である、請求項1の方法
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