JPH11121287A - 電気二重層コンデンサ、電極及びその製造方法 - Google Patents
電気二重層コンデンサ、電極及びその製造方法Info
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- JPH11121287A JPH11121287A JP9280446A JP28044697A JPH11121287A JP H11121287 A JPH11121287 A JP H11121287A JP 9280446 A JP9280446 A JP 9280446A JP 28044697 A JP28044697 A JP 28044697A JP H11121287 A JPH11121287 A JP H11121287A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 焼結の促進と高密度充填を可能として、低電
流密度における容積あたりの容量密度を向上させ、均一
な品質な電気二重層コンデンサ及び電極を提供する。 【解決手段】 PVDC(ポリ塩化ビニリデン)樹脂
(あるいは塩化ビニリデン系共重合体)炭化物からなる
電気二重層コンデンサ用電極2として、密度を1.00
〜1.35g/ccとする。電極2には、フェノール樹
脂炭化物を0.5〜10.0wt%添加するのが良く、
PVDC樹脂炭化物は、粒子サイズが径22μm以下と
するのが好ましい。
流密度における容積あたりの容量密度を向上させ、均一
な品質な電気二重層コンデンサ及び電極を提供する。 【解決手段】 PVDC(ポリ塩化ビニリデン)樹脂
(あるいは塩化ビニリデン系共重合体)炭化物からなる
電気二重層コンデンサ用電極2として、密度を1.00
〜1.35g/ccとする。電極2には、フェノール樹
脂炭化物を0.5〜10.0wt%添加するのが良く、
PVDC樹脂炭化物は、粒子サイズが径22μm以下と
するのが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層コンデ
ンサ、電極及びその製造方法に関する。
ンサ、電極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、活性炭の粉末
に電解液をしみこませ、活性炭と電解液の界面にできる
電気二重層の静電容量を利用したコンデンサである。耐
電圧、最高使用温度は、電解液の分解電圧・温度に依存
しており、定格電圧は数Vと低いが、ファラッドオーダ
の静電容量が容易に得られることから、電池の代わりに
半導体メモリ(D−RAM)のバックアップ用等の低電
流密度の用途に多く用いられるようになっており、最近
では、もっと電流密度の高い用途、例えば車載鉛蓄電池
の代わり、にも使用することが研究されている。
に電解液をしみこませ、活性炭と電解液の界面にできる
電気二重層の静電容量を利用したコンデンサである。耐
電圧、最高使用温度は、電解液の分解電圧・温度に依存
しており、定格電圧は数Vと低いが、ファラッドオーダ
の静電容量が容易に得られることから、電池の代わりに
半導体メモリ(D−RAM)のバックアップ用等の低電
流密度の用途に多く用いられるようになっており、最近
では、もっと電流密度の高い用途、例えば車載鉛蓄電池
の代わり、にも使用することが研究されている。
【0003】従来、電気二重層コンデンサ用電極とし
て、活性炭にバインダを混入させ焼結したものや焼結後
に腑活処理(酸化による不純物除去処理)したものを用
いていた。しかし、これらの電極を使用すると、次のよ
うな問題点が生じていた。 a)活性炭はマクロポアが多く細孔体積比率が高いた
め、密度が低い。 b)比表面積は大きいが細孔径の分布が広いため、電気
二重層コンデンサ用電極として働く実効的な細孔は少な
い。 c)焼結を促進する目的で比較的高温で焼結するため、
電気二重層コンデンサ用電極として働く実効的な細孔は
少ない。 d)低温(850℃以下)で焼結すると、グラファイト
化が進まないため、粒子間焼結強度がなく、そして、抵
抗値が高い。
て、活性炭にバインダを混入させ焼結したものや焼結後
に腑活処理(酸化による不純物除去処理)したものを用
いていた。しかし、これらの電極を使用すると、次のよ
うな問題点が生じていた。 a)活性炭はマクロポアが多く細孔体積比率が高いた
め、密度が低い。 b)比表面積は大きいが細孔径の分布が広いため、電気
二重層コンデンサ用電極として働く実効的な細孔は少な
い。 c)焼結を促進する目的で比較的高温で焼結するため、
電気二重層コンデンサ用電極として働く実効的な細孔は
少ない。 d)低温(850℃以下)で焼結すると、グラファイト
化が進まないため、粒子間焼結強度がなく、そして、抵
抗値が高い。
【0004】活性炭や炭素繊維にフェノール樹脂を担持
させて後繰返し賦活する方法が、特開昭63−3148
21号公報により知られているが、工程が複雑であり、
コストがかかっていた。フェノール樹脂を添加して炭化
した電極が特開昭63−226019号公報に記載され
ているが、フェノール樹脂炭化物は電気二重層コンデン
サ用電極に最適な細孔が少なく、容量が小さい。
させて後繰返し賦活する方法が、特開昭63−3148
21号公報により知られているが、工程が複雑であり、
コストがかかっていた。フェノール樹脂を添加して炭化
した電極が特開昭63−226019号公報に記載され
ているが、フェノール樹脂炭化物は電気二重層コンデン
サ用電極に最適な細孔が少なく、容量が小さい。
【0005】これらの問題点を解決するため、PVDC
(ポリ塩化ビニリデン)樹脂の炭化物を使用することが
提案されている(特開平7−249551号公報参
照)。PVDC樹脂(あるいは塩化ビニリデン系共重合
体)炭化物を使用すると、他の活性炭と比較して長所を
有しており、その理由として、次のことによるといわれ
ている。PVDC樹脂は、2つの脱塩酸反応温度を有し
ている。第一点は180℃から250℃で自己分子鎖内
での脱塩酸反応であり、第二点は450℃から550℃
での分子鎖間の脱塩酸反応で、その際分子間結合が生じ
ている。第一点の温度範囲で加熱すると脱塩酸反応によ
り細孔が形成され、その細孔は、36Å以下のマイクロ
ポアとよばれるものであって、これが電気二重層コンデ
ンサ用電極として使用されると電解液との界面として有
効に働く。このため、電極としての腑活処理は不必要で
ある。また、第二点の温度範囲以上で加熱すると、脱塩
酸反応により有効マイクロポアを保持しつつ比較的低温
でも焼結を進行させることができる。このため、電気二
重層コンデンサ用電極には不要である大きな径のメソポ
アやマクロポアの発生を抑えることができる。このた
め、PVDC樹脂炭化物は、比表面積は活性炭に比べて
少ないが、焼結密度が活性炭に比べて大きくなり、体積
あたりの容量は大きくなる。
(ポリ塩化ビニリデン)樹脂の炭化物を使用することが
提案されている(特開平7−249551号公報参
照)。PVDC樹脂(あるいは塩化ビニリデン系共重合
体)炭化物を使用すると、他の活性炭と比較して長所を
有しており、その理由として、次のことによるといわれ
ている。PVDC樹脂は、2つの脱塩酸反応温度を有し
ている。第一点は180℃から250℃で自己分子鎖内
での脱塩酸反応であり、第二点は450℃から550℃
での分子鎖間の脱塩酸反応で、その際分子間結合が生じ
ている。第一点の温度範囲で加熱すると脱塩酸反応によ
り細孔が形成され、その細孔は、36Å以下のマイクロ
ポアとよばれるものであって、これが電気二重層コンデ
ンサ用電極として使用されると電解液との界面として有
効に働く。このため、電極としての腑活処理は不必要で
ある。また、第二点の温度範囲以上で加熱すると、脱塩
酸反応により有効マイクロポアを保持しつつ比較的低温
でも焼結を進行させることができる。このため、電気二
重層コンデンサ用電極には不要である大きな径のメソポ
アやマクロポアの発生を抑えることができる。このた
め、PVDC樹脂炭化物は、比表面積は活性炭に比べて
少ないが、焼結密度が活性炭に比べて大きくなり、体積
あたりの容量は大きくなる。
【0006】しかし、PVDC樹脂炭化物は、次のよう
な問題点を有している。 a)バインダレスであるため、成形しにくい。 b)低温(850℃以下)での焼結ではグラファイトが
進まないため、オーミックな抵抗が高い。そのため高電
流密度においてはIRドロップが大きく容量が取り出せ
ない。 c)PVDC樹脂炭化物は高密度に焼結できるが、粒子
間の空隙やマクロポアが少ないため拡散抵抗が高い。 d)PVDC樹脂炭化物の焼結電極密度は通常で約0.
9〜1g/ccであるが、さらに容積あたりの容量を増
加させるには、密度を増加させる必要がある。しかし、
密度を上げるために粒子サイズを小さくして充填密度を
上げて焼結しようとすると、PVDC樹脂の初期の炭化
温度によって電極の状態が違ってくるため、均一な品質
の電極を作製することができなかった。
な問題点を有している。 a)バインダレスであるため、成形しにくい。 b)低温(850℃以下)での焼結ではグラファイトが
進まないため、オーミックな抵抗が高い。そのため高電
流密度においてはIRドロップが大きく容量が取り出せ
ない。 c)PVDC樹脂炭化物は高密度に焼結できるが、粒子
間の空隙やマクロポアが少ないため拡散抵抗が高い。 d)PVDC樹脂炭化物の焼結電極密度は通常で約0.
9〜1g/ccであるが、さらに容積あたりの容量を増
加させるには、密度を増加させる必要がある。しかし、
密度を上げるために粒子サイズを小さくして充填密度を
上げて焼結しようとすると、PVDC樹脂の初期の炭化
温度によって電極の状態が違ってくるため、均一な品質
の電極を作製することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼結の促進
と高密度充填を可能として、小電流密度における容積あ
たりの容量密度を向上させ、均一な品質な電気二重層コ
ンデンサ及び電極を提供することである。
と高密度充填を可能として、小電流密度における容積あ
たりの容量密度を向上させ、均一な品質な電気二重層コ
ンデンサ及び電極を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、PVDC樹脂
炭化物からなる電気二重層コンデンサ用電極において、
フェノール樹脂炭化物を有し、そして、密度が1.00
〜1.35g/ccである電気二重層コンデンサ用電極
である。
炭化物からなる電気二重層コンデンサ用電極において、
フェノール樹脂炭化物を有し、そして、密度が1.00
〜1.35g/ccである電気二重層コンデンサ用電極
である。
【0009】また、本発明は、PVDC樹脂炭化物から
なる電極を具備する電気二重層コンデンサにおいて、前
記電極は、フェノール樹脂炭化物を有し、そして、密度
が1.00〜1.35g/ccである電気二重層コンデ
ンサである。
なる電極を具備する電気二重層コンデンサにおいて、前
記電極は、フェノール樹脂炭化物を有し、そして、密度
が1.00〜1.35g/ccである電気二重層コンデ
ンサである。
【0010】そして、本発明は、上記フェノール樹脂炭
化物は、0.5〜10.0wt%含有される電気二重層
コンデンサ用電極又は電気二重層コンデンサである。
化物は、0.5〜10.0wt%含有される電気二重層
コンデンサ用電極又は電気二重層コンデンサである。
【0011】更に、本発明は、PVDC樹脂を180℃
〜450℃で炭化させた炭化物を成形した後、600℃
〜950℃で焼結させ、電極の密度を1.00〜1.3
5g/ccとする電気二重層コンデンサ用電極の製造方
法である。
〜450℃で炭化させた炭化物を成形した後、600℃
〜950℃で焼結させ、電極の密度を1.00〜1.3
5g/ccとする電気二重層コンデンサ用電極の製造方
法である。
【0012】また、本発明は、上記PVDC樹脂炭化物
は、粒子サイズが径22μm以下である電気二重層コン
デンサ用電極の製造方法である。
は、粒子サイズが径22μm以下である電気二重層コン
デンサ用電極の製造方法である。
【0013】そして、本発明は、成形は、圧力20〜4
00kg/cm2で圧粉する電気二重層コンデンサ用電
極の製造方法である。
00kg/cm2で圧粉する電気二重層コンデンサ用電
極の製造方法である。
【0014】更に、本発明は、電極焼結温度以上の温度
で炭化されたフェノール樹脂炭化物が添加される電気二
重層コンデンサ用電極の製造方法である。
で炭化されたフェノール樹脂炭化物が添加される電気二
重層コンデンサ用電極の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明
する。本発明の電気二重層コンデンサ、電極及びその製
造方法について、実施例と比較例とを用いて説明する。
する。本発明の電気二重層コンデンサ、電極及びその製
造方法について、実施例と比較例とを用いて説明する。
【0016】本発明の電気二重層コンデンサ用電極の製
造方法の実施例1を説明する。PVDC樹脂を300℃
で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、さら
にローリングミリング機に2回通して22μm以下の炭
化粉を得る。次に、1000〜1100℃で炭化したフ
ェノール樹脂の炭化物を5wt%添加して振動ミリング
機で1時間混合し粉砕した後、25mm□のカーボン製
型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧成形
しながら温度が850℃になるまで通電焼結して電極を
得た。
造方法の実施例1を説明する。PVDC樹脂を300℃
で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、さら
にローリングミリング機に2回通して22μm以下の炭
化粉を得る。次に、1000〜1100℃で炭化したフ
ェノール樹脂の炭化物を5wt%添加して振動ミリング
機で1時間混合し粉砕した後、25mm□のカーボン製
型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧成形
しながら温度が850℃になるまで通電焼結して電極を
得た。
【0017】実施例2を説明する。PVDC樹脂を20
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、1000〜1100℃で炭化し
たフェノール樹脂の炭化物を10wt%添加して振動ミ
リング機で1時間混合、粉砕した後、25mm□のカー
ボン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加
圧成形しながら温度が230℃になるまで加熱して成形
体を得た。この成形体をコークス中で850℃で焼結し
て電極を得た。
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、1000〜1100℃で炭化し
たフェノール樹脂の炭化物を10wt%添加して振動ミ
リング機で1時間混合、粉砕した後、25mm□のカー
ボン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加
圧成形しながら温度が230℃になるまで加熱して成形
体を得た。この成形体をコークス中で850℃で焼結し
て電極を得た。
【0018】比較例1を説明する。PVDC樹脂を30
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
炭化粉を得る。この粉末の粒度は、53μmまで広く分
布していた。次に、1000〜1100℃で炭化したフ
ェノール樹脂炭化物を10wt%添加して振動ミリング
機で1時間混合、粉砕した後、25mm□のカーボン製
型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧成形
しながら温度が850℃になるまで通電焼結して電極を
得た。
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
炭化粉を得る。この粉末の粒度は、53μmまで広く分
布していた。次に、1000〜1100℃で炭化したフ
ェノール樹脂炭化物を10wt%添加して振動ミリング
機で1時間混合、粉砕した後、25mm□のカーボン製
型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧成形
しながら温度が850℃になるまで通電焼結して電極を
得た。
【0019】比較例2を説明する。PVDC樹脂を30
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、この粉末を25mm□のカーボ
ン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形しながら温度が850℃になるまで通電焼結したと
ころ、電極に亀裂が入り、ハンドリングが不能であっ
た。
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、この粉末を25mm□のカーボ
ン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形しながら温度が850℃になるまで通電焼結したと
ころ、電極に亀裂が入り、ハンドリングが不能であっ
た。
【0020】比較例3を説明する。PVDC樹脂を20
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、この粉末を25mm□のカーボ
ン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形しながら温度が230℃になるまで加熱したとこ
ろ、この成形段階で成形体に亀裂が入り、ハンドリング
が不能であった。
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、この粉末を25mm□のカーボ
ン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形しながら温度が230℃になるまで加熱したとこ
ろ、この成形段階で成形体に亀裂が入り、ハンドリング
が不能であった。
【0021】比較例4を説明する。PVDC樹脂を60
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、この粉末を25mm□のカーボ
ン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形しながら温度が850℃になるまで通電焼結して電
極を得たが、強度がなく、脆いものであった。
0℃で炭化させ、振動ミリング機で1時間ミリングし、
さらにローリングミリング機に2回通して22μm以下
の炭化粉を得る。次に、この粉末を25mm□のカーボ
ン製型につめて20〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形しながら温度が850℃になるまで通電焼結して電
極を得たが、強度がなく、脆いものであった。
【0022】以上の実施例1、2及び比較例1、4で得
られた電極を1mmの厚さに研磨し、35wt%硫酸に
浸漬し、減圧含浸を24時間行い、200μm厚のガラ
ス不織繊維のセパレータ1を挾んで電極2を対向させ、
その外側にPt板を配して集電板3とし、更にその外側
からテフロンからなる固定板4で挾み込んで固定してセ
ルを作製した(図1参照)。このセルを35wt%硫酸
に浸漬して、電極投影面積に対する電流密度2mA/c
m2のときの電極体積容量を測定した。測定結果を表1
に示す。
られた電極を1mmの厚さに研磨し、35wt%硫酸に
浸漬し、減圧含浸を24時間行い、200μm厚のガラ
ス不織繊維のセパレータ1を挾んで電極2を対向させ、
その外側にPt板を配して集電板3とし、更にその外側
からテフロンからなる固定板4で挾み込んで固定してセ
ルを作製した(図1参照)。このセルを35wt%硫酸
に浸漬して、電極投影面積に対する電流密度2mA/c
m2のときの電極体積容量を測定した。測定結果を表1
に示す。
【表1】
【0023】表1に示すように、実施例1、2の電極
は、PVDC樹脂を第2反応点温度より低い温度で初期
炭化し、そして、粒子サイズを22μm以下に粉砕した
粉末を使用し、更に、焼結温度以上の温度で炭化したフ
ェノール樹脂炭化物を添加しており、そして、1.00
〜1.35g/ccという高密度の電極となっているた
め、比較例1の電極と比べて、電極体積容量が大きくな
っていることがわかる。比較例4の電極では、600℃
炭化粉を用いているため、粒子サイズを小さくしたこと
により、密度が1.01g/ccと向上しており、電極
体積容量の増加の効果も現れているが、電極の強度は弱
く、実用には適していない。
は、PVDC樹脂を第2反応点温度より低い温度で初期
炭化し、そして、粒子サイズを22μm以下に粉砕した
粉末を使用し、更に、焼結温度以上の温度で炭化したフ
ェノール樹脂炭化物を添加しており、そして、1.00
〜1.35g/ccという高密度の電極となっているた
め、比較例1の電極と比べて、電極体積容量が大きくな
っていることがわかる。比較例4の電極では、600℃
炭化粉を用いているため、粒子サイズを小さくしたこと
により、密度が1.01g/ccと向上しており、電極
体積容量の増加の効果も現れているが、電極の強度は弱
く、実用には適していない。
【0024】なお、フェノール樹脂炭化物は、低抵抗物
質であるため、高充放電電流密度の電極が得られる。ま
た、フェノール樹脂炭化物は焼結収縮を阻害する物質で
もあるので、フェノール樹脂炭化物を添加すると、焼結
時におけるクラック・割れを発生しないように制御する
ことができ、電極抵抗を更に低減することができる。
質であるため、高充放電電流密度の電極が得られる。ま
た、フェノール樹脂炭化物は焼結収縮を阻害する物質で
もあるので、フェノール樹脂炭化物を添加すると、焼結
時におけるクラック・割れを発生しないように制御する
ことができ、電極抵抗を更に低減することができる。
【0025】フェノール樹脂炭化物の添加量は、0.5
〜10.0wt%が好ましい。0.5wt%未満とする
と、電極の抵抗値を下げることができず、また、10.
0wt%を超過すると、電気二重層コンデンサに有効な
細孔が少なくなって、電極体積容量の低下がみられる。
〜10.0wt%が好ましい。0.5wt%未満とする
と、電極の抵抗値を下げることができず、また、10.
0wt%を超過すると、電気二重層コンデンサに有効な
細孔が少なくなって、電極体積容量の低下がみられる。
【0026】
【発明の効果】本発明により、焼結の促進と高密度充填
を可能として、低電流密度における容積あたりの容量密
度を向上させ、均一な品質な電気二重層コンデンサ及び
電極を得ることができる。
を可能として、低電流密度における容積あたりの容量密
度を向上させ、均一な品質な電気二重層コンデンサ及び
電極を得ることができる。
【図1】本実施例の製造方法で作製した電極の特性の測
定方法の説明図。
定方法の説明図。
1 セパレータ 2 電極 3 集電板 4 固定板
Claims (7)
- 【請求項1】 PVDC樹脂炭化物からなる電気二重層
コンデンサ用電極において、 フェノール樹脂炭化物を有し、そして、密度が1.00
〜1.35g/ccであることを特徴とする電気二重層
コンデンサ用電極。 - 【請求項2】 PVDC樹脂炭化物からなる電極を具備
する電気二重層コンデンサにおいて、 前記電極は、フェノール樹脂炭化物を有し、そして、密
度が1.00〜1.35g/ccであることを特徴とす
る電気二重層コンデンサ。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電気二重層コン
デンサ用電極又は電気二重層コンデンサにおいて、 上記フェノール樹脂炭化物は、0.5〜10.0wt%
含有されることを特徴とする電気二重層コンデンサ用電
極又は電気二重層コンデンサ。 - 【請求項4】 PVDC樹脂を180℃〜450℃で炭
化させた炭化物を成形した後、600℃〜950℃で焼
結させ、電極の密度を1.00〜1.35g/ccとす
ることを特徴とする電気二重層コンデンサ用電極の製造
方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の電気二重層コンデンサ用
電極の製造方法において、 上記PVDC樹脂炭化物は、粒子サイズが径22μm以
下であることを特徴とする電気二重層コンデンサ用電極
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載の電気二重層コン
デンサ用電極の製造方法において、 成形は、圧力20〜400kg/cm2で圧粉すること
を特徴とする電気二重層コンデンサ用電極の製造方法。 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の電
気二重層コンデンサ用電極の製造方法において、 電極焼結温度以上の温度で炭化されたフェノール樹脂炭
化物が添加されることを特徴とする電気二重層コンデン
サ用電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280446A JPH11121287A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 電気二重層コンデンサ、電極及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280446A JPH11121287A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 電気二重層コンデンサ、電極及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11121287A true JPH11121287A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17625178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9280446A Pending JPH11121287A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 電気二重層コンデンサ、電極及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11121287A (ja) |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP9280446A patent/JPH11121287A/ja active Pending
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