JPH11121223A - 超電導磁石装置およびその製造方法 - Google Patents

超電導磁石装置およびその製造方法

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JPH11121223A
JPH11121223A JP9278989A JP27898997A JPH11121223A JP H11121223 A JPH11121223 A JP H11121223A JP 9278989 A JP9278989 A JP 9278989A JP 27898997 A JP27898997 A JP 27898997A JP H11121223 A JPH11121223 A JP H11121223A
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superconducting coil
magnet device
superconducting
spacer
superconducting magnet
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JP9278989A
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Tomohisa Yamashita
知久 山下
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内槽容器の振動に伴なう構成部材間(超電導コ
イル、スペーサ、固定金具間)の接触面でのすべり摩擦
熱の発生を大幅に低減すること。 【解決手段】超電導コイル5を冷却材と共に収納して低
温状態に保持する内槽容器6の基本断面形状が、超電導
コイル5を励磁した際に発生する電磁力が作用する面を
曲線とし、かつ超電導コイル5の巻線中心付近の側面部
を直線とするような、曲線区間と直線区間との組合せか
らなる構成とし、曲線区間と直線区間との接続点17が、
超電導コイル5の巻線部端部よりも巻線中心に近くなる
位置とし、内槽容器6の側面部の直線区間に沿って、内
槽容器6と固定金具13との間、固定金具13とスペーサ14
との間、およびスペーサ14と超電導コイル5との間の各
構成部材間に、内槽容器6が振動する場合においても構
造的に構成部材相互が接触しない程度の隙間16を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば磁気浮上式
鉄道用車両(リニアモーターカー)の浮上、案内、推進
用の超電導磁石装置およびその製造方法に係り、特に車
両走行時の発熱を大幅に低減できる超電導コイル内槽容
器構造を有する超電導磁石装置およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気浮上式鉄道の走行駆動シス
テムは、例えば図7に断面図を示すように、車両の台車
1に搭載した浮上・案内・推進用の超電導磁石装置2に
対向して、断面U字形のガイドウェイ3に設置した地上
コイル4に、車両の走行速度に見合った周波数で交流通
電を行ない、車両を走行させる。
【0003】この時、浮上・推進力の他に、地上コイル
4のピッチと走行速度によって決まる高調波の電磁変動
が、超電導磁石装置2に加わる。一方、超電導磁石装置
2は、例えば図8に部分詳細矢視図を示すように、低温
状態で電気抵抗がゼロとなる超電導線を巻き回した後、
線間をエポキシ樹脂等の樹脂で含浸した超電導コイル5
を収納している内槽容器6と、超電導コイル5を低温状
態に保持させる冷却材の冷却材補給タンク7と、外部か
らの輻射による熱侵入と電磁力を抑えるための輻射シー
ルド板8と、これら内槽容器6、冷却材補給タンク7、
輻射シールド板8を収納し、かつ断熱状態を保持するた
めに内部を真空状態としている外槽容器9とから構成さ
れ、車体10の下部の台車1の両側に、支持筒11によ
り取付けられている。
【0004】また、冷却材補給タンク7には、補給ポー
ト、車上配管が連結されており、さらに輻射シールド板
8には、冷却用の液体窒素を流す輻射シールド板用冷却
管が設けられている。
【0005】さらに、超電導磁石装置2の内槽容器6の
内部は、例えば図9に平面図を示すように、超電導コイ
ル5を低温状態に保持するため、その外表面周囲に冷媒
が流通できるような空間が確保され、超電導コイル5と
内槽容器6との中間には、超電導コイル5を拘束し、励
磁した時に発生する電磁力に対して充分な機械的な強度
を有する固定金具13と、アルミニウム、アルミニウム
合金、銅、銅合金等の熱伝導性が良好なスペーサ14と
から構成される支持部材が、超電導コイル5の周囲に一
定の間隔をおいて、分割して設置されている。
【0006】なお、固定金具13には、冷媒が流通する
のに支障がないように貫通孔が複数開けられている。ま
た、内槽容器6の内部は、冷却時に生ずる、内槽容器6
と超電導コイル5の構成部材の材料特性に応じた熱収縮
差を、構造的に確実に逃げる必要があるため、内槽容器
6と固定金具13との間、固定金具13とスペーサ14
との間、スペーサ14と超電導コイル5との間の各構成
部材間は、すべりを許容する構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、磁気浮上式鉄道
の走行駆動システムは、車両の台車1に搭載した浮上・
案内・推進用の超電導磁石装置2に対向して、断面U字
形のガイドウェイ3に設置した地上コイル4に、車両の
走行速度に見合った周波数で交流通電を行ない、車両を
走行させるものである。
【0008】この時、浮上・推進力の他に、地上コイル
4のピッチと走行速度とによって決まる高調波の電磁変
動が、超電導磁石装置2に加わる。そのため、超電導コ
イル5が収納される内槽容器6が、その固有値付近の速
度域で走行する(共振周波数帯で加振される)場合に
は、曲げやねじりの変形が顕著となり、内槽容器6に収
納される超電導コイル5と固定金具13との接触面で、
相対的なすべり挙動が発生する。
【0009】このように、超電導コイル5と固定金具1
3との接触面にすべり挙動が生ずると、そのすべり量
l、摩擦係数μ、固定(締付け)力Fの積で表わされる
機械的なすべり摩擦熱ΔQが発生する。 ΔQ=μ・F・l ところで、通常、超電導コイル5と固定金具13との間
には、内槽容器6の組立て時の寸法を調整するスペーサ
14が設置されており、この摩擦熱ΔQは、主としてこ
のスペーサ14周辺の接触面15で発生することから、
スペーサ14(発熱部)付近の超電導コイル5の温度上
昇を抑制する必要があるため、スペーサ14の材料とし
ては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等
の低温でも熱伝導性の良好なものが採用されている。
【0010】しかしながら、スペーサ14に熱伝導性の
良好な部材を採用することで、超電導コイル5の振動に
伴なう摩擦熱ΔQによる含浸コイルの温度上昇を抑制し
て、コイルクエンチに至る振動限界を大幅に向上するこ
とができるものの、機械的なすべり摩擦熱を本質的に低
減することにはならない。
【0011】このすべり摩擦熱ΔQは、冷却材の蒸発量
を増加させるもので、振動が急激に大きくなり、冷凍機
の液化能力を超過する摩擦熱が発生する場合には、超電
導磁石装置2の冷凍機の液化特性の安定性が損なわれる
ことになる。
【0012】しかしながら、摩擦熱ΔQを引き起こす内
槽容器6の共振現象等による振動挙動は、超電導磁石装
置2の電磁気現象に関する構造に起因する本質的なもの
で、最近の研究によれば、その振動の大きさは、数ミク
ロンのオーダーであり、この振動をゼロにすることは困
難であると考えられている。
【0013】従って、すべり摩擦熱ΔQを低減するため
には、超電導コイル5を冷却、励磁した場合でも、1金
具当たり、数tonf程度の大きさの固定(締付け)力
Fを確保すると共に、接触面の摩擦係数μをできるだけ
小さくすることが必要である。
【0014】このようなことから、内槽容器6の断面構
成としては、超電導コイル5の巻線中心を対象とする円
形にすることが理想であるが、かかる構成では、地上コ
イル4と超電導コイル5の中心間距離が大きくなり、超
電導コイル5の起磁力を大きくしなければならなくな
り、超電導磁石装置2の構成上の制約から採用すること
ができない。
【0015】そこで、内槽容器6の断面構成としては、
超電導コイル5の周囲4面を固定する(締付ける)こと
ができ、超電導磁石装置2の構成上の制約も満足する、
例えば図10に断面図を示すような偏平だ円形構成が採
用されてきている。
【0016】なお、図10中、12は固定金具13に設
けられた冷却材の流通可能な貫通穴をそれぞれ示してい
る。しかしながら、図10に示すような偏平だ円形の内
槽容器6構造では、側面部からの締付け力は、曲線半径
の小さい上下面に比べて、形状的に低くならざるを得
ず、車両走行時の振動が加わると、十分な固定(締付
け)力Fが確保できない側面部の巻線中心付近では、内
槽容器6の振動が小さい場合でも、局部的なすべり摩擦
熱ΔQの発生が構造的に避けられない。
【0017】本発明の目的は、内槽容器の振動に伴なう
構成部材間(超電導コイル、スペーサ、固定金具間)の
接触面でのすべり摩擦熱の発生を大幅に低減することが
でき、もって車両走行に伴なう冷却材の蒸発量が少な
い、安定度の高い超電導磁石装置およびその製造方法を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、低温状態で電気抵抗がゼロ
となる超電導線を巻き回し、かつ線間を樹脂で含浸して
形成した超電導コイルを、冷却材と共に収納して低温状
態に保持する内槽容器と、内槽容器の外周側に配置さ
れ、主として外部からの熱侵入を遮る輻射シールド体
と、内槽容器および輻射シールド体を収納して、内部を
真空状態に保持する外槽容器と、超電導コイルを励磁し
た際に発生する電磁力に対して充分な機械的強度を有す
る固定金具、および熱伝導性が良好なスペーサから構成
され、内槽容器と超電導コイルとの間に設置されて当該
超電導コイルを内槽容器に支持する支持部材とから構成
される超電導磁石装置において、上記内槽容器の基本断
面形状が、超電導コイルを励磁した際に発生する電磁力
が作用する面を曲線とし、かつ超電導コイルの巻線中心
付近の側面部を直線とするような、曲線区間と直線区間
との組合せからなる構成とし、曲線区間と直線区間との
接続点が、超電導コイルの巻線部端部よりも巻線中心に
近くなる位置とし、内槽容器の側面部の直線区間に沿っ
て、内槽容器と固定金具との間、固定金具とスペーサと
の間、およびスペーサと超電導コイルとの間の各構成部
材間に、内槽容器が振動する場合においても構造的に構
成部材相互が接触しない程度の隙間を設けるようにして
いる。
【0019】従って、請求項1の発明の超電導磁石装置
においては、内槽容器の基本断面形状が、超電導コイル
を励磁した際に発生する電磁力が作用する面を曲線と
し、超電導コイルの巻線中心付近の側面部を直線とし
て、曲線区間と直線区間との組合せからなる構成とし、
また曲線区間と直線区間との接続点が、超電導コイルの
巻線部端部よりも巻線中心に近くなるようにし、さらに
内槽容器、固定金具、スペーサ、超電導コイルの各構成
部材間に、内槽容器が振動する場合においても構造的に
構成部材相互が接触しない程度の隙間を設けて、固定金
具と内槽容器とを強固に固定することにより、内槽容器
の振動に伴なう構成部材間の接触面での局部的なすべり
摩擦熱の発生を大幅に低減することができる。
【0020】これにより、例えば車両走行に伴なう冷却
材の蒸発量が少ない、すなわち冷凍機の液化能力に対し
て余裕を持った、安定度の高い超電導磁石装置を得るこ
とができる。
【0021】また、請求項2の発明では、上記請求項1
の発明の超電導磁石装置において、スペーサにおける超
電導コイルの各角隅部に対応した部分が、他の部分より
も薄肉とするようにしている。
【0022】従って、請求項2の発明の超電導磁石装置
においては、スペーサにおける超電導コイルの各角隅部
に対応した部分が、他の部分よりも薄肉とすることによ
り、スペーサの超電導コイルに対する締付け力の分布を
偏り難くすることが可能となり、超電導コイルの巻線側
面部をより一層強固に固定することができる。
【0023】さらに、請求項3の発明では、上記請求項
1の発明の超電導磁石装置において、スペーサを、断面
形状が長方形の超電導コイルの各面に対向するように4
分割して配置し、超電導コイルの各面を独立に固定する
ようにしている。
【0024】従って、請求項3の発明の超電導磁石装置
においては、スペーサを、断面形状が長方形の超電導コ
イルの各面に対向するように4分割して配置し、超電導
コイルの各面を独立に固定することにより、超電導コイ
ルの巻線中心付近の側面部の固定を、各面について均一
に行なうことができる。
【0025】さらにまた、請求項4の発明では、上記請
求項3の発明の超電導磁石装置において、スペーサにお
ける超電導コイル側面位置の隙間配設部分に、冷却材を
流通させる穴等の流路を設置するようにしている。
【0026】従って、請求項4の発明の超電導磁石装置
においては、スペーサにおける超電導コイル側面位置の
隙間配設部分に、冷却材を流通させる流路を設置するこ
とにより、スペーサの温度上昇を抑えて、超電導コイル
の温度上昇を抑え、安定化を図ることができる。
【0027】一方、請求項5の発明では、上記請求項2
乃至請求項4のいずれか1項の発明の超電導磁石装置に
おいて、スペーサのすべり面のうち、超電導コイルまた
は固定金具の少なくとも一方が接する面に、PTFE
(ポリテトラフルオルエチレン)等の高分子固体潤滑材
を配設するようにしている。
【0028】従って、請求項5の発明の超電導磁石装置
においては、スペーサのすべり面のうち、超電導コイル
または固定金具の少なくとも一方が接する面に、高分子
固体潤滑材を配設することにより、超電導コイルと固定
金具との接触面の摩擦係数を小さくして、機械的なすべ
り摩擦熱の発生を抑えることができる。
【0029】また、請求項6の発明では、上記請求項2
乃至請求項4のいずれか1項の発明の超電導磁石装置に
おいて、スペーサのすべり面のうち、超電導コイルまた
は固定金具の少なくとも一方が接する面に、インジウ
ム、錫、鉛等の低融点金属材による固体潤滑材を配設す
るようにしている。
【0030】従って、請求項6の発明の超電導磁石装置
においては、スペーサのすべり面のうち、超電導コイル
または固定金具の少なくとも一方が接する面に、低融点
金属材による固体潤滑材を配設することにより、超電導
コイルと固定金具との接触面の摩擦係数を小さくして、
機械的なすべり摩擦熱の発生を抑えることができる。
【0031】さらに、請求項7の発明では、上記請求項
6の発明の超電導磁石装置において、低融点金属材とし
ては、1μm〜25μmの厚さで形成するようにしてい
る。従って、請求項7の発明の超電導磁石装置において
は、低融点金属材の厚さを、1μm〜25μm、好まし
くは6μm〜12μm、より好ましくは10μmに形成
することにより、超電導コイルと固定金具との接触面の
摩擦係数を小さくして、機械的なすべり摩擦熱の発生を
抑えることができる。
【0032】また、請求項8の発明では、上記請求項6
または請求項7の発明の超電導磁石装置において、低融
点金属材としては、メッキ法、超音波振動法、蒸着法、
爆着法のいずれかによって形成するようにしている。
【0033】従って、請求項8の発明の超電導磁石装置
においては、低融点金属材を、メッキ法、超音波振動
法、蒸着法、爆着法のいずれかで形成することにより、
超電導コイルと固定金具との接触面の摩擦係数を小さく
して、機械的なすべり摩擦熱の発生を抑えることができ
る。
【0034】さらに、請求項9の発明では、上記請求項
2乃至請求項4のいずれか1項の発明の超電導磁石装置
において、スペーサとしては、その表面をバフ研磨等の
研磨で鏡面状態とするようにしている。
【0035】従って、請求項9の発明の超電導磁石装置
においては、スペーサの表面を、研磨で鏡面状態とする
ことにより、超電導コイルと固定金具との接触面の摩擦
係数を小さくして、機械的なすべり摩擦熱の発生を抑え
ることができる。
【0036】一方、請求項10の発明では、上記請求項
1の発明の超電導磁石装置を製造する方法において、内
槽容器および固定金具をあらかじめ複数に分割した構成
としておき、当該分割された各構成部材同士を、各構成
部材相互に所定の大きさの予圧縮力を印加させながら一
体に固定するようにしている。
【0037】従って、請求項10の発明の超電導磁石装
置の製造方法においては、内槽容器および固定金具を複
数に分割しておき、分割された各構成部材同士を、各構
成部材相互に所定の大きさの予圧縮力を印加させながら
一体に固定することにより、固定金具と内槽容器とをよ
り一層強固に固定することが可能となり、内槽容器の振
動に伴なう構成部材間の接触面でのすべり摩擦熱の発生
をより一層大幅に低減することができる。
【0038】また、請求項11の発明では、上記請求項
10の発明の超電導磁石装置の製造方法において、分割
された各構成部材同士を、溶接により、または接着剤に
より一体に固定するようにしている。
【0039】従って、請求項11の発明の超電導磁石装
置の製造方法においては、分割された各構成部材同士
を、溶接、または接着剤で一体に固定することにより、
固定金具と内槽容器とをより一層強固に固定することが
できる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態:請求項1、請求項2、請求項1
0、請求項11に対応)本実施の形態の超電導磁石装置
9は、前記図8および図9に示した場合と同様に、低温
状態で電気抵抗がゼロとなる超電導線を巻き回し、かつ
線間を樹脂で含浸して形成した超電導コイル5を、冷却
材と共に収納して低温状態に保持する内槽容器6と、内
槽容器6の外周側に配置され、主として外部からの熱侵
入を遮る輻射シールド板8と、内槽容器6および輻射シ
ールド板8を収納して、内部を真空状態に保持する外槽
容器9と、超電導コイル5を励磁した際に発生する電磁
力に対して充分な機械的強度を有する固定金具13、お
よび熱伝導性が良好な凹型断面形状のスペーサ14から
なり、内槽容器6と超電導コイル5との間に設置されて
超電導コイル5を内槽容器6に支持する支持部材とから
構成している。
【0041】一方、本実施の形態の超電導磁石装置9に
おける内槽容器6は、例えば図1に断面図を示すように
構成している。すなわち、前述したような局部的なすべ
り摩擦熱ΔQの発生を確実に回避するために、ステンレ
ス鋼製の内槽容器6の基本断面形状が、超電導コイル5
を励磁した際に発生する電磁力が作用する上下面を曲線
とし、かつ超電導コイル5の巻線中心付近の側面部を直
線とするような、曲線区間と直線区間との組合せからな
る構成としている。
【0042】また、曲線区間と直線区間との接続点17
が、超電導コイル5の巻線部端部(図では上面端部)よ
りも巻線中心に近くなる位置としている。さらに、内槽
容器6の側面部の直線区間に沿って、内槽容器6と固定
金具13との間、固定金具13とスペーサ14との間、
およびスペーサ14と超電導コイル5との間の各構成部
材間に、内槽容器6が振動する場合においても構造的に
構成部材相互が接触しない数mm程度の隙間16を設け
た構成としている。
【0043】ここで、内槽容器6、およびその内部に収
納される固定金具13は、断面形状が長方形の超電導コ
イル5の周囲4面を熱伝導性が高いスペーサ14と共に
拘束可能なように、あらかじめ複数に分割した構成(本
例では2つ割り形状)としておき、この分割された各構
成部材同士を、構成部材相互に所定の大きさの予圧縮力
を印加させながら、例えば溶接により(接着剤でもよ
い)、両者を一体に固定する固定方法を採用することが
好ましい。
【0044】また、熱伝導性が高いスペーサ14は、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の部材を
適用することが好ましい。さらに、内槽容器6は、曲線
区間と直線区間との組合せからなる、すなわち内槽容器
6側面部の直線区間に対向する範囲を除いた部分を拘束
するような凹型断面形状とすることが好ましい。
【0045】さらにまた、超電導コイル5の固定力をさ
らに安定化させるために、例えば図2に概要図を示すよ
うに、スペーサ14における、超電導コイル5の各角隅
部に対応した部分が、他の部分よりも薄肉化とすること
が好ましい。
【0046】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、内
槽容器6の基本断面形状が、超電導コイル5を励磁した
際に発生する電磁力が作用する面を曲線とし、超電導コ
イル5の巻線中心付近の側面部を直線として、曲線区間
と直線区間との組合せからなる構成とし、また曲線区間
と直線区間との接続点17が、超電導コイル5の巻線部
端部よりも巻線中心に近くなるようにし、さらに内槽容
器6、固定金具13、スペーサ14、超電導コイル5の
各構成部材間に、内槽容器6が振動する場合においても
構造的に構成部材相互が接触しない程度の隙間16を設
けて、固定金具13と内槽容器6とを強固に固定してい
ることにより、内槽容器6の振動に伴なう構成部材間で
のすべり摩擦熱の発生を大幅に低減することができる。
【0047】また、内槽容器6および固定金具13を2
つに分割しておき、分割された各構成部材同士を、各構
成部材相互に所定の大きさの予圧縮力を印加させながら
一体に固定していることにより、所定の大きさの締付け
力を確保して、固定金具13と内槽容器6とをより一層
強固に固定することが可能となり、内槽容器6の振動に
伴なう構成部材間の接触面でのすべり摩擦熱の発生をよ
り一層大幅に低減することができる。
【0048】さらに、スペーサ14における超電導コイ
ル5の各角隅部に対応した部分が薄肉化していることに
より、スペーサ14の超電導コイル5に対する締付け力
の分布を偏り難くすることが可能となり、超電導コイル
5の巻線中心付近の側面部をより一層強固に固定するこ
とができる。
【0049】図3は、内槽容器6が固有値付近の共振周
波数帯で加振され、曲げやねじりの変形が生じた場合に
おける、冷却材の蒸発量と振動との関係について、本実
施の形態による超電導コイル5の巻線中心付近の側面部
を直線とした内槽容器6において、内槽容器6と固定金
具13との間、固定金具13とスペーサ14との間、ス
ペーサ14と超電導コイル5との間の、各構成部材間に
隙間16を設置した構造(A)と、従来例として超電導
コイル5の周囲4面を固定(締付け)する偏平だ円形の
内槽容器6の構造(B)とを比較して示す特性図であ
る。
【0050】図3から、超電導磁石装置2の振動に伴な
う冷却材の蒸発量は、従来例の偏平だ円形の内槽容器6
の構造(B)の場合に比べて、本実施の形態の内槽容器
6の側面部を直線として、内槽容器6、固定金具13、
スペーサ14、超電導コイル5の各構成部材間に隙間1
6を設置した構造(A)の場合の方が、著しく小さくで
きることがわかる。
【0051】上述したように、本実施の形態の磁気浮上
式鉄道用の超電導磁石装置9では、内槽容器6の基本断
面形状が、超電導コイル5を励磁した際に発生する電磁
力が作用する上下面を曲線とし、かつ超電導コイル5の
巻線中心付近の側面部を直線とするような、曲線区間と
直線区間との組合せからなる構成とし、曲線区間と直線
区間との接続点17が、超電導コイル5の巻線部端部よ
りも巻線中心に近くなる位置とし、さらに内槽容器6の
側面部の直線区間に沿って、内槽容器6と固定金具13
との間、固定金具13とスペーサ14との間、およびス
ペーサ14と超電導コイル5との間の各構成部材間に、
内槽容器6が振動する場合においても構造的に構成部材
相互が接触しない程度の隙間16を設けるようにしてい
るので、超電導磁石装置2の車両走行による内槽容器6
の振動に伴なう構成部材間の接触面でのすべり摩擦熱の
発生を大幅に低減することができる。
【0052】その結果、車両走行に伴なう冷却材の蒸発
量が少ない、すなわち冷凍機の液化能力に対して余裕を
持った、安定度の高い超電導磁石装置2を得ることが可
能となる。
【0053】また、内槽容器6および固定金具13を2
つに分割しておき、分割された各構成部材同士を、各構
成部材相互に所定の大きさの予圧縮力を印加させながら
一体に固定するようにしているので、所定の大きさの締
付け力を確保して、固定金具13と内槽容器6とをより
一層強固に固定することができるため、内槽容器6の振
動に伴なう構成部材間の接触面でのすべり摩擦熱の発生
をより一層大幅に低減することが可能となる。
【0054】さらに、スペーサ14における超電導コイ
ル5の各角隅部に対応した部分が薄肉とするようにして
いるので、スペーサ14の超電導コイル5に対する締付
け力の分布を偏り難くすることができるため、超電導コ
イル5の巻線中心付近の側面部をより一層強固に固定す
ることが可能となる。
【0055】(第2の実施の形態:請求項3に対応)図
4は、本実施の形態の超電導磁石装置9における内槽容
器6の構成例を示す断面図であり、図1および図2と同
一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。
【0056】すなわち、本実施の形態の内槽容器6は、
図4に示すように、断面形状が長方形の超電導コイル5
の各面に対向するように、スペーサ14を4分割して配
置して、超電導コイル5の各面を独立に固定しつつ、内
槽容器6の側面部の直線区間では、内槽容器6と固定金
具13との間、固定金具13とスペーサ14との間、ス
ペーサ14と超電導コイル5との間の各構成部材相互
が、内槽容器6が振動しても構造的に接触することのな
い隙間16を設けた構成としている。
【0057】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、熱
伝導性が良好なスペーサ14を、断面形状が長方形の超
電導コイル5の各面に対向するように4分割して配置
し、超電導コイル5の各面を独立に固定していることに
より、超電導コイル5の巻線中心付近の側面部の固定
を、各面について均一に行なうことが可能となる。
【0058】(第3の実施の形態:請求項4に対応)図
5は、本実施の形態の超電導磁石装置9における内槽容
器6に収納されるスペーサの構成例を示す斜視図であ
り、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0059】すなわち、本実施の形態のスペーサ14
は、図5に示すように、超電導コイル5の側面位置の隙
間16を設けた部分に、冷却材を流通させる流路(例え
ば穴)12を設置した構成としている。
【0060】なお、図5中、15はスペーサ14が超電
導コイル5および固定金具13と接する面(接触面)を
示している。次に、以上のように構成した本実施の形態
のスペーサ14が収納された内槽容器6を備えた超電導
磁石装置9においては、スペーサ14における超電導コ
イル5の側面位置の隙間16配設部分に、冷却材を流通
させる流路12を設置していることにより、スペーサ1
4の温度上昇を抑えて、超電導コイル5の温度上昇を抑
え、安定化を図ることが可能となる。
【0061】(第4の実施の形態)図6は、本実施の形
態の超電導磁石装置9における内槽容器6の構成例を示
す断面図であり、図1および図2と同一部分には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0062】すなわち、本実施の形態の内槽容器6は、
図6に示すように、内槽容器6を小形化するために、超
電導コイル5を励磁した際に発生する電磁力が作用する
部分の中央部付近を直線とし、その直線区間において、
内槽容器6と固定金具13との間、固定金具13とスペ
ーサ14との間、スペーサ14と超電導コイル5との間
の各構成部材相互が、内槽容器6が振動しても構造的に
接触しない程度の隙間16を設けた構成としている。
【0063】ここで、固定金具13は、作用する電磁力
に対して所定の強度を確保する必要性から、本実施の形
態では、固定金具13の厚さを、前述した他の実施の形
態における固定金具13の厚さよりも厚く設定すること
が好ましい。
【0064】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、電
磁力が作用する部分の中央部付近を直線とし、その直線
区間において、各構成部材相互が、内槽容器6が振動し
ても構造的に接触しない程度の隙間16を設けているこ
とにより、所定の固定力が確保されない部分での構成部
材間の接触面でのすべり摩擦熱の発生を、極めて有効に
抑制することが可能となる。
【0065】(第5の実施の形態:請求項5に対応)本
実施の形態の超電導磁石装置9における内槽容器6は、
前述した実施の形態のスペーサ14のすべり面のうち、
超電導コイル5または固定金具13の少なくとも一方が
接する面15に、極低温でも動摩擦係数μの小さいPT
FE(ポリテトラフルオルエチレン)等の高分子固体潤
滑材を、低摩擦材として挿入して配設した構成としてい
る。
【0066】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、固
定金具13、スペーサ14、超電導コイル5の各接触面
に生ずるすべり摩擦熱ΔQは、スペーサ14のすべり面
の動摩擦係数μの大きさに比例するものと考えられるこ
とから、スペーサ14における超電導コイル5または固
定金具13の少なくとも一方が接する15面に、極低温
でも動摩擦係数μの小さい高分子固体潤滑材を挿入して
いることにより、超電導コイル5と固定金具13との接
触面の摩擦係数を小さくして、機械的なすべり摩擦熱の
発生を抑えることが可能となる。
【0067】(第6の実施の形態:請求項5に対応)本
実施の形態の超電導磁石装置9における内槽容器6は、
前述した実施の形態のスペーサ14のすべり面のうち、
超電導コイル5または固定金具13の少なくとも一方が
接する15面に、極低温でも動摩擦係数μの小さいPT
FE(ポリテトラフルオルエチレン)等の高分子固体潤
滑材を、すべり面の冷却性を低下させない範囲で、低摩
擦材としてコーティング処理して配設した構成としてい
る。
【0068】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、固
定金具13、スペーサ14、超電導コイル5の各接触面
に生ずるすべり摩擦熱ΔQは、スペーサ14のすべり面
の動摩擦係数μの大きさに比例するものと考えられるこ
とから、スペーサ14における超電導コイル5または固
定金具13の少なくとも一方が接する面15に、極低温
でも動摩擦係数μの小さい高分子固体潤滑材をコーティ
ング処理していることにより、超電導コイル5と固定金
具13との接触面の摩擦係数を小さくして、機械的なす
べり摩擦熱の発生を抑えることが可能となる。
【0069】(第7の実施の形態:請求項6乃至請求項
8に対応)本実施の形態の超電導磁石装置9における内
槽容器6は、前述した実施の形態のスペーサ14のすべ
り面のうち、超電導コイル5または固定金具13の少な
くとも一方が接する面15に、インジウム、錫、鉛等の
低融点金属材による固体潤滑材を配設した構成としてい
る。
【0070】ここで、低融点金属材としては、例えばメ
ッキ法、超音波振動法、蒸着法、爆着法のいずれかによ
って、1μm〜25μm、好ましくは6μm〜12μ
m、より好ましくは10μmの厚さで形成することが望
ましい。
【0071】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、固
定金具13、スペーサ14、超電導コイル5の各接触面
に生ずるすべり摩擦熱ΔQは、スペーサ14のすべり面
の動摩擦係数μの大きさに比例するものと考えられるこ
とから、スペーサ14における超電導コイル5または固
定金具13の少なくとも一方が接する面15に、メッキ
法、超音波振動法、蒸着法、爆着法によって、より好ま
しくは10μmの厚さで、低融点金属材による固体潤滑
材を形成して配設していることにより、超電導コイル5
と固定金具13との接触面の摩擦係数を小さくして、機
械的なすべり摩擦熱の発生を抑えることが可能となる。
【0072】(第8の実施の形態:請求項9に対応)本
実施の形態の超電導磁石装置9における内槽容器6は、
前述した実施の形態のスペーサ14のすべり面のうち、
超電導コイル5または固定金具13の少なくとも一方が
接する面15を、バフ研磨等の研磨で鏡面状態とした構
成としている。
【0073】次に、以上のように構成した本実施の形態
の内槽容器6を備えた超電導磁石装置9においては、固
定金具13、スペーサ14、超電導コイル5の各接触面
に生ずるすべり摩擦熱ΔQは、スペーサ14のすべり面
の動摩擦係数μの大きさに比例するものと考えられるこ
とから、スペーサ14における超電導コイル5または固
定金具13の少なくとも一方が接する面15を、バフ研
磨等の研磨で鏡面状態としていることにより、超電導コ
イル5と固定金具13との接触面の摩擦係数を小さくし
て、機械的なすべり摩擦熱の発生を抑えることが可能と
なる。
【0074】(第9の実施の形態)前記固定金具13、
スペーサ14、超電導コイル5の各接触面15に生ずる
すべり摩擦熱ΔQを低減させるために、前記第5乃至第
8の各実施の形態の方法を組合わせて、スペーサ14の
すべり面の動摩擦係数μを低下することも可能である。
【0075】(第10の実施の形態)前記各実施の形態
では、固定金具13とスペーサ14とが、分離可能な構
成部材ということを前提にして説明しているが、ステン
レス鋼製の固定金具13に、アルミニウム、銅等のよう
な熱伝導性の良好な材料を爆着法等で付着させて一体構
成とし、構成部材間のすべり面を減らして、発熱部を限
定した構成とすることも可能である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、内
槽容器の基本断面形状が、超電導コイルを励磁した際に
発生する電磁力が作用する面を曲線とし、超電導コイル
の巻線中心付近の側面部を直線として、曲線区間と直線
区間との組合せからなる構成とし、また曲線区間と直線
区間との接続点が、超電導コイルの巻線部端部よりも巻
線中心に近くなるようにし、さらに内槽容器、固定金
具、スペーサ、超電導コイルの各構成部材間に、内槽容
器が振動する場合においても構造的に構成部材相互が接
触しない程度の隙間を設けて、固定金具と内槽容器とを
強固に固定するようにしているので、内槽容器の振動に
伴なう構成部材間(超電導コイル、スペーサ、固定金具
間)の接触面でのすべり摩擦熱の発生を大幅に低減する
ことができ、もって車両走行に伴なう冷却材の蒸発量が
少ない、安定度の高い超電導磁石装置およびその製造方
法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導磁石装置の第1の実施の形
態を示す断面図。
【図2】同第1の実施の形態の超電導磁石装置における
スペーサの構成例を示す概要図。
【図3】同第1の実施の形態の超電導磁石装置における
冷却材の蒸発量と振動との関係について従来例と比較し
て示す特性図。
【図4】本発明による超電導磁石装置の第2の実施の形
態を示す断面図。
【図5】本発明による超電導磁石装置の第3の実施の形
態を示す斜視図。
【図6】本発明による超電導磁石装置の第4の実施の形
態を示す断面図。
【図7】磁気浮上式鉄道の走行駆動システムの構成例を
示す断面図。
【図8】磁気浮上式鉄道用の超電導磁石装置の構成例を
示す部分詳細矢視図。
【図9】磁気浮上式鉄道用の超電導磁石装置に収納され
る内槽容器の構成例を示す図。
【図10】従来の内槽容器の構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1…台車、 2…超電導磁石装置、 3…ガイドウェイ、 4…地上コイル、 5…超電導コイル、 6…内槽容器、 7…冷却材補給タンク、 8…輻射シールド板、 9…外槽容器、 10…車体、 11…支持筒、 12…貫通孔、 13…固定金具、 14…スペーサ、 15…接触面、 16…隙間、 17…曲線区間と直線区間との接続点。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温状態で電気抵抗がゼロとなる超電導
    線を巻き回し、かつ線間を樹脂で含浸して形成した超電
    導コイルを、冷却材と共に収納して低温状態に保持する
    内槽容器と、 前記内槽容器の外周側に配置され、主として外部からの
    熱侵入を遮る輻射シールド体と、 前記内槽容器および輻射シールド体を収納して、内部を
    真空状態に保持する外槽容器と、 前記超電導コイルを励磁した際に発生する電磁力に対し
    て充分な機械的強度を有する固定金具、および熱伝導性
    が良好なスペーサから構成され、前記内槽容器と超電導
    コイルとの間に設置されて当該超電導コイルを内槽容器
    に支持する支持部材と、 から構成される超電導磁石装置において、 前記内槽容器の基本断面形状が、前記超電導コイルを励
    磁した際に発生する電磁力が作用する面を曲線とし、か
    つ前記超電導コイルの巻線中心付近の側面部を直線とす
    るような、曲線区間と直線区間との組合せからなる構成
    とし、 前記曲線区間と直線区間との接続点が、前記超電導コイ
    ルの巻線部端部よりも巻線中心に近くなる位置とし、 前記内槽容器の側面部の直線区間に沿って、前記内槽容
    器と固定金具との間、前記固定金具とスペーサとの間、
    および前記スペーサと超電導コイルとの間の各構成部材
    間に、前記内槽容器が振動する場合においても構造的に
    構成部材相互が接触しない程度の隙間を設けるようにし
    たことを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の超電導磁石装置に
    おいて、 前記スペーサにおける前記超電導コイルの各角隅部に対
    応した部分が、他の部分よりも薄肉とするようにしたこ
    とを特徴とする超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の超電導磁石装置に
    おいて、 前記スペーサを、断面形状が長方形の前記超電導コイル
    の各面に対向するように4分割して配置し、超電導コイ
    ルの各面を独立に固定するようにしたことを特徴とする
    超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の超電導磁石装置に
    おいて、 前記スペーサにおける前記超電導コイル側面位置の隙間
    配設部分に、前記冷却材を流通させる穴等の流路を設置
    するようにしたことを特徴とする超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項2乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の超電導磁石装置において、 前記スペーサのすべり面のうち、前記超電導コイルまた
    は固定金具の少なくとも一方が接する面に、PTFE
    (ポリテトラフルオルエチレン)等の高分子固体潤滑材
    を配設するようにしたことを特徴とする超電導磁石装
    置。
  6. 【請求項6】 前記請求項2乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の超電導磁石装置において、 前記スペーサのすべり面のうち、前記超電導コイルまた
    は固定金具の少なくとも一方が接する面に、インジウ
    ム、錫、鉛等の低融点金属材による固体潤滑材を配設す
    るようにしたことを特徴とする超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載の超電導磁石装置に
    おいて、 前記低融点金属材としては、1μm〜25μmの厚さで
    形成するようにしたことを特徴とする超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6または請求項7に記載の超
    電導磁石装置において、 前記低融点金属材としては、メッキ法、超音波振動法、
    蒸着法、爆着法のいずれかによって形成するようにした
    ことを特徴とする超電導磁石装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項2乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の超電導磁石装置において、 前記スペーサとしては、その表面をバフ研磨等の研磨で
    鏡面状態とするようにしたことを特徴とする超電導磁石
    装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項1に記載の超電導磁石装置
    を製造する方法において、 前記内槽容器および固定金具をあらかじめ複数に分割し
    た構成としておき、当該分割された各構成部材同士を、
    各構成部材相互に所定の大きさの予圧縮力を印加させな
    がら一体に固定するようにしたことを特徴とする超電導
    磁石装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項10に記載の超電導磁石装
    置の製造方法において、 前記分割された各構成部材同士を、溶接により、または
    接着剤により一体に固定するようにしたことを特徴とす
    る超電導磁石装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006339394A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Railway Technical Res Inst 超電導コイルの摩擦発熱抑制方法及び装置
WO2020044851A1 (ja) * 2018-08-27 2020-03-05 住友電気工業株式会社 電気絶縁ケーブル

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