JPH11120330A - 図面データ管理方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 階層的に構成される図面データの各図形の属
する階層を容易に変更可能にする。 【解決手段】 図面中の各図形を階層毎に区分けし各階
層の図面を重ね合わせて表示する図面データの管理にお
いて、各図形データに付属する属性情報に基づいて階層
を区分けしておき、属性情報を変更したとき当該属性情
報を有する図形の階層を変更後の属性情報に対応する階
層に変更する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は階層的なデータ構造
で構成される図面を管理する方法およびその装置に係
り、特に、図面を構成する各図形データの階層を容易に
変更するのに好適な図面データ管理方法およびその装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年はコンピュータ管理が進み、各種の
図面をディジタルデータ化し、ＣＲＴの画面上に目的図
面を表示させ、あるいは必要な図面をプリントアウトし
て、図面中に描画されている水道配管，給水装置，ガス
配管，電話線などの施設の管理を行うようになってい
る。これらの図面を作成する場合、通常は、「地図情報
システム入門」鎌田靖彦編，日刊工業新聞社発行１９８
９年に記載されているように、図面中の個々の施設を表
す図形データを階層構造化するようになっている。例え
ば、一枚の図面中に描画される道路図形，水道配管図
形，建物図形を夫々別の階層データとして記憶装置に格
納しておき、この１枚の図面を画面に表示したりプリン
トアウトする場合には、道路図形の図面と、水道配管図
形の図面と、建物図形の図面を重ね併せて表示あるいは
プリントアウトするようになっている。このようにデー
タを階層分けすることにより、道路図形の変更は道路階
層の図形の変更のみで対処でき、図面の作成，修正が容
易になる共に、図形を表示するときの階層によるデータ
検索が高速に行えるという利点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の図面データの作
成，修正においては、各階層毎に図形を作成，修正する
のが一般的である。例えば、道路図形は道路階層と名付
けたシート上に作画していき、建物図形は建物階層と名
付けた別のシートに作画していき、水道配管図形は水道
配管階層と名付けた更に別のシートに作画していき、各
シート上に描画された図形をスキャナで読み込み、ディ
ジタルデータ化している。あるいは、画面上で各シート
毎の作画画面を読み出し、この画面上でマウス等を用い
て作画している。

【０００４】このような従来の方法は、階層数が少ない
場合には支障はないが、きめ細かな施設管理を行うため
に、膨大な数の階層分けを行って各種図形の管理を行う
場合には不便になるという問題がある。例えば、水道配
管の階層として１つの階層のみを用意しただけで済むな
らば、階層間の図形データの移動という事態はめったに
発生しないが、水道配管の階層を水道配管の口径毎に細
かく分けた場合には、不明な口径の配管をその口径が判
明したときに該当する口径階層に移すという事態が発生
する。また、ある１つの階層に属する水道配管を口径階
層を細かくして２つの階層に分割して管理すると事態も
発生する。このような場合、従来は、水道配管の個々の
図形毎に手作業にてその階層を再指定し直さなければな
らず、一地方あるいは全国の図面データを修正するには
膨大な手間と時間が必要になるという問題がある。

【０００５】本発明の目的は、個々の図形データの階層
を容易且つ迅速に変更できる図面データの管理方法およ
びその装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、図面中の各
図形を階層毎に区分けし各階層の図面を重ね合わせて表
示する図面データの管理において、各図形データに付属
する属性情報に基づいて階層を区分けすることで、達成
される。

【０００７】上記目的は更に、属性情報を変更したとき
当該属性情報を有する図形の階層を変更後の属性情報に
対応する階層に変更することで、達成される。

【０００８】個々の図形データの属性情報を変更するこ
とで、当該図形データの階層も変更できるため、階層の
変更が容易となり、図面データの管理が容易となる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。図２は、本発明の一実施形態に係
る図面表示装置の全体構成図である。この図面表示装置
は、各種演算処理を実行するＣＰＵ２０１と、メインメ
モリ２０２と、ハードディスク等の大容量の記憶装置で
あるファイル装置２０３と、道路地図や施設図面などの
図形データを入力する図面入力装置２０４と、図面など
の情報を表示出力する液晶やＣＲＴ等のディスプレイ装
置２０５と、文字情報などの属性情報を入力するキーボ
ード２０６と、図面上の任意箇所を指定するポインティ
ングディバイスとしてのマウス２０７と、フレキシブル
ディスク２０８への読み書きを行うＦＤＤ装置と、図面
などを紙面上に表示するために印刷出力する図面出力装
置２０９とを備え、これらはバスや配線などで接続され
ている。

【００１０】紙面などに描かれた図面は、図面入力装置
２０４から読み込まれ濃淡階調化されてディジタルデー
タとなり、施設図面としてファイル装置２０３に格納さ
れる。施設図面は、例えば図３（ａ）に示されるよう
に、ある地域の全体を適当な広さに分割し（図示の例で
は５×５＝２５に分割）、分割地域毎に作成され、各々
に図面番号が付けられる。ある分割地域の図面データフ
ァイルは、図３（ｂ）に示されるように直交座標系で描
画され、図面サイズによりそのＸ軸方向，Ｙ軸方向の長
さが決まる。

【００１１】図面データファイルは、地形図や管路図な
どの図形データと、図形に関係する町名，個人名，管口
径，管種，住所などの文字，数値で表される属性データ
とから構成され、図形データと属性データは関連付けら
れて記憶されるが、データとしては別々にファイルに格
納される。

【００１２】図４（ａ）は、ある地域の図面データの例
であり、道路，弁類と水道配管，建物が重合した形で表
示される。この図面データは、これら道路，弁類と水道
配管，建物が一緒くたに混在した同一データとしてファ
イルに格納されているのではなく、図４（ｂ）に示され
るように、道路は大分類層１のデータとしてまとめら
れ、建物は大分類層２のデータとしてまとめられ、弁類
と配管は大分類層３のデータとしてまとめられて夫々別
個に記憶され、表示指定された階層のデータが重合され
表示されるようになっている。尚、図４の例では図形デ
ータを３つの大分類層に分けているが、例えば、図５に
示す様に、大分類層１を地形階層とし、その下位の中分
類層として、「道路」「建物」「水域」…を設け、各中
分類層の下位を夫々小分類層に分けて、道路階層を「高
速道路」階層１，国道階層２，県道階層３のように分け
るのが普通である。この図５の階層分けの場合、県道の
階層は１−１−３と表され、一般建物の階層は１−２−
２と表され、管口径７５φ以下の配水管の階層は３−１
−３と表される。

【００１３】図１は、図２に示す構成のうち本発明の図
面データ管理方法の一例を実現する部分の機能構成図で
ある。ディスプレイ装置２０５の表示画面１０１は、画
面の右側および下側のアイコン表示領域１０２と、その
他の図面表示領域１０３とに分けられ、マウスカーソル
（図示せず）でアイコンが画面上で選択されたとき当該
選択アイコンの示す処理がＣＰＵ２０１で実行され、処
理結果が画面１０１に表示される。

【００１４】いま仮に階層修正の対象図面を選択するた
めに、図示しない「索引図検索」のアイコンが選択され
ると、この選択指令はＣＰＵ２０１の操作入力処理１１
１に取り込まれ、索引図が索引図表示処理１１２により
処理されて索引図データが図面表示処理１１７に渡さ
れ、表示編集処理１１８により処理され、索引図が画面
１０１の図面表示領域１０３に表示される。

【００１５】この索引図（例えば、全図面の概略図面を
メッシュ表示したもの）の中から、オペレータが階層修
正の対象図面をマウスカーソルで選択すると、この選択
指令は、操作入力処理１１１に取り込まれ、図面検索処
理１１３がマウス指定位置に対応する図面番号を基に、
ファイル装置２０３内の図面ファイル１２０から該当図
面データを検索し、検索した図面データをメインメモリ
２０２に一時格納する。

【００１６】図面表示処理１１７は、このメインメモリ
２０２に一時格納されている図面データを表示処理し、
表示編集処理１１８は表示処理された図面データの大き
さを図面表示領域１０３の大きさに合わせて編集し、画
面１０１の領域１０３に図面データを表示する。

【００１７】この表示された図面において、オペレータ
が配管の属性情報に基づいて図面中の配管階層の変更を
行いたい場合、例えば、当初の図面作成時に口径が不明
の配管があり（これは口径不明用配管の階層３−１−Ｘ
に入れて有る）その口径判明時にその属性を修正し当該
配管の階層も変更したい場合には、まず、マウスカーソ
ルにて配管属性の種別情報の表示を指示入力し、表示さ
れている図面中の配管についての属性情報一覧を属性フ
ァイル１２１からメインメモリ２０２に読み出し画面中
にウインドウ表示１０４する。

【００１８】オペレータが「口径不明」という属性種別
をウインドウ１０４上あるいはキーボードから指定入力
すると、操作入力処理１１１は属性検索処理１１４を実
行して属性情報一覧中から「口径不明」の配管を抽出
し、抽出結果を属性情報階層対応図形抽出処理１１５に
渡す。この処理１１５は「口径不明」の階層３−１−Ｘ
の図形情報を読み出し、当該図形情報を図面表示処理１
１７に出力する。これにより、画面１０３に表示されて
いる図面中の「口径不明」の配管図形がブリンクなど強
調表示され、更に、ウインドウ１０４に「口径不明」の
配管一覧が表示される。

【００１９】オペレータは、ウインドウ１０４の一覧中
の「口径不明」の位置に、判明した「口径」を入力す
る。例えば図６の配水管番号２０１５の口径を「不明」
→「１５０」に変更し、更に、図形階層変更指示を入力
すると、図形階層変換処理１１６は、該当図形の階層番
号を図７に示す様に、変更する。図５の例では、階層３
−１−Ｘから３−１−２に変更する。この変更は、本実
施形態では、図形階層変換処理１１６が、属性情報と階
層情報との対応関係の一覧（例えば図５の図形階層定義
一覧）を参照し、図形階層を変換し、図面表示処理１１
７に変換結果を渡す。これにより、ブリンク表示されて
いる配管図形が、当該階層に属する配管色に変換され表
示される。

【００２０】以上述べた実施形態は、１つの図形の階層
番号を変換するものであったが、上述した属性情報と階
層情報との対応関係を画面上に表示させ、この対応関係
をキーボードやマウスからの指示入力により変更するこ
とで、属性情報，属性種別毎に当該属性を有する図形全
てを一括して階層変換することも可能である。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、図面中の各図形個々の
属性情報と各図形の属する階層とを対応付け属性情報を
変更することで当該図形の属する階層を変更可能とした
ため、簡単な操作により階層変更ができ、図面データの
管理が容易になるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る図面データ管理装置
の機能構成図である。

【図２】本発明の一実施形態に係る図面データ管理装置
のブロック構成図である。

【図３】図面管理方法の説明図である。

【図４】図面の階層構造説明図である。

【図５】図形階層定義の一覧を示す図である。

【図６】配水管属性情報を例示する図である。

【図７】階層番号の変換前後を示す図である。

【符号の説明】

１０１…画面、１０２…アイコン表示領域、１０３…図
面表示領域、１０４…属性情報表示用ウインドウ、２０
１…ＣＰＵ、２０２…メインメモリ、２０３…ファイル
装置。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 図面中の各図形を階層毎に区分けし各階
   層の図面を重ね合わせて表示する図面データの管理方法
   において、各図形データに付属する属性情報に基づいて
   階層を区分けしたことを特徴とする図面データ管理方
   法。
2. 【請求項２】 請求項１において、属性情報を変更した
   とき当該属性情報を有する図形の階層を変更後の属性情
   報に対応する階層に変更することを特徴とする図面デー
   タ管理方法。
3. 【請求項３】 図面中の各図形を階層毎に区分けし各階
   層の図面を重ね合わせて表示する図面データ管理装置に
   おいて、各図形データに付属する属性情報に基づいて定
   義した階層定義手段を備えることを特徴とする図面デー
   タ管理装置。
4. 【請求項４】 請求項３において、属性情報を変更した
   とき当該属性情報を有する図形の階層を変更後の属性情
   報に対応する階層に変更する手段を備えることを特徴と
   する図面データ管理装置。