JPH11118797A - 若年性関節リウマチの検査方法および検査薬 - Google Patents

若年性関節リウマチの検査方法および検査薬

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JPH11118797A
JPH11118797A JP27671897A JP27671897A JPH11118797A JP H11118797 A JPH11118797 A JP H11118797A JP 27671897 A JP27671897 A JP 27671897A JP 27671897 A JP27671897 A JP 27671897A JP H11118797 A JPH11118797 A JP H11118797A
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JP
Japan
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antibody
vegf
jra
factor
serum
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JP27671897A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Maeno
伸昭 前野
Shuji Takei
修治 武井
Yukiro Maruyama
征郎 丸山
Katsuhiko Matsuo
克彦 松尾
Isamu Matsubara
勇 松原
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者が若年性関節リウマチであるかを簡便に
検査する方法、およびその検査のための試薬を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 若年性関節リウマチとヒト血中の血管内
皮細胞増殖因子/血管透過性因子濃度とが密接な関連を
有していることが明らかとなり、ヒト血中の血管内皮細
胞増殖因子/血管透過性因子濃度を測定することによ
り、患者が若年性関節リウマチであるかを簡便に検査す
ることが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、若年性関節リウマ
チ(juvenile rheumatoid arthritis;以下「JRA」と略
す)を検査する方法、およびその検査のための試薬に関
する。
【0002】
【従来の技術】JRAは、16才未満に発症した慢性関節炎
を主体として多彩な関節外症状を伴う原因不明の疾患で
ある。JRAは発症6か月以内の臨床像から全身型、多関節
型および少関節型の3つの型に分類されている。全身型
は、40℃〜平熱までの弛張熱、発疹、全身性のリンパ節
腫脹、肝脾腫、心膜炎や胸膜炎などを示し、関節炎は発
病初期にはないことも多いので、診断が難しい。多関節
型は、皮下結節を伴うことも多く、発熱、倦怠感などの
全身症状は軽度から中程度である。成長障害や体重減少
も見られる。3者の中では最も予後が悪い。少関節炎に
おいては、虹彩炎が起こり、視力低下や失明することが
ある。関節炎の重症化は少ない。
【0003】JRAにより寝たきりや極度に日常生活に支
障を来すような障害を残さないためには、早期診断・早
期治療が必要である。現在、JRAの診断には、厚生省研
究班による「若年性関節リウマチの診断の手引き」(19
80)が示されているが、JRAの診断に特異的な検査知見
はない。JRAの診断法として、例えばCRP検査、好中球数
や白血球数の算定、リウマトイド因子検査、赤沈検査、
抗核抗体検査などがあるが、これらはいずれもJRAに特
異的な検査ではない。
【0004】一方、血管内皮細胞増殖因子/血管透過性
因子(vascular endothelial growth factor/vascular
permeability factor;以下「VEGF」と略す)は、マウ
ス、ラット、モルモット、ウシおよびヒトの正常または
腫瘍細胞株で分泌されているものであり、また組織別で
は脳、下垂体、腎臓、卵巣にも存在することが明らかに
されているものである(Ferrara,N., et.al. Endocrine
Reviews 13:18(1992))。
【0005】ヒトVEGFの特性については乳癌の血管新生
と転移(Weider,N, et.al. N.Engl.J.Med. 324:1(199
1))や腎細胞癌の血管新生(医学のあゆみ,168:231(199
4))、あるいは網膜疾患における血管新生(Adamis,A.
P. et.al., Biochem.Biophys.Res.Comm.,193:631(199
3))に関与していることがすでに報告されている。
【0006】さらにヒトVEGFについてはそのcDNAがすで
に単離され、塩基配列および推定アミノ酸配列も特定さ
れている。また、ヒトVEGF遺伝子はスプライシングの違
いによりアミノ酸残基数の異なる4種類のアイソフォー
ム(アミノ酸残基数が121個、165個、189個、206個の4種
類)が作られ、これらのうち121個のアミノ酸残基数のも
の(VEGF121)と165個のアミノ酸残基数のもの(VEGF165)
が成熟タンパク質であると考えられている(Ferrara,
N., et.al. Endocrine Reviews 13:18(1992))。VEGF12
1はVEGF165のカルボキシル末端の44個のアミノ酸が欠損
したものであるが、VEGF121とVEGF165の間に、血管内皮
細胞に対する作用の違いがあるかどうかについては明ら
かでない。
【0007】このうちヒトVEGF121に対するモノクロー
ナル抗体はすでに本発明者らにより取得されており(特
願平7-162841号)、そのモノクローナル抗体およびヒト
VEGF121に対するポリクローナル抗体を用いた酵素免疫
測定法によりVEGFが測定できることを明らかにしている
(特願平7-141271号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、患者がJRA
であるかを簡便に検査する方法、およびその検査のため
の試薬を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、JRAとヒト血中のV
EGF濃度との密接な関連を解明し、ヒト血中のVEGF濃度
を測定することにより、患者がJRAであるかを検査する
ことが可能であることを見いだした。そして、このVEGF
濃度の測定においてVEGFに対する抗体が有効であること
を見いだし、これにより本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明は、患者がJRAであるかを簡
便に検査する方法、およびその検査のための試薬に関
し、より具体的には、(1) ヒト血清中の血管内皮細
胞増殖因子/血管透過性因子濃度を測定することを特徴
とする、若年性関節リウマチの検査方法、(2) 血管
内皮細胞増殖因子/血管透過性因子と特異的に結合する
物質を用いてヒト血清中の血管内皮細胞増殖因子/血管
透過性因子濃度を測定する、(1)に記載の検査方法、
(3) 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子と特異
的に結合する物質が抗体である、(2)に記載の検査方
法、(4) 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子と
特異的に結合する物質を有効成分とすることを特徴とす
る若年性関節リウマチの検査薬、(5) 血管内皮細胞
増殖因子/血管透過性因子と特異的に結合する物質が抗
体である、(4)に記載の検査薬、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ヒト血清中のVEGF濃度
を測定することを特徴とする、JRAであるか否かを検査
する方法、およびその検査のための試薬に関する。本発
明者が見いだしたJRAとVEGF濃度との間の密接な関係、
即ち、JRA患者においては、健常者と比較してVEGF濃度
が有意に高値であるという関係に基づいて、血清中VEGF
濃度を測定することにより、患者がJRAであるか否かを
検査することが可能となったのである。
【0012】本発明におけるヒト血清中のVEGF濃度の測
定方法としては特に制限はないが、例えば、VEGFと特異
的に結合する物質を用いる方法が挙げられる。このよう
な物質としては、例えば、VEGFに結合する抗体や受容体
などが挙げられる。VEGFに対する抗体としては、モノク
ローナル抗体の他、ポリクローナル抗体を用いることも
可能である。また、ヒト化抗体などの特殊抗体を用いる
ことも可能である。
【0013】抗体は適宜標識して用いられ得る。標識と
しては、例えば、赤血球、ラテックス、放射性同位元
素、酵素、発光物質、蛍光物質、金属分子、金属ゲル、
バクテリオファージなどを用いることが可能である。
【0014】一方、抗体に代えて、VEGFに対する公知の
受容体を用いることも可能である(Shibuya. M, et al.
Oncogene,5,519(1990)、Jaime.C,et al.Science,255,98
9(1992)参照)。
【0015】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
【0016】
【実施例】
[実施例1] 抗VEGFポリクローナル抗体の作製 単離したヒトVEGF cDNAをグルタチオンS-トランスフェ
ラーゼ(GST)との融合蛋白(GST-VEGF)として大腸菌で産
生させ、得られた蛋白を抗原として常法に従ってウサギ
抗VEGFポリクローナル抗体を調製した。
【0017】抗体価の上昇したウサギの血清を分離し、
陰イオン交換カラムクロマトグラフィーによりウサギ抗
VEGFポリクローナル抗体のIgG画分を得た(Kondo,S,et
al.Biochemical and Biophysical Research Communicat
ion 19,1234(1993)参照)。
【0018】[実施例2] 抗VEGFポリクローナル抗体の
酵素標識 IgG画分の一部をペプシンで消化してF(ab')2を調製後、
ヒンジ法(Ishikawa,etal.J.Immunoassay,4,209(198
3))によりペルオキシダーゼ(西洋わさび)と結合させ、
ペルオキシダーゼ標識したウサギ抗VEGFポリクローナル
抗体を得た。
【0019】[実施例3] 各種JRA患者の血清中VEGF濃
度の測定 各種JRA患者の血清中VEGF濃度を以下に示すように、酵
素免疫測定法により測定した。抗VEGFポリクローナル抗
体(5μg/mL)を 100μl/ウェルずつ96穴プレートにまき
4℃で一晩放置した後、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)
を含むPBSで4回洗浄した。1%BSA、0.1M塩化ナトリウ
ム、0.1%アジ化ナトリウム、0.1M炭酸ナトリウム緩衝
液(pH6.5)で37℃にて4時間ブロッキングした後、1%BS
A、0.4%ゲラチン、1mM塩化マグネシウム、20mMエチレ
ンジアミン四酢酸ナトリウム、0.1M塩化ナトリウム、0.
1%アジ化ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.0)(検体希釈液)で3希釈した血清あるいは同検体
希釈液に、溶解した標準VEGFを入れ室温で1時間放置し
た。0.1%BSAを含むPBSで6回洗浄後、ペルオキシダーゼ
標識抗VEGFポリクローナル抗体を100μl/ウェルずつ添
加し室温で1時間反応させた。再度、0.1%BSAを含むPBS
で8回洗浄後、0.125%(w/v)オルトフェニレンジアミ
ン、0.015%過酸化水素、0.2Mトリス(ヒドロキシメチル
(アミノメタン)-クエン酸緩衝液(pH5.2)を100μl/ウェ
ルずつ添加し、室温で30分間反応させた。2N硫酸を100
μl/ウェルずつ添加し、反応を停止させた後、650nmの
吸光度に対する490nmの吸光度をプレートリーダー(M-Vm
ax, Molecular Devices社製)で測定した。
【0020】[実施例4] 各種小児疾患患者の血清中VE
GF濃度の測定 全身型JRA患者18例、多関節型JRA患者26例、少関節型JR
A患者12例、および小児健常者46例について、血清中VEG
F濃度を測定した。それぞれの測定値の分布および平均
値および標準偏差値を表1および図1に示した。
【0021】
【表1】 表1および図1から明らかなように、JRA患者におい
て、全身型、多関節型および少関節型患者は、それぞれ
小児健常者と比較して、有意に高値を示した。従って、
血清中VEGF濃度を測定することにより、JRAを検査する
ことができると考えられる。
【0022】
【発明の効果】本発明により、患者がJRAであるかを検
査する方法、およびその検査のための試薬が提供され
た。本発明によれば、患者の血清中のVEGF濃度を測定す
ることにより、患者がJRAであるか否かを簡便に検査す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種JRA患者および小児健常者における血清中V
EGF値を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 克彦 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 松原 勇 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト血清中の血管内皮細胞増殖因子/血
    管透過性因子濃度を測定することを特徴とする、若年性
    関節リウマチの検査方法。
  2. 【請求項2】 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
    と特異的に結合する物質を用いてヒト血清中の血管内皮
    細胞増殖因子/血管透過性因子濃度を測定する、請求項
    1に記載の検査方法。
  3. 【請求項3】 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
    と特異的に結合する物質が抗体である、請求項2に記載
    の検査方法。
  4. 【請求項4】 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
    と特異的に結合する物質を有効成分とすることを特徴と
    する若年性関節リウマチの検査薬。
  5. 【請求項5】 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
    と特異的に結合する物質が抗体である、請求項4に記載
    の検査薬。
JP27671897A 1997-10-09 1997-10-09 若年性関節リウマチの検査方法および検査薬 Pending JPH11118797A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107589266A (zh) * 2017-08-09 2018-01-16 上海原科实业发展有限公司 一种血管内皮生长因子胶乳增强免疫比浊试剂盒及其应用

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CN107589266A (zh) * 2017-08-09 2018-01-16 上海原科实业发展有限公司 一种血管内皮生长因子胶乳增强免疫比浊试剂盒及其应用

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