JPH11118611A - 赤外線撮像装置 - Google Patents

赤外線撮像装置

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JPH11118611A
JPH11118611A JP9280694A JP28069497A JPH11118611A JP H11118611 A JPH11118611 A JP H11118611A JP 9280694 A JP9280694 A JP 9280694A JP 28069497 A JP28069497 A JP 28069497A JP H11118611 A JPH11118611 A JP H11118611A
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JP9280694A
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Tetsuo Tamura
哲雄 田村
Takuya Takahashi
琢哉 高橋
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NEC Avio Infrared Technologies Co Ltd
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NEC Avio Infrared Technologies Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線を検出する多素子型検出器を用いて赤
外線を撮像する様に成した赤外線撮像装置の多素子検出
素子の素子間の感度のバラツキによる固定パターンノイ
ズの発生を改善する。 【解決手段】 1ライン毎に多素子検出器7の1素子分
の長さだけずらして走査した多素子型検出器7の検出出
力を温度データに変換し、ライン加算平均手段45及び
表示画像用の記憶手段30に供給して、表示手段22上
にS/N改善された画像を表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像表示手段に表示
する温度情報のS/Nを改善する様に成した赤外線撮像
装置に係わり、特に赤外線検出用の多素子型検出素子の
感度の固体差を改善可能な赤外線撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から温度に依存して、被測定物体か
ら放射されて来る赤外線を検出して、被測定物体の赤外
線の温度分布をCRT等の表示手段に表示させるように
成した赤外線撮像装置は図10に示されている様に構成
されている。
【0003】図10で、17は被測定物体であり、18
は、この被測定物体のうち、例えば、X軸及びY軸方向
に所定の範囲を有する被測定領域、19は後述する垂直
方向走査鏡3及び水平方向走査鏡2等のスキャナーが走
査する走査線方向を示す仮想的な走査線及びその水平走
査方向(以下Hと記す)及び垂直走査方向(以下Vと記
す)を示す。
【0004】被測定物体17から放射されている、赤外
線20は赤外線撮像装置の筐体1の前面に設けたウイン
ド1aを介して、ガルバノミラー等の垂直方向走査鏡3
及び水平方向走査鏡2に入射される。
【0005】これら、垂直及び水平方向走査鏡3及び2
は図示しないが垂直走査駆動回路及び水平走査駆動回路
によって所定角度範囲に回動可能に設定されている。
【0006】垂直方向走査鏡3及び水平方向走査鏡2を
介して入射された赤外線20は、赤外線レンズ4にて、
赤外線20を透過集光させる。
【0007】赤外線レンズ4から出射した赤外線20は
赤外線エネルギーを電気信号に変換する多素子型検出器
7上に焦点を結ぶ様に成されている。又、多素子型検出
器7とリレーレンズ6との間に設けた光チョッパ5によ
って赤外線20をチョッピングして、断続信号に変換す
る。
【0008】多素子型検出器7に用いる多素子検出素子
7aは液体窒素やアルゴン等の冷却剤或いは冷却素子で
冷却されたHg,Cd,Te或は、一定の温度に制御さ
れた熱形センサ等で構成され、A部拡大図に示す様に、
例えば垂直方向(Y軸方向)に8素子が並べられ、1ラ
インの水平方向走査によって、8素子の赤外線型の多素
子検出素子7aから同時に赤外線温度分布画像信号が得
られる様に成されている。
【0009】この赤外線温度分布画像信号はプリアンプ
8、信号処理部21を介してCRT等の表示装置22の
画面上に被測定物体1の画像が色分けされた温度分布パ
ターンとして表示される。
【0010】16は同期信号送出端子であり、図示しな
い同期信号発生回路からの同期信号はチョッパ5の駆動
や、垂直方向走査鏡3及び水平方向走査鏡2を駆動する
垂直走査駆動回路及び水平走査駆動回路(図1の25及
び26参照)の同期信号として利用される。
【0011】更に、従来の赤外線撮像装置では表示手段
22に表示する温度画像のS/Nを改善するために、図
11に示す様に、信号処理部21内に加算平均演算回路
44を用いたものが知られている。
【0012】図11で図10との対応部分には同一符号
を付して重複説明を省略する。図11で、被測定物体か
ら入射した赤外線20は図10で説明した垂直走査鏡3
及び図示されていない垂直走査駆動回路からなる垂直ス
キャナ3Aに供給され、同様に水平走査鏡2及び水平走
査駆動回路よりなる水平スキャナ2Aを経て多素子型検
出器7の多素子検出素子7aに走査照射される。
【0013】信号処理部21内には走査信号発生手段3
9、図11に示したプリアンプ及びアナログ−デジタル
変換回路を含む信号処理手段49、加算平均演算手段4
4及び記憶手段30を有し、多素子型検出器7の多素子
検出素子7aから出力された温度に対応した電気信号は
信号処理手段49を介して加算平均演算手段44に供給
される。
【0014】この加算平均演算手段44では走査信号発
生手段39からの制御信号に基づいて1フレーム毎に加
算平均し、その加算平均した結果を記憶手段30を介し
て表示手段22に表示している。即ち、走査信号発生手
段39はフレーム毎の例えば、8素子から成る多素子検
出素子7aからの演算データを、1フレーム毎に加算
し、例えば8フレームの間、この温度データを記憶手段
30内にメモリし、この加算データをフレームの8で除
算して平均した値をS/N改善(Σ8)されたデータと
して表示手段22に表示している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の赤外線撮像装置
でのS/N改善方法では、1フレームを構成する画像毎
に加算平均した結果を表示手段22に表示している。
【0016】即ち、図5Aに示す様な順次走査での走査
方式では多素子列方向に例えば8素子を一体にした多素
子型検出器7をX軸方向(H方向)へ1水平走査数毎の
ライン走査を行ない、Y軸方向(V方向)に順次1フレ
ームに亘って走査した時、フレームをFn/素子をnで
表し、T(Fi、素子n)と置いた場合、各ライン毎の
データは、 Line0 :{T(F0, 素子0)+T(F1, 素子0)+‥‥+T(F7, 素子0)}/8 Line1 :{T(F0, 素子1)+T(F1, 素子1)+‥‥+T(F7, 素子1)}/8 ・ ・ ・ Line100:{T(F0, 素子2)+T(F1, 素子2)+‥‥+T(F7, 素子2)}/8 と表せる。つまり、従来では1画像ごとに同一の素子の
加算平均(この場合はΣ8)となる。
【0017】従って、各素子間のランダムノイズは低減
出来るが、各素子の感度の個体差による固定パターンノ
イズが改善されず、更に、フレーム毎の加算であるた
め、加算の時間差により被測定物体が高速に移動すると
ゴーストを生ずる問題があった。
【0018】又、図5Aに示す様な順次走査モードの場
合は後述するも、画像の分解能が悪くなる問題がある。
【0019】更に、従来構成の赤外線撮像装置では、走
査モードとして、主に飛越走査が用いられている。この
飛越走査は図5Bに示す様に2フィールド(奇数ライン
と偶数ライン)のデータ取得で1フレーム、即ち、一画
像を構成する様に成されているため、高速で移動する被
測定物体17や温度測定時の被測定物体が急激に温度変
化を生じた場合等には1画像を構成する偶数ラインと奇
数ラインで時間差があり、特に、例えば、11フレーム
/秒と低速で機械的に走査される垂直方向走査鏡3では
画像上にライン抜けによる斑点状のパターン等を生ずる
問題があった。
【0020】本発明は叙上の問題点を解消した赤外線撮
像装置を提供しようとするものであり、発明が解決しよ
うとする第1の課題はライン毎に加算/平均することで
赤外線を検出する多素子検出素子の素子間の感度差によ
る固定パターンノイズ及び感度差を改善し、加算素子数
倍のS/Nに改善した、赤外線撮像装置を得ようとする
ものである。
【0021】本発明が解決しようとする第2の課題は、
極めて、簡単な構成で飛越走査及び順次走査の切替えが
可能で、測定時の被測定物体の急激な温度変化、或いは
移動変化等にも直ちに対応可能で、ライン抜けの生じな
い赤外線撮像走査装置を提供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の赤外線撮像装置
はその例が、図1に示されている様に温度に依存して放
射される被測定物体17からの赤外線20を検出して、
被測定物体17からの温度を測定する赤外線撮像装置4
0において、赤外線20を検出する多素子検出手段7か
らの検出信号を1水平走査線毎に加算し、多素子検出手
段7の素子数で平均化する加算平均演算手段45と、こ
の加算平均演算手段45の演算データを記憶する記憶手
段30と、加算平均演算手段45と記憶手段30を制御
する制御手段32と、記憶手段30からの演算データを
表示する表示手段22とを有するものである。
【0023】本発明の赤外線撮像装置によれば赤外線を
検出する多素子検出手段の各素子間の感度の違いによる
固定パターンノイズ及び感度差を補償して、S/Nが改
善された画像表示可能なものが得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の赤外線撮像走査装
置の一実施例を図1乃至図9の図面によって詳記する。
【0025】図1の本例の系統図に於いて、図10及び
図11との対応部分には同一符号を付して説明する。本
例の赤外線撮像装置40では被測定物体17から放射す
る赤外線20を図10と同様に筐体1のウインド1aを
介して、垂直方向走査鏡3に入射させる。
【0026】垂直方向走査鏡3で反射された赤外線20
は水平方向走査鏡2で再び反射され、図6で説明した赤
外線レンズ4、光チョッパ5を介して、例えば、8個の
多素子検出素子7aをY軸方向、即ち、画像のV方向に
配列した多素子型検出器7に入射させる。
【0027】多素子型検出器7は赤外線20を、温度に
対応した、電気信号に変換し、プリアンプ8で増幅しマ
ルチプレクサ23に入力される。ここで、多素子型検出
器7の信号は時系列の信号となり、図10と同様の信号
処理部21、アナログ−デジタル変換器(以下ADCと
記す)24等で標本化、符号化が行なわれ、デジタルデ
ータに変換される、ADC24からのデジタルデータは
ライン加算平均演算回路45を介して後述するも、ライ
ン加算及び平均化演算がなされ、記憶手段30に供給さ
れ、更に、CRT等の表示手段22に供給されて、温度
分布画像をカラー表示する様に成されている。
【0028】又、垂直方向走査鏡3及び水平方向走査鏡
2は夫々垂直走査駆動回路25及び水平走査駆動回路2
6によって駆動され、被測定物体17の図10で示した
被測定領域18内での赤外線20を取得するために、H
及びV方向に回動される。
【0029】水平走査駆動回路26及び垂直走査駆動回
路25では例えば、夫々水平走査周波数fH =396H
Z、垂直走査周波数fV =11HZ(又は22HZ)で
駆動される。
【0030】垂直走査駆動回路25はガルバノメータ等
で構成され、水平走査駆動回路26は励振器上に片持支
持された共振スプリング先端に水平走査鏡2を固定した
共振型のアクチュエータ等で構成され、マイクロコンピ
ュータ(以下CPUと記す)27から水平走査駆動回路
26の励振器に供給する水平走査基準信号に基づいて水
平走査周波数fH を発振する。
【0031】走査信号発生回路39は、上述のCPU2
7と、アドレス制御回路28、垂直走査信号用のROM
29、タイミング信号用発生回路33で構成されてい
る。
【0032】即ち、CPU27は走査切替え操作部35
からの走査モード切替信号が与えられる記憶手段制御回
路(CPUを含む)32との間で、送受信ライン34を
介してデータの送受信が行われている。
【0033】記憶手段制御回路32はライン加算/平均
演算回路45と画像表示用の記憶手段30との間にバス
を介して、制御データを供給して、1水平走査線即ち、
水平ライン毎にV方向に多素子検出素子7aの1素子分
ずつ移動させる走査及び飛越走査と順次走査時の切替タ
イミング制御が行なわれる。
【0034】ライン加算/平均演算データ及び順次走査
と飛越走査時の温度情報データの記憶手段30への保存
は、ライン加算/平均時及び順次走査と飛越走査に対し
て、記憶手段30へ保存するアドレスが変わるため、タ
イミング信号用発生回路33のタイミングによって、3
つの走査モードに対応した保存を行なう様に成し、保存
された温度データは表示手段22のCRT等に表示出来
るように成される。
【0035】走査信号発生手段39内のCPU27はア
ドレス制御回路28へ走査モードに応じた信号を与え
る。アドレス制御回路28には水平走査駆動回路26か
ら基準タイミング信号BTSが供給される。この基準タイ
ミング信号BTSは走査モード切替え時の切替えタイミン
グ信号及び水平ラインを多素子検出素子7aの1素子
分、V方向へ移動させるタイミング信号となるものであ
る。
【0036】アドレス制御回路28と垂直走査信号用R
OM29間及びアドレス制御回路28とタイミング信号
用発生回路33間はアドレスバス等を介して接続され、
垂直走査信号用ROM29にはCPU27からROMア
ドレス信号がライン38を介して与えられている。
【0037】アドレス制御回路28内にはPLL等を含
み、基準タイミング信号を例えば8192分割して作ら
れた制御クロックによりアドレスを発生させる。これら
アドレスは垂直走査信号用ROM29及びタイミング信
号用発生回路33に供給され、更にライン41を介して
記憶手段制御回路32にはPLLからの制御クロックが
供給されている。
【0038】垂直走査信号用ROM29及びタイミング
信号用発生回路33と夫々の記憶手段制御回路32間に
はライン42を介してサンプリング信号が与えられて、
垂直走査信号用ROM29からの出力は、垂直鏡位置デ
ータVSPとして、デジタル−アナログ変換器(以下DA
Cと記す)31に供給され、アナログ信号に変換され
て、垂直走査信号VS として垂直走査駆動回路25に供
給される様に成されている。
【0039】垂直走査信号用ROM29等の不揮発性の
記憶手段30にはDAC31を介したとき図4A及び図
4Bに示す様な順次走査(ノーインタレーススキャン)
及び飛越走査(インタレーススキャン)時の波形データ
が格納されている。尚、この時の垂直走査周波数fV
制御クロックと垂直走査信号用ROM29等の記憶デー
タの1サイクルに応じた周期と成される。
【0040】タイミング信号用発生回路33には飛越走
査及び順次走査切替え時のタイミング信号が記憶され、
マルチプレクサ23を検出器切替信号DSSによって制御
して多素子型検出器7からの並列信号を直列信号に変換
する。
【0041】本発明の赤外線撮像装置40は、水平走査
駆動回路26で駆動される水平走査鏡2の基準タイミン
グ信号BTSを基準として、制御クロックを作成し、垂直
走査信号用ROM29に格納された順次走査及び飛越走
査時の垂直走査周波数の垂直鏡位置データVSPを切替え
て読み出し、垂直走査駆動回路25に供給し、垂直方向
走査鏡3をV方向に回動させる様に成されている。
【0042】次に図1のライン加算/平均演算手段45
及び記憶手段30部分の詳細な構成を図2を用いて説明
する。
【0043】ADC24でデジタル変換された多素子検
出器7からの赤外線20の電気信号は記憶手段30及び
ライン加算平均演算手段45に供給される。
【0044】即ち、ADC24の出力データ(温度デー
タ)は、ライン加算平均演算手段45内に設けたスリー
ステートバッファ45aと記憶手段30内のワーク用の
画像メモリ30b並びにレベル/センス調整回路30c
に供給される。レベル/センス調整回路30cでは表示
データに変換され、その出力はフレームメモリ30dに
供給される。このフレームメモリ30dが表示用メモリ
となってR(赤),G(緑),B(青)又は画像変換用
のDAC46でR,G,B又はビデオ画像が得られてC
RT等の表示手段22に供給されて、CRTの管面に温
度分布画像を表示する。
【0045】ADC24で変換された温度データをライ
ン加算平均演算手段45内のスリーステートバッファ4
5a及び45hに供給する。スリーステートバッファ4
5a及び45hには記憶手段制御回路32からの制御デ
ータC1 及びC2 が与えられ、該制御データC1 及びC
2 に基づいてスリーステートバッファをフローティング
又は非フローティング状態に制御する。
【0046】スリーステートバッファ45aの出力は第
1のラッチ回路45bのデータ入力端子Dに供給され
る。第1のラッチ回路45bのラッチイネーブル信号入
力用のG端子には記憶手段制御回路32からイネーブル
信号G1 が供給される。このG 1 はADC24からのデ
ータをラッチする様に動作する。
【0047】第1のラッチ回路45bの肯定出力端子Q
の出力は第2のラッチ回路45cのデータ入力端子Dに
供給される。第2のラッチ回路45cのラッチイネーブ
ル信号入力用のG端子には記憶手段制御回路32からイ
ネーブル信号G2 が供給される。このG2 はワーク用の
画像メモリ30bのデータをラッチする。
【0048】スリーステートバッファ45aの出力はス
イッチング手段45gの固定接点bに供給され、第1及
び第2のラッチ回路の肯定端子Qの出力は加算器45d
の第1及び第2の入力端子に供給されて、ADC24か
らのデータと画像メモリ30bからのデータが加算さ
れ、加算出力は除算器45fとスイッチング手段45g
の固定接点cに供給される。
【0049】除算器45fは多素子型検出器7の多素子
検出素子7aの素子数をnとすると、この素子数で水平
ライン毎の加算値を除算して、その出力をスイッチング
手段45gの固定接点dに供給する。スイッチング手段
45gの可動接片aは記憶手段制御回路32の制御信号
でコントロールされる。
【0050】スイッチング手段45gの可動接片aはス
リーステートバッファ45hに供給され、該スリーステ
ートバッファ45hの出力はスリーステートバッファ4
5aの入力側に接続されている。
【0051】上述の構成に於ける、本発明の赤外線撮像
装置40で、先ず、走査モード切替時の動作を図3乃至
図5の図面を用いて説明する。
【0052】図5A及び図5Bの説明図に於いて、図5
Aは8素子の赤外線の多素子検出素子7aから成る多素
子検出器7の順次走査手順を示す説明図、図5Bは同様
の飛越走査手順を示す説明図である。
【0053】即ち、順次走査のモードは図5Aに示す様
に、多素子型検出器7の8素子を1水平走査期間の1ラ
インに同時にX軸のH方向に走査し、1フレーム分をY
軸のV方向に順次垂直走査して行くものである。従っ
て、この順次走査モードは例えば、1フレームのライン
数は112本であるが、走査時には偶数ラインのみを取
得し、奇数ラインは同時に埋めて1フレーム分の1画像
を形成するため1フレームは224ラインとなる。
【0054】又、垂直走査信号は図4Aに示す様に1フ
レームで1サイクルを構成する様に成され、例えば、1
サイクルでの垂直走査期間T1 は水平走査信号の1ライ
ン期間をH1 とすれば14H1 となり、垂直帰線消去期
間T2 は4H1 となり、垂直走査信号の1フレーム(1
サイクル)は18H1 となる。
【0055】このため順次走査では図5Aの様に偶数フ
ィールドF0 と奇数フィルードF1とが同時に書き込ま
れるため、1画像構成時間は高速動作を実現することが
できるようになる。
【0056】即ち、上述のサイクル構成時間18H1
用いた場合、水平走査周波数fH =396HZで22フ
レーム/秒での1フレーム(1画像分)構成時間は0.
0451秒となる。
【0057】一方、飛越走査は図5Bに示す様に、多素
子型検出器7の8素子を1水平垂直期間の1ライン同時
にX軸のH方向に走査し、1フィールド毎に偶数ライン
/奇数ラインのデータを取得し、偶数フィールドF0
奇数フィールドF1 のデータを順次記録して1画像分の
1フレーム分のデータを得る様に成されている。
【0058】従って、この飛越走査モードは、例えば1
フレームのライン数は224本であり、偶数ラインのみ
を走査する偶数フィールドF0 と奇数ラインのみを走査
する奇数フィールドF1 で構成され、奇数フィールドF
1 のスタート時は偶数フィールドF0 のスタート時から
1/2ライン(0.5素子分)分ずらす様に成されてい
る。
【0059】又、垂直走査信号は図4Bに示す様に2フ
ィールドで1フレームを構成するため順次走査に比べて
2倍の時間が掛かることになるが、偶数フィールド間を
次の奇数フィールドで埋めることが出来るので、画像の
分解能も2倍とすることが出来る。
【0060】2サイクルでの垂直走査期間T1 及びT3
は水平走査信号の1ライン期間H1に対し夫々14H1
となり、垂直期間消去期間T2 及びT4 は夫々4H1
あり、垂直走査信号の1フレーム(2サイクル)は18
1 ×2となる。
【0061】この為に飛越走査では図4B及び図5Bに
示す様に1画像分のデータを得る時間は長くなるが、高
分解能を実現することが出来る。
【0062】即ち、水平走査周波数fH =396HZで
11フレーム/秒での1フレーム(1画像分)構成時間
は0.091秒となる。
【0063】今、赤外線撮像走査装置40で温度測定時
に飛越走査モードで被測定物体17の温度測定を行なっ
ているときに、被測定物体が移動を開始したり、温度が
急激に変化した様な場合には走査切替走査部35の操作
キーの走査モードを順次走査モード側に切替える様にす
る。
【0064】飛越走査モードでは第1フィールドF0
図5BのA′拡大図に示す様に多素子型検出器7に対し
て偶数ライン(0,2,4‥‥)が走査され、第2フィ
ールドF1 は多素子型検出器7のスタートラインは1/
2ライン分(多素子型検出器7の半素子分の距離)ずら
し、奇数ライン(1,3,5‥‥)のみ走査されてい
る。
【0065】従って、順次走査モードに切替えた場合に
は垂直走査信号のスタートラインは図5AのA拡大図に
示す様に多素子型検出器7のスタートラインを一定に
し、偶数ラインと奇数ラインのスタート位置を合せなけ
ればならない。
【0066】勿論、順次走査から飛越走査への切替に於
いても、図5Aの状態から図5Bの状態に遷移させる必
要がある。
【0067】走査切替操作部35の切替操作によって、
記憶手段制御回路32とCPU27間の送受信データに
基づいて、CPU27は常時水平走査基準信号HS を発
生し、水平走査駆動回路26によって水平走査鏡2を駆
動しているので、アドレス制御回路28は水平走査駆動
回路26からの基準タイミング信号BTSによって、垂直
走査信号用ROM29内に格納した、2つの走査モード
に対応した波形データのいずれか一方のアドレスを選択
する。勿論、タイミング信号用ROM33内に格納され
ているタイミング信号に対応するアドレスもアドレス制
御回路28から供給される。
【0068】図3は水平走査駆動回路26に供給される
水平走査基準信号HS (図3C)に対し、この水平走査
駆動回路26から出力される基準タイミング信号B
TS(図3B)と垂直走査信号VS とのタイミング状態を
示し、垂直走査1サイクルのスタート部(*印部)を飛
越走査及び順次走査に応じ図5Bの様に多素子型検出器
7の半素子分の長さ(1/2ライン分)ずらすか、図5
Aの様に垂直走査1サイクルのスタート部を揃える様に
成し、切替タイミングは垂直走査信号の帰線消去期間内
でタイミングを合わせる様に切替える。
【0069】この様な切替は垂直走査信号用ROM29
とタイミング信号用発生回路33の現在の走査モードに
合わされた、サンプリング信号42によって記憶手段制
御回路32が制御を行なう。
【0070】垂直走査信号用ROM29から読み出され
た飛越走査又は順次走査信号に対応した垂直鏡位置デー
タVSPはDAC31を介しアナログ信号の垂直走査信号
に変換されて、垂直走査駆動回路25に供給され、垂直
走査鏡3を所定角度移動させて、赤外線からの温度デー
タの取り込みが行なわれる。
【0071】多素子型検出器7に得られた被測定物体1
7の赤外線の温度信号は信号処理部21を介してADC
24でデジタルデータに成され、表示用記憶手段30に
格納されて表示手段22に赤外線温度分布画像として表
示されるが、2つの走査モードの切替時には記憶手段3
0への記憶時にはアドレスが変わるためタイミング信号
用発生回路33から記憶手段制御回路32に供給される
サンプリング信号に基づいて記憶手段30を2つの走査
モードに対応して保存し、保存されたデータは表示手段
22に表示する様に成される。
【0072】次に、図2の構成によって、本発明のライ
ン加算平均演算手段45による多素子型検出器7の各素
子の感度の固体差によって生ずる固定パターンノイズの
改善を行った画像を表示手段22に表示する様になす赤
外線撮像装置の動作を図6乃至図9を用いて説明する。
【0073】上述の様に順次走査と飛越走査の2モード
の走査切替を行なうことが出来る赤外線撮像装置で、ラ
イン加算平均演算手段45が例えば、順次走査に於ける
走査モードでは、走査信号発生手段39内のタイミング
信号用発生回路33によって、垂直走査信号VS を図6
に示す様に1水平ライン毎に多素子型検出器7の1素子
分ずつ移動させる様にする。
【0074】即ち、図6で示す走査方法では1水平ライ
ンをHn/素子をnで表し、T(Hi、素子n)と置く
と、ライン毎のデータは Line0 :{T(H0,素子7)+T(H1, 素子6)+‥‥+T(H7, 素子0)}/8 Line0 :{T(H1,素子7)+T(H2, 素子6)+‥‥+T(H8, 素子0)}/8 ・ ・ ・ Line100:{T(H100,素子7)+T(H101, 素子6)+‥‥+T(H107, 素子0)}/8 と表せる。つまり、この方法では全ての素子が加算され
る為、各素子の感度の違いがラインデータに影響しない
ものが得られる。
【0075】図7は、順次走査時の図4Aと同様の垂直
走査信号を示すものであるがライン加算平均演算手段4
5内でライン毎に1素子分ずつ、移動させて、順次加算
を行なう場合に、図6でも明らかな様に、例えば8素子
から成る多素子型検出素子7aでは7素子乃至1素子ま
で加算処理を行なって素子0に至って、全素子数の加算
処理が出来るため、図7の様にデータ取得範囲から7素
子分の予備測定データを除いた範囲が表示手段22に表
示可能な画素表示範囲となる。
【0076】従って、表示手段22の、例えば、CRT
の管面で考えた場合には管面の最上部のラインを表示さ
せるためにはV方向に少なくとも多素子検出素子の素子
数n−1(図6では7素子)分をオーバー走査する様に
成されている。
【0077】次に、図2のライン加算平均演算手段45
及び記憶手段30部分の動作を図8及び図9と共に詳記
する。
【0078】多素子型検出器7で検出した、赤外線20
はマルチプレクサ23で並列信号は直列信号に変換され
て、信号処理部21及びADC24でデジタルデータ変
換される。
【0079】デジタル温度データは図6の零ラインH0
では多素子検出素子7aの第7番目の素子のデータを図
8Aの様に記憶手段30のワーク用の画像メモリ30b
にセーブする。
【0080】次の第1ライン乃至第6ラインH1 乃至H
6 では第6番目の素子乃至1番目の素子までをADC2
4でデジタル温度データに変換したデータを、図8Bに
示す様にスリーステートバッファ45a、ADC24か
らの温度データがラッチされた第1のラッチ回路45b
と、画像メモリ30bをラッチした第2のラッチ回路4
5cによって第6〜第1までの素子の温度データを加算
器45dで加算する。即ち、スイッチング手段45gの
固定接点c→可動接片a→スリーステートバッファ45
h→スリーステートバッファ45a→第1及び第2のラ
ッチ回路45b及び45c→加算器45dの循環系路
で、素子6乃至素子1を画像メモリ30bに順次加算す
る。
【0081】第7ラインH7 では、多素子検出素子7a
の素子0の加算は図8Cの様に画像メモリ30b内の素
子1の温度データに加算を行った後に1/8除算器45
fを通して、スイッチング手段45gの固定接点d−可
動接片a→スリーステートバッファ45h→レベル/セ
ンスRAM30cの経路で表示データに変換し、フレー
ムメモリ30dに格納し、RGB又は画像データDAC
46を介して、表示手段22に供給する様にし、1フレ
ーム分のすべての画素について、ライン加算平均演算が
成される。
【0082】上述のスリーステートバッファ45a及び
45h、第1及び第2のラッチ回路45b及び45c、
スイッチング手段45hは記録手段制御回路32によっ
て制御される。
【0083】S/N改善を行わない時には、スイッチン
グ手段45gの可動接片aは固定接点bに接する様にC
PU27がコントロールする。この場合はADC24か
らの温度データに変換されたデータはスリーステートバ
ッファ45a→スイッチング手段45gの固定接点b→
可動接片a→スリーステートバッファ45hを介してフ
レームメモリ30dを介して表示手段22に表示され
る。
【0084】又、S/N改善を行なう場合にはCPU2
7は、例えば図9に示す様なフローに従って、ライン加
算平均演算手段45を制御すればよい。
【0085】即ち、第1ステップST1 では1ライン毎
にV方向に1素子分ずつ移動させ走査を行ない。第2ス
テップST2 でADC24を介して温度データが与えら
れたら、水平ライン数Hに対する多素子検出器の素子数
nの比H/nがnより大きいか或いはnに等しいかを第
3ステップST3 で判断し、H/n<nであればスイッ
チング手段45gの可動接片aを固定接点c側に倒し、
第4ステップST4 の様に各素子のデータの加算処理が
行なわれた後に第1ステップST1 に戻される。
【0086】次にH/n=nとなれば第5ステップST
5 で加算データを平均化するためスイッチング手段45
gの可動接片aは固定接点d側に切換えられ、図2の例
では1/8の除算が行なわれた後に第6ステップST6
の様に画像処理を行なって表示手段にS/N改善された
温度分布画像を表示することでエンドに至る。
【0087】尚、上述のライン加算平均演算では順次走
査について説明したが、飛越走査の場合は図4B及び図
5Bに示す様に奇数フィールド(或いは奇数ライン)走
査時に0.5素子分(1/2ライン分)ずらす様な走査
を行えばよい。
【0088】
【発明の効果】本発明の赤外線撮像装置によれば、記憶
手段制御回路と加算平均演算手段を連動させることで、
画像中の特定のポイントに対する素子を特定出来るた
め、各ポイントにおける全ての素子が加算平均演算可能
であり、各素子の感度の固体差による固定パターンノイ
ズを改善させることが出来る。又、各素子毎に異なる感
度差も補償出来る。加えて、従来のフレーム加算の様に
時間差による移動物体のゴーストを無くすことが出来
て、高速で移動する対象物も同時に捕らえられ、加算素
子数倍のS/N改善を行なうことが出来るので、鮮明な
温度分布画像を得ることが出来る。更に、走査信号発生
手段内の垂直走査信号用ROM内に格納した飛越走査及
び順次走査時の垂直鏡位置データに基づいて、垂直走査
駆動回路を制御する様にしたので1つの回路(装置)で
走査モードを簡単に変更出来て、飛越走査から順次走査
に切替えれば飛越走査時のライン抜け(ライン班)がな
い赤外線撮像走査装置が得られる。又、飛越走査モード
に切替えれば高分解能の温度分布画像を得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線撮像装置の系統図である。
【図2】本発明に用いるライン加算平均演算手段及び記
憶手段部分の系統図である。
【図3】本発明に用いる水平及び垂直走査信号の波形図
である。
【図4】本発明に用いる順次走査時及び飛越走査の走査
信号波形図である。
【図5】本発明に用いる多素子検出器の順次走査及び飛
越走査時の検出器の配列説明図である。
【図6】本発明に用いる多素子型検出器の走査配列説明
図である。
【図7】図6の走査信号説明図である。
【図8】本発明に用いる加算平均演算手段の動作説明図
である。
【図9】本発明の制御装置のフローチャートである。
【図10】従来の赤外線撮像装置の系統図である。
【図11】従来の赤外線撮像装置のS/N改善時の原理
的系統図である。
【符号の説明】
2…水平走査鏡、3…垂直走査鏡、7…多素子型検出
器、20…赤外線、22…表示手段、25…垂直走査駆
動回路、26…水平走査駆動回路、27…CPU、28
…アドレス制御回路、29…垂直走査信号用ROM、3
0…記憶手段、32…記憶手段制御回路、35…走査切
替操作部、39…走査信号発生手段、45…ライン加算
平均演算手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度に依存して放射される被測定物体か
    らの赤外線を検出して、該被測定物体の温度を測定する
    赤外線撮像装置において、 赤外線を検出する多素子検出手段からの検出信号を1水
    平走査線毎に加算し、 多素子検出手段の素子数で平均化する加算平均演算手段
    と、 上記加算平均演算手段の演算データを記憶する記憶手段
    と、 上記加算平均演算手段と上記記憶手段を制御する制御手
    段と、 上記記憶手段からの演算データを表示する表示手段とを
    有することを特徴とする赤外線撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記多素子検出手段への前記被測定物体
    からの赤外線の順次走査時に1水平走査線毎に前記多素
    子検出手段の1素子分ずつずらして走査を行なう様に成
    したことを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記多素子検出手段への前記被測定物体
    からの赤外線の飛越走査時に偶数フィールド走査時は1
    水平走査線毎に前記多素子検出手段の1素子分ずつずら
    して走査を行ない、奇数フィールド時は該多素子検出手
    段の0.5素子分ずつずらして、走査を行なう様に成し
    たことを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010216688A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
CN111175785A (zh) * 2020-04-14 2020-05-19 江苏域盾成鹫科技装备制造有限公司 一种基于螺旋线扫描的高分辨率非制冷光电雷达
CN111337945A (zh) * 2020-04-14 2020-06-26 江苏域盾成鹫科技装备制造有限公司 一种基于螺旋线扫描的高分辨率制冷光电雷达

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