JPH11117285A - パイル造成装置における洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイル形成材料供給用ホッパー及びケーシ
ングの内部を自動的に洗浄する装置を提供する。 【解決手段】 リーダ１に沿って昇降する昇降枠２に、
外ケーシング４と該外ケーシング４内に挿入した内ケー
シング５とを垂下連設し、内ケーシング５の上端部には
該内ケーシング５内にホッパー７を設け、両ケーシング
４，５を地盤中に貫入し、その引き上げ時に内ケーシン
グ５内のパイル形成用材料をケーシング下端から地盤中
に排出してパイルを形成する造成装置において、ホッパ
ー７の開口部内周に沿って洗浄水噴射管９を配管し、該
噴射管９にはホッパー７内面に向けて洗浄水を噴射する
多数の孔１０を設け、内外両ケーシング４，５の上端部
間の環状空間部１３に洗浄水噴射管１４を配管し、該噴
射管１４には両ケーシング４，５の対向周面に向けて洗
浄水を噴射する多数の孔１５を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、リーダに沿って昇
降する昇降枠にケーシングを垂下連設し、該ケーシング
の上端部にはケーシング内に砂等のパイル形成用材料を
供給するホッパーを設け、前記ケーシングを地盤中に貫
入し、その引き上げ時にケーシング内のパイル形成用材
料をケーシング下端から地盤中に排出してパイルを形成
するようにしたパイル造成装置に関するもので、特にこ
のパイル造成装置における上記ホッパー及びケーシング
の内部を自動的に洗浄することのできる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】この種のパイル造成装置で
は、ホッパーの内面に砂等が付着残存したまま放置して
おくと、砂等を繰り返し供給するうちに、その付着層が
拡大して、ホッパー内部に詰まりを生じることがあり、
またケーシングの内面も同様で、砂等が付着残存したま
まにしておくと、砂等の排出が悪くなる。また、内ケー
シングと外ケーシングとの二重管を備えた装置では、ケ
ーシング貫入時に両ケーシングの間に泥水や泥土が侵入
し、これをそのまま放置すると、ケーシングの腐食の要
因となる。このようなことから、例えば１日の作業終了
後にホッパーやケーシングの内部を洗浄する必要があ
る。

【０００３】従来にあっては、ホッパーやケーシングの
内部を自動的に洗浄し得る装置がなく、作業員が洗浄用
ホースを用いて、ホッパーの開口部に水を噴射しながら
手作業によりホッパー内部及びケーシング内部の洗浄を
行っていたため、その洗浄作業には非常な手間と時間を
要していた。

【０００４】本発明は、上記に鑑み、パイル形成用材料
供給用ホッパー及びケーシングの内部を自動的に洗浄す
ることのできる装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明の洗
浄装置は、リーダ１に沿って昇降する昇降枠２にケーシ
ング５を垂下連設し、該ケーシング５の上端部にはケー
シング５内に砂等のパイル形成用材料を供給するホッパ
ー７を設け、前記ケーシング５を地盤中に貫入し、その
引き上げ時にケーシング５内のパイル形成用材料をケー
シング５下端から地盤中に排出してパイルを形成するよ
うにしたパイル造成装置において、前記ホッパー７の開
口部内周に沿って洗浄水噴射管９を配管し、該噴射管９
にはホッパー７内面に向けて洗浄水を噴射する多数の孔
１０を設けてなるものである。この発明の洗浄装置は、
パイル形成用材料が供給されるケーシング５のみの単一
管からなるパイル造成装置に適用されるものである。

【０００６】請求項２に係る発明の洗浄装置は、リーダ
１に沿って昇降する昇降枠２に、外ケーシング４と該外
ケーシング４内に挿入した内ケーシング５とを垂下連設
し、内ケーシング５の上端部には該内ケーシング５内に
砂等のパイル形成用材料を供給するホッパー７を設け、
前記両ケーシング４，５を地盤中に貫入し、その引き上
げ時に内ケーシング５内のパイル形成用材料をケーシン
グ下端から地盤中に排出してパイルを形成するようにし
たパイル造成装置において、前記ホッパー７の開口部内
周に沿って洗浄水噴射管９を配管し、該噴射管９にはホ
ッパー７内面に向けて洗浄水を噴射する多数の孔１０を
設け、外ケーシング４の内周面上端部と内ケーシング５
の内周面上端部との間の環状空間部１３に洗浄水噴射管
１４を配管し、該噴射管１４には両ケーシング４，５の
対向周面に向けて洗浄水を噴射する多数の孔１５を設け
てなるものである。この発明の洗浄装置は、外ケーシン
グ４と、パイル形成用材料が供給される内ケーシング５
との二重管からなるパイル造成装置に適用されるもので
ある。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、軟弱地盤に砂等からなる
パイルを造成するパイル造成装置の全体を示し、図２は
その一部を拡大して示したもので、クローラクレーンＫ
に立設されたリーダ１に昇降枠２を昇降自在に装備し、
この昇降枠２に起振機３を搭載すると共に、昇降枠２の
下端部に外ケーシング４を垂下連結し、この外ケーシン
グ４内には内ケーシング５を同心状に挿入し、この内ケ
ーシング５の上端部を起振機３に連結すると共に、内ケ
ーシング５と外ケーシング４とを一体的に連結し、また
内ケーシング５の上端部には、内ケーシング５内に砂や
砂利その他のパイル形成用材料を供給するためのホッパ
ー７を連設している。昇降枠２は、リーダ１の頂部から
垂下され、ウインチＴにより操作される昇降操作用ワイ
ヤーＷによって懸吊されている。リーダ１の下端部には
ケーシング４，５の振れ止め８が設けてある。

【０００８】上記のような外ケーシング４と内ケーシン
グ５との二重管を有するパイル造成装置における洗浄装
置について、図２〜図４を参照して説明すると、図２及
び図３に示すように、金属製パイプによって矩形枠状に
形成した洗浄水噴射管９を、ホッパー７の開口部内周面
に沿って配置すると共に、溶接等によってホッパー７に
固定し、この洗浄水噴射管９には下側部に、図２のよう
にホッパー７の内面に向けて洗浄水を噴射するための多
数の孔１０を所要間隔おきに設けている。そして、洗浄
水噴射管９の所要箇所に接続する接続管１１を、ホッパ
ー７を貫通するように設け、この接続管１１に、地上に
設置された加圧洗浄水供給源（図示せず）から延出され
る洗浄水供給ホース１２の先端部を接続する（図３参
照）。

【０００９】また、図２及び図４に示すように、外ケー
シング４の内周面上端部と内ケーシング５の内周面上端
部との間の環状空間部１３に、金属製パイプによって円
環状に形成した洗浄水噴射管１４を配設固定する。この
円環状洗浄水噴射管１４は、外ケーシング４内に嵌合す
るが、内ケーシング５の外周面との間に若干の環状隙間
を形成するように、当該噴射管１４の内径が内ケーシン
グ５の外径より若干大きく形成されたもので、図示のよ
うに外ケーシング４の上端部に内嵌した状態で溶接等に
よって固定する。この洗浄水噴射管１４には下側部に、
図２のように、内外両ケーシング４，５の対向周面に向
けて洗浄水を噴射するための多数の孔１５を設けてお
き、そしてこの洗浄水噴射管１４の所要箇所に接続する
接続管１６を、外ケーシング４を貫通するように設け、
この接続管１６に、前記加圧洗浄水供給源から延出され
た洗浄水供給ホース１７の先端部を接続する。

【００１０】このケーシング４，５側の洗浄水供給ホー
ス１７と、前記ホッパー７側の洗浄水供給ホース１２と
は、前記加圧洗浄水供給源から途中まで延出された１本
の供給ホースから二股状に分岐させたものでもよいし、
前記加圧洗浄水供給源から別個に延出されたものでもよ
い。また、前記両洗浄水噴射管９、１４への洗浄水の供
給及び停止は、前記加圧洗浄水供給源の近くで前記供給
ホース１２，１７又は前記１本の供給ホースに設けた開
閉弁によって行うことができる。

【００１１】上記のような洗浄装置を使用して洗浄を行
うには、洗浄水供給ホース１２からホッパー７側の洗浄
水噴射管９に洗浄水を供給することによって、この洗浄
水噴射管９の多数の孔１０から図２のようにホッパー７
の内面に向かって洗浄水が噴射され、それによりホッパ
ー７内面に付着した砂等の付着物が洗い流され、ホッパ
ー７の内面全体が洗浄される。こうしてホッパー７内面
を洗浄した洗浄水は、このホッパー７の下端部から内ケ
ーシング５内に流入して、その内周面沿いに流下する。
これによって、内ケーシング５の内周面が洗浄されるこ
とになる。

【００１２】また、洗浄水供給ホース１７からケーシン
グ４，５側の洗浄水噴射管１４に洗浄水を供給すること
によって、この洗浄水噴射管１４の多数の孔１５から図
２のように内外両ケーシング４，５の対向周面に向かっ
て洗浄水が噴射され、それにより内ケーシング５の外周
面及び外ケーシング４の内周面に付着した土や砂等の付
着物、あるいは両ケーシング４，５の間に介在している
土や砂等の介在物が洗い流されて流下する。これによ
り、内外両ケーシング４，５の対向周面部が洗浄され
る。上記洗浄水噴射管９による洗浄と洗浄水噴射管１４
による洗浄とは同時に行ってもよいし、別々に行っても
よい。

【００１３】以上、図２〜図４によって説明した洗浄装
置は、外ケーシング４と内ケーシング５との二重管を有
するパイル造成装置に適用されるもので洗浄装置であっ
て、上端部にホッパーを有するケーシングのみを備えた
パイル造成装置の場合には、図示による説明は省略する
が、上述したホッパー７側の洗浄水噴射管９と同様に、
そのホッパーの開口部内周に沿って洗浄水噴射管を配設
固定し、この洗浄水噴射管に洗浄水を供給するように配
管すればよく、しかしてこの洗浄水噴射管の孔から噴射
される噴射水によって、ホッパーの内面全体を洗浄でき
ると共に、このホッパー内面を洗浄して流下する洗浄水
によってケーシングの内周面の洗浄を行うことができ
る。

【００１４】

【発明の作用及び効果】請求項１の発明に係る洗浄装置
は、単一のケーシングからなるパイル造成装置におい
て、ホッパーの開口部内周に沿って洗浄水噴射管を配管
し、該噴射管にはホッパー内面に向けて洗浄水を噴射す
る多数の孔を設けてなるものであるから、洗浄水噴射管
に洗浄水を供給することによって、この噴射管の多数の
孔から噴射される洗浄水によって、ホッパー内面に付着
した砂等の付着物が洗い流され、ホッパーの内面全体が
洗浄されるとともに、ホッパー内面を洗浄した洗浄水
は、ホッパー下端部から内ケーシング内に流入して、内
ケーシングの内周面が洗浄される。従って、この発明に
よれば、ホッパーの内面及びケーシングの内面を自動的
に洗浄することができる。

【００１５】請求項２の発明に係る洗浄装置は、外ケー
シングと、ホッパーを有する内ケーシングとの二重管か
らなるパイル造成装置において、ホッパーの開口部内周
に沿って洗浄水噴射管を配管し、該噴射管に、ホッパー
内面に向けて洗浄水を噴射する多数の孔を設け、外ケー
シングの内周面上端部と内ケーシングの内周面上端部と
の間の環状空間部に洗浄水噴射管を配管し、該噴射管
に、両ケーシングの対向周面に向けて洗浄水を噴射する
多数の孔を設けてなるため、請求項１に係る発明と同様
にホッパーの内面及びケーシングの内面が自動的に洗浄
される一方、ケーシング側の洗浄水噴射管に洗浄水を供
給することにより、この噴射管の多数の孔から噴射され
る洗浄水によって、内ケーシングの外周面及び外ケーシ
ングの内周面に付着した泥土や砂等の付着物、あるいは
両ケーシングの間に介在している土砂等の介在物が洗い
流される。従って、この発明によれば、ホッパー及びケ
ーシングの内面、並びに内外両ケーシングの対向周面部
をそれぞれ自動的に洗浄することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の洗浄装置を備えたパイル造成装置の
側面図である。

【図２】 同上の装置の一部拡大正面図である。

【図３】 図２のＸ−Ｘ線拡大断面図である。

【図４】 図２のＹ−Ｙ線拡大断面図である。

【符号の説明】

１ リーダ ２ 昇降枠 ４ 外ケーシング ５ 内ケーシング ７ ホッパー ９ 洗浄水噴射管 １０ 孔 １２ 洗浄水供給ホース １３ 環状空間部 １４ 洗浄水噴射管 １５ 孔 １７ 洗浄水供給ホース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗本 中富 大阪府大阪市西淀川区姫島６丁目７−15

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リーダに沿って昇降する昇降枠にケーシ
   ングを垂下連設し、該ケーシングの上端部にはケーシン
   グ内に砂等のパイル形成用材料を供給するホッパーを設
   け、前記ケーシングを地盤中に貫入し、その引き上げ時
   にケーシング内のパイル形成用材料をケーシング下端か
   ら地盤中に排出してパイルを形成するようにしたパイル
   造成装置において、前記ホッパーの開口部内周に沿って
   洗浄水噴射管を配管し、該噴射管にはホッパー内面に向
   けて洗浄水を噴射する多数の孔を設けてなる洗浄装置。
2. 【請求項２】 リーダに沿って昇降する昇降枠に、外ケ
   ーシングと該外ケーシング内に挿入した内ケーシングと
   を垂下連設し、内ケーシングの上端部には該内ケーシン
   グ内に砂等のパイル形成用材料を供給するホッパーを設
   け、前記両ケーシングを地盤中に貫入し、その引き上げ
   時に内ケーシング内のパイル形成用材料をケーシング下
   端から地盤中に排出してパイルを形成するようにしたパ
   イル造成装置において、前記ホッパーの開口部内周に沿
   って洗浄水噴射管を配管し、該噴射管にはホッパー内面
   に向けて洗浄水を噴射する多数の孔を設け、外ケーシン
   グの内周面上端部と内ケーシングの内周面上端部との間
   の環状空間部に洗浄水噴射管を配管し、該噴射管には両
   ケーシングの対向周面に向けて洗浄水を噴射する多数の
   孔を設けてなる洗浄装置。