JPH064957Y2 - 浸透式貯液槽の内周多孔板の洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は円筒内面を高圧液体の噴射により洗浄する浸透
式貯液槽の内周多孔板の洗浄装置に関し、詳しくは浸透
式の貯液槽の内周面に施された多孔板、金網等に付着す
る推積物を洗浄除去する洗浄装置に係るものである。

＜従来の技術＞ 一般に、高圧水の噴射によって洗浄することは、洗浄の
各分野に於てよく用いられている。

パイプ内の洗浄を効果的に行うめには、先端に多くのノ
ズルを放射状に配置して同時に噴射し洗浄する方法が用
いられるが、この場合、１つのノズルによる噴射の洗浄
巾が限度があり、この巾によって必要ノズル数が決めら
れる。また、小径のパイプであれば全周方向に放射状に
噴射するノズルが用いられる。この場合は単にフレキシ
ブルなホースや、パイプの先端にノズルが設けられてい
るもので、噴射ノズルの構成（ノズル孔の数、位置、噴
射方向等）によって各種洗浄条件に対応している。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかし、小径のパイプや、人の入れる通路、穴は上記し
た従来の洗浄方法で対応が可能であるが、ある程度太い
数10cmから１ｍ程の細長い通路の場合、効果的に洗浄す
る装置として適当なものがないのが実情である。

ノズルに複数の噴射孔を設ける等して円周状に噴射する
方式のものは、噴射距離が洗浄能力に大きく左右するた
め、小径（10数cm程度以下）の内面に限定される。この
場合、噴射の方向が固定されているため、周面の大きさ
や汚れ具合等の洗浄するため、周面の大きさや汚れ具合
等の洗浄すための条件が変わったときには、ノズルを交
換する必要がある。

また、これより大きい内径、例えば数10cmの場合は噴射
距離が離れるため、洗浄ノズルの位置を洗浄面に近く設
けなければならない。又、周囲が長くなるだけノズルの
噴射巾を広くしたり、数を増加させるなどの対応が必要
である。

例えば、送電鉄塔に降り注いだ雨が鉄塔を伝わり田や畠
に流れ込むため、農作物に被害を及ぼすことがあり、最
近は、この鉄塔の下に深さ４〜５ｍの浸透井戸を掘り、
雨水をこの井戸に呼び込み、その後地下より土壌中に浸
透させることによって被害を防いでいる。この井戸には
崩れ防止のために樹脂等で出来た網が周囲に埋め込まれ
ている。ところが、この樹脂の網が小砂利、水垢等で目
づまりを起すため、定期的に洗浄することが必要とな
る。このように、細長い穴を洗浄する装置はなく、従来
の装置では十分でなかった。即ち、単一ノズルから周囲
に噴射しても噴射距離が離れると洗浄効果が少ない。

網目の洗浄をする場合、一方向からの噴射では洗浄でき
ないところが出、全周を平均的に洗浄することができな
い。

本考案は上記実情に鑑み、噴射ノズルを複数個放射位置
に配すると共に、噴射方向を自在とすることにより、全
周を平均的に洗浄し得る浸透式貯液槽の内周多孔板の洗
浄装置を提供することを目的としたものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、複数の滑動体を半径方向外側に伸縮自在に取
付けた取付台の中心に、軸方向に洗浄水供給取付口を設
けると共に、該洗浄水供給取付口と連通する出口側に回
転ジョイントを取付け、この回転ジョイント先端を半径
方向に延びた複数の通路に分岐し、夫々の分岐通路先端
に噴射方向を自在とした噴射ノズルを設けたものであ
る。

＜作用＞ 上記のような構成のため、中心となる洗浄水供給取付口
に高圧ホースを接続し、この装置全体を所定の被洗浄穴
（井戸）に吊下げる。この状態にて吊下紐兼用となるホ
ースに高圧水を注入すれば、高圧水は回転ジョイントか
ら分岐継手を経て複数個の高圧洗浄ノズルに流入し、該
高圧洗浄ノズルより高圧噴射すれば、予めセットした噴
射方向により周壁面に適宜の接線方向をもって当り、こ
の噴射の反動成分により該洗浄ノズル自体が基端の回転
ジョイントを基点として回転をする。即ち、洗浄ノズル
は一定の回転をし乍ら周壁面に対し噴射し、この噴射角
度により壁面網を斜め方向から洗い出すものとなり、こ
れを両方向から行なえば確実な洗浄ができる。勿論、長
手方向への移動は高圧ホースの繰出しのみで行なえる。
また、周壁面に直接接触するソリ状滑動体は脚部端に介
在のバネにて緩衝自在としてなるため、装置全体の移動
もスムーズとなる。

＜実施例＞ 以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明すれば、次
の通りである。

１は半径方向外側に複数個（第２図にあって３個）のソ
リ状滑動体２を配設してなる前後に分割された円盤状取
付台で、基方となる取付台１の中心にホース取付ジョイ
ントの洗浄水供給取付口３を設けるとともに、対向する
取付台１、１の中間位置に前記洗浄水供給取付口３の出
口3aに連通する回転ジョイント４とＴ字形の２方向へ通
路を分岐した分岐継手５及び他方の取付台１の軸受け６
に支承された回転軸７を連結してなる。この場合、分岐
継手５部には放射方向（直交位置）に一対の噴射ノズル
８を横方向に突出してなり、且つ該噴射ノズル８は基方
側部に設けた締付けネジ９にてノズル基部8aの支持位置
を変え噴射方向を変更自在としている。また、前記滑動
体２は基部の脚部2a端にバネ10を取付台１側に埋設介し
て在し、これら全体として洗浄装置11を構成する。

次に、作用を説明すると、先ず吊下げ索条兼用の高圧ホ
ース12を洗浄水供給取付口３に接続し、該高圧ホース12
をもっと洗浄装置11を被洗浄穴となる浸透井戸Ａ（例え
ば、内径200mm、深さ４m）に吊下げ搬入するる。

ここにおいて、高圧ホース12に高圧水を送り込めば、こ
の高圧水は回転ジョイント４から分岐継手５を経て噴射
ノズル８に流入し、ノズル基部8aからノズル口8bより噴
射する。

この場合、噴射ノズル８のノズル口8b部を、ノズル本体
8cの側部に配した締付ネジ９を適宜緩めてノズル基部8a
を設け、噴射方向を変えておくものである。

このように、高圧水の噴射方向を井戸Ａとなる周壁面に
対する接線方向に成分をもつようにしてあれば、噴射の
反動により分岐継手５は基方の回転ジョイント４を中心
として回転しだすものとなる。この噴射角度を接続方向
の成分が最大となったときに回転は最大となり、半径方
向に噴射したときに回転は停止する。また、向きを反対
とすれば逆回転もできる。即ち、この洗浄装置11におけ
る周壁面の洗浄は、第４図に示す如く網面Ａａに対し
（一般には、井戸壁面が崩れるのを防ぐために網が周囲
に埋め込んである）斜め方向に高圧水が噴射されるた
め、網目が完全に洗浄される。この洗浄の程度によって
は、噴射角度を変えることによって洗浄力を変化でき
る。

また、洗浄は回転し乍ら行なうので、高圧ホース12を徐
々に引き上げて行くことにより洗浄が完了する。更に、
外側に滑動体２は取付台１中に介在のバネ10にて脚部2a
が引込み自在となっているため、周壁面となる網面Ａａ
に凹凸があってもスムーズに動き、且つ内周径が小さく
なった場合でも使用可能となる。

＜考案の効果＞ 上述のように本考案の貯液槽の内周多孔板の洗浄装置
は、ホース先端に回転ジョンイトを設け、これに放射方
向に噴射ノズルを配す分岐継手を、滑動体付き取付台の
中心位置に配設する構成としたことにより、滑動体の作
用によりスムーズに内筒内を移動できる（圧送用の高圧
ホースによって装置全体を引き上げることができ、他の
装置やワイヤーが不用）。しかも、ロータリ洗浄により
全体を均一に洗浄でき凹凸面網目の側面部も噴射方向の
変更（逆転）により確実に洗浄できる。回転スピードの
変更と同時に噴射力の変更ができ、条件に適した洗浄効
果をあげることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は使用状態の要部
切欠側面図、第２図は同平面図、第３図は噴射ノズル部
の断面図、第４図は高圧水の噴射方向の説明図である。 １……取付台 ２……滑動体 ４……回転ジョイント ５……分岐継手 ８……噴射ノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の滑動体半径方向外側に伸縮自在に取
   付けた取付台の中心に、軸方向に洗浄水供給取付口を設
   けると共に、該洗浄水供給取付口と連通する出口側に回
   転ジョイントを取付け、この回転ジョイント先端を半径
   方向に延びた複数の通路に分岐し、夫々の分岐通路先端
   に噴射方向を自在とした噴射ノズルを設けてなる浸透式
   貯液槽の内周多孔板の洗浄装置。