JPH11116951A - 土壌改質材の製造方法および土壌改質方法 - Google Patents
土壌改質材の製造方法および土壌改質方法Info
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- JPH11116951A JPH11116951A JP9280202A JP28020297A JPH11116951A JP H11116951 A JPH11116951 A JP H11116951A JP 9280202 A JP9280202 A JP 9280202A JP 28020297 A JP28020297 A JP 28020297A JP H11116951 A JPH11116951 A JP H11116951A
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- Japan
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- carbon material
- soil
- carbon
- ozone
- activated carbon
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05F—ORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C, e.g. FERTILISERS FROM WASTE OR REFUSE
- C05F11/00—Other organic fertilisers
- C05F11/08—Organic fertilisers containing added bacterial cultures, mycelia or the like
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】特殊な機材を必要とすることなく、通常の経験
を有する作業者が容易に実施できる土壌改質方法とそれ
に使用する土壌改質材を提供することを主な目的とす
る。 【解決手段】活性炭を出発原料として、以下の工程を経
ることを特徴とする土壌改質材の製造方法、および得ら
れた土壌改質材を使用する土壌改質方法; (1)炭素材を水中に浸漬して炭素材中の気孔に含まれる
空気を除去する工程、(2)脱気された活炭素材をオゾン
により処理する工程、(3)オゾン処理された炭素材に乳
酸菌を定着させる工程、(4)乳酸菌が定着している炭素
材に酢酸を添加する工程、(5)工程(4)からの炭素材を曝
気する工程、(6)曝気した炭素材を熟成する工程、およ
び(7)曝気した炭素材の水分調整を行う工程。
を有する作業者が容易に実施できる土壌改質方法とそれ
に使用する土壌改質材を提供することを主な目的とす
る。 【解決手段】活性炭を出発原料として、以下の工程を経
ることを特徴とする土壌改質材の製造方法、および得ら
れた土壌改質材を使用する土壌改質方法; (1)炭素材を水中に浸漬して炭素材中の気孔に含まれる
空気を除去する工程、(2)脱気された活炭素材をオゾン
により処理する工程、(3)オゾン処理された炭素材に乳
酸菌を定着させる工程、(4)乳酸菌が定着している炭素
材に酢酸を添加する工程、(5)工程(4)からの炭素材を曝
気する工程、(6)曝気した炭素材を熟成する工程、およ
び(7)曝気した炭素材の水分調整を行う工程。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌改質材の製造
方法および土壌改質方法に関する。
方法および土壌改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】土壌改良乃至土壌安定化を必要とする地
質的に不安定な地域は、日本各地に多数存在している。
これらの地域では、常に浸食が進行しているといっても
良く、毎年集中豪雨、雪崩などの気象的或いは自然条件
の急変を引き金として、大きな災害が発生している。
質的に不安定な地域は、日本各地に多数存在している。
これらの地域では、常に浸食が進行しているといっても
良く、毎年集中豪雨、雪崩などの気象的或いは自然条件
の急変を引き金として、大きな災害が発生している。
【0003】従来から、この様な地域を対象として、各
種の土壌安定化工事が行われてきた。例えば、土質の改
良を目的として、ゼオライト、パーライト、イソライト
などの鉱物材料を地表に散布する簡単な方法がある。し
かしながら、これらの鉱物材料は、火山質土壌の様な土
質の改良には、殆ど効果がない。
種の土壌安定化工事が行われてきた。例えば、土質の改
良を目的として、ゼオライト、パーライト、イソライト
などの鉱物材料を地表に散布する簡単な方法がある。し
かしながら、これらの鉱物材料は、火山質土壌の様な土
質の改良には、殆ど効果がない。
【0004】また、活性炭粉末を土壌に散布し、或いは
土中に埋設する試みもなされている。しかしながら、こ
の方法では、時間の経過とともに、シーリング(膜化)
現象が進行し、活性炭の通気性が次第に低下して、土壌
を嫌気性とするので、長期的には土質改良効果は、ほと
んど認められない。
土中に埋設する試みもなされている。しかしながら、こ
の方法では、時間の経過とともに、シーリング(膜化)
現象が進行し、活性炭の通気性が次第に低下して、土壌
を嫌気性とするので、長期的には土質改良効果は、ほと
んど認められない。
【0005】火山質土壌の改良を目的とする工法とし
て、山岳地域の法面・壁面(以下単に「法面」とする)
の緑化工法がある。これは、植生に適していない土壌の
改良を行い、植物の生育を促進することにより、法面の
安定化をはかる工法である。この様な緑化工法は、長年
にわたる試験を経て次第に改良された結果、一部の工法
によれば、従来は施工不可能であった箇所或いは土壌に
おいても、植物の発芽/生育が可能となるまでに至って
いる。
て、山岳地域の法面・壁面(以下単に「法面」とする)
の緑化工法がある。これは、植生に適していない土壌の
改良を行い、植物の生育を促進することにより、法面の
安定化をはかる工法である。この様な緑化工法は、長年
にわたる試験を経て次第に改良された結果、一部の工法
によれば、従来は施工不可能であった箇所或いは土壌に
おいても、植物の発芽/生育が可能となるまでに至って
いる。
【0006】しかしながら、この成功例とも言える工法
は、特殊な機材および材料の使用、作業条件についての
厳しい制約(酷暑期には施工不能である、下地処理後の
乾燥に長時間を要する、施工手順を厳格に遵守する必要
があるなど)、高度のノウハウなどを基礎としているた
め、専門技術者が特殊な機材を使用して施工する「専業
者特殊工法」ともいうべきものとなっている。従って、
この方法には、施工コストが極めて高く、工期が遅れが
ちであり、施工手順を誤ると、発芽/生育が著しく阻害
されるなどの種々の問題点がある。
は、特殊な機材および材料の使用、作業条件についての
厳しい制約(酷暑期には施工不能である、下地処理後の
乾燥に長時間を要する、施工手順を厳格に遵守する必要
があるなど)、高度のノウハウなどを基礎としているた
め、専門技術者が特殊な機材を使用して施工する「専業
者特殊工法」ともいうべきものとなっている。従って、
この方法には、施工コストが極めて高く、工期が遅れが
ちであり、施工手順を誤ると、発芽/生育が著しく阻害
されるなどの種々の問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、特
殊な機材を必要とすることなく、非熟練作業者が容易に
実施できる土壌改質方法とそれに使用する土壌改質剤を
提供することを主な目的とする。
殊な機材を必要とすることなく、非熟練作業者が容易に
実施できる土壌改質方法とそれに使用する土壌改質剤を
提供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上のよう
な技術の問題点を軽減乃至解消するために、鋭意研究を
進めた結果、活性炭などの炭素材を特定の工程により処
理する場合には、処理された炭素材が、土壌改質材とし
て従来の技術常識からは予測し得ない、極めて特異な性
質を発揮することを見出した。本発明は、この様な新知
見に基づいて完成されたものである。
な技術の問題点を軽減乃至解消するために、鋭意研究を
進めた結果、活性炭などの炭素材を特定の工程により処
理する場合には、処理された炭素材が、土壌改質材とし
て従来の技術常識からは予測し得ない、極めて特異な性
質を発揮することを見出した。本発明は、この様な新知
見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、下記の土壌改質剤と
それを使用する土壌改質方法を提供するものである; 1.炭素材を出発原料として、以下の工程を経ることを
特徴とする土壌改質材の製造方法; (1)炭素材を水中に浸漬して炭素材中の気孔に含まれる
空気を除去する工程、(2)脱気された活炭素材をオゾン
により処理する工程、(3)オゾン処理された炭素材に乳
酸菌を定着させる工程、(4)乳酸菌が定着している炭素
材に酢酸を添加する工程、(5)工程(4)からの炭素材を曝
気する工程、(6)曝気した炭素材を熟成する工程、およ
び(7)曝気した炭素材の水分調整を行う工程。
それを使用する土壌改質方法を提供するものである; 1.炭素材を出発原料として、以下の工程を経ることを
特徴とする土壌改質材の製造方法; (1)炭素材を水中に浸漬して炭素材中の気孔に含まれる
空気を除去する工程、(2)脱気された活炭素材をオゾン
により処理する工程、(3)オゾン処理された炭素材に乳
酸菌を定着させる工程、(4)乳酸菌が定着している炭素
材に酢酸を添加する工程、(5)工程(4)からの炭素材を曝
気する工程、(6)曝気した炭素材を熟成する工程、およ
び(7)曝気した炭素材の水分調整を行う工程。
【0010】2.炭素材が、廃タイヤを原料として製造
された塩基置換容量(CEC)3〜40の活性炭である上記項1
に記載の方法。
された塩基置換容量(CEC)3〜40の活性炭である上記項1
に記載の方法。
【0011】3.炭素材が、廃タイヤを原料として製造
された塩基置換容量(CEC)3〜40の活性炭と他の炭素材と
の混合物である上記項1に記載の方法。
された塩基置換容量(CEC)3〜40の活性炭と他の炭素材と
の混合物である上記項1に記載の方法。
【0012】4.炭素材が、硫黄酸化物および/または
窒素酸化物の吸着処理に使用されたものである上記項3
に記載の方法。
窒素酸化物の吸着処理に使用されたものである上記項3
に記載の方法。
【0013】5.炭素材混合物が、廃タイヤを原料とし
て製造された活性炭10〜90%とその他の炭素材90〜10%
からなる上記項3に記載の方法。
て製造された活性炭10〜90%とその他の炭素材90〜10%
からなる上記項3に記載の方法。
【0014】6.上記項1〜5のいずれかに記載の方法
により得られた土壌改質材。
により得られた土壌改質材。
【0015】7.上記項1〜5のいずれかの方法により
得られた土壌改質材と緑化植物種子とを含む吹き付け材
を改良すべき地表面に吹き付けることを特徴とする土壌
の改質方法。
得られた土壌改質材と緑化植物種子とを含む吹き付け材
を改良すべき地表面に吹き付けることを特徴とする土壌
の改質方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による土壌改質材の
製造方法と得られた土壌改質材を使用する土壌改質方法
について、それぞれ詳細に説明する。
製造方法と得られた土壌改質材を使用する土壌改質方法
について、それぞれ詳細に説明する。
【0017】I.土壌改質材の製造方法 本発明による土壌改質材の製造方法は、以下の工程から
なっている。
なっている。
【0018】(1)まず、活性炭などの炭素材を水中に浸
漬して、活性炭などの炭素材の気孔内に含まれる空気を
除去する。
漬して、活性炭などの炭素材の気孔内に含まれる空気を
除去する。
【0019】炭素材の代表例である活性炭としては、特
に限定されるものではない。原料を基準として大別すれ
ば、鉱物系(亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、コークス、
石炭ピッチ、コールタール、泥炭、草炭、ピート炭、石
油蒸留残渣、石油ピッチなど)、有機材料系(アクリル
樹脂、フェノール樹脂など)、植物系(木質材料;果実
殻・果実種子;パルプ廃棄物;製糖廃棄物;再生繊維な
ど)などの各種の原料に由来するものが使用可能であ
る。活性炭の粒径、細孔経、細孔容積、気孔率、塩基置
換容量などの性状は、特に制限されるものではないが、
通常粒径30メッシュ〜20mm程度(より好ましくは、60メ
ッシュ〜5mm程度)、細孔経8〜500Å程度(より好まし
くは、50〜320Å程度)、細孔容積0.6〜1.53ml/g程度
(より好ましくは1〜1.53ml/g程度)、BET法による比表
面積200〜1100m2/g程度(より好ましくは320〜1000m2/
g程度)、塩基置換容量(CEC)3〜35程度(より好ましく
は7〜20程度)である。
に限定されるものではない。原料を基準として大別すれ
ば、鉱物系(亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、コークス、
石炭ピッチ、コールタール、泥炭、草炭、ピート炭、石
油蒸留残渣、石油ピッチなど)、有機材料系(アクリル
樹脂、フェノール樹脂など)、植物系(木質材料;果実
殻・果実種子;パルプ廃棄物;製糖廃棄物;再生繊維な
ど)などの各種の原料に由来するものが使用可能であ
る。活性炭の粒径、細孔経、細孔容積、気孔率、塩基置
換容量などの性状は、特に制限されるものではないが、
通常粒径30メッシュ〜20mm程度(より好ましくは、60メ
ッシュ〜5mm程度)、細孔経8〜500Å程度(より好まし
くは、50〜320Å程度)、細孔容積0.6〜1.53ml/g程度
(より好ましくは1〜1.53ml/g程度)、BET法による比表
面積200〜1100m2/g程度(より好ましくは320〜1000m2/
g程度)、塩基置換容量(CEC)3〜35程度(より好ましく
は7〜20程度)である。
【0020】本発明においては、炭素材としての活性炭
の中でも、廃タイヤを原料として製造される活性炭(以
下「廃タイヤ活性炭」ということがある)を使用するこ
とが、コスト的にも、また理由は不明であるが、最終的
に得られる土壌改質材の特性が特に優れているという点
からも有利である。廃タイヤを原料とする活性炭の製造
方法は公知であり、例えば、特開平6-298511号公報に開
示されている。この廃タイヤ活性炭は、30〜110メッシ
ュの粒度分布を有し、塩基置換容量(CEC)が3〜40程度
である。
の中でも、廃タイヤを原料として製造される活性炭(以
下「廃タイヤ活性炭」ということがある)を使用するこ
とが、コスト的にも、また理由は不明であるが、最終的
に得られる土壌改質材の特性が特に優れているという点
からも有利である。廃タイヤを原料とする活性炭の製造
方法は公知であり、例えば、特開平6-298511号公報に開
示されている。この廃タイヤ活性炭は、30〜110メッシ
ュの粒度分布を有し、塩基置換容量(CEC)が3〜40程度
である。
【0021】本発明においては、炭素材として、上記の
活性炭以外の炭素材を併用しても良い。木炭、竹炭、コ
ークス粉などの活性炭以外の炭素材も、程度の差はある
が、多孔質であり、塩基置換能を示すからである。活性
炭と併用する炭素材の粒度分布も、活性炭と同様で良
い。
活性炭以外の炭素材を併用しても良い。木炭、竹炭、コ
ークス粉などの活性炭以外の炭素材も、程度の差はある
が、多孔質であり、塩基置換能を示すからである。活性
炭と併用する炭素材の粒度分布も、活性炭と同様で良
い。
【0022】炭素材として、活性炭とその他の炭素材と
の混合物を使用する場合には、混合物の少なくとも40重
量%を活性炭で構成することが好ましい。経済性、土壌
改質性能などを考慮すれば、混合割合は、通常活性炭40
〜70重量%とその他の炭素材60〜30重量%程度であり、
より好ましくは、活性炭60〜70重量%とその他の炭素材
40〜30重量%程度である。
の混合物を使用する場合には、混合物の少なくとも40重
量%を活性炭で構成することが好ましい。経済性、土壌
改質性能などを考慮すれば、混合割合は、通常活性炭40
〜70重量%とその他の炭素材60〜30重量%程度であり、
より好ましくは、活性炭60〜70重量%とその他の炭素材
40〜30重量%程度である。
【0023】炭素材としては、硫黄酸化物(SOx)および
/または窒素酸化物(NOx)を含む各種燃焼装置からの排
ガスの吸着処理に使用した回収活性炭を有効に再利用す
ることができる。この場合には、最終的に得られる土壌
改質材としての使用時に、吸着成分が硫安などに転換さ
れて、肥料としての効果を発揮するので、極めて有用で
ある。
/または窒素酸化物(NOx)を含む各種燃焼装置からの排
ガスの吸着処理に使用した回収活性炭を有効に再利用す
ることができる。この場合には、最終的に得られる土壌
改質材としての使用時に、吸着成分が硫安などに転換さ
れて、肥料としての効果を発揮するので、極めて有用で
ある。
【0024】脱気に際しては、これらの炭素材を水槽内
の水に浸漬し、放置することにより、炭素材の気孔中に
含まれる空気を除去する。浸漬に使用する水は、水道水
或いは農業用水基準を満たす程度の水で良い。水中漬浸
の温度、時間などの条件については、特に制限はなく、
炭素材の気孔中の空気が実質的に除去されるまで行えば
良い。
の水に浸漬し、放置することにより、炭素材の気孔中に
含まれる空気を除去する。浸漬に使用する水は、水道水
或いは農業用水基準を満たす程度の水で良い。水中漬浸
の温度、時間などの条件については、特に制限はなく、
炭素材の気孔中の空気が実質的に除去されるまで行えば
良い。
【0025】(2)次いで、脱気処理を終えた炭素材をオ
ゾン処理する。
ゾン処理する。
【0026】すなわち、脱気処理を終えた炭素材を水槽
内に保持した状態で、オゾンと接触させて、炭素材の滅
菌、炭素材気孔表面の酸化、吸着された硫黄酸化物およ
び/窒素酸化物の変性(イオン化)などを行う。
内に保持した状態で、オゾンと接触させて、炭素材の滅
菌、炭素材気孔表面の酸化、吸着された硫黄酸化物およ
び/窒素酸化物の変性(イオン化)などを行う。
【0027】オゾンは、常法に従って調製したものを使
用すれば良い。例えば、PSA(プレッシャースイングアド
ソープション)装置により濃縮した高濃度酸素を原料と
し、無声放電法により発生させたオゾンを使用すること
ができる。この様なオゾンを例えばエジェクターを用い
て水槽内の水に吹き込み、水にできるだけ溶解させ、炭
素材と十分に接触させる。
用すれば良い。例えば、PSA(プレッシャースイングアド
ソープション)装置により濃縮した高濃度酸素を原料と
し、無声放電法により発生させたオゾンを使用すること
ができる。この様なオゾンを例えばエジェクターを用い
て水槽内の水に吹き込み、水にできるだけ溶解させ、炭
素材と十分に接触させる。
【0028】オゾン処理は、炭素材1kgに対し、オゾン
濃度0.03〜10mg/リットルのオゾン含有気体を0.1〜2.8
リットル/分の割合で、4〜200時間程度(より好ましく
は、12〜36時間程度)導入することにより、行う。
濃度0.03〜10mg/リットルのオゾン含有気体を0.1〜2.8
リットル/分の割合で、4〜200時間程度(より好ましく
は、12〜36時間程度)導入することにより、行う。
【0029】(3)次いで、オゾン処理を終えた炭素材を
乳酸菌処理する。
乳酸菌処理する。
【0030】すなわち、オゾン処理を終えた炭素材に乳
酸菌を添加し、定着させる。添加方法は、特に限定され
ず、炭素材を収容する水槽に乳酸菌を含む液を加え、混
合した後、静置することにより行えばよい。乳酸菌とし
ては、特に限定されず、広義の乳酸発酵に関与する菌で
あれば、連鎖球菌科のグラム陽性球菌、乳酸桿菌科のグ
ラム陽性桿菌などすべてのものが使用可能である。具体
的な菌株としては、「シロタカブ」などが例示される。
実用的には、ビールなどの醸造残渣からアルコール分を
蒸散させた液を使用することが有利である。乳酸菌処理
は、炭素材1g当たりの菌株数が、2000〜30000程度とな
る様にすることが好ましい。通常4〜96時間程度にわた
り処理を継続することにより、乳酸菌が十分に生育し、
その結果発酵生成物が、大腸菌などの一般細菌の生育を
阻止するとともに、硝化を行わせる働きを発揮する。
酸菌を添加し、定着させる。添加方法は、特に限定され
ず、炭素材を収容する水槽に乳酸菌を含む液を加え、混
合した後、静置することにより行えばよい。乳酸菌とし
ては、特に限定されず、広義の乳酸発酵に関与する菌で
あれば、連鎖球菌科のグラム陽性球菌、乳酸桿菌科のグ
ラム陽性桿菌などすべてのものが使用可能である。具体
的な菌株としては、「シロタカブ」などが例示される。
実用的には、ビールなどの醸造残渣からアルコール分を
蒸散させた液を使用することが有利である。乳酸菌処理
は、炭素材1g当たりの菌株数が、2000〜30000程度とな
る様にすることが好ましい。通常4〜96時間程度にわた
り処理を継続することにより、乳酸菌が十分に生育し、
その結果発酵生成物が、大腸菌などの一般細菌の生育を
阻止するとともに、硝化を行わせる働きを発揮する。
【0031】(4)次いで、乳酸菌処理を終えた炭素材に
酢酸を添加する。
酢酸を添加する。
【0032】炭素材に対する酢酸の添加は、特に限定さ
れるものではないが、炭素材を収容する水槽に対し、炭
素材重量の1/300〜1/15000程度(より好ましくは(1/30
0〜1/3000程度)の酢酸を加え、撹拌混合することによ
り、行えば良い。
れるものではないが、炭素材を収容する水槽に対し、炭
素材重量の1/300〜1/15000程度(より好ましくは(1/30
0〜1/3000程度)の酢酸を加え、撹拌混合することによ
り、行えば良い。
【0033】ここで添加される酢酸は、土壌改質材が改
良すべき土地に付与された際に、気孔内で成育する各種
の微生物(硝化菌、バクターオイデス、チオバチルス、
バチルス・サブタリスなど)の主な栄養源となる。この
様な微生物或いはそれらが生成する酵素類は、枯れた草
木などに由来する土壌中の繊維質物を分解して、植物類
の栄養源に変えたりする。また、繊維質物の分解物は、
ミミズ、だんご虫などにより、さらに分解され、団粒構
造の形成などを助長するので、植物類の発芽および生育
条件が著しく改善される。また、硝化菌は、土壌中のイ
オウ成分(火山性イオウ成分、酸性雨由来のイオウ成分
など)を硫安体に変化させて、植物の生育を促進する。
良すべき土地に付与された際に、気孔内で成育する各種
の微生物(硝化菌、バクターオイデス、チオバチルス、
バチルス・サブタリスなど)の主な栄養源となる。この
様な微生物或いはそれらが生成する酵素類は、枯れた草
木などに由来する土壌中の繊維質物を分解して、植物類
の栄養源に変えたりする。また、繊維質物の分解物は、
ミミズ、だんご虫などにより、さらに分解され、団粒構
造の形成などを助長するので、植物類の発芽および生育
条件が著しく改善される。また、硝化菌は、土壌中のイ
オウ成分(火山性イオウ成分、酸性雨由来のイオウ成分
など)を硫安体に変化させて、植物の生育を促進する。
【0034】(5)次いで、水槽中での酢酸添加を終えた
炭素材を曝気(エアレーション)処理する。曝気処理
は、ディフューザー、エジェクターなどから水槽に空気
を吹き込むことにより行う。曝気は、好気性微生物の生
育状況を安定化しうる限り、特に限定されるものではな
いが、通常炭素材1m3当たり0.1〜12リットル/分の空気
を使用して、4〜240時間程度行う。
炭素材を曝気(エアレーション)処理する。曝気処理
は、ディフューザー、エジェクターなどから水槽に空気
を吹き込むことにより行う。曝気は、好気性微生物の生
育状況を安定化しうる限り、特に限定されるものではな
いが、通常炭素材1m3当たり0.1〜12リットル/分の空気
を使用して、4〜240時間程度行う。
【0035】この曝気処理により、活性炭に各種の好気
性微生物が定着して、生物活性炭層乃至活性炭生物膜を
形成する。この様な好気性微生物は、公知であり、極め
て多数に上る。本発明では、詳述はしないが、好気性微
生物の種類などについて、特に制限はない。
性微生物が定着して、生物活性炭層乃至活性炭生物膜を
形成する。この様な好気性微生物は、公知であり、極め
て多数に上る。本発明では、詳述はしないが、好気性微
生物の種類などについて、特に制限はない。
【0036】(6)次いで、曝気処理した炭素材を10〜50
℃程度(より好ましくは、20〜50℃程度)で8〜240時間
程度(より好ましくは、24〜200時間程度)保持し、熟
成化処理する。この熟成化処理により、乳酸菌および好
気性微生物が次第に増殖して、全体としての品質が安定
する。
℃程度(より好ましくは、20〜50℃程度)で8〜240時間
程度(より好ましくは、24〜200時間程度)保持し、熟
成化処理する。この熟成化処理により、乳酸菌および好
気性微生物が次第に増殖して、全体としての品質が安定
する。
【0037】なお、熟成化処理を終えた炭素材は、最低
-30℃程度までの低温で冷凍保存することができる。
-30℃程度までの低温で冷凍保存することができる。
【0038】(7)次いで、熟成化処理を終えた炭素材
は、使用目的乃至対象(客土/吹き付け、改良すべき土
壌の種類、地形乃至地勢など)に応じて、水分含量を調
節し、所定の容器乃至袋に収容され、土質改質材とし
て、出荷される。水分含有量は、大幅に変わりうるが、
通常40〜200%程度の範囲内にある。また、必要なら
ば、水分含有量を乳酸菌の生育に必要とされる量に押さ
えた状態で出荷し、施工現場で水分を添加した後、使用
しても良い。
は、使用目的乃至対象(客土/吹き付け、改良すべき土
壌の種類、地形乃至地勢など)に応じて、水分含量を調
節し、所定の容器乃至袋に収容され、土質改質材とし
て、出荷される。水分含有量は、大幅に変わりうるが、
通常40〜200%程度の範囲内にある。また、必要なら
ば、水分含有量を乳酸菌の生育に必要とされる量に押さ
えた状態で出荷し、施工現場で水分を添加した後、使用
しても良い。
【0039】II.土壌改質方法 本発明による土壌改質方法は、上記の様にして得られた
土壌改質材に所定の緑化植物種子を配合する以外の点で
は、常法と実質的に異なるところはない。以下に本発明
方法の一例を説明するが、本発明は、何らこの例示され
た手法に制限されるものではない。
土壌改質材に所定の緑化植物種子を配合する以外の点で
は、常法と実質的に異なるところはない。以下に本発明
方法の一例を説明するが、本発明は、何らこの例示され
た手法に制限されるものではない。
【0040】まず、タンク内の水に所定量の土壌改質材
を投入し、十分に撹拌することにより、土壌改質材と水
とを十分になじませる。水質は、特に限定されないが、
強アルカリ性水、強酸性水、塩水などは、避けるべきで
ある。
を投入し、十分に撹拌することにより、土壌改質材と水
とを十分になじませる。水質は、特に限定されないが、
強アルカリ性水、強酸性水、塩水などは、避けるべきで
ある。
【0041】次いで、改質すべき土壌の性状(採取サン
プルによる土壌分析、現地での土壌外観乃至地形観察な
どより確認する)に応じて、さらにタンク内に所定量の
安定剤(例えば、アクリル酸エステル樹脂系など)、固
結剤(例えば、乳化アスファルト系など)、団粒形成剤
(例えば、合成樹脂系など)、粘土、肥料、バーク堆肥
(腐葉土)、ピートモスなどの公知の吹付け基材を投入
し、十分に撹拌する。本発明で使用する吹付け基材は、
ここに具体的に挙げたものには限定されず、従来から使
用されていたものが全て使用可能である。
プルによる土壌分析、現地での土壌外観乃至地形観察な
どより確認する)に応じて、さらにタンク内に所定量の
安定剤(例えば、アクリル酸エステル樹脂系など)、固
結剤(例えば、乳化アスファルト系など)、団粒形成剤
(例えば、合成樹脂系など)、粘土、肥料、バーク堆肥
(腐葉土)、ピートモスなどの公知の吹付け基材を投入
し、十分に撹拌する。本発明で使用する吹付け基材は、
ここに具体的に挙げたものには限定されず、従来から使
用されていたものが全て使用可能である。
【0042】例えば、肥料としては、チッソ肥料、リン
酸肥料、カリ肥料などの公知の肥料を使用することがで
きる。肥料は、異なるものを2種以上組み合わせて使用
しても良く、或いは多孔質樹脂膜で被覆した遅効性乃至
徐放性肥料の形態で使用することもできる。
酸肥料、カリ肥料などの公知の肥料を使用することがで
きる。肥料は、異なるものを2種以上組み合わせて使用
しても良く、或いは多孔質樹脂膜で被覆した遅効性乃至
徐放性肥料の形態で使用することもできる。
【0043】次いで、タンク内に所定の緑化植物種子を
投入しつつ、さらに十分に撹拌する。緑化植物種子も、
特に限定されず、従来から使用されてきたものがそのま
ま使用可能である。具体的には、洋芝、ハギ類(めどは
ぎ、いたちはぎ、やまはぎなど)、トールフェクス、ク
リーピンググレッドフェクス、オーチャードグラス、ペ
レニアルライグラス、バーズフッとトレフォイル、よも
ぎ、やしゃぶし、やまはんのき、こまつなぎ、いたど
り、ススキなどが例示されるが、これらに限定されるも
のではない。緑化植物種子は、個々の地域(土質、地
形、気候など)に対応して適宜選択し、組み合わせて使
用すればよい。
投入しつつ、さらに十分に撹拌する。緑化植物種子も、
特に限定されず、従来から使用されてきたものがそのま
ま使用可能である。具体的には、洋芝、ハギ類(めどは
ぎ、いたちはぎ、やまはぎなど)、トールフェクス、ク
リーピンググレッドフェクス、オーチャードグラス、ペ
レニアルライグラス、バーズフッとトレフォイル、よも
ぎ、やしゃぶし、やまはんのき、こまつなぎ、いたど
り、ススキなどが例示されるが、これらに限定されるも
のではない。緑化植物種子は、個々の地域(土質、地
形、気候など)に対応して適宜選択し、組み合わせて使
用すればよい。
【0044】本発明による土質改良方法の施工に際して
は、公知の吹付け装置を使用して、上記の様にして調製
した液状混合物を所定の箇所に必要な厚さの吹付け層が
形成される様に吹き付ける。吹付け操作は、必要なら
ば、一定の時間間隔で、2回以上繰り返し行っても良い
(重ね吹き付け)。この様にして重ね吹き付けを行う場
合には、植物の生育を助ける大気中の好気性菌、菌糸類
などが吹付け層中に取り込まれ、本発明土質改良材によ
る効果をさらに改善することができる。
は、公知の吹付け装置を使用して、上記の様にして調製
した液状混合物を所定の箇所に必要な厚さの吹付け層が
形成される様に吹き付ける。吹付け操作は、必要なら
ば、一定の時間間隔で、2回以上繰り返し行っても良い
(重ね吹き付け)。この様にして重ね吹き付けを行う場
合には、植物の生育を助ける大気中の好気性菌、菌糸類
などが吹付け層中に取り込まれ、本発明土質改良材によ
る効果をさらに改善することができる。
【0045】なお、必要ならば、液状混合物の吹付けに
先立ち、常法に従って、施工箇所にアンカーピンを用い
て植生ネットの張り付けを行うこともできる。
先立ち、常法に従って、施工箇所にアンカーピンを用い
て植生ネットの張り付けを行うこともできる。
【0046】また、施工箇所の土壌が高濃度の硫黄分を
含んでおり、植物の生育に支障があると予測される場合
には、予め本発明土壌改質材による下地処理を行うこと
が好ましい。この場合には、例えば、上記の公知の吹付
け基材配合物に対し、吹付け面積1m2当たり100〜300g
程度となる様に本発明による土壌改質材を加え、水中で
撹拌混合した後、土質改良すべき箇所に吹付けを行う。
この処理により、土質改良材が土壌中の硫黄を吸着し、
これを硫酸アンモニウムに転換させるので、その後に行
う土質改良作業により発芽および生育し始める植物への
悪影響を解消乃至軽減させることができる。
含んでおり、植物の生育に支障があると予測される場合
には、予め本発明土壌改質材による下地処理を行うこと
が好ましい。この場合には、例えば、上記の公知の吹付
け基材配合物に対し、吹付け面積1m2当たり100〜300g
程度となる様に本発明による土壌改質材を加え、水中で
撹拌混合した後、土質改良すべき箇所に吹付けを行う。
この処理により、土質改良材が土壌中の硫黄を吸着し、
これを硫酸アンモニウムに転換させるので、その後に行
う土質改良作業により発芽および生育し始める植物への
悪影響を解消乃至軽減させることができる。
【0047】さらにまた、植物の発芽および生育を促進
させるために、本発明による土壌改質材、バーク堆肥、
液状バインダー樹脂などを配合した保温層を予め形成し
ておいても良い。
させるために、本発明による土壌改質材、バーク堆肥、
液状バインダー樹脂などを配合した保温層を予め形成し
ておいても良い。
【0048】本発明方法による改質対象となる土壌或い
は地域/地形などについても特に限定されず、火山性礫
質土壌、海岸砂丘土壌などの緑化が最も困難であるとさ
れてきた劣悪な土壌の改質さえも、可能である。
は地域/地形などについても特に限定されず、火山性礫
質土壌、海岸砂丘土壌などの緑化が最も困難であるとさ
れてきた劣悪な土壌の改質さえも、可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、以下の様な顕著な効果
が達成される。
が達成される。
【0050】(1)従来技術による処理では、植物種子
の一部の発芽は認められるものの、実質的な生育には至
らない様な極めて劣悪な土壌(イオウ残留分などの多い
火山性礫質土など)が存在する環境においても、本発明
の土壌改質材を使用する場合には、種子の発芽率が高
く、且つその後の生育状況も良好となる。この理由は未
だ十分に解明されるには至っていないが、その一つの要
因は、本発明による土壌改質材が、長期にわたりイオウ
に対して安定した触媒的作用を発揮して、硫黄から硫酸
アンモニウムを形成させるという「持続的な土壌改質効
果」を奏するためと推測される。
の一部の発芽は認められるものの、実質的な生育には至
らない様な極めて劣悪な土壌(イオウ残留分などの多い
火山性礫質土など)が存在する環境においても、本発明
の土壌改質材を使用する場合には、種子の発芽率が高
く、且つその後の生育状況も良好となる。この理由は未
だ十分に解明されるには至っていないが、その一つの要
因は、本発明による土壌改質材が、長期にわたりイオウ
に対して安定した触媒的作用を発揮して、硫黄から硫酸
アンモニウムを形成させるという「持続的な土壌改質効
果」を奏するためと推測される。
【0051】また、炭素材として廃タイヤ活性炭を使用
する場合には、その高い塩素置換容量の故に、植物の生
育に必要なチッソ成分、リン酸成分およびカリ成分をよ
りバランスよく保持し、生育の過程で徐放的に溶出され
ることも、本発明による顕著な効果の一因であると推測
される。もちろん、その他の活性炭を使用する場合に
も、程度の差はあるにせよ、同様の効果が達成される。
する場合には、その高い塩素置換容量の故に、植物の生
育に必要なチッソ成分、リン酸成分およびカリ成分をよ
りバランスよく保持し、生育の過程で徐放的に溶出され
ることも、本発明による顕著な効果の一因であると推測
される。もちろん、その他の活性炭を使用する場合に
も、程度の差はあるにせよ、同様の効果が達成される。
【0052】さらに、本発明土壌改質材は、その理由は
未だ解明されていないが、植物害虫の防除にも優れた効
果を発揮する。この害虫防除効果は、従来技術では、認
められたことがない特異なものである。
未だ解明されていないが、植物害虫の防除にも優れた効
果を発揮する。この害虫防除効果は、従来技術では、認
められたことがない特異なものである。
【0053】(2)土壌改良のための施工は、従来と同
様にして下地処理を行い、1日程度乾燥させた後、既存
の吹き付け用機器などをそのまま使用して、通常の技能
を有する作業者が行うことができる。
様にして下地処理を行い、1日程度乾燥させた後、既存
の吹き付け用機器などをそのまま使用して、通常の技能
を有する作業者が行うことができる。
【0054】(3)本発明による土壌改質材は、土壌或
いは岩石中のアルカリ金属成分(ナトリウム、カリウム
など)、アルカリ土類金属成分(カルシウム、マグネシ
ウムなど)、ケイ素成分、マンガン成分などと化学的に
結合して、粘性を示すので、処理箇所(例えば、法面な
ど)を強固に安定化させ、浸食作用に対する抵抗力を著
しく増大させる。また、この化学的な結合により、ボー
ル状粒子を形成し、土壌中に団粒構造を形成させるの
で、植物成長の最大要因である根の生育を促進するとと
もに、併せて浸食抵抗力を補強する。因みに、浸食に対
する抵抗力増大の結果を示す一例として、法面への施工
1週間後に1時間当たり80mmという激しい降雨にも対し
ても、表土流出を殆ど起こさなかった事例がある。
いは岩石中のアルカリ金属成分(ナトリウム、カリウム
など)、アルカリ土類金属成分(カルシウム、マグネシ
ウムなど)、ケイ素成分、マンガン成分などと化学的に
結合して、粘性を示すので、処理箇所(例えば、法面な
ど)を強固に安定化させ、浸食作用に対する抵抗力を著
しく増大させる。また、この化学的な結合により、ボー
ル状粒子を形成し、土壌中に団粒構造を形成させるの
で、植物成長の最大要因である根の生育を促進するとと
もに、併せて浸食抵抗力を補強する。因みに、浸食に対
する抵抗力増大の結果を示す一例として、法面への施工
1週間後に1時間当たり80mmという激しい降雨にも対し
ても、表土流出を殆ど起こさなかった事例がある。
【0055】(4)土壌改質材が炭素材を主成分として
おり、且つ化学的に安定しているので、万一流出した場
合にも、含有成分ないし吸着成分が分離することはな
く、公害問題を起こすことはない。
おり、且つ化学的に安定しているので、万一流出した場
合にも、含有成分ないし吸着成分が分離することはな
く、公害問題を起こすことはない。
【0056】(5)未処理の活性炭粉末も、短期的には
植物の生育を助長する性質を有している。しかしなが
ら、未処理の活性炭粉末は、時間の経過とともに、表土
と深層土との空気の流通を妨げる“シーリング”現象を
起こして、逆に植物の生育を妨げるに至ることが知られ
ている。これに対し、本発明による土壌改質材は、炭素
材を主成分としているにもかかわらず、“シーリング”
現象を起こすことなく、長期にわたり、土中微生物の繁
殖を促進し、且つイオン交換現象により、植物の生育を
助長する。
植物の生育を助長する性質を有している。しかしなが
ら、未処理の活性炭粉末は、時間の経過とともに、表土
と深層土との空気の流通を妨げる“シーリング”現象を
起こして、逆に植物の生育を妨げるに至ることが知られ
ている。これに対し、本発明による土壌改質材は、炭素
材を主成分としているにもかかわらず、“シーリング”
現象を起こすことなく、長期にわたり、土中微生物の繁
殖を促進し、且つイオン交換現象により、植物の生育を
助長する。
【0057】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
ころをより一層明確にする。
【0058】実施例1 出発原料である炭素材として、廃タイヤを原料として製
造した活性炭(商標名“mmコンバーター”、(有)恵和
ロジテック製;塩基置換容量20)を24時間水槽中の水に
浸漬して、脱気を行った後、引き続き水中でオゾン処理
した。オゾン処理は、炭素材1kg当たり、オゾン濃度0.0
5mg/リットルのオゾン含有空気を1.5リットル/分の割合
で32時間バブリングさせることにより、行った。
造した活性炭(商標名“mmコンバーター”、(有)恵和
ロジテック製;塩基置換容量20)を24時間水槽中の水に
浸漬して、脱気を行った後、引き続き水中でオゾン処理
した。オゾン処理は、炭素材1kg当たり、オゾン濃度0.0
5mg/リットルのオゾン含有空気を1.5リットル/分の割合
で32時間バブリングさせることにより、行った。
【0059】次いで、オゾン処理を終えた炭素材を水槽
中で乳酸菌処理した。この処理は、菌株としてシロタ株
を使用し、炭素材を収容する水槽に乳酸菌を含む液を加
え、混合した後、48時間静置することにより、行った。
処理後の炭素材1kg当たりの菌株数は、約10000であっ
た。
中で乳酸菌処理した。この処理は、菌株としてシロタ株
を使用し、炭素材を収容する水槽に乳酸菌を含む液を加
え、混合した後、48時間静置することにより、行った。
処理後の炭素材1kg当たりの菌株数は、約10000であっ
た。
【0060】次いで、乳酸菌処理を行った炭素材に水槽
中で酢酸を添加した。この酢酸処理には、0.1%の酢酸
水溶液を使用した。この処理により、炭素材重量の約0.
03%の酢酸が吸着された。
中で酢酸を添加した。この酢酸処理には、0.1%の酢酸
水溶液を使用した。この処理により、炭素材重量の約0.
03%の酢酸が吸着された。
【0061】次いで、酢酸を吸着した炭素材を水槽中で
曝気処理した。曝気処理は、エジェクターを使用して、
炭素材1m3当たり5リットル/分の空気を48時間連続吹き
込みすることにより、行った。
曝気処理した。曝気処理は、エジェクターを使用して、
炭素材1m3当たり5リットル/分の空気を48時間連続吹き
込みすることにより、行った。
【0062】次いで、曝気処理した炭素材を水槽中約20
℃で48時間保持することにより、熟成した後、水分量45
%に調整した。
℃で48時間保持することにより、熟成した後、水分量45
%に調整した。
【0063】かくして得られた本発明による土壌改質材
は、例えば、20kg単位で袋詰めし、製品として出荷する
ことができる。
は、例えば、20kg単位で袋詰めし、製品として出荷する
ことができる。
【0064】実施例2 実施例1で得られた土壌改質材を使用して、初夏の日光
地区において火山性礫質土壌の改質を行った。すなわ
ち、まず、土壌改質材とその他の材料を表1に示す割合
で配合した混合液を調製した後、予め植生ネット(25mm
目合)を張り付けた施工箇所に吹付け機を使用して、吹
き付けた。なお、表1に示す配合量は、100m2当たり2cm
厚さに吹き付けた場合のものを示す。
地区において火山性礫質土壌の改質を行った。すなわ
ち、まず、土壌改質材とその他の材料を表1に示す割合
で配合した混合液を調製した後、予め植生ネット(25mm
目合)を張り付けた施工箇所に吹付け機を使用して、吹
き付けた。なお、表1に示す配合量は、100m2当たり2cm
厚さに吹き付けた場合のものを示す。
【0065】
【表1】
【0066】注1;“サニーファイバー”、タチバナ産
業製、パルプ繊維80〜90%含有。
業製、パルプ繊維80〜90%含有。
【0067】注2;“高度化成15-15-15”、サンカ
(株)製、肥料成分として窒素、可溶性リン酸および水
溶性カリウムをそれぞれ15%ずつ含む化学肥料。
(株)製、肥料成分として窒素、可溶性リン酸および水
溶性カリウムをそれぞれ15%ずつ含む化学肥料。
【0068】注3;“ハイコントロール”、旭化成
(株)製、肥料成分として窒素16%、リン酸5%および
カリウム10%を含む樹脂被覆複合肥料。
(株)製、肥料成分として窒素16%、リン酸5%および
カリウム10%を含む樹脂被覆複合肥料。
【0069】注4;“FLコート タイプ3”、富士見緑
化(株)製、アスファルト分55% 注5;“ルナゾールAV”、ヘキスト合成(株)製、酢酸
ビニル樹脂系 注6;“クリコートDA-101”、栗田工業(株)製、水溶
性合成高分子系 なお、表1に示した各種の材料は、特に限定されるもの
ではなく、「月刊積算資料」に記載された同等仕様の他
社製品を使用しても、勿論良い。
化(株)製、アスファルト分55% 注5;“ルナゾールAV”、ヘキスト合成(株)製、酢酸
ビニル樹脂系 注6;“クリコートDA-101”、栗田工業(株)製、水溶
性合成高分子系 なお、表1に示した各種の材料は、特に限定されるもの
ではなく、「月刊積算資料」に記載された同等仕様の他
社製品を使用しても、勿論良い。
【0070】施工地域の概要を図1に示す。すなわち、
土止め堰堤上方の左右両岸を4つの区域A、B、CおよびD
(50m2)に分け、AおよびC面を本発明方法により施工
し、BおよびD面を従来方法(肥料のみ付与)により、施
工した。施工厚さは、当該地域の土質が火山性礫質土壌
であることから、技術常識上3cm以上とすることが必要
であると考えられているが、敢えて約2cmとした。4週間
経過後の発芽成績(1m3当たり)は、表2に示す通りで
ある。
土止め堰堤上方の左右両岸を4つの区域A、B、CおよびD
(50m2)に分け、AおよびC面を本発明方法により施工
し、BおよびD面を従来方法(肥料のみ付与)により、施
工した。施工厚さは、当該地域の土質が火山性礫質土壌
であることから、技術常識上3cm以上とすることが必要
であると考えられているが、敢えて約2cmとした。4週間
経過後の発芽成績(1m3当たり)は、表2に示す通りで
ある。
【0071】
【表2】
【0072】表2に示す結果から明らかな様に、本発明
方法によれば、植物種子の発芽率が著しく向上してい
る。
方法によれば、植物種子の発芽率が著しく向上してい
る。
【0073】また、8週間経過後の成長度(平均高さ;c
m)は、表3に示す通りである。
m)は、表3に示す通りである。
【0074】
【表3】
【0075】表3に示す結果から明らかな様に、本発明
方法によれば、植物の成長率も著しく改善されている。
方法によれば、植物の成長率も著しく改善されている。
【図1】実施例2により本発明方法を施工した地域の概
要を示す模式図である。
要を示す模式図である。
A…本発明方法施工面 B…比較方法施工面 C…本発明方法施工面 D…比較方法施工面
Claims (7)
- 【請求項1】炭素材を出発原料として、以下の工程を経
ることを特徴とする土壌改質材の製造方法; (1)炭素材を水中に浸漬して炭素材中の気孔に含まれる
空気を除去する工程、(2)脱気された炭素材をオゾンに
より処理する工程、(3)オゾン処理された炭素材に乳酸
菌を定着させる工程、(4)乳酸菌が定着している炭素材
に酢酸を添加する工程、(5)工程(4)からの炭素材を曝気
する工程、(6)曝気した炭素材を熟成する工程、および
(7)曝気した炭素材の水分調整を行う工程。 - 【請求項2】炭素材が、廃タイヤを原料として製造され
た塩基置換容量(CEC)3〜40の活性炭である請求項1に記
載の方法。 - 【請求項3】炭素材が、廃タイヤを原料として製造され
た塩基置換容量(CEC)3〜40の活性炭と他の炭素材との混
合物である請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】炭素材が、硫黄酸化物および/または窒素
酸化物の吸着処理に使用されたものである請求項3に記
載の方法。 - 【請求項5】炭素材混合物が、廃タイヤを原料として製
造された活性炭10〜90%とその他の炭素材90〜10%から
なる請求項3に記載の方法。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の方法によ
り得られた土壌改質材。 - 【請求項7】請求項1〜5のいずれかの方法により得ら
れた土壌改質材と緑化植物種子とを含む吹き付け材を改
良すべき地表面に吹き付けるか或いは土中埋設すること
を特徴とする土壌の改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280202A JPH11116951A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 土壌改質材の製造方法および土壌改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280202A JPH11116951A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 土壌改質材の製造方法および土壌改質方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11116951A true JPH11116951A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17621741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9280202A Pending JPH11116951A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 土壌改質材の製造方法および土壌改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11116951A (ja) |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP9280202A patent/JPH11116951A/ja active Pending
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