JPH11116852A - 粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料

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JPH11116852A
JPH11116852A JP27738097A JP27738097A JPH11116852A JP H11116852 A JPH11116852 A JP H11116852A JP 27738097 A JP27738097 A JP 27738097A JP 27738097 A JP27738097 A JP 27738097A JP H11116852 A JPH11116852 A JP H11116852A
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JP
Japan
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resin
powder coating
powder
coating
group
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JP27738097A
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English (en)
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Hisakazu Tajima
田嶋  久和
Yukiya Sato
幸哉 佐藤
Katsutoshi Aoki
克敏 青木
Takehiko Tojo
武彦 東城
Masayuki Maruta
将幸 丸田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗布し
ても、均一な色相を有し、かつ塗膜強度に優れた塗膜を
与える粉体塗料、該粉体塗料の2種以上からなる粉体塗
料組成物、該粉体塗料または粉体塗料組成物を用いた塗
装方法、並びに得られる均一な色相の塗膜及び塗装物を
提供すること。 【解決手段】2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗
布することにより均一な色相の塗膜を得る塗装方法に使
用される粉体塗料であって、単独では250℃以下で熱
硬化しないが、他種の粉体塗料と混合塗布することによ
り250℃以下で熱硬化する特性を有し、かつ熱硬化反
応に関与し得る官能基を1分子当たり2個以上有する樹
脂を含有することを特徴とする粉体塗料、該粉体塗料の
2種以上からなる粉体塗料組成物、該粉体塗料または粉
体塗料組成物を用いた塗装方法、並びに得られる均一な
色相の塗膜及び塗装物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種以上の色相の
異なる粉体塗料を混合塗布しても均一な色相の塗膜を与
える粉体塗料、かかる粉体塗料の2種以上からなる粉体
塗料組成物、かかる粉体塗料または粉体塗料組成物を用
いて均一な色相の塗膜を得る塗装方法、並びに得られる
均一な色相の塗膜および塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体塗料は、樹脂、硬化剤、添加
剤等に所望の色相を出すための数色の顔料を加え、混合
した後、溶融混練し、その後、冷却、粉砕、分級するこ
とにより、製造されてきた。そのため、粉体塗料として
は要求される色相毎に塗料を用意せざるを得ず、その品
揃えは膨大な数にのぼっている。
【0003】これに対し、粉体塗料の調色工程を簡素化
するために、数種の着色粉体を混合した粉体塗料が提案
されている。
【0004】しかしながら、2種以上の色相の異なる粉
体塗料を均一に混合し、粉体塗料として使用した際に、
混合する粉体塗料の粒径が20μmよりも大きいものを
用いた場合は、一般に各色の粉体塗料の粒子が目視でも
判別できるため均一な色相の塗膜が得られない。
【0005】一方、特表平4−504431号公報のよ
うに、20μm以下の2色以上の粉体を混合して所望の
色相の塗膜を得る方法が提案されているが、粒径を20
μm以下にすることによる収率ダウン、および20μm
以下では凝集しやすいため流動性が悪くなり取扱いにく
い等の欠点がある。
【0006】また、造粒剤溶液の添加等を行って粉体塗
料を造粒することにより、流動性を向上させる方法も提
案されているが、製造工程が増えるためコストアップに
つながる。
【0007】また、このような粉体塗料を使用して塗膜
を形成する場合、塗膜に求められる特性として、塗膜強
度の確保が必須となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、2種以上の色相の異な
る粉体塗料を混合塗布しても、均一な色相を有し、かつ
塗膜強度に優れた塗膜を与える粉体塗料、かかる粉体塗
料の2種以上からなる粉体塗料組成物を提供することを
目的とする。
【0009】更に、本発明は、かかる粉体塗料または粉
体塗料組成物を用いて、均一な色相を有し、かつ塗膜強
度に優れた塗膜を得る塗装方法、並びに得られる均一な
色相の塗膜および塗装物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗布すること
により均一な色相の塗膜を得る塗装方法に使用される粉
体塗料であって、単独では250℃以下で熱硬化しない
が、他種の粉体塗料と混合塗布することにより250℃
以下で熱硬化する特性を有し、かつ熱硬化反応に関与し
得る官能基を1分子当たり2個以上有する樹脂を含有す
ることを特徴とする粉体塗料、(2) カルボキシル基
を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステ
ルポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ基を有する
アクリル樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂および
無水酸系樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の樹脂を
含有する粉体塗料と共に混合塗布される粉体塗料であっ
て、該粉体塗料がエポキシ樹脂、グリシジル基を有する
アクリル樹脂および不飽和結合を有する樹脂よりなる群
から選ばれた1種以上の樹脂を含有することを特徴とす
る前記(1)記載の粉体塗料、(3) エポキシ樹脂、
グリシジル基を有するアクリル樹脂および不飽和結合を
有する樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の樹脂を含
有する粉体塗料と共に混合塗布される粉体塗料であっ
て、該粉体塗料がカルボキシル基を有するアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂、
ポリアミド樹脂、アミノ基を有するアクリル樹脂、フェ
ノール性水酸基を有する樹脂および無水酸系樹脂よりな
る群から選ばれた1種以上の樹脂を含有することを特徴
とする前記(1)記載の粉体塗料、(4) 2種以上の
色相の異なる粉体塗料を含有する粉体塗料組成物であっ
て、それぞれ単独では250℃以下で熱硬化しないが、
2種以上を混合塗布することにより熱硬化し均一な色相
の塗膜を形成する特性を有し、かつ熱硬化反応に関与し
得る官能基を1分子当たり2個以上有する樹脂を含有す
る粉体塗料の2種以上からなることを特徴とする粉体塗
料組成物、(5) 2種の色相の異なる粉体塗料の樹脂
において、一方の樹脂がカルボキシル基を有するアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリアミド樹
脂、ポリアミド樹脂、アミノ基を有するアクリル樹脂、
フェノール性水酸基を有する樹脂および無水酸系樹脂よ
りなる群から選ばれた1種以上の樹脂であり、他方の樹
脂がエポキシ樹脂、グリシジル基を有するアクリル樹脂
および不飽和結合を有する樹脂よりなる群から選ばれた
1種以上の樹脂である前記(4)記載の粉体塗料組成
物、(6) 前記(1)〜(3)いずれか記載の粉体塗
料を2種以上混合塗布することにより均一な色相の塗膜
を与えることを特徴とする塗装方法、(7) 前記
(4)または(5)記載の粉体塗料組成物を用いて塗布
することにより均一な色相の塗膜を与えることを特徴と
する塗装方法、ならびに(8) 前記(6)または
(7)記載の塗装方法により塗布して得られる均一な色
相の塗膜または塗装物、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料は、2種以上の
色相の異なる粉体塗料を混合塗布することにより均一な
色相の塗膜を得る塗装方法に使用される粉体塗料であっ
て、単独では250℃以下で熱硬化しないが、他種の粉
体塗料と混合塗布することにより250℃以下で熱硬化
する特性を有し、かつ熱硬化反応に関与し得る官能基を
1分子当たり2個以上有する樹脂を含有することを特徴
とする。
【0012】なお、本明細書でいう“均一”な色相の塗
膜とは、形成された塗膜の色相が均質であるため、混色
した各粉体塗料の色が目視により見分けることができな
い程度のことを意味する。
【0013】本発明の粉体塗料に使用される樹脂として
は、熱硬化反応に関与し得る官能基を1分子当たり2個
以上有する樹脂であれば、従来より知られている樹脂を
特に限定することなく使用することができる。かかる樹
脂を使用することにより、得られる塗膜の強度を著しく
向上させることができる。この場合、混合塗布される粉
体塗料のいずれもが、1分子当たり2個以上の官能基を
有する樹脂を含有するものであることが好ましい。
【0014】本発明において、熱硬化反応に関与し得る
官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、
グリシジル基、イソシアネート基等が挙げられる。
【0015】本発明において、樹脂における1分子当た
りの官能基数は、酸価、アミン価、水酸基価、オキシラ
ン価等の値とゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)を用いて測定した数平均分子量とから算出す
ることができる。
【0016】また、本発明においては、使用するそれぞ
れの樹脂が焼付け時に共に溶融するように溶融温度を調
整することが好ましい。使用する樹脂の溶融温度を調節
することにより、焼付け時に共に溶融し均一に混合した
後に硬化するので、均一な色相の塗膜を得ることができ
る。樹脂の溶融温度の調整は、例えば、樹脂の化学的な
構造の調整および分子量分布の調整等により行うことが
できる。
【0017】本発明においては、例えば、前記のように
単独では250℃以下で熱硬化しない2種の粉体塗料を
それぞれ粉体塗料および粉体塗料としたとき、粉体
塗料に使用する樹脂と粉体塗料に使用する樹脂の組
み合わせを適宜選択し、それぞれの態様に応じた調製を
行なうことによって、それぞれ単独では250℃以下で
熱硬化しないが、2種以上を混合塗布することにより互
いに溶融混合されて250℃以下で熱硬化し、塗膜を形
成させることができる粉体塗料を調製することができ
る。
【0018】即ち、本発明においては、粉体塗料に含有
される樹脂同士が、溶融混合されることにより、250
℃以下で硬化反応を起こす態様と、樹脂と樹脂のみでは
溶融混合されても250℃以下では硬化反応を起こさな
いが、それぞれ硬化剤を併用することにより、溶融混合
されて250℃以下で硬化反応を起こす態様とがある。
【0019】以下にそれぞれの態様について説明する。
なお、以下の説明において用いる「樹脂」という用語
は、熱硬化反応に関与し得る官能基を1分子当たり2個
以上有する樹脂のことを指す。
【0020】(1)樹脂同士が硬化反応を起こす態様 この態様は、前記したように、粉体塗料に含有される樹
脂同士が、溶融混合されることにより、250℃以下で
硬化反応を起こし得る樹脂を使用する態様である。
【0021】この態様では、各粉体塗料に使用されてい
る樹脂と樹脂とが焼付け時に溶融し、均一に混合して初
めて、一方の樹脂が他方の樹脂の硬化剤としての役割を
発揮して硬化反応が生じるため、得られる塗膜は均一な
色相のものとなる。従って、一方の樹脂は、他方の樹脂
の硬化剤となり得るような機能を有する官能基をもつも
のとなるように、それぞれの樹脂が有する官能基の組み
合わせを選択する必要がある。
【0022】硬化反応を起こし得る官能基の組み合わせ
としては、例えば、カルボキシル基とグリシジル基、ア
ミノ基とグリシジル基、フェノール性水酸基とグリシジ
ル基等が挙げられる。
【0023】従って、それぞれの粉体塗料に使用する樹
脂は、それぞれの樹脂が有する官能基の組み合わせが前
記したような組み合わせとなるように、選択する必要が
ある。
【0024】従って、この態様に使用する粉体塗料を、
例えば、粉体塗料Aおよび粉体塗料Bと表示するとき、
粉体塗料Aに使用する樹脂と粉体塗料Bに使用する樹脂
の組み合わせ(粉体塗料Aに使用する樹脂/粉体塗料B
に使用する樹脂)としては、例えば、カルボキシル基を
有するアクリル樹脂/エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
/エポキシ樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂/エポキ
シ樹脂、ポリアミド樹脂/エポキシ樹脂、アミノ基を有
するアクリル樹脂/エポキシ樹脂、フェノール性水酸基
を有する樹脂/エポキシ樹脂、無水酸系樹脂/エポキシ
樹脂、アクリル樹脂/エポキシ樹脂、アミノポリアクリ
ルアミド樹脂/エポキシ樹脂、メラミン樹脂/エポキシ
樹脂、ポリエステルポリアミン樹脂/エポキシ樹脂、カ
ルボキシル基を有するアクリル樹脂/グリシジル基を有
するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂/グリシジル基を
有するアクリル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂/グ
リシジル基を有するアクリル樹脂、ポリアミド樹脂/グ
リシジル基を有するアクリル樹脂、アミノ基を有するア
クリル樹脂/グリシジル基を有するアクリル樹脂、フェ
ノール性水酸基を有する樹脂/グリシジル基を有するア
クリル樹脂、無水酸系樹脂/グリシジル基を有するアク
リル樹脂、カルボキシル基を有するアクリル樹脂/不飽
和結合を有する樹脂、ポリエステル樹脂/不飽和結合を
有する樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂/不飽和結合
を有する樹脂、ポリアミド樹脂/不飽和結合を有する樹
脂、アミノ基を有するアクリル樹脂/不飽和結合を有す
る樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂/不飽和結合
を有する樹脂、無水酸系樹脂/不飽和結合を有する樹
脂、カルボキシル基を有するアクリル樹脂/エポキシ樹
脂およびグリシジル基を有するアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂/エポキシ樹脂およびグリシジル基を有するア
クリル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂/エポキシ樹
脂およびグリシジル基を有するアクリル樹脂、ポリアミ
ド樹脂/エポキシ樹脂およびグリシジル基を有するアク
リル樹脂、アミノ基を有するアクリル樹脂/エポキシ樹
脂およびグリシジル基を有するアクリル樹脂、フェノー
ル性水酸基を有する樹脂/エポキシ樹脂およびグリシジ
ル基を有するアクリル樹脂、無水酸系樹脂/エポキシ樹
脂およびグリシジル基を有するアクリル樹脂、ポリアミ
ド樹脂/ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂/無水酸
系樹脂、ウレタン樹脂/アクリル樹脂、ウレタン樹脂/
ポリオール系樹脂、ウレタン樹脂/ポリアミド樹脂等が
挙げられる。
【0025】これらの中では、硬化膜強度を考慮すると
粉体塗料Aまたは粉体塗料Bのいずれか一方に使用する
樹脂はカルボキシル基を有するアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂、ポリアミド樹
脂、アミノ基を有するアクリル樹脂、フェノール性水酸
基を有する樹脂および無水酸系樹脂よりなる群から選ば
れた1種以上の樹脂であり、他方の樹脂は、エポキシ樹
脂、グリシジル基を有するアクリル樹脂および不飽和結
合を有する樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の樹脂
であることが好ましい。この場合、前記ポリエステルポ
リアミド樹脂およびポリアミド樹脂は、末端にアミノ基
またはカルボキシル基を有していることがより好まし
い。前記樹脂の製造方法には、特に限定がなく、常法に
より製造可能である。
【0026】なお、この態様においては、前記の組み合
わせで樹脂を使用する場合、硬化剤は特に必要とされな
いが、必要に応じて硬化剤を使用してもよい。この場
合、用いられる硬化剤としては、従来より知られている
各種の硬化剤が特に限定されることなく使用可能である
が、同一の粉体塗料に配合される樹脂と硬化剤の組み合
わせは単独では250℃以下で熱硬化しないように適宜
選択する必要がある。
【0027】すなわち、本発明において、粉体塗料A、
B中の樹脂をそれぞれ樹脂a、樹脂bと表示し、樹脂a
と反応するが樹脂bとは反応しない硬化剤を硬化剤
a’、樹脂bと反応するが樹脂aとは反応しない硬化剤
を硬化剤b’と表示した場合、粉体塗料中の樹脂と硬化
剤の組み合わせは、 粉体塗料A=樹脂a + 硬化剤b’ 粉体塗料B=樹脂b + 硬化剤a’ となるように樹脂と硬化剤を選択する必要がある。これ
は各粉体塗料に使用するそれぞれの樹脂に適した硬化剤
を他方の粉体塗料に添加する態様であるが、このよう
に、粉体塗料中に、同じ粉体塗料中の樹脂とは反応しな
い硬化剤を用いることにより、単独では250℃以下で
熱硬化しない粉体塗料を調製することができる。
【0028】また、硬化剤を使用する場合の別の態様と
して、次に示すように一方の粉体塗料にのみ硬化剤を使
用する態様であってもよい。 粉体塗料A=樹脂a 粉体塗料B=樹脂b + 硬化剤a’ この態様は、樹脂aと樹脂b、および樹脂aと硬化剤
a’のそれぞれの反応により硬化反応が進行する態様で
ある。
【0029】本発明において、互いに反応して250℃
以下で硬化反応を生じ得る樹脂と硬化剤の組み合わせ
(例えば、樹脂a〈硬化剤a’〉または樹脂b〈硬化剤
b’〉)としては、例えば、オルガノポリシロキサン
〈アミノキシシラン〉、オルガノポリシロキサン〈アル
コキシシラン化合物〉、シリコーンポリマー〈錫化合
物〉、ポリサルファイドポリマー〈二酸化鉛〉、ウレタ
ン樹脂〈アクリルオリゴマー〉、ウレタン樹脂〈ポリオ
ール化合物〉、ウレタンプレポリマー〈ポリオール化合
物〉、ポリエステル樹脂〈ポリエポキシ化合物〉、ポリ
エステル樹脂〈ポリ無水酸化合物〉、ポリエステル樹脂
〈ポリアミン化合物〉、ポリエステル樹脂〈メラミン化
合物〉、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂〈アル
コキシ化合物〉、カルボキシル基を有するポリエステル
樹脂〈トリグリシジルイソシアヌレート(以下、TGI
Cと略す。)〉、末端にアミノ基を有するポリエステル
樹脂〈TGIC〉、末端にアミノ基を有するポリエステ
ル樹脂〈変性メラミン化合物〉、フェノール性水酸基を
有するポリエステル樹脂〈TGIC〉、末端にフェノー
ル性以外の水酸基を有する不飽和ポリエステル樹脂〈メ
ラミン化合物〉、末端にフェノール性以外の水酸基を有
するポリエステル樹脂〈2,4,6−トリアミノピリジ
ン〉、エポキシ樹脂〈ポリアミン化合物〉、エポキシ樹
脂〈ポリ無水酸化合物〉、エポキシ樹脂〈ジアミン化合
物〉、エポキシ樹脂〈2,4,6−トリアミノピリジ
ン〉、エポキシ樹脂〈ポリカルボン酸化合物〉、グリシ
ジル基を有するアクリル樹脂〈2,4,6−トリアミノ
ピリジン〉、アミノ基を有するアクリル樹脂〈TGI
C〉、ポリアミド樹脂〈ポリカルボン酸化合物〉、末端
にアミノ基を有するポリアミド樹脂〈TGIC〉、ポリ
エステルポリアミド樹脂〈ポリカルボン酸化合物〉、ポ
リエステルポリアミド樹脂〈TGIC〉、ノボラック樹
脂〈TGIC〉、アルコキシ樹脂〈ポリオール化合物〉
等が挙げられる。ここで、ジアミン化合物としては、例
えば、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
【0030】従って、粉体塗料AおよびBにおける、樹
脂と硬化剤の組み合わせの具体例としては、例えば、表
1に示す組み合わせが挙げられるが、これに限定される
ものではない。
【0031】
【表1】
【0032】また、本発明において使用される硬化剤の
配合量は、通常の熱硬化反応に必要な程度の量であれば
よく、樹脂中に存在する官能基の量にもよるが、官能基
の当量比で0.8〜1.2の範囲が好ましい。
【0033】(2)樹脂と樹脂のみでは250℃以下で
は硬化反応を起こさない態様 この態様は、前記したように、樹脂と樹脂のみでは、溶
融混合されても250℃以下では硬化反応を起こさない
が、それぞれ硬化剤を併用することにより、溶融混合さ
れて250℃以下で硬化反応を起こす態様である。
【0034】従って、この態様に使用する粉体塗料をそ
れぞれ粉体塗料Cおよび粉体塗料Dと表示するとき、粉
体塗料Cに使用する樹脂と粉体塗料Dに使用する樹脂と
しては、これらを溶融混合しても250℃以下では硬化
反応を起こさない樹脂が選択される必要がある。
【0035】すなわち、この態様において、粉体塗料C
および粉体塗料Dに使用する樹脂をそれぞれ樹脂cおよ
び樹脂dと表示(ただし、樹脂cと樹脂dは、溶融混合
しても250℃以下では硬化反応を起こさない関係にあ
る)し、樹脂cと反応するが樹脂dとは反応しない硬化
剤を硬化剤c’、樹脂dと反応するが樹脂cとは反応し
ない硬化剤を硬化剤d’と表示した場合、粉体塗料中の
樹脂と硬化剤の組み合わせは、 粉体塗料C=樹脂c + 硬化剤d’ 粉体塗料D=樹脂d + 硬化剤c’ となるように樹脂と硬化剤を選択する必要がある。これ
は各粉体塗料に使用するそれぞれの樹脂に適した硬化剤
を他方の粉体塗料に添加する態様であるが、このよう
に、粉体塗料中に、同じ粉体塗料中の樹脂とは反応しな
い硬化剤を用いることにより、単独では250℃以下で
熱硬化しない粉体塗料を調製することができる。
【0036】粉体塗料CおよびDにおける、互いに反応
して250℃以下で硬化反応を生じ得る樹脂と硬化剤の
組み合わせは、前記に説明したような関係を有するもの
であれば、特に限定されない。
【0037】従って、粉体塗料CおよびDにおける、樹
脂と硬化剤の組み合わせの具体例としては、例えば、表
2に示す組み合わせが挙げられるが、これに限定される
ものではない。
【0038】
【表2】
【0039】なお、エポキシ樹脂とポリエステル樹脂の
組み合わせにおいては、ポリエステル樹脂が有する官能
基の種類によって、前記したように、樹脂同士で硬化反
応を起こし得る組み合わせの他に、表2に示すように、
硬化剤を併用することにより、硬化反応を起こし得る組
み合わせもある。
【0040】以上説明したように、本発明の粉体塗料に
は、樹脂に加えて、それぞれの態様に応じて適宜選択さ
れた硬化剤も使用可能であるが、必要に応じて、さらに
着色剤、各種添加剤等も使用することができる。
【0041】本発明において使用される着色剤は、従来
より知られている着色剤が特に限定されることなく使用
可能であり、粉体塗料の色調に合わせて適宜選択され
る。例えば、酸化チタン、カーミン6B、カーボンブラ
ック、銅フタロシアニン、アセト酢酸アリールアミド系
モノアゾ黄色顔料、ジスアゾエロー、ピグメントレッド
等が挙げられる。その使用量は樹脂100重量部に対し
て5〜60重量部程度が好ましい。
【0042】本発明において必要に応じて使用される添
加剤は、塗料組成物に用いられるものとして従来より知
られている添加剤が特に限定されることなく使用可能で
ある。例えば、アクリレート重合体等の流展剤、各種触
媒や有機系スズ化合物等の架橋促進剤、ベンゾイン等の
ピンホール防止剤等が挙げられる。これらの添加剤は、
それぞれ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部程
度使用するのが好ましい。
【0043】本発明の粉体塗料を調製するには、まず、
前記の各種成分を押出機等で溶融混練する。そして冷却
後、例えば、ハンマーミル、ジェット衝撃ミル等の粉砕
装置を用いて物理的粉砕を行い、ついで空気分級機、マ
イクロン・クラッシファイアー等の分級機を用いて分級
することにより所望の平均粒子径を有する粉体を得るこ
とができる。また、更に、粉体表面にシリカ、アルミ
ナ、チタニア、またはジルコニア等の流動性調整剤を添
加してもよい。
【0044】本発明の粉体塗料の平均粒子径は、凝集を
防ぎ、2種以上の粉体塗料を均一に混合するために1μ
m以上、好ましくは5μm以上であることが望ましく、
また得られる塗膜の膜厚が厚くなりすぎることを防ぐた
めに50μm以下、好ましくは30μm以下であること
が望ましい。ここで平均粒子径の測定は、コールターカ
ウンター法にて測定することができる。また、混合塗布
時に溶融して均一化するため20〜50μmのものでも
何ら問題はない。
【0045】本発明では、さらに前記のような粉体塗料
の2種以上を予め混合した粉体塗料組成物を提供する。
即ち、2種以上の色相の異なる粉体塗料を含有する粉体
塗料組成物であって、それぞれ単独では250℃以下で
熱硬化しないが、2種以上を混合塗布することにより熱
硬化し均一な色相の塗膜を形成する特性を有し、かつ熱
硬化反応に関与し得る官能基を1分子当たり2個以上有
する樹脂を含有する粉体塗料の2種以上からなる粉体塗
料組成物である。
【0046】粉体塗料組成物中の粉体塗料における樹脂
と樹脂の組み合わせにおいては、前記と同様な組み合わ
せの樹脂が配合される。中でも、一方の樹脂がカルボキ
シル基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エステルポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ基を
有するアクリル樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂
および無水酸系樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の
樹脂であり、他方の樹脂がエポキシ樹脂、グリシジル基
を有するアクリル樹脂および不飽和結合を有する樹脂よ
りなる群から選ばれた1種以上の樹脂であるものが好適
である。また、樹脂と共に硬化剤を用いる場合も前記し
た組み合わせが同様に適用される。
【0047】2種以上の粉体塗料を混合するに際して、
混合割合等は目的とする色相により適宜選択される。粉
体塗料を混合して粉体塗料組成物を調製する方法として
は、各粉体塗料をヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー等の高速攪拌機で乾式混合する方法等の、従来より知
られている方法が使用可能である。
【0048】本発明の粉体塗料は、それぞれ単独では2
50℃以下で熱硬化しないが、2種以上を混合塗布する
ことにより熱硬化するものである。即ち、焼付け硬化時
において、それぞれの粉体塗料が溶融し、十分に均一に
混合された後に熱硬化するため、均一な色相の塗膜を得
ることができる。また、本発明の粉体塗料組成物は、前
記のような性質を有する粉体塗料を2種以上含有するも
のであるため、焼付け硬化時において、粉体塗料組成物
が溶融し、均一な状態で熱硬化するため、均一な色相の
塗膜を得ることができる。
【0049】本発明の特徴は、各粉体塗料が単独では2
50℃以下で熱硬化しないように調整されたものである
ことにある。従来より知られているような粉体塗料は、
それ自体が250℃以下で熱硬化を起こすため、2種以
上の粉体塗料を混合して塗布すると、焼付け時にそれぞ
れの粉体塗料に使用されている樹脂が溶融とともに速や
かに硬化し、2種以上の粉体塗料が混合して均一な状態
になることがない。その結果、硬化後の状態は各粉体塗
料の粒子が明確に目視できるものとなり、得られる塗膜
は、均一な色相とはならない。
【0050】これに対し、硬化剤を必要としない本発明
の態様では、それぞれの粉体塗料に使用されている樹脂
が単独では250℃以下で熱硬化しないが、2種以上の
粉体塗料を混合して塗布することにより、各粉体塗料に
使用されている樹脂と樹脂とが焼付け時に溶融し、均一
に混合して初めて、一方の樹脂が他方の樹脂の硬化剤と
しての役割を発揮して硬化反応が生じるため、得られる
塗膜は均一な色相のものとなる。
【0051】一方、硬化剤を使用する態様では、同じ粉
体塗料中に配合される樹脂と硬化剤は互いに反応しない
ものが選択されている。そのため粉体塗料単独では、硬
化せず、2種以上の粉体塗料が焼付け時に溶融混合され
ることにより、互いに相手側の粉体塗料中の硬化剤の働
きで硬化反応が生じ、得られる塗膜は均一な色相のもの
となる。これは、使用した樹脂と反応する硬化剤は相手
側の粉体塗料中に配合されているため、同じ粉体塗料中
に配合されている従来技術とは異なり、硬化反応の開始
がその分遅延し、樹脂の均一に溶融混合された後に硬化
反応が生じるためと推定される。
【0052】本発明の粉体塗料および粉体塗装組成物
は、2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗布するこ
とにより均一な色相の塗膜を得る塗装方法に用いられ
る。
【0053】なお、本発明において、「混合塗布」とは
2種以上の粉体塗料を混合して塗布することを意味す
る。ここでいう塗布とは後述のような各種の方法により
被塗装物に塗装したのち100〜200℃で焼付け工程
を経て塗膜を形成させる一連の処理を指すものである。
本発明における粉体塗料組成物の「塗布」についても、
同様の意味である。
【0054】また、混合塗布に用いる粉体塗料の混合物
または粉体塗料組成物の硬化温度は、熱分解の危険性お
よび経済性の観点から、250℃未満、好ましくは23
0℃以下、さらに好ましくは200℃以下であることが
望ましい。
【0055】本発明において、硬化温度は、示差走査熱
量計(セイコー電子工業(株)製、DSC220)を使
用して、10℃/分で昇温した時に測定される発熱ピー
クトップの温度より算出することができる。
【0056】2種以上の粉体塗料を混合塗布する場合
は、2種以上の粉体塗料を予め混合したものを用いても
よく、または、電子ガン等を用いて、2種以上の粉体塗
料を塗装時に混合しながら塗装してもよい。ここで粉体
塗料を予め混合する方法としては、各粉体塗料をヘンシ
ェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機で乾式
混合する方法等の、従来より知られている方法が使用可
能である。
【0057】また、塗装の手段としては、特に限定され
ないが、例えば、静電スプレーを用いる塗装方法、流動
浸漬法、プラスチック溶射法、プロバック法等の塗装方
法があげられる。
【0058】以上説明したように、本発明では、焼付け
時に、熱により互いに溶融した結果、均一に混合されて
熱硬化するため均一な色相の塗膜を与えることができ
る。本発明ではこのような作用機構により均一な色相と
なるため、粉体塗料の粒径が20μmよりも大きいもの
であっても均一な色相となる。
【0059】また、本発明の粉体塗料または粉体塗料組
成物を用いて塗布することにより得られる塗膜および塗
装物は、均一な色相を有するものである。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はかかる実施例等よりなんら限定され
るものではない。
【0061】樹脂製造例1 エチレングリコール124g(2モル)、ネオペンチル
グリコール520g(5モル)、テレフタル酸830g
(5モル)および無水トリメリット酸1152g(6モ
ル)を温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ
ー、および窒素導入管を装備した3Lの四つ口フラスコ
に入れ、220℃に昇温して反応させた。
【0062】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が90℃に達したと
きに反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られた
樹脂の酸価は83.4KOHmg/gであった。酸価の
測定はJIS K0070に準拠し測定した。
【0063】また、数平均分子量(2800)と酸価よ
り算出した1分子当たりの官能基数は4.2個であっ
た。当該樹脂を結着樹脂Aとする。
【0064】なお、数平均分子量および1分子当たりの
官能基数は、以下の方法に従って求めた。
【0065】〔数平均分子量〕GPCを用いて測定す
る。具体的には、40℃の恒温槽中でカラム(東ソー
(株)社製、GMHXL+G3000HXL)を安定さ
せ、溶離液としてクロロホルムを1ml/分の流速で流
し、試料濃度を0.05〜0.5重量%に調整した試料
のクロロホルム溶液100μlを注入して測定を行う。
その測定データを元に数平均分子量を算出する。その算
出方法は数種類の単分散ポリスチレンを標準とする試料
より求められた検量線をもとに、ピークのリテンション
タイムより算出を行う。
【0066】〔官能基数〕酸価(KOHmg/g)より
求めた1グラム当たりの官能基のモル数と、数平均分子
量より求めた1グラム当たりのモル数より、1分子当た
りの官能基数を算出する。即ち、以下に示すように、式
(1)および式(2)より求めたAおよびBの値を用い
て、式(3)より、1分子当たりの官能基数を算出する
ことができる。
【0067】 A(mol/g)=酸価(KOHmg/g)/56100 (1) B(mol/g)=1/数平均分子量 (2) 官能基数=A/B (3)
【0068】樹脂製造例2 エチレングリコール124g(2モル)、ネオペンチル
グリコール520g(5モル)、テレフタル酸830g
(5モル)および無水トリメリット酸768g(4モ
ル)を温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ
ー、および窒素導入管を装備した3Lの四つ口フラスコ
に入れ、220℃に昇温して反応させた。
【0069】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が90℃に達したと
きに反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られた
樹脂の酸価は66.4KOHmg/gであった。酸価の
測定はJIS K0070に準拠し測定した。
【0070】また、数平均分子量(2700)と酸価よ
り算出した1分子当たりの官能基数は3.6個であっ
た。当該樹脂を結着樹脂Bとする。
【0071】樹脂製造例3 エチレングリコール124g(2モル)、ネオペンチル
グリコール520g(5モル)、イソフタル酸1743
g(9モル)および無水トリメリット酸576g(3モ
ル)を温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ
ー、および窒素導入管を装備した3Lの四つ口フラスコ
に入れ、220℃に昇温して反応させた。
【0072】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が100℃に達した
ときに反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られ
た樹脂の酸価は52.5KOHmg/gであった。酸価
の測定はJIS K0070に準拠し測定した。
【0073】また、数平均分子量(2570)と酸価よ
り算出した1分子当たりの官能基数は2.4個であっ
た。当該樹脂を結着樹脂Cとする。
【0074】樹脂製造例4 エチレングリコール155g(2.5モル)、ネオペン
チルグリコール624g(6モル)、トリメチロールプ
ロパン134g(1モル)およびテレフタル酸1660
g(10モル)を温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式
コンデンサー、および窒素導入管を装備した3Lの四つ
口フラスコに入れ、220℃に昇温して反応させた。
【0075】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が95℃に達したと
きに反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られた
樹脂の酸価は53.1KOHmg/gであった。酸価の
測定はJIS K0070に準拠し測定した。
【0076】また、数平均分子量(2770)と酸価よ
り算出した1分子当たりの官能基数は2.6個であっ
た。当該樹脂を結着樹脂Dとする。
【0077】樹脂製造例5 エチレングリコール124g(2モル)、ネオペンチル
グリコール520g(5モル)およびテレフタル酸16
60g(10モル)を温度計、ステンレス製攪拌棒、流
下式コンデンサー、および窒素導入管を装備した3Lの
四つ口フラスコに入れ、220℃に昇温して反応させ
た。
【0078】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が90℃に達したと
きに反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られた
樹脂の酸価は44.5KOHmg/gであった。酸価の
測定はJIS K0070に準拠し測定した。
【0079】また、数平均分子量(2020)と酸価よ
り算出した1分子当たりの官能基数は1.6個であっ
た。当該樹脂を結着樹脂Eとする。
【0080】樹脂製造例6 エチレングリコール124g(2モル)、ネオペンチル
グリコール520g(5モル)、テレフタル酸1494
g(9モル)および無水トリメリット酸192g(1モ
ル)を温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ
ー、および窒素導入管を装備した3Lの四つ口フラスコ
に入れ、220℃に昇温して反応させた。
【0081】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が90℃に達したと
きに反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られた
樹脂の酸価は43.6KOHmg/gであった。酸価の
測定はJIS K0070に準拠し測定した。
【0082】また、数平均分子量(2300)と酸価よ
り算出した1分子当たりの官能基数は1.8個であっ
た。当該樹脂を結着樹脂Fとする。
【0083】 粉体塗料の製造例1 エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート1003F) 100 重量部 銅フタロシアニン(山陽色素社製、シアニンブルーKRS) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径24μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(1)を得た。
【0084】なお、数平均分子量(1559)とエポキ
シ当量(768g/eq)より算出した、使用したエポ
キシ樹脂の1分子当たりの官能基数は、2.0個であっ
た。
【0085】 粉体塗料の製造例2 ポリエステル樹脂(結着樹脂A) 100 重量部 ジスアゾエロー (大日精化社製、ピグメントイエローECY−210 ) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径23μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(2)を得た。
【0086】 粉体塗料の製造例3 ポリエステル樹脂(結着樹脂B) 100 重量部 ジスアゾエロー (大日精化社製、ピグメントイエローECY−210 ) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径26μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(3)を得た。
【0087】 粉体塗料の製造例4 ポリエステル樹脂(結着樹脂C) 100 重量部 ジスアゾエロー (大日精化社製、ピグメントイエローECY−210 ) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径27μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(4)を得た。
【0088】 粉体塗料の製造例5 ポリエステル樹脂(結着樹脂D) 100 重量部 ジスアゾエロー (大日精化社製、ピグメントイエローECY−210 ) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径25μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(5)を得た。
【0089】 粉体塗料の製造例6 ポリエステル樹脂(結着樹脂E) 100 重量部 ジスアゾエロー (大日精化社製、ピグメントイエローECY−210 ) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径22μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(6)を得た。
【0090】 粉体塗料の製造例7 ポリエステル樹脂(結着樹脂F) 100 重量部 ジスアゾエロー (大日精化社製、ピグメントイエローECY−210 ) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径28μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(7)を得た。
【0091】 粉体塗料の製造例8 エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート1055) 100 重量部 銅フタロシアニン(山陽色素社製、シアニンブルーKRS) 8 重量部 流展剤(モンサント社製、モダフローパウダー2000) 1 重量部 上記組成物を、スーパーミキサーにて良く混合した後、
ブスーコニーダーを使用して混練し、冷却したのちPJ
M粉砕機(日本ニューマチック社製)を使用して粉砕
し、平均粒径26μmの粉体を得た。この粉体100重
量部に、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR9
72)0.3重量部をヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、粉体塗料(8)を得た。
【0092】なお、数平均分子量(1607)とエポキ
シ当量(872g/eq)より算出した、使用したエポ
キシ樹脂の1分子当たりの官能基数は、1.8個であっ
た。
【0093】実施例1 粉体塗料(1)50重量部および粉体塗料(2)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0094】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
以下に示す方法に従って測定した。その結果、鉛筆強度
は2H、耐溶剤性は0μmであった。
【0095】〔鉛筆強度〕JIS K5400 8.4
に準拠した方法に従って測定する。
【0096】〔耐溶剤性〕ティッシュペーパーにアセト
ンを塗布し、塗膜を10往復こする。試験前後の塗膜の
厚さをJIS K5400 3.5に準拠した方法に従
って測定し、その厚さの差を耐溶剤性として評価する。
【0097】実施例2 粉体塗料(1)50重量部および粉体塗料(3)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0098】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度は2
H、耐溶剤性は0μmであった。
【0099】実施例3 粉体塗料(1)50重量部および粉体塗料(4)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0100】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度はH、
耐溶剤性は−1μmであった。
【0101】実施例4 粉体塗料(1)50重量部および粉体塗料(5)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0102】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度はH、
耐溶剤性は−1μmであった。
【0103】比較例1 粉体塗料(1)50重量部および粉体塗料(6)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0104】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度はB、
耐溶剤性は−17μmであった。
【0105】比較例2 粉体塗料(1)50重量部および粉体塗料(7)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0106】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度はB、
耐溶剤性は−10μmであった。
【0107】比較例3 粉体塗料(8)50重量部および粉体塗料(2)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0108】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度はH
B、耐溶剤性は−7μmであった。
【0109】比較例4 粉体塗料(7)50重量部および粉体塗料(8)50重
量部を、ヘンシェルミキサーを使用して混合した。得ら
れた混合物を、脱脂したスチール板に静電スプレーにて
塗装した後、180℃で20分間焼付けて塗膜を得たと
ころ、得られた塗膜は均一な緑色であった。
【0110】得られた塗膜の鉛筆強度および耐溶剤性を
実施例1と同様にして測定したところ、鉛筆強度は2
B、耐溶剤性は−30μmであった。
【0111】以上の結果が示すように、実施例1〜4
は、熱硬化反応に関与し得る官能基を1分子当たり2個
以上有する樹脂を含有した粉体塗料を用いているため、
比較例1〜4と対比して、鉛筆強度および耐溶剤性に優
れた塗膜が得られることが分かる。また、比較例4で
は、使用した粉体塗料に含有される樹脂の熱硬化反応に
関与し得る官能基数がいずれも2個未満であるため、鉛
筆強度および耐溶剤性に特に劣っていることがわかる。
【0112】
【発明の効果】本発明により、均一な色相を有し、かつ
塗膜強度に優れた塗膜を得ることが可能となった。その
ため、色調の異なる数種の色調の粉体塗料を用意するこ
とで、あらゆる色調の塗膜を形成することができ、従来
のように、数多くの色調の粉体塗料を品揃えする必要が
なくなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 167/02 C09D 167/02 177/00 177/00 177/12 177/12 // B05D 5/06 B05D 5/06 G (72)発明者 東城 武彦 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606番地 花王株 式会社栃木研究所内 (72)発明者 丸田 将幸 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合
    塗布することにより均一な色相の塗膜を得る塗装方法に
    使用される粉体塗料であって、単独では250℃以下で
    熱硬化しないが、他種の粉体塗料と混合塗布することに
    より250℃以下で熱硬化する特性を有し、かつ熱硬化
    反応に関与し得る官能基を1分子当たり2個以上有する
    樹脂を含有することを特徴とする粉体塗料。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有するアクリル樹脂、
    ポリエステル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂、ポリ
    アミド樹脂、アミノ基を有するアクリル樹脂、フェノー
    ル性水酸基を有する樹脂および無水酸系樹脂よりなる群
    から選ばれた1種以上の樹脂を含有する粉体塗料と共に
    混合塗布される粉体塗料であって、該粉体塗料がエポキ
    シ樹脂、グリシジル基を有するアクリル樹脂および不飽
    和結合を有する樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の
    樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の粉体塗
    料。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂、グリシジル基を有するア
    クリル樹脂および不飽和結合を有する樹脂よりなる群か
    ら選ばれた1種以上の樹脂を含有する粉体塗料と共に混
    合塗布される粉体塗料であって、該粉体塗料がカルボキ
    シル基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
    エステルポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ基を
    有するアクリル樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂
    および無水酸系樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の
    樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の粉体塗
    料。
  4. 【請求項4】 2種以上の色相の異なる粉体塗料を含有
    する粉体塗料組成物であって、それぞれ単独では250
    ℃以下で熱硬化しないが、2種以上を混合塗布すること
    により熱硬化し均一な色相の塗膜を形成する特性を有
    し、かつ熱硬化反応に関与し得る官能基を1分子当たり
    2個以上有する樹脂を含有する粉体塗料の2種以上から
    なることを特徴とする粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】 2種の色相の異なる粉体塗料の樹脂にお
    いて、一方の樹脂がカルボキシル基を有するアクリル樹
    脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂、
    ポリアミド樹脂、アミノ基を有するアクリル樹脂、フェ
    ノール性水酸基を有する樹脂および無水酸系樹脂よりな
    る群から選ばれた1種以上の樹脂であり、他方の樹脂が
    エポキシ樹脂、グリシジル基を有するアクリル樹脂およ
    び不飽和結合を有する樹脂よりなる群から選ばれた1種
    以上の樹脂である請求項4記載の粉体塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれか記載の粉体塗料を
    2種以上混合塗布することにより均一な色相の塗膜を与
    えることを特徴とする塗装方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5記載の粉体塗料組成物
    を用いて塗布することにより均一な色相の塗膜を与える
    ことを特徴とする塗装方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の塗装方法により
    塗布して得られる均一な色相の塗膜または塗装物。
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