JPH11116704A - 吸音フィルム及びそれよりなる吸音積層体 - Google Patents

吸音フィルム及びそれよりなる吸音積層体

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JPH11116704A
JPH11116704A JP28675697A JP28675697A JPH11116704A JP H11116704 A JPH11116704 A JP H11116704A JP 28675697 A JP28675697 A JP 28675697A JP 28675697 A JP28675697 A JP 28675697A JP H11116704 A JPH11116704 A JP H11116704A
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JP
Japan
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sound absorbing
sound
polymer material
absorbing film
loss tangent
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JP28675697A
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Katsuro Mori
勝朗 森
Yoshihiro Moridera
祥浩 森寺
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて吸音効果優れる吸音フィルム及びそれ
よりなる吸音積層体を提供する。 【解決手段】23℃での線形粘弾性測定における引張り
貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が
0.50以上である高分子材料よりなり、その厚さが2
00μm未満であることを特徴とする吸音フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸音フィルム及びそ
れよりなる吸音積層体に関するものであり、特に吸音す
ることが困難である500Hz以下の低周波数領域にお
いて、効果的な吸音性能を有する吸音フィルム及びそれ
よりなる吸音積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、吸音材は騒音を低減するため
に、家屋、鉄道車両、航空機、車両等の様々な部位に使
用されており、非常に高いニーズがある。吸音材として
は、これらの使用部位でスペース等の制限を受けるため
スペースをとらないことが重要である。特に車両等に用
いる吸音材は重量やスペース等に多大な制約条件が加味
されることとなるので、より軽くしかもスペースをとら
ない吸音材であることが要求される。
【0003】そして、従来、吸音材としてはフェルト等
の天然繊維で構成される不織布を吸音の必要な部位に設
置することにより使用されてきた。そして、このような
吸音材は充分な吸音性能を確保するために使用量を増加
させていた。しかしながら、この手法による吸音材は、
使用量の増加に伴う重量増の弊害の割に吸音性能を向上
させることができず、効率が悪いものとなっていた。
【0004】さらに、従来の吸音材では、500Hz以
下の低周波数の吸音を効果的に行うことができないた
め、多量の吸音材を使用しなければならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の吸音材では吸音させることが困難な500Hz以下
の領域において効果的な吸音性能を有する吸音フィルム
及びそれよりなる吸音積層体の提供を目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述のよう
な現状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の高分子材料よ
りなり、特定の厚さを有する吸音フィルムが吸音性に優
れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、23℃での線形粘弾性測
定における引張り貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下
及び損失正接が0.50以上である高分子材料よりな
り、その厚さが200μm未満であることを特徴とする
フィルム及びそれよりなる吸音積層体に関するものであ
る。
【0008】以下に、本発明に関して詳細に説明する。
【0009】本発明の吸音フィルムはその厚さが200
μm未満のものである。該厚さが200μm以上である
場合、吸音フィルムの吸音効果が十分に発現しない場合
が生じる。そして、150μm未満の厚さであることが
好ましい。
【0010】本発明の吸音フィルムは、23℃での線形
粘弾性測定における引張り貯蔵弾性率が2.0×107
Pa以下及び損失正接が0.50以上である高分子材料
よりなる。ここで、引張り貯蔵弾性率が2.0×107
Paを越える高分子材料又は損失正接が0.50未満で
ある高分子材料よりなる場合、吸音フィルムの吸音効果
が発現し難く好ましくない。
【0011】本発明でいう引張り貯蔵弾性率及び損失正
接は、測定温度23℃での線形粘弾性測定によるもので
あり、その測定方法としては任意であるが、例えば非共
振型強制振動法に基づく測定装置である粘弾性測定アナ
ライザーRSAII(レオメトリックス・ファーイース
ト社製)を用いて、測定周波数10Hz、測定モード;
引張り、により測定することができる。
【0012】本発明の吸音フィルムを構成する高分子材
料は、23℃での線形粘弾性測定における引張り貯蔵弾
性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が0.50
以上である高分子材料であれば特に制限はなく、いかな
るものを用いることができ、ここでは例えばゴム、熱可
塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂も高分
子材料の範疇である。
【0013】そして、ゴムとしては、例えばブタジエン
ゴム、スチレンブタジエンゴム、水添スチレンブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン
ゴム、水添アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリル
ゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコー
ンゴム、フッ素ゴム、クロロプレン、塩素化ポリエチレ
ンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルフォン化
ポリエチレンゴム、ウレタンゴム、ポリノルボルネンゴ
ム、天然ゴム等又はそれらの混合物が挙げられる。ま
た、これらゴムをパラフィンオイル、シリコンオイル、
可塑剤等の液状成分で油展したものでも構わない。
【0014】熱可塑性エラストマーとしては、例えばス
チレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー、水添スチ
レン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー、スチレン−
イソプレン系熱可塑性エラストマー、水添スチレン−イ
ソプレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑
性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、
ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性
エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素
系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラスト
マー等又はこれらの混合物が挙げられる。また、これら
をパラフィンオイル、シリコンオイル、可塑剤等の液状
成分で油展したものでも構わない。
【0015】熱可塑性樹脂としては、例えばフッ素樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル系樹脂、ポリプロ
ピレン,ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体
等のポリオレフィン、軟質塩ビ等又はこれらの混合物が
挙げられる。また、これらをパラフィンオイル、シリコ
ンオイル、可塑剤等の液状成分で油展したものでも構わ
ない。
【0016】そして、本発明の吸音フィルムとしては、
可塑剤の種類、配合量等をコントロールすることによ
り、引張り貯蔵弾性率、損失正接を所望の温度範囲で制
御することが可能となり、優れた吸音性能を有する吸音
フィルムが得られることから塩化ビニル系重合体(以
下、PVCと言う。)及び可塑剤からなる樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0017】ここで、PVCとは、塩化ビニル含有重合
体であり、例えば塩化ビニル単独重合体、塩素化塩化ビ
ニル重合体、塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体の
1種以上と塩化ビニル単量体とのランダム共重合,グラ
フト共重合もしくはブロック共重合して得られる塩化ビ
ニル共重合体またはこれら重合体の2種以上の混合物を
挙げることができる。
【0018】塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体と
しては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン−1、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、
アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデ
ン、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル
類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メト
キシスチレン等のアリールエーテル類;ジメチルマレイ
ン酸等のジアルキルマレイン酸類;フマル酸ジメチルエ
ステル等のフマル酸エステル類;N−ビニルピロリド
ン、ビニルピリジン、ビニルシラン類、アクリル酸ブチ
ルエステル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタク
リル酸メチルエステル等のメタクリル酸アルキルエステ
ル類等を挙げることができる。
【0019】PVCの重合度は、特に制限はなくいかな
るものも用いることができるが、吸音フィルムを製造す
る際の成形加工性に優れることから重合度300以上4
000以下のものが好適に用いられる。
【0020】そして、該PVCとしては、製造する際に
可塑剤を容易に含浸させることが可能となることから懸
濁重合法により得られたものであることが好ましい。
【0021】また、可塑剤としては、例えばフタル酸ジ
−n−ブチル(以下、DBPと言う。)、フタル酸ジ−
ヘプチル(以下、DHPと言う)、フタル酸ジ−2−エ
チルヘキシル(以下、DOPと言う)、フタル酸ジ−n
−オクチル、フタル酸ジ−イソノニル、フタル酸ジ−イ
ソデシル、フタル酸ジ−イソオクチル、フタル酸オクチ
ルデシル、フタル酸ブチルベンジル(以下、BBPと言
う。)、フタル酸エチルベンジル、フタル酸ブチルヘキ
サヒドロベンジル、フタル酸ジ−メチルシクロヘキシル
(以下、DMCHPと言う)、フタル酸ジ−シクロヘキ
シル(以下、DCHPと言う)、イソフタル酸ジ−2−
エチルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジ−
2−エチルヘキシル(以下、DOAと言う)、アジピン
酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン
酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの
脂肪族エステル系可塑剤;トリメリット酸トリオクチ
ル、トリメリット酸トリデシル等のトリメリット酸系可
塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキ
シル、リン酸2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸ト
リクレジル、リン酸トリ−キシレニル(以下、TXPと
言う。)等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ系大豆
油等のエポキシ系可塑剤が挙げられ、さらに、ポリエス
テル系可塑剤として、例えばアジピン酸ポリエステル、
フタル酸ポリエステル等のジカルボン酸と短鎖ポリオー
ルを縮合重合したポリエステル系可塑剤を挙げることが
できる。ここで、ジカルボン酸としては、例えばコハク
酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸等が挙げられ、これらの1種または
2種以上が使用される。一方、短鎖ポリオールとして
は、脂肪族,脂環式,芳香族,置換脂肪族複素環式のジ
ヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物、テトラヒド
ロキシ化合物等であり、例えば1,2−エタンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ブテンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメ
チレンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチ
ル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キ
シレンジオール、ジヒドロキシエチルテトラハイドロフ
タレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−
メチルプロパン−1,2,3−トリオール、1,2,6
−ヘキサントリオール等が挙げられ、これらの1種また
は2種以上が使用される。
【0022】そして、特に損失正接が高い高分子材料と
なることから、吸音性能に優れるフィルムを得ることが
できるため、下記一般式(1)、(2)、(3)で表さ
れる化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上
の可塑剤を使用することが好ましい。
【0023】
【化4】
【0024】(式中、R1、R2は炭素数3〜15の単環
式炭化水素であり、同一でも異なっていても良い。)
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R3は炭素数3〜15の単環式炭
化水素であり、R4は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R5、R6、R7は芳香族単環式炭
化水素であり、同一でも異なっていても良い。) ここで、上記一般式(1)で示される化合物としては、
例えばDMCHP、DCHP等が挙げられ、一般式
(2)で示される化合物としては、例えばBBP、フタ
ル酸エチルベンジル、フタル酸ブチルヘキサヒドロベン
ジル等が挙げられ、一般式(3)で示される化合物とし
ては、リン酸トリクレジル、TXP等が挙げられる。
【0029】そして、PVC及び可塑剤よりなる高分子
材料を用いる場合、引張り貯蔵弾性率が低くなり、優れ
た触感及び加工性を有することからPVC100重量部
に対し、可塑剤1〜300重量部、特に1〜200重量
部であることが好ましい。
【0030】更に、本発明の吸音フィルムは、永久伸び
が小さく、こしが有り施工性に優れることからゴムを複
合化してなる高分子材料よりなることが好ましく、その
ようなゴムとしては前述したものが挙げられ、その中で
も特に、損失正接の設計の自由度が大きく、柔軟でべた
付きの少ない吸音フィルムが得られることから架橋性ポ
リウレタン(以下、PUと言う。)を用いた高分子材料
よりなることが好ましい。
【0031】そして、更に、より柔軟で、施工性、吸音
性能に優れる吸音フィルムが得られることから、PV
C、ポリマーポリオール、イソシアネート基を3個以上
有する化合物、可塑剤を剪断力下、加熱溶融混合しなが
らウレタン反応せしめて得られる貯蔵弾性率の低いPU
を含むPVC−PU複合体よりなることが好ましい。
【0032】ここで、本発明の吸音フィルムをPVCよ
り構成する場合、PVCには、本発明の目的を逸脱しな
いかぎりにおいて、PVCに通常添加される安定剤(例
えば、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸、ラウリン酸
錫等の有機錫系安定剤、テトラフェニルポリプロピレン
グリコールジフォスファイト等のフォスファイト系安定
剤、過塩素酸処理ハイドロタルサイト等のハイドロタル
サイト系安定剤が挙げられる。)、滑剤(例えば、n−
ブチルステアレート等の脂肪酸エステル系ワックス;炭
化水素系ワックス、ステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸亜鉛等の金属石鹸等が挙げられる。)、アクリル
系加工助剤(例えば、メチルメタクリレート−ブチルア
クリレート共重合体等のメチルメタクリレート−アルキ
ルアクリレート共重合体が挙げられる。)、着色剤など
を必要に応じて添加することができる。
【0033】さらに、本発明の吸音フィルムは、より吸
音性能を向上させるために石油樹脂、水添石油樹脂、ク
マロン樹脂、ケトン樹脂、低分子量ポリスチレン、マレ
イン酸樹脂、ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、テルペン樹
脂、キシレン樹脂等を添加し、損失正接を向上させた高
分子材料を用いることが好ましく、これら樹脂の添加量
は上記に例示したゴム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラス
トマー、熱硬化性樹脂等の高分子材料100重量部に対
し、5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部
用いることが好ましい。
【0034】本発明の吸音フィルムの製造方法として
は、本発明の吸音フィルムが得られるのであればいかな
る方法を用いてもよく、例えばバンバリーミキサー(フ
ァレル社製)、加圧ニーダー((株)森山製作所製)、
インターナルミキサー(栗本鉄工所製)、インテンシブ
ミキサー(日本ロール製造(株)製)等の機械加圧式混
練機、ロール混練機、押出し成形機、カレンダー成形
機、圧縮成形機等のプラスチックまたはゴムの加工に使
用される成形機を単独又は組み合わせて用いる方法が挙
げられる。また、ペーストPVCを用いてオーブン、コ
ーター等の加熱炉により製造しても良い。
【0035】また、本発明の第2の発明は、本発明の2
3℃での線形粘弾性測定における引張り貯蔵弾性率が
2.0×107Pa以下及び損失正接が0.50以上で
ある高分子材料よりなる厚さが200μm未満の吸音フ
ィルム及び少なくとも1層以上の他の材料とを積層する
吸音積層体に関するものである。
【0036】ここで、吸音積層体を構成する層として
は、例えば天然繊維、合成繊維、ガラス繊維等からなる
フェルト、不織布、織布、繊維集合体、発泡体等の吸音
材が挙げられ、これら吸音材と積層することにより、よ
り吸音効果の向上が図られる。そして、天然繊維として
は例えば絹、木綿、麻等が挙げられ、合成繊維として
は、例えばナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリアセ
テート、ポリエチレン、ポリプロピレン、線状ポリエス
テル、ポリアミド、レーヨン、テンセル、キチン、コラ
ーゲン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、
PVC、ポリウレタン、ポリアルキルパラオキシベンゾ
エート、フッ素樹脂等からなる繊維が挙げられ、発泡体
としては、例えばPVC、ポリウレタン、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン等を用いたものが挙げられる。
【0037】さらに、吸音積層体を構成する層として
は、例えば合成樹脂板、厚紙、ゴム板、木版、アルミニ
ウム板、鉄板、ロックウール化粧吸音板、グラスウー
ル、ロックウール、吹き付けロックウール、木毛セメン
ト板、木片セメント板、穴あき板、セラミック吸音材等
を挙げることが出来る。
【0038】本発明の23℃での線形粘弾性測定におけ
る引張り貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失
正接が0.50以上である高分子材料よりなり、その厚
さ200μmが未満である吸音フィルムを含んでなる吸
音積層体を構成する層は、その構成、順序には特に制限
は無く、騒音・振動対策ハンドブック(技報堂出版株式
会社出版)に記載されている様々な積層体の所望のとこ
ろに本発明による吸音フィルムを挿入して使用すること
ができる。例えば鉄版+吸音フィルム+ポリウレタン発
泡体+吸音フィルム+鉄板の構成、鉄版+ポリウレタン
発泡体+吸音フィルム+ポリウレタン発泡体+鉄板等の
構成、順序が挙げられる。
【0039】本発明の23℃での線形粘弾性測定におけ
る引張り貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失
正接が0.50以上である高分子材料よりなり、その厚
さ200μmが未満である吸音フィルムを含んでなる吸
音積層体を製造するには、本発明の吸音フィルムと本発
明の積層体を構成する他の層とをいかなる方法で積層し
ても構わず、例えば、釘類、木ねじ等のねじ類、ホッチ
キス類、ボルト類、ナット類、接着剤、粘着剤、ホット
メルト、テープ類等を使用して貼り合わせる方法を挙げ
ることができる。また、支障がなければ他の層によりは
さむだけでも良い。
【0040】本発明による吸音フィルム及びそれよりな
る吸音積層体は、会議室や放送スタジオ、ピアノ室、O
A機器或いは機械等の設置部屋、家屋、鉄道車両、自動
車、航空機及びヘリコプター等の内装、外装等様々な部
品、カーテンウォールに使用することが出来る。
【0041】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0042】実施例及び比較例で用いた樹脂及び得られ
た吸音フィルムを以下に示す方法により評価した。
【0043】〜引張り貯蔵弾性率及び損失正接〜 非共振型強制振動法に基づく測定装置である粘弾性測定
アナライザーRSAII(レオメトリックス・ファーイ
ースト社製)を用いて、測定周波数10Hz、測定モー
ド;引張り、により23℃における引張り貯蔵弾性率、
損失正接を測定した。尚、測定は全て線形領域で行っ
た。
【0044】〜垂直入射吸音率〜 JIS A 1405の管内法による建築材料の垂直入
射吸音率測定法に従い測定を行った。周波数領域は10
0〜4000Hzで測定した。
【0045】実施例1 懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合
体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100
重量部、安定剤としてステアリン酸バリウム2重量部、
過塩素酸処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学
(株)製、商品名BP−331)1.5重量部、可塑剤
としてDMCHP(ヘンケルジャパン(株)製、商品名
EDENOL344)60重量部、BBP((株)大八
化学工業所製、商品名BBP)50重量部を表面温度1
30℃の8インチ二本ロール(関西ロール製)で混練
し、厚さ100μmのフィルム及び厚さ1mmのシート
を得た。
【0046】得られたシートをプレス成形し、短冊状試
験片切り出し、引張り貯蔵弾性率、損失正接の測定を行
い、23℃における引張り貯蔵弾性率、損失正接を求め
た。結果を表1に示す。
【0047】また、100μmのフィルムを用いて垂直
入射吸音率を測定し、300Hz以下の周波数領域での
最大垂直入射吸音率を求めた。結果を表1に示す。
【0048】実施例2 懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合
体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100
重量部、安定剤としてステアリン酸バリウム2重量部、
過塩素酸処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学
(株)製、商品名BP−331)1.5重量部、可塑剤
としてDMCHP(ヘンケルジャパン(株)製、商品名
EDENOL344)40重量部、BBP((株)大八
化学工業所製、商品名BBP)20重量部、DCHP
(大阪有機化学(株)製、商品名DCHP)40重量
部、TXP((株)大八化学工業所製、商品名TXP)
20重量部、水添ロジンエステル(荒川化学工業(株)
製、商品名KE−100)25重量部を表面温度130
℃の8インチ二本ロール(関西ロール製)で混練し、厚
さ100μmのフィルム及び厚さ1mmのシートを得
た。
【0049】得られたシートをプレス成形し、短冊状試
験片切り出し、引張り貯蔵弾性率、損失正接の測定を行
い、23℃における引張り貯蔵弾性率、損失正接を求め
た。結果を表1に示す。
【0050】また、100μmのフィルムを用いて垂直
入射吸音率を測定し、300Hz以下の周波数領域での
最大垂直入射吸音率を求めた。結果を表1に示す。
【0051】実施例3 内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法
により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩
ビ(株)製、商品名TE2800)100重量部、ステ
アリン酸亜鉛(以下、ステアリン酸Znと言う)1.5
重量部、マイクロワックス(日本精蝋(株)製、商品名
LUVAX2191)2重量部、安定剤としてステアリ
ン酸バリウム2重量部、過塩素酸処理ハイドロタルサイ
ト(日産フェロ有機化学(株)製、商品名BP−33
1)1.5重量部を仕込み950rpmの回転速度で1
分間撹拌した。またこれとは別にDOP70重量部とジ
ブチル錫ジラウレート(ウレタン化反応触媒)0.03
5重量部を1分間混合したものを準備した。これを上記
ヘンシェルミキサーに加え混合物の温度が110℃をに
なるまで撹拌混合を行った。内容物は全量で4000g
であった。混合物は容易に流動し得る粉体状混合物とな
った。
【0052】得られた粉体177.035重量部を容積
1700cc、設定温度110℃のバンバリー型ミキサ
ーに仕込み一定回転速度で撹拌した。またこれとは別
に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネー
トHX)34重量部、80℃に加熱したポリマーポリオ
ール((株)クラレ製、商品名クラレポリオールP−5
20、数平均分子量500)70重量部、ポリマーポリ
オール((株)クラレ製、商品名クラレポリオールP−
2011、数平均分子量2000)55重量部を入れ1
分間混合したものを準備しバンバリー型ミキサー投入口
より流し入れた。内容物は全量で1540gであった。
剪断力下、加熱溶融混合を行い、溶融混合物の温度が1
75℃に到達したところで排出した。
【0053】排出された固まりを表面温度130℃の8
インチ二本ロール(関西ロール製)で混練し、厚さ10
0μmのフィルム及び厚さ1mmのシートを得た。
【0054】得られたシートをプレス成形し、短冊状試
験片切り出し、引張り貯蔵弾性率、損失正接の測定を行
い、23℃における引張り貯蔵弾性率、損失正接を求め
た。結果を表1に示す。
【0055】また、100μmのフィルムを用いて垂直
入射吸音率を測定し、300Hz以下の周波数領域での
最大垂直入射吸音率を求めた。結果を表1に示す。
【0056】比較例1 400μmのフィルムを得た以外は、実施例3と同様に
フィルムの製造、評価を行った。
【0057】比較例2 懸濁重合法により得られたエチレン−塩化ビニル共重合
体(大洋塩ビ(株)製、商品名TE−2800)100
重量部、安定剤としてステアリン酸バリウム2重量部、
過塩素酸処理ハイドロタルサイト(日産フェロ有機化学
(株)製、商品名BP−331)1.5重量部、可塑剤
としてDOP50重量部を表面温度150℃の8インチ
二本ロール(関西ロール製)で混練し、厚さ100μm
のフィルム及び厚さ1mmのシートを得た。
【0058】得られたシートをプレス成形し、短冊状試
験片切り出し、引張り貯蔵弾性率、損失正接の測定を行
い、23℃における引張り貯蔵弾性率、損失正接を求め
た。結果を表1に示す。
【0059】また、100μmのフィルムを用いて垂直
入射吸音率を測定し、300Hz以下の周波数領域での
最大垂直入射吸音率を求めた。結果を表1に示す。
【0060】比較例3 内容積20リットルのヘンシェルミキサーに懸濁重合法
により得られたエチレン−塩化ビニル共重合体(大洋塩
ビ(株)製、商品名TE2800)100重量部、ステ
アリン酸マグネシウム(以下、ステアリン酸Mgと言
う。)1重量部、マイクロワックス(日本精蝋(株)
製、商品名LUVAX2191)5重量部、安定剤とし
てステアリン酸バリウム2重量部、過塩素酸処理ハイド
ロタルサイト(日産フェロ有機化学(株)製、商品名B
P−331)1.5重量部を仕込み950rpmの回転
速度で1分間撹拌した。またこれとは別にポリマーポリ
オール(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン
4067、数平均分子量2000)50重量部、DOP
100重量部とジブチル錫ジラウレート(ウレタン化反
応触媒)0.15重量部を1分間混合したものを準備し
た。これを上記ヘンシェルミキサーに加え混合物の温度
が110℃をになるまで撹拌混合を行った。内容物は全
量で4000gであった。混合物は容易に流動し得る粉
体状混合物となった。
【0061】得られた粉体257.65重量部を容積1
700cc、設定温度110℃のバンバリー型ミキサー
に仕込み一定回転速度で撹拌した。またこれとは別に、
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変
性体(日本ポリウレタン(株)製商品名コロネートH
X)34重量部、80℃に加熱したポリマーポリオール
(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン406
7、数平均分子量2000)216重量部(NCO/O
Hモル比=0.65)を入れ1分間混合したものを準備
しバンバリー型ミキサー投入口より流し入れた。内容物
は全量で1540gであった。剪断力下、加熱溶融混合
を行い、溶融混合物の温度が175℃に到達したところ
で排出した。
【0062】排出された固まりを表面温度130℃の8
インチ二本ロール(関西ロール製)で混練し、厚さ10
0μmのフィルム及び厚さ1mmのシートを得た。
【0063】得られたシートをプレス成形し、短冊状試
験片切り出し、引張り貯蔵弾性率、損失正接の測定を行
い、23℃における引張り貯蔵弾性率、損失正接を求め
た。結果を表1に示す。
【0064】また、100μmのフィルムを用いて垂直
入射吸音率を測定し、300Hz以下の周波数領域での
最大垂直入射吸音率を求めた。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の吸音フィルム及びそれよりなる
吸音積層体は、極めて吸音効果に優れたものであり、そ
の工業的価値は極めて高いものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】23℃での線形粘弾性測定における引張り
    貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が
    0.50以上である高分子材料よりなり、その厚さが2
    00μm未満であることを特徴とする吸音フィルム。
  2. 【請求項2】23℃での線形粘弾性測定における引張り
    貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が
    0.50以上である高分子材料が塩化ビニル系重合体及
    び可塑剤よりなることを特徴とする請求項1に記載の吸
    音フィルム。
  3. 【請求項3】23℃での線形粘弾性測定における引張り
    貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が
    0.50以上である高分子材料が、可塑剤として、下記
    一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物から
    なる群から選ばれる少なくとも1種以上の可塑剤を用い
    た高分子材料であることを特徴とする請求項1又は2の
    いずれかに記載の吸音フィルム。 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数3〜15の単環式炭化水素で
    あり、同一でも異なっていても良い。) 【化2】 (式中、R3は炭素数3〜15の単環式炭化水素であ
    り、R4は炭素数1〜6のアルキル基である。) 【化3】 (式中、R5、R6、R7は芳香族単環式炭化水素であ
    り、同一でも異なっていても良い。)
  4. 【請求項4】23℃での線形粘弾性測定における引張り
    貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が
    0.50以上である高分子材料が、架橋性ポリウレタン
    を含む高分子材料であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の吸音フィルム。
  5. 【請求項5】23℃での線形粘弾性測定における引張り
    貯蔵弾性率が2.0×107Pa以下及び損失正接が
    0.50以上である高分子材料が、塩化ビニル系重合
    体、ポリマーポリオール、イソシアネート基を3個以上
    有する化合物、可塑剤を剪断力下、加熱溶融混合しなが
    らウレタン反応せしめて得られる架橋性ポリウレタンを
    含む高分子材料であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の吸音フィルム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の吸音フィ
    ルムを含んでなることを特徴とする吸音積層体。
JP28675697A 1997-10-20 1997-10-20 吸音フィルム及びそれよりなる吸音積層体 Pending JPH11116704A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003060021A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Shin Etsu Handotai Co Ltd 半導体基板保管箱、半導体基板の製造方法
JP2009220512A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Inax Corp 積層体、板状建材、天面材及びその設置構造

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