JPH11116500A - 抗体及び診断方法 - Google Patents

抗体及び診断方法

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JPH11116500A
JPH11116500A JP9293452A JP29345297A JPH11116500A JP H11116500 A JPH11116500 A JP H11116500A JP 9293452 A JP9293452 A JP 9293452A JP 29345297 A JP29345297 A JP 29345297A JP H11116500 A JPH11116500 A JP H11116500A
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JP
Japan
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antibody
antigen
monoclonal antibody
hybridoma
monoclonal
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Application number
JP9293452A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hara
康洋 原
Kyoko Miwa
恭子 三輪
Takashi Shirakawa
貴志 白川
Tetsuji Tanimoto
徹二 谷本
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Fujirebio Inc
Original Assignee
Fujirebio Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な抗原の精製工程を経ることなく、か
つ、血液の大量消費の必要もなく、確実な伝染性単核症
の診断を行うことができる方法を提供する。 【解決手段】 ポール・バンネル抗原を特異的に認識す
る抗体及びこれを用いる診断方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝染性単核症患者
血清中に存在するポール・バンネル(以下、本明細書中
においては「PB」ともいう)抗体が認識するPB抗原
を特異的に認識するモノクローナル抗体及びそのモノク
ローナル抗体を用いたヒト体液中のPB抗体の測定、更
にはこのモノクローナル抗体を用いたPB抗原の検出に
関する。
【0002】
【従来の技術】1932年にポールとバンネルは、伝染
性単核症の患者血清中にヒツジ赤血球を凝集させる抗
体、いわゆる異好性抗体が存在することを初めて報告
し、伝染性単核症の免疫学的診断の基礎を築いた〔アメ
リカン・ジャーナル・オブ・メデシナル・サイエンス
(Am. J. Med. Sci., )、183巻、90頁。1932
年〕。これ以降、伝染性単核症患者の血清がヒツジ赤血
球を凝集させる反応は、PB反応と呼ばれるようになっ
た。
【0003】しかしながら、ヒツジ赤血球を凝集する異
好性抗体には、伝染性単核症患者血清中に存在するPB
抗体以外にも、フォルスマン抗体やハンガーナッツ−ダ
イヘル抗体(以下、本明細書中では「H−D抗体」とい
う)と呼ばれる異好性抗体が知られており、伝染性単核
症の診断にはこれらを区別する必要があった。
【0004】1935年、デビッドソンはモルモット腎
臓のホモジネートや牛赤血球を用いたフォルスマン抗体
とH−D抗体の吸収試験を考案し、伝染性単核症の血清
学的診断をより確実なものとした〔アメリカン・ジャー
ナル・オブ・クリニカル・パッソロジー(Am. J. Clin.
Pathol., )、5巻、455頁。1935年〕。
【0005】現在では、伝染性単核症はエプスタインバ
ーウイルスによる急性感染症といわれており、発熱・頚
部リンパ節腫脹、肝脾腫・黄疸等に加え、末梢血には異
型リンパ球が増加する等の症状があらわれることが判っ
ている(新小児医学大系、第20巻C、96〜114
頁、1981年)。
【0006】これらの症状は、一般にインフルエンザ・
風疹・肝炎・白血病等でもよく見られるため、その鑑別
診断は重要である。現在、伝染性単核症の確定診断は臨
床的、血液学的及び血清学的な所見に基づいて行われて
いるが、デビッドソンの吸収試験を組み合わせたPB反
応は診断に欠かすことができないものとなっている〔メ
ディカル・テクノロジー(Medical Technology,)、8
巻、6号、485頁。1980年〕。
【0007】伝染性単核症の診断試薬や測定法として
は、これまで種々の方法が開示されている(米国特許第
3959456号明細書、米国特許第4055394号
明細書、米国特許第4139606号明細書、特公昭6
2−62292号公報、米国特許第4228148号明
細書、米国特許第5096809号明細書等)。しかし
ながら、そのほとんどは上記のPB反応に基づいてヒツ
ジ・ウマ・ウシ等の動物赤血球を使用しており、何らか
の形でデビッドソンの吸収試験を組み合わせたものとな
っている。
【0008】これに対して、PB反応に関与する赤血球
膜上の抗原を単離・精製し、この精製抗原を用いること
で吸収操作を必要としない、より簡便な測定系の開発も
試みられている。例えば、ジャーナル・オブ・クリニカ
ル・マイクロバイオロジー(JOURNAL OF CLINICAL MICR
OBIOLOGY)、11巻、256〜262頁、1980年に
は、ウシ赤血球膜をアセトン、無水エタノール、75%
エタノールの順で抽出し、次にこの75%エタノール分
画をリン酸セルロースのカラムで分離し、更にクロロホ
ルム−メタノール(2:1)とエタノール−エーテル
(1:1)とで抽出し、得られた糖蛋白質をラテックス
粒子に感作し、伝染性単核症患者の診断に用いることが
述べられている。
【0009】また、特開平8−285846号公報に
は、PB抗原をウシ赤血球膜より界面活性剤で抽出し、
ゲルろ過とイオン交換クロマトグラフィー及び疎水クロ
マトグラフィーを組み合わせて精製する方法が開示され
ており、この精製抗原をゼラチン粒子に結合させて凝集
反応を行うことやELISAプレートに結合してより高
感度に測定する方法があわせて提示されている。これら
の測定系は特異性が高く、吸収操作を全く必要としない
点でも優れたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような精製抗原
を用いる方法は、確かに吸収操作を必要としないため簡
便で特異性の高い測定系ではあるが、そのためには抗原
の精製という煩雑な過程を経なければならなかった。測
定系の特異性を維持するためにも、不純物としての他の
抗原蛋白質の混入の可能性を常に考慮しなければならな
いないため、抗原を高純度に精製しなければならなかっ
た。また、動物血球からの調製であるため、新鮮な血液
を常に大量に必要とするという欠点も存在していた。
【0011】本発明は、上記に鑑み、煩雑な抗原の精製
工程を経ることなく、かつ、血液の大量消費の必要もな
く、確実な伝染性単核症の診断を行うことができる方法
を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、吸収操作
や高純度の精製抗原を必要とせず、簡便で特異性の高い
ポール・バンネル抗体測定系を開発することを目的とし
鋭意研究を重ねた結果、ポール・バンネル抗原に対して
特異的なモノクローナル抗体を初めて得ることに成功
し、ポール・バンネル抗体測定にこのモノクローナル抗
体を用いることにより、簡便で特異性の高いポール・バ
ンネル抗体測定方法を提供することに成功し、本発明を
完成した。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明はモノクローナル抗体を取得するこ
とによって初めて完成された発明であるが、本発明の抗
体は、その性質上、モノクローナル抗体のみに限定され
るものではなく、PB抗原を特異的に認識する抗体であ
れば特に限定されず、例えば、ポリクローナル抗体であ
ってもよい。しかしながら、PB抗体測定の目的のため
には、モノクローナル抗体であることが好ましい。
【0014】本発明に係るモノクローナル抗体は、例え
ば、PB抗原を常法にもとづいて動物に免疫し、その抗
体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させ、得られるハ
イブリドーマからPB抗原を認識する抗体を産生するハ
イブリドーマを選択し、これを培養して産生されたモノ
クローナル抗体を回収することにより得ることができ
る。
【0015】上記工程において、抗原として用いるPB
抗原はジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオ
ロジー(JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY)、11
巻、256〜262頁、1980年に記載された方法、
又は、特開平8−285846号公報に記載された方法
により精製することができるし、免疫応答がでる程度に
精製された粗精製抗原であってもよい。
【0016】下記実施例において記述するように、上記
方法に基づき調製したPB抗原と特異的に反応するモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマとして、本発
明者らは、合計6種のハイブリドーマを樹立し、それぞ
れ、ハイブリドーマPB2、ハイブリドーマPB16、
ハイブリドーマPB23、ハイブリドーマPB25、ハ
イブリドーマPB27、及び、ハイブリドーマPBN2
と命名した。これらのうち、ハイブリドーマPB2及び
ハイブリドーマPB23は、工業技術院生命工学工業技
術研究所〔あて名;日本国茨城県つくば市東1丁目1番
3号(郵便番号305−0046)〕に、ハイブリドー
マPB2は、識別表示PB2、受託番号FERM P−
16370(受託日;平成9年8月6日)として、ハイ
ブリドーマPB23は、識別表示PB23、受託番号F
ERM P−16371(受託日;平成9年8月6日)
として寄託した。
【0017】上記ハイブリドーマが産生するモノクロー
ナル抗体は、本発明のモノクローナル抗体の代表的な一
例に過ぎず、本発明のモノクローナル抗体は、これらの
みに限定されるものではなく、PB抗原を特異的に認識
するモノクローナル抗体であればいかなるものであって
も本発明の範囲に属するものである。
【0018】本発明のモノクローナル抗体を用いたPB
抗体の測定は、例えば以下のようにして行うことができ
る。まず、上記のような方法により調製したPB抗原に
対するモノクローナル抗体であって、検体中のPB抗体
と競合反応しない抗PB抗原モノクローナル抗体を用意
する(以下、本明細書中では「PB抗体1」ともい
う)。
【0019】このPB抗体1を、例えばELISAプレ
ートのウェルの内壁のような固相に結合させ、非特異吸
着部位をウシ血清アルブミン(BSA)等でブロッキン
グした後、粗精製のPB抗原と反応させる。一定時間反
応後、洗浄することによって、PB抗体1を介してPB
抗原のみを固相に結合させることができる。
【0020】検体中のPB抗体を直接測定する場合に
は、次に測定しようとする検体を反応させ、洗浄後、抗
ヒト・イムノブロブリン抗体等を反応させ、更に洗浄し
た後、固相に結合している抗ヒト・イムノブロブリン抗
体等の量を測定することにより検体中のPB抗体の量を
測定することができる。
【0021】本発明のモノクローナル抗体を用いたPB
抗体の測定は、凝集反応抗原結合粒子へ結合させて行う
方法によっても行うことができる。上記PB抗体1を、
例えば、ラテックス、ゼラチン粒子、磁性粒子等の通常
用いられる不溶性担体に、通常用いられる方法により担
持させる。このような担持は、例えば、上記PB抗体1
を含有させた適切な緩衝液を上記不溶性担体の懸濁液に
加え、例えば、適切な温度条件下に攪拌した後、遠心分
離により上清を取り除き、洗浄等の適切な措置の後にP
B抗体1担持不溶性担体を取得することにより行うこと
ができる。
【0022】その後、PB抗原含有緩衝液を加えること
によりPB抗体1担持不溶性担体とPB抗原とを結合さ
せ、適切な方法により洗浄し、乾燥する。上記方法によ
り得られたPB抗原担持不溶性担体は、検体中のPB抗
体と選択的に凝集反応を起こすことができるので、当該
量を測定することにより、検体中のPB抗体の量を測定
することができる。
【0023】また、競合反応により検体中のPB抗体の
量を測定することもできる。すなわち上記のようなPB
抗体1を介してPB抗原を結合した固相に対して検体を
反応させる際に、同時に検体中のPB抗体と競合反応す
る抗PB抗原モノクローナル抗体(以下、本明細書では
「PB抗体2」ともいう)を反応させる。洗浄後、PB
抗体2の固相への結合量を測定することにより、検体中
のPB抗体の量を測定することができる。
【0024】PB抗体を直接測定する場合の抗ヒト・イ
ムノグロブリン抗体等の測定や、競合反応におけるPB
抗体2の測定は、従来より免疫分析の分野において周知
の種々の方法により行うことができる。例えば、これら
の抗体を酵素で標識しておき、発色性の基質又は化学発
光性の基質を用いて行うことができる。また、これらの
抗体にビオチンを結合しておき、このビオチンを標識化
アビジンと反応させて該標識を測定することによっても
行うことができる。
【0025】更には、これらの抗体に特異的に反応する
標識化抗体を反応させ、該標識を測定することによって
も行うことができる。これらの抗体の標識には、酵素の
代わりに発光色素や放射性物質を用いても良い。なお、
競合反応測定に用いるPB抗体と競合する抗体はいなる
動物種の抗体を用いてもよく、ポリクローナル抗体を用
いることも可能である。
【0026】本発明のモノクローナル抗体を用いたPB
抗体測定方法を、ヒト由来の種々の検体に適用すること
により、本発明の伝染性単核症の診断方法を実施するこ
とができる。本発明のモノクローナル抗体を用いた診断
方法においては、診断のための検体としては、ヒト由来
の種々の体液を挙げることができ、例えば、血清及び血
漿等を挙げることができる。
【0027】本発明のモノクローナル抗体は、PB抗原
の測定にも用いることができる。PB抗原は悪性リンパ
腫、白血病患者の脾組織にも存在し〔ジャーナル・オブ
・イミュノロジー(J. Immun.,)119巻、945頁、
1977年。ジャーナル・オブ・イミュノロジー(J. I
mmun.,)127巻、5頁、1981年〕、またメラノー
マ細胞においても存在が認められていることから(Int.
Arch. Allergy appl.Immun., Vol.83, p160, 1987
)、癌をはじめとする各種疾患でPB抗原が増大して
いる可能性が示唆されている。これらの検出にも、本発
明のモノクローナル抗体は有用である。
【0028】すなわち、本発明のモノクローナル抗体を
用いることにより、免疫化学的方法や免疫組織化学的方
法により、ヒト由来の種々の体液、細胞、組織等におけ
るPB抗原を直接測定することが可能となったのであ
る。また、本発明において、2以上のモノクローナル抗
体を同時に用いるいわゆるサンドイッチアッセイ法を適
用することにより、溶液中のPB抗原を特異的に感度良
く測定できる等の極めて有用な効果を得ることができ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。なお、本発明は下記実施例のみに限定されるも
のではない。
【0030】実施例1 抗PB抗原モノクローナル抗体
産生ハイブリドーマの作製 特開平8−285846号公報記載の方法に従って精製
したPB抗原を、免疫原として用いた。PB抗原をフロ
イント完全アジュバントと等量混合し、マウス(BAL
B/c)の腹腔内に200μl(約40μg/マウス)
投与した。約2週間後、同じくPB抗原をフロイント不
完全アジュバントと等量混合し、腹腔内に投与した。抗
体価の上昇を確認した後、最終免疫としてPB抗原約4
0μgを静脈内に投与し、その3日後に脾臓を摘出し
た。単離した脾細胞とマウス骨髄腫細胞株であるP3−
x63−Ag8−U1(P3U1)(大日本製薬社製)
とを3:1の細胞数で混合し、50%ポリエチレングリ
コール1500を用いて細胞融合を行った。細胞はHA
T(1×10-4Mヒポキサンチン、4×10-7Mアミノ
プテリン、1.6×10-5Mチミジン)及び10%ウシ
胎仔血清(FCS)添加RPMI−1640培地に懸濁
し、96穴のマイクロカルチャープレートに分注して培
養した。
【0031】約2週間後、ハイブリドーマが増殖してき
たウェルの培養上清を以下の方法により調べ、PB抗原
に反応するモノクローナル抗体を産生してしているハイ
ブリドーマを選択した。すなわち、PB抗原をリン酸緩
衝液(PBS)で希釈し、96穴マイクロアッセイプレ
ートに分注し、4℃で一晩放置して固相に結合させた。
次に、0.05%ツィーン20を含むPBS(PBS
T)で洗浄した後、1%スキムミルクを含むPBSを分
注し、1時間、37℃に放置してブロッキングした。P
BSTで洗浄後、ハイブリドーマの培養上清を各ウェル
に分注し、1時間、37℃に放置した。続いて同様に洗
浄後、1000倍希釈したペルオキシダーゼ(POD)
標識抗マウス免疫グロブリン抗体(ダコ社製)を分注
し、1時間、37℃に放置した。同様に洗浄した後、P
OD基質(ABTS−過酸化水素系)を加え、室温で1
0分間放置した後反応停止液を加え、405nmの吸収
を測定した。
【0032】陽性ウェルの細胞を選択し、限界希釈法に
てクローニングした。単一コロニーを含むウェルの細胞
上清の抗体活性を上記の方法で調べ、選択、培養し、P
B抗原に特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマPB2、ハイブリドーマPB16、ハイブリド
ーマPB23、ハイブリドーマPB25、ハイブリドー
マPB27、及び、ハイブリドーマPBN2を樹立し
た。これらのハイブリドーマが産生するモノクローナル
抗体を、それぞれ、モノクローナル抗体PB2、モノク
ローナル抗体PB16、モノクローナル抗体PB23、
モノクローナル抗体PB25、モノクローナル抗体PB
27、及び、モノクローナル抗体PBN2と命名した。
【0033】実施例2 抗体のサブクラスの決定 実施例1で作製したハイブリドーマが産生するモノクロ
ーナル抗体のサブクラスを、マウス・モノクローナル抗
体アイソタイピングキット(アマシャム社製)を用いて
調べた結果、PBN2はIgG2b(κ)、その他のモノ
クローナル抗体はIgG1 (κ)であった。
【0034】実施例3 抗PB抗原モノクローナル抗体
の調製 実施例1で樹立したハイブリドーマPB2、ハイブリド
ーマPB16、ハイブリドーマPB23、ハイブリドー
マPB25、ハイブリドーマPB27、ハイブリドーマ
PBN2のそれぞれの細胞1×107 個を、プリスタン
0.5ml投与後2週間のBALB/cマウスに腹腔内
投与した。約10日後、マウス腹腔内に貯留した腹水を
採取した。この腹水を、25mM モルフォリンエンタ
ンスルホン酸緩衝液(MES)(pH4.0)で4倍以
上に希釈し、20mM MES(pH5.6)で平衡化
したベーカーボンドABxカラム(J.Tベーカー社
製)に吸着させ、500mM 硫酸アンモニウムを含む
20mM 酢酸ナトリウム(pH7.0)によるグラジ
エントで溶出し、モノクローナル抗体を精製した。
【0035】実施例4 抗PB抗原モノクローナル抗体
の反応性 (1)ウエスタンブロットによる反応性の確認 特開平8−285846号公報記載の方法に従ってPB
抗原を精製した。試料希釈液として60%グリセリン、
3%SDS、30mMトリス塩酸、pH6.8、3%
2−メルカプトエタノール溶液(以下、本明細書中では
「試料希釈液」という)を調製した。精製PB抗原と、
1/2量(V/V)の試料希釈液とを混合し、沸騰水中
で加熱した後、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)を行い、更にニトロセルロース
膜に転写した。転写膜を1%BSAを含むPBS(1%
BSA−PBS)でブロッキングした後、実施例3で精
製したモノクローナル抗体PB2、モノクローナル抗体
PB23、モノクローナル抗体PB16、モノクローナ
ル抗体PBN2を、それぞれ同緩衝液で1μg/mlと
なるように希釈し、それぞれ室温で1時間反応させた。
PBSTによる洗浄後、1000倍希釈したPOD標識
抗マウス免疫グロブリン抗体(ダコ社製)と室温で1時
間反応させた。更にPBSTによる洗浄を行った後、P
OD不溶性基質(4−クロロナフトール−過酸化水素
系)を加えて、15分間発色させた。
【0036】結果を図1に示す。分子量50kDa、3
5kDa、20kDa付近に、同時に行ったゲルの銀染
色による蛋白質バンドと一致したバンドを生じた。これ
により、モノクローナル抗体PB2、モノクローナル抗
体PB23、モノクローナル抗体PB16及びモノクロ
ーナル抗体PBN2がPB抗原を特異的に認識すること
を確認した。
【0037】(2)ELISAによる反応性の確認 実施例4−(1)で精製したPB抗原をPBSで100
ng/mlに希釈し、マイクロアッセイプレートに10
0μl/ウエルで加え、4℃で一晩放置することにより
固相に結合させ、更にPBSTで洗浄後、1%BSA−
PBSでブロッキングした。実施例3で精製したモノク
ローナル抗体PB2、モノクローナル抗体PB16、モ
ノクローナル抗体PB23、モノクローナル抗体PB2
5、モノクローナル抗体PBN2を、それぞれ1%BS
A−PBSで1μg/mlとなるように希釈して、この
PB抗原結合プレートに100μl/ウエルで加え、室
温で1時間反応させ、PBSTで3回洗浄後、1000
倍希釈したPOD標識抗マウス免疫グロブリン抗体(ダ
コ社製)を100μl/ウエルで加え、更に室温で1時
間反応させた。PBSTで3回洗浄し、POD基質(A
BTS−過酸化水素系)を100μl/ウエルで加え、
10分間発色させ、405nmの吸光度を測定した。結
果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例5 抗PB抗原モノクローナル抗体
の認識部位 (1)シアリダーゼ消化PB抗原と抗PB抗原モノクロ
ーナル抗体の反応性 実施例4−(1)で精製したPB抗原に、1μg当たり
15mUのシアリダーゼ(Arthrobactor Ureafaciens由
来、ナカライ社製)を加え、37℃で3時間消化した
後、実施例4−(2)と同様の方法に従ってマイクロア
ッセイプレートに結合させた。このシアリダーゼ消化P
B抗原結合プレートを用い、実施例4−(2)に記載し
た方法により実施例3で精製したモノクローナル抗体P
B2、モノクローナル抗体PB16、モノクローナル抗
体PB23、モノクローナル抗体PB25及びモノクロ
ーナル抗体PBN2の反応性を測定した。結果を表2に
示す。モノクローナル抗体PB2、及び、モノクローナ
ル抗体PBN2は、シアリダーゼ消化したPB抗原と反
応しなかったことから、PB抗原上の糖鎖を認識してい
ると判断した。
【0040】
【表2】
【0041】(2)プロテアーゼ消化PB抗原と抗PB
抗原モノクローナル抗体の反応 実施例4−(1)で精製したPB抗原に、1/200量
(W/W)のエンドプロテアーゼAsp−N(Pseudomo
nas fragi 変異株由来、タカラ社製)を加え、37℃で
一晩消化した後、実施例4−(2)に記載した方法に従
ってマイクロアッセイプレートに結合させた。このエン
ドプロテアーゼAsp−N消化PB抗原結合プレートを
用い、実施例4−(2)に記載した方法に実施例3で精
製したモノクローナル抗体PB2、モノクローナル抗体
PB16、モノクローナル抗体PB23及びモノクロー
ナル抗体PBN2の反応性を測定した。結果を表3に示
す。表3に示すように、モノクローナル抗体PB23
は、PB抗原とは反応するが、エンドプロテアーゼAs
p−Nで消化したPB抗原とは反応しなかった。よっ
て、モノクローナル抗体PB23はPB抗原のペプチド
部分を認識していると判断した。
【0042】
【表3】
【0043】実施例6 競合反応による伝染性単核症患
者血清のPB抗体の測定 (1)酵素標識抗体の作製 実施例3で精製したモノクローナル抗体PB2を吉武等
の方法(Eur.J.Biochem.,101,395-399,1979)に従ってP
ODで標識し、以下の実施例に用いた。
【0044】(2)至適抗体結合量の決定 抗体の結合濃度を以下のように決定した。すなわち、モ
ノクローナル抗体PB23を1、2、5、10、20、
80μg/mlとなるようにPBSで希釈し、マイクロ
アッセイプレートに100μl/ウェルで加え,4℃で
一晩放置して結合させた。PBSTで3回ウェルを洗浄
し、1%BSA−PBSでブロッキングした後、1%B
SA−PBSで2ng/mlに希釈したPB抗原を10
0μl/ウェルで加え、室温で2時間反応させた。PB
STで3回ウェルを洗浄後、実施例6−(1)で作製し
たPOD標識モノクローナル抗体PB2を1%BSA−
PBSで1μg/mlに希釈し、100μl/ウェルで
加え、室温で1時間反応させた。PBSTで3回ウェル
を洗浄後、POD基質を100μl/ウェルで加え、1
0分間発色させ、吸光度405nmを測定した。この結
果、結合時の抗体濃度は20μg/ml以上であれば充
分にPB抗原を測定できることが確認できた。以下、モ
ノクローナル抗体のプレートへの結合は20μg/ml
にて行った。
【0045】(3)競合反応による測定 伝染性単核症患者血清を、1%BSA−PBSで25、
75、225、675、2025、6075、1822
5倍に希釈し、実施例6−(1)で作製したPOD標識
モノクローナル抗体PB2を同緩衝液で1μg/mlに
希釈し、それぞれ等量ずつ混合した。実施例6−(2)
に記載の方法で、モノクローナル抗体PB23を結合さ
せたマイクロアッセイプレートに、2ng/mlに希釈
したPB抗原を加え、室温で2時間反応した後、PBS
Tで3回洗浄した。このプレートに上記の血清−POD
標識モノクローナル抗体PB2混合液を100μl/ウ
ェルで加え、室温で1時間反応させた。、PBSTで3
回洗浄後、POD基質を100μl/ウェルで加え20
分間発色させ、吸光度405nmを測定した。その結果
を図2に示す。
【0046】健常人1例と伝染性単核患者8例の血清を
1%BSA−PBSで75倍に希釈し、実施例6−
(1)で作製したPOD標識モノクローナル抗体PB2
を同緩衝液で1μg/mlに希釈して等量混合し、上記
実施例6−(2)に記載の方法でPB抗体を検出した。
その結果を表4に示す。モノクローナル抗体PB2を用
いた競合反応により、伝染性単核患者血清中のPB抗体
を測定することができた。
【0047】
【表4】
【0048】実施例7 直接測定による伝染性単核症患
者血清のPB抗体の測定 実施例6−(2)に記載の方法に従って、モノクローナ
ル抗体PB16及びモノクローナル抗体PB23をそれ
ぞれプレートに結合し、PB抗原と反応させた後、1%
BSA−PBSで3000、9000、27000、8
1000倍に希釈した伝染性単核症患者血清を100μ
l/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。PBST
で3回洗浄後、1%BSA−PBSで1000倍希釈し
たPOD標識抗ヒトIgM(タゴ社製)を100μl/
ウェルで加え、室温で1時間反応させた。PBSTで3
回洗浄した後、POD基質を100μl/ウェルで加え
20分間発色させ、吸光度405nmを測定した。結果
を表5に示す。表5に見られるようにモノクローナル抗
体PB16及びモノクローナル抗体PB23結合固相に
おいて血清希釈倍率に依存した発色が認められた。
【0049】
【表5】
【0050】実施例8 組織中のPB抗原の検出 ウシ赤血球膜は、特開平8−28546号公報記載の方
法に従って調製し、ウシ副腎、脾臓、肝臓、甲状腺、膵
臓は、組織重量当たり5倍量のPBSを加え、氷中、1
0分間ホモジナイズし、不溶性の残渣をガーゼで濾して
調製した。試料は、1/2量(V/V)の試料希釈液を
加え、沸騰水中で2分間加熱し、SDS−PAGEを行
い、ニトロセルロース膜に転写した。この転写膜を用
い、実施例4−(1)に記載した方法に従って、モノク
ローナル抗体PB2、モノクローナル抗体PB23によ
るウエスタンブロットによる検出を行った。結果を表6
に示す。
【0051】
【表6】
【0052】
【発明の効果】本発明の抗PB抗原モノクローナル抗体
は、PB抗原に高い特異性を示すため、このモノクロー
ナル抗体を用いたPB抗体の測定方法は、伝染性単核症
診断の際にPB抗原の高純度な精製の必要がなく、かつ
吸収操作なしにホルスマン抗原、H−D抗原由来の反応
を除外することができ、伝染性単核症患者のスクリーニ
ングに有効である。それのみならず、生体中の微量なP
B抗原の検出にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗PB抗原モノクローナル抗体を用い
て、ウエスタンブロットを行った結果を示す図である。
【図2】伝染性単核症患者及び健常人の血清により、抗
PB抗原モノクローナル抗体に対する競合阻害を行った
結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12N 5/10 C12N 5/00 B 15/02 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 谷本 徹二 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポール・バンネル抗原を特異的に認識す
    ることを特徴とする抗体。
  2. 【請求項2】 抗体がモノクローナル抗体である請求項
    1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の抗体を用いること
    を特徴とするポール・バンネル抗体測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の抗体を用いること
    を特徴とする伝染性単核症の診断方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の抗体を用いること
    を特徴とするポール・バンネル抗原検出方法。
  6. 【請求項6】 モノクローナル抗体が、モノクローナル
    抗体PB2である請求項2記載の抗体。
  7. 【請求項7】 モノクローナル抗体が、モノクローナル
    抗体PB23である請求項2記載の抗体。
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