JP3483586B2 - C群ロタウイルス内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

C群ロタウイルス内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体

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JP3483586B2 JP09955593A JP9955593A JP3483586B2 JP 3483586 B2 JP3483586 B2 JP 3483586B2 JP 09955593 A JP09955593 A JP 09955593A JP 9955593 A JP9955593 A JP 9955593A JP 3483586 B2 JP3483586 B2 JP 3483586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト及び動物(ウシ及
びブタ)由来のC群ロタウイルス内殻共通抗原に対する
モノクローナル抗体の生成のための交雑細胞ライン及び
モノクローナル抗体試薬等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、新生児、乳児及び年少児が、
下痢を主徴とする激しい下痢症にみまわれることがあ
り、その結果、全身の著しい衰弱と脱水症状により死亡
することさえある。このような下痢症の中では、冬期に
多発するウイルス性のものはその大部分が定型ロタウイ
ルスまたは非定型ロタウイルスによることが明らかにな
りつつある。これらのウイルスはレオウイルス科に属す
る二本鎖RNAウイルスで、RNAを二重構造のウイル
ス蛋白が取り囲んだ構造を持っている。また、これらの
ウイルスは日本だけでなく世界的に分布している病原ウ
イルスであるが、ヒトへの感染が確認されているのは、
A、B、C、D群ロタウイルスであり、日本ではA、C
群ロタウイルスが確認されている。動物ロタウイルスを
含めると、世界的にはA、B、C、D、E、F群ロタウ
イルスが確認されているが、一般的なA群ロタウイルス
(定型ロタウイルスまたは狭義のロタウイルスと総称さ
れている)に対して、A群ロタウイルス以外のB、C、
D、E、F群ロタウイルスについては非定型ロタウイル
スと総称され、A群ロタウイルスとは共通抗原性を持た
ないことが知られている。
【0003】我が国では、非定型ロタウイルスのうちC
群ロタウイルスのヒトへの感染が確認されている。C群
ロタウイルスはウシ及びブタにも感染例が認められてい
るが、ヒトC群ロタウイルスと動物(ウシ及びブタ)由
来のC群ロタウイルスでは抗原性に差があるため、ヒト
C群ロタウイルスを検出できる血清学的検査法を用いて
もウシ及びブタ由来のC群ロタウイルスは検出できない
可能性があった。動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタ
ウイルスがヒトに感染している可能性は否定できないの
で、C群ロタウイルス感染患者からC群ロタウイルスを
検出する場合には、ヒトだけでなく動物(ウシ及びブ
タ)由来のC群ロタウイルスの検出も行う必要がある。
また、獣医学領域においては下痢症のウシやブタからC
群ロタウイルスを検出する場合、動物由来のC群ロタウ
イルスを検出する必要がある。現在、ヒトC群ロタウイ
ルスの免疫学的検出法は、ヒトC群ロタウイルスを動物
に免疫して得られた抗血清を用いた免疫電子顕微鏡法
(IEM)やヒトC群ロタウイルスの外殻蛋白に特異的
で、動物由来のC群ロタウイルスに対して特異性のない
モノクローナル抗体を用いた酵素抗体法(ELISA)
(本発明者ら、Journal of Clinica
l Microbiology,30.1307−13
11,1992)、逆受身赤血球凝集反応法(RPHA
法)(本発明者ら、第39回日本ウイルス学会演説抄
録、1991)及びラテックス凝集反応法(LA法)
(本発明者ら、感染症学雑誌、第66巻、第8号、11
82頁、1992年)が行われ、さらに、核酸電気泳動
法(PAGE)によるRNAの泳動パターンによる検出
が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、C群ロタウイ
ルスに対する抗血清を用いた免疫学的検査法では、感度
及び特異性が劣り、安定的供給性を欠くため一般的な検
査法として確立しておらず、ヒトC群ロタウイルスのみ
に特異的なモノクローナル抗体を用いたELISAでは
動物由来のC群ロタウイルスを検出することはできな
い。また、PAGEによる検出も迅速、簡便に行うこと
ができない。ところが、現在までにヒト及び動物由来の
C群ロタウイルス内殻共通抗原に対するモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマを作製した例は全く文献
未載である。
【0005】そこで、本発明はヒト及び動物由来のC群
ロタウイルスの簡便な検査法の開発が種々の障害により
遅延している現状に鑑み、C群ロタウイルスの免疫学的
な知識をもとにヒト及び動物由来のC群ロタウイルスの
内殻共通抗原を見い出すこと、および、ヒト及び動物由
来のC群ロタウイルスの内殻共通抗原に対するモノクロ
ーナル抗体を産生することを目的とする。また、本発明
の目的は、ヒト及び動物由来のC群ロタウイルス内殻共
通抗原に対するモノクローナル抗体試薬を用いることに
より、ヒト及び動物由来のC群ロタウイルスを迅速、簡
便に検出可能な検出法(LA法、RPHA法及びELI
SA)に応用することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。 すなわち、ヒト、ウシおよ
びブタの各C群ロタウイルス内殻蛋白抗原に対する親和
性が抗体特異性検討用の酵素抗体法による吸光度でいず
れも0.4を超えるモノクローナル抗体13A3の産生
ハイブリドーマ、生成されたモノクローナル抗体13A
3および該モノクローナル抗体13A3を用いたLA
法、RPHA法及びELISA試薬である。 前記ハイ
ブリドーマはXAg63マウス骨髄腫細胞とヒトC群ロ
タウイルスで免疫したBALB/cマウスからの脾細胞
との融合により形成させることができる。そして、前記
モノクローナル抗体13A3は(a)本質的にヒト由来
のすべてのC群ロタウイルスと反応するが、A群ロタウ
イルスとは反応せず、(b)ウシ及びブタ由来のC群ロ
タウイルスと反応し、(c)ヒト、ウシ及びブタ由来の
C群ロタウイルス内殻蛋白抗原と反応することを特徴
とするものである。
【0007】
【作用】本発明は、広義には新規な交雑細胞ライン(h
ybrid cell line)さらに詳しくはヒト
及び動物(ウシ及びブタ))由来のC群ロタウイルス内
殻共通抗原に対するモノクローナル抗体13A3の生成
のための交雑細胞ラインを作成するものである。 ま
ず、免疫原のC群ロタウイルスとして、例えば、ヒトC
群ロタウイルスに感染した患者の糞便から常法に従って
濃縮精製したヒトC群ロタウイルスを得ることができ
る。次に、こうして得られたヒトC群ロタウイルスを免
疫原として公知方法によりモノクローナル抗体13A3
を生成する交雑細胞の混合物を得る。得られた交雑細胞
混合物から、ヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群
ロタウイルスに共通な抗原部分を認識する抗体を産生す
る細胞株を選択するために、交雑細胞混合物の培養液に
ついて、動物(ウシ又はブタ)由来のC群ロタウイルス
内殻蛋白を抗原として用いたELISAを行う。この動
物由来のC群ロタウイルス内殻蛋白は、例えば、培養可
能なウシC群ロタウイルスShintoku株(Tsu
nemitsu,H.ら、Journal of Cl
inical Microbiolgy,29,260
9−2613,1991)又は、ブタC群ロタウイルス
Cowden株(Saif L.J.ら、Journa
l of Clinical Microbiolog
y,12,105−111,1980)を常法により濃
縮生成し、さらに、このウイルス浮遊液に最終濃度10
mMのエチレンジアミン四酢酸ナトリウムを添加し、室
温で15分間放置した後、もう一度常法に従って精製す
ることにより得る。
【0008】 このようにして得られた内殻蛋白を抗原
としてELISAを行って、交雑細胞混合物の中から、
ヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタウイルス
内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体13A3を産
生する細胞株を選択する。こうして得られたヒト及び動
物由来のC群ロタウイルスに対するモノクローナル抗体
13A3の産生細胞をマウス腹水中で培養した後、回収
した腹水を精製することによりサブグラスIgGのモノ
クローナル抗体13A3を得ることができる。このモノ
クローナル抗体13A3がC群ロタウイルス内殻蛋白と
結合することはIEMによって確認される。 また、本
発明のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体
3A3を用いることにより、C群ロタウイルスを免疫し
て得られる抗血清、電子顕微鏡、電気泳動法等を用いず
にヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタウイル
スを簡便な検査法で検出することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、これら本発明の範囲を制限するものでな
いことはいうまでもない。 実施例1 ヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタウイルス
内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体の調整 (1)ヒトC群ロタウイルス液の調整 RNA電気泳動法および電子顕微鏡法によってヒトC群
ロタウイルスが含まれていることが確認されている下痢
症患者糞便1.5gをリン酸塩緩衝食塩水(PBS)で
10%乳剤にし、ダイフロン処理を行う。その後、これ
を8,000rpmで20分間遠心して上清をとり、こ
の上清を30%シュークロース溶液に重層して、40,
000rpm、60分間遠心して沈渣をとる。この沈渣
を1.38g/mlの濃度に調整した塩化セシウム溶液
を用いて35,000rpm、一夜遠心を行い、生じた
ウイルスバンドを採取した。このウイルスバンドをPB
Sを外液として透析した後、ウイルス粒子数を3.0×
109/mlに調整してウイルス液とした。
【0010】(2)マウスの免疫および細胞融合 得られたヒトC群ロタウイルスを等量のコンプリート・
フロイント・アジュバントと混合した後、5週齢のBA
LB/cマウスに0.5ml皮下投与した。投与後、2
1日目にウイルス液のみを0.25ml皮下投与し、3
日後にマウスを屠殺し、脾臓を取り出した。脾細胞をR
PMI培地に懸濁し、ミエローマ細胞X−Ag63と
5:1の比で混合した後、ポリエチレングリコール40
00(メルク社製)で細胞融合させ、さらにSFM−1
01培地(日水製薬(株)製)に再懸濁した。その後、
3枚のマイクロプレートに1穴あたり5×105個の細
胞数で分注し、5%CO2濃度のインキュベーター中で
2週間培養して、コロニーを形成させた。
【0011】(3)抗ヒトC群ロタウイルス抗体生産株
の樹立 コロニーを形成したウエルの上清について、スクリーニ
ング用ELISAにより以下のように特異性を検討し
た。すなわち、前記ヒトC群ロタウイルス液の調整法の
うち30%シュークロース溶液に重層し遠心後、、沈渣
をとるところまでを同様に行い、その後、pH7.5ト
リス緩衝生理食塩水(TBS)15mlに懸濁し、マイ
クロプレートに1穴あたり50μlの懸濁液を分注し
た。その後、室温で60分間吸着させ、1%ウシ血清ア
ルブミン添加TBSでブロッキング後、各穴にコロニー
形成ウエルの培養上清液50μlを添加して室温で1時
間反応させた。そして、これにアルカリフォスファター
ゼ標識ヤギ抗マウス抗体液を添加し、室温に1時間放置
した後、フォスファターゼ基質溶液を添加し、吸光度の
高い培養上清液の細胞から抗ヒトC群ロタウイルス抗体
生産株を樹立した。
【0012】(4)ヒト、ウシC群ロタウイルス及びブ
タC群ロタウイルスに共通の内殻抗原に特異的なモノク
ローナル抗体生産株の樹立 さらに、ウシC群ロタウイルスShintoku株培養
上清液500mlおよびブタC群ロタウイルスCowd
en株培養上清液500mlを前記ヒトC群ロタウイル
ス液調整法と同様の塩化セシウム密度勾配遠心法で濃
縮、精製した後、透析して得たウイルス液をさらに10
mMエチレンジアミン4酢酸ナトリウムで室温で15分
間処理した。その後、40,000rpm、60分間遠
心して沈渣をとり、この沈渣をPBS1.5mlで懸濁
して一重殻ウイルスを得る。一重殻ウイルスをマイクロ
プレートの各穴に50μl添加し、室温で60分間吸着
させて抗原吸着マイクロプレートを得る。次に、この抗
原吸着マイクロプレートを用いて上記と同様に抗ヒトC
群ロタウイルス抗体生産株の培養上清液を反応させ、ス
クリーニング用ELISAによりウシC群ロタウイルス
内殻蛋白およびブタC群ロタウイルス内殻蛋白に対して
も特異性を持つモノクローナル抗体生産株を選択するこ
とによって、ヒトC群ロタウイルス、ウシC群ロタウイ
ルス及びブタC群ロタウイルスに共通の内殻抗原に特異
的なモノクローナル抗体生産株を樹立した。各モノクロ
ナール抗体の反応性は表1に示す。表1から明らかな通
り、最終的に樹立した細胞株は13A3株であった。こ
の13A3株は平成5年4月20日付けで工業技術院生
命工業技術研究所にFERM P−13609として寄
託している。
【0013】
【表1】
【0014】(5)ヒトC群ロタウイルス、ウシC群ロ
タウイルス及びブタC群ロタウイルスに共通の内殻抗原
に特異的なモノクローナル抗体の産生 ハイブリドーマ13A3株10個をプリスタン処理B
ALB/cマウスに腹腔内接種し、10日後、腹水を採
取し、プロテインAカラムを用いて濃縮、精製してサブ
クラスIgGのモノクローナル抗体とした。このモノク
ローナル抗体がヒトC群ロタウイルス愛媛株(大瀬戸光
明ら、「医学のあゆみ」医歯薬出版(株)発行)136
巻、第3号、223−224頁、1986年)、ウシC
群ロタウイルスShintoku株及びブタC群ロタウ
イルスCowden株の内殻抗原と反応することは、I
EMによって確認した。
【0015】実施例2 ヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタウイルス
内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体感作ラテック
ス凝集反応試薬の調整及びラテックス凝集反応法 0.1Mトリス緩衝液(pH8.0)(トリス緩衝液)
に、ラテックス粒子(武田薬品工業(株)製、粒径0.
35μl)を粒子濃度が0.5%になるように懸濁し、
トリス緩衝液で1200μg/mlの濃度に調整した前
記実施例1で得たモノクローナル抗体13A3を等量混
合し、37℃で1時間、振とうしつつ感作した。次い
で、トリス緩衝液で2回洗浄し、1%正常ウサギ血清を
添加したトリス緩衝液99容にけん濁してモノクローナ
ル抗体感作ラテックス試薬を調整した。なお、対照用感
作ラテックス粒子は、モノクローナル抗体の代わりに、
正常マウスIgGを同様にラテックス粒子に感作して使
用した。
【0016】ラテックス凝集反応は、下記のようにスラ
イド凝集反応法で実施した。被検患者又は動物(ウシ又
はブタ)の糞便をPBSで10%乳剤とし、6,000
rpmで10分間遠心し、上清10μlをスライド上の
2カ所に滴下し、モノクローナル抗体13A3または対
照用感作ラテックス粒子を添加した。添加後、2分間ス
ライドを振とうさせて混合し、凝集の有無を観察する。
モノクローナル抗体感作ラテックス粒子のみに凝集が観
察された場合、C群ロタウイルス陽性とする。本法をI
EM及び核酸電気泳動法(PAGE)と比較した結果は
表2の通りであり、本法とIEM及びPAGEの一致率
は100%であった。
【0017】実施例3 ヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタウイルス
内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体感作ヒツジ赤
血球試薬の調整及び逆受身赤血球凝集反応法 グルタルアルデヒド固定ヒツジ赤血球をタンニン酸処理
後、モノクローナル抗体13A3を感作し、感作血球を
作製した。なお、対照用感作血球としては、モノクロナ
ール抗体の代わりに、正常マウスIgGを同様に処理済
血球に感作して使用した。患者糞便の10%乳剤を6,
000rpm、10分遠心した上清をグリタルアルデヒ
ド固定血球で吸収し、V底96穴プレートを用いて2倍
段階希釈した2系列を用意し、第1系列には感作血球
を、第2系列には対照感作血球を添加、室温に1時間静
置後、判定した。第1系列、第2系列において凝集の確
認された最終希釈倍数をそれぞれRPHA価、対照凝集
価とし、RPHA価が対照凝集価の値より4倍以上高か
った場合、C群ロタウイルス陽性とした。本法をIEM
および核酸電気泳動法(PAGE)と比較し結果は表2
の通りであり、本法とIEM及びPAGEの一致率は1
00%であった。
【0018】実施例4 ヒト及び動物(ウシ及びブタ)由来のC群ロタウイルス
内殻共通抗原に対するモノクローナル抗体を用いた酵素
抗体法 モノクローナル抗体13A3を96穴マイクロプレート
に分注後、4℃で一夜固相化し、室温30分ブロッキン
グ後、患者の糞便の10%乳剤を6,000rpm、1
0分遠心した上清を加え、室温で1時間反応させた。2
回洗浄後、ビオチン標識した検出用モノクローナル抗体
13A3を添加し、室温で1時間反応させ、3回洗浄
後、さらに、ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン
を、室温で10分反応させた。4回洗浄後、0.04%
3、3’、5、5’−テトラメチルベンジジンを添加
し、10分後、1Mリン酸を加え反応を停止させ、45
0nmでの吸光度を測定し、カットオフ値0.13以上
を示す検体をC群ロタウイルス陽性と判定した。本法を
IEM及び核酸電気泳動法(PAGE)と比較した結果
は表2の通りであり、本法とIEM及びPAGEの一致
率は100%であった。
【0019】
【表2】
【0020】上記の実施例に述べたのようにヒト及び動
物(ウシ又はブタ)由来のC群ロタウイルス内殻共通抗
原に対するモノクローナル抗体を用いることにより下痢
症患者糞便又は動物(ウシ又はブタ)の糞便からヒト及
び動物(ウシ又はブタ)由来のC群ロタウイルスを迅速
で簡便に検出することが可能となった。また、全てのロ
タウイルスは二重殻構造を持つため、糞便等の検査材料
を凍結保存中にウイルスの外殻構造が損なわれていくこ
とが知られているが、本発明の上記実施例で説明したモ
ノクローナル抗体は外殻構造の損なわれたC群ロタウイ
ルスでも検査可能であるため、保存状態の劣悪な検査材
料でも検査が可能となる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ヒト、ウシ又はブタ
来のC群ロタウイルス内殻共通抗原に対するモノクロー
ナル抗体13A3の入手が可能となり、また、モノクロ
ナール抗体生産株を培養することにより、上記モノクロ
ナール抗体13A3を大量にかつ、高純度に入手するこ
とが可能となった。 さらに、モノクローナル抗体13
A3を用いることにより下痢症患者糞便又は動物(ウシ
又はブタ)の糞便からヒト、ウシ又はブタ由来のC群ロ
タウイルスを迅速で簡便に検出することが可能となっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/08 C12N 5/00 B C12R 1:91) (56)参考文献 J.Clin.Microbiol. (1991)Vol.29,No.9,p. 2051−2055 Virology(1991)Vol. 184,No.2,p.752−757 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 5/10 C07K 16/10 G01N 33/569 G01N 33/577 C12P 21/08 BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト、ウシおよびブタの各C群ロタウイ
    ルス内殻蛋白抗原に対する親和性が抗体特異性検討用の
    酵素抗体法による吸光度でいずれも0.4を超えるモノ
    クローナル抗体13A3の産生ハイブリドーマ。
  2. 【請求項2】 XAg63マウス骨髄腫細胞とヒトC群
    ロタウイルスで免疫したBALB/cマウスからの脾細
    胞との融合により形成された請求項1記載のハイブリド
    ーマ。
  3. 【請求項3】 ヒト、ウシおよびブタの各C群ロタウイ
    ルス内殻蛋白抗原に対する親和性が抗体特異性検討用の
    酵素抗体法による吸光度でいずれも0.4を超えるモノ
    クローナル抗体13A3からなるモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 (a)本質的にヒト由来のすべてのC群
    ロタウイルスと反応するが、A群ロタウイルスとは反応
    せず、 (b)ウシ及びブタ由来のC群ロタウイルスと反応し、 (c)ヒト、ウシ及びブタ由来のC群ロタウイルス内
    蛋白抗原と反応する ことを特徴とする請求項3記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 抗体サブクラスがIgGである請求項3
    または4記載のモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】 請求項3、4または5記載のモノクロー
    ナル抗体を使った検出試薬が、ヒト、ウシ及びブタ由来
    C群ロタウイルスを検出するための (a)酵素抗体法(ELISA)、 (b)逆受身赤血球凝集反応法(RPHA法)、 (c)ラテックス凝集反応法(LA法) に使用可能なことを特徴とする検出試薬。
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