JPH11115036A - 熱可塑性樹脂シートの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートの製造方法及びその製造装置

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JPH11115036A
JPH11115036A JP9281887A JP28188797A JPH11115036A JP H11115036 A JPH11115036 A JP H11115036A JP 9281887 A JP9281887 A JP 9281887A JP 28188797 A JP28188797 A JP 28188797A JP H11115036 A JPH11115036 A JP H11115036A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
resin sheet
endless belt
cooling roll
roll
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Withdrawn
Application number
JP9281887A
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English (en)
Inventor
Junji Fujii
淳司 藤井
Akira Funaki
章 船木
Masahiro Kubo
昌宏 久保
Junichi Teragaki
順一 寺垣
Takatsugu Moriwaki
隆次 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートの厚さが厚い場合であっても特性の良
好なシートを高速で製造することができる熱可塑性樹脂
シートの製造方法及びその製造装置を提供する。 【解決手段】 エンドレスベルトを介して第1の冷却ロ
ールと接触する第3の冷却ロール16は、ロール本体21
と、このロール本体21の両端側に形成された冷媒流通孔
28と、回転軸26の中心を貫通して冷媒流通孔28と連通す
る冷媒流路27, 29と、ロール本体21に対して冷媒流通
用の隙間22を空けて設けられた円筒状の金属製スリーブ
23とを備えたものであり、この第3の冷却ロール16を回
転させながら、冷媒32を冷媒流路27,29から冷媒流通孔2
8を通って隙間22に流通させておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂シー
トの製造方法及びその製造装置に関し、得られたシート
は食品、医薬品等の包装用に利用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】近年、ポ
リプロピレン樹脂シート(又はフィルム)の透明化技術
として、金属製のエンドレスベルトを使用するプロセス
が数多く提案されるようになってきている。金属製エン
ドレスベルトを使用する最大の利点は、金属製エンドレ
スベルトの鏡面を連続的にシート表面に転写して、シー
ト両面の高光沢化が効率良く得られる点にある。しか
し、ポリプロピレン樹脂シートの透明度を上げるには、
前記高光沢化に加えて、シート内部のヘイズ(曇り度)
を低くすることも必要である。
【0003】従来、透明度を向上させるための種々の方
法、装置が提案されている。例えば、特開平6-170919号
公報によれば、金属ロールと、表面が弾性体で被覆され
た弾性ロールとの間に金属製エンドレスベルトを巻装し
ておき、金属製エンドレスベルトを介してこの弾性ロー
ルと冷却ロールの間にシートを通した後、引き続きこの
シートを冷却ロールの周面の一部に押し付けながら冷却
するようにした溶融シートの冷却・固化装置が開示され
ている。この装置の場合、冷却ロールと金属製エンドレ
スベルトとで押圧されたシートの急冷効果が不十分であ
るうえ、弾性ロールの弾性体の硬度が高く、面状圧接状
態とはなっていないため、樹脂バンクが発生したり、シ
ートの良好な透明性が得られない。
【0004】また、特開平6-166089号公報及び特開平6-
170919号公報においても、金属ロールと、表面が弾性体
で被覆された弾性ロールとの間に金属製エンドレスベル
トを巻装しておき、同様にシートを冷却する方法が開示
されているが、冷却温度が高く、かつ弾性体の硬度も高
いため、急冷効果が不十分となって、造核剤を含む原料
を使用しないと透明なポリプロピレンシートが得られな
い。
【0005】このような問題点を解決するため、本出願
人は、特開平9-136346号公報において、表面が弾性材で
被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの
間に金属製エンドレスベルトが巻装され、このエンドレ
スベルトを介して第1の冷却ロールと接触する第3の冷
却ロールが、前記エンドレスベルトで押圧されたポリプ
ロピレン樹脂シートを抱き込むようにして設けられた製
造装置を使用したポリプロピレン樹脂シートの製造方法
を提案した。この製造方法によれば、厚さが薄いシート
の場合には特性の良好なシートが得られるが、シートの
厚さが厚くなると特性の良好なシートを高速で製造する
ことが困難になる虞れがある。
【0006】そこで、本発明は、シートの厚さが厚い場
合であっても特性の良好なシートを高速で製造すること
ができる熱可塑性樹脂シートの製造方法及びその製造装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、第
1の冷却ロールと第2の冷却ロールとの間に金属製エン
ドレスベルトが巻装され、前記金属製エンドレスベルト
を介して前記第1の冷却ロールと接触する第3の冷却ロ
ールが、前記金属製エンドレスベルトを抱き込むように
して設けられた製造装置を使用した熱可塑性樹脂シート
の製造方法であって、前記第3の冷却ロールは、両側に
回転軸を有するロール本体と、このロール本体の外周面
の一端側と他端側にそれぞれ形成された冷媒流通孔と、
前記回転軸の中心を貫通して前記冷媒流通孔と連通する
冷媒流路と、前記ロール本体に対して冷媒流通用の隙間
を空けて設けられた円筒状の金属製スリーブとを備えた
ものであり、前記第3の冷却ロールを回転させながら、
冷媒を一方の回転軸の冷媒流路から一端側の冷媒流通孔
を通って前記隙間に流通させ、更に他端側の冷媒流通孔
を通って他方の回転軸の冷媒流路に流通させておき、溶
融状態の熱可塑性樹脂シートを、前記第1の冷却ロール
と接触している前記金属製エンドレスベルトと、前記第
3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と
第3の冷却ロールの間に導入し、引き続き、この熱可塑
性樹脂シートを前記金属製エンドレスベルトで第3の冷
却ロールに対して面状に圧接して冷却することを特徴と
する。
【0008】熱可塑性樹脂シートと接触する前記金属製
エンドレスベルト及びロールは、表面粗さが0.5S以下
であることが好ましい。前記エンドレスベルトの材質と
しては、ステンレス、炭素鋼、チタン合金等を使用でき
る。エンドレスベルトの厚さは任意であるが、強度的に
0.3mm以上が好ましい。前記冷媒流通孔は、複数個を等
間隔に形成しておくのが好ましい。前記金属製スリーブ
の金属としては、ステンレススチールの使用が好まし
い。
【0009】前記円筒状金属製スリーブは、シームレス
であることが好ましい。その厚さは、0.1〜3.0mmが好ま
しく、より好ましくは0.3〜3.0mmである。3.0mmを超え
ると弾性変形しにくくなり、また0.1mm未満の場合には
冷媒圧力により膨張し、シール性が保持できなくなる。
前記冷媒としては、液体、気体のいずれも使用できる。
前記隙間内に流通する冷媒の圧力は、例えば0.1MPa 〜
2.0MPaが好ましい。
【0010】前記熱可塑性樹脂シートの樹脂の種類は任
意であり、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、これらのブレンド物、等を挙げることができる。前
記溶融状態の熱可塑性樹脂シートとは、例えば押出機の
Tダイから押し出された直後の熱可塑性樹脂シートであ
る。本発明に係るシートは、厚さのみが相対的に薄いフ
ィルムの場合であってもよい。本発明によれば、前記第
3の冷却ロールにより、シートに対する冷却効率が高ま
るため、シートの厚さが厚い場合であっても特性の良好
なシートを高速で製造することができるようになる。
【0011】本発明の第2発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造方法は、第1発明において、前記ロール本体
は、その外周面に弾性体層が形成されたものであること
を特徴とする。前記弾性体層の弾性材としては、フッ素
系ゴム、シリコーン系ゴム、EPDM等を使用できる。
また、弾性材の厚さは、3mm以上が好ましく、10mmあれ
ば充分である。
【0012】本発明の第3発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造方法は、第1又は第2発明において、前記第3
の冷却ロールを含んで巻装された他の金属製エンドレス
ベルトを有し、この他の金属製エンドレスベルトと、前
記第1の冷却ロールを含んで巻装された金属製エンドレ
スベルトとで前記熱可塑性樹脂シートを挟んで第3の冷
却ロールに対して面状に圧接して冷却することを特徴と
する。即ち、本発明においては、熱可塑性樹脂シートを
2枚の金属製エンドレスベルトで挟んだ状態で第3の冷
却ロールに対して面状に圧接して冷却することができ
る。前記他の金属製エンドレスベルトの条件は、第1発
明で説明した通りである。
【0013】本発明の第4発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造方法は、第1〜第3発明のいずれかにおいて、
前記第3の冷却ロールに抱き込まれた部分の金属製エン
ドレスベルトの背面側に配置された補助冷却手段を有
し、前記熱可塑性樹脂シートを第3の冷却ロールと共
に、前記補助冷却手段で冷却することを特徴とする。前
記補助冷却手段から冷却媒体を前記熱可塑性樹脂シート
に吹き付ける。冷却媒体となるものは、液体又は気体で
ある。前記補助冷却手段により、前記熱可塑性樹脂シー
トに対する冷却効率を高めることができるようになる。
【0014】本発明の第5発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造方法は、第1〜第4発明のいずれかにおいて、
前記熱可塑性樹脂シートに対して、他の1枚以上のシー
トを積層することを特徴とする。本発明によって、2層
以上の多層シートが得られるようになる。積層されるシ
ートは、例えばシーラントフィルム(L−LDPE、L
DPE、HDPE等)、基材フィルム(PET、PV
A、PP、Ny等)である。
【0015】本発明の第6発明は、第1の冷却ロールと
第2の冷却ロールとの間に金属製エンドレスベルトが巻
装され、前記金属製エンドレスベルトを介して前記第1
の冷却ロールと接触する第3の冷却ロールが、前記金属
製エンドレスベルトを抱き込むようにして設けられた熱
可塑性樹脂シートの製造装置であって、前記第3の冷却
ロールは、両側に回転軸を有するロール本体と、このロ
ール本体の外周面の一端側と他端側にそれぞれ形成され
た冷媒流通孔と、前記回転軸の中心を貫通して前記冷媒
流通孔と連通する冷媒流路と、前記ロール本体に対して
冷媒流通用の隙間を空けて設けられた円筒状の金属製ス
リーブとを備えたものであることを特徴とする。本発明
は、第1発明の製造方法に対応した装置である。
【0016】本発明の第7発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置は、第6発明において、前記ロール本体
は、その外周面に弾性体層が形成されたものであること
を特徴とする。本発明は、第2発明の製造方法に対応し
た装置である。
【0017】本発明の第8発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置は、第6又は第7発明において、前記第3
の冷却ロールを含んで巻装された他の金属製エンドレス
ベルトを有していることを特徴とする。本発明は、第3
発明の製造方法に対応した装置である。
【0018】本発明の第9発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置は、第6〜第8発明のいずれかにおいて、
補助冷却手段が、前記第3の冷却ロールに抱き込まれた
部分の金属製エンドレスベルトの背面側に配置されてい
ることを特徴とする。本発明は、第4発明の製造方法に
対応した装置である。
【0019】本発明の第10発明に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置は、第6〜第9発明のいずれかにおいて、
前記熱可塑性樹脂シートに、積層するシートを供給する
1つ以上のシート供給ロールを有することを特徴とす
る。本発明は、第5発明の製造方法に対応した装置であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕図1〜3を参照して本実施形態に係
る熱可塑性樹脂シート11の製造方法及びその製造装置を
説明する。先ず、本実施形態の熱可塑性樹脂シート11の
製造装置の構成を説明する。この製造装置は、押出機10
のTダイ12と、第1の冷却ロール13と第2の冷却ロール
14との間に巻装された金属製エンドレスベルト15と、金
属製エンドレスベルト15を介して第1の冷却ロール13と
接触する第3の冷却ロール16と、第2の冷却ロール14の
近傍に設けられた第4のロール17とを備えて構成されて
いる。前記金属製エンドレスベルト15は、ステンレス等
よりなり、表面粗さが0.5S以下の鏡面を有している。
【0021】第1と第2の冷却ロール13,14は、金属製
ロールであり、少なくとも一方は、その回転軸19が回転
駆動手段(図示せず)と連結されている。前記第3の冷
却ロール16は、金属製エンドレスベルト15を介して第1
の冷却ロール13と接触し、しかもエンドレスベルト15が
この冷却ロール16抱き込まれるようにして設けられてい
る。即ち、金属製エンドレスベルト15は、第3の冷却ロ
ール16の外周面の一部に巻き付くようにして蛇行してい
る。前記第4のロール17は、熱可塑性樹脂シート11がエ
ンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール14に圧接さ
れるように樹脂シート11をガイドするものである。第1
と第2の冷却ロール13,14には、表面の温度調整を可能
とする水冷式等の温度調整手段(図示せず)が設けられ
ている。
【0022】図2、3に示すように、第3の冷却ロール
16は、次のような構造を有する。この冷却ロール16は、
ロール本体21と、このロール本体21に対して冷媒流通用
の隙間22を空けて設けられた金属製スリーブと23、ロー
ル本体21の両方の側面側にそれぞれ設けられたエンドプ
レート24とを備えて構成されている。前記ロール本体21
は、円柱状であり、その外周面に弾性体層25が形成され
ている。このロール本体21の両側には、回転軸26が一体
に形成され、各回転軸26の中心に沿って冷媒流路27が形
成されている。一方、ロール本体21の外周面の一端側と
他端側には、冷媒流通孔28がそれぞれ形成されている。
冷媒流通孔28は、円形で、複数個が等間隔で形成されて
いる。そして、回転軸26の冷媒流路27と、冷媒流通孔28
とを連通する冷媒流路29がロール本体21内に形成されて
いる。
【0023】前記金属製スリーブ23は、ロール本体21の
両端部にそれぞれ嵌着されたリング状の封止部材31を介
して取り付けられている。このスリーブ23は、可撓性を
有するように薄肉の筒体とする。スリーブ23の厚さは、
0.1mm〜3.0mmが好ましい。0.1mm未満の場合、冷媒の圧
力により膨張し、シール性が保持できなくなる。また、
3.0mmを超えると可撓性がなくなる。このスリーブ23
は、シームレスとし、例えば、円筒状に連続した薄板の
金属材料の外周面を切削して全体の厚さを一定にするこ
とにより製造することができる。前記弾性体層25と封止
部材31の材料としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等
を使用できる。硬度は特に規定しないが、25〜90度(JI
S K6301 A 型に準拠)が好ましい。
【0024】次に、上記製造装置を使用した本実施形態
の熱可塑性樹脂シート11の製造方法を説明する。先ず、
熱可塑性樹脂シート11と直接接触している金属製エンド
レスベルト15及び第3の冷却ロール16を所定温度に保た
れるように、各冷却ロール13,14,16の温度制御をしてお
く。
【0025】また、第3の冷却ロール16を回転させなが
ら、冷媒32を一方の回転軸26の冷媒流路27から一端側の
冷媒流通孔28を通って隙間22に流通させ、更に他端側の
冷媒流通孔28を通って他方の回転軸の冷媒流路27に流通
させておく。冷媒32による内部圧力は、例えば0.1MPa
〜2.0MPaである。そして、押出機10のTダイ12より押出
された溶融状態の熱可塑性樹脂シート11を、第1の冷却
ロール13と接触しているエンドレスベルト15と、第3の
冷却ロール16とに略同時に接触するようにして第1と第
3の冷却ロール13,16の間に導入し、第1と第3の冷却
ロール13,16とで樹脂シート11を圧接して冷却する。こ
の際、第1と第3の冷却ロール13,16間の押圧力で金属
製スリーブ23が弾性変形し、スリーブ23が弾性変形して
いる両ロール13,16の中心からの角度θ1部分において樹
脂シート11は、両ロール13,16による面状圧接となって
いる。
【0026】引き続き、この熱可塑性樹脂シート11を前
記鏡面のエンドレスベルト15で第3の冷却ロール16に対
して圧接して冷却する。エンドレスベルト15でこの冷却
ロール16側に押圧された樹脂シート11は、冷却ロール16
の中心からの角度θ2で冷却ロール16に抱き込まれ、樹
脂シート11は、この抱き角度θ2部分においてエンドレ
スベルト15と第3の冷却ロール16により面状に圧接され
ている。
【0027】次に、熱可塑性樹脂シート11をエンドレス
ベルト15に密着させた状態でエンドレスベルト15の回動
と共に第2の冷却ロール14に移動させ、この樹脂シート
11をエンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール14に
対して圧接して冷却する。
【0028】本実施形態によれば、金属製スリーブ23が
弾性変形している第1と第3のロール13,16の角度θ1部
分における両ロール13,16によるシート11の面状圧接と
冷却、及び抱き角度θ2部分における金属製エンドレス
ベルト15と第3の冷却ロール16によるシート11の面状圧
接と冷却によって、高透明性の熱可塑性樹脂シート11を
製造することができる。また、第3の冷却ロール16が前
記構造を有していて、樹脂シート11に対する冷却効率を
高めることができるため、シート11の厚さが厚い場合で
あっても特性の良好なシート11を高速で製造することが
できる。
【0029】〔第2の実施形態〕図4を参照して本実施
形態に係る熱可塑性樹脂シート11の製造方法及び製造装
置を説明する。第1実施形態の製造装置の場合、エンド
レスベルト15内には、2個の冷却ロール13,14が設けら
れていたが、本実施形態の場合、エンドレスベルト15内
にもう1個の第4の冷却ロール33が設けられている。こ
の装置において、第3の冷却ロール16は、エンドレスベ
ルト15に第1の実施形態の場合よりも更に深く抱き込ま
れるように配置されている。第4の冷却ロール33は、エ
ンドレスベルト15への張力付与手段としても機能する。
【0030】本実施形態の製造装置を使用した熱可塑性
樹脂シート11の製造方法は、第1実施形態と同様であ
る。本実施形態によれば、前記構造の第3の冷却ロール
16を有しているため、第1実施形態と同様の効果が得ら
れる。また、第3の冷却ロール16がエンドレスベルト15
によって深く抱き込まれているため、熱可塑性樹脂シー
ト11の冷却効果を高めることができる。更に、エンドレ
スベルト15は、第4の冷却ロール33によっても冷却され
るため、エンドレスベルト15による冷却効率が高まる。
【0031】〔第3の実施形態〕図5を参照して本実施
形態に係る熱可塑性樹脂シート11の製造方法及び製造装
置を説明する。本実施形態に係る製造装置は、第1実施
形態の装置の構成に加えて、第3の冷却ロール16に抱き
込まれた部分のエンドレスベルト15の背面側に配置され
た補助冷却手段34を有している。この補助冷却手段は3
4、冷却用の液体又は気体の吐出機構を有する。
【0032】本実施形態の製造装置を使用した熱可塑性
樹脂シート11の製造方法は、第1実施形態とほぼ同様で
あるが、第3の冷却ロール16に抱き込まれた熱可塑性樹
脂シート11を冷却する際、この熱可塑性樹脂シート11を
第3の冷却ロール16側に圧接しているエンドレスベルト
15を前記補助冷却手段34で冷却する。本実施形態によれ
ば、前記構造の第3の冷却ロール16を有しているため、
第1実施形態と同様の効果が得られる。また、前記補助
冷却手段34でエンドレスベルト15を介して熱可塑性樹脂
シート11を冷却するようにしているため、樹脂シート11
の冷却効率が高まる。
【0033】〔第4の実施形態〕図6を参照して本実施
形態に係る熱可塑性樹脂シート11の製造方法及び製造装
置を説明する。本実施形態に係る製造装置では、第1実
施形態の装置の構成に加えて、前記第3の冷却ロール16
と他のロール39との間に巻装された第2の金属製エンド
レスベルト35を有し、この第2の金属製エンドレスベル
ト35と、前記第1の冷却ロール13を含んで巻装された第
1のエンドレスベルト15とで熱可塑性樹脂シート11を挟
んで第3の冷却ロール16に対して面状に圧接して冷却す
る。本実施形態によっても、前記構造の第3の冷却ロー
ル16を有しているため、第1実施形態と同様の効果が得
られる。
【0034】〔第5の実施形態〕図7を参照して本実施
形態に係る熱可塑性樹脂シート11の製造方法及び製造装
置を説明する。本実施形態に係る製造装置では、第1実
施形態の装置の構成に加えて、前記熱可塑性樹脂シート
11に、積層する他のシート36を供給する1つ又は2つの
シート供給ロール37を有し、第1と第3の冷却ロール1
3,16の間に、溶融状態の熱可塑性樹脂シート11と共に、
積層するシート36を供給して積層型の熱可塑性樹脂シー
ト11を製造する。本実施形態によれば、前記構造の第3
の冷却ロール16を有しているため、ラミネートフィルム
を製造する場合であっても、第1実施形態と同様の効果
が得られる。
【0035】
【実施例】
〔実施例1〕上記第1実施形態において、装置及び製法
の具体的条件を下記の通りとして熱可塑性樹脂シート11
を製造した。 押出機の直径…90mm。 Tダイの幅…800mm。 第1〜第3のロールの直径…400mm。 第1〜第3のロールの幅…1000mm。 熱可塑性樹脂…ポリプロピレン樹脂[出光ポリプロF-205
S(商品名)、出光石油化学株式会社製]。 熱可塑性樹脂シートの厚さ…0.5mm。
【0036】本実施例において、熱可塑性樹脂シート11
の製造速度を上げて、透明性を含めた外観について問題
のない樹脂シートが得られる上限速度を調べたところ、
50m/分であった。従って、本実施形態によれば、熱可塑
性樹脂シート11の厚さが厚い場合であっても特性の良好
なシート11を高速で製造できることがわかる。
【0037】〔比較例1〕図8に示すように、本比較例
に係る装置は、第1の冷却ロール51が、外周面に弾性体
層52が形成されたものである。この弾性体層52は、材質
がシリコーンゴム、厚さが10mm、硬度が30度(JIS K63
01 A型)である。第3の冷却ロール53は、通常の金属
ロールである。その他の構成は、第1実施形態と同様で
ある。この装置を使用して実施例1と同様の条件でポリ
プロピレン樹脂よりなる熱可塑性樹脂シート11を製造し
た。
【0038】そして、熱可塑性樹脂シート11の製造速度
を上げて、外観について問題のない樹脂シート11が得ら
れる上限速度を調べたところ、30m/分であった。従っ
て、この比較例によれば、本実施形態の第3の冷却ロー
ル16の代わりに弾性体層52が形成された第1の冷却ロー
ル51を使用しているため、樹脂シート11の厚さが厚い場
合、高速での樹脂シート11の製造には限界があることが
わかる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂シートの
厚さが厚い場合であっても特性の良好なシートを高速で
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置の概略図である。
【図2】第1実施形態に係る第3の冷却ロールの断面図
である。
【図3】第1実施形態に係る第3の冷却ロールの分解斜
視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置の概略図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置の概略図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置の概略図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る熱可塑性樹脂シー
トの製造装置の概略図である。
【図8】比較例で使用する熱可塑性樹脂シートの製造装
置の概略図である。
【符号の説明】
11 熱可塑性樹脂シート 13 第1の冷却ロール 14 第2の冷却ロール 15 金属製エンドレスベルト 16 第3の冷却ロール 21 ロール本体 22 隙間 23 金属製スリーブ 25 弾性体層 26 回転軸 28 冷媒流通孔 27,29 冷媒流路 32 冷媒 33 第4の冷却ロール 34 補助冷却手段 35 他のエンドレスベルト 36 他のシート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、第
1の冷却ロールと第2の冷却ロールとの間に金属製エン
ドレスベルトが巻装され、前記金属製エンドレスベルト
を介して前記第1の冷却ロールと接触する第3の冷却ロ
ールが、前記金属製エンドレスベルトを抱き込むように
して設けられた製造装置を使用した熱可塑性樹脂シート
の製造方法であって、前記第3の冷却ロールは、ロール
本体と、前記ロール本体に対して冷媒流通用の隙間を空
けて設けられた円筒状の金属製スリーブとを備えたもの
であり、前記第3の冷却ロールを回転させながら、冷媒
を前記隙間に流通させておき、溶融状態の熱可塑性樹脂
シートを、前記第1の冷却ロールと接触している前記金
属製エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールとに略
同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間
に導入し、引き続き、この熱可塑性樹脂シートを前記金
属製エンドレスベルトで第3の冷却ロールに対して面状
に圧接して冷却することを特徴とする。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の冷却ロールと第2の冷却ロールと
    の間に金属製エンドレスベルトが巻装され、前記金属製
    エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触
    する第3の冷却ロールが、前記金属製エンドレスベルト
    を抱き込むようにして設けられた製造装置を使用した熱
    可塑性樹脂シートの製造方法であって、 前記第3の冷却ロールは、両側に回転軸を有するロール
    本体と、このロール本体の外周面の一端側と他端側にそ
    れぞれ形成された冷媒流通孔と、前記回転軸の中心を貫
    通して前記冷媒流通孔と連通する冷媒流路と、前記ロー
    ル本体に対して冷媒流通用の隙間を空けて設けられた円
    筒状の金属製スリーブとを備えたものであり、 前記第3の冷却ロールを回転させながら、冷媒を一方の
    回転軸の冷媒流路から一端側の冷媒流通孔を通って前記
    隙間に流通させ、更に他端側の冷媒流通孔を通って他方
    の回転軸の冷媒流路に流通させておき、 溶融状態の熱可塑性樹脂シートを、前記第1の冷却ロー
    ルと接触している前記金属製エンドレスベルトと、前記
    第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1
    と第3の冷却ロールの間に導入し、 引き続き、この熱可塑性樹脂シートを前記金属製エンド
    レスベルトで第3の冷却ロールに対して面状に圧接して
    冷却することを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの
    製造方法において、 前記ロール本体は、その外周面に弾性体層が形成された
    ものであることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂シ
    ートの製造方法において、 前記第3の冷却ロールを含んで巻装された他の金属製エ
    ンドレスベルトを有し、 この他の金属製エンドレスベルトと、前記第1の冷却ロ
    ールを含んで巻装された金属製エンドレスベルトとで前
    記熱可塑性樹脂シートを挟んで第3の冷却ロールに対し
    て面状に圧接して冷却することを特徴とする熱可塑性樹
    脂シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂シートの製造方法において、 前記第3の冷却ロールに抱き込まれた部分の金属製エン
    ドレスベルトの背面側に配置された補助冷却手段を有
    し、 前記熱可塑性樹脂シートを第3の冷却ロールと共に、前
    記補助冷却手段で冷却することを特徴とする熱可塑性樹
    脂シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂シートの製造方法において、 前記熱可塑性樹脂シートに対して、他の1枚以上のシー
    トを積層することを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 第1の冷却ロールと第2の冷却ロールと
    の間に金属製エンドレスベルトが巻装され、前記金属製
    エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触
    する第3の冷却ロールが、前記金属製エンドレスベルト
    を抱き込むようにして設けられた熱可塑性樹脂シートの
    製造装置であって、 前記第3の冷却ロールは、両側に回転軸を有するロール
    本体と、このロール本体の外周面の一端側と他端側にそ
    れぞれ形成された冷媒流通孔と、前記回転軸の中心を貫
    通して前記冷媒流通孔と連通する冷媒流路と、前記ロー
    ル本体に対して冷媒流通用の隙間を空けて設けられた円
    筒状の金属製スリーブとを備えたものであることを特徴
    とする熱可塑性樹脂シートの製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の熱可塑性樹脂シートの
    製造装置において、 前記ロール本体は、その外周面に弾性体層が形成された
    ものであることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の熱可塑性樹脂シ
    ートの製造装置において、 前記第3の冷却ロールを含んで巻装された他の金属製エ
    ンドレスベルトを有していることを特徴とする熱可塑性
    樹脂シートの製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂シートの製造装置において、 補助冷却手段が、前記第3の冷却ロールに抱き込まれた
    部分の金属製エンドレスベルトの背面側に配置されてい
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載の熱可
    塑性樹脂シートの製造装置において、 前記熱可塑性樹脂シートに、積層するシートを供給する
    1つ以上のシート供給ロールを有することを特徴とする
    熱可塑性樹脂シートの製造装置。
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