JP3628788B2 - 圧接ロール、それを用いた樹脂製シートの成形装置 - Google Patents

圧接ロール、それを用いた樹脂製シートの成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は冷却特性が良好な圧接ロール、該圧接ロールを装着した樹脂製シートの成形装置、および該圧接ロールの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、軟質材料からなる中間層と、高伝熱性材料からなる最外層とを有し、樹脂製シートを面接触して押圧し得る放熱性に優れた圧接ロール、該圧接ロールをその必須の機械要素とし、極薄の樹脂製シートが製造可能な成形装置、および該圧接ロールの簡便な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂製シートの押出成形方法として、代表的には、エアーナイフ法、ゴムロールタッチ法及び三本ロール法等が実用化されている。
【0003】
この内、特に3本ロール法によっては、膜厚0.4mm程度以下の樹脂製極薄シートを押出成形することが困難であった。なお、上記の3種技術についてはこれ以上の言及を省略する。その理由はこれらが本発明に対する関連技術という程度に過ぎず、特許的には先行技術に値しないことに求められる。
【0004】
Tダイから押出される樹脂製シートを、対向する圧接ロールおよび冷却ロールによって押圧し、樹脂シートの厚さを減少させる装置では、得られる樹脂製シートの膜厚を小さくするには、圧接ロールの樹脂シートへの押圧力を大きくする必要がある。しかしながら、断面が円形の圧接ロールおよび冷却ロールは、樹脂製シートに線接触するため、あまり押圧力を大きくすると、上流側に溶融樹脂の溜まりが発生する。したがって、従来の装置では、極薄の樹脂製シートを製造し得るほど、全幅方向に均一な押圧力を増加させることができなかった。また、軟化状態または溶融状態の樹脂製シートと線接触するロールでは、樹脂製シートを充分に急冷できず、所望の性状・物性を有する樹脂製シートが得られないという問題もあった。
【0005】
このような問題点を解決し得る装置としては、図2Aおよび図2Bに模式的に示す金属製ベルトを用いた装置が提案されている。図2Aの装置は、Tダイ1から押出される樹脂製シートSを挟んで対する圧接ロール21Aおよび冷却ロール21Bを備えるとともに、この圧接ロール21Aと、支承ロール22および押圧ロール23とに、巻回される耐食鋼(ステンレス)製の薄い無端ベルト31とを備えている。Tダイ1から押出される溶融樹脂シートSは、圧接ロール21A、押圧ロール23間の金属ベルト31と、主冷却ロール21Bとの間で面接触して押圧され、かつ冷却される。
【0006】
図2Bの装置は圧接ロール21A側に装架された金属製無端ベルト31Aに加えて、主冷却ロール21B側にも金属製無端ベルト31Bを装架する装置である。即ち、図2Bの装置は、Tダイ1から押出される樹脂製シートSを挟んで対する圧接ロール21Aおよび冷却ロール21Bを備えるとともに、この圧接ロール21Aおよび転向ロール22Aに巻き回される無端ベルト31Aと、冷却ロール21Bおよび転向ロール22Bに巻き回される無端ベルト31Bとを有している。
【0007】
しかしながら、図2Aの装置は必然的に大型の装置となり、かつ図2Bの装置は図2Aの装置に比して一層大型の装置になるという問題があった。即ち、図2Aの装置では、金属製無端ベルト31は、その厚さが極力薄く(厚さ0.8〜1.2mm)なるように製造されているが、用いる金属の剛性およびその構造によって大きな曲率で曲げることができず、必然的に2本のロール21A及び22の径を大きくしなければならない。その結果、直径約800mm以上の大径のロール21A及び22(21Bも加わる場合あり)を用いることが必要となる。
【0008】
また、図2Bの装置は、2つの金属無端ベルトを用いた系統を備えていることから、金属製無端ベルト系が単一である上記従来の装置と比較しても、更に大型の装置となってしまう。
【0009】
また、このような装置に用いられる無端ベルトは、金属帯の両端を殆ど段差無しに接合して形成され、かつ極めて多数回の曲げに耐え得る接合部を形成するのに極めて高度な接合技術を必要とすることから、その製造コストが高かった。付言すれば、このような成形装置に好適に使用できる金属製無端ベルトは、主に輸入に頼っているのが現状である。
【0010】
したがって、このような金属製無端ベルトを用いた装置では、その大型化による設置場所の自由度の低下、設置費用の増大に加えて、金属製無端ベルトを用いることによる製造費用の増大が問題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような従来技術に伴う問題を解消するためになされたものであり、金属ベルト、大径の圧接ロール及び支承ロールからなる大型装置を必要とせず、有効に溶融状態の樹脂シートの厚さ調節および冷却を行うことができ、小型かつ安価な圧接ロール、およびこの圧接ロールを用いていることから、格段に小型であるため設置場所の選択に自由度があり、設置費用および製造費用が少なく、さらには操作が容易な成形装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、このような圧接ロールの容易な製造方法を提供することをも、目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧接ロールは、中心軸を備えた筒状の芯部材と、該芯部材の外周を覆い、かつ軟質材料で形成された中間層と、該中間層の外周を覆い、かつ熱伝導率が0.03cal/cm・sec・℃以上の高伝熱性材料で形成された最外層とを備えることを特徴としている。
【0014】
本発明に係る圧接ロールでは、前記最外層を形成する高伝熱性材料は金属であってよく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄および鉄合金から選ばれる金属であることが好ましい。
【0015】
また、前記最外層が金属である場合には、その平均厚さの圧接ロール外径に対する比(最外層厚さ/圧接ロール外径)は0.1〜1.5%、好ましくは0.25〜1.2%であり、その平均厚さが0.6mm以上であることが望ましい。
【0016】
さらに、本発明に係る圧接ロールでは、前記中間層は、内部に該中間層の母線方向の略全長にわたって延在する少なくとも1つの空洞を備え、該空洞内には圧力伝達用媒体が注入され、該媒体の注入圧によって圧接ロールの押圧力を変更することができる。2つ以上の前記空洞を設けた場合には、各空洞内に注入される前記圧力伝達用媒体は、その種類、量及び温度から選ばれる少なくとも1つの条件を独立に設定できるようにすることができる。
【0017】
本発明に係る成形装置は、主冷却ロールと、該主冷却ロールとの間に溶融状態又は軟化状態の樹脂製シートを圧力を加えながら走行させて該樹脂シートの厚さを減少させる圧接ロールと、該圧接ロール表面を液体または気体媒体で冷却する冷却手段とを備え、前記圧接ロールを、上記構造としたことを特徴としている。
【0018】
本発明に係る成形装置では、この圧接ロールの表面を冷却する液体媒体は、水、塩類水溶液および水溶性有機化合物水溶液から選ぶことができる。
また、本発明に係る成形装置は、該冷却手段によって前記圧接ロール表面に付着した該液体媒体を除去する媒体除去手段を備えていてもよい。この圧接ロールの表面に付着する冷却用液体媒体の除去手段は、例えば、掻落しゴムブレード、払拭スポンジ状物及び冷風吹付け装置から選ばれる少なくとも1種から構成することができる。
【0019】
本発明に係る第一の圧接ロールの製造方法は、筒体の一端からその母線に略平行に延在する切込みを周方向に所定間隔で複数本設け、
前記切込みの間に形成された複数の舌片を放射方向へ屈曲させて前記筒体の内径を一方端部で広げ、次いで
前記広がった端部より、前記筒体に、軟質材料で形成された中間層で外周を覆われ、かつ前記筒体の内径より大きな外径を有する芯部材を挿入することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る第二の圧接ロールの製造方法は、芯部材の外周を、軟質材料で形成された中間層で覆い、該中間層は幅方向に貫通する少なくとも1つの空洞を備えるものとし、
前記芯部材を筒体に挿入し、次いで
前記空洞に所定注入圧で流体を導入して前記中間層の厚さを増加させて、該中間層を筒体内面に密着させることを特徴とする。
【0021】
第二の圧接ロールの製造方法では、前記芯部材を前記筒体に挿入する際に、前記中間層は、前記空洞内を減圧することによって、厚さを減少させられることが望ましい。
【0022】
【発明の好適態様】
以下、本発明に係る圧接ロール、およびこれを装備した本発明の成形装置の好適態様を、図面に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1Aは本発明に係る成形装置の好適な態様を示す概略図であり、図1Bは、本態様に係る圧接ロールの模式的断面図である。
図1Aに示すように、本態様の成形装置では、押出機に装着されたTダイ1から押出された樹脂シートSは、冷却ロール系2ABによって冷却され、かつ厚さ方向に押圧されて所定膜厚を有する薄膜とされる。冷却ロール系2ABは、Tダイ1より押出されて溶融状態または軟化状態にある樹脂シートSを挟んで対向する圧接ロール2Aおよび主冷却ロール2Bを備えている。これらロール2Aおよび2B間の樹脂シートSは、後述するように、面接触するロール2Aおよび2Bによって押圧されるとともに、迅速に冷却され、所定膜厚まで膜厚を減少させられる。以下、それぞれのロール2Aおよび2Bについて個別に説明する。
【0024】
図1Bに示すように、本実施例の圧接ロール2Aは、中心軸を備えた筒状の芯部材2A3と、該芯部材2A3の外周を覆い、かつ軟質材料で形成された筒状の中間層2A2と、該中間層2A2の外周を覆う筒状の最外層2A1とを備えている(図3も参照)。
【0025】
具体的には、圧接ロール2Aは、実際に用いられる圧接ロール2Aよりも小径の金属製、例えば鋼製の芯部材2A3に、硬質ゴム例えば、シリコンゴム等の軟質材料からなる筒体を被せて中間層2A2(層厚通常5〜25mm程度)を形成し、更に中間層2A2の表面に、熱伝導性の良好な材料、例えば耐食鋼(例えばSUS304)、アルミニウムおよびアルミニウム合金類等製の金属からなる筒体を、緊密に密着するように被せて最外層2A1を設けて製造することができる。ここで、芯部材2A3は、圧延ロールの回転軸そのものであっても、大径の柱状体の両端に小径の回転軸部が形成された形状であってもよい。
【0026】
最外層2A1は、圧接ロール2Aの樹脂シートSに当接する表面を構成している。この最外層2A1は、熱伝導率が0.03cal/cm・sec・℃以上、好ましくは0.035〜0.6cal/cm・sec・℃の高伝熱性を有し、かつ望ましくは機械的強度に優れた材料である以外には特に限定されないが、実用的には金属が材料として用いられる。
【0027】
軟質材料からなる中間層2A2の役割は、その表面に位置する最外層2A1を所望する程度に弾性変形させて撓ませながら支持することである。その撓みによって、圧接ロール2Aの表面が溶融樹脂シートへ面接触し、さらには溶融樹脂シートを冷却ロール2Bに面接触させるため、大きな力で樹脂シートを押圧しても樹脂シートが切断されることがなく、樹脂シートを効率的に冷却でき、かつ得られる樹脂シートSの表面状態を極めて良好な水準まで向上させることができる。
【0028】
面接触の証拠は、赤色染料(顔料)で着色した圧接ロール2Aで、冷却ロール2B上の樹脂シートSを、該樹脂シートSに垂直な方向から所定圧力で押圧すると、接触区域が圧接ロール2Aの表面に「或る幅」の赤色域として転写されていることで確認できる。この「幅」を「圧接部変形量」と称する。
【0029】
なお、中間層2A2は、図1Bに破線で示すように、内部に空洞中または空連通路を設けられていてもよい。このような空洞を設け、ここに外部から圧力伝達流体を注入すれば、その内圧を外部から加減することができる。即ち、成形装置に、該中空連通路への圧力伝達流体圧送手段(不図示)を設け、その圧送手段にて外部から中空連通路へ所望圧力で圧力伝達流体を送り込み、その圧送圧力を調節して中空連通路の内圧を増減させることが可能である。このような内圧の増減により、圧接ロールの押圧力を微調節できる他、最外層2A1の撓み量を調節することも可能となる。
【0030】
圧力伝達流体としては、液体よりも気体の方が調節幅を広く見込むことができる点で一般には好ましく、通常は加圧空気又は加圧窒素等の非凝縮性気体が好ましい。入手容易な点では空気が最有力であるが、軟質材料に対する酸化を防ぐ為には窒素の方が優れている。
【0031】
また、最外層2A1の層厚は、その材料に応じて異なり得る。ただし、最外層2A1が金属である場合には、その平均厚さの圧接ロール2A外径に対する比(最外層厚さ/圧接ロール外径)は0.1〜1.5%、好ましくは0.25〜1.2%であり、その平均厚さが0.6mm以上であることが望ましい。特に、この厚さ下限は、現在の技術による金属からの製膜の下限に過ぎない。したがって、最外層2A1の下限は、今後の技術進歩によって所定の熱伝導性を有し、かつ耐久性が良好な更に薄い最外層が製作され得るようになれば、引き下げられる可能性があることを付言する。
【0032】
また、圧接ロール2Aの外径は特に制限されないが、通常は250〜700mm、好ましくは280〜600mmである。したがって、圧接ロール2Aは、金属ベルト使用時に常用される大径の、例えば外径800mmのロールである必要はない。この最外層2A1は、その表面を後述の冷却手段によって冷却される。
【0033】
また、最外層2A1の材料は、耐食性に優れた金属群中でも、機械的強度例えば、曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度、引張弾性率、剛性、靱性及び比強度等の点に加えて機械加工性及び価格の点から、耐食鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、およびリン青銅等の銅合金などが好ましい。
【0034】
以上説明した構成の圧接ロール2Aは、製造される樹脂シートの表面に平滑性が要求される場合には、Tダイから押出される樹脂シートSに接触するロール表面は鏡面仕上げであることが望ましい。鏡面仕上げによる表面はJIS B0601に規定された測定法による表面粗度値で0.5S以下、好ましくは0.2S以下の平滑度を有し、他の慣用表現では「四つ鑢」と称される。この極めて平滑な表面が樹脂シート(S)表面の平滑性を創り出す役割を果たす。
【0035】
本態様の成形装置を構成する主冷却ロール2Bは、例えば鋳鋼製であり、製造される樹脂シートの表面に平滑性が要求される場合には、ロール表面が鏡面仕上げ加工されていることが望ましい。鏡面仕上げによる表面は、JIS B0601に規定された測定法による表面粗度値で0.5S以下、好ましくは0.2S以下の平滑度であって、他の慣用表現では「四つ鑢」と称される。この極めて平滑な表面が樹脂シートS表面の平滑性を創り出す役割を果たす。
【0036】
この主冷却ロール2Bを形成する材料はそれ自体でも優れた伝熱性を備えた材料が選択されることが望ましい。しかし、その伝熱性を利用した自然放冷では放熱能力が不足することから、同1Bに示された圧接ロールの断面構造と同様に、その内部を空洞にするか又は内部に流通路を設けて、その中に冷却用媒体(冷媒)を流通させることによって冷却能力の不足を補うことが通常である。この場合の冷却媒体としては通常は常温の水又は温水等が用いられる。更に強力な冷却能力が要求される場合には、冷水、ブライン又は液化ガス等が適宜用いられ得る。
【0037】
本態様の成形装置では、以上説明した圧接ロール2Aおよび冷却ロール2Bからなる冷却ロール系2ABに加えて、圧接ロール2Aの表面を冷却用液体媒体で冷却する冷却手段4および冷却後の圧接ロール2A表面から却用液体媒体を除去する除去手段5を備えている。
【0038】
本態様の冷却手段4は、冷却用液体媒体(冷媒)貯留槽41と、所定温度の冷媒を貯留槽41に供給する供給装置を有しており、供給装置は、貯留槽41の冷媒を循環させる排出路43、排出された冷媒に冷却等の温度調節を施す温度調節器44及び冷却された冷媒を貯留手段41へ返送するポンプ45を備えている。貯留槽41に貯留される冷媒には、圧接ロール2Aの下部が浸漬され、この圧接ロール2A表面は液体媒体で強制的に冷却される。
【0039】
本態様では、上記貯留槽41及び冷媒供給装置によって、圧接ロール2A表面を強制的に冷却する冷却手段を構成しているが、本発明では、このような冷却手段の構成は本態様の手段4に限定されず、各種の冷却手段が適用可能である。
【0040】
冷却手段4で冷却された圧接ロール2Aの表面、即ち最外層2A1の表面に付着した液体媒体の除去手段5は、ゴム製の掻き落としブレード(スクレーパー)5a、軟質材料製の払拭スポンジ状物5bおよび冷風吹き付け手段5c(冷風供給手段は不図示)を組み合わせて構成されている。以下、それぞれについて更に具体的に説明する。
【0041】
(i)掻き落としブレード5aは、帯状をなし、その長辺の一方が薄くなった水滴状断面を有する部材である。このブレード5aの全長は、最外層2A1の母線長に略等しく、その薄い方の辺が、最外層2A1の表面に軽く当接することによって冷媒を掻き落とす。しかし、本態様では、一般にはこのブレード5aによる掻き落としによっては付着する冷却用液体媒体を十分には除去しにくいため、これに後述の冷風吹き付け手段5cを併用している。
【0042】
ブレード5aの材料は、通常はゴム特に硬質ゴムである。尤も、ブレード5aは、硬質ゴムと同等の性状を発揮する他の材料、例えば熱可塑性エラストマーで製造されていてもよい。このような熱可塑性エラストマーの内、結晶性ポリオレフィンとエチレン−プロピレン系のエラストマーの半架橋物との組成物で形成されれた熱可塑性エラストマーが実用的である。
【0043】
(ii)払拭スポンジ状物5bの材料は、天然スポンジ(海綿)であっても、ゴム等の軟質材料で作られた多孔性物質である合成スポンジであってもよい。このスポンジ状物5bは、湿潤状態にある最外層2A1の表面に軽く当接させながら払拭することによって付着した冷却用液体媒体を除去する。この払拭スポンジ5bは、最外層2A1の母線と略同じ長さを有し、最外層2A1の表面に平均に当接させられる。しかし、本態様では、スポンジ状物5bによる払拭によっては付着する冷却用液体媒体を十分には除去しにくいので、これに後述の冷風吹き付け手段5cを併用している。
【0044】
(iii)冷風吹き付け手段5cは、特に説明するまでも無いが、冷媒を飛散・蒸発させるに十分な冷風を最外層2A1の表面に吹き付けることによって湿潤状態を解消するものである。この手段は、その風量が充分大きければ、単独で最外層2A1に付着する液体媒体を除去し得るが、本態様では、上記掻き落としブレード5a及び払拭スポンジ状物5bによって最外層2A1の表面に付着している液体媒体の大部分を除去した後に冷風吹き付けを行なっている。このようにすれば、冷風吹き付け手段5c単独で用いた場合と比較して、エネルギーの消費量を軽減することができる。
【0045】
本態様では、上記構成によって、圧接ロール2A表面に付着する液体媒体の除去手段を構成しているが、除去手段の構成は本態様の手段5に限定されず、各種の除去手段が適用可能である。例えば、液体媒体の除去手段は、掻き落としブレード5a、払拭スポンジ状物5bおよび冷風吹き付け手段5cの何れか1種で構成されていてもよく、これらの適当な2種、例えば掻き落としブレード5aおよび払拭スポンジ状物5bの何れか1方と、冷風吹き付け手段5cとを組み合わせて構成してもよい。ただし、本態様の構成が最も完全に液体媒体を除去でき、かつ冷風吹き付け手段5cの消費エネルギーを低減させられる点で好ましい。
【0046】
以上、本態様の成形装置の冷却ロール系2AB、冷却手段4および除去手段5の構造を主に説明した。以下、冷却ロール系2ABを構成する圧接ロール2Aの材料をさらに詳しく説明する。
【0047】
圧接ロール2Aの最外層2A1を形成する高伝熱性材料は、金属に限らないが、実用的には金属が最も望ましい。最外層2A1の材料となる最も実用性に富む金属は耐食鋼、通称「ステンレス」である。しかし、伝熱性において耐食鋼を凌ぐ金属としては銅;銅合金例えばリン青銅、青銅(ブロンズ)等;アルミニウム;及びアルミニウム合金例えば、ジュラルミン(デュラルミン)等を挙げることができる。
【0048】
従って、伝熱性の点で耐食鋼製では不十分である場合には、上記金属の内、特に高伝熱性に優れた金属を選択して最外層2A1を製造し、これを用いて高伝熱性の圧接ロール2Aを製作すれば好い。また場合によっては、金属の種類の選択には後述のように化学的性質も考慮しなければならない場合がある。
【0049】
耐食性、伝熱性等にその金属の純度が余り影響を与えない場合には、金属の純度等には多くの場合に格別の配慮を要しない。即ち、機械要素の製作に要求される属性例えばJIS等で規定された各機械要素が備えるべき属性を満足させ得る純度であれば最外層材料として充分である。
【0050】
銅及び銅合金は、銅の本性に起因してアンモニア又はアミン類による腐食を受け易い。しかし、通常の酸類によっては侵されにくく、濃硝酸又は濃硫酸によって浸食されるだけである。他方、アルミニウム及びその合金はアンモニア及びアミン類によっては侵されにくいが、酸にも強アルカリ類にも弱い。また、濃硝酸又は濃硫酸によっては逆に高い耐食性を与えられる。
【0051】
通常の樹脂の成形加工においては濃硝酸、濃硫酸又は濃アルカリと接触する場合は殆ど考えられないが、アンモニア、アミン類および塩酸などの腐食性化合物又はこれらを発生し得る化合物等は、樹脂に含まれる安定剤、添加剤もしくは触媒残等それ自体であるか、或いはそれらから発生し得る。したがって、樹脂に含まれる安定剤、添加剤もしくは触媒残に起因する腐食性化合物が、樹脂の成形加工に際してロール表面に接触する場合を考慮して、最外層2A1の材料を選択することが好ましい。
【0052】
圧接ロール2Aの軟質中間層2A2を形成する材料は軟質材料であり、これは掻き落としブレード5の材料としても用いることができる。この軟質材料は、通常デューロメーター硬度55〜70度、好ましくは65〜70度であることが望ましく、例えば、ゴム特に硬質ゴム又は熱可塑性エラストマーである。
【0053】
中間層2A2に用いられるゴムは天然ゴム(NR)及び合成ゴムの何れでも良い。合成ゴムとしては、シス−1,4−ポリイソプレン(IR)、1,3−ポリブタジエン(BR)、イソプレン−イソブテン共重合ゴム(IIR)およびブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム(NBR)などを挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのゴム類は通常は加硫(架橋)された状態で用いられる。
【0054】
また熱可塑性エラストマーとは、熱可塑性樹脂の成形手段を用いて成形可能でありながらゴム弾性を或程度備えた材料である。このような熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂とエラストマ−との均一な混合物、及び熱可塑性樹脂と部分架橋(半架橋)エラストマ−との混合物等であり、これら混合物内において、熱可塑性樹脂成分とエラストマーとの間に多少の架橋が生じていてもよい。
【0055】
このような熱可塑性エラストマーとしては、エチレン系樹脂と部分架橋エチレン−プロピレン共重合エラストマーとの複合体、プロピレン系樹脂と部分架橋プロピレン−1−ブテン共重合エラストマーとの複合体等を挙げることができるが、その他にも多種類の熱可塑性樹脂とエラストマ−が実在する。上記のゴム類又は熱可塑性樹脂とエラストマ−の何れも、使用時には油展物として用いられる場合が多い。
【0056】
以上、その好ましい態様を挙げて具体的に説明した本発明に係る成形装置によって極薄シートに成形し得る素材樹脂としては、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンコポリマーおよびポリメチルメタクリレートを例示することができる。この中でも結晶性樹脂、特に1−オレフィン系重合体又は共重合体である結晶性ポリオレフィン(オレフィン系樹脂)は極薄シートの素材樹脂として好適である。
【0057】
このような結晶性ポリオレフィン(基質樹脂の役割を果たす)としては、具体的には、下記の樹脂を例示することができる。
エチレン系樹脂、例えばエチレンの結晶性単独重合樹脂、エチレンとコモノマーである他の1−オレフィン例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等から選ばれる1種以上との結晶性共重合樹脂;
プロピレン系樹脂,例えばプロピレンの結晶性単独重合樹脂、プロピレンとコモノマーである他の1−オレフィン例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等から選ばれる1種以上との結晶性共重合樹脂;
上記エチレン系樹脂またはプロピレン系樹脂から選択される2種以上の組成物;および
上記エチレン系樹脂から選択される少なくとも一種と、上記プロピレン系樹脂から選択される少なくとも1種との組成物。
【0058】
なお、上記エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂は、上記コモノマー以外の極性モノマーが、その特性を損なわない程度の量で共重合又はグラフト重合された結晶性樹脂であってもよい。共重合される極性モノマーとしては例えば酢酸ビニル等のビニル化合物を例示できる。また、グラフとされる極性モノマーとしては例えば無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物を挙げることができる。
【0059】
以上説明した、本発明に係る圧接ロールおよびこれを用いた成形装置では、最外層2A1が樹脂押出シートSを主冷却ロール2Bに圧接する際に、僅かに一時的変形を来たす結果、樹脂押出シートSに面圧を印加しながらそれを冷却することとなる。したがって、樹脂シートSに加える押圧力を増加させても樹脂シートSが切断されることがなく、冷却面積が広く有効に樹脂シートSを冷却でき、かつ表面状態の極めて良好な極薄押出シートを製作することができる。なお、圧接ロール2Aと樹脂シートSとの圧接が面接触で行なわれることは,赤色着色剤で着色した圧接ロールで、冷却ロール上の樹脂押出シートを、該樹脂押出シートに直角な方向から押圧することによって確認することができる。即ち、本発明に係る圧接ロールに塗布された赤色着色剤は、樹脂シート押圧後では、樹脂シート上に定幅の帯状となって転写される。
【0060】
以上、好ましい一態様を挙げて、本発明に係る圧接ロールおよび本発明に係る成形装置を説明した。次に、本発明に係る圧接ロールの製造方法を、詳細に説明する。
【0061】
本発明に係る圧接ロールは、上述した芯部材、中間層および最外層からなり、中間層は、芯部材および最外層とできるだけ均一に密着してることが望ましい。このような圧延ロールを簡単かつ簡便に製造し得る方法としては、以下の2つの方法を挙げることができる。
(1) 最外層となる筒体の一端の偶数箇所から他端に向けて、軸に略平行に所定の長さの切り込みを設ける。この切り込みの間に残された舌片部分を外側へ稍折曲げてその先端が筒体の外径よりも稍大きな直径の包絡円を描く様に拡径する。次いで、その拡径した端部から、筒体に、軟質中間層に覆われた芯部材を徐々に嵌入させ、最外層が密着状態で中間層の表面を覆う圧接ロールを製造する。(2) 芯部材の外周を覆う軟質中間層に、この中間層の母線方向の略全長にわたって延在する少なくとも1つの空洞を形成する。中間層に覆われた芯部材を、最外層を構成する筒体に挿入した後、空洞に流体を所定注入圧で導入して中間層の厚さを増加させ、この中間層を、その表面を覆う最外層に密着させる。この方法では、芯部材を筒状体に挿入する際に、中空連通路内を減圧することによって、前記中間層の厚さを減少させれば、より円滑に芯部材の筒体への挿入をおこなうことができる。
【0062】
つぎに、この様な本発明に係る圧接ロールの製造方法の内、方法(1)を、図3,図4Aおよび図4Bを参照して、さらに具体的に説明する。図3は、本発明の方法(1)を実行するのに好適な嵌装装置の好ましい一態様を示す縦断面図であり、図4Aはその底面図、図4Bはその平面図である。なお、図3は、図4Bの3−3線断面図である。図示されるように、この嵌装装置は、略平板状の強固な架台40に穿設された複数個の軸孔にシャフト51及び6が挿通され、何れも回転可能に支持されている。これらの内、シャフト51は外周の略全長に亙ってネジが刻設されたスクリューシャフト(以下、スクリューシャフト51と記すこともある)であり、シャフト6はラチェットシャフトである。
【0063】
また、架台40には、中間層2A2で覆われた芯部材2A3の軸部端部を収容する凹部41aが形成されており、合計7本装着されたスクリューシャフト51は、この凹部41aを中心とする円周上に略等間隔で配置されている。即ち、円周上に配列された複数のスクリューシャフト51の中心に、芯部材2A3に中間筒2A2が外嵌されてなる半製品と、これが嵌入されるべき筒体(最外層2A1)とが支持されている。
【0064】
また、最外層となる筒体2A1には、その一端から他端に向けて、軸に略平行にに所定の長さの切り込みが偶数箇所設けられている。そして、この切り込みの間に残された舌片部分は、外側へ稍折曲げられる。
【0065】
このような筒体2A1を、スクリューシャフト51および半製品と上述のように配置したため、均等に最外層2A1を嵌装することができる。即ち、例えば圧接ロール2A の外径が200〜400mmである場合、筒体2A1の内径は、その内側に位置するべき軟質材料製の中間層2A2の外径よりも0.3〜0.9mmだけ小径に作成され、筒体2A1が嵌装された後には、この最外層である筒体は、中間層2A2を上記の分だけ締め付けることとなる。
【0066】
したがって、筒体2A1に、軟質材料製の中間層2A2に覆われた芯部材2A3を挿入するには、大きな抵抗に対応するために、大きな牽引力又は推進力を筒体2A1の長軸方向へ印加する必要がある。しかも、同時に、上記の牽引力又は推進力は、筒体2A1の周上において可能な限り均等(均一)に加えることが要求される。
【0067】
本態様のスクリューシャフト51では、その周面に刻設されたネジが同方向に刻設された雄ネジとなっており、これらの各々は雌ネジを設けられたフランジ81に螺入される。
【0068】
フランジ81は、図4Aおよび図4Bに示される様に、張出し部を有する円形である。この張出し部は、嵌装されるべき筒体2A1に牽引力を伝達する。この牽引力はスクリューシャフト51の回転によってフランジ81が図中下方へ牽引されて生ずる。この牽引力の伝達はフランジ81の張出し部に強固に接続された筒体2A1下端の舌片2A1tを介して行なわれる。
【0069】
フランジ81の張出し部と舌片2A1tとの強固な接続を実現する方法としては例えば、超強力接着剤による接着又は溶接等を挙げることができ、特に溶接が好ましい。ここで、超強力接着剤とは例えば大型飛行機の製作において外板相互を接着する為に用いられる程度の接着能力を備えることが望ましい。
【0070】
また、図4Aおよび図4Bに示されるように、架台40は略円形の本体部分とそれから張出した略長方形の張出部分を有する結合形状に作成されている。
架台40の本体部分は、円周に略沿った位置に設けられた軸孔に回転自在に挿通される7本のスクリューシャフト51を支持しており、架台40の部から突出するスクリューシャフト51の下端部には、スプロケット(スプロケットホイール)51gが装着されている。また、架台40の張出し部は、ラチェットシャフト6を回転自在に支持しており、このラチェットシャフト6の下端部にもスプロケット6gが嵌着されている。
【0071】
本態様の嵌装装置では、これらの全てのスプロケット51gおよび6gには、これらスプロケット51gおよび6gに外側から係合するように、駆動チェーン7が架装されている。したがって、ラチェットシャフト6の回転によって全スプロケット51gが相互に同調して回転し、全てのフランジ81が同時に降下することとなる。この方式では、全スクリューシャフトに刻設されるネジは同一方向(右ネジばかり又は左ネジばかり)に統一して設けられる。
【0072】
なお、駆動チェーン7は、本態様と同様に装着する必要はなく、駆動チェーン7が、スクリューシャフト51に嵌着されたスプロケット51g間を蛇行するように装着(この方式を「交互架装方式」と称することがある)こともできる。
【0073】
この交互架装方式においては駆動チェーン7は、各スプロケット51gと係合する部位が長くなる結果、駆動力を効率良く伝達することができる。
なお、この交互架装方式では、駆動チェーン7が外側から係合するスプロケット51gが接合されたシャフト51と、内側から係合するスプロケット51gが接合されたシャフト51とで刻設されるネジを相互に逆ネジとする必要がある。従って、交互架装方式では左ネジの方が高価である点が経済的な弱点となり得る。
【0074】
また、特に図3および図4Bに示されるように、この架台4の張出し部には、ラチェットシャフト6が支持されており、ラチェットシャフト6には、それと係合するラチェット機構91と、該ラチェット機構91に一端を固定された駆動レバー9が設けられている。この駆動レバー9により加えられる特定方向の回動力がラチェット機構91によってラチェットシャフト6に伝えられ、これを特定の一方向へ所定角度だけ回転させる。
【0075】
他方、円形部には7本のスクリューシャフト51が同一円周上に配置されており、これらスクリューシャフト51は、ラチェットシャフト6の一方向の回転を駆動チェーン7を介して伝達されて、全て同一方向に回転する。
【0076】
スクリューシャフト51にはフランジ8がそれぞれ螺入され、各フランジの張出し部は、嵌装されるべき筒体2A1の中心に向けて伸びており、筒体2A1下端部に形成された舌片2A1tに固定されている。他方、各舌片2A1tは、図4Bに示されるように、8個の細幅の弧状片であり、相互に狭い間隔で隣接している。各舌片2A1tの外面は、同一の円周上に配列している。
【0077】
この円周は、嵌装されるべき筒体2A1の外周である。筒体2A1の内側には、軟質材料製の中間層2A2が配置されている。この中間層2A2は通常はゴム製である。中間層2A2の内側には、鋳鋼などからなる芯部材2A3が配置され、この芯部材には、圧接ロール2Aの回転軸が設けられている。
【0078】
以下、上記構造の嵌装装置の運転を説明する。本態様の嵌装装置では、駆動レバー9を図3において手前及び奥へ交互に所定角度で揺動させると、特定方向の回動運動のみがラチェット機構91を介してラチェットシャフト6に間欠的に伝達される。
【0079】
ラチェットシャフト6に伝達された特定方向の間欠的回転は、このシャフト6の他端に嵌着されたスプロケット6gに伝達され、スプロケット6gの回転はそれに係合する駆動チェーン7を介してスクリューシャフト51に伝達されてそれらを回転させる。
【0080】
全てのスクリューシャフト51は、その外周に刻設されたネジによって、それに螺合したフランジ8を引下げる方向に回転される。フランジ8を引下げようとする外力は、フランジ8の張出し部を介して筒体2A1を下方へ牽引する。その結果、筒体2A1は軟質材料の中間層2A2を締め付けながら下方へ進行する。金属製外筒2A1の下端部に形成された舌片2A1tの端が中間層2A2の図における下端よりも稍下方まで引下げられた時点で嵌装運転は完了する。
【0081】
嵌装運転終了後に嵌装された圧接ロール2Aの粗製品を取り外して、その一端に突出した全ての舌片2A1tを切断除去し、切り口を仕上げ加工すれば圧接ロール2Aが得られる。
【0082】
【作用】
以上説明した、本発明に係る圧接ロールおよびこれを用いた成形装置では、圧接ロールを、中心軸を備えた筒状の芯部材と、該芯部材の外周を覆い、かつ軟質材料で形成された中間層と、該中間層の外周を覆い、かつ高伝熱性材料で形成された最外層とを備えた構成としているため、押圧ロールの最外層が樹脂押出シートを主冷却ロールに圧接する際に、僅かに一時的変形を来たす結果、樹脂押出シートに面圧を印加しながらそれを冷却することとなる。したがって、樹脂シートに加える押圧力を増加させても樹脂シートが切断されることがなく、冷却面積が広く有効に樹脂シートを冷却でき、かつ表面状態の極めて良好な極薄押出シートを製作することができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明の圧接ロール及び該ロールを装備した極薄押出シートの成形装置によれば、キャストシートをロールで挟圧する方式でありながら、従来は最も薄いと思われていた薄物押出シート(膜厚約0.4mm)よりも格段に薄い範囲である極薄押出シート(0.09mm程度)をも作成できる。
【0084】
また、本発明によれば、曲がりにくい金属ベルトおよび大型のロールを必要としないため、小型でその占有空間が小さく、安価であり、かつ極薄押出シートの製造が可能な成形装置を提供することができる。
【0085】
また、本発明によれば、従来装置は、その圧接ロールを本発明の圧接ロールに交換するだけで改良できるため、それに要する費用も比較的少額で済むという利点がある。
【0086】
さらに、本発明では、金属ベルトを用いていないために、これに起因する欠点、例えば金属ベルトの破断事故等に備える配慮、このベルト破断による運転の中断、継続運転の為の予備ベルトの用意などが解消される等の諸々の有利点に加えて、金属製ベルトの購入による多額の出費も不要となる。
【0087】
【実施例】
本発明を添付の図面に加えて、実施例によって更に具体的に説明する。しかし、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0088】
【実施例1】
スクリュー押出機の吐出口に接続されたTダイ(1)から、プロピレン−エチレン結晶性共重合体[MFR(230℃;2.16 kgf)2.6g/10min;結晶融点159℃;エチレン単位含有量2.5モル%]の溶融押出シート(S)(層厚約0.4mm;幅1150mm)を押出し、図1Aに示すような成形装置の圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間へ送り込んだ。この際、圧接ロール(2A)の、押出シート(S)に対する圧接力は、線圧基準で9.0kgf/cmであった。押出シート(S)は、圧接ロール(2A)によって、主冷却ロール(2B)の表面へ押圧されて押し潰され、同時に金属製外筒(2A1)との面接触によって急冷されて、極薄シート(層厚0.09mm)となった。
【0089】
薄層化操作の継続中には圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかったが、他方、金属製外筒(2A1)は圧接部において稍偏平に弾性変形[金属製外筒がその中心方向へ歪んだ結果、押出シートに面接触した長さ:平均1.6mm]した結果、押出シート(S)に対して面接触した。
【0090】
上記の成形装置における主冷却ロール(2B)(直径500mm)はその全体が鋳鉄製で図1Bに示された様にその内部に冷却水の流通路を備える。この流通路に導入される冷却水(温度12℃)は、回転軸内の軸上にある流通路を介して外部から出入りさせた。
【0091】
圧接ロール(2A)(直径300mm)はその芯部材(2A3)が鋳鋼製であり、軟質中間層(2A2)がゴム(デューロメーター硬度68度)製であり、金属製外筒(2A1)(層厚1.2mm)が耐食鋼(SUS304)製であった。
【0092】
また、圧接ロール(2A)は冷却手段(4)の貯留層(41)内に貯留された冷却水(温度25℃)に浸漬して冷却し、最外層(2A1)の運転時温度を30℃に保った。なお、成形装置の運転は、圧接ロール(2A)表面に付着した水を、ゴム製の掻き落としブレード(5a)および冷風(15℃)吹き付け装置(5c)を組み合わせた除去装置(5)で除去・乾燥しながら、運転された。
【0093】
得られた極薄押出シートの各種の性状を測定した。その結果を表1に示す。
【0094】
【実施例2】
層厚以外は実施例1と同じプロピレン−エチレン結晶性共重合体の溶融押出シート(S)(層厚約0.35mm;幅1150mm)を成形装置の圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間へ送り込み、極薄シートを製造した。
【0095】
なお、圧接ロール(2A)の運転時温度を28℃、押出シート(S) に対する圧接力を線圧基準で12.0kgf/cmとした。押出シート(S)は、圧接ロール(2A)によって、主冷却ロール(2B)の表面へ押圧されて押し潰され、同時に金属製外筒(2A1)との面接触によって急冷されて、外観及び品質共に良好な極薄押出シート(S)(層厚0.10mm)となった。
【0096】
薄層化操作の継続中には圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかったが、他方、最外層(2A1)は圧接部において稍偏平に弾性変形(平均1.2mm)して押出シート(S)に対して面接触した。
【0097】
本実施例で用いた主冷却ロール(2B)及びその運転条件は実施例1において用いられたと同一である。
また、圧接ロール(2A) は、最外層(2A1) として用いた耐食鋼(SUS304)製筒体の厚を1.5mmに増加させた以外には、実施例1と同様であった。
【0098】
得られた極薄押出シートの各種の性状を測定した。その結果を表1に示す。
【0099】
【実施例3】
層厚以外は実施例1と同じプロピレン−エチレン結晶性共重合体の溶融押出シート(S)(層厚約0.35mm;幅1150mm)を成形装置の圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間へ送り込み、極薄シートを製造した。
【0100】
なお、圧接ロール(2A)の運転時温度を30℃の冷却水で冷却して35℃とし、かつ押出シート(S) に対する圧接力を線圧基準で14.0kgf/cmとした。押出シート(S)は、圧接ロール(2A)によって、主冷却ロール(2B)の表面へ押圧されて押し潰され、同時に金属製外筒(2A1)との面接触によって急冷されて、外観及び品質共に良好な極薄押出シート(S)(層厚0.12mm)となった。
【0101】
薄層化操作の継続中には圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B) との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかった。また、金属製外筒(2A1)は圧接部において稍偏平に弾性変形(平均1.5mm)して押出シート(S)に対して面接触した。
【0102】
本実施例で用いた主冷却ロール(2B)及びその運転条件は実施例1において用いられたと同一である。
また、圧接ロール(2A)は、その直径を250mmに減少させ、かつ最外層(2A1) として用いた耐食鋼(SUS304)製筒体の厚を1.0mmに減少させた以外は、実施例1と同様であった。
【0103】
得られた極薄押出シートの各種の性状を測定した。その結果を表1に示す。
【0104】
【実施例4】
スクリュー押出機の吐出口に接続されたTダイ(1)から、高密度ポリエチレン[密度0.967g/cc;MI(190℃;2.16kgf)5.5g/10min]の溶融押出シート(S)(層厚約0.4mm;幅1150mm)を押出し、図1Aに示すような成形装置の圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間へ送り込んだ。この際、圧接ロール(2A)の、押出シート(S)に対する圧接力は、線圧基準で5.0kgf/cmであった。押出シート(S)は、圧接ロール(2A)によって、主冷却ロール(2B)の表面へ押圧されて押し潰され、同時に金属製外筒(2A1)との面接触によって急冷されて、外観及び品質共に良好な極薄押出シート(層厚0.13mm)となった。
【0105】
薄層化操作の継続中には圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかった。また、最外層(2A1)は圧接部において稍偏平に弾性変形(平均0.9mm)して押出シートに面接触した。
【0106】
上記の成形装置における主冷却ロール(2B)(直径500mm)はその全体が鋳鉄製でその内部に冷却水の流通路を備える(不図示)。この流通路に導入される冷却水(温度12℃)は、回転軸内の軸上にある流通路を介して外部から出入りさせた。
【0107】
圧接ロール(2A)(直径300mm)はその芯部材(2A3)が鋳鋼製であり、軟質中間層(2A2)がゴム(デューロメーター硬度69度)製であり、金属製外筒(2A1)(層厚1.2mm)が耐食鋼(SUS304)製であった。
【0108】
また、圧接ロール(2A)は冷却手段(4)の貯留層(41)内に貯留された冷却水(温度38℃)に浸漬して冷却し、最外層(2A1)の運転時温度を39℃に保った。なお、成形装置は、圧接ロール(2A)表面に付着した水を、ゴム製の掻き落としブレード(5a)および冷風(15℃)吹き付け装置(5c)を組み合わせた除去装置(5)で除去および乾燥しながら、運転された。
【0109】
得られた極薄押出シートの各種の性状を測定した。その結果を表1に示す。
【0110】
【実施例5】
スクリュー押出機の吐出口に接続されたTダイ(1)から、プロピレン系の結晶性共重合体[MFR(230℃;2.16kgf)2.6g/10min;結晶融点159℃;エチレン単位含有量2.5モル%]で得られた押出シート(S)(層厚約0.4mm;幅1150mm)を押出し、図1Aに示すような成形装置の圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間へ送り込んだ。この際、圧接ロール(2A)の押出シート(S)に対する圧接力は、線圧基準で2.0kgf/cmであった。押出シート(S)は、圧接ロール(2A)によって、主冷却ロール(2B)の表面へ押圧されて押し潰され、同時に金属製外筒(2A1)との面接触によって急冷されて、極薄シート(層厚0.09mm)となった。
【0111】
本実施例で用いた主冷却ロール(2B)及びその運転条件は実施例1において用いられたと同一である。
圧接ロール(2A)は、その外径200mmに縮小し、最外層(2A1)としてアルミニウム製筒体(厚さ2.0mm)を用いた以外には、実施例1と同様であった。
【0112】
また、成形装置は、圧接ロール(2A)の最外層(2A1)を冷却する冷却水の温度を25℃、最外層(2A1)の運転時温度を37℃に設定する以外は、実施例1と同様にして運転された。
【0113】
薄層化操作の継続中には圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかった。また、金属製外筒(2A1)は圧接部において稍偏平に弾性変形(平均2.2mm)して押出シート(S) に面接触した。得られた極薄押出シートの各種の性状を測定した。その結果を表1に示す。
【0114】
【実施例6】
スクリュー押出機の吐出口に接続されたTダイ(1)から、4−メチル−1−ペンテン系の結晶性重合体の押出シート(S)から得られた押出シート(S)(層厚約0.4mm;幅1150mm)を押出し、図1Aに示すような成形装置の圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間へ送り込んだ。この際、圧接ロール(2A)の、押出シート(S)に対する圧接力は、線圧基準で3.0kgf/cmであった。押出シート(S)は、圧接ロール(2A)によって、主冷却ロール(2B)の表面へ押圧されて押し潰され、同時に金属製外筒(2A1)との面接触によって急冷されて、極薄シート(層厚0.13mm)となった。
【0115】
本実施例で用いた主冷却ロール(2B)及びその運転条件は実施例1において用いられたと同一である。
圧接ロール(2A)は、その外径200mmに縮小し、最外層(2A1)としてリン青銅製(層厚1.8mm;JIS H 3731準拠)筒体を用いたは、実施例1と同様であった。
【0116】
また、成形装置は、圧接ロール(2A)の最外層(2A1)を冷却する冷却水の温度を30℃、最外層(2A1)の運転時温度を45℃に設定する以外は、実施例1と同様にして運転された。
【0117】
薄層化操作の継続中には圧接ロール(2A)と主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかった。また、金属製外筒(2A1)は圧接部において稍偏平に弾性変形(平均2.5mm)して押出シート(S) に面接触した。得られた極薄押出シートの各種の性状を測定した。その結果を表1に示す。
【0118】
【比較例1】
実施例5と同じプロピレン系の結晶性共重合体からなる溶融押出シート(S)(層厚0.35mm)を、図2Aに示す成形装置に供給して極薄シートとした。この成形装置では、溶融押出シート(S)は、大径(直径1000mm)の押圧ロール(21A)(運転時温度45℃)と支承ロール(22)との間に装架された耐食鋼製のベルト(31)(層厚1.0mm;運転時温度45℃)と、主冷却ロール(21B)との間に送り込まれる。この際、耐食鋼製のベルト(31)を、押出シート(S)に線圧基準で15.0kgf/cmの圧接力で接触させた。
【0119】
その結果、耐食鋼製のベルト(31)の接続部に接触する部分に僅かに残留歪を示す押出シート(S)(膜厚0.2mm)が得られた。
薄層化操作の継続中に耐食鋼製のベルト(31)と主冷却ロール(21B)との間の入口側において溶融樹脂バンクは発生しなかった。しかし、押出シート(S) は、ベルト(31)の接続部に接触する部分に残留歪が認められ、良好な性状を有するとは言えなかった。得られた押出シート(S)の各種の性状を測定した。その結果を表1に併せ示す。
【0120】
【比較例2】
実施例5と同一のプロピレン系の結晶性共重合体をTダイ(1)から押出して作成された押出シート(S) (層厚0.30mm)を、圧接ロール(2A)としてクロムメッキが施された普通鋼製の鏡面ロール(温度70℃)を用い、かつ鏡面ロールを、押出シート(S)に線圧基準で20.0kgf/cmの圧接力で圧接させた以外には、実施例5と同様の成形装置および同様の条件で極薄シートとした。その結果、得られた押出シート(膜厚0.30mm)には、全面に残留歪が観察されるとともに、分子配向不良(不均一)が認められた。
【0121】
また、薄層化操作の継続中に上記鏡面ロールと主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクが発生したと共に、該鏡面ロールが押出シート(S)に線接触したに過ぎないことは圧接部変形量が0mmであることから明かである。得られた押出シート(S)の各種の性状を測定した。その結果を表1に併せ示す。
【0122】
【比較例3】
実施例5と同一のプロピレン系の結晶性共重合体をTダイ(1)から押出して作成された押出シート(S) (層厚0.35mm)を、圧接ロール(2A)としてクロムメッキが施された普通鋼製の鏡面ロール(温度70℃)を用い、かつ鏡面ロールを、押出シート(S)に線圧基準で25.0kgf/cmの圧接力で圧接させた以外は、実施例5と同様の成形装置および同様の条件で、極薄シートとした。その結果、得られた押出シート(膜厚0.35mm)には、全面に残留歪が観察されるとともに、分子配向不良(不均一)が認められた。
【0123】
また、薄層化操作の継続中に上記鏡面ロールと主冷却ロール(2B)との間の入口側において溶融樹脂バンクが発生した。該鏡面ロールが押出シート(S)に線接触したに過ぎないことは圧接部変形量が0mmであることから明かである。得られた押出シート(S)の各種の性状を測定した。その結果を表1に併せ示す。
【0124】
【表1】
Figure 0003628788

【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは本発明に係る圧接ロールを装備した成形装置の好ましい一態様の概略図である。図1Bは本発明に係る圧接ロールの好ましい一態様を示す断面図である。
【図2】図2Aおよび図2Bは従来の技術における極薄押出シート製造装置を示す概略図である。
【図3】図3は圧接ロールの製造装置の好ましい一態様を示す縦断面図である。
【図4】図4Aは、図3で示された装置の底面図であり、図4Bはその平面図である。
【符号の説明】
1 Tダイ
2AB 冷却ロール系
2A 圧接ロール
2B 主冷却ロール
2A1 最外層
2A2 中間層
2A3 芯部材
4 冷却手段
5 冷却用媒体除去手段
5a 掻き落としブレード
5b 払拭スポンジ状物
5c 冷風吹き付け手段
6 ラチェットシャフト
6g スプロケット
7 駆動チェーン
40 架台
41 冷媒貯留槽
43 排出路
44 温度調節器
45 ポンプ
51 スクリューシャフト
51g スプロケット
81 フランジ
S 溶融樹脂シート

Claims (15)

  1. 中心軸を備えた筒状の芯部材と、該芯部材の外周を覆い、かつ軟質材料で形成された中間層と、該中間層の外周を覆い、かつ熱伝導率が0.03cal/cm・sec・℃以上の高伝熱
    性材料で形成された最外層とを備える圧接ロールであって、
    前記中間層が、内部に、該中間層の母線方向の略全長にわたって延在する少なくとも1個の空洞を備え、該空洞内には圧力伝達用媒体が注入され、該媒体の注入圧によって圧接ロールの押圧力を変更可能としたことを特徴とする圧接ロール。
  2. 前記中間層が、2個以上の前記空洞を備え、各空洞内に注入される前記圧力伝達用媒体はその種類、量及び温度から選ばれる少なくとも1つの条件を独立に設定し得る請求項に記載の圧接ロール。
  3. 前記最外層を形成する高伝熱性材料が金属である請求項1又は2に記載の圧接ロール。
  4. 前記最外層を形成する高伝熱性材料がアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄および鉄合金から選ばれる金属である請求項1〜3の何れか1項に記載の圧接ロール。
  5. 前記最外層が、金属から形成され、その平均厚さの圧接ロール外径に対する比(最外層厚さ/圧接ロール外径)が0.1〜1.5%であるとともに、その平均厚さが0.6mm以上
    である請求項1〜の何れか1項に記載の圧接ロール。
  6. 前記最外層が、金属から形成され、かつその平均厚さの圧接ロール外径に対する比(最外層厚さ/圧接ロール外径)が0.25〜1.2%であり、かつその平均厚さが0.6mm以
    上である請求項1〜の何れかに記載の圧接ロール。
  7. 一方向に走行する溶融状態又は軟化状態の樹脂製シートを挟んで対向し、該樹脂シートを押圧してその厚さを減少させる主冷却ロールおよび圧接ロールと該圧接ロール表面を液体または気体媒体で冷却する冷却手段とからなり、前記圧接ロールが中心軸を備えた筒状の芯部材と、該芯部材の外周を覆い、かつ軟質材料で形成された中間層と、該中間層の外周を覆い、かつ熱伝導率が0.03cal/cm・sec・℃以上の高伝熱性材料で形成された
    最外層とを備える樹脂製シートの成形装置であって、
    前記圧接ロールの中間層が、内部に該中間層の母線方向の略全長にわたって延在する少なくとも1つの空洞を備え、該空洞内には圧力伝達用媒体が注入され、該媒体の注入圧によって圧接ロールの押圧力を変更可能としたことを特徴とする成形装置。
  8. 前記圧接ロールの中間層が、2本以上の前記空洞を備え、各空洞内に注入される前記圧力伝達用媒体は、その種類、量及び温度から選ばれる少なくとも1つの条件を独立に設定し得る請求項に記載の成形装置。
  9. 前記圧接ロールの最外層を形成する高伝熱性材料が金属である請求項7又は8に記載の成形装置。
  10. 前記圧接ロールの最外層を形成する高伝熱性材料がアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄および鉄合金から選ばれる金属である請求項7〜の何れか1項に記載の成形装置。
  11. 前記圧接ロールの最外層が、金属から形成され、その平均厚さの圧接ロール外径に対する比(最外層厚さ/圧接ロール外径)が0.1〜1.5%であるとともに、その平均厚さが0.6mm以上である請求項〜10の何れか1項に記載の成形装置。
  12. 前記圧接ロールの最外層が、金属から形成され、かつその平均厚さの圧接ロール外径に対する比(最外層厚さ/圧接ロール外径)が0.25〜1.2%であり、かつその平均厚さが0.6mm以上である請求項〜11の何れかに記載の成形装置。
  13. 前記圧接ロールの表面を冷却する液体媒体が、水、塩類水溶液および水溶性有機化合物の水溶液から選ばれる請求項7〜12の何れか1項に記載の成形装置。
  14. 前記冷却手段によって前記圧接ロール表面に付着した該液体媒体を除去する媒体除去手段を備えることを特徴とする請求抗7〜13の何れか1項に記載の成形装置。
  15. 前記圧接ロールの表面に付着する冷却用液体媒体の除去手段が、掻落しゴムブレード、払拭スポンジ状物及び冷風吹付け装置から選ばれる少なくとも1種から構成される請求項14に記載の成形装置。
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