JPH11114692A - ニッケルろう材、及びこのろう材を用いたろう付け方法 - Google Patents

ニッケルろう材、及びこのろう材を用いたろう付け方法

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JPH11114692A
JPH11114692A JP29176197A JP29176197A JPH11114692A JP H11114692 A JPH11114692 A JP H11114692A JP 29176197 A JP29176197 A JP 29176197A JP 29176197 A JP29176197 A JP 29176197A JP H11114692 A JPH11114692 A JP H11114692A
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Japan
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weight
brazing material
nickel
powdered
brazing
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Junpei Inaba
純平 稲葉
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Tokyo Radiator Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ぬれ性が良好で、連続した脆化相が生じること
なく、クラックの発生を防止することができ、かつ靱性
に富む接合部組織を得ることができるニッケルろう材、
及びこのろう材を用いたろう付け方法を提供すること。 【解決手段】粉末状ニッケルろうに、Ni,Cr,Ni
−Cr合金,SUS(ステンレス鋼)のうち選ばれた金
属粉末を1重量%以上〜10重量%未満添加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケルろう材、
及びこのろう材を用いたろう付け方法に係り、特にろう
材の流れがよく、靱性に富むろう付を行うことができる
ニッケルろう材、及びこのろう材を用いたろう付け方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ラジエーター等の熱交換機におい
て、ステンレス鋼材を使用した部材を接続する場合に、
2つの部材の継手をニッケルろうを使用したろう付けに
より接続することがある。
【0003】このニッケルろうは、JISZ3265−
1986にも規定されるように、ニッケル(Ni)を主
成分として、ボロン(B)、珪素(Si)、クロム(C
r)、鉄(Fe)、燐(P)等の添加物を含んだ合金と
して形成されている。これらの添加物は、ろう材の融点
を調整したり、溶融後においてろう材の流動性や材との
濡れ性を良好にしたり、硬化後のろう材の靱性を良好に
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ニッケルろう材にあっては、その凝固中に、ろう材は靭
性に富む初晶のNiα相が母材の界面から晶出し、その
他のSi、B、P等の金属間化合物からなる脆化相が接
合部の中央にそれぞれ晶出する。
【0005】このように、ろう付け部の脆化相が連続し
て生成すると、ろう付け部、特にフィレット部にクラッ
クが発生しやすくなる(図1参照)。脆化相は最終凝固
部に連続して集中することが多いため、クラックも集中
して発生しやすい。
【0006】ろう付けフィレット部にクラックが発生す
ると、例えばラジエータのようにろう付けフィレット部
に液体が接触する製品では、ろう付け部分に発生したク
ラックに隙間腐食が生じることとなり、このようなクラ
ックの発生を防止することが望まれている。
【0007】従来、このようなろう付けフィレット部の
クラック発生に対処して、脆化相を消滅させるために
は、フィレットを小さくし、ろう接温度を高く、ろう接
時間を長くすればよいとされている。しかし、上記のよ
うにクラックの発生を防止することは難しい。
【0008】そこで、本発明は、ぬれ性が良好で、連続
した脆化相が生じることなく、クラックの発生を防止す
ることができ、かつ靱性に富む接合部組織を得ることが
できるニッケルろう材、及びこのろう材を用いたろう付
け方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本出願人は、上記の課題
を解決するため、粉末状ニッケルろうに、特定金属の粉
末を一定量添加することにより、ぬれ性が良好で、連続
した脆化相が生じることなく、クラックの発生を防止す
ることができ、かつ靱性に富む接合部組織を備えるニッ
ケルろうを得ることができることを見出した。即ち、上
記の課題を解決するための手段は以下の通りである。
【0010】請求項1に記載の発明は、粉末状ニッケル
ろうに、Ni,Cr,Ni−Cr合金,SUS(ステン
レス鋼)のうち選ばれた金属粉末を1重量%以上〜10
重量%未満添加したニッケルろう材である。
【0011】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載のろう材において粉末状Niを1重量%以上〜10
重量%未満添加したニッケルろう材である。本発明によ
れば、粉末状Niを1重量%以上〜10重量%未満、好
ましくは4%〜7%添加することにより、上記の課題を
解決できる。
【0012】上記の粉末状Niの添加量の上限及び下限
は、表1に示した実験結果による。即ち、粉末状Niが
1%以下であると、連続した脆化相が生じてクラックが
発生することとなる。また、粉末状Niが10%を越え
るとボイドが多く発生する。
【0013】粉末状Niは、その粒径が20μm以下の
ものを使用している。この粉末状Niの粒径は、本発明
の効果に影響を与える。溶解したNiろうが板材の重ね
しろ間の隙間に毛細管現象によって入り込む時、同時に
添加粉末を流入させるため隙間以下の粒径が好ましい。
また、本発明では、金属粉末としてNiを使用すること
により、ニッケルろう付けに際してNiのα相が形成さ
れやすいという利点がある。
【0014】請求項3に記載の発明は、上記請求項1に
記載のろう材において粉末状Crを1重量%以上〜10
重量%未満添加したニッケルろう材である。本発明によ
れば、粉末状Crを1重量%以上〜10重量%未満、好
ましくは4%〜7%添加することにより、上記の課題を
解決できる。
【0015】上記の粉末状Crの添加量の上限及び下限
は、表2に示した実験結果による。即ち、粉末状Crが
1%以下であると、連続した脆化相が生じてクラックが
発生することとなる。
【0016】また、粉末状Crが10%を越えるとボイ
ドが多く発生する。粉末状Crは、その粒径が20μm
以下のものを使用している。溶解したNiろうが板材の
重ねしろ間の隙間に毛細管現象によって入り込む時、同
時に添加粉末を流入させるため隙間以下の粒径が好まし
い。また、本発明では、金属粉末としてCrを使用する
ことにより、ニッケルろう付けに際してNiα相が形成
されやすいという利点がある。
【0017】請求項4に記載の発明は、上記請求項1に
記載のろう材において粉末状Ni−Cr合金を1重量%
以上〜10重量%未満添加したニッケルろう材である。
本発明によれば、粉末状Ni−Crを1重量%以上〜1
0重量%未満、好ましくは4%〜7%添加することによ
り、上記の課題を解決できる。
【0018】上記の粉末状Ni−Cr合金の添加量の上
限及び下限は、表3に示した実験結果による。即ち、粉
末状Ni−Cr合金が1%以下であると、連続した脆化
相が生じてクラックが発生することとなる。
【0019】また、粉末状Ni−Cr合金が10%を越
えるとボイドが多く発生する。粉末状Ni−Cr合金
は、その粒径が20μm以下のものを使用している。即
ち、溶解したNiろうが板材の重ねしろ間の隙間に毛細
管現象によって入り込む時、同時に添加粉末を流入させ
るため隙間以下の粒径が好ましい。本発明では、金属粉
末としてNi−Cr合金を使用することにより、ニッケ
ルろう付けに際してNiα相が形成されやすいという利
点がある。
【0020】請求項5に記載の発明は、上記請求項1に
記載のろう材において粉末状SUS(ステンレス鋼)を
1重量%以上〜10重量%未満添加したニッケルろう材
である。表4に示すように、粉末状SUS(ステンレス
鋼)を1重量%以上〜10重量%未満、好ましくは4%
〜7%添加することにより、上記の課題を解決できる。
【0021】粉末状SUS(ステンレス鋼)が1%以下
であると、連続した脆化相が生じてクラックが発生する
こととなる。また、粉末状SUS(ステンレス鋼)が1
0%を越えるとボイドが多く発生する。そして、粉末状
SUS(ステンレス鋼)は、その粒径が20μm以下の
ものを使用している。
【0022】即ち、溶解したNiろうが板材の重ねしろ
間の隙間に毛細管現象によって入り込む時、同時に添加
粉末を流入させるため隙間以下の粒径が好ましい。ま
た、本発明では、金属粉末としてSUS(ステンレス
鋼)を使用することにより、ニッケルろう付けに際して
Niα相が形成されやすいという利点がある。
【0023】請求項6に記載の発明は、ステンレス鋼材
からなる2つの母材を接合するに際して、上記請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4、又は請求項5記載
のろう材使用するろう付け方法である。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のろう付け方法において、2つの母材を接合個所を接触
させ、両母材の接触面間に溶融したろう材を両母材間に
毛細管現象で進入させ両母材間にろう材を配置して、両
母材を接合するろう付け方法である。
【0025】(作用)本発明にかかるニッケルろう材、
及びこのろう材を用いたろう付け方法によれば、金属粉
末を添加により、図2に示すように、初晶のNiα相が
母材界面からだけでなく、ろう材相全体に分散して晶出
する。
【0026】よって、脆化相が連続して晶出することは
なくなり、脆化相はNiのα相で分断される形でろう材
相に分散される。そして、このニッケルろう材によっ
て、ろう接個所に過剰なろう材を塗布したとしても、図
2に示すように、生成される過大なフィレットにクラッ
クが入ることがない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るニッケルろう
材、及びこのろう材を用いたろう付け方法の実施の形態
について説明する。本例はステンレス鋼製のEGRクー
ラーに使用される。
【0028】本例は図3に示すように、排気ガス吸気に
返還するEGRシステムの排気ガスを冷却するEGRク
ーラのシェル10の鏡板13に冷却媒体(例えば水)を
通すチューブ11を取付けるのに使用される。即ちチュ
ーブ11の鏡板13への根付け部に上記ろう材を塗布し
て、真空炉で全体を加熱して、ろう材14をチューブ1
1の隙間に流入させるものである。
【0029】
【実施例】出願人は、様々なろう材を用いて、母材につ
いてろう付けを行い、それらについて断面観察、試験を
行った。
【0030】これらの試験に用いたニッケルろうは、J
ISZ3265−1986に規定される粉末状態のもの
を使用した。そして、このニッケルろうに、ニッケル
(Ni)、クロム(Cr)、ニッケル−クロム(Ni−
Cr)、及びステンレス鋼(SUS(ステンレス鋼))
の各金属の粉末を添加混合してろう材を形成した。
【0031】これらのろう材を用いて表1乃至表4に示
したように各金属粉末の混入率を変更して、試験片を作
成しこれらの接合部断面を拡大観察してボイド、クラッ
クを観察した。
【0032】〔第1の実施例〕本例は混入する金属粉末
としてNiを使用した場合である。本例ではニッケルろ
う材として、JISZ3265−1986に規定される
BNi−5の粉末状ニッケルろうに、金属粉末として平
均粒径20μm以下の粉末状Niを5重量%混入してニ
ッケルろう材としたものである。
【0033】この例では、図4、及び図5に示すよう
に、試験片としてステンレス鋼製の板材22〔W20,
L30,T5〕に板材21〔W10,L15,T5〕を
100μmのタングステン線25を挟んで重ね、板材2
1の長辺に上記ニッケルろう材24を5g合成樹脂バイ
ンダで混練したものを塗り付け、試験片を真空炉で加熱
した。
【0034】尚、上記タングステン線25は、実際にろ
う付けする材料の表面加工の誤差の最大値を考慮して両
試験片の間に挟んだものである。溶解したニッケルろう
材24は、両板材21,22間の隙間に毛細管現象によ
って入り込んで、板材と板材との間を埋めた。そして、
板材21と板材22との間を埋めて余ったろう材は板材
の隅部にフィレット部を形成した。
【0035】同様の実験を、粉末状Niの混入重量%を
変更して行い、それぞれのテストピースを切断して顕微
鏡で拡大観察し所定の項目について検査を行い、各項目
について評価を行った。これらの結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】これらの結果から、粉末状Niが1重量%
以上のときNi粉末が核となり初晶のNiα相が母材界
面からだけでなく、ろう材相全体に分散して晶出するこ
とがわかる。これにより、脆化相もろう材中に連続して
晶出せず、Niのα相で分断される形でろう材相に分散
されることとなり、接合部にクラックは発生しなかっ
た。
【0038】また、過剰なろう材の塗布による過大なフ
ィレット部分においても、図2に示すようにクラックが
入ることがなかった。また、粉末状Niが10%を越え
ると、ボイドの発生量が多いことがわかった。
【0039】更に、粉末状Niを7%以上添加すると小
さなボイドが発生することがあり、又粉末状Niを4%
以下にすると微小なクラックが発生することが判明し
た。従って、粉末状Niは1重量%以上〜10重量%未
満添加することが有効であり、また、粉末状Niは、好
ましくは、4%〜7%添加すると良いことが判明した。
【0040】〔第2の実施例〕本例は混入する金属粉末
としてCrを使用した場合である。本例ではニッケルろ
う材として、JISZ3265−1986に規定される
BNi−5の粉末状ニッケルろうに、金属粉末として2
0μm以下の粉末状Crを5重量%混入してニッケルろ
う材としたものである。
【0041】この例では、試験片として第1の実施例と
同様のステンレス鋼製の板材を使用し、試験片の隅部に
上記ニッケルろう材を5gを合成樹脂バインダで混練し
たものを塗り付け、試験片を真空炉で加熱した。溶解し
たニッケルろう材は、板材の隙間に毛細管現象によって
入り込んで、板材と板材との間を埋める。板材と板材と
の間を埋めて余ったろう材は板材の隅部にフィレット部
を形成する。
【0042】同様の実験を、粉末状Crの混入重量%を
変更して行い、それぞれのテストピースについて所定の
項目について検査を行い。各項目について評価を行っ
た。これらの結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】これらの結果から、粉末状Crが1重量%
以上のとき初晶のNiα相が母材界面からだけでなく、
ろう材相全体に分散して晶出する。これにより、脆化相
もろう材中に連続して晶出せず、Niのα相で分断され
る形でろう材相に分散されることとなり、図2に示すよ
うに、接合部にクラックは発生しなかった。
【0045】また、過剰なろう材の塗布による過大なフ
ィレット部分においてもでもクラックが入ることがなか
った。また、粉末状Crが10%を越えると、ボイドの
発生量が多いことがわかる。
【0046】更に、粉末状Crを7%以上添加すると小
さなボイドが発生することがあり、又粉末状Crを4%
以下にすると微小なクラックが発生することが判明し
た。従って、粉末状Crは1重量%以上〜10重量%未
満添加することが有効であり、また、粉末状Crは、好
ましくは、4%〜7%添加すると良いことが判明した。
【0047】〔第3の実施例〕本例は混入する金属粉末
としてNi−Cr合金を使用した場合である。本例では
ニッケルろう材として、JISZ3265−1986に
規定されるBNi−5の粉末状ニッケルろうに、金属粉
末として20μm以下の粉末状Ni−Cr合金を5重量
%混入してニッケルろう材としたものである。
【0048】この例では、試験片として第1の実施例と
同様のステンレス鋼製の板材を使用し、各試験片の隅部
に上記ニッケルろう材を5gを合成樹脂バインダで混練
したものを塗り付け、試験片を真空炉で加熱した。溶解
したニッケルろう材は、板材の重ねしろ間の隙間に毛細
管現象によって入り込んで、板材と板材との間を埋め
る。板材と板材との間を埋めて余ったろう材は板材の隅
部にフィレット部を形成する。
【0049】同様の実験を、粉末状Ni−Cr合金の混
入重量%を変更して行い、それぞれのテストピースにつ
いて所定の項目について検査を行い、各項目について評
価を行った。これらの結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】これらの結果から、粉末状Ni−Cr合金
が1重量%以上のとき初晶のNiα相が母材界面からだ
けでなく、ろう材相全体に分散して晶出する。これによ
り、脆化相もろう材中に連続して晶出せず、Niのα相
で分断される形でろう材相に分散されることとなり、接
合部にクラックは発生しなかった。また、過剰なろう材
の塗布による過大なフィレット部分においてもでもクラ
ックが入ることがなかった。また、粉末状Ni−Cr合
金が10%を越えると、ボイドの発生量が多いことがわ
かる。
【0052】更に、粉末状Ni−Cr合金を7%以上添
加すると小さなボイドが発生することがあり、又粉末状
Ni−Cr合金を4%以下にすると微小なクラックが発
生することが判明した。従って、粉末状Ni−Cr合金
は1重量%以上〜10重量%未満添加することが有効で
あり、また、粉末状Ni−Cr合金は、好ましくは、4
%〜7%添加すると良いことが判明した。
【0053】〔第4の実施例〕本例は混入する金属粉末
としてSUS(ステンレス鋼)を使用した場合である。
本例ではニッケルろう材として、JISZ3265−1
986に規定されるBNi−5の粉末状ニッケルろう
に、金属粉末として粒径20μm以下の粉末状SUS
(ステンレス鋼)を5重量%混入してニッケルろう材と
したものである。
【0054】この例では、試験片として第1の実施例と
同様のステンレス鋼製の板材を使用し、試験片の隅部に
上記ニッケルろう材を5gを合成樹脂バインダで混練し
たものを塗り付け、試験片を真空炉で加熱した。溶解し
たニッケルろう材は、板材の重ねしろ間の隙間に毛細管
現象によって入り込んで、板材と板材との間を埋める。
板材と板材との間を埋めて余ったろう材は板材の隅部に
フィレット部を形成する。
【0055】同様の実験を、粉末状SUS(ステンレス
鋼)の混入重量%を変更して行い、それぞれのテストピ
ースについて所定の項目について検査を行い。各項目に
ついて評価を行った。これらの結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】これらの結果から、粉末状SUS(ステン
レス鋼)が1重量%以上のとき初晶のNiα相が母材界
面からだけでなく、ろう材相全体に分散して晶出する。
これにより、脆化相もろう材中に連続して晶出せず、N
iのα相で分断される形でろう材相に分散されることと
なり、接合部にクラックは発生しなかった。また、過剰
なろう材の塗布による過大なフィレット部分においてで
もクラックが入ることがなかった。
【0058】また、粉末状SUS(ステンレス鋼)が1
0%を越えると、ボイドの発生量が多いことがわかる。
更に、粉末状SUS(ステンレス鋼)を7%以上添加す
ると小さなボイドが発生することがあり、又粉末状SU
S(ステンレス鋼)を4%以下にすると微小なクラック
が発生することが判明した。従って、粉末状SUS(ス
テンレス鋼)は1重量%以上〜10重量%未満添加する
ことが有効であり、また、粉末状SUS(ステンレス
鋼)は、好ましくは、4%〜7%添加すると良いことが
判明した。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ぬれ性が良好で、連続した脆化相が生じることなく、ク
ラックの発生を防止することができ、かつ靱性に富む接
合部組織を得ることができるニッケルろう材、及びこの
ろう材を用いたろう付け方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のニッケルろう材、及びこのろう材を用い
たろう付け方法によるろう付け部の断面の顕微鏡写真を
示す中間調画像である。
【図2】本発明に係るニッケルろう材、及びこのろう材
を用いたろう付け方法によるフィレット部の断面の顕微
鏡写真を示す中間調画像である。
【図3】本発明が適用されるEGRのクーラのシェルを
示す図であり、(1)は縦断面図、(2)はii方向から
の端面図、(3)は(1)中のiii 部の拡大図である。
【図4】本発明の実施例に示した試験片の接続状態を示
す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に示した試験片の接続状態を示
す三面図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状ニッケルろうに、Ni,Cr,N
    i−Cr合金,SUS(ステンレス鋼)のうち選ばれた
    金属粉末を1重量%以上〜10重量%未満添加したニッ
    ケルろう材。
  2. 【請求項2】 金属粉末として粉末状Niを1重量%以
    上〜10重量%未満添加した請求項1記載のニッケルろ
    う材。
  3. 【請求項3】 金属粉末として粉末状Crを1重量%以
    上〜10重量%未満添加した請求項1記載のニッケルろ
    う材。
  4. 【請求項4】 金属粉末として粉末状Ni−Cr合金を
    1重量%以上〜10重量%未満添加した請求項1記載の
    ニッケルろう材。
  5. 【請求項5】 金属粉末として粉末状SUS(ステンレ
    ス鋼)を1重量%以上〜10重量%未満添加した請求項
    1記載のニッケルろう材。
  6. 【請求項6】 ステンレス鋼材からなる2つの母材を接
    合するに際して、上記請求項1、請求項2、請求項3、
    請求項4、又は請求項5記載のろう材使用するろう付け
    方法。
  7. 【請求項7】 上記2つの母材を接合個所で接触させ
    て、両母材の接触面間に溶融したろう材を両母材間に毛
    細管現象で進入させ、両母材を接合する請求項6記載の
    ろう付け方法。
JP29176197A 1997-10-09 1997-10-09 ニッケルろう材、及びこのろう材を用いたろう付け方法 Pending JPH11114692A (ja)

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EP04024668A EP1495831B1 (en) 1997-10-09 1998-10-09 Use of a nickel-based brazing material for bonding stainless-steel members for constituting an EGR cooler, process for producing an EGR cooler, EGR cooler
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US09/168,904 US6257483B1 (en) 1997-10-09 1998-10-09 Nickel-based brazing material, method of brazing with the brazing material, process for producing EGR cooler with the brazing material, and EGR cooler
DE69837056T DE69837056T2 (de) 1997-10-09 1998-10-09 Verwendung eines Nickelbasis-Hartlötmaterials zum Hartlöten von Bauteilen aus rostfreiem Stahl zum Herstellen eines Abgasrezirkulationskühlers

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