JPH11114656A - クロム含有溶鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

クロム含有溶鋼の連続鋳造方法

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JPH11114656A
JPH11114656A JP9291697A JP29169797A JPH11114656A JP H11114656 A JPH11114656 A JP H11114656A JP 9291697 A JP9291697 A JP 9291697A JP 29169797 A JP29169797 A JP 29169797A JP H11114656 A JPH11114656 A JP H11114656A
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chromium
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reduction
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JP9291697A
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Kazuhisa Tanaka
和久 田中
Kazuma Inaoka
数磨 稲岡
Ryusuke Miura
龍介 三浦
Takashi Morohoshi
隆 諸星
Masayuki Takeda
昌行 武田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳片の適正な範囲に圧下を付与することによ
り、圧下に伴う鋳片の内部割れの発生を防止して、セン
ターポロシティ及びザク等を改善すると共に、圧下に用
いるセグメントの簡素化等を図ることのできるクロム含
有溶鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 クロム含有溶鋼11を鋳型14に注湯し
て一次冷却し、引き続き支持装置16に付設した冷却水
ノズルから鋳片15に冷却水を吹き付けて二次冷却を行
って後、鋳片15を圧下してピンチロール20により連
続して引き抜くクロム含有溶鋼の連続鋳造方法におい
て、鋳片15の全幅に対する未凝固幅の比が0.1〜
0.3となる範囲を圧下開始点として、鋳片15が完全
に凝固するまでの少なくとも一部を未凝固幅の4〜49
%に相当する押し込み量で圧下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センターポロシテ
ィ及びザク欠陥等を防止した内部品質に優れたクロム含
有溶鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に用いられている連続鋳造は、溶鋼
を鋳型に注湯し、この鋳型による一次冷却と引き続き鋳
片に支持装置に付設した冷却水ノズルから冷却水を噴霧
する二次冷却によって外層から順次凝固し、鋳片のピン
チロールによる引き抜きを行う。この鋳片の中心近傍で
は、凝固収縮に見合う溶鋼の供給量が不足してセンター
ポロシティ及びザクあるいは溶鋼流動による偏析等が発
生して、良鋳片及び良製品の歩留りが低下する場合があ
る。この連続鋳造におけるセンターポロシティ及びザク
あるいは偏析等を防止するには、凝固が進行しつつある
鋳片を凝固収縮に見合う量だけ圧下することが行われて
いる。特に、鋳片を圧下することにより品質改善を図る
代表的な方法としては、特開平3−104819号公報
に示すように、タンディッシュ内の溶鋼の加熱温度を2
0〜60℃にして、鋳片の未凝固厚みが鋳片全厚みの5
〜30%となる範囲に、未凝固厚みの1〜10倍の押し
込み量で圧下を加える方法、又は、特開平4−3053
50号公報のように、鋳片の中心固相率が0.5〜0.
9となる範囲に未凝固厚みの50〜100%に相当する
押し込み量で圧下を加えて、鋳片中心部の偏析等を改善
する方法等が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロム
含有溶鋼の連続鋳造においては、前述の特開平3−10
4819号公報に示される溶鋼の加熱温度を20〜60
℃とし、未凝固厚みが鋳片全厚みに対して5〜30%と
なる範囲、換言すれば中心固相率が0.7〜0.95と
なる範囲に未凝固厚みの1〜10倍の圧下を加える方法
では、溶鋼中の介在物は浮上により減少できるが以下の
問題が生じる。まず、センターポロシティ及びザク等を
解消するために、圧下を加える部位が極めて狭い範囲と
なり、局所的に大きな圧下を付与することが必要とな
る。この大きい圧下を狭い領域に付与することは、鋳片
の内部割れの発生を招き品質が低下する。また、鋳片の
狭い領域に大きな圧下を付与するには、圧下に用いるセ
グメントが大きくなり、しかも、局所的に大きな圧下を
付与する大圧下は、圧下の付与そのものが困難となり実
用性に乏しい。また、特開平4−305350号公報の
ように、鋳片中心部の固相率が0.5〜0.9となる領
域に、未凝固厚みの50〜100%の圧下を加える方法
では、鋳片の中心固相率が0.5〜0.9の範囲におけ
る凝固が、急速に進行することから、圧下を付与しても
有効に圧着することが困難となる。しかも、前述と同様
に狭い範囲に圧下を付与するために、圧下セグメントの
大型化、あるいは圧下の付与そのものが困難となる等の
問題がある。
【0004】図5は、鋳片の中心固相率の変化を示した
ものであり、普通鋼では、メニスカスからの距離が長く
なるにつれて緩慢に凝固が進行し、圧下によるセンター
ポロシティ等に有効な中心固相率の範囲(0.2〜1.
0)が、2.5mとなり長い距離の圧下が可能となる。
これは普通鋼の液相線温度(TLL)と固相線温度(T
SL)の温度差が35〜45℃と大きいために、凝固が
緩慢になる特性によるものであり、この場合は、中心固
相率を指標として圧下することで十分にセンターポロシ
ティ等を解消できる。一方、前述のクロム含有溶鋼で
は、液相線温度(TLL)と固相線温度(TSL)の温
度差が15℃と極めて狭い組成特性を有するために、セ
ンターポロシティやザク等に有効な中心固相率の範囲
(0.2〜1.0)が0.57mとなり、極めて狭い範
囲を圧下する必要がある。このような前述の公報に開示
された鋳片のセンターポロシティ及びザクを改善する方
法は、そのいずれとも鋳片の中心固相率を基準として鋳
片を圧下することにより改善するものであが、中心固相
率を指標とした圧下では、センターポロシティ及びザク
等を無くすことは不可能に近い。即ち、クロム含有溶鋼
は、普通鋼と異なる凝固形態を示し、鋳片の中心固相率
をもとに圧下を行ってもセンターポロシティあるいはザ
ク等の欠陥は防止できず、逆に、圧下に伴う鋳片の内部
割れ発生を招く等の問題がある。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、適正な範囲で鋳片を圧下することにより、圧下に伴
う鋳片の内部割れの発生を防止して、センターポロシテ
ィと、ザクあるいは溶鋼流動による偏析等を改善すると
共に、圧下に用いるセグメントの簡素化を図ることので
きるクロム含有溶鋼の連続鋳造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のクロム含有溶鋼の連続鋳造方法は、クロム含有溶
鋼を鋳型に注湯して一次冷却し、引き続き支持装置に付
設した冷却水ノズルから鋳片に冷却水を吹き付けて二次
冷却を行って後に、前記鋳片を圧下してピンチロールに
より連続して引き抜くクロム含有溶鋼の連続鋳造方法に
おいて、前記鋳片の全幅に対する前記未凝固幅の比が
0.1〜0.3となる範囲を圧下開始点として、前記鋳
片が完全に凝固するまでの少なくとも一部を未凝固幅の
4〜49%に相当する押し込み量で圧下する。従って、
鋳片が凝固に伴って収縮することにより形成される空隙
を圧着できる。ここで言うクロム含有溶鋼とは、クロム
の含有量が10〜20重量%の溶鋼である。クロム含有
量が10重量%より少ないと凝固の状態が普通鋼に近似
しているために、未凝固幅の比により圧下しても圧着効
果が減少し、クロム含有溶鋼の耐食性も低下する。一
方、クロム含有量が20重量%より多いと、連続鋳造そ
のものが困難となり、しかも、クロムの添加量が増加し
て耐食性の割りにコストが上昇する。また、鋳片の全幅
に対する未凝固幅の比が0.1より小さいと、有効な圧
下範囲が狭くなるため、大きい圧下による圧着が必要と
なり、鋳片の内部割れの発生や圧下セグメントの大型化
等の問題が顕著となる。一方、鋳片の全幅に対する未凝
固幅の比が0.3より大きくなると鋳片の凝固殻が脆弱
な範囲を圧下するために、鋳片の内部割れが発生する。
また、未凝固幅が大きくなり、圧着効果が減少してセン
ターポロシティあるいはザクを低減できない。更に、鋳
片を圧下する量が未凝固幅の4%に相当する押し込み量
より小さい場合は、圧下による空隙の圧着ができずセン
ターポロシティあるいはザクが発生する。また、鋳片を
圧下する量が未凝固幅の49%に相当する押し込み量よ
り大きいと、圧下が過剰となり、内部割れの発生及び圧
下セグメントの大型化による設備費用の増大となる。
【0007】請求項2記載のクロム含有溶鋼の連続鋳造
方法は請求項1記載のクロム含有溶鋼の連続鋳造方法に
おいて、前記鋳片の圧下に用いるロールが凸ロールであ
る。従って、凝固しつつある鋳片の未凝固部に直接に圧
下を付与できるので、小さい圧下力で空隙を圧着でき、
センターポロシティあるいはザク等の欠陥を防止でき
る。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明の一実施の形態に係るクロム含有溶鋼の連続
鋳造方法につき説明し、本発明の理解に供する。図1は
本発明の一実施の形態に係るクロム含有溶鋼の連続鋳造
装置の全体概念図、図2はクロム含有溶鋼の未凝固幅の
比を表す模式図、図3はメニスカスからの距離と未凝固
幅の比及び圧下開始点の関係を表す図、図4は本発明の
実施例であるクロム含有溶鋼の連続鋳造に圧下を適用し
た場合の鋳造速度とセンターポロシティ最大短径(m
m)の関係を示す図である。図1に示すように、連続鋳
造装置10は、クロム含有溶鋼11をタンディッシュ1
2から浸漬ノズル13を用いて、水冷された鋳型14に
注湯してクロム含有溶鋼11を一次冷却し、この一次冷
却により凝固殻(図示せず)を形成する。一次冷却され
た後は、支持装置の一例である鋳片支持セグメント(支
持セグメント)16により支持して、鋳片15のバルジ
ング等を防止しつつ、支持セグメント16に付設された
冷却水ノズル(図示せず)により、冷却水を散水して二
次冷却を行い鋳片15の凝固の促進を図る。また、支持
セグメント16の後方には、鋳片15を圧下する圧下セ
グメント群17を備えてあり、この圧下セグメント群1
7は、圧下セグメント17a、圧下セグメント17b、
圧下セグメント17c、圧下セグメント17dからな
る。この圧下セグメント17a〜17dには、油圧シリ
ンダー(図示せず)に押圧自在に支持されたロール支持
フレーム18を有し、このロール支持フレーム18に
は、鋳片15を圧下するロールの一例である複数の凸ロ
ール19が設けてある。この凸ロール19により圧下さ
れた鋳片15はピンチロール20により連続して所定の
速度で引き抜かれて後工程へと搬送される。
【0009】次に、本発明の一実施の形態に係るクロム
含有溶鋼の連続鋳造装置10をクロム含有溶鋼の連続鋳
造方法に適用した場合の動作について説明する。転炉及
び真空の精錬炉(図示せず)により炭素0.19重量
%、クロム10〜20重量%を含有するクロム含有溶鋼
11を溶製し、その温度を1510〜1535℃にして
タンディッシュ12から浸漬ノズル13を介して幅22
0mm、厚み220mmの鋳型14に注湯した。鋳型1
4による一次冷却を行って後、支持セグメント16によ
り鋳片15を支持してバルジング等を防止しつつ二次冷
却を行い凝固の促進を図った。この二次冷却は、支持セ
グメント16に付設された冷却水ノズル(図示せず)か
ら支持セグメント16の上部に全水量(705リットル
/分)の40%の冷却水、下部に60%の冷却水を供給
すると共に、1.4〜1.6m/分の鋳造速度で鋳造し
た。支持セグメント16を通過する鋳片15の断面は、
図2に示すように、内部に未凝固部22が形成されてお
り、この場合の未凝固幅の比は、未凝固幅(D1 )/鋳
片全幅(D0 )により求めることができる。また、図3
は、鋳型14内のメニスカス21から引き抜き方向に対
する未凝固幅の比の推移について、各鋳造速度毎に表し
たものであり、未凝固幅の比が0.1〜0.3の範囲を
圧下の開始点として、鋳片15が完全に凝固するまでの
範囲を凸ロール19で圧下した場合である。鋳片15の
未凝固幅の比が0.1〜0.3となる範囲を圧下の開始
点とすることにより、凝固の進行に伴って発生する内部
空隙を早い時期から圧着できるので圧着効果が大きく、
しかも、鋳片15に対して押し込みによる内部応力を小
さくできる。この圧下の開始点が0.1より小さいと有
効な圧下範囲が狭くなり、凸ロール19により圧下して
も空隙の圧着が不十分となり、センターポロシティある
いはザクを低減することができない。また、大きい圧下
による圧着が必要となるために、鋳片15に内部割れが
発生して品質が低下すると共に、圧下セグメントの大型
化が必要となる。
【0010】一方、開始点が0.3より大きくなると鋳
片の凝固殻が脆弱な領域を圧下するために、鋳片の内部
割れが発生し易いこと、及び未凝固幅があまりにも大き
い範囲では、凝固収縮による空隙の形成が無いために圧
下しても何らの効果も無く、逆に圧下による内部割れを
助長する。これ等の理由から鋳片15の圧下範囲、即
ち、未凝固幅の比が0.1〜0.3となる圧下開始点か
ら鋳片15が完全に凝固するまでの範囲を凸ロール19
により圧下すると空隙の圧着効果が大きくより好ましい
結果が得られる。また、この未凝固幅の比は、鋼種、鋳
造温度、冷却水の条件、鋳造速度等から引き抜き速度毎
に鋳片に金属釘を打ち込んで、この金属釘の溶解位置を
測定することにより、未凝固幅(D1 )と鋳片全幅(D
0 )を予め求めておいて、この値をもとに決定するか、
又は、鋼種、鋳造温度、冷却条件、鋳造速度、鋳片表面
温度、クロム含有溶鋼の熱伝導率等による一般に用いら
れている伝熱計算により求めることもできる。
【0011】更に、鋳片15を圧下する量は、圧下セグ
メント17a〜17dの凸部を7mmに形成した凸ロー
ル19を用いて、未凝固幅の4%〜30%に相当する押
し込み量で圧下を行った。この圧下セグメント17a〜
17dによる鋳片15の圧下は、図3のように、鋳造速
度(Vc)が1.6m/分の場合においては、圧下セグ
メント17a、17b、17cによって行い、鋳造速度
が1.4m/分の場合では、圧下セグメント17aと1
7bにより圧下を行った。この圧下は、いずれも未凝固
幅の比として0.1〜0.3の範囲から開始して、凝固
が完了するまで行った。この条件における圧下の有効距
離は、鋳造速度が1.4m/分の場合、圧下の開始点が
未凝固幅の比0.1の場合でも約1.5mの有効圧下範
囲が得られ、前述した従来の中心固相率を指標にして圧
下する場合の有効距離0.57mに対して約2倍以上の
範囲が確保されており、圧下を十分に付与でき、センタ
ーポロシティあるいはザクを確実に低減できた。
【0012】
【実施例】次に、本実施の形態に係るクロム含有溶鋼の
連続鋳造方法の実施例について表1を用いて説明する。
まず、本実施例に用いたクロム含有量は、NO.1、N
O.2は13重量%、NO.3は10重量%、炭素の含
有量はいずれも0.19重量%に溶製して、鋳造温度
(タンディッシュのクロム含有溶鋼温度)を1510〜
1520℃とし、幅220×厚み220mmの鋳型14
内に注湯して一次冷却し、支持セグメント16に付設さ
れた冷却水ノズル(図示せず)から支持セグメント16
の上部に全水量(705リットル/分)の40%、下部
に60%の冷却水を供給して二次冷却を行いながら鋳造
した。更に、NO.1は、鋳造速度1.5m/分で鋳造
を行い、未凝固幅の比が0.2となる位置から完全に凝
固するまでの範囲で、全圧下量を未凝固幅の20%に相
当する押し込み量で圧下を行った場合であり、センター
ポロシティ及びザクの発生は極めて小さく、内部割れの
無い優れた状態(◎)が得られ、溶鋼流動に伴う偏析も
良好であった。NO.2は、鋳造速度を1.6m/分と
し、未凝固幅の比が0.2となる位置から完全に凝固す
るまでの範囲で、未凝固幅の30%に相当する押し込み
量で圧下を行った場合であり、センターポロシティ及び
ザク等の発生は同様に極めて小さく優れた状態(◎)で
あった。また、NO.3は、1.4m/分の鋳造速度、
未凝固幅の比が0.1となる点を圧下の開始点とし、完
全に凝固するまでの範囲を未凝固幅の4%に相当する押
し込み量で圧下を行った場合であり、センターポロシテ
ィ及びザクの発生と内部割れは小さく良好な状態(○)
であった。
【0013】また、NO.4〜NO.6は、比較例であ
り、組成及び鋳造条件等をNO.1と同一にしてあり、
一般に用いられている液相線温度(TLL)、固相線温
度(TSL)とその位置における溶鋼温度(T)とによ
り求めた中心固相率によって圧下を行った場合である。
NO.4、NO.5は、この中心固相率0.3〜0.5
の範囲から完全凝固までの範囲を鋳片全厚みの10%に
相当する押し込み量で圧下を行ったものである。その結
果、凝固末期の狭い範囲を圧下するために、センターポ
ロシティ及びザクと内部割れが発生したやや悪い状態
(△)である。NO.5は、中心固相率0.1から完全
凝固までの範囲を鋳片全厚みの10%相当する押し込み
量で圧下を行った場合であり、凝固末期の極めて狭い範
囲を圧下するために、センターポロシティ及びザクと内
部割れが共に発生した悪い状態(×)であった。
【0014】
【表1】
【0015】また、図4は、本発明の実施例である前述
のNO.1に相当する組成と圧下条件で、鋳造速度を
1.5〜1.55m/分で鋳造した場合のセンターポロ
シティ最大短径(mm)(●印)と、全く圧下をしない
場合の従来例(○印)を比較して示したものである。全
く圧下をしない従来例では、センターポロシティ最大短
径が8〜15mmであり、センターポロシティの大きさ
を基準にして4水準にレベル評価した場合で見ると評点
4である。これに対して、NO.1は、評点1.5であ
り、目標管理値評点2以内の良好な結果が得られた。以
上、本発明の一実施の形態に係るクロム含有溶鋼の連続
鋳造方法について述べたが、この他においても本発明の
要旨を逸脱しない範囲を含むものである。例えば、未凝
固幅の比を求める際にクロム含有溶鋼の鋳造温度から未
凝固幅を予測するか、あるいは鋳片の表面温度を測定し
てその温度から未凝固幅を予測する等の方法を用いるこ
とも可能である。また、圧下の終了を完全凝固の直前に
するか、あるいは完全凝固以降に一部圧下を付与するこ
ともできる。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載のクロム含有溶鋼の連続鋳
造方法は、鋳片の全幅に対する未凝固幅の比が0.1〜
0.3となる範囲を圧下開始点として、未凝固幅の4〜
49%に相当する量の押し込み量で圧下するので、最も
有効な範囲を圧下することができ、鋳片の内部割れを防
止して、センターポロシティ及びザクの発生を確実に低
減できる。
【0017】請求項2記載のクロム含有溶鋼の連続鋳造
方法は、鋳片の圧下に用いるロールが凸ロールであるの
で、凝固しつつある鋳片の未凝固部に直接に圧下を付与
でき、小さい圧下力でセンターポロシティあるいはザク
等の欠陥の圧着をして無害化することができる。また、
圧下力を小さくできることから鋳片の圧下による内部割
れの発生を防止でき、しかも圧下セグメントの小型化が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るクロム含有溶鋼の
連続鋳造装置の全体概念図である。
【図2】クロム含有溶鋼の未凝固幅の比を表す模式図で
ある。
【図3】メニスカスからの距離と未凝固幅の比及び圧下
開始点の関係を表す図である。
【図4】本発明の実施例であるクロム含有溶鋼の連続鋳
造に圧下を適用した場合の鋳造速度とセンターポロシテ
ィ最大短径(mm)の関係を示す図である。
【図5】普通鋼とクロム含有溶鋼のメニスカスからの距
離に対する中心固相率の変化を比較した図である。
【符号の説明】
10 連続鋳造装置 11 クロム含
有溶鋼 12 タンディッシュ 13 浸漬ノズ
ル 14 鋳型 15 鋳片 16 支持セグメント 17 圧下セグ
メント群 17a 圧下セグメント、 17b 圧下セ
グメント 17c 圧下セグメント 17d 圧下セ
グメント 18 ロール支持フレーム 19 凸ロール 20 ピンチロール 21 メニスカ
ス 22 未凝固部
フロントページの続き (72)発明者 諸星 隆 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 武田 昌行 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム含有溶鋼を鋳型に注湯して一次冷
    却し、引き続き支持装置に付設した冷却水ノズルから鋳
    片に冷却水を吹き付けて二次冷却を行って後に、前記鋳
    片を圧下してピンチロールにより連続して引き抜くクロ
    ム含有溶鋼の連続鋳造方法において、前記鋳片の全幅に
    対する未凝固幅の比が0.1〜0.3となる範囲を圧下
    開始点として、前記鋳片が完全に凝固するまでの少なく
    とも一部を前記未凝固幅の4〜49%に相当する押し込
    み量で圧下することを特徴とするクロム含有溶鋼の連続
    鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記鋳片の圧下に用いるロールが凸ロー
    ルであることを特徴とする請求項1記載のクロム含有溶
    鋼の連続鋳造方法。
JP9291697A 1997-10-07 1997-10-07 クロム含有溶鋼の連続鋳造方法 Withdrawn JPH11114656A (ja)

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