JPH11114610A - 内面溝付管の製造方法 - Google Patents

内面溝付管の製造方法

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JPH11114610A
JPH11114610A JP27483797A JP27483797A JPH11114610A JP H11114610 A JPH11114610 A JP H11114610A JP 27483797 A JP27483797 A JP 27483797A JP 27483797 A JP27483797 A JP 27483797A JP H11114610 A JPH11114610 A JP H11114610A
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JP
Japan
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groove
grooved
ring
smooth
roll
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JP27483797A
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English (en)
Inventor
Mamoru Ishikawa
守 石川
Chikara Saeki
主税 佐伯
Nobuaki Hinako
伸明 日名子
Kiyonori Koseki
清憲 小関
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溝成形ロールの局部的破損及び局所摩耗を防
止し、安定して溝を形成することができる内面溝付管の
製造方法を提供する。 【解決手段】 半径が50.0mmの溝付リングには外
周面に高さが0.2mmで、溝ピッチが0.2mmの溝
がリング軸方向と傾斜した方向に形成されている。更
に、幅が0.6mmのテーパ部がリング軸方向の両端部
分に形成されており端部の半径は49.88mmであ
る。そして、前記溝付きリングと外周面が平滑な厚さが
49.88mmの平滑リングとにより溝形成ロールが構
成される。この溝形成ロールと外周面が平滑な平滑ロー
ルとにより、金属板の片面に溝を転写する。次に、溝が
形成された面を内側にして金属板を湾曲させ、この突合
せ部を溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロール圧延及び溶接
による内面溝付管の製造方法に関し、特に、溝成形ロー
ルの局部的破損及び摩耗を抑制する内面溝付管の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用及び業務用エアコン等の空冷式熱
交換器の凝縮器には、管内面に螺旋状の溝を形成して熱
伝達効率を向上させた内面溝付管が使用されている。こ
の内面溝付管として、溝を有する金属板を丸めこの突合
せ部を溶接して形成する溶接管が使用されている。この
溶接管の製造方法は以下のとおりである。先ず、一定の
幅を有する金属板を、表面に溝を有するロールと表面が
平滑なロールとの間に挟んで圧延して片面に溝を有する
金属板を形成する。次に、溝を有する面を内側にしてこ
の金属板を湾曲させ、この突合せ部を溶接して溶接管を
形成する。この内面溝付管の伝熱性能を向上させるため
に、管内面に溝ピッチ、リード角及び形状が互いに異な
る溝を形成する方法が提案されている(特開平4-15
8193号公報)。この公報に記載されている方法にお
いては、外面に互いに異なる溝ピッチ、リード角又は形
状を有する溝が形成された複数個の溝付リングを同軸に
結合することにより溝形成ロールが形成されている。そ
して、金属板をこの溝形成ロールと表面が平滑な平滑ロ
ールとの間に挟んで、その長手方向に連続的に供給して
圧延することにより片面に、管の円周方向において溝ピ
ッチ、リード角又は形状が互いに異なる溝が形成された
金属板が製造される。次に、この片面に溝が形成された
金属板をその溝を内側にして湾曲させ、その突合せ部を
溶接することにより内面溝付管が完成する。この従来技
術によれば、内面に形成された溝の溝ピッチ、リード角
又は形状が円周方向において変化するので、管内面を通
過する冷媒の流れが乱れ易く伝熱性能が向上される。
【0003】また、溶接が行われる突合せ部の板厚を安
定させる方法が提案されている(特開平4-29481
9号公報)。この公報に記載されている方法において
は、溝形成ロールの両端から板幅の5乃至35%だけ離
れた部分から両端へ向けてロールの径を0.1乃至0.
7%縮小することにより溝形成ロールにテーパ面が形成
されている。そして、前述の従来技術と同様にして内面
溝付管を製造する。この従来技術によれば、溝形成ロー
ルの両端にテーパ面が形成されているので、金属板の両
端部が局部的に薄肉化することが防止される。このた
め、この部分を溶接して溶接管を製造しても強度が低下
することはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術には以下のような問題点がある。特開平4-
158193号公報に記載された従来技術においては、
溝ピッチが互いに異なる溝付リングを隣接させた場合、
溝付リング同士の接合部において溝の位相ずれが生じ
る。そして、溝突起の端部に応力が集中し、この部分に
おいて歯こぼれ等の破損及び局部摩耗等が発生する。こ
のため、生産コストが高くなると共に、管内面の溝の形
状も安定しない。また、溝のねじれ方向が互いに異なる
溝付リングを隣接させた場合には、圧延時のロール回転
方向と逆方向に溝形成ロールをたどったとき、溝が集中
する溝付リングの接合部が形成されている。この溝形成
ロールを使用して金属板に溝を加工すると、メタルフロ
ーは溝形成ロールの溝と整合する形状となるので、前述
の接合部にメタルフローが集中する。このため、この接
合部において圧下率が増加し、溝の破損及び局部摩耗等
が発生する。
【0005】一方、特開平4-294819号公報に記
載された従来技術によれば、ロールの表面に形成された
溝が一様であれば、その効果が発揮されるが、前述のよ
うに伝熱性能を向上させるために溝ピッチ等が管の円周
方向に沿って変化する場合には、溝付リング同士の接合
部における溝の破損及び局部摩耗等は防止されていな
い。また、溝形成ロールの両端の縮小率が管径により規
定されているが、応力集中の大きさは溝が形成される部
分の圧下率と溝が形成されない部分の圧下率との差異に
より変動するものなので、規定されている数値は適切な
ものではなく、溝形成ロールの歯こぼれ等が生じてい
る。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされても
のであって、溝成形ロールの局部的破損及び局所摩耗を
防止し、安定して溝を形成することができる内面溝付管
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内面溝付管
の製造方法は、金属板を外周面に溝が形成された溝形成
ロールと外周面が平滑な平滑ロールとにより圧延して前
記金属板の片面に溝を形成する溝形成工程と、前記金属
板を溝が形成された面を内側にして湾曲させることによ
り管形状とする管成形工程と、前記管形状とされた金属
板の突合せ部を溶接して接合する溶接工程とを有する内
面溝付管の製造方法において、前記溝形成ロールは、外
周面に円周方向に対して傾斜する方向に溝が形成され、
円周方向と直交する方向の両端部分にテーパが形成さ
れ、前記溝の深さをh(mm)、前記テーパ部の幅をw
(mm)、前記テーパに挟まれた中央部の半径をR
0(mm)、前記両端部の半径をR1(mm)としたと
き、wが(1.5×h)乃至(5.0×h)であり、R
1が(R0−0.2×h)乃至(R0−1.0×h)であ
る複数個の溝付リングからなる溝付リング部と、前記溝
付きリング部の両端に設けられ外周面が平滑で半径がR
1(mm)である1対の平滑リングとを有することを特
徴とする。
【0008】本発明においては、溝付リングの端部に適
切な形状のテーパが形成されているので、溝付リング同
士の隣接部において、歯こぼれ等の破損及び局所的な摩
耗等が防止される。このため、内面溝付管の溝を一様に
形成することができ伝熱性能を向上できる。
【0009】なお、前記溝形成ロールは隣り合う前記溝
付リング間に更に半径がR1(mm)である外周面が平
滑な平滑リングを有し、前記平滑リングの厚さをt(m
m)、前記溝付リングに形成された溝のロール軸方向の
ピッチをp(mm)としたとき、tが(1.0×p)乃
至(3.0×p)であることが望ましい。但し、隣り合
う溝付リング間で溝のピッチが相違する場合は小さい方
をp(mm)とする。
【0010】溝付リング間に更に適切な形状の平滑リン
グを挿設することにより、隣接部における応力集中をよ
り効果的に抑制できる。このため、溝付リングの欠陥が
より発生しづらくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付の図
面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例
に使用される溝付リングを示す模式的正面図である。本
実施例に使用される溝付リング1には、円周方向と直交
する方向(以下、リング軸方向という)にロール軸孔6
が設けられている。そして、外周面には深さがh(m
m)、溝ピッチがp(mm)である溝2がリング軸方向
に対して傾斜した方向に形成されている。更に、溝付リ
ング1はその両端部5からw(mm)だけ離れた位置に
おいてリング軸方向に3分割され、その中央部の半径は
0(mm)である。また、その両端部分(以下、テー
パ部という)の外径を端部5に向かって縮小することに
よりテーパ4が形成されている。そして、テーパ4の端
部5における半径はR1(mm)である。
【0012】図2は図1に示す溝付リングが適用された
溝形成ロールの一例を示す模式的正面図である。図1に
示す溝付リングが適用された溝形成ロールにおいては、
溝ピッチ、リード角又は溝深さが互いに異なり中央部の
半径R0及び端部の半径R1が互いに等しい複数個の溝付
リング1a乃至1dがそのリング軸方向を一致させて端
部同士を当接され、それらのロール軸孔6に孔の径と等
しい外径を有するロール軸16を嵌通されてリング軸方
向に直列に並べられている。更に、溝付リング1a乃至
1dから構成される溝付リング部の両端に位置する溝付
リング1a及び1dの外側の端部には、端部の半径R1
と等しい半径を有する外周面が平滑な平滑リング15が
そのロール軸孔にロール軸16を嵌入されて当接されて
いる。
【0013】次に、溝形成ロールの形状に対する数値限
定理由について説明する。上述のように、溝ピッチ又は
リード角等が互いに異なる溝付リングを当接させて溝形
成ロールを形成し、この溝形成ロールを使用して金属板
の片面に溝を加工する場合、隣接部11及び12におい
て圧下率に乱れが生じ、溝付リング1a乃至1dの端部
に応力が集中する。このため、歯こぼれ等の破損及び摩
耗等が発生する。そこで、これらの欠陥を回避するため
に、溝付リング1a乃至1dのテーパ部の形状を適切な
ものに規定する。圧下率の変動の要因としては、溝ピッ
チ、リード角及び溝深さ等が挙げられるが、とりわけ溝
深さによる影響が大きい。このため、本発明において
は、溝深さを基準としてテーパ部の形状を規定する。
【0014】テーパ部の幅w:(1.5×h)乃至
(5.0×h) テーパ部の幅をw、溝の深さをhとしたとき、wが
(1.5×h)未満であると、テーパ部に整合する金属
板の溝底の肉厚の変化が急峻となり、後工程で金属板を
丸める際にこの部分で座屈が生じる。一方、wが(5.
0×h)を超えると、金属板の溝底の平均肉厚が増加
し、管内の冷媒流路断面積が減少して、冷媒の圧力損失
が増加する。従って、テーパの幅wは(1.5×h)乃
至(5.0×h)とする。
【0015】端部の半径R1:(R0−0.2×h)乃至
(R0−1.0×h) 溝付リングの端部の半径をR1、中央部の半径をR0、溝
の深さをhとしたとき、R1が(R0−0.2×h)未満
であると、端部に生じる応力集中を抑制する効果が小さ
く、溝付リングに破損及び摩耗等が生じる。一方、R1
が(R0−1.0×h)を超えると、この端部に整合す
る金属板の高さがhよりも高くなり、溝が閉塞されて冷
媒の流動が阻害されて伝熱性能が低下する。従って、端
部の半径R1は(R0−0.2×h)乃至(R0−1.0
×h)とする。
【0016】次に、上述のように構成された溝形成ロー
ルを使用した内面溝付管の製造方法について説明する。
図3(a)及び(b)は本発明の実施例に係る溝を加工
する工程を示す図であり、(a)は模式的側面図、
(b)は模式的正面図である。溝形成ロール10は、外
周面が平滑であること以外の形状がほぼ溝形成ロール1
0と同じである平滑ロール30と平行に配置される。こ
のとき、溝形成ロール10と平滑ロール30との間隔は
製造される内面溝付管の肉厚と等しい。そして、溝形成
ロール10及び平滑ロール30を互いに近接している部
分が矢印で示された排出側を向くように回転させる。次
に、この溝形成ロール10と平滑ロール30との間にロ
ール軸16と直交する方向に金属板40を供給すると、
金属板40はこの溝形成ロール10と平滑ロール30と
の間に挟み込まれ、ロールの回転に伴って圧延されて排
出側へ排出される。このとき、金属板40は溝形成ロー
ル10と平滑ロール30とにより圧延されると共に、溝
形成ロール10の外周面に形成された溝をその片面に転
写される。次いで、片面に溝を形成された金属板40を
溝が形成された面を内側にして湾曲させ、その突合せ部
を溶接により接合することにより内面溝付管が製造され
る。
【0017】本実施例においては、溝付リングの端部に
適切な形状のテーパが形成されているので、溝付リング
同士の隣接部11及び12において、歯こぼれ等の破損
及び局所的な摩耗等が防止される。このため、製造され
る内面溝付管の溝も一様に形成され伝熱性能が向上す
る。
【0018】次に、他の実施例について添付の図面を参
照して説明する。本実施例に使用される溝付リングは前
述の実施例と同じものである。即ち、図1に示すよう
に、外周面に高さがh(mm)で、溝ピッチがp(m
m)である溝がリング軸方向と傾斜した方向に形成され
ている。更に、幅がw(mm)であるテーパ部がリング
軸方向の両端部分に形成されている。図4は図1に示す
溝付リングが適用された溝形成ロールの他の例を示す模
式的正面図である。本実施例が前述の実施例と異なる点
は、隣り合う溝付リング間に外周面が平滑な平滑リング
26が設けられていることである。即ち、溝付リングと
平滑リングとがロール軸孔にロール軸27を嵌通されて
交互にリング軸方向に直列に並べられている。そして、
第1実施例と同様に、溝付リング部の両端に位置する溝
付リング1a及び1dの外側の端部に、端部の半径R1
と等しい半径を有する外周面が平滑な平滑リング25を
そのロール軸孔にロール軸27を嵌入して当接すること
により溝形成ロール20が構成されている。
【0019】溝ピッチ又はリード角等が互いに異なる溝
付リング同士を隣り合わせて溝形成ロールを構成する場
合、互いの溝突起部を連結するか、又は圧延の際のメタ
ルフローの集中を吸収する手段を設けることにより連結
部分への応力集中を緩和することが望まれる。そこで、
溝付リング間に外周面が平滑な適切な形状を有する平滑
リングを設けると、隣り合う溝付リングの溝間に位相ず
れがある場合にも、この平滑リングによって位相ずれに
よる応力集中が緩和される。次に、溝付リング間に設け
られる平滑リングの形状に対する数値限定理由について
説明する。
【0020】平滑リングの半径R2:R1と等しい 平滑リングの半径をR2、溝付リング中央部の半径をR1
としたとき、R2がR1を超えると、平滑リングによる圧
下率が高くなり平滑リングの損耗が大きくなると共に、
平滑リングと整合する金属板の位置の肉厚が薄くなる。
一方、R2がR1未満であると、隣り合う溝付リングの溝
突起部の連続性が損なわれ、溝付リングの端部に応力が
集中する。このため、歯こぼれ等の破損及び摩耗等が発
生する。従って、平滑リングの半径R2はR1と等しいも
のとする。
【0021】平滑リングの厚さt:(1.0×p)乃至
(3.0×p) 平滑リングの厚さをt、溝付リングに形成された溝のロ
ール軸方向のピッチ(隣り合う溝付リング間で相違する
場合は小さい方)をpとしたとき、tが(1.0×p)
未満であると、平滑リングのリング軸方向の強度が低下
し、破損が生じ易くなると共に、メタルフローの集中に
対する吸収能力が低下し、溝付リングの破損を防止する
ことができない。一方、tが(3.0×p)を超える
と、メタルフローの集中に対する吸収能力は向上するも
のの、内面溝付管の溝が不足し伝熱性能が低下する。従
って、平滑リングの厚さtは(1.0×p)乃至(3.
0×p)とする。
【0022】上述のように溝付リング及び平滑リング等
により構成された溝形成ロールを使用した内面溝付管の
製造方法を説明する。図5は本発明の他の実施例に係る
溝を加工する工程を示す模式的正面図である。前述の実
施例と同様に、溝形成ロール20は平滑ロール30と平
行に配置される。このとき、溝形成ロール20と平滑ロ
ール30との間隔は製造される内面溝付管の肉厚と等し
い。そして、溝形成ロール20及び平滑ロール30を互
いに近接している部分が排出側を向くように回転させ
る。次に、この溝形成ロール20と平滑ロール30との
間にロール軸27と直交する方向に金属板50を供給す
ると、金属板50はこの溝形成ロール20と平滑ロール
30との間に挟み込まれ、ロールの回転に伴って圧延さ
れて排出側へ排出される。このとき、金属板50は溝形
成ロール20と平滑ロール30とにより圧延されると共
に、溝形成ロール20の外周面に形成された溝をその片
面に転写される。次いで、片面に溝を形成された金属板
50を溝が形成された面を内側にして湾曲させ、その突
合せ部を溶接により接合することにより内面溝付管が製
造される。
【0023】本実施例においては、溝付リングの端部に
適切な形状のテーパが形成されていると共に、隣り合う
溝付リング間に適切な形状を有する平滑リングが挿設さ
れているので、溝付リングの端部における応力集中をよ
り効果的に防止することができる。このため、製造され
る内面溝付管の溝も一様に形成され伝熱性能がより向上
する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
【0025】第1実施例 先ず、テーパ部の形状が表1に示され、中央部の半径が
50.0mm、溝深さが0.2mm、溝ピッチが0.4
mmである実施例1及び比較例3の溝付リングを夫々4
個作製した。このうち、2個の溝付リングの溝は円周方
向に対して同じ方向に16.0°傾斜しており、もう2
個の溝付リングの溝は円周方向に対して前記2個の溝付
リングの溝と逆の方向に30.0°傾斜している。そし
て、上述の2種類の溝付リングを交互に並べ、幅が約2
2mmの溝付リング部を形成し、その両端部に1対の平
滑リングを設けて溝形成ロールを作製した。
【0026】
【表1】
【0027】次に、各実施例及び比較例の溝形成ロール
を使用して、肉厚が0.4mm、板幅が24.0mmで
ある銅板の片面に溝を形成しながらこの銅板を圧延し
た。更に、圧延され溝を形成された銅板を溝を形成され
た面を内側にして湾曲させ、その突合せ部を高周波溶接
することにより外径が7.0mmの内面溝付伝熱管を製
造した。
【0028】そして、溝付リングの端部割れの有無を確
認し、内面溝付管の圧力損失及び造管時の座屈を調べ
た。これらの結果を表2に示す。なお、表2中の圧力損
失の欄において、○は圧力損失が低いことを示し、×は
圧力損失が大きいことを示す。また、管の座屈の欄にお
いて、○は座屈が生じなかったことを示し、×は座屈が
生じたことを示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示すように、実施例1においては、
溝付リングに形成されたテーパ部が本発明で規定された
形状を有するので、端部割れが生じず、内面溝付管の圧
力損失も低い。
【0031】一方、比較例3においては、端部の半径R
1が本発明範囲の上限を超えているので、溝付リングに
端部割れが生じた。比較例4では、端部の半径R1が本
発明範囲の下限未満であるので、溝付リングに端部割れ
は生じなかったが、伝熱管を形成したときに圧力損失が
高くなった。
【0032】比較例5においては、テーパ部の幅wが本
発明範囲の上限を超えているので、伝熱管を形成したと
きに圧力損失が高くなった。比較例6においては、テー
パ部の幅wが本発明範囲の下限未満であるので、造管時
に座屈が生じた。
【0033】第2実施例 第1の実施例と同様に、テーパ部の形状が表3に示され
る実施例2及び比較例7乃至11の溝付リングを夫々4
個作製した。これらのリード角は第1の実施例と同様に
形成されている。そして、これら2種類の溝付リングを
交互に並べ、更に、並べられた溝付リングの間に平滑リ
ングを設け、幅が約22の溝付リング部を形成し、その
両端部に更に1対の平滑リングを設けて溝形成ロールを
作製した。なお、本実施例においては、請求項2に規定
する範囲から外れるものを比較例とした。
【0034】
【表3】
【0035】次に、第1実施例と同様にして内面溝付管
を製造して、溝付リングの端部割れの有無を確認し、伝
熱性能、内面溝付管の圧力損失及び平滑リングの損耗を
調べた。これらの結果を表4に示す。なお、表4中の伝
熱性能の欄において、○は伝熱性能が良好であることを
示し、△はやや良好であることを示し、×は不良である
ことを示す。圧力損失の欄において、○は圧力損失が低
いことを示し、×は圧力損失が大きいことを示す。損耗
の欄において、○は平滑リングの損耗が生じなかったこ
とを示し、×は損耗が生じたことを示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4に示すように、実施例2においては、
溝付リングに形成されたテーパ部及び平滑リングが本発
明で規定した形状を有するので、端部割れが生じず、内
面溝付管の圧力損失も低い。
【0038】一方、比較例7においては、端部の半径R
1が本発明範囲の上限を超え、平滑リングの半径R2が本
発明で規定されたものではないので、溝付リングの端部
に割れが生じた。
【0039】比較例8においては、端部の半径R1が本
発明範囲の下限未満であるので、内面溝付管の圧力損失
が大きくなった。
【0040】比較例9においては、平滑リングの半径R
2が本発明範囲の上限を超えているので、平滑リングの
損耗が著しく生じた。一方、比較例10においては、平
滑リングの半径R2が本発明範囲の下限未満であるの
で、伝熱管の圧力損失が高かった。
【0041】比較例11においては、平滑リングの厚さ
tが本発明範囲の上限を超えているので、伝熱性能が低
かった。一方、比較例12においては、平滑リングの厚
さtが本発明範囲の下限未満であるので、平滑リングの
損耗が著しく生じた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溝形状、溝ピッチ及びリード角等が互いに異なる適切な
形状のテーパ部を有する複数個の溝付リングから溝形成
ロールを構成し、この溝形成ロールを使用して金属板の
片面に溝を形成し内面溝付管を製造するので、隣接する
溝付リングの隣接部において、歯かけ等の破損及び摩耗
等が防止され生産コストが低減される。また、溝形成ロ
ールの強度が高くなるので、加工が困難とされてきた溝
を形成することが可能となり所望の形状の溝が得られる
ので、内面溝付管の伝熱性能が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用される溝付リングを示す
模式的正面図である。
【図2】図1に示す溝付リングが適用された溝形成ロー
ルの一例を示す模式的正面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る溝を加工する工程
を示す図であり、(a)は模式的側面図、(b)は模式
的正面図である。
【図4】図1に示す溝付リングが適用された溝形成ロー
ルの他の例を示す模式的正面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る溝を加工する工程を
示す模式的正面図である。
【符号の説明】
1、1a乃至1d;溝付リング 2;溝 4;テーパ 5;端部 6;ロール軸孔 10、20;溝形成ロール 11、12;隣接部 15、25、26;平滑リング 13、ロール孔 30;平滑ロール 40、50;金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 清憲 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板を外周面に溝が形成された溝形成
    ロールと外周面が平滑な平滑ロールとにより圧延して前
    記金属板の片面に溝を形成する溝形成工程と、前記金属
    板を溝が形成された面を内側にして湾曲させることによ
    り管形状とする管成形工程と、前記管形状とされた金属
    板の突合せ部を溶接して接合する溶接工程とを有する内
    面溝付管の製造方法において、前記溝形成ロールは、外
    周面に円周方向に対して傾斜する方向に溝が形成され、
    円周方向と直交する方向の両端部分にテーパが形成さ
    れ、前記溝の深さをh(mm)、前記テーパ部の幅をw
    (mm)、前記テーパに挟まれた中央部の半径をR
    0(mm)、前記両端部の半径をR1(mm)としたと
    き、wが(1.5×h)乃至(5.0×h)であり、R
    1が(R0−0.2×h)乃至(R0−1.0×h)であ
    る複数個の溝付リングからなる溝付リング部と、前記溝
    付きリング部の両端に設けられ外周面が平滑で半径がR
    1(mm)である1対の平滑リングとを有することを特
    徴とする内面溝付管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溝形成ロールは隣り合う前記溝付リ
    ング間に更に半径がR1(mm)である外周面が平滑な
    平滑リングを有し、前記平滑リングの厚さをt(m
    m)、前記溝付リングに形成された溝のロール軸方向の
    ピッチ(隣り合う溝付リング間で相違する場合は小さい
    方)をp(mm)としたとき、tが(1.0×p)乃至
    (3.0×p)であることを特徴とする請求項1に記載
    の内面溝付管の製造方法。
JP27483797A 1997-10-07 1997-10-07 内面溝付管の製造方法 Pending JPH11114610A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6340050B1 (en) * 1998-11-24 2002-01-22 The Furakawa Electric Co., Ltd. Internally grooved heat exchanger pipe and metal bar working roll for internally grooved heat exchanger pipes
WO2004048873A1 (en) * 2002-11-25 2004-06-10 Outokumpu Oyj Polyhedral array heat transfer tube

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