JP2002001425A - 内面溝付伝熱管の製造装置およびフィン転造ロール - Google Patents

内面溝付伝熱管の製造装置およびフィン転造ロール

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JP2002001425A
JP2002001425A JP2000182290A JP2000182290A JP2002001425A JP 2002001425 A JP2002001425 A JP 2002001425A JP 2000182290 A JP2000182290 A JP 2000182290A JP 2000182290 A JP2000182290 A JP 2000182290A JP 2002001425 A JP2002001425 A JP 2002001425A
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fin
roll
rolls
rolling
heat transfer
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Takao Fukatami
崇夫 深民
Atsushi Miyauchi
淳 宮内
Tetsuya Kouchi
哲哉 古内
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板条材にフィンを転造する過程でのフィ
ン転造ロールの欠けを防止し、フィン転造ロールの寿命
を延長する。 【解決手段】 この内面溝付伝熱管の製造装置は、金属
製の板条材Tを挟んで圧延することによりW字型のフィ
ン2を転造するフィン転造ロール24および受けロール
26と、フィン2が形成された板条材を、フィン2が内
周側に位置するように、管状に成形するための複数のフ
ォーミングロール30と、管状に成形された板条材の両
端縁を加熱したうえ突き合わせて溶接するための溶接機
構32、34、36とを具備する。フィン転造ロール2
4は、外周面にフィン転造溝25が形成され互いに同軸
に配置される複数の分割ロール24B〜24Eを具備
し、これら分割ロールは相互に拡散接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001 】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管の内面に熱
交換効率を高めるためのフィンを形成した内面溝付伝熱
管の製造装置およびフィン転造ロールに関するものであ
る。
【0002 】
【従来の技術】内面溝付伝熱管は、空調装置や冷蔵庫等
の熱交換器において蒸発管または凝縮管として主に使用
されるもので、最近では、内面のほぼ全面に亙ってジグ
ザグ形状のフィンを形成した伝熱管が製品化されてい
る。
【0003 】図10は、ジグザグ形状のフィン2を形
成した内面溝付伝熱管1の一例を示す一部展開した平面
図である。この内面溝付伝熱管1は、図11に示すよう
に、金属板条材Tの両側縁6を除いた部分の表面に、外
周面に転造溝12を有するフィン転造ロール10を用い
て、ジクザグ形状(W字状)のフィン2および溝4を形
成し、このフィン形成面を内側にして板条材Tを管状に
丸め、突き合わせた両側縁6を溶接することにより製造
されている。
【0004 】ところで、前記のようにジグザグ形状の
転造溝12を単一のロールの外周面に高精度で形成する
ことは一般に困難であるため、通常は、フィン転造ロー
ル10のフィン転造溝を形成する領域を、フィン2の屈
折点に沿って分割することにより複数(この場合は4
つ)の分割ロール10B〜10Eに分け、これら分割ロ
ール10B〜10Eの外周面にそれぞれ単純な螺旋溝を
形成している。そして、これら分割ロール10B〜10
Eを一対のサイドロール10Aで挟み、さらにこれらサ
イドロールを締結機構により圧迫し、全てのロール10
A〜10Eを回転軸に固定していた。
【0005 】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近は内面
溝付伝熱管の生産効率を高めるためにライン速度を高め
ることが要求されている。また、内面溝付伝熱管による
熱交換効率を高めるために、従来よりも背の高いフィン
を形成することが求められ始めている。このようにライ
ン速度を高めたり、背の高いフィンを転造しようとした
りすると、分割ロール10B〜10Eの境において、フ
ィン転造溝の末端が破損しやすく、フィン転造ロール1
0の寿命が短いという問題があった。フィン転造ロール
10は高価な部品であるから、その寿命が短いと内面溝
付伝熱管の生産コストを押し上げる。
【0006 】この問題は特に、フィン転造ロール10
の回転に伴って板条材上で個々のフィン2が最後に形成
される領域A(すなわち、板条材の走行方向上流側に向
けて尖るフィン12の屈折部)と対向する領域Bにおい
て顕著だった。この理由は以下のように説明できる。す
なわち、前記のようなフィン転造ロール10によって板
条材Tにフィン2を転造する過程では、個々の転造溝1
2がロール周方向に対し斜めに形成されているため、フ
ィン転造ロール10の回転に伴って、フィン2が板条材
T上でその一部から他の部分へ向けて漸次形成される。
【0007 】この時、個々のフィンの転造開始点から
転造終了点へ向けて、図11中の矢印Yで示すように、
フィン転造溝12に沿って金属材料が寄せ集められ、フ
ィン転造終了領域Aで溝への充填圧力が最高となる。こ
の結果、領域Bでは各フィン転造溝12の末端に過大な
力が繰り返しかかり、フィン転造溝12の間の隔壁が破
損しやすい。また、分割ロール10Bと10Cの境、お
よび分割ロール10Dと10Eの境の僅かな隙間に金属
材料が繰り返し侵入することにより、これらの境で溝形
状の劣化が生じ、ロール寿命が短くなるのである。
【0008 】さらに、フィン転造終了領域Aでは、溝
への金属材料の充填圧力が最高となるため、転造開始部
分に比べてフィン2が必要以上に高くなってしまい、フ
ィン転造溝12からフィン2が抜け出る際に、フィン2
とフィン転造溝12のエッジとが干渉しやすい。その結
果、前記領域Aに対応するロール外周の領域Bにおい
て、フィン転造溝12のエッジが早く損傷するという問
題もあり、いっそう寿命を短くしていた。
【0009 】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、金属板条材にフィンを転造する過程でフィン転造ロ
ールの欠けが生じにくく、フィン転造ロールの寿命を延
長できる内面溝付伝熱管の製造装置、および寿命が長い
フィン転造ロールを提供することを課題としている。
【0010 】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の内面溝付伝熱管の製造装置は、金属製の板
条材を挟んで圧延することにより前記板条材の一面にフ
ィンを転造するフィン転造ロールおよび受けロールと、
前記フィンが形成された板条材を前記フィンが内周側に
位置するように管状に成形するための複数のフォーミン
グロールと、管状に成形された前記板条材の両端縁を加
熱したうえ突き合わせて溶接するための溶接機構とを具
備し、前記フィン転造ロールは、外周面にフィン転造溝
が形成され互いに同軸に配置される複数の分割ロールを
具備し、これら分割ロールは相互に拡散接合されている
ことを特徴とする。
【0011 】前記フィン転造ロールの前段に、前記板
条材を圧延してその厚さを部分的に調整するための厚さ
調整機構を設けてもよい。この厚さ調整機構は、前記フ
ィン転造ロールが前記板条材上に個々のフィンを最後に
形成する拡散接合面近傍領域において、前記板条材の厚
さを相対的に小さくする機能を有する。
【0012 】一方、本発明のフィン転造ロールは、外
周面にフィン転造溝が形成され互いに同軸に配置された
複数の分割ロールを具備し、これら分割ロールは相互に
拡散接合されていることを特徴とする。
【0013 】隣接する分割ロールは、それらに形成さ
れている前記フィン転造溝の角度が互いに異なっていて
もよい。また、前記フィン転造ロールの両側には、表面
が平滑なサイドロールがそれぞれ同軸に配置され、これ
らサイドロールは外径の異なる他のサイドロールと交換
可能とされていてもよい。
【0014 】さらに、前記フィン転造ロールおよび/
または前記受けロールの外径は、前記フィン転造ロール
の回転に伴って板条材上で個々のフィンが最後に形成さ
れる領域と対向する拡散接合面近傍領域において、相対
的に縮径されていてもよい。
【0015 】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施形態を説明する。
【0016 】[第1実施形態]図1は、本発明に係る
内面溝付伝熱管の製造装置の第1実施形態を示す側面図
である。この実施形態は、図11と同様にW字型のフィ
ンを有する内面溝付伝熱管を形成するためのものである
が、本発明はV字型のフィンや、5回屈折する「VVV」
型のフィンを有する内面溝付伝熱管の製造にも同様に適
用することができる。
【0017 】図中符号20は、一定幅かつ一定厚の金
属製板条材Tを連続的に繰り出すアンコイラであり、繰
り出された板条材Tは一対の押さえロール22を経て、
対向して配置されたフィン転造ロール24および受けロ
ール26の間を通される。そして、フィン転造ロール2
4により、W字型のフィン2および溝4、並びに平坦な
両側縁部6(図11参照)が板条材Tの表面に形成され
る一方、板条材Tの裏面は平滑のままに保たれる。
【0018 】フィン転造ロール24は、図2に示すよ
うに、同軸に配置された互いに同径の円環状をなす分割
ロール24B〜24Eと、これら分割ロール24B〜2
4Eの両側に同軸に固定された一対の円環状のサイドロ
ール24Aとからなり、図3に示すように、ロール軸2
7に対して同軸に固定されている。
【0019 】ロール軸27の一端側の外周面には、円
環状のフランジ部29が一体的に形成され、他端側の外
周面には雄ねじ部33が形成されている。フランジ部2
9と雄ねじ部33との間の外周面27Aに、サイドロー
ル24A、一体的に接合された分割ロール24B〜24
E、サイドロール24Aが順に通され、ナット31を雄
ねじ部33に螺合することにより、ロール24A〜24
Eがロール軸27に固定されている。ロール24A〜2
4Eの常温での内径を外周面27Aの外径よりも僅かに
小さくしておき、ロール24A〜24Eを高温に加熱し
た上で外周面27Aに焼き填めし、がたつきをさらに防
止してもよい。
【0020 】分割ロール24B〜24Eの外周面に
は、図2に示すように、全面に亘って螺旋状のフィン転
造溝25が一定のピッチで平行に多数形成されている。
隣り合う分割ロール同士のフィン転造溝25は、これら
分割ロールの接合面を境として面対称にされており、こ
れにより、板条材Tを転造加工すると、W字型をなすフ
ィン2および溝4が一定ピッチで多数形成されるように
なっている。
【0021 】この実施形態の特徴は、分割ロール24
B〜24Eが相互に拡散接合されていることにある。す
なわち、分割ロール24Bと24C、24Cと24D、
24Dと24Eの当接面が拡散接合されている。従来の
分割型ロールで各分割ロール同士を拡散接合することは
通常あり得ない。なぜなら、拡散接合を行わなくても分
割ロール群を機械的に両側から圧迫して固定すれば、通
常の用途では転造の際に支障が起きない上、分割ロール
を相互に接合すると、損傷の生じた分割ロールを個別に
交換することが不可能になるからである。
【0022 】本発明者らも当初、締結機構により各分
割ロールを強く圧迫固定する手段を試みていたが、機械
的な締結力をいくら高めても、各分割ロールの境界部に
欠損が生じることを十分に防止することができないこと
を見いだし、研究の結果、本発明に至った。分割ロール
24B〜24Eを相互に拡散接合すると、個々の分割ロ
ールの交換が不可能になるが、フィン転造ロール24の
寿命そのものが延びるため、分割ロールの交換ができな
いことは問題ではない。
【0023 】拡散接合を行うには、各分割ロール24
B〜24Eのフィン転造溝25の位置を揃えたうえ、こ
れらを治具を用いて相互に加圧して密着させ、全体を真
空加熱炉に入れてロール材料の再結晶温度付近まで加熱
する。これにより、分割ロール24B〜24Eの当接面
において原子の拡散が生じて、各分割ロール24B〜2
4Eが相互に接合される。拡散接合を採用することによ
り、超硬合金のような高融点材料で形成されている分割
ロール24B〜24Eの接合も容易に行える。また、拡
散接合によれば、接合面の変形が極めて少ないうえ、ロ
ウ材のような介在物も存在しないため、拡散接合を行わ
ない場合に比較して形状精度も低下しない。
【0024 】このように分割ロール24B〜24Eを
拡散接合することにより、各分割ロール24B〜24E
の端面は全面に亘って強固に接合され、フィン転造溝2
5の屈折部において突き合わされた溝隔壁(フィン転造
溝25同士の間の突条部分)の端面同士までもが一体的
に連結される。よって、転造のライン速度を高めた場
合、および/または材料流れによりフィン転造溝25の
屈折部に過大な圧力がかかった場合にも、屈折部で突き
合わされた溝隔壁の末端が欠損しにくく、フィン転造ロ
ール24の寿命を延長することができる。
【0025 】また、この実施形態では、各サイドロー
ル24Aは分割ロール24B〜24Eに対して拡散接合
されていないので、サイドロール24Aの交換が容易で
ある。サイドロール24Aは板条材Tの両側縁に一定幅
のフィン無し部分6をそれぞれ形成する作用を有し、こ
れらフィン無し部分6の幅や厚さは電縫溶接に多大な影
響を与える。したがって、板条材Tの材質や厚さ等が変
更された場合には、フィン無し部分6の幅や厚さを調整
するためにサイドロール24Aの寸法や形状を変更する
必要が生じるが、本実施形態であれば、その変更が容易
に行える。予め、サイドロール24Aは寸法の異なるも
のを数種類用意しておくことが望ましい。
【0026 】なお、分割ロール24B、24Eの外周
面には、サイドロール24Aの近傍において、サイドロ
ール24A側へ向けて外径が漸次縮小する円錐面が形成
されていてもよい。この場合、転造後の溝4内における
板条材Tの厚さ(底厚)は、板条材Tの両側縁部に向け
て漸次増大するように形成される。この場合さらに、同
じ部分において、分割ロール24B、24Eの転造溝2
5の深さが、サイドロール24A側へ向けて漸次減少す
るように形成され、板条材Tに形成されるフィン2の高
さが、溶接部に近づくにつれ減少するように調整されて
いてもよい。さらに、サイドロール24Aの外周面は、
軸方向外側へ向けて外径が縮小するテーパ面とされてい
てもよく、これにより、フィン無し部分6での板条材肉
厚が溝4内での板条材肉厚よりも大きくなるように設定
されていてもよい。これらの場合には、いずれも溶接部
近傍の強度を高めることが可能となる。
【0027 】フィン転造溝25がロール周方向に対し
てなす角度は、伝熱管Pに求められる特性に応じて決定
される値であり、本発明では限定されないが、一般的な
内面溝付伝熱管では5〜25゜程度であることが好まし
い。フィン転造溝25の深さも限定されないが、一般的
には0.1〜0.3mm程度とされる。フィン2が高け
れば高いほど転造圧下量は大きくなるので、板条材の材
料流れが顕著になる傾向があり、その分、本発明の効果
が発揮されやすくなる。フィン転造溝25の断面形状は
限定されず、断面三角形状(先端は丸みを帯びていても
尖っていてもよい)であってもよいし、台形状または半
円状をなしていてもよい。
【0028 】フィン転造ロール24および受けロール
26により転造加工された板条材Tは、図1に示すよう
に、一対のロール28を経て、複数対配列されたフォー
ミングロール30を通して徐々に管状に丸められ、ロー
リングセパレータ32により突き合わせるべき両端縁間
の間隙量が一定に保たれたうえ、誘導加熱コイル34に
通されて両側縁部が加熱される。管状に成形され加熱さ
れた板条材Tは、一対のスクイズロール36を通され、
両側方から押されることにより加熱された両側縁部が突
き合わされ、溶接される。こうして溶接された伝熱管P
の外周面には、はみ出した溶融材料によりビードが形成
されるので、このビードを切削するためのビードカッタ
38が設けられている。
【0029 】ビードが切削された伝熱管Pは冷却槽4
0を通されて強制冷却されたうえ、複数対配列されたサ
イジングロール42を通され、所定の外径までに縮径さ
れる。さらに、縮径された伝熱管Pは、ラフコイラ44
で巻き取られる。
【0030 】内面溝付伝熱管Pの寸法は本発明では限
定されないが、一般的な伝熱管での数値を例示すると、
その外径は3〜15mm程度であり、溝4内における管
壁の厚さは0.15〜0.5mm程度である。内面溝付
伝熱管Pの材質は限定されず、銅、銅合金、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、鋼などさまざまな材質が使用可
能であるが、好ましくは銅または銅合金が採用され、そ
の中でも特に、りん脱酸銅(例えばJIS1220合
金)や、無酸素銅などが好適である。
【0031 】上記構成からなる内面溝付伝熱管の製造
装置によれば、分割ロール24B〜24Eを拡散接合す
ることにより、各分割ロール24B〜24Eの端面は全
面に亘って強固に接合され、フィン転造溝25の屈折部
において突き合わされた各溝隔壁の端面同士までもが一
体的に連結される。よって、転造のライン速度を高めた
場合、背の高いフィンを転造する場合、および/または
材料流れによりフィン転造溝25の屈折部に過大な圧力
がかかった場合にも、屈折部で突き合わされた溝隔壁の
末端が欠損しにくく、フィン転造ロールの寿命を延長す
ることができる。
【0032 】[第2実施形態]図4は本発明の第2実施
形態の内面溝付伝熱管の製造装置に使用されるフィン転
造ロール24を示している。この実施形態は、分割ロー
ル24B〜24Eが相互に拡散接合されている点で第1
実施形態と共通であるが、分割ロール24B〜24Eの
外周面の径が一定ではなく、分割ロール24Bと分割ロ
ール24Cとの合わせ面の近傍、および分割ロール24
Dと分割ロール24Eとの合わせ面の近傍において、各
分割ロール24B〜24Eの外径が相対的に縮小されて
いる点が異なる。したがって、フィン転造ロール24の
外周面には、2つの凹部46が全周に亘って形成されて
いる。
【0033 】分割ロール24Bと分割ロール24Cと
の合わせ面、および分割ロール24Dと分割ロール24
Eとの合わせ面は、フィン転造ロール24によって板条
材Tにフィン2を転造する際に、個々のフィン2が最後
に形成される箇所に該当し、これら合わせ面に向けて材
料流れが発生する。すなわち、これら合わせ面の近傍
は、図11でいえば、フィン転造終了側の領域Aに該当
する。
【0034 】なお、フィン転造ロール24の軸線の向
きを逆にした場合には、各W字型フィン2の両端部およ
び中央部へ向けて材料流れが生じることになるが、その
場合には、サイドロール24Aと分割ロール24Bとの
合わせ面の近傍、分割ロール24Cと分割ロール24D
との合わせ面の近傍、並びにに分割ロール24Eとサイ
ドロール24Aとの合わせ面の近傍において、各分割ロ
ール24B〜24Eの外径が相対的に縮小され、これに
よって、フィン転造ロール24の外周面に、3つの凹部
46が形成されるべきである。ただし、各W字型フィン
2の両端部および中央部へ向けて材料流れが生じる向き
で転造を行った場合には、板条材Tの両側縁部に材料流
れに起因する変形が生じやすく、後の溶接に支障を来す
おそれがあるので、図11に示す向き、すなわち、板条
材Tの両側縁部へ向けて材料流れが発生しない向きで転
造を行う方が好ましい。これはフィン2をW字状ではな
く、V字状に形成する場合や、5回屈折した「VVV」状
に形成する場合も同様である。
【0035 】凹部46の断面形状は図示のように広い
V字状であってもよいし、丸みを帯びた形状であっても
よい。凹部46の幅W1および深さD1は、フィン転造
ロール24によりフィン2の転造を行う際に、分割ロー
ル24Bと分割ロール24Cとの合わせ面、および分割
ロール24Dと分割ロール24Eとの合わせ面へ向けて
発生した材料流れを、これら凹部46内で吸収できるよ
うに、かつ、前記合わせ面に対応する領域で、フィン2
が局部的に高くならないように設定されるべきである。
【0036 】この条件を満たす凹部46の幅W1およ
び深さD1は限定されないが、一般的な内面溝付伝熱管
の場合、深さD1は板条材Tの厚さの3〜20%である
ことが好ましく、より好ましくは5〜10%程度とされ
る。凹部46の深さD1が小さすぎると、フィン転造終
了側の領域でフィン2が高くなる現象を防止できず、フ
ィン転造ロール24の寿命が短くなる。逆に、凹部46
の深さD1が大きすぎると、対応する部分でフィン2が
低くなりすぎ、熱交換性能に影響が生じる。また、凹部
46の幅W1は、板条材Tの幅の3%以上であることが
好ましい。あまり小さいと、フィン転造終了側の領域で
フィン2が高くなる現象を防止する効果が低下する。凹
部46の幅W1が分割ロール2つ分の幅に等しくされて
いてもよい。この場合には、各分割ロールの外周面が全
面に亘って傾斜することになる。
【0037 】この実施形態においては、フィン転造ロ
ール24により図5に示すようなフィン2、溝4、およ
びフィン無し部分6が形成される。この転造過程におい
て、溝4を形成するために圧下された材料が、フィン転
造開始側からフィン転造終了側へ向けてフィン転造溝2
5に沿って流れるが、フィン転造ロール24の外周面の
フィン転造終了側部分には凹部46が形成され、その分
加工量が小さいため、これら部分で材料流れが吸収さ
れ、フィン転造溝25の奥まで過剰の金属材料が侵入す
ることが防止できる。したがって、凹部46と対応する
領域でフィン2の高さが過剰に大きくなることはないか
ら、
【0038 】フィン転造ロール24の凹部46と対応
する箇所には、板条材Tの表面に、図5に示すように僅
かな凸部50が形成されてもよいが、その突出量は、転
造前の板条材Tの厚さの75%以下であることが望まし
い。あまり大きいとこの部分が堅くなってロールフォー
ミングが困難になるからである。
【0039 】その他の構成は第1実施形態と同様でよ
い。この第2実施形態によれば、フィン転造ロール24
によりフィン2および溝4を転造する際に、溝4を形成
するために圧下された材料が、フィン転造開始側からフ
ィン転造終了側へ向けてフィン転造溝25に沿って流れ
たとしても、フィン転造ロール24の外周面のフィン転
造終了側部分に形成された凹部46によって材料流れを
吸収でき、フィン転造溝25の奥まで過剰の金属材料が
侵入することが防止できる。したがって、凹部46と対
応する領域でフィン2の背が過剰に高くなることがな
く、フィン2とフィン転造溝25のエッジとの干渉を防
止でき、エッジの損傷を抑制して、分割ロール24B〜
24Eを拡散接合したことと相乗して、フィン転造ロー
ル24の使用寿命をいっそう延長することが可能であ
る。
【0040 】[第3実施形態]次に、図6は本発明の
第3実施形態におけるフィン転造ロール24および受け
ロール26を示している。他の部分は第1実施形態と同
様であるから説明を省略する。
【0041 】この実施形態では、フィン転造ロール2
4に凹部46が形成されていない代わりに、受けロール
26の外周面に、分割ロール24Bと分割ロール24C
との合わせ面、および分割ロール24Dと分割ロール2
4Eとの合わせ面にそれぞれ対向する位置で、2つの凹
部52が全周に亘って形成されている。凹部52の幅W
2および深さD2は、第2実施形態の凹部46と同様に
設定されている。
【0042 】このような実施形態によれば、フィン転
造ロール24によってフィン2および溝4を転造する際
に、板条材Tの一部が凹部52内へ弾性変形して逃げる
ため、凹部52と対向する部分での加工量が相対的に低
下する。したがって、溝4を形成する際に圧下された材
料が、フィン転造開始側からフィン転造終了側へ向けて
流れたとしても、凹部52によって材料流れを吸収で
き、これらの領域でフィン2が過剰に高くなることが防
止され、図7に示すように高さがほぼ均一なフィン2を
転造することが可能となる。したがって、フィン2とフ
ィン転造溝25のエッジとの干渉が減り、干渉によるエ
ッジの損傷が防止でき、分割ロール24B〜24Eを拡
散接合したことと相乗して、フィン転造ロール24の使
用寿命をいっそう延長することが可能である。
【0043 】[第4実施形態]次に、図8は本発明の
第4実施形態の要部を示している。この実施形態では、
フィン転造ロール24あるいは受けロール26の形状を
変更する代わりに、図2および図3に示したフィン転造
工程の前段、すなわち、図1における押さえロール22
とフィン転造ロール24との間に、図8に示す板条材T
の圧延機構を設け、板条材Tの厚さを調整するようにし
たことを特徴とする。
【0044 】この実施形態の圧延機構は、対向配置さ
れた溝付けロール54と受けロール60を具備したもの
であり、受けロール60の外周面は平坦である一方、溝
付けロール54の外周面には、分割ロール24Bと分割
ロール24Cとの合わせ面、および分割ロール24Dと
分割ロール24Eとの合わせ面に対応した位置に、それ
ぞれ緩やかな突条部56が形成されている。これら突条
部56の幅W3および高さD3は限定されないが、第2
実施形態における凹部46の幅W1および深さD1とそ
れぞれ同様に設定されていればよい。
【0045 】この実施形態では、図1に示すように、
板条材Tをアンコイラ20から連続的に繰り出し、繰り
出された板条材Tを一対の押さえロール22を経て、溝
付けロール54と受けロール60(図1には記載無し)
の間を通す。すると、突条部56に圧下されて板条材T
の表面には一対の浅い凹溝58が形成される。
【0046 】次に、表面に凹溝58が形成された板条
材Tを、図2および図3に示したフィン転造ロール24
と受けロール26との間に通し、フィン転造ロール24
によりW型フィン2、溝4およびフィン無し部分6(図
11参照)を形成する。この時、フィン転造終了点の近
傍では、板条材Tに予め凹溝58が形成されており、凹
溝58と対向する部分での加工量が相対的に低下するた
め、フィン転造ロール24により圧下された材料が、フ
ィン転造開始側からフィン転造終了側へ向けて流れたと
しても、凹溝58によって材料流れを吸収でき、これら
の領域でフィン2が過剰に高くなることが防止され、高
さがほぼ均一なフィン2を転造することが可能となる。
したがって、フィン2とフィン転造溝25のエッジとの
干渉が減り、干渉によるエッジの損傷が防止でき、分割
ロール24B〜24Eを拡散接合したことと相乗して、
フィン転造ロール24の使用寿命をいっそう延長するこ
とが可能である。
【0047 】また、本発明の他の実施形態において
は、図9に示すように、突条部56の幅を板条材Tの幅
の半分程度にまで拡大してもよい。
【0048 】複数の実施形態を説明したが、本発明は
上記実施形態のみに限定されるものではなく、各実施形
態の特徴点を適宜組み合わせてもよい。例えば、フィン
転造ロール24に凹部46を形成すると同時に、受けロ
ール26にも凹部52を形成してもよいし、さらに、板
条材厚さ調整機構を組み合わせてもよい。また、サイド
ロール24Aは必要であれば分割ロール24B〜24E
と一体的に拡散接合してもよい。
【0049 】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る内面
溝付伝熱管の製造装置およびフィン転造ロールでは、分
割ロールを相互に拡散接合することにより、各分割ロー
ルの端面は全面に亘って強固に接合され、フィン転造溝
の屈折部において突き合わされた各溝隔壁の端面同士ま
でもが一体的に連結される。よって、転造のライン速度
を高めた場合、背の高いフィンを転造する場合、および
/または材料流れによりフィン転造溝の屈折部に過大な
圧力がかかった場合にも、屈折部で突き合わされた溝隔
壁の末端が欠損しにくく、フィン転造ロールの寿命を延
長することができる。
【0050 】また、フィン転造ロールの両側に、表面
が平滑なサイドロールがそれぞれ同軸に配置され、これ
らサイドロールは外径の異なる他のサイドロールと交換
可能とされている場合には、溶接条件の変更に容易に対
応できる。
【0051 】また、フィン転造ロールおよび/または
前記受けロールの外径が、材料流れの末端となる位置に
おいて相対的に縮径されている場合には、材料の偏りに
起因してフィンが過剰に高くなる現象が防止できる。し
たがって、フィンとフィン転造溝のエッジとの干渉が減
り、干渉によるエッジの損傷が防止でき、分割ロールを
相互に拡散接合した効果と相乗して、フィン転造ロール
の使用寿命をいっそう延長することが可能である。
【0052 】さらに、フィン転造ロールの前段に、板
条材を圧延してその厚さを部分的に調整するための厚さ
調整機構を設け、材料流れの末端となる位置において板
条材を薄くするようにした場合には、材料の偏りに起因
してフィンが過剰に高くなる現象が防止できる。したが
って、フィンとフィン転造溝のエッジとの干渉が減り、
干渉によるエッジの損傷が防止でき、分割ロールを相互
に拡散接合した効果と相乗して、フィン転造ロールの使
用寿命をいっそう延長することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内面溝付伝熱管の製造装置の第
1実施形態を示す側面図である。
【図2】 同製造装置のフィン転造ロール近傍を示す正
面図である。
【図3】 同製造装置のフィン転造ロールの断面図であ
る。
【図4】 第2実施形態のフィン転造ロール近傍を示す
正面図である。
【図5】 同製造装置によって転造加工された板条材の
断面拡大図である。
【図6】 第3実施形態のフィン転造ロール近傍を示す
正面図である。
【図7】 同製造装置によって転造加工された板条材の
断面拡大図である。
【図8】 第4実施形態の板条材厚さ調整機構を示す正
面図である。
【図9】 板条材厚さ調整機構の変形例を示す正面図で
ある。
【図10】 内面溝付伝熱管の一例を示す一部展開した
平面図である。
【図11】 従来の問題点を示す板条材の転造加工工程
の平面図である。
【符号の説明】
1,P 内面溝付伝熱管 2 フィン 4 溝 6 両側縁部(フィン無し部分) 24 フィン転造ロール 24A サイドロール 24B〜24E 分割ロール 25 フィン転造溝 26 受けロール 30 フォーミングロール 34 誘導加熱コイル(溶接機構の一部) 36 スクイズロール(溶接機構の一部) 46,52 凹部 54 溝付けロール 60 受けロール 56 突条部 58 凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 1/40 F28F 1/40 E D (72)発明者 古内 哲哉 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 Fターム(参考) 4E002 AD10 BB09 CB09 4E028 CA02 CA13 HA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の板条材を挟んで圧延することに
    より前記板条材の一面にフィンを転造するフィン転造ロ
    ールおよび受けロールと、 前記フィンが形成された板条材を、前記フィンが内周側
    に位置するように、管状に成形するための複数のフォー
    ミングロールと、 管状に成形された前記板条材の両端縁を加熱したうえ突
    き合わせて溶接するための溶接機構とを具備し、 前記フィン転造ロールは、外周面にフィン転造溝が形成
    され互いに同軸に配置される複数の分割ロールを具備
    し、これら分割ロールは相互に拡散接合されていること
    を特徴とする内面溝付伝熱管の製造装置。
  2. 【請求項2】 隣接する分割ロールは、それらに形成さ
    れている前記フィン転造溝とロール周方向とのなす角度
    が互いに異なることを特徴とする請求項1記載の内面溝
    付伝熱管の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記フィン転造ロールの両側には、表面
    が平滑なサイドロールがそれぞれ同軸に配置され、これ
    らサイドロールは外径の異なる他のサイドロールと交換
    可能とされていることを特徴とする請求項1または2記
    載の内面溝付伝熱管の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記フィン転造ロールおよび/または前
    記受けロールの外径は、前記フィン転造ロールの回転に
    伴って板条材上で個々のフィンが最後に形成される領域
    と対向する拡散接合面近傍領域において、相対的に縮径
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の内面溝付伝熱管の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記フィン転造ロールの前段に、前記板
    条材を圧延してその厚さを部分的に調整するための厚さ
    調整機構を具備し、この厚さ調整機構は、前記フィン転
    造ロールが前記板条材上に個々のフィンを最後に形成す
    る拡散接合面近傍領域において、前記板条材の厚さを相
    対的に小さくする機能を有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の内面溝付伝熱管の製造装置。
  6. 【請求項6】 外周面にフィン転造溝が形成され、互い
    に同軸に配置された複数の分割ロールを具備し、これら
    分割ロールは相互に拡散接合されていることを特徴とす
    るフィン転造ロール。
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